JP2015123330A - 歩行器 - Google Patents

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Eiichiro Tanaka
英一郎 田中
大地 木内
Daichi Kiuchi
大地 木内
健 一柳
Ken Ichiyanagi
健 一柳
竹喜 井口
Takeyoshi Iguchi
竹喜 井口
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Shibaura Institute of Technology
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Abstract

【課題】正しい歩容で歩行することができる歩行器を提供する【解決手段】歩行器10は、一対の右前輪24R及び左前輪24Lを備えた前輪フレーム12と、前輪フレーム12に揺動可能に連結され、揺動軸CLが垂直より後方側へ傾斜された後輪フレーム14と、後輪フレーム14に設けられ、それぞれ独立して回転する一対の右後輪28R及び左後輪28Lと、後輪フレーム14に接続され、後輪フレーム14から上方へ延在されたシャフト16と、シャフト16の上部に設けられ、シャフト16から前方側へ延在されて使用者に把持されると共に、使用者が腕を振ることで、シャフト16へ回転力を伝達させて後輪フレーム14を揺動軸CL周りに揺動させるアーム部18と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、歩行器に関する。
高齢者や歩行障害者等の歩行を補助する歩行器として、立位姿勢の使用者が両手で把持して体重を支えるものや、使用者の両脇を支持するものが知られている。また、引用文献1には、車輪を備えたフレームと、車輪に回転を与えるクランク棒と、クランク棒に連結された一対の振り脚と、振り脚に設けられた踏板とを備えた自転歩行器が開示されており、この自転歩行器では、使用者が踏板に足を載せて一対の振り脚を交互に動かすことで、クランク棒を介して車輪が回転されて移動できるようになっている。
特開2012−81033号公報
しかしながら、上記特許文献1の自転歩行器は、車輪の回転を動力として移動する乗り物であり、使用者の足が接地していないので、正しい歩容を得ることができない。また、使用者の体重を支える歩行器や両脇を支持する歩行器では、腕を振りながら歩行することができない。このため、正しい歩容で歩行することができ、歩行訓練等の用途で用いることができる歩行器が望まれている。
本発明は、上記事実を考慮し、正しい歩容で歩行することができる歩行器を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る歩行器は、一対の前輪を備えた前輪フレームと、前記前輪フレームに揺動可能に連結され、揺動軸が垂直より後方側へ傾斜された後輪フレームと、前記後輪フレームに設けられ、それぞれ独立して回転する一対の後輪と、前記後輪フレームに接続され、前記後輪フレームから上方へ延在されたシャフトと、前記シャフトの上部に設けられ、前記シャフトから前方側へ延在されて使用者に把持されると共に、使用者が腕を振ることで、前記シャフトへ回転力が伝達させて前記後輪フレームを前記揺動軸周りに揺動させるアーム部と、を有する。
本発明の請求項1に係る歩行器によれば、一対の前輪を備えた前輪フレームと一対の後輪を備えた後輪フレームとが設けられており、一対の後輪は、後輪フレームに対してそれぞれ独立して回転する。また、後輪フレームは前輪フレームに揺動可能に連結されており、この後輪フレームから上方へシャフトが延在されている。さらに、シャフトの上部にはアーム部が設けられており、使用者がアーム部を把持した状態で腕を振ることで、シャフトへ軸周りの回転力が伝達されて後輪フレームが揺動軸周りに揺動される。
ここで、前輪フレームに対して後輪フレームを揺動させることにより、一対の後輪の一方が軸となって他方の後輪が前進し、続いて他方の後輪が軸となって一方の後輪が前進する。このようにして、歩行器が蛇行しながら前進する。これにより、使用者に推進力が付与されて使用者の歩行を促すことができる。また、歩行時の腕を振る動作によって推進力を得る仕組みとすることにより、腕を振ることができない従来の歩行器と比較して正しい歩容で歩行することができる。
さらに、後輪フレームの揺動軸は、垂直より後方側へ傾斜されている。このため、後輪フレームを揺動軸周りに揺動させると、それぞれの後輪は、前輪に対して上下に移動することとなる。すなわち、一対の後輪が同じ高さに位置している状態から後輪フレームを揺動軸周りに揺動させると、一方の後輪は、歩行器の幅方向内側へ移動しながら下方へ移動し、他方の後輪は、歩行器の幅方向外側へ移動しながら上方へ移動する。このため、歩行器の幅方向内側へ移動した一方の後輪の方が大きい荷重を受けることとなり、この後輪を軸として他方の後輪が前方へ移動する。また、後輪フレームを逆方向に揺動させると、一方の後輪が歩行器の幅方向外側へ移動し、他方の後輪が歩行器の幅方向内側へ移動するため、他方の後輪の方が大きい荷重を受ける。このように後輪フレームを左右に連続して揺動させることで、一対の後輪が交互に軸として機能し、歩行器を蛇行させながら前進させることができる。すなわち、後輪フレームの揺動軸を垂直あるいは前方側へ傾斜させた場合と比較して、効率よく推進力を得ることができる。
本発明の請求項2に係る歩行器は、一対の前輪を備えた前輪フレームと、前記前輪フレームに揺動可能に連結された後輪フレームと、前記後輪フレームに設けられ、それぞれ独立して回転すると共に、後ろ向きに回転するのを抑制するラチェット機構が設けられた一対の後輪と、前記後輪フレームに接続され、上方へ延在されたシャフトと、前記シャフトの上部に設けられ、前記シャフトから前方側へ延在されて使用者に把持されると共に、使用者が腕を振ることで、前記シャフトへ回転力を伝達させて前記後輪フレームを前記揺動軸周りに揺動させるアーム部と、を有する。
本発明の請求項2に係る歩行器によれば、後輪にラチェット機構が設けられているので、軸となる後輪が後ろ向きに回転するのを抑制することができ、効率よく推進力を得ることができる。
本発明の請求項3に係る歩行器は、一対の前輪を備えた前輪フレームと、前記前輪フレームに揺動可能に連結され、揺動軸が垂直より後方側へ傾斜された後輪フレームと、前記後輪フレームに設けられ、それぞれ独立して回転すると共に、後ろ向きに回転するのを抑制するラチェット機構が設けられた一対の後輪と、前記後輪フレームに接続され、上方へ延在されたシャフトと、前記シャフトの上部に設けられ、前記シャフトから前方側へ延在されて使用者に把持されると共に、使用者が腕を振ることで、前記シャフトへ回転力を伝達させて前記後輪フレームを前記揺動軸周りに揺動させるアーム部と、を有する。
本発明の請求項4に係る歩行器は、請求項1〜3の何れか1項に記載の歩行器であって、前記前輪フレームには、使用者の下肢を支えるサドルが設けられている。
本発明の請求項4に係る歩行器によれば、使用者の下肢をサドルで支持することができるので、歩行中の使用者が後方に転倒するのを抑制することができる。また、使用者が歩行に疲れた際にサドルに腰を下ろして休憩することができる。
本発明の請求項5に係る歩行器は、請求項4に記載の歩行器であって、前記前輪フレームには、前記サドルに着座した使用者の足が載せられるペダルが設けられており、前記ペダルは、前記アーム部に連結され、使用者が前記ペダルを踏むことで、前記アーム部を介して前記シャフトが回転して前記後輪フレームを揺動させる。
本発明の請求項5に係る歩行器によれば、使用者がサドルに着座した状態で歩行器を移動させることができる。
本発明に係る歩行器は、上記の構成としたので、正しい歩容で歩行することができる。
本発明の第1実施形態に係る歩行器の初期状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る歩行器に設けられたラチェット機構の模式図であり、(A)はラチェット機構の作動可能状態を示しており、(B)はラチェット機構の作動不能状態を示している。 本発明の第1実施形態に係る歩行器のアーム部が操作された状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る歩行器の移動原理を説明するための説明図である。 (A)は通常の歩行動作を説明するための説明図であり、(B)は本発明の第1実施形態に係る歩行器を用いた歩行動作を説明するための説明図である。 本発明の第1実施形態に係る歩行器の変形例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る歩行器の初期状態を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る歩行器を構成するシャフトと後輪フレームとの連結部分を示す拡大側面図である。 本発明の第2実施形態に係る歩行器のアーム部が操作された状態を示す斜視図である。 空間リンク機構の模式図である。 本発明の第3実施形態に係る歩行器の初期状態を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係る歩行器の右アーム部及び左アーム部が操作された状態を示す斜視図である。
(第1実施形態)
<歩行器の構成>
図を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る歩行器10について説明する。なお、各図において適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印OUTは、歩行器10の上下方向の上方側、歩行器10の進行方向前方側、歩行器10の幅方向外側をそれぞれ示している。また、単に「前方側」というときは、歩行器10の進行方向前方側を示し、「後方側」というときは、歩行器10の進行方向後方側を示す。
本実施形態の歩行器10は、図1に示されるように、前輪フレーム12、後輪フレーム14、シャフト16、及びアーム部18を含んで構成されており、主に高齢者や歩行障害者等の歩行訓練を行うために用いられるが、これに限らず、他の用途で用いてもよく、一般的な歩行器と同様に用いることができる。
前輪フレーム12は、歩行器10の前方側を構成しており、主として、フレーム本体22と、右脚部20Rと、左脚部20Lとを備えている。右脚部20R及び左脚部20Lは、歩行器10の幅方向に間隔を開けて配置されており、それぞれフレーム本体22から前方へ延出されている。右脚部20Rは、進行方向右側に配置されており、右脚部20Rの前端部は、下方へ傾斜されている。また、右脚部20Rの前端部の幅方向外側には、図示しない支軸を介して右前輪24Rが回転可能に取り付けられている。
一方、左脚部20Lは、進行方向左側に配置されており、左脚部20Lの前端部は、右脚部20Rと同様に下方へ傾斜されている。また、左脚部20Lの前端部の幅方向外側には、図示しない支軸を介して左前輪24Lが回転可能に取り付けられている。なお、本実施形態では、一対の右前輪24R及び左前輪24Lが取り付けられているが、これに限らず、さらに多くの前輪を取り付けてもよく、例えば、右脚部20Rの両側、及び左脚部20Lの両側に合計4つの前輪を取り付けてもよい。また、右脚部20Rと左脚部20Lとの間には、歩行器10を使用する使用者が立つ空間32が確保されている。
右脚部20Rの後端部及び左脚部20Lの後端部は、フレーム本体22に接続されている。フレーム本体22は、上下に延在された左右一対の右側縦部材22A及び左側縦部材22Bと、幅方向に延在された上下一対の上側横部材22C及び下側横部材22Dとを備えて枠状に形成されており、右側縦部材22Aと下側横部材22Dとの交差部に右脚部20Rが接続され、左側縦部材22Bと下側横部材22Dとの交差部に左脚部20Lが接続されている。
また、フレーム本体22を構成する下側横部材22Dの幅方向中央部には、後方へ向かって連結片22Fが延出されている。連結片22Fは、下側横部材22Dから斜め下方へ傾斜されており、後述する後輪フレーム14と連結されている。さらに、上側横部材22Cの幅方向中央部には、後方へ向かって支持片22Eが延出されており、この支持片22Eには、後述するシャフト16が支持されている。
以上のように構成された前輪フレーム12には、後輪フレーム14が揺動可能に連結されている。後輪フレーム14は、主として、フレーム本体24と、一対の右車軸26R及び左車軸26Lと、一対の右後輪28R及び左後輪28Lとを備えている。フレーム本体24は、前後方向に延在された長尺状の部材であり、フレーム本体24の前端部から前方へ向かって連結片24Aが延出されている(図8参照)。連結片24Aは、前輪フレーム12のフレーム本体22から延出された連結片22Fの上方に配置されており、図示しない連結軸によって揺動可能に連結されている。また、連結片24Aの上面には、後述するシャフト16が固定されている。
フレーム本体24の後端部には、左右一対の右車軸26R及び左車軸26Lが取り付けられている。右車軸26Rは、フレーム本体24から進行方向右側へ延在されており、右車軸26Rの先端部には、右後輪28Rが回転可能に取り付けられている。また、左車軸26Lは、フレーム本体24から進行方向左側へ延在されており、左車軸26Lの先端部には、左後輪28Lが回転可能に取り付けられている。これにより、右後輪28R及び左後輪28Lは、それぞれ独立して回転するように構成されている。なお、本実施形態では、右車軸26R及び左車軸26Lをフレーム本体24に固定しているが、これに限らず、右車軸26R及び左車軸26Lをフレーム本体24に対して回転可能に取り付け、それぞれの車軸に後輪を固定してもよい。この場合、右車軸26Rと左車軸26Lとを別体としてそれぞれ独立して回転するように構成すればよい。
ここで、右後輪28R及び左後輪28Lには、後ろ向きに回転するのを抑制するラチェット機構38が設けられている。ラチェット機構38は、図2(A)に示されるように、主として、歯車40と歯止め42とを備えている。なお、右後輪28R及び左後輪28Lには、略同一のラチェット機構38が設けられているため、以下の説明では左後輪28L側のラチェット機構38についてのみ説明し、右後輪28R側のラチェット機構38の説明を省略する。
歯車40は、左車軸26Lと同軸的に取り付けられており、左後輪28Lと共に回転するように構成されている。また、歯車40の外周部には、複数の歯40Aが設けられており、この歯車40の外周側には、歯止め42が設けられている。なお、歯車40の歯40Aの数は特に限定しない。
歯止め42は、環状の固定部42Bを備えており、この固定部42Bが図示しないフレーム等に取り付けられている。また、固定部42Bから爪部42Aが伸びており、爪部42Aの先端部が歯車40の回転軌道上に位置している。以上のようにラチェット機構38を構成することにより、左後輪28L及び歯車40が図中矢印Y方向に回転している場合は、爪部42Aと歯車40の歯40Aとが噛み合わないため、回転が阻害されずに前方へ移動することができる。一方、左後輪28L及び歯車40が図中矢印X方向に回転しようとすると、歯車40の歯40Aが爪部42Aと噛み合って回転が阻害される。
なお、本実施形態では、歯止め42の取付方向を変更して、作動可能状態と作動不能状態とを任意に変更することができるように構成されており、例えば、図2(B)の位置に歯止め42を取り付けた場合、歯車40の回転方向に関わらず歯車40と歯止め42とが噛み合わないので、左後輪28Lを後ろ向きに回転させることができる。すなわち、作動不能状態となる。
また、左後輪28Lの後ろ向きの回転を抑制することができる機構であれば、他の構成としてもよく、例えば、歯車40の歯40Aを回転方向に傾けてもよい。さらに、歯止め42を用いずに他の部材で歯車40の回転を抑制させる構成としてもよく、例えば、枠状の歯止めを用いてもよい。
図1に示されるように、後輪フレーム14のフレーム本体24に設けられた連結片24Aの上面には、シャフト16が立設されている。シャフト16は、後輪フレーム14から上方へ延在された長尺状の部材であり、シャフト16の下端部は、連結片24Aに固定されている。また、シャフト16の上部は、前輪フレーム12の支持片22Eに挿通されて支持されており、シャフト16の上端部は、後述するアーム部18に接続されている。
ここで、シャフト16の中心軸CLは、垂直方向に延びる直線Pに対して、後方側へ角度θだけ傾斜されている。これにより、シャフト16に固定された後輪フレーム14は、中心軸CLを揺動軸として前輪フレーム12に対して揺動するように構成されている。以下の説明では、揺動軸CLと表記して説明する。
シャフト16の上端部には、アーム部18が設けられている。アーム部18は、平面視で前方側に開放された略U字形状とされており、前後方向に延在された一対の右アーム18R及び左アーム18Lを備えている。
右アーム18R及び左アーム18Lは、後端部が互いに連結されており、この連結された部位にシャフト16の上端部が固定されている。また、右アーム18Rは、進行方向右側に配置されており、右アーム18Rの前端部には、使用者の右手で把持される右把持部30Rが立設されている。一方、左アーム18Lは、進行方向左側に配置されており、左アーム18Lの前端部には、使用者の左手で把持される左把持部30Lが立設されている。このため、立位姿勢の使用者の右腕が右アーム18Rに載せられて右手で右把持部30Rが把持され、使用者の左腕が左アーム18Lに載せられて左手で右把持部30Rが把持される。
<作用及び効果>
次に、本実施形態の歩行器10の動作を説明しつつ、作用及び効果について説明する。図1に示される初期状態では、前輪フレーム12と後輪フレーム14とが直線状に配置されており、アーム部18の右アーム18R及び左アーム18Lが前輪フレーム12の右脚部20R及び左脚部20Lと平面視で略平行に位置している。
ここで、使用者が歩行器10を使用する場合、初めに、右脚部20Rと左脚部20Lとの間の空間32に使用者が立ち、右腕を右アーム18Rに載せて右手で右把持部30Rを把持し、左腕を左アーム18Lに載せて左手で左把持部30Lを把持する。このとき、使用者は、進行方向前方側を向いて立位姿勢を維持している。なお、右把持部30R及び左把持部30Lは、必ず設ける必要はなく、右把持部30R及び左把持部30Lが設けられていない場合は、右アーム18R及び左アーム18Lを把持すればよい。
この状態で、使用者が腕を振ってアーム部18を進行方向左側へ動かすと、図3に示されるように、アーム部18からシャフト16へ回転力が伝達され、シャフト16が揺動軸CL周りに図中矢印の方向に回転される。これに伴い、シャフト16の下端部に固定された後輪フレーム14は、前輪フレーム12に対して揺動軸CLを中心に図中矢印の方向に揺動される。
このとき、ラチェット機構38によって右後輪28R及び左後輪28Lの後ろ向きの回転が抑制されているので、図4に示されるように、左後輪28Lを中心として右後輪28Rが前向きに回転する。これに伴い、前輪フレーム12がフレーム本体24に対して右側に屈曲する。なお、図4に図示された歩行器10は、説明の便宜上、構成の一部を省略して図示している。ここで、図中の角度αは、後輪フレーム14がシャフト16の中心軸(揺動軸)CL周りに回転した回転角度を示したものであり、図中の距離xは、初期状態のシャフト16の中心と、揺動後のシャフト16の中心との前後方向の長さを示したものである。さらに、距離xは、後輪フレーム14を揺動させたことで歩行器10が前進した距離と等しくなっている。
なお、初期状態におけるシャフト16の中心と左後輪28Lの中心Qとの前後方向の長さをaとし、幅方向の長さをbとすると、シャフト16の中心と左後輪28Lの中心Qとの直線距離cは、三角関数に基づき以下の式(1)で表される。
・・・・・・(1)
従って、歩行器10が最も前進した場合の最長前進距離dは、以下の式(2)で表される。
・・・・・(2)
以上のようにして歩行器10が前進する最長前進距離dを求めることができる。なお、最長前進距離dを予め求めることができるので、例えば、アーム部18の回転可能角度を予め設定しておき、最長前進距離に対応する回転角度以上にアーム部18が回転しないようにしてもよい。
次に、図3の状態から使用者がアーム部18を反対方向(進行方向右側)へ動かすと、アーム部18からシャフト16へ逆方向の回転力が伝達され、シャフト16が中心軸CL周りに図中矢印の方向とは反対の方向に回転される。これに伴い、シャフト16の下端部に固定された後輪フレーム14は、前輪フレーム12に対して中心軸CLを中心に図中矢印の方向とは反対方向に回転(揺動)される。このようにして、歩行器10は、蛇行しながら前進する。すなわち、使用者が腕を振ることにより、歩行器10が前進して歩行者が推進力を得ることができる。
また、使用者が歩行器10を使用して歩行している場合であっても、通常の歩行動作と同様に正しい歩容で歩行を行うことができる。この作用について、図5を参照して以下に説明する。なお、図5では、説明の便宜上、歩行器10を簡略化して図示しているが、上述した歩行器10と同様の構成とされている。
初めに、図5(A)は、歩行者P1が通常の歩行動作の説明図であり、下段に図示された状態では、歩行者P1の左右の足と左右の腕とが直線状に位置されている。この状態から、歩行者P1が右足を前方へ出して歩き始めると、図5(A)の中段に図示されるように、使用者P2の左腕が前方へ振り出されて上体を時計回りにひねり始める。そして、歩行者P1の右足が地面に接地する頃には、図5(A)の上段に示されるように、歩行者P1の左腕が前方へ大きく振り出されて上体が時計回りにひねられる。続いて、歩行者P1の左足が地面から離れて前方へ出されると、右腕が前方へ振り出されて反対方向へ状態がひねられる。以上のように、右足及び左腕と、左足及び右腕とを交互に前方へ出して上体をひねりながら歩行動作が行われる。
上述した歩行者P1の歩行動作に対して、図5(B)では、歩行器10を使用した使用者P2の歩行動作が示されている。図5(B)の下段に図示された状態では、使用者P2の左右の足と左右の腕とが直線状に位置されている。そして、図5(B)の中段に図示されるように、使用者P2が右足を前方へ出して歩き始めると、使用者P2の左腕が前方へ振り出されてアーム部18を右側へ回転させる。これにより、シャフト16へ軸周りの回転力が伝達されて後輪フレーム14が揺動軸CL周りに回転される。一方、前輪フレーム12は、左側へ屈曲する。
さらに使用者P2が左腕を前方へ出してアーム部18を右側へ回転させると、図5(B)の上段に示されるように、後輪フレーム14が揺動軸CL周りに回転され、使用者P2は歩行器10から推進力を得る。ここで、前輪フレーム12が左側へ屈曲するため、この前輪フレーム12の方向に合わせて使用者P2の右足が出しやすくなる。一方、使用者P2がアーム部18を反対側(左側)へ回転させると、後輪フレーム14が揺動軸CL周りに回転されて使用者P2が推進力を得る。また、前輪フレーム12が右側へ屈曲するため、使用者P2の左足が出しやすくなる。このように上体をひねりながら歩行することができるため、自然で正しい歩容で歩行することができる。また、上体をひねりながら腕を振って歩行することにより、脳が活性化されるので、腕を振らずに歩行する歩行器と比較して、使用者P2の歩行に対する意識を高めることができる。
また、図1に示されるように、シャフト16の揺動軸CLが垂直方向に対して後方側へ傾斜しているため、後輪フレーム14を揺動軸CL周りに揺動させると、右後輪28R及び左後輪28Lは、右前輪24R及び左前輪24Lに対して上下に移動することとなる。この点について、例えば、図1に示されるように、後輪フレーム14が揺動する前の初期状態では、右後輪28Rと左後輪28Lとが同じ高さに位置されており、右後輪28R及び左後輪28Lに均等に荷重が分散されている。
次に、アーム部18を回転させて後輪フレーム14を揺動軸CL周りに揺動させると、図3に示されるように、右後輪28Rは、歩行器10の幅方向外側へ移動しながら上方へ移動し、左後輪28Lは、歩行器10の幅方向内側へ移動しながら下方へ移動する。このため、下方に位置する左後輪28Lは、初期状態より大きい荷重を受けることとなり、左後輪28Lが回転するのを制限することができる。これにより、ラチェット機構38が設けられていない場合であっても、一方の左後輪28Lを軸として他方の右後輪28Rを前方へ移動させることができる。
以上のようにして、本実施形態の歩行器10は、遠心力などに頼ることなく推進力を得ることができる機構であるため、勢いをつけていない状態、例えば、停止状態であっても使用者P2が腕を振ることで推進力を得ることができる。また、揺動の振動数と関係なく推進力を得ることができるため、使用者P2が推進力を得るために激しく腕を振る必要もない。すなわち、自然な歩容で歩行器10を用いることができる。
また、本実施形態の歩行器10は、電動のアクチュエータやセンサ等を用いておらず、バッテリー等を搭載する必要がないので、電動の歩行器と比較して軽量化を図ることができると共に、バッテリーの充電等の必要がなく、直感的に使用することができる。
なお、本実施形態では、歩行器10の右後輪28R及び左後輪28Lにラチェット機構38を設けたが、これに限らず、右前輪24R及び左前輪24Lにもラチェット機構38を設けてもよい。また、右前輪24R及び左前輪24Lのみにラチェット機構38を設けてもよい。
また、本実施形態のようにラチェット機構38を設けた場合、右後輪28R及び左後輪28Lが後ろ向きに回転するのを抑制することができるため、シャフト16の揺動軸CLを垂直方向に対して後方側へ傾斜させなくてもよい。すなわち、シャフト16の揺動軸CLを垂直方向に設定してもよい。また逆に、ラチェット機構38を設けずにシャフト16の揺動軸CLを垂直方向に対して後方側へ傾斜させた構成としてもよい。この場合は、上述したように、揺動軸CLを傾斜させることで、軸となる後輪の回転を制限することができるため、ラチェット機構38を設けなくても後輪が後ろ向きに回転するのを抑制することができる。
さらに、本実施形態では、図1に示されるように、前輪フレーム12のフレーム本体22から2本の右脚部20R及び左脚部20Lを前方へ延在させて構成したが、これに限らず、例えば、フレーム本体22の幅方向中央部から1本の脚部のみを延出させて構成してもよい。この場合、1本の脚部の両側に右前輪24R及び左前輪24Lを取り付ければよい。また、使用者は、脚部を跨いだ状態で歩行すればよい。
また、アーム部18や右把持部30R及び左把持部30Lの形状は特に限定されず、任意の形状に形成すればよい。また、図6の変形例に示されるように、前輪フレーム52にサドル74Bを備えた構成としてもよい。以下に図6の変形例に係る歩行器50の構成について説明する。
(第1実施形態の変形例)
本実施形態の変形例に係る歩行器50は、歩行器10と同様に、一対の右前輪64R及び左前輪64Lを備えた前輪フレーム52と、一対の後輪70R及び後輪70Lを備えた後輪フレーム54とが設けられている。前輪フレーム52は、平面視で前方側が開放された略U字形状に形成されており、基部となるフレーム本体60と、フレーム本体60の両端部から前方側へ延出された右脚部62R及び左脚部62Lとを備えている。
右脚部62R及び左脚部62Lは、歩行器50の幅方向に間隔を開けて配置されており、右脚部62Rの前端部は、下方へ傾斜されて右前輪64Rが回転可能に取り付けられている。また、左脚部62Lの前端部も同様に下方へ傾斜されており、左前輪64Lが回転可能に取り付けられている。また、フレーム本体60は、幅方向に延在されており、このフレーム本体60の下面には、後輪フレーム54が揺動可能に連結されている。さらに、フレーム本体60の上面には、筒体72が立設されている。筒体72は、上下に延在されており、この筒体72には、シャフト56が挿通されている。
後輪フレーム54は、主として、長尺状のフレーム本体66と、一対の右車軸68R及び左車軸68Lと、一対の右後輪70R及び左後輪70Lとを備えており、フレーム本体66の前端部は、前輪フレーム52のフレーム本体60の下方に配置されている。また、フレーム本体66の後端部には、左右一対の右車軸68R及び左車軸68Lが取り付けられており、右車軸68Rの先端部には、右後輪70Rが回転可能に取り付けられている。また、右車軸68Rの先端部には、左後輪70Lが回転可能に取り付けられている。
前輪フレーム52と後輪フレーム54とは、シャフト56で連結されている。シャフト56は、上下方向に延在されており、シャフト56の中心軸は、垂直方向に対して後方側へ傾斜されている。また、シャフト56は、筒体72に挿通されて前輪フレーム52のフレーム本体60を貫通しており、後輪フレーム54のフレーム本体66に接合されている。これにより、シャフト56を軸周りに揺動させると、後輪フレーム54が揺動軸CLを中心として左右に揺動される。
また、シャフト56の上下方向の中央部には、外周側へ張り出したフランジ部56Aが設けられており、このフランジ部56Aが筒体72の上端面に支持されている。さらに、シャフト56の上端部は、前方側へ湾曲されており、アーム部58が取り付けられている。アーム部58は、平面視で前方側が開放された略C字形状に形成されており、アーム部58の前端部には、右把持部76R及び左把持部76Lが立設されている。
ここで、筒体72にはサドル部74が設けられている。サドル部74は、筒体72の外周面から斜め上方へ延出された支持棒74Aと、支持棒74Aの先端部に取り付けられたサドル74Bとを備えており、使用者を支持することができるように構成されている。なお、サドル74Bの形状や大きさは使用する目的に応じて適宜変更すればよく、例えば、立位姿勢の使用者を後方から支持して推進力を効率よく伝達するためには、使用者の腰や股のあたりを支持できる形状にすればよい。また、使用者が歩行中に腰を下ろせるように、跨いで使用する形状としてもよい。さらに、サドル74Bを設けることにより、使用者が後方に倒れるのを防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る歩行器80について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。図7に示されるように、本実施形態の歩行器80は、一対の右前輪24R及び左前輪24Lを備えた前輪フレーム12と、一対の右後輪28R及び左後輪28Lを備えた後輪フレーム14とが設けられている。
ここで、前輪フレーム12を構成するフレーム本体22の下側横部材22Dの幅方向中央部には、後方へ向かって連結片22Fが延出されており、後輪フレーム14のフレーム本体24が揺動可能に連結されている。詳細には、図8に示されるように、連結片22Fは、後輪フレーム14の連結片24Aの下方へ入り込んでおり、連結片24Aの下面から下方へ延在された支軸88に揺動可能に挿通されている。
また、後輪フレーム14の連結片24Aには、自在継手91を介してシャフト82が接続されている。自在継手91としては、一般的なものを用いることができ、本実施形態では、一例として、断面略U字形状の継手部93及び継手部97を略十字形状のコア95で連結した構成の自在継手91を用いている。なお、これに限らず、異なる角度で回転力を伝達することができる自在継手であれば、特に形状を限定しない。
ここで、シャフト82と後輪フレーム14のフレーム本体24とを自在継手91で連結したことにより、シャフト82の角度に関わらず、フレーム本体24の揺動軸CLを自由に設定することができる。このため、本実施形態では、揺動軸CLを垂直方向に対して後方側へ傾斜させて設計している。
図7に示されるように、前輪フレーム12のフレーム本体22を構成する上側横部材22Cには、前方へ向かってアーム取付部22Gが突設されており、このアーム取付部22Gにアーム部84が回転可能に取り付けられている。アーム部84は、平面視で略U字形状に形成されており、アーム部84の先端部にはそれぞれ、左右一対の右把持部86R及び左把持部86Lが設けられている。また、アーム部84のフレーム本体22との連結部には、前後方向に延在された図示しない支軸が設けられており、この支軸がアーム取付部22Gに挿通されて、図示しない自在継手を介してシャフト82と連結されている。
以上のように構成された歩行器80によれば、図7に示される初期状態では、前輪フレーム12と後輪フレーム14とが直線状に配置されている。そして、この状態で、使用者が右腕を下方へ振ってアーム部84を動かすと、図9に示されるように、アーム部84は、前後方向に延在された図示しない支軸を中心に回転し、シャフト82へ回転力を伝達させる。これにより、シャフト82から自在継手91を介して後輪フレーム14のフレーム本体24を揺動させ、推進力を得ることができる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態では、自在継手91を用いてシャフト82とフレーム本体24、及びシャフト82とアーム部84を連結したが、これに限らず、他の方法で両者を連結してもよく、例えば、図10に示されるような空間リンク機構90を用いてもよい。なお、図10では、空間リンク機構90の部分のみを図示しているが、この空間リンク機構90に前輪や後輪を設けることで、歩行器を形成することができる。
図10に示される空間リンク機構90は、上方に開放された略U字形状の前輪フレーム92を備えており、この前輪フレーム92の下端部には、後輪フレーム104が揺動自在に取り付けられている。また、前輪フレーム92の上端部には、回転軸部材94が架け渡されている。なお、空間リンク機構90を歩行器に組み込む場合には、例えば、前輪フレーム92に脚部を介して前輪を回転可能に取り付け、後輪フレーム104に車軸を介して後輪を回転可能に取り付ければよい。
回転軸部材94は、長尺状の角柱部材であり、両端部が前輪フレーム92に回転可能に取り付けられている。また、回転軸部材94の長手方向中央部には、挿通孔が形成されており、略T字形状のアーム部96が挿通されている。アーム部96は、直交する第1角柱部96A及び第2角柱部96Bと、第2角柱部96Bから後方側へ延出された円柱部96Cとを備えており、円柱部96Cが回転軸部材94の挿通孔へ挿通されて、第2角柱部96Bより後方側へ延在されている。なお、空間リンク機構90を歩行器に組み込む場合には、アーム部96の第1角柱部96Aの両端部から前方側へアームを延出させて使用者が把持できるように構成すればよい。
ここで、円柱部96Cの先端部(後方側の端部)には、略立方体状のスタッド固定部98が取り付けられており、このスタッド固定部98の両側に一対のボールスタッド100が固定されている。ボールスタッド100はそれぞれ、スタッド固定部98に固定されたロッド部100Aと、ロッド部100Aの先端に設けられた球状部100Bとを備えており、球状部100Bには、長尺状のシャフト102の一端部が球面接触するように取り付けられている。
シャフト102は、前後方向に延在されて左右に一対設けられており、シャフト102の両端部には、半球状にくり貫かれたソケット部102Aが形成されている。そして、前端部側のソケット部102Aは、アーム部96側のボールスタッド100と面接触するように取り付けられており、後端部側のソケット部102Aは、後輪フレーム104の後端部に固定された一対のボールスタッド106にそれぞれ面接触するように取り付けられている。
以上のように構成された空間リンク機構90を用いた場合、例えば、アーム部96の第1角柱部96Aを第2角柱部96B周りに回転させることで、アーム部96の回転力が一対のシャフト102へ伝達されて、後輪フレーム104を前輪フレーム92周りに揺動させることができる。なお、後輪フレーム104の揺動軸は、垂直方向に対して後方へ傾斜させるのが好ましい。また、前輪フレーム92や後輪フレーム104は、図10で示した形状に限定されず、歩行器の形状に応じて適宜変更してもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る歩行器110について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。また、図11及び図12において、説明の便宜上、一部の図示を省略している。
図11に示されるように、本実施形態の歩行器110は、一対の前輪を備えた前輪フレーム12と、一対の後輪を備えた後輪フレーム14とが設けられている。また、前輪フレーム12を構成する枠状のフレーム本体22の下側横部材22Dには、後方へ向かって連結片22Fが延出されており、後輪フレーム14のフレーム本体24が揺動可能に連結されている。
また、フレーム本体24の連結片24Aには、断面略U字形状の継手部116が立設されており、この継手部116とシャフト112に設けられた継手部114とが略十字形状のコアで連結されて自在継手を構成している。なお、継手部116の中心軸(揺動軸)は垂直方向に対して後方側へ傾斜されている。
シャフト112は、後輪フレーム14のフレーム本体24から斜め上方へ延在されており、シャフト112の上端部は、図示しない自在継手を介して前後方向に延在された図示しない支軸と連結されている。ここで、シャフト112に連結された支軸は、フレーム本体22の上側横部材22Cに設けられたアーム取付部22Gに挿通されており、アーム取付部22Gの前方側には、ギア取付部材118が固定されている。ギア取付部材118は、平面視で前方側が開放された略U字形状に形成されており、アーム取付部22Gに挿通された支軸の先端部がギア取付部材118を貫通して第1ギア120に接続されている。
第1ギア120は、かさ歯車で形成されており、前後方向に延在された支軸を中心に回転される。また、第1ギア120の両側には、第1ギア120とそれぞれ噛み合う第2ギア122及び第3ギア124が設けられている。第2ギア122は、第1ギア120の進行方向右側に配置されており、第1ギア120と同様のかさ歯車で形成されている。
また、第2ギア122には、アームシャフト130Rが接続されている。アームシャフト130Rは、ギア取付部材118を貫通して幅方向外側へ延在されており、アームシャフト130Rの先端部には、右アーム部126Rが取り付けられている。右アーム部126Rは、アームシャフト130Rから下方へ延在され、さらに前方へ向かって斜め下方へ屈曲されている。また、右アーム部126Rの下端部には、把持部128Rが立設されている。
一方、第3ギア124は、第2ギア122と対向して配置されており、第1ギア120及び第2ギア122と同様のかさ歯車で形成されている。また、第3ギア124には、ギア取付部材118を貫通して幅方向外側へ延在されたアームシャフト130Lが接続されており、このアームシャフト130Lの先端部には、左アーム部126Lが取り付けられている。左アーム部126Lは、右アーム部126Rと同様に構成されており、左アーム部126Lの下端部には、把持部128Lが立設されている。
以上のように構成された歩行器110によれば、図11に示される初期状態では、前輪フレーム12と後輪フレーム14とが直線状に配置されており、右アーム部126R及び左アーム部126Lは、同じ高さに位置されている。ここで、使用者が右腕を後方に振って左腕を前方に振った場合、図12に示されるように、右アーム部126Rが下げられてアームシャフト130Rを軸周りに回転させる。これにより、第2ギア122が回転され、第1ギア120及び第3ギア124を回転させる。
一方、左アーム部126Lが上げられてアームシャフト130Lを軸周りに回転させる。これにより、第3ギア124が回転され、第1ギア120及び第2ギア122を回転させる。なお、第2ギア122と第3ギア124とは、第1ギア120を介して連結されているため、右アーム部126R及び左アーム部126Lの少なくとも一方を動かすことにより、両方のアーム部が動くこととなる。
以上のように第1ギア120は、第2ギア122及び第3ギア124に回転され、図示しない支持を介してシャフト112へ回転力が伝達される。また、シャフト112が軸周りに回転することにより、後輪フレーム14のフレーム本体24が揺動軸周りに揺動されて推進力を得ることができる。その他の作用については、第1実施形態と同様である。
なお、本実施形態の歩行器110では、第1ギア120を第2ギア122及び第3ギアより後方側へ配置したが、これに限らず、第1ギア120を第2ギア122及び第3ギアより前方側へ配置してもよい。この場合、右アーム部126R及び左アーム部126Lの動作に対する第1ギア120の回転方向が逆転するため、使用者の歩きやすさを考慮して第1ギア120の配置を設定するのが好ましい。
以上、本発明の第1実施形態〜第3実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、図1では、シャフト16を直接後輪フレーム14のフレーム本体24へ接続しているが、これに限らず、シャフト16とフレーム本体24との間に複数のギアを配設してトルクを調節できるようにしてもよい。
また、図6のサドル部74を備えた歩行器50において、前輪フレーム52に左右一対のペダルを設け、サドル74Bに着座した使用者がペダルに足を載せることができるようにしてもよい。この場合、ペダルとアーム部58とを連結して、一方のペダルを踏むとアーム部58が移動してシャフト56へ回転力を伝達させ、他方のペダルを踏むとアーム部58が逆方向に移動してシャフト56へ逆向きの回転力を伝達させるように構成すれば、使用者がサドル74Bに着座した状態でペダルを交互に踏むことで、蛇行しながら前進することができる。すなわち、歩行器と乗り物とを兼用することができる。
10、50、80、110 歩行器
12、52、92 前輪フレーム
14、54、104 後輪フレーム
16、56、82、102、112 シャフト
18、58、84、96 アーム部
24R、24L 前輪
28R、28L 後輪
38 ラチェット機構
74B サドル
126R 右アーム部(アーム部)
126L 左アーム部(アーム部)
CL 揺動軸
P2 使用者

Claims (5)

  1. 一対の前輪を備えた前輪フレームと、
    前記前輪フレームに揺動可能に連結され、揺動軸が垂直より後方側へ傾斜された後輪フレームと、
    前記後輪フレームに設けられ、それぞれ独立して回転する一対の後輪と、
    前記後輪フレームに接続され、上方へ延在されたシャフトと、
    前記シャフトの上部に設けられ、前記シャフトから前方側へ延在されて使用者に把持されると共に、使用者が腕を振ることで、前記シャフトへ回転力を伝達させて前記後輪フレームを前記揺動軸周りに揺動させるアーム部と、
    を有する歩行器。
  2. 一対の前輪を備えた前輪フレームと、
    前記前輪フレームに揺動可能に連結された後輪フレームと、
    前記後輪フレームに設けられ、それぞれ独立して回転すると共に、後ろ向きに回転するのを抑制するラチェット機構が設けられた一対の後輪と、
    前記後輪フレームに接続され、上方へ延在されたシャフトと、
    前記シャフトの上部に設けられ、前記シャフトから前方側へ延在されて使用者に把持されると共に、使用者が腕を振ることで、前記シャフトへ回転力を伝達させて前記後輪フレームを前記揺動軸周りに揺動させるアーム部と、
    を有する歩行器。
  3. 一対の前輪を備えた前輪フレームと、
    前記前輪フレームに揺動可能に連結され、揺動軸が垂直より後方側へ傾斜された後輪フレームと、
    前記後輪フレームに設けられ、それぞれ独立して回転すると共に、後ろ向きに回転するのを抑制するラチェット機構が設けられた一対の後輪と、
    前記後輪フレームに接続され、上方へ延在されたシャフトと、
    前記シャフトの上部に設けられ、前記シャフトから前方側へ延在されて使用者に把持されると共に、使用者が腕を振ることで、前記シャフトへ回転力を伝達させて前記後輪フレームを前記揺動軸周りに揺動させるアーム部と、
    を有する歩行器。
  4. 前記前輪フレームには、使用者の下肢を支えるサドルが設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載の歩行器。
  5. 前記前輪フレームには、前記サドルに着座した使用者の足が載せられるペダルが設けられており、
    前記ペダルは、前記アーム部に連結され、使用者が前記ペダルを踏むことで、前記アーム部を介して前記シャフトが回転して前記後輪フレームを揺動させる請求項4に記載の歩行器。
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