JP5557114B2 - 空間フィルタ流速計および流速測定方法 - Google Patents

空間フィルタ流速計および流速測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、空間フィルタ流速計および流速測定方法に係り、特に時系列デジタル画像を用いた空間フィルタ流速計および流速測定方法に関する。
流速測定方法は種々が存在するが、流体に微小粒子を混入させ、粒子の速度を計測することによって流速や流速の空間分布を測定するLDV(レーザドップラ流速測定法:Laser Doppler Velocimetry)やPIV(粒子画像流速測定法:Particle Image Velocimetry)が従来から広く用いられている。LDVやPIVは、ピトー管のような測定用のセンサを流体中に設置することなく流体の外部から流速を測定する手法であるため、センサ設置に伴う流れ場の乱れが全く発生しないという大きな利点がある。
LDVでは、複数のレーザビームを流体中で交差させることによって交差領域に干渉縞を発生させ、粒子が干渉縞を通過する際の散乱光の強度を流体の外部からフォトマルチプライア-等の光検出器で検出する。散乱光の強度は干渉縞の存在によって時間変動するが、その変動周波数は、粒子の速度、即ち流速と干渉縞の間隔によって一意的に定まる。一方、干渉縞の間隔はレーザの波長とレーザビームの交差角によって定まる。したがって、散乱光強度の変動周波数を測定することによって、交差領域の流速を求めることができる。
一方、PIVでは、粒子が混入された流体を対象に時間間隔ΔT離れた2時刻での粒子画像を得る。この粒子画像を小さな検査領域に分割し、ある時刻における検査領域内の輝度値分布と、時間ΔT後の輝度値分布との相互相関関数を求め、相互相関関数が最大となる位置を検査領域内の粒子群の平均的な移動位置として推定して変位ベクトルを求める。そして、この変位ベクトルと時間間隔ΔTから、分割した夫々の検査領域に対して速度ベクトルを求めることにより、流速の空間分布を得ることができる。
LDVは、光検出器から出力される時間方向のアナログ信号の変動周波数を解析することによって流速を求める手法であるため、アナログ信号のサンプリング周波数を高めることによって、またAD変換のダイナミックレンジや精度を高めることによって、広いダイナミックレンジでかつ精度の高い流速測定を行うことが可能である。
また、レーザ光が交差する交差領域は十分に小さいため、高い空間分解能を実現することがでる。さらに、原理的には1つの粒子が交差領域を通過すればよく、低い粒子濃度でも流速を測定することが可能である。
しかしながら、LDVは流体中の交差領域でのみ流速測定が可能であり、同時に多点の流速測定を行うためにはレーザと光検出器からなる測定系を複数構築する必要がある。このため、同一時刻における流速の空間分布を測定するような多点計測には不向きである。同時性を必要としない場合には1つの測定系で流速の空間分布を得ることは可能であるが、この場合には干渉縞が発生する交差領域の位置を順次変更しながら測定することになり、測定に多くの時間と労力が必要となる。
また、LDVではレーザを使用するが、レーザ光源自体のコストが比較的高いため、測定系の取得コストが高くつくほか、取得した測定系を流速測定以外の目的に使用することが難しいといった問題も有る。
他方、PIVは、粒子画像を分割した検査領域のそれぞれから速度ベクトルを得て流速の空間分布を得る測定法である。したがって、1つの測定系のみで多点同時計測が可能であることはもとより、検査領域ごとに、少なくともX方向及びY方向の直交2方向の速度成分を得ることが出来る。また、通常PIVでは、流体中の粒子を照射する為に用いる光源の種類は問わない。このため、高価なレーザ光源を使用することなく、安価な光源、例えばLED光源等を使用することができ、測定系の取得コストを低く抑えることができる。
しかしながら、PIVは、検査領域内に複数の粒子が存在することを前提とする手法であり、複数粒子からなる粒子群の形状の類似度(相互相関関数)によって、フレーム間での粒子群の移動量と移動方向から速度ベクトルを求めている。このため、乱流場のように粒子群の形状の時間変化が大きな場合には、粒子群の平均的な移動速度は得られても乱流による微小な部分の動きは必ずしも高精度で検出することができない。また、検査領域内に単一の粒子しか存在しない場合には、フレーム間での粒子群の類似度を検出する事が非常に困難であり、実質、計測が不可能である。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、検査領域内に単一の粒子しか存在しない場合であっても測定可能であり、かつ高い空間分解能と時間分解能で多点の流速、即ち流速の空間分布を測定することができる空間フィルタ流速計、および流速測定方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る空間フィルタ流速計は、流体中を流れる粒子を撮像して粒子画像を時系列に取得する画像取得部と、前記粒子画像内異なる領域から前記粒子が少なくとも1つ通過しうる大きさの2次元の検査画像を複数抽出し、空間的周期性を有するパタンによって構成される2次元の空間フィルタによって前記複数の検査画像の夫々に対して空間フィルタ処理を施し、前記異なる領域に対応する複数のフィルタ出力値を、前記粒子画像が取得された所定の時間帯の時系列に沿って求めるフィルタ演算部と、前記時系列に沿って変動する前記フィルタ出力値から前記フィルタ出力値の変動周期または変動周波数を求め、その変動周期または変動周波数から、前記所定の時間帯から定まる特定の1時刻及び前記異なる領域に対応する複数点における、前記前記粒子周辺の流体の流速ベクトルを求める流速算出部と、を備えたことを特徴とする。
本発明に係る空間フィルタ流速計、および流速測定方法によれば、検査領域内に単一の粒子しか存在しない場合であっても測定可能であり、かつ高い空間分解能と時間分解能で多点の流速、即ち流速の空間分布を測定することができる。
実施形態の空間フィルタ流速計の構成例を示すブロック図。 空間フィルタ流速計による流速測定方法を説明する第1の図。 空間フィルタ流速計による流速測定方法を説明する第2の図。 空間フィルタ流速計による流速測定方法を説明する第3の図。 空間フィルタ流速計による流速測定方法を説明する第4の図。 空間フィルタ流速計による流速測定方法を説明する第5の図。 フィルタ出力値の周波数解析の一例を示す図。 空間フィルタ流速計を用いた流速測定方法の検証試験のセットアップを説明する図。 本流速測定方法(SFV)と従来のLDVとを比較する検証試験結果の一例を示す図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る空間フィルタ流速計1の構成例を示すブロック図である。空間フィルタ流速計1は、光源10、画像取得部20、フィルタ演算部30、流速算出部40等を備えて構成される。
空間フィルタ流速計1の測定対象は流体である。空間フィルタ流速計1は、流体に混入した微小な粒子に外部から光を照射し、粒子からの散乱光を高速度カメラ等で撮像し、流体中を流れる粒子の動きを解析することによって流速等の流体に関する諸元を測定する。
光源10は、例として薄いシート状の光ビームを発生させ、この光ビームを粒子が混入された流体に向けて照射する。3次元の流体空間を流れる粒子群のうち、シート状の光ビームの形状に対応する2次元空間にある粒子にのみ光を照射する。
光源10の種類は限定するものではなく、レーザ光源でもよいが、より低コストのLED光源等でもよい。また、照射する光は必ずしもシート状でない場合もある。
画像取得部20は、高フレームレート、例えば1000fps(frames per second)以上の高速度カメラ等で構成されるが、高い時間分解能が必要とされない場合は、一般的な撮像カメラ、例えば30fps程度のフレームレートの撮像カメラでもよい。
画像取得部20は、流体中の粒子の散乱光を撮像し、フレームレートに対応する時系列で撮像した粒子画像をフィルタ演算部30に出力する。
フィルタ演算部30は、検査画像抽出部31、積分処理部32、空間フィルタパタン記憶部33、パタン変更部34等を内部構成として有している。フィルタ演算部30は、画像取得部20から時系列で入力される粒子画像の所定領域から検査画像を抽出し、空間的周期性を有するパタンによって構成される空間フィルタによって検査画像に空間フィルタ処理を施し、空間フィルタ処理の出力として得られるフィルタ出力値を時系列に沿って流速算出部40に出力する。フィルタ演算部30のより具体的な処理内容は後述する。
流速算出部40は、時系列に沿って変動するフィルタ出力値からフィルタ出力値の変動周期または変動周波数を求め、その変動周期または変動周波数から流体に追従して運動する粒子の速度を求める。流速算出部40のより具体的な処理内容についても後述する。
フィルタ演算部30および流速算出部40の各内部構成の機能は、ソフトウェアによって実現可能であり、図示しないCPUに所定のプログラムを実行させることにより実現することができる。なお、フィルタ演算部30および流速算出部40の各内部構成の機能は、ASIC等の専用のハードウェアで実現してもよいし、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて実現してもよい。
また、図1に示す空間フィルタ流速計1は、光源10や画像取得部20を含む構成となっているが、光源10と画像取得部20を除いた、フィルタ演算部30と流速算出部40からなる構成としてもよい。
(動作)
図2は、画像取得部20からフレーム毎に時系列(t=t1、t2、t3・・・)で出力される粒子画像と、粒子画像から抽出した検査画像を模式的に示す図である。粒子画像中のハッチング領域が光源10で照射されている領域であり、この領域にある粒子からの散乱光が粒子画像として撮像される。粒子に付している矢印は粒子の流れの方向を模式的に示すものであり、撮像画像には含まれない。
フィルタ演算部30の検査画像抽出部31は、粒子画像中の所定領域の画像を切り出して検査画像を抽出する。所定領域の大きさ(即ち、検査画像の大きさ)や位置は任意に設定可能であるが、時系列に連続する複数の粒子画像間では、各粒子画像の同じ位置から同じ大きさの検査画像が抽出される。図2に示す例では、検査画像の中に1つの粒子が存在し、その粒子が検査画像の左下から右上に向かって移動している。
図3は、粒子の動きに応じて時間的に変動するフィルタ出力値を抽出した検査画像から得るまでの処理過程を説明する図である。
図3の最上段に示す例では、検査画像中の存在する1つの粒子が、1方向(X方向)にのみ移動している。なお、図3(以下の図でも同様)に示すX方向、Y方向は特定の方向を示すものではなく、粒子画像(或いは検査画像)中で互いに直交する2方向を単にX方向、Y方向として区別したものである。
図3の2段目には、各検査画像に適用する空間フィルタの一例を示している。この空間フィルタは、X方向に周期性を有するパタンで構成されており、図3の例では、白と黒の縦ストライプのペアが、周期ΔXでX方向に繰り返されるパタンとなっている。この空間フィルタパタンは、フィルタ演算部30の空間フィルタパタン記憶部33に保存されている。
フィルタ演算部30の積分処理部32は、空間フィルタパタン記憶部33から図3の2段目に図示する空間フィルタのパタンを読み出し、時系列に並ぶ各検査画像に空間フィルタを積算し、x方向とy方向の2次元の面積分を行うフィルタ処理を施して、各検査画像に対するフィルタ出力値を算出する。
図3の3段目が各検査画像に空間フィルタを積算した状態を示す図である。空間フィルタ中の黒のストライプの領域は、この領域にある検査画像の画素の輝度をゼロとする、或いは輝度を低下させる。一方、白のストライプの領域は、この領域にある検査画像の画素の輝度を保持する。したがって、検査画像中の粒子の位置に応じて、検査画像と空間フィルタの積算値の面積分の値(フィルタ出力値)は異なってくる。粒子が黒ストライプの中に存在すればフィルタ出力値は小さくなり、白ストライプの中に存在すればフィルタ出力値は大きくなる。
前述したように、図3の例では粒子はX方向にのみ移動している。そして空間フィルタのパタンはX方向に周期性を有している。この結果、フィルタ出力値をフレームごとに時系列に並べると、フィルタ出力値は時間方向に大きさが変動する信号となる。フィルタ出力値の変動周期Δtは、粒子が空間フィルタの周期ΔXを移動する時間に対応する。したがって、粒子のX方向の速度をVとすると、
=ΔX/Δt (式1)
となる。空間フィルタの周期ΔXは既知であるから、フィルタ出力値の変動周期Δtから粒子のX方向の速度Vを求めることができる。
図3は、粒子がX方向にのみ移動する例であるが、図4は逆に粒子がY方向にのみ移動する例を示している。図3において、粒子のX方向の速度を求める場合にはX方向に周期性を有する空間フィルタパタンを使用しているが、Y方向の速度を求める場合には、図4の2段目に例示するように、Y方向に周期ΔYの周期性を有するパタンの空間フィルタを使用する。
図4と図3の相違点は空間フィルタのパタンが異なるだけであり、その他の処理、即ち、空間フィルタと各検査画像を積算し、積算値をxy方向の面積分を行ってフィルタ処理を施し、各検査画像に対するフィルタ出力値を算出する処理は、図3と同じである。
フィルタ出力値の変動周期Δtと空間フィルタの周期ΔYとから、
=ΔY/Δt (式2)
によって、粒子のY方向の速度Vを求めることが出来る。
求めようとする流速が一方向の成分のみである場合には、図3或いは図4に示す空間フィルタのいずれか一方を用いればよい。流速の成分が斜めの方向であっても、空間フィルタの周期性の方向をその斜めの方向に合わせればよい。
これに対して、流速を速度ベクトルとして求める場合には、X方向とY方向の2方向の速度成分が必要となる。この場合、図5に示すように、X方向に周期ΔXを有する第1の空間フィルタFと、Y方向に周期ΔYを有する第2の空間フィルタFとを、夫々別々に粒子画像に適用すればよい。適用の順序は問わない。第1の空間フィルタFを適用したフィルタ出力値の変動周期からは、(式1)によって流速のX方向成分Vが算出され、第2の空間フィルタFを適用したフィルタ出力値の変動周期からは、(式2)によって流速のY方向成分Vが算出される。
第1、第2の空間フィルタF、Fはいずれも空間フィルタパタン記憶部33に予め保存しておけばよい。また、時系列で出力される所定数の検査画像を一時的に適宜のメモリに保存しておけば、同じ一連の検査画像を第1、第2の空間フィルタF、Fに夫々独立に適用させることができる。
上述した方法は、空間フィルタパタンは時間的に固定であり、同一の空間フィルタパタンを検査画像の時系列データに適用している。そして、空間フィルタの周期X(または周期Y)を粒子が通過する時間を、フィルタ出力値の変動周期Δtとして求めている。
しかしながら、図6の上段に示すように、粒子が空間フィルタのパタンに対して平行に移動している場合(或いは粒子が停止している場合)には、図6の上から2段目、3段目に示すように、空間フィルタの出力値は輝度変化が発生せず、変動周期Δtを求めることができない。図6の例では、粒子がY方向にのみ移動しておりX方向には移動していない。この様な場合には、X方向に周期ΔXを有する第1の空間フィルタF出力値は変化せず、X方向の変動周期Δtを求めることができない。また、粒子が黒のストライプの領域内で停止している場合は、粒子が停止しているのか、検査画像内に粒子が存在しないのかを区別できない場合もでてくる。
そこで、このような場合には、図6の4段目に示すように、空間フィルタのパタンを速度VSFで平行移動させる方法が有効である。空間フィルタパタンを平行移動させることによって、粒子が停止している場合であっても粒子が空間フィルタの周期Xを跨いで通過するため、フィルタ出力値の変動周期Δtを短縮することが可能となり、観測時間を短縮することができる。この方法では、粒子のX方向の速度Vは、(式1)から空間パタンの移動速度VSFを補正した(式3)によって与えられる。
=ΔX/Δt−VSF (式3)
Y方向の速度に関しても全く同様の手法が適用され、粒子のY方向の速度Vは、(式2)から空間パタンの移動速度VSFを補正した(式4)によって与えられる。
=ΔY/Δt−VSF (式4)
ここまでは、フィルタ出力値の時間変動波形から変動周期Δtを直接求め、その変動周期Δtから粒子の速度を求めることを説明してきた。これに対して、図7に示す方法は、フィルタ出力値の時間変動波形(図7の上段)に対して周波数解析を行ってフィルタ出力値の変動周波数fを求め、f=1/Δt、の関係から粒子のX方向、Y方向の速度V、Vを求める方法である。この方法では、V=f・ΔX、V=f・ΔYとなる。周波数解析の方法自体は特に限定するものではなく、図7の下段に示すようにウェーブレット変換を用いてもよいし、フーリエ変換を用いてもよい。
なお、フィルタ出力値の算出式は、以下の式で表すことがきる。
上述した空間フィルタ流速計1、空間フィルタを用いた流速測定方法(SFV:Spatial Filtering Velocimetry)によれば、従来のPIVのように粒子群の相互相関関数を必要としないため、粒子の密度が希釈な場合でも、或いは検査領域内に単一の粒子しか存在しない場合であっても流速を測定することができる。また、従来の通常のLDVでは、空間中の特定の1点における流速しか得られなかったのに対して、本実施形態に係る空間フィルタ流速計1及び流速測定方法によれば、検査画像を粒子画像中の異なる領域から複数抽出することによって、流速の空間分布を容易に得ることができる。また、流速の速度ベクトル、或いは速度ベクトルの空間分布も容易に得ることができる。
一方、粒子の速度を得る原理自体は、LDVにおける干渉縞を空間フィルタの周期性のパタンに置き換えたものであり、LDVの測定原理と類似している。このため、流速の測定精度はLDVと同程度に高い精度を実現することが可能である。
本実施形態に係る空間フィルタ流速計1及び流速測定方法では、空間フィルタの周期性パタンはデータとして、例えばソフトウェアを用いて、作成し、変更することができるため、測定開始前の調整は不要であり、測定データ取得後においても周期性パタンの種類や諸元を容易に変更することができる。
(検証試験)
空間フィルタ流速計1及び流速測定方法の有効性を確認するための検証試験を行った。検証試験では、鉛直矩形ダクト内の水流に上述した測定方法を適用して流速を測定した。また、従来のLDVで測定した流速との比較を行った。検証試験のセットアップの概略図を図8に示す。
貯水タンクに貯めた水をポンプにより試験部下方の下部タンクから上方の上部タンクに向けて循環させた。試験部断面はWyが50mm、Wzが5mmの矩形であり、水力等価直径Dは9.1mmである。測定位置は下部タンクより750mm下流とした。乱れの発達を促進するため、鉛直ダクト入口に約1mm間隔の乱流格子を配置した。使用した散乱粒子の平均粒子径は10μmである。画像撮像には高速度化カメラを使用した。検査画像の大きさは、12×12pixel2とした。また、空間フィルタは次の(式7)で与えた。
(層流:ケース1)
z/W=0.5において解像度M=14.8pixel(検査領域178×178μm)、フレームレート30,000fpsで撮像した3,000枚の時系列粒子画像から得られたX軸方向速度UのY方向分布を図9(a)に示す。図9(a)では本実施形態の測定方法(SFV)による測定結果を黒丸、LDVによる測定結果を□で示している(図9(b)、(c)も同様)。なお、比較に用いたLDVのサンプル数は30000であり、本測定方法(SFV)のサンプル数は100程度である。
図9(a)からわかるように、SFVによる測定結果はLDVと良好に一致しており、両者の差は全測定領域に亘って±3%以内に収まっており、SFVはLDVと同等の空間分解能、計測精度で流速を測定できることが検証された。
上記のように、本実施形態に係る空間フィルタ流速計1及び流速測定方法(SFV)は、乱流に対してもLDVと同等の空間分解能、計測精度で平均速度および乱れを測定できることが確認できた。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 空間フィルタ流速計
10 光源
20 画像取得部
30 フィルタ演算部
31 検査画像抽出部
32 積分処理部
33 空間フィルタパタン記憶部
34 パタン変更部
40 流速算出部
41 変動周期/変動周波数算出部
42 流速出力部

Claims (6)

  1. 流体中を流れる粒子を撮像して粒子画像を時系列に取得する画像取得部と、
    前記粒子画像内異なる領域から前記粒子が少なくとも1つ通過しうる大きさの2次元の検査画像を複数抽出し、空間的周期性を有するパタンによって構成される2次元の空間フィルタによって前記複数の検査画像の夫々に対して空間フィルタ処理を施し、前記異なる領域に対応する複数のフィルタ出力値を、前記粒子画像が取得された所定の時間帯の時系列に沿って求めるフィルタ演算部と、
    前記時系列に沿って変動する前記フィルタ出力値から前記フィルタ出力値の変動周期または変動周波数を求め、その変動周期または変動周波数から、前記所定の時間帯から定まる特定の1時刻及び前記異なる領域に対応する複数点における、前記前記粒子周辺の流体の流速ベクトルを求める流速算出部と、
    を備えたことを特徴とする空間フィルタ流速計。
  2. 前記空間フィルタの前記パタンは、前記粒子を撮像して前記粒子画像を取得した後においても変更可能に構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空間フィルタ流速計。
  3. 前記粒子画像内の直交2軸の一方の軸をX軸とし、他方の軸をY軸とするとき、
    前記空間フィルタの前記パタンは、前記X軸方向に周期ΔXを有するストライプ状の第1のパタンと、前記Y軸方向に周期ΔYを有するストライプ状の第2のパタンとで構成され、
    前記流速演算部は、
    前記第1のパタンで構成される前記空間フィルタによって前記検査画像に空間フィルタ処理を施したときのフィルタ出力値の変動周期がΔTであったとき、前記粒子周辺の前記X軸方向成分の流速Vを、V=ΔX/ΔT、として求め、
    前記第2のパタンで構成される前記空間フィルタによって前記検査画像に空間フィルタ処理を施したときのフィルタ出力値の変動周期がΔTであったとき、前記粒子周辺の前記Y軸方向成分の流速Vを、V=ΔX/ΔT、として求め、
    前記X軸方向成分の流速V と前記Y軸方向成分の流速V とから、前記速度ベクトルを求める、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空間フィルタ流速計。
  4. 前記空間フィルタは、前記ストライプ上のパタンが前記時系列に対して、X軸方向及びY軸方向の少なくとも1方向に速度VSFで平行移動するパタンで構成され、
    前記流速演算部は、前記空間フィルタによって前記検査画像に空間フィルタ処理を施したときのフィルタ出力値の変動周期がΔTであったとき、前記粒子周辺の前記X軸方向成分の流速Vを、V=ΔX/ΔT−VSF、として求める、又は、前記粒子周辺の前記Y軸方向成分の流速Vを、V=ΔY/ΔT−V SF 、として求める、
    ことを特徴とする請求項3に記載の空間フィルタ流速計。
  5. 前記フィルタ演算部は、前記検査画像と前記空間フィルタのパタンとを前記所定領域内で面積分、あるいは平均して前記フィルタ出力値を求める、
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の空間フィルタ流速計。
  6. 流体中を流れる粒子を撮像して粒子画像を時系列に取得し、
    前記粒子画像内異なる領域から前記粒子が少なくとも1つ通過しうる大きさの2次元の検査画像を複数抽出し、空間的周期性を有するパタンによって構成される2次元の空間フィルタによって前記複数の検査画像の夫々に対して空間フィルタ処理を施し、前記異なる領域に対応する複数のフィルタ出力値を、前記粒子画像が取得された所定の時間帯の時系列に沿って求め、
    前記時系列に沿って変動する前記フィルタ出力値から前記フィルタ出力値の変動周期または変動周波数を求め、その変動周期または変動周波数から、前記所定の時間帯から定まる特定の1時刻及び前記異なる領域に対応する複数点における、前記前記粒子周辺の流体の流速ベクトルを求める、
    ことを特徴とする流速測定方法。
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