JP2015123465A - 基板加工装置及び基板加工方法 - Google Patents

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利香 松尾
鈴木 秀樹
Hideki Suzuki
秀樹 鈴木
信裕 篠塚
Nobuhiro Shinozuka
信裕 篠塚
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Naoki Miki
直樹 三木
栄紀 小山
Hidenori Koyama
栄紀 小山
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Junichi Ikeno
順一 池野
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Abstract

【課題】改質層の厚みを薄くし、改質層を効率的に形成する。
【解決手段】基板加工装置は、結晶基板の内部に改質層を形成するように基板を加工するものであって、レーザ光源150と、レーザ光源150からのレーザ光を基板10の表面に向けて照射し、基板10の表面から所定の深さにレーザ光を集光するレーザ集光部160と、レーザ集光部160を基板10に相対的に移動させて位置決めをするステージ110と、を含み、レーザ集光部160は、照射するレーザ光の収差を補正する収差補正部170を含み、収差補正部170は、レーザ集光部160がレーザ光を集光する所定の深さに対応する収差補正量を記載したデータテーブルを有し、データテーブルを参照し、所定の深さに対応する収差補正量により補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコン単結晶基板などの基板加工装置及び基板加工方法に関する。
従来、シリコン(Si)ウェハに代表される半導体ウェハを製造する場合には、石英るつぼ内に溶融されたシリコン融液から凝固した円柱形のインゴットを適切な長さのブロックに切断して、その周縁部を目標の直径になるよう研削し、その後、ブロック化されたインゴットをワイヤソーによりウェハ形にスライスして半導体ウェハを製造するようにしている(例えば、特許文献1および2参照。)。
このようにして製造された半導体ウェハは、前工程で回路パターンの形成等、各種の処理が順次施されて後工程に供され、この後工程で裏面がバックグラインド処理されて薄片化が図られることにより、厚さが約750μmから100μm以下、例えば75μmや50μm程度に調整される。
従来における半導体ウェハは、以上のように製造され、インゴットがワイヤソーにより切断され、しかも、切断の際にワイヤソーの太さ以上の切り代が必要となるので、厚さ0.1mm以下の薄い半導体ウェハを製造することが非常に困難であり、製品率も向上しないという問題があった。
一方、加工対象物の表面に透過性を有するレーザ光による照明光を集光するとともに、レーザ光の集光点の位置で対象物の表面が溶融することなく改質領域を形成し、ウェハ状の加工対象物の内部のみに改質領域を形成するレーザ加工装置の技術が開示されている(特許文献3参照)。
この技術によると単結晶シリコン(あるいは単結晶SiC)を加工面に対して垂直方向に剥離し薄板を形成する目的で内部加工を行う時、その剥離する厚さは、基板表面からの深さによって正確に規定する必要があった。
従来、その深さは、(1)加工対象物の表面に照射した照明光の反射光を撮像して、その像が集光レンズによって集光したレーザの焦点位置と一致するようにしておき、(2)その位置から加工対象物の屈折率を考慮して事前に規定しておいた量だけ、集光レンズと加工対象物を近づけることで行っていた。
ここで、加工対象物に対してレーザ光を集光する集光レンズは、本来、屈折率1の空気中で最も小さなスポットに集光できるように設計されている。このため、空気より屈折率の大きいシリコンやSiCなどの物質中に集光する場合、収差が発生し、空気中と比べて集光性が悪くなり、加工対象物の内部に形成された改質層が厚さ方向に伸びてしまう。
実用性を高めるためには、加工対象物の厚さ方向における改質層の長さを極力小さくする必要がある。そのためには、レーザ光の集光の度合いを急峻にすることで、レーザ光の照射方向においてレーザ光焦点近傍のみで改質層を形成することが求められる。しかし、上記したように加工対象物の内部に改質層を形成する本加工技術においては、レーザ光が大気中から加工対象物内部に入射する際に屈折が生じるため、加工対象物内部でのレーザ光の実効的な焦点深度が深くなってしまい加工痕が厚さ方向に伸びてしまうとともに、集光性が悪くなるためにレーザ光のパワー密度がさがってしまう。このため、剥離のための加工に要する加工対象物の損失が増えるだけでなく、加工に要するレーザーパワーの増大などの不都合が発生する。
特開2008−200772号公報 特開2005−297156号公報 特許第5025876号公報
本発明は、これらの課題に対してなされたもので、結晶性基板の内部にレーザ光照射による改質層を形成し、改質層を境に剥離するためのものであって、改質層の厚みを薄くし、改質層を効率的に形成する基板加工装置及び基板加工方法を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本願に係る基板加工装置は、結晶基板の内部に改質層を形成するように基板を加工する基板加工装置であって、レーザ光源と、前記レーザ光源からのレーザ光を前記基板の表面に向けて照射し、前記基板の表面から所定の深さにレーザ光を集光するレーザ集光手段と、前記レーザ集光手段を前記基板に相対的に移動させて位置決めをする位置決め手段と、を含み、前記レーザ集光手段は、照射するレーザ光の収差を補正する収差補正手段を含み、前記収差補正手段は、前記レーザ集光手段がレーザ光を集光する前記所定の深さに対応する収差補正量を記載したデータテーブルを有し、前記データテーブルを参照し、前記所定の深さに対応する収差補正量により補正するものである。
前記収差補正手段は、収差補正量を設定する補正環と、この補正環を回転駆動し、位置を制御するモータを含むことが好ましい。前記収差補正手段の有するデータテーブルは、前記所定の深さと前記モータ駆動により制御される補正環の収差補正量との対応関係を記載することが好ましい。
前記レーザ集光手段は、前記所定の深さと前記収差補正手段による収差の補正によりレーザ光が集光する深さの変化との対応関係を記載したデータテーブルを有し、前記データテーブルを参照してレーザ光が集光する深さを設定することが好ましい。
前記レーザ集光手段は、前記基板における表面から裏面に至るまでの深さにレーザ光が集光する位置を設定することができることが好ましい。前記改質層は、前記基板の表面と平行に形成されることが好ましい。前記基板の表面は、鏡面仕上げあるいはレーザ光が基板内部に集光可能な表面粗さであることが好ましい。前記基板は、シリコン単結晶基板又はシリコンカーバイド単結晶基板であることが好ましい。
本願に係る基板加工方法の発明は、単結晶の基板を提供するステップと、レーザ光源からのレーザ光をレーザ集光手段によって前記基板の表面に向けて照射し、前記基板の表面から所定の深さにレーザ光を集光するレーザ集光ステップと、前記レーザ集光手段を前記基板に相対的に移動させて位置決めをする位置決めステップと、を含み、前記レーザ集光ステップは、照射したレーザ光の収差を補正する収差補正ステップを含み、前記収差補正ステップは、前記レーザ集光ステップのレーザ光を集光する前記所定の深さに対応する収差補正量を記載したデータテーブルを参照し、前記所定の深さに対応する収差補正量により補正するものである。
前記収差補正ステップは、収差補正量を設定する補正環をモータにて回転駆動することが好ましい。前記収差補正ステップの参照するデータテーブルは、前記所定の深さと前記補正環の収差補正量との対応関係を記載することが好ましい。前記補正環の収差補正量とは、モータで回転駆動する補正環の位置情報で記載することが好ましい。
前記レーザ集光ステップは、前記所定の深さと前記収差補正ステップによる収差の補正によりレーザ光が集光する深さの変化との対応関係を記載したデータテーブルを参照し、レーザ光が集光する深さを設定することが好ましい。
前記収差補正ステップの参照する、前記所定の深さに対応する収差量を記載したデータテーブルを作成するステップをさらに有することが好ましい。前記レーザ集光ステップの参照する、前記所定の深さと前記収差補正ステップによる収差の補正によりレーザ光が集光する深さの変化との対応関係を記載したデータテーブルを作成するステップをさらに含むことが好ましい。
本発明によると、改質層の厚みを薄くし、改質層を効率的に形成する基板加工装置及び基板加工方法を提供することができる。
基板加工装置の斜視図である。 基板を載置したステージの上面図である。 基板を載置したステージの断面図である。 基板における改質層の形成を説明する図である。 レーザ集光部の具体例を示す図である。 基板加工方法の一連の工程を示すフローチャートである。 実施例を示す断面図である。 図7の基板を拡大した断面図である。 補正環使用による加工深さ変化と対物レンズの位置の関係を示す図である。 第1の比較例を示す断面図である。 図10の基板を拡大した断面図である。 第2の比較例を示す断面図である。 図12の基板を拡大した断面図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(基板加工装置の構成)
図1は、基板加工装置100の構成を示す斜視図である。基板加工装置100は、ステージ110と、ステージ110がXY方向に移動可能なように支持するステージ支持部120と、ステージ110上に配置され、基板10を固定する基板固定具130とを有している。この基板10には、インゴットを切断したシリコンウェハを使用することができる。
また、基板加工装置100は、レーザ光源150と、レーザ光源150から発したレーザ光190を集光して基板10に向けて照射するレーザ集光部160とを有している。レーザ集光部160は、収差補正部170及び対物レンズ180を有している。
収差補正部170は、対物レンズ180とともにレンズ群を構成するものであって、図示しない補正環によって収差補正量を設定することができる。
本実施の形態では、この補正環は、同じく図示しないモータによって回転駆動され、収差補正部170及び対物レンズ180を介して照射されるレーザ光の収差を適切に調整している。これら収差補正部170、補正環、モータについては、さらに後述する。
図2は、ステージ110上に置いた基板10を示す上面図である。図3は、ステージ110上に置いた基板10を示す断面図である。
基板10は、ステージ110上において基板固定具130によって保持されている。基板固定具130は、その上に設けられた固定テーブル125によって基板10を固定している。固定テーブル125には、通常の粘着層、機械的なチャック、静電チャック、真空チャックなどが適用可能である。
基板10に集光して照射されるレーザ光190の集光点Pは、基板10の内部において、表面から所定の深さの領域に所定の形状の軌跡12を形成することで、表面に水平方向に2次元状の改質層14を形成することができる。
図4は、基板10における改質層14の形成を説明する図である。基板加工装置100において、レーザ光190は、レーザ集光部160の収差補正部170及び対物レンズ180を介して基板10に向けて照射され、基板10内部において集光される。
レーザ集光部160は、基板10の一定の深さの範囲においてレーザ光の径を実質的に絞るように集光し、当該領域において改質層14を形成するために十分なエネルギー密度を確保するようにしている。図中においては、基板10の表面側から入射したレーザ光集光点Pの深さの一定の範囲tに形成された改質層14が示されている。
改質層14は、基板10にレーザ光190を集光して照射することによって、シリコン単結晶が溶融した後で冷却されることにより結合状態が変化することにより形成された多結晶シリコンの多結晶粒を有するものである。
このように形成された改質層14は、レーザ光190を周期的な間隔で照射したことにより、多結晶を有する周期的構造を有している。
図5は、レーザ集光部160の具体例を示す図である。この具体例は、オリンパス製レンズLCPLN100XIRであり、収差補正部170及び対物レンズ180、NA=0.85の補正環210を含むシリコン用赤外光の補正環付対物レンズ200として構成されている。この補正環付対物レンズ200においては、補正環210の手動回転によって収差補正部170の収差補正量を設定することができる。
レーザ集光部160は、上記具体例に限定されず、本加工目的に適したものを作製しても構わない。その場合のレーザ集光部はNA=0.5〜0.9の対物レンズ及び収差補正環付き収差補正部で構成される。補正環210は手動または自動駆動により回転させる。自動駆動方法としては、上記したようにステッピングモータなどが適宜利用できる。ステッピングモータを利用する場合はその移動量と補正環210の動きとの関係から所定の移動量だけ回転駆動させることにより収差補正の調整を行なうことができる。
(基板加工方法のフロー)
図6は、本実施の形態の基板加工方法の一連のステップを示すフローチャートである。この一連のステップは、基板加工装置に備えられた制御装置が所定のプログラムを実行することにより進められる。また、これに限らず、例えば基板加工装置に汎用コンピュータなどを接続して制御することもできる。
最初のステップS1においては、この一連のステップを実行するに当たり、レーザ集光部160の補正環210を回転させて所定値に設定した後、レーザ集光部160または基板10をレーザ光の光軸方向に移動させて基板10内部にレーザ光照射により改質層14を形成する。そして、得られた改質層14の深さ方向の位置(加工深さ)や厚みの変化から得られた補正環設定値とレーザ集光部160または基板10のレーザ光の光軸方向の位置との関係をデータテーブルに保管する。
なお、このデータテーブルは、基板加工装置に備える制御装置に保管してもよいし、基板加工装置に接続される外部の汎用コンピュータなどに保管することもできる。また、レーザ集光部160に備えてもよい。
具体的には、基板10内の加工深さと収差補正のための補正環210の回転量の対応関係を第1のデータテーブルに保管する。なお、本実施の形態において、補正環210がステッピングモータにより回転駆動されるものであると、補正環回転数(回転方向の位置)はステッピングモータのステップ数との対応関係で設定可能である。
また、基板10内の加工深さと対物レンズの位置との対応関係を第2のデータテーブルに保管する。本実施の形態では、収差補正部などの作用により、対物レンズの位置は加工深さに応じてそれぞれ設定する必要があり、加工深さと対物レンズの位置との対応関係を記載した第2のデータテーブルを参照して対物レンズの位置を設定する。
さらに、基板10をXY面内においてどの範囲で加工するかを第3のデータテーブルに保管する。以下のステップにおいては、この第3のデータテーブルに記載されたXY面内の範囲を加工する。
ステップS2においては、基板10内の加工深さを決定する。たとえば基板10の表面から加工深さを200μmとする。
ステップS3においては、補正環付対物レンズ200の補正環210をゼロに設定する。これは、屈折率1の空気中で収差を最小にするものである。ステップS4においては、基板10の表面を照明し、反射光を撮像する。ステップS5においては、照明光の焦点が基板10の表面に位置するように補正環付対物レンズ200または基板10をレーザ光190の光軸方向に移動する。この位置を、以下の加工の処理を行うための基準として用いる。
ステップS6においては、第1のデータテーブルを参照して補正環付対物レンズ200の補正環210を深さ200μm相当にステッピングモータで回転させる。ステップS7においては、第2のデータテーブルを参照し、深さ200μmに加工できる位置まで補正環付対物レンズ200または基板10を光軸方向に移動する。ステップS8においては、第3のデータテーブルを参照してXYテーブル等により基板10の内部のレーザ加工を実施する。
さらに、この時、深さを複数決定することができる。たとえば、基板10の表面から600μmと400μmと200μmを加工するものとすることができる。
ステップS2においては、基板10内の加工深さを決定する。先ず、基板10の表面から加工深さを600μmとする。
ステップS3においては、補正環付対物レンズ200の補正環210をゼロに設定する。これは、屈折率1の空気中で収差を最小にするものである。ステップS4においては、基板10の表面を照明し、反射光を撮像する。ステップS5においては、照明光の焦点が基板10の表面に位置するように補正環付対物レンズ200または基板10をレーザ光190の光軸方向に移動する。この位置を、以下の加工の処理を行うための基準として用いる。
ステップS6においては、第1のデータテーブルを参照して補正環付対物レンズ200の補正環210を深さ600μm相当にステッピングモータで回転させる。ステップS7においては、第2のデータテーブルを参照し、深さ600μmに加工できる位置まで補正環付対物レンズ200または基板10を光軸方向に移動する。ステップS8においては、第3のデータテーブルを参照してXYテーブル等により基板10の内部のレーザ加工を実施する。
ステップS9においては、第1のデータテーブルを参照して補正環付対物レンズ200の補正環210を400μm相当にステッピングモータで回転させる。ステップS10においては、第2のデータテーブルを参照して深さ400μmに加工できる位置まで補正環付対物レンズ200または基板10を光軸方向に移動する。ステップS11においては、第3のデータテーブルを参照してXYテーブル等により基板10の内部を実施する。
ステップS12においては、第1のデータテーブルを参照して補正環付対物レンズ200の補正環210を200μm相当にステッピングモータで回転させる。ステップS13においては、第2のデータテーブルを参照して深さ200μmに加工できる位置まで補正環付対物レンズ200または基板10を光軸方向に移動する。ステップS14においては、第3のデータテーブルを参照してXYテーブル等により内部面加工を実施する。
このような一連のステップにより、基板10の表面を検出し、その面を基準にして、所望の深さにおいて、収差の補正により基板10の厚さ方向に最小の加工痕長さとなるように加工を行うことが可能となる。
上述のように、ここでいう所望の深さは、基板10の屈折率を考慮して事前に規定しておいた量に、各々の深さに対する補正環付対物レンズ200の補正環210の動作を考慮して事前に規定しておいた量を合わせた対物レンズの位置を設定することで調整する。
加工領域の深さ方向の長さが小さくなることで、剥離のための加工に要する基板の損失、すなわち結晶の劣化により後処理で除去する必要が生じる量が減少し、加工に要するレーザーパワーの無駄もなくなる。さらに、この加工領域の最上部と最下部の間のすべての部分で剥離する可能性があることに対し、剥離する厚さの管理が容易になる上、うねりや段差を抑えることができる。
上記ステップにより形成された改質層14において、基板10を剥離することができる。剥離する方法としては、剥離するためのジグや板に挟持させた状態で接着固定した後、前記ジグや板を引っ張ることで剥離させるなど、改質層に応力を負荷させて剥離させる方法や、改質層に応力を負荷させずに剥離させる方法が利用できる。剥離方法は、上記ステップにおけるレーザ光の出力や照射間隔を適宜調整することにより適宜選択可能である。ただし、過度の応力負荷による剥離は、剥離時の衝撃による基板へのダメージを生じる恐れがあり、1kN/cm2以下の剥離荷重であることが好ましい。また、応力を負荷させずに剥離可能な改質層が形成された場合においても、レーザ光の過度の出力により基板にダメージを生じると、断面方向のクラックや割れが生じやすくなり不都合を生じるため、適宜レーザ光の出力を調整する。
(実施例)
上記ステップに従い作成した、第1のデータテーブルを表1に、第2のデータテーブルを表2に示す。ここで、第1のデータテーブルは加工深さの対物レンズの位置及び補正環調整に対する関係を示し、第2のデータテーブルは改質層長さの対物レンズの位置及び補正環調整に対する関係を示している。
Figure 2015123465
Figure 2015123465
実施例は、レーザ発振器としてシングルモードファイバーレーザを用い、波長1062nm、繰返し周波数100kHz、パルス幅100ns、レーザ出力は対物レンズ通過後で0.8W又は1.0Wの条件に設定した。また、加工基板は単結晶シリコンウェハ、結晶方位(100)、厚さ0.650mmであった。そして、加工した試料を断面方向に割断して改質層を露出させた後、共焦点レーザ顕微鏡(OLS400:オリンパス製)を用いて測定した。
これらのデータテーブルに基づき、基盤10として厚さ0.650mm、直径150mm、結晶方位(100)、屈折率3.58の単結晶シリコンを用いて、基板10の表面から0.250mmの深さに加工する。
図7は、実施例を示す断面図である。図8は、図7の基板を拡大した断面図である。この実施例では、図5に示したような補正環付対物レンズ200を使用する。本来このような補正環付対物レンズ200は、決まった厚さのガラスやシリコンの下にある別材料表面を観察するため、屈折率の異なる材料の厚みに対して収差補正を連続的に行えるよう対物レンズを構成する組レンズのうち何枚かを動かすことができるものである。
レーザ集光部160としてこの補正環付対物レンズ200を使用し、補正環210を自動で動かすためのステッピングモータを用いる。補正環付対物レンズ200はその補正環210を動かすことにより、補正環付対物レンズ200の先端から最も集光される位置までの距離が変化する。その変化量は、加工基板を単結晶シリコンとすると図9に示すような関係が得られた。
図9によれば、上述したような一連のステップに従い、基板10の表面を検出した後、シリコンの内部深さ0.300mmを加工しようとするとき、補正環付対物レンズ200と基板10の表面との距離は、補正環付対物レンズ200または基板10を光軸方向に動かす量として、補正環210の調整がない場合には71μmであるのに対して、補正環がある場合には、63μm近づけるように対物レンズの位置を調整することとなる。このように補正環210によって収差を補正することで、ほぼ空気中の集光径と同じとすることができることがわかる。
図7、図8においては、補正環付対物レンズ200における対物レンズ310及び収差補正部320を介して、レーザ光が基板内の小さな集光径に集光されている。ここでは、補正環付対物レンズ200における構成を対物レンズ310及び収差補正部320によって表したが、これは一例を示すものであり、これに限定されない。この実施例における補正環210の調整は0.6mmであった。また、上述のように、対物レンズの位置の基準値からの変化量は−123μmであった。
図10は、第1の比較例を示す断面図である。図11は、図10の基板を拡大した断面図である。この第1の比較例は、補正環付対物レンズ200における対物レンズ310及び収差補正部320を介して、基板10の表面にレーザ光が焦点を結ぶように設定したものである。この状態は、上述した一連のステップにおけるステップS5に相当している。この第1の比較例における対物レンズの位置が基準値となる。補正環210はゼロである。
ここで、補正環ゼロとは、収差補正量がゼロ、すなわち補正環がないレンズと同じ状態である。加工あるいは観察する環境を空気とし、その状態で最も収差が小さいことを意味する。
図12は、第2の比較例を示す断面図である。図13は、図12の基板を拡大した断面図である。この第2の比較例は、補正環付対物レンズ200における対物レンズ310及び収差補正部320を介して、基板10にレーザ光を集光したものの、収差補正部320により収差補正をしなかったものである。この場合、基板10内に照射されたレーザ光は一点に集光することがない。
この第2の比較例における補正環210の調整は0.6mmであった。対物レンズの位置の基準値からの変化量は−143μmであった。
加工実施例を表3に示す。この加工実施例は、レーザ発振器としてシングルモードファイバーレーザを用い、波長1062nm、繰返し周波数100kHz、パルス幅100ns、レーザ出力は対物レンズ通過後で0.8Wに設定した。また、レーザ照射間隔はX方向に3μm、Y方向に3μm、加工基板は単結晶シリコンウェハ、結晶方位(100)、厚さ0.650mmとした。なお、第3の比較例として補正環ゼロの場合を併せて示す。
Figure 2015123465
なお、上記の実施の形態においてはシリコン単結晶基板について例示したが、例えば
シリコンカーバイド(SiC)等にも同様に適用することができる。
本発明の基板加工装置及び方法により基板を効率良く薄く形成することができることから、薄く切り出された基板は、Si基板であれば、太陽電池に応用可能であり、また、GaN系半導体デバイスなどのサファイア基板などであれば、発光ダイオード、レーザダイオードなどに応用可能であり、SiCなどであれば、SiC系パワーデバイスなどに応用可能であり、透明エレクトロニクス分野、照明分野、ハイブリッド/電気自動車分野など幅広い分野において適用可能である。
10 基板
14 改質層
100 基板加工装置
150 レーザ光源
160 レーザ集光部
170 収差補正部
180 対物レンズ
200 補正環付対物レンズ
210 補正環

Claims (15)

  1. 結晶基板の内部に改質層を形成するように基板を加工する基板加工装置であって、
    レーザ光源と、
    前記レーザ光源からのレーザ光を前記基板の表面に向けて照射し、前記基板の表面から所定の深さにレーザ光を集光するレーザ集光手段と、
    前記レーザ集光手段を前記基板に相対的に移動させて位置決めを行う位置決め手段と、を含み、
    前記レーザ集光手段は、照射するレーザ光の収差を補正する収差補正手段を含み、前記収差補正手段は、前記レーザ集光手段がレーザ光を集光する前記所定の深さに対応する収差補正量を記載したデータテーブルを有し、前記データテーブルを参照し、前記所定の深さに対応する収差補正量により補正すること
    を特徴とする基板加工装置。
  2. 前記収差補正手段は、収差補正量を設定する補正環と、この補正環を回転駆動する駆動装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板加工装置。
  3. 前記収差補正手段の有するデータテーブルは、前記所定の深さと前記駆動装置の移動量の対応関係を記載することを特徴とする請求項2に記載の基板加工装置。
  4. 前記駆動装置がステッピングモータである請求項2又は3に記載の基板加工装置。
  5. 前記レーザ集光手段は、前記所定の深さと前記収差補正手段による収差の補正によりレーザ光が集光する深さの変化との対応関係を記載したデータテーブルを有し、前記データテーブルを参照してレーザ光が集光する深さを設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の基板加工装置。
  6. 前記レーザ集光手段は、前記基板における表面から裏面に至るまでの深さにレーザ光が集光する位置を設定することができることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の基板加工装置。
  7. 前記改質層は、前記基板の表面と平行に形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の基板加工装置。
  8. 前記基板の表面は、鏡面仕上げであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の基板加工装置。
  9. 前記基板は、シリコン結晶基板又はシリコンカーバイド結晶基板である請求項1乃至8のいずれかに記載の基板加工装置。
  10. 結晶基板を提供するステップと、
    レーザ光源からのレーザ光をレーザ集光手段によって前記基板の表面に向けて照射し、前記基板の表面から所定の深さにレーザ光を集光するレーザ集光ステップと、
    前記レーザ集光手段を前記基板に相対的に移動させて位置決めをする位置決めステップと、を含み、
    前記レーザ集光ステップは、照射したレーザ光の収差を補正する収差補正ステップを含み、前記収差補正ステップは、前記レーザ集光ステップのレーザ光を集光する前記所定の深さに対応する収差補正量を記載したデータテーブルを参照し、前記所定の深さに対応する収差補正量により補正すること
    を特徴とする基板加工方法。
  11. 前記収差補正ステップは、収差補正量を設定する補正環を駆動装置にて回転駆動することを特徴とする請求項10に記載の基板加工方法。
  12. 前記収差補正ステップの参照するデータテーブルは、前記所定の深さと前記駆動装置の移動量の対応関係を記載することを特徴とすることを特徴とする請求項11に記載の基板加工方法。
  13. 前記レーザ集光ステップは、前記所定の深さと前記収差補正ステップによる収差の補正によりレーザ光が集光する深さの変化との対応関係を記載したデータテーブルを参照し、レーザ光が集光する深さを設定することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の基板加工方法。
  14. 前記収差補正ステップの参照する、前記所定の深さに対応する収差量を記載したデータテーブルを作成するステップをさらに有する請求項10乃至13のいずれかに記載の基板加工方法。
  15. 前記レーザ集光ステップの参照する、前記所定の深さと前記収差補正ステップによる収差の補正によりレーザ光が集光する深さの変化との対応関係を記載したデータテーブルを作成するステップをさらに含む請求項14に記載の基板加工方法。
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