JP2015120832A - 樹脂材料及びその利用 - Google Patents

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慎介 宮澤
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Abstract

【課題】 金属配線を有する透明樹脂フィルムに好適な、金属との密着性に優れた樹脂材料を提供する。
【解決手段】 非晶性非極性脂環構造含有重合体、ラジカル開始剤、及びエチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物を、溶融混練してなる極性基含有非晶性脂環構造含有重合体5〜100重量部と、前記非晶性非極性脂環構造含有重合体0〜95重量部とを含有する、前記エチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物由来の極性基量が0.05〜3.0重量部である樹脂材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、金属配線を有する透明樹脂フィルムに好適な、金属との密着性に優れた樹脂材料に関する。
ノルボルネン系開環共重合体水素化物などの非晶性脂環構造含有重合体は、光学的特性、耐候特性、電気特性などに優れているため、光学材料をはじめ種々の分野で使用されている。一方、非晶性脂環構造含有重合体は、防湿性、透明性、耐熱性、耐薬品性等の特性にも優れることから、食品や医薬品等の包装フィルムの分野において好適であることが知られている。
このような非晶性脂環構造含有重合体の中でも、極性基を有するノルボルネン系単量体を用いて得られる極性基含有非晶性ノルボルネン系開環重合体の水素化物は、金属との密着性に優れる反面、極性基が存在するため耐湿性などの面で劣るため、極性基の割合は少ないことが望ましい。
特許文献1には、極性基を有しないノルボルネン系単量体を用いて非極性のノルボルネン系開環重合体を水素化した水素化物に、ラジカル開始剤存在下、無水マレイン酸などのエチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物を反応させる溶液法又は溶融法によるグラフト変性が提案されている。このような方法では、導入される極性基の量を低く抑えることが可能である。特許文献1の実施例では、シクロヘキサン中でグラフト変性し、アセトンで変性物を凝固させて分取後、乾燥した非晶性極性基含有ノルボルネン系開環重合体の水素化物を架橋剤と共に溶媒に溶解させて架橋性樹脂組成物を得ている。
特開平08−020692号公報
本発明の目的は、金属薄膜との密着性に優れたフィルムを与えることのできる非晶性脂環構造含有重合体の製造方法を提供することにある。
かくして、本発明によれば、非晶性非極性脂環構造含有重合体、ラジカル開始剤、及びエチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物を、溶融混練してなる極性基含有非晶性脂環構造含有重合体5〜100重量部と、前記非晶性非極性脂環構造含有重合体0〜95重量部とを含有する、前記エチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物由来の極性基量が0.05〜3.0重量部である樹脂材料が提供される。
前記エチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物の極性基は、アルコキシシリル基又は無水マレイン酸残基であるのが好ましい。
また、本発明によれば樹脂材料からなるフィルムが提供される。
また、本発明によれば、このフィルムに金属薄膜を積層してなる電子材料が提供される。
本発明に用いる非晶性非極性脂環構造含有重合体は、主鎖及び/又は側鎖に脂環式構造を有する樹脂である。脂環式構造としては、飽和環状炭化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素(シクロアルケン、シクロアルキン)構造などを挙げることができる。機械的強度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造が最も好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機械的強度、耐熱性や、結像素子の成形性の特性が高度にバランスされ、好適である。
非晶性非極性脂環構造含有重合体の具体例としては、
(1)ノルボルネン系単量体の開環重合体及びノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体との開環共重合体、並びにこれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体及びノルボルネン系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との付加共重合体などのノルボルネン系重合体、
(2)単環の環状オレフィン系重合体及びその水素添加物、
(3)環状共役ジエン系重合体及びその水素添加物、
(4)ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びビニル脂環式炭化水素系単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体、並びにこれらの水素添加物、ビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環の水素添加物及びビニル芳香族単量体とこれと共重合可能なその他の単量体との共重合体の芳香環の水素添加物などのビニル脂環式炭化水素系重合体、などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、脂環構造含有重合体が特に好ましい。
このような非晶性非極性脂環構造含有重合体としては、具体的には特開平5−279554号公報に記載されている開環重合体およびその水素添加物、特開2004−067985号公報に記載のメタクリル基を側鎖にもつノルボルネン誘導体をメタロセン触媒等で開環重合させた後、水素化して得られる重合体、特開2001−26693号公報に記載されるエチレンと環状オレフィンの共重合体が挙げられる。
市販の非晶性非極性脂環構造含有重合体の具体例としては、日本ゼオン社製ZEONEX(登録商標)、ZEONOR(登録商標)、三井化学社製APEL(登録商標)、JSR社製ARTON(登録商標)、ポリプラスチックス社製TOPAS(登録商標)などが挙げられる。
本発明に用いられるラジカル開始剤は、熱によりラジカルを発生させる化合物であり、過酸化物が好適に用いられる。
過酸化物としては、1分間半減期温度が170〜190℃のものが好ましく使用され、例えば、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ−(2−t一ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンなどが好適に用いられる。
これらの過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。過酸化物の使用量は、非晶性非極性脂環構造含有重合体100重量部に対して、通常0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部、より好ましくは0.2〜0.5重量部である。
本発明に用いられるエチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物は、シランカップリング剤やオレフィン含有カルボン酸誘導体が挙げられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランのような有機官能基がビニル基を含むものであるアルコキシシラン化合物;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランなどの有機官能基がエポキシ基を含むものであるアルコキシシラン化合物;p−スチリルトリメトキシシランのような有機官能基を含むものがスチリル基であるアルコキシシラン化合物;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどの有機官能基が(メタ)アクリル基を含むものであるアルコキシシラン化合物;N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びN−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩などの有機官能基がアミノ基を含むものであるアルコキシシラン化合物;トリス−(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどの有機官能基がイソシアヌレート基を含むものであるアルコキシシラン化合物;3−ウレイドプロピルトリエトキシシランなどの有機官能基がウレイド基を含むものであるアルコキシシラン化合物;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの有機官能基がメルカプト基を含むものであるアルコキシシラン化合物;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどの有機官能基がスルフィド基を含むものであるアルコキシシラン化合物;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどの有機官能基がイソシアネート基を含むものであるアルコキシシラン化合物;等が挙げられる。
シランカップリング剤を用いることで非晶性非極性脂環構造含有重合体に、各種の有機官能基を有するアルコキシシリル基が導入される。
オレフィン含有カルボン酸誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル類;マレイン酸ジメチル、フマール酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、シトラコン酸ジメチル等のジカルボン酸ジエステル類;5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、テトラヒドロフタル酸ジメチル、メチルテトラヒドロフタル酸ジエチル、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル、メチル−エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸ジメチル等の環状不飽和カルボン酸エステル類;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−エンドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物等の不飽和基含有無水物類;等が挙げられる。
オレフィン含有カルボン酸誘導体を用いることで、非晶性非極性脂環構造含有重合体に、カルボン酸残基が導入される。
エチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。エチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物の使用量は、非晶性非極性脂環構造含有重合体100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.3〜3重量部である。
本発明の樹脂材料は、上述してきた非晶性脂環構造含有重合体、ラジカル開始剤、及びエチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物を溶融混練することにより得られる。溶融混練に際しては、操作性の観点から有機溶媒を存在させることも可能であるが、フィルムの表面平滑性を高める為には、溶媒不存在下で行うのが好ましい。
これらを溶融混練することにより、非晶性非極性脂環構造含有重合体に極性基を導入することができる。
溶融混練する方法は特に限定されないが、例えば、二軸混練機などの軸混練機を用いて、通常260〜340℃、好ましくは265〜320℃、より好ましくは270〜300℃で、通常0.1〜10分、好ましくは0.2〜5分、より好ましくは0.3〜2分程度混練する。温度、滞留時間がこの範囲になるようにして、連続的に混練、押出しをすればよい。
極性基の導入量は、通常、非晶性非極性脂環構造含有重合体100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部、より好ましくは0.3〜3重量部である。極性基の導入量が多過ぎると、耐湿性が下がる上、例えばアルコキシシリル基を導入した場合には雰囲気中の水分によりアルコキシシリル基が分解され、架橋反応が進行するためゲルが発生したり、溶融時の流動性が低下して成形性が低下するなどの問題を生じ易く好ましくない。極性基の導入量が少な過ぎると、金属薄膜との十分な接着力が得られないという不具合が生じるため好ましくない。極性基の導入はIRスペクトルで確認することができる。導入量はIRスペクトルからあらかじめ作成した検量線により算出することができる他、H−NMRスペクトル(導入量が少ない場合は積算回数を増やす)によっても算出することもできる。
こうして得られる、本発明に係る極性基含有非晶性脂環構造含有重合体の分子量は、導入される極性基の量が少ないため、原料として用いた非晶性非極性脂環構造含有重合体の分子量と実質的には変わらない。
本発明において、上述した極性基含有非晶性脂環構造含有重合体を用いてフィルムを製造するに当たり、必要に応じて非晶性非極性脂環構造含有重合体を配合することができる。樹脂材料100重量部中、極性基含有非晶性脂環構造含有重合体の量は、1〜100重量部、好ましくは3〜100重量部、より好ましくは5〜100重量部であり、非晶性非極性脂環構造含有重合体の量は、0〜99重量部、好ましくは0~97重量部、より好ましくは0〜95重量部である。この範囲であれば、金属等の極性物質との密着性に優れるため好ましい。また、本発明において、非晶性非極性脂環構造含有重合体に導入される極性基量は0.05〜3.0重量部と少量のため、この範囲であれば、非晶性非極性ジシクロペンタジエン開環重合体水素添加物の電気特性を損なうこともない。
更に本発明の樹脂材料には、その使用目的に応じた任意の添加剤を配合することができる。そのような配合剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤などの酸化防止剤;ヒンダードアミン系光安定剤などの光安定剤;石油系ワックスやフィッシャートロプシュワックスやポリアルキレンワックスなどのワックス;ソルビトール系化合物、有機リン酸の金属塩、有機カルボン酸の金属塩、カオリン及びタルクなどの核剤;ジアミノスチルベン誘導体、クマリン誘導体、アゾール系誘導体(例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、及びベンゾチアソール誘導体)、カルバゾール誘導体、ピリジン誘導体、ナフタル酸誘導体、及びイミダゾロン誘導体などの蛍光増白剤;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤;タルク、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維などの無機充填材;着色剤;難燃剤;難燃助剤;帯電防止剤;可塑剤;近赤外線吸収剤;滑剤;フィラー、及び、軟質重合体などの非晶性非極性脂環構造含有重合体以外の高分子材料;等を例示することができる。
本発明の樹脂材料を用いてフィルムを得る方法に格別な制限は無いが、溶融押出成形が、厚みの制御のしやすい上、本発明において著効を得られる点で好適である。
溶融押出によるフィルム成形において、シリンダー温度(溶融樹脂温度)は通常250〜330℃、好ましくは260〜310℃;キャストロール温度は通常45〜160℃、好ましくは45〜130℃;冷却ロール温度は通常25〜150℃、好ましくは45〜120℃である。本発明の樹脂組成物を用いて押出成形すると厚さ1μm〜1mmのフィルム状成形体を容易に得ることができる。
こうして得られるフィルムは、必要に応じて延伸することができる。延伸方法に格別な制限は無く、公知の成型法を用いることができる。例えば、ロール側の周速の差を利用して縦方向に一軸延伸する方法、テンター延伸機を用いて横方向に一軸延伸する方法等の一軸延伸法;固定するクリップの間隔を開いての縦方向の延伸と同時に、ガイドレールの広がり角度により横方向に延伸する同時二軸延伸法や、ロール間の周速の差を利用して縦方向に延伸した後、その両端部をクリップ把持してテンター延伸機を用いて横方向に延伸する逐次二軸延伸法などの二軸延伸法;横又は縦方向に左右異なる速度の送り力若しくは引張り力又は引取り力を付加できるようにしたテンター延伸機を用いてフィルムの幅方向に対して任意の角度θの方向に連続的に斜め延伸する方法;などが挙げられる。
また延伸加工において、延伸温度は通常95〜135℃、好ましくは100〜130℃;延伸倍率は通常1.2〜10倍、好ましくは1.5〜5倍である。尚、二軸延伸法を使用した場合、延伸倍率は縦と横の延伸倍率の積によって規定される。
また、延伸フィルムは、加熱処理することで寸法安定性を得ることができる。加熱処理方法に格別な制限は無く、熱処理オーブン内に熱風を吹き込んでもよく、赤外線ヒーターのような輻射熱によって加熱してもよい。
また加熱処理において、処理温度は通常150〜220℃、好ましくは160〜210℃;加熱時間は1〜600分間、好ましくは3〜300分間である。
本発明のフィルムの厚みは、通常1μm〜1000μm、好ましくは5μm〜800μm、さらに好ましくは10μm〜500μmである。
こうして得られた本発明のフィルムに、金属薄膜を積層する。
金属薄膜の積層方法に格別な制限はなく、例えば電解めっきにより積層する方法、金属薄膜と樹脂フィルムを重ね合わせて熱圧着する方法、金属薄膜をロールプレス機などを用いて積層する方法などが挙げられる。
積層する金属薄膜層の厚みは、特に制約はなく、用途に合わせて選択すればよいが、通常0.01〜500μm、好ましくは0.05〜300μm、さらに好ましくは0.1〜100μmである。
こうして得られた本発明の、金属薄膜が積層されたフィルムは、例えば食品分野、医療分野、電子・電気分野、光学分野、民生分野、土木建築分野などの各種の用途に好適に用いることができる。なかでも、食品分野、医療分野、電子・電気分野、光学分野などの用途に好適である。すなわち、ラップフィルム、シュリンクフィルム、菓子や漬物などの食品包装袋等の食品包装材料;輸液用バッグ、点滴用バッグ、プレス・スルー・パッケージ用フィルム、ブリスター・パッケージ用フィルム等の医療用途向け各種部品;フレキシブルプリント基板用フィルム、フィルムコンデンサー、赤外線レンズ、高周波回路基板フィルム、アンテナ基板フィルム、電池セパレーター用フィルム、離型フィルムなどの電気・電子部品;位相差フィルム、偏光フィルム、光拡散シート、集光シート、光カード、タッチパネル基板フィルム、フレキシブルディスプレイ基板フィルムなどの光学フィルムとして使用できる。
成形体としては、例えば、コネクター、リレー、コンデンサ、センサー、アンテナ、ICトレイ、シャーシ、コイル封止、モーターケース、電源ボックス等の電子部品;LED光反射体;車両用灯具のリフレクタ;自動車用モーターケース、センサケース、モジュール部品ケース等の自動車部品;光学レンズ鏡筒;フレキシブルプリント基板;プリント配線板積層用離型フィルム;太陽電池用基板;電子レンジ、炊飯器、電動ジャーポット、乾燥洗濯機、食器洗い機、エアコン等の家電部品;包装用、梱包用フィルム;食品用シート、トレイ;LEDモールド材;ポンプケーシング、インペラ、配管継ぎ手、浴室パネル等の住設部品などに好適に用いられる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。なお、各例中の部
及び%は、特に断りのない限り、重量基準である。
また、各例における測定や評価は、以下の方法により行った。
(1)水素添加率は、H−NMRにより測定した。
(2)ガラス転移温度は、JIS K 7121に基づき、示差走査熱量分析計(製品名「DSC6220S11」、ナノテクロノジー社製)を用い、ガラス転移温度より30℃以上に加熱した後、冷却速度−10℃/分で室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/分で昇温する過程で測定した。
(3)極性基含有非晶性脂環構造含有重合体における極性基の導入量
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体中の極性基の存在の確認は、FT−IR(製品名「AVATAR360」、サーモサイエンティフィック社製)により透過法で行った。例えばビニルトリメトキシシランを導入した場合は、FT−IRスペクトルで825及び739cm−1にSi−OCH基に基づく吸収帯が観察される。無水マレイン酸を導入した場合は、FT−IRスペクトルで1790cm−1にC=O基に基づく吸収帯が観察される。また、非晶性非極性脂環構造含有重合体に対する極性基の導入量もFT−IRにより定量した。導入量は、それぞれの極性基に基づく吸収帯のピーク高さと、非晶性非極性脂環構造含有重合体の1,2−C=Cに基づく920cm−1の吸収帯のピーク高さの比を算出し、あらかじめ作成した検量線を用いて算出した。測定時の積算回数は16回とした。
(4)樹脂組成物と金属層のピール強度
引張試験機(製品名「AGS−10kNX」、島津製作所社製)での剥離試験により測定した。積層フィルムを固定し、金属層と樹脂層の一部を物理的に引き剥がし、100mm/sの速度で90°に引っ張ることで、その時の剥離強度の測定を行った。
[合成例1]
〔非晶性非極性脂環構造含有重合体Aの合成〕
シクロヘキサン258リットルを装入した反応容器に、常温、窒素気流下でビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下、「NB」という)(120kg)を加え、5分間撹拌を行った。さらにトリイソブチルアルミニウムを系内の濃度が1.0ml/リットルとなるように添加した。続いて、撹拌しながら常圧でエチレンを流通させ系内をエチレン雰囲気とした。オートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンにて内圧がゲージ圧で6kg/cm2となるように加圧した。10分間撹拌した後、予め用意したイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド及びメチルアルモキサンを含むトルエン溶液0.4リットルを系内に添加することによって、エチレン、NBの共重合反応を開始させた。このときの触媒濃度は、全系に対してイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドが0.018mmol/リットルであり、メチルアルモキサンが8.0mmol/リットルである。
重合中、系内にエチレンを連続的に供給することにより、温度を70℃、内圧をゲージ圧で6kg/cmに保持した。60分後、イソプロピルアルコールを添加することにより、重合反応を停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出し、その後、水1mに対し濃塩酸5リットルを添加した水溶液と1:1の割合で強撹拌下に接触させ、触媒残渣を水相へ移行させた。この接触混合液を静置したのち、水相を分離除去し、さらに水洗を2回行い、重合液相を精製分離した。
次いで精製分離された重合液を3倍量のアセトンと強撹拌下で接触させ、共重合体を析出させた後、固体部(共重合体)を濾過により採取し、アセトンで十分洗浄した。さらに、ポリマー中に存在する未反応のモノマーを抽出するため、この固体部を40kg/mとなるようにアセトン中に投入した後、60℃で2時間の条件で抽出操作を行った。抽出処理後、固体部を濾過により採取し、窒素流通下、130℃、350mmHgで12時間乾燥し、エチレン・NB共重合体(非晶性非極性脂環構造含有重合体A)を得た。
以上のようにして、得られたエチレン・NB共重合体(非晶性非極性脂環構造含有重合体A)のTgは137℃であり、NB単位含量は51モル%であった。
[合成例2]
〔非晶性非極性脂環構造含有重合体Bの合成〕
シクロヘキサン250部を、室温、窒素雰囲気の反応器に入れ、更に1−ヘキセン0.90部、ジブチルエーテル0.07部及びトリイソブチルアルミニウム0.10部を入れて混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン(以下「DCP」と略すことがある)90部、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下「ETD」と略すことがある)10部、及び六塩化タングステンの0.6%トルエン溶液17部を2時間かけて連続的に添加して重合した。重合終了後、ガスクロマトグラフィーにより測定したモノマーの重合転化率は重合終了時で100%であった。
得られた重合反応液を耐圧性の水素化反応機に移送し、ケイソウ土担持ニッケル触媒(製品名「G−96D」、日産ガードラー社製、ニッケル担持率58%)6部及びシクロヘキサン100部を加え、150℃、水素圧4.3MPaで8時間反応させた。この反応溶液を、ラヂオライト(登録商標)#500(昭和化学工業社製)を濾過床として、圧力0.25MPaで加圧濾過(製品名「フンダフィルタ」、IHI社製)して水素添加触媒を除去し、無色透明な溶液を得た。次いで前記水素添加物100部あたり0.5部の酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製、製品名「イルガノックス(登録商標) 1010」)を、得られた溶液に添加して溶解させた。次いで、ゼータープラスフィルタ30H(孔径0.5〜1μm、キュノーフィルタ社製)にて順次濾過しさらに別の金属ファイバー製フィルタ(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後、開環重合体水素添加物(非晶性非極性脂環構造含有重合体B)を得た。Tgは104℃であった。
尚、開環重合体合成時の重合転化率が100%であり、水素転化率も99.9%と高水準であることから、開環重合体水素添加物中の、DCP由来の構造単位(DCP単位)、及びETD由来の構造単位(ETD単位)は、開環重合体の製造に用いたモノマーの使用量に等しいと推定される。
[合成例3]
〔非晶性非極性脂環構造含有重合体Cの合成〕
窒素雰囲気下、シクロヘキサン500部に、1−ヘキセン0.85部、ジブチルエーテル0.20部、トリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、DCP 80部、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン(以下、「MTF」という。)60部、及びテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下、「TCD」という)60部からなるノルボルネン系モノマー混合物と、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)40部とを、2時間かけて連続的に添加し重合した。重合終了後、ガスクロマトグラフィーにより測定したモノマーの重合転化率は重合終了時で100%であった。
得られた重合反応液を耐圧性の水素化反応機に移送し、シクロヘキサン200部を加え、さらに水素添加触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5部を加え、水素により5MPaに加圧して撹拌しながら温度200℃まで加温して4時間反応させ、DCP/MTF/TCD開環重合体水素添加物を含有する反応溶液を得た。得られた反応溶液から濾過により水素添加触媒を除去した。
次いで前記水素添加物100部あたり0.5部の酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASF社製、製品名「イルガノックス(登録商標) 1010」)を、得られた溶液に添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所社製)を用いて、温度270℃、圧力1kPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮機に直結したダイから溶融状態でストランド状に押出し、冷却後、開環重合体水素添加物(非晶性非極性脂環構造含有重合体C)を得た。Tgは138℃であった。
尚、開環重合体合成時の重合転化率が100%であり、水素転化率も99.9%と高水準であることから、開環重合体水素添加物中の、DCP由来の構造単位(DCP単位)、MTF由来の構造単位(MTF単位)、及びTCD由来の構造単位(TCD単位)は、開環重合体の製造に用いたモノマーの使用量に等しいと推定される。
<合成例4>
〔極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Dの合成〕
上記で得られた非晶性非極性脂環構造含有重合体Cのペレット100部に対して3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(製品名「KBM−5103」、信越シリコーン製)2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM35B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度260℃、スクリュー回転数100rpm、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、水冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Dのペレット97部を得た。
得られた3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体DのFT−IRスペクトルにおいて、Si−OCH基及びSi−CH基に由来する吸収帯が観察された。また、非晶性非極性脂環構造含有重合体100部に対する3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの導入量は、1.8部であった。
<合成例5>
〔極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Eの合成〕
上記で得られた非晶性非極性脂環構造含有重合体Cのペレット100部に対してビニルトリメトキシシラン(製品名「KBM−1003」、信越シリコーン社製)2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM35B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度260℃、スクリュー回転数100rpm、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、水冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、ビニルトリメトキシシランが導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Eのペレット97部を得た。
得られたビニルトリメトキシシランが導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体EのFT−IRスペクトルにおいて、Si−OCH基及びSi−CH基に由来する吸収帯が観察された。また、非晶性非極性脂環構造含有重合体100部に対するビニルトリメトキシシランの導入量は、1.6部であった。
<合成例6>
〔極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Fの合成〕
上記で得られた非晶性非極性脂環構造含有重合体Cのペレット100部に対して3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(製品名「KBM−503」、信越シリコーン製)2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM35B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度260℃、スクリュー回転数100rpm、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、水冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Fのペレット97部を得た。
得られた3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが導入された極性基変性非晶性脂環構造含有重合体FのFT−IRスペクトルにおいて、Si−OCH基及びSi−CH基に由来する吸収帯が観察された。また、非晶性非極性脂環構造含有重合体100部に対する3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの導入量は、1.5部であった。
<合成例7>
〔極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Gの合成〕
上記で得られた非晶性非極性脂環構造含有重合体Cのペレット100部に対して無水マレイン酸(製品名「CRYSTAL MAN(登録商標)」、日油社製)2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM35B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度260℃、スクリュー回転数100rpm、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、水冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、無水マレイン酸が導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Gのペレット97部を得た。
得られた無水マレイン酸が導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体GのFT−IRスペクトルにおいて、C=O基に由来する吸収帯が観察された。また、非晶性非極性脂環構造含有重合体に対する無水マレイン酸の導入量は、1.2部であった。
<合成例4>
〔極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Hの合成〕
上記で得られた非晶性非極性脂環構造含有重合体Aのペレット100部に対して3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(製品名「KBM−5103」、信越シリコーン製)2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM35B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度260℃、スクリュー回転数100rpm、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、水冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Hのペレット97部を得た。
得られた3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体HのFT−IRスペクトルにおいて、Si−OCH基及びSi−CH基に由来する吸収帯が観察された。また、極性基含有非晶性脂環構造含有重合体水素添加物100部に対する3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの導入量は、1.9部であった。
<合成例4>
〔極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Iの合成〕
上記で得られた非晶性非極性脂環構造含有重合体Bのペレット100部に対して3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(製品名「KBM−5103」、信越シリコーン製)2.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標) 25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM35B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度260℃、スクリュー回転数100rpm、滞留時間60〜70秒で混練し、ストランド状に押出し、水冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体Hのペレット97部を得た。
得られた3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが導入された極性基含有非晶性脂環構造含有重合体IのFT−IRスペクトルにおいて、Si−OCH基及びSi−CH基に由来する吸収帯が観察された。また、非晶性非極性脂環構造含有重合体100部に対する3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの導入量は、1.8部であった。
<実施例1>
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D100部、酸化防止剤(テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、商品名「イルガノックス(登録商標)1010」、BASFジャパン社製)0.5部を混合後、二軸押出機(製品名「TEM35B」、東芝機械社製)を用い、樹脂温度260℃、滞留時間30秒の条件で混練し、ストランド状に押出し、水冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、得られた混練物をペレット化した。その後、Tダイを備える熱溶融押出しフィルム成形機(製品名(「Measuring Extruder Type Me−20/2800 V3」、Optical Control Systems社製)を用い、バレル温度260℃、Tダイ温度260℃、冷却ロール温度90℃、巻取速度2m/分の条件にて、厚み30μm、幅120mmのフィルムを2m/分の速度でロールに巻き取る方法にて、フィルム成形体を得た。
ロールに巻き取った樹脂フィルムから100mm×100mmのフィルムを切り出し、同じ大きさに切断した厚さ12μmの電解銅箔商品名F3−WS−12、表面粗さ(十点平均粗さRz):2.4μm、古河金属社製)を積層した。この積層フィルムを、耐熱ゴム製プレス板を上下に備えた真空ラミネータを用いて、雰囲気を200Paに減圧して、温度150℃、圧着圧力0.1MPaで60秒間、加熱圧着した(一次プレス)。さらに、金属製プレス板を上下に備えた真空ラミネータを用いて、温度150℃、圧着圧力1.0MPaで90秒間、加熱圧着(二次プレス)し、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムのピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施例2>
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D100部の代わりに、非晶性非極性脂環構造含有重合体C70部、極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D30部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルム成形体を得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様の方法で積層フィルムの作成およびピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施例3>
実施例2で得られた樹脂フィルムに、特開2008−94923号で開示された方法及び条件により銅を積層させた。まず、グリオキシル酸浴と、次亜リン酸浴の2種類を用いて、厚さ0.5μmの無電解銅めっき薄膜を形成した。その後、この銅薄膜上に、硫酸酸性銅めっき液を用い、液温25℃、電流密度3.33A/dm2で電解し、厚さ20μmの電解銅皮膜を形成した。
得られた積層フィルムについて、実施例1と同様の方法でピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施例4>
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D100部の代わりに、非晶性非極性脂環構造含有重合体C70部、極性基含有非晶性脂環構造含有重合体E30部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルム成形体を得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様の方法で積層フィルムの作成およびピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施例5>
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D100部の代わりに、非晶性非極性脂環構造含有重合体C70部、極性基変性非晶性脂環構造含有重合体F30部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルム成形体を得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様の方法で積層フィルムの作成およびピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施例6>
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D100部の代わりに、非晶性非極性脂環構造含有重合体C70部、極性基変性非晶性脂環構造含有重合体G30部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルム成形体を得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様の方法で積層フィルムの作成およびピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施例7>
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D100部の代わりに、非晶性非極性脂環構造含有重合体A70部、極性基変性非晶性脂環構造含有重合体H30部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルム成形体を得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様の方法で積層フィルムの作成およびピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施例8>
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D100部の代わりに、非晶性非極性脂環構造含有重合体B70部、極性基含有非晶性脂環構造含有重合体I30部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてフィルム成形体を得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様の方法で積層フィルムの作成およびピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<比較例1>
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D100部の代わりに、非晶性非極性脂環構造含有重合体C100部を用いた以外は実施例1と同様の方法によりフィルム成形体を得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様の方法で積層フィルムの作成およびピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
<比較例1>
極性基含有非晶性脂環構造含有重合体D100部の代わりに、非晶性非極性脂環構造含有重合体C100部を用いた以外は実施例1と同様の方法によりフィルム成形体を得た。
得られた樹脂フィルムについて、実施例1と同様の方法で積層フィルムの作成およびピール強度を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2015120832

Claims (4)

  1. 非晶性非極性脂環構造含有重合体、ラジカル開始剤、及びエチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物を、溶融混練してなる極性基含有非晶性脂環構造含有重合体5〜100重量部と、前記非晶性非極性脂環構造含有重合体0〜95重量部とを含有する、前記エチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物由来の極性基量が0.05〜3.0重量部である樹脂材料。
  2. 前記エチレン性不飽和結合を有する極性基含有化合物の極性基が、アルコキシシリル基又はカルボン酸残基である請求項1記載の樹脂材料。
  3. 請求項1又は2記載の樹脂材料からなるフィルム。
  4. 請求項3記載のフィルムに金属薄膜を積層してなる電子材料。
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