JP2015120588A - 用紙綴じ方法、用紙綴じ装置、用紙後処理装置、及び画像形成装置 - Google Patents

用紙綴じ方法、用紙綴じ装置、用紙後処理装置、及び画像形成装置 Download PDF

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哲夫 渡辺
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Koichi Kudo
宏一 工藤
増渕 文人
Fumito Masubuchi
文人 増渕
菜摘 松江
Natsumi Matsue
菜摘 松江
宇野 麦二郎
Mugijiro Uno
麦二郎 宇野
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Takashi Hashimoto
崇 橋本
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秀也 永迫
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Abstract

【課題】再生紙を綴じる場合でも十分な剥離強度を得ることができる接着用トナーを用いた用紙綴じ方法を提供する。【解決手段】画像形成用のトナーを接着用トナーTa1等として用い、重ね合わされた用紙P1や用紙P2等からなる用紙束を綴じる用紙綴じ装置121を次のように構成した。用紙束の各用紙P間を接着する接着用トナーTa1等を加熱する前に、先の用紙P1、又は用紙束の接着用トナーTa1等が定着された部分に重ね合わされる、後の用紙P2の切欠き形状部M1の用紙繊維に切欠き形状を形成する切欠き形成機構150を設けた。【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成用のトナーを用紙間を接着する接着用トナーとして用いる用紙綴じ方法、この用紙綴じ方法で用紙束を綴じる用紙綴じ装置、この用紙綴じ装置を備えた用紙後処理装置、及び画像形成装置に関するものである。
金属製の針等を用いる用紙綴じ方法に代わる用紙綴じ方法として、画像形成用のトナーを用紙間を接着する用紙間を接着する接着用トナーとして用いる用紙綴じ方法が従来から知られている(例えば、特許文献1、2、3)。
具体的には、先行して、画像形成領域のトナーと接着用トナーを定着した用紙(以下、先の用紙という)の上に、後続の用紙(以下、後の用紙という)を重ねて、接着用トナーの部分に熱と圧力を加えて、先の用紙と後の用紙とを接着、つまり綴じるものである。
このように、接着用トナーを用いる用紙綴じ方法は、金属製の針等を用いる用紙綴じ方法に比べて、省エネ性や安全性等でのメリットが大きい。
しかし、従来の接着用トナーを用いる用紙綴じ方法では、次のような不具合が生じる場合があることが分かった。
接着用トナーの種類や、綴じる用紙の種類により、綴じる用紙間の接着力に差が出て、綴じた用紙束から用紙を剥離させる力に対する強度(以下、剥離強度という)を十分に確保できず、綴じた用紙束から用紙が剥離するという不具合である。
用紙の種類では、平滑性の高いコート紙等が剥離強度のばらつきが小さくて安定した用紙綴じが行え、一般的に普通紙と称される用紙や再生紙のように平滑性がコート紙よりも劣る用紙が剥離強度のばらつきが大きく、安定した用紙綴じが行えない傾向があった。
特に、コート紙等や普通紙よりも平滑性が劣る再生紙は、上記した傾向が大きく、剥離強度のばらつきが大きくなって安定した用紙綴じが行えずに、綴じた用紙束から用紙が剥離する確率が高かった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、再生紙を綴じる場合でも十分な剥離強度を得ることができる接着用トナーを用いた用紙綴じ方法を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、画像形成用のトナーを接着用トナーとして用い、重ね合わされた用紙束を綴じる用紙綴じ方法において、前記用紙束の前記接着用トナーを加熱する前に、先行して前記接着用トナーが定着された用紙、又は用紙束の前記接着用トナー部分に重ね合わされる、後続の用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することを特徴とするものである。
本発明は、再生紙を綴じる場合でも十分な剥離強度を得ることができる接着用トナーを用いた用紙綴じ方法を提供できる。
一実施形態に係る画像形成装置である複合機の全体構成の説明図。 一実施形態に係る用紙後処理部、及び複合機の操作パネルの説明図。 実施例1に係る用紙綴じ装置の説明図。 再生紙を接着用トナーで綴じるときに剥離強度が低下する理由と、用紙表面の繊維に切欠き形状を形成することで、剥離強度を向上させることができる理由の説明図。 実施例1に係るカッターを有した切欠き形成機構の説明図。 実施例1に係る加熱接着部の説明図。 実施例2に係る切欠き形成機構の具体例1の説明図。 実施例2に係る切欠き形成機構の具体例2、3の説明図。 実施例2に係る切欠き形成機構の切欠き形状を形成するヤスリがけによる剥離力の推移のグラフの一例。 実施例3に係る用紙綴じ装置、及び切欠き形成機構の説明図。 変形例に係る、用紙搬送方向に直交する辺近傍に、複数の切欠き形状部を形成する例の説明図。 変形例に係る、用紙搬送方向に平行な辺に、複数の切欠き形状部を形成する例の説明図。
本発明を、電写真方式の画像形成装置であるカラー対応のMFP機(以下、複合機500という)に有した用紙綴じ装置に適用した一実施形態について、複数の実施例を挙げ、図を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置である複合機500の全体構成の説明図、図2は、本実施形態に係る用紙後処理部120(用紙後処理装置190)、及び複合機500の操作パネル310の説明図である。
まず、各実施例に共通する本実施形態の複合機500の構成及び動作について説明する。この複合機500は、図1に示すように、主に次のものから構成されている。画像形成装置本体であり画像を作像する作像部100、作像部100を載置する給紙テーブル200、作像部100上に取り付けられたスキャナ300、及びスキャナ300上に取り付けられた原稿自動搬送装置(ADF)400である。また、画像データ処理や各部及び各装置の動作を制御する制御部である本体制御部(不図示)も備えている。そして、この複合機500には、作像部100で画像を形成した用紙Pに所定の後処理を施す用紙後処理部120も備えている。
ここで、詳しくは後述するが、本実施形態の複合機500は、用紙後処理部120を備えており、用紙後処理部120と、スキャナ300、作像部100、及び給紙テーブル200との境に側壁を設けていない。但し、用紙後処理部120、スキャナ300、作像部100、及び給紙テーブル200は分離可能であり、特に、スキャナ300、及び給紙テーブル200は、それぞれ隔壁を設けている。このため、用紙後処理部120に有した用紙綴じ装置121で紙粉等が発生しても、スキャナ300、及び給紙テーブル200には殆ど、紙粉が飛散しないし、給紙テーブル200で発生した紙粉も直接、用紙後処理部120に飛散することは殆どない。
また、本実施形態の複合機500は、上記したように用紙後処理部120を備えているが、用紙後処理部120、スキャナ300、作像部100、及び給紙テーブル200に側板を設けて提供することも可能である。つまり、用紙後処理部120を、用紙後処理装置190として、オプション扱いで提供することも可能である。
スキャナ300では、原稿照明用光源やミラーなどを搭載した第一走行体303と、複数の反射ミラーを搭載した第二走行体304とが往復移動するのにともなって、コンタクトガラス301上に載置された原稿の読取り走査が行われる。第二走行体304から送り出される走査光は、結像レンズ305によってその後方に設置されている読取りセンサ306の結像面に集光された後、読取りセンサ306によって画像信号として読込まれる。また、図2に示すように、スキャナ300の装置本体前面側には、装置本体の状態を表示したり、装置本体の設定や操作を行う操作パネル310が配置されている。
作像部100には、潜像担持体としてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の各色のトナーに対応した感光体ドラム40Y、40M、40C、40Bkが設けられている。各感光体ドラム40の周囲には現像装置70、帯電装置85、感光体クリーニング装置86等の電子写真プロセスを実行する各手段が配置され、これによって画像形成ユニット38(Y,M,C,Bk)が形成されている。また、各画像形成ユニット38は、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。各画像形成ユニット38は4つ並列に設けられており、タンデム型画像形成部20を形成している。ここで、各画像形成ユニット38の構成は使用するトナーの色が異なるのみで、その構成・動作は、同一でああるので以下の説明では、符号Y、M、C、Bkは適宜、省略して説明する。
また、各画像形成ユニット38の現像装置70においては、それぞれ上記4色のトナーを含んだ現像剤が用いられる。現像装置70は、現像剤担持体である現像ローラが現像剤を担持、搬送して、感光体ドラム40との対向位置において、感光体ドラム40上の潜像を現像する。
タンデム型画像形成部20の上部には、画像情報に基づいて感光体ドラム40をレーザ光又はLED光により露光して潜像を形成する露光装置31が設けられている。
また、タンデム型画像形成部20の感光体ドラム40と対向する下方位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写体である中間転写ベルト15が配置されている。中間転写ベルト15は支持ローラ34,35及び二次転写バックアップローラ36によって支持されている。中間転写ベルト15を介して感光体ドラム40と相対する隣接位置には、感光体ドラム40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写装置62が配置されている。
中間転写ベルト15の下方には、中間転写ベルト15表面に重ね合わせて形成されたトナー像を、給紙テーブル200の給紙カセット44から搬送されてくる用紙Pに一括転写する二次転写装置19が配置されている。二次転写装置19は、二次転写ローラ23と、この二次転写ローラ23を中間転写ベルト15に接離可能に支持する接離機構(不図示)とを備えている。二次転写装置19は中間転写ベルト15を介して二次転写バックアップローラ36に二次転写ローラ23を押し当て、中間転写ベルト15上のトナー像を用紙Pに転写する。
中間転写ベルト15の表面に残留するトナーを取り除くためにベルトクリーニングユニット37が設けられている。ベルトクリーニングユニット37は、例えばファーブラシやウレタンゴムで形成されたクリーニングブレードを中間転写ベルト15に当接させて、中間転写ベルト15に付着している二次転写残トナーを掻き取る。
二次転写装置19に隣接するように定着装置60が設けられており、定着装置60は用紙P上の画像を定着する。定着装置60は、内部に熱源としてのヒータが組み込まれた加熱ローラ66と、この加熱ローラ66に押し当てられる加圧ローラ67とから主として構成されている。
二次転写装置19及び定着装置60の下方には、用紙Pを反転する反転装置28が配置されている。反転装置28は、用紙Pの両面に画像を記録すべく用紙Pを反転させる。
次に、上記構成の複合機500の複写機としての動作について説明する。
図1の原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットするか、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス301上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。この状態で、操作パネル310上のスタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス301上へと移動した後、第一走行体303および第二走行体304を走行させる。また、コンタクトガラス301上に原稿をセットしたときは直ちにスキャナ300が駆動し、第一走行体303および第二走行体304を走行させる。
そして、第一走行体303で光源から光を照射するとともに原稿面からの反射光を受ける。この反射光を第二走行体304に向けて反射し、第二走行体304のミラーで反射光を更に反射して結像レンズ305を通して読取りセンサ306に入射させ、読取りセンサ306で原稿内容を読取る。
また、操作パネル310上のスタートスイッチを押すことによって、駆動モータ(不図示)を駆動させて、駆動ローラでもある支持ローラ34を回転駆動し、他の支持ローラ35、及び二次転写バックアップローラ36を従動回転させる。このように回転させることで、中間転写ベルト15を回動させる。同時に、各画像形成ユニット38において、帯電装置85によって感光体ドラム40を一様に帯電させる。そして、スキャナ300の読取り内容に応じて露光装置31からレーザやLED等による書込み光を照射して帯電した各感光体ドラム40上に静電潜像を形成する。
静電潜像が形成された感光体ドラム40に現像装置70からトナーを供給し、静電潜像を可視像化し、各感光体ドラム40上にそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の単色画像を形成する。単色画像を順次、一次転写装置によって中間転写ベルト15上に重なるように一次転写し、中間転写ベルト15上に合成カラー画像を形成する。画像転写後の感光体ドラム40の表面は、感光体クリーニング装置86によって残留トナーを除去し、除電装置(不図示)で除電して再度の画像形成に備える。
操作パネル310上のスタートスイッチを押すことにより、また給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つが選択されて回転し、ペーパーバンク43に多段に設けられた給紙カセット44の1つから用紙Pを繰り出す。繰り出した用紙Pを、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に挿入し、搬送ローラ対47で搬送して作像部100内の給紙路48に導き、レジストローラ対49に突き当てて停止させる。次に、中間転写ベルト15上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対49を回転し、中間転写ベルト15と二次転写装置19との間に用紙Pを送り込み二次転写装置19で転写して用紙P上にカラー画像を転写する。
二次転写ローラ23を通過した未定着トナー像を担持した用紙Pを、定着装置60へ搬送し、定着装置60で熱と圧力とを加えて転写画像を定着する。画像定着後の用紙Pは、切換爪55で切り換えて排出路68を介して、排紙ローラ対56によって作像部100から排出され、用紙後処理部120に導入されるか、切換爪55で切り換えて反転装置28に導入される。用紙後処理部120に導入された用紙Pは、所定の後処理を施されるか、所定の後処理を施されないまま、用紙後処理部120の側板に設けられた積載トレイ193上に排出される。
反転装置28に導入した用紙Pは、反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を記録され、その後、切換爪55で切り換えて排出路68を介して、排紙ローラ対56によって作像部100から排出され、用紙後処理部120に導入される。用紙後処理部120に導入された用紙Pは、所定の後処理を施されるか、後処理を施されないまま、用紙後処理部120の側板に設けられた積載トレイ193上に排出される。このとき、画像転写後の中間転写ベルト15上に残留する残留トナーをベルトクリーニングユニット37で除去し、タンデム型画像形成部20による再度の画像形成に備える。
そして、本実施形態の用紙後処理部120は、画像形成を行なった後の複数の用紙Pを、用紙後処理部120内でスタックして用紙束単位で排出したり、用紙束を綴じる綴じ処理を施せる。また、画像形成を行なった後の複数の用紙Pからなる用紙束に綴じ処理を施す手段として、詳しくは後述する接着媒体としてのトナー(以下、接着用トナーという)に熱と圧力を加える加熱接着部130を備えている。また、先行して用紙後処理部120に導入された先行の用紙(以下、先の用紙という)、又は用紙束の接着用トナー部分に接触する後続の用紙(以下、後の用紙という)の表面(下面)部分の繊維に切欠き形状を形成する切欠き形成機構150を備えている。そして、加熱接着部130、切欠き形成機構150、及び他の構成部材とともに、用紙綴じ装置121を構成している。
接着トナーを用いて綴じ処理を施す用紙綴じ装置は、従来から様々なものが知られている。しかし、従来の接着用トナーを用いる用紙綴じ方法では、上記したように、次のような不具合が生じる場合があることが分かった。
接着用トナーの種類や、綴じる用紙の種類により、綴じる用紙間の接着力に差が出て、綴じた用紙束から用紙を剥離させる力に対する強度(以下、剥離強度という)を十分に確保できず、綴じた用紙束から用紙が剥離するという不具合である。
用紙の種類では、平滑性の高いコート紙等が剥離強度のばらつきが小さくて安定した用紙綴じが行え、一般的に普通紙と称される用紙や再生紙のように平滑性がコート紙よりも劣る用紙が剥離強度のばらつきが大きく、安定した用紙綴じが行えない傾向があった。
特に、コート紙等や普通紙よりも平滑性が劣る再生紙は、上記した傾向が大きく、剥離強度のばらつきが大きくなって安定した用紙綴じが行えずに、綴じた用紙束から用紙が剥離する確率が高かった。
上記のような傾向は、次の理由により生じているものと考えられる。
一般的に、コート紙等や普通紙よりも平滑性が劣る再生紙は、コート紙等や普通紙よりも、用紙を構成する用紙表面の繊維等の凸部(以下、表面凸部という)の間隔が広くて面積が小さく、凹部(以下、表面凹部という)の面積が大きくて深い。
このため、従来の用紙綴じ方法では、再加熱されて溶融した接着用トナーが、後続の用紙表面の表面凸部近傍にしか接触できず、後続の用紙表面の繊維等と接着用トナーとの接触面積が十分に確保できない。
なお、再生紙でも、先の用紙に定着される接着用トナーの一部は、画像形成装置で転写されるときから表面凹部に入り込んでおり、定着されるときに、先の用紙の表面凹部に十部に入り込んだ状態で定着される。このため、再生紙であっても、先の用紙表面の繊維等と接着用トナーとの接触面積をある程度確保できる。また、溶融して表面凹部に入り込んだ接着用トナーが、そこで固まって抜け難くなって接着が成り立つアンカー効果も得ることができ、先の用紙と接着用トナーとの十分な接着力を得ることができるものと考えられる。
そして、平滑性が劣る再生紙を、接着用トナーを用いて用紙綴じを行うときに発生することがある上記のような不具合を解決する技術に関しては、上記した特許文献1、2、3のいずれにも記載されていない。
そこで、本実施形態では、次のような接着トナーを用いた用紙綴じ方法を提供することを目的とした。
第一の目的とする用紙綴じ方法は、再生紙を綴じる場合でも、十分な剥離強度を得ることができる接着トナーを用いた用紙綴じ方法である。第二の目的とする用紙綴じ方法は、加熱接着部で用紙束に加熱接着を施す前の処置に起因して、用紙搬送不具合や、紙粉の飛散による画像品質の低下等の不具合の発生を抑制することができる用紙綴じ方法である。
また、上記のような用紙綴じ方法を用いた用紙綴じ装置、用紙後処理装置、及び画像形成装置を提供することを目的とした。
次に、本実施形態の特徴部である、接着トナーを用いる用紙の綴じ方法を用いた用紙綴じ装置121に有した加熱接着部130と、後続の用紙に前処理を施す切欠き形成機構150とについて、複数の実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
まず、本実施形態の用紙綴じ装置121の実施例1について、図を用いて説明する。
図3は、本実施例に係る用紙綴じ装置121の説明図であり、図3(a)が主要な構成の断面説明図、図3(b)が切欠き形成機構150により、後の用紙P2に施される切欠き形状部M1を下方から見上げた説明図である。図4は、再生紙を接着用トナーで綴じるときに剥離強度が低下する理由と、用紙表面の繊維に切欠き形状を形成することで、剥離強度を向上させることができる理由の説明図である。そして、図4(a)が再生紙を接着用トナーで綴じるときに剥離強度が低下する理由の説明図、図4(b)が本実施例の切欠き形成機構150で剥離強度を向上させることができる理由の説明図である。図5は、実施例1に係るカッター165aを有した切欠き形成機構150の説明図であり、図5(a)が断面説明図、図5(b)が平面説明図、図6は、本実施例に係る加熱接着部130の説明図である。
まず、本実施例の用紙綴じ装置121の概要について、図3を用いて説明する。
図3(a)に示すように本実施例の用紙綴じ装置121は、先の用紙P1と後の用紙P2を、先の用紙P1に定着された接着用トナーTa1の部分に熱と圧力を加えて接着する加熱接着部130を有している。加えて、先の用紙P1に定着された接着用トナーTa1に接触する、後の用紙P2の表面部分の繊維に切欠き形状を形成する切欠き形成機構150を、次の箇所に設けている。加熱接着部130の用紙搬送方向上流側であって、定着装置60を通過した用紙Pを、反転して再び二次転写装置19に導く、反転装置28へ用紙Pの搬送方向を切替える切換爪55の下流側である(図1参照)。
なお、切欠き形成機構150の配置構成は、先の用紙P1上に形成した接着用トナーTa1(加熱接着部)の位置が端綴じであるか、横綴じであるかによって構成位置が異なるが、本実施例の用紙綴じ装置121は、図3(b)に示すように端部閉じを採用している。そして、作像部100で先の用紙P1上に形成した直角三角形状の接着用トナーTa1のトナーパターンに接触する、後の用紙P2端部の用紙表面部分を包括する矩形の切欠き形状部M1部分の用紙表面の繊維に、切欠き形成機構150で切り欠き形状を形成する。
また、用紙綴じ装置121内の用紙搬送路における、切欠き形成機構150の上流側には、図1に示す作像部100の排紙ローラ対56で排紙された先の用紙P1や後の用紙P2の用紙Pを受け取って搬送する第一搬送ローラ対181が設けられている。この第一搬送ローラ対181と切欠き形成機構150との間の用紙搬送路の下方には、入口センサ183が設けられている。
また、切欠き形成機構150と加熱接着部130の間であって、切欠き形成機構150の用紙搬送方向下流側には第二搬送ローラ対184が設けられ、加熱接着部130の用紙搬送方向下流側直近には、レジストゲート186が設けられている。そして、レジストゲート186の用紙搬送方向下流側には、用紙後処理部120の排出ローラ対191が設けられている。
また、用紙綴じ装置121を有した用紙後処理部120には、本体制御部と接続されて互いに通信を行う、用紙後処理部120の各構成部材の動作を制御する後処理制御部(不図示)に接続されている。
第一搬送ローラ対181は、図中下方のローラを回転駆動する第一搬送ローラ対回転モータ182(不図示)が接続されており、作像部100からの排紙される用紙Pを受け取って用紙搬送方向下流側に搬送したり、停止させたりする。
入口センサ183は、反射型のセンサであり、第一搬送ローラ対181により搬送されてきた用紙Pの用紙先端を検知して、後処理制御部に検知信号を送信する。
切欠き形成機構150は、用紙搬送路の図中上方に、主に、押さえパット151、圧縮ばね152、押さえ部材153、スクリュー部材154、及びスクリュ回転モータ155から構成される用紙押さえ部を設けており、押さえパット151を上下動させる。
また、用紙搬送路の図中下方に、後の用紙P2の表面(下面)の先の用紙P1上の接触用トナーTa1に接触する、図3(b)に示す切欠き形状部M1の部分に、切欠き形状を形成する平板状切欠き形成部材161aを有した切欠き形成部160を設けている。そして、用紙搬送路の図中下方には、平板状切欠き形成部材161aを取り囲むように飛散防止ケース169aが設けられ、その底部の開口には紙粉等の飛散を受け止めるフィルタ169bと、吸引ファン169cとが接続されて飛散防止機構169を構成している。
第二搬送ローラ対184は、用紙搬送路の図中上方のローラを回転駆動する第二搬送ローラ対回転モータ185a(不図示)が接続されており、切欠き形成機構150を通過した用紙Pを受け取って、用紙搬送方向下流側に搬送したり、停止させたりする。
また、第二搬送ローラ対184の図中下方のローラ上部の高さは、後述する加熱接着部130の加圧受け台141と略同一な高さであって、平板状切欠き形成部材161aの上部の高さよりも低い位置に設定されている。これは、加熱接着部130で用紙束の加熱接着を行ったり、加圧受け台141を利用して用紙束をスタックするための段差を設けるためである。このため、用紙後処理部120で、いずれの後処理も施さない場合を除き、第二搬送ローラ対184の図中上方のローラを下方のローラに対して、上下動させる第二搬送ローラ対離接モータ185b(不図示)も設けている。
具体的には、用紙Pの用紙先端を受け入れるときに、上方のローラを下方のローラから離間するように上方に移動させ、用紙Pの用紙先端が下方のローラとの対向位置を通過したら、用紙P又は用紙束を下方のローラとで挟持するように下方に移動させる。
加熱接着部130は、用紙搬送路の図中上方に、主に、加熱ヘッド131、この加熱ヘッド131を図中上下動させる接離カム139、及び接離カム139を回転駆動する接離カムモータ139aを設けており、加熱ヘッド131を上下動させる。また、用紙搬送路の図中下方に、加熱ヘッド131とで、用紙束を挟持する加圧受け台141を設けている。
レジストゲート186は、用紙後処理部120で、用紙綴じ処理又はスタック処理を行い際の、用紙束の先端の位置あわせを行うものである。そして、いずれの後処理も施さない場合や、用紙綴じ処理又はスタック処理が完了した場合には図中上方に移動し、用紙束の先端の位置あわせを行う場合には、図中下方に移動して、用紙Pや用紙束の通過を阻止して用紙束の先端の位置合わせを行う。なお、レジストゲート186を図中上下に移動させるゲート上下動機構(不図示)と、ゲート上下動機構の駆動源となるレジストゲート開閉モータ187(不図示)とが設けられている。
そして、レジストゲート186の用紙搬送方向下流側に設けられた排出ローラ対191は、用紙後処理部120の後処理制御部の制御により、搬送されてくる用紙P又は用紙束のタイミングに合わせて回転駆動される。
ここで、本実施例の用紙綴じ装置121の構成や用紙綴じ方法について説明する前に、従来の再生紙を綴じるときに剥離強度が低下する理由と、用紙表面の繊維に切欠き形状を形成することで、剥離強度が向上する理由について、図4を用いてより詳しく説明する。
上記したように、再生紙は、コート紙等や普通紙よりも平滑性が劣る再生紙は、コート紙等や普通紙よりも、用紙を構成する用紙表面の表面凸部の間隔が広くて面積が小さく、表面凹部の面積が大きくて深い。
具体的には、図4(a)に示すように、先の用紙P1上に定着され、再溶融した接着用トナーTa1に接触する用紙P2の表面に存在する一本一本の繊維が凹凸をもっているため、接着用トナーTa1との接触面積が平滑性が高い用紙に比べて小さくなる。また、再溶融した接着用トナーTa1が、後続の用紙表面の表面凸部近傍にしか接触できず、後の用紙P2表面の繊維等と接着用トナーTa1との接触面積が十分に確保できない場合がある。これらのため、後の用紙P2表面の繊維等と接着用トナーTa1との接触面積を十分に確保できず、後の用紙P2表面と接着用トナーTa1との剥離強度が低下が低下してしまうものと考えられる。
そこで、本実施例の用紙綴じ装置121では、先の用紙P1と後の用紙P2とを、加熱接着部130で、先の用紙P1上の接着用トナーTa1を再溶融させるとともに、圧力を加えて綴じる前の、後の用紙P2に切欠き形成機構150で、次の処理を施すこととした。
図4(b)に示すように、先の用紙P1上の接着用トナーTa1に接触する後の用紙P2表面の用紙を構成する繊維に、切欠き形成機構150で複数の切欠き形状を形成する処理である。
このように後の用紙P2表面部分の用紙繊維に切欠き形成機構150を用いて切欠き形状を形成することで、溶融した接着用トナーTa1が形成した切欠き形状に入り込んで接触し、後の用紙P2表面の繊維等と接着用トナーとの接触面積が増える。また、同時に溶融して表面凹部に入り込んだ接着用トナーTa1が、そこで固まって抜け難くなって接着が成り立つアンカー効果を得ることも可能となる。
したがって、再生紙のように表面凹部が大きくて深く、表面凸部の面積が少ない場合であっても、先の用紙P1表面と後の用紙P2表面との十分な剥離強度を得ることが可能となる。
よって、再生紙を綴じる場合でも十分な剥離強度を得ることができる接着用トナーTa1を用いた用紙綴じ方法を提供できる。
加えて、切欠き形状を形成したときに切り取られたり、切断されたりした繊維や、毛立ちした繊維の部分からなる表面凹部を覆った繊維粉に、図4(b)にTa1’の符号でしめす、溶融した接着用トナーTa1’が入り込む。このように入り込むことで、表面凹部と接着用トナーとの接触面積をさらに増やせるとともに、アンカー効果も高めることができる。
次に、本実施例の用紙綴じ装置121の切欠き形成機構150の構成、及び動作について説明する。
切欠き形成機構150は、上記したように用紙搬送路の図中上方の用紙押さえ部に、押さえパット151、圧縮ばね152、押さえ部材153、スクリュー部材154、及びスクリュ回転モータ155を有し、押さえパット151を上下動させる。この押さえパット151は、用紙搬送路を介して下方に設けられた切欠き形成部160の平板状切欠き形成部材161aに対向するとともに、その受け台としても機能する。
なお、スクリュー部材154の一端側は、スクリュ回転モータ155のモータ軸に接合されており、他端側には螺旋状のスクリューが形成され、押さえ部材153に形成された噛合い部に挿入されており、回転して押さえ部材153を上下動させる。また、押さえ部材153が上下動することで、圧縮ばね152を介して接合された押さえパット151が上下動する。そして、スクリュ回転モータ155を回転させて、所定量だけ、押さえ部材153を下方へ移動させることで、押さえパット151に接触している後の用紙P2を、略一定な圧力で平板状切欠き形成部材161a側に加圧することができる。
ここで、押さえ部材153の移動については、押さえ部材153の初期位置を検出するホームポジションセンサ(不図示)を設けており、このセンサで検知する位置(高さ)を基点として、スクリュ回転モータ155を一定量回転させることで、所定の移動量を得る。
例えば、図5(a)に下方に向けた矢印で示すように平板状切欠き形成部材161aに向けて下方に移動し、後の用紙P2を平板状切欠き形成部材161aとで挟持するとともに加圧する。このように加圧するときに、押さえパット151自体が加圧力に耐えれるように、押さえパット151を、剛性を有する硬質のウレタンゴム、あるいはPOMなどの樹脂材料を用いて形成し、この部分も刃部の加圧時に微少変形するように構成している。
また、押さえパット151の、後の用紙P2を介して対向する図中下方には、切欠き形成部160の平板状切欠き形成部材161aが配置されている。
本実施例の平板状切欠き形成部材161aでは、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材として、鋭利な刃を有したカッター165aを用いている。
具体的には、図5(a)に示すように、カッター165aは、板厚;t1=0.3〜0.5[mm]の鋼を使用して、その図中上方に両刃の刃を形成している。そして、複数のカッター165aを、プラスチック製の平板部材162に設けた複数の歯溝に、それぞれ差し込んで、その両刃の刃を形成していない図中下方に蓋部材163で蓋をしてカッター165aを位置決めしている。
この平板状切欠き形成部材161aに、後の用紙P2を、その上方から押さえパット151で一定の圧力で加圧して押し付けることにより、後の用紙P2の用紙表面部の繊維に複数のカッター165aの刃が、所定量だけ突入する。そして、後の用紙P2の用紙表面部の繊維に切り込みが入るとともに、刃が突入した部分の繊維の形状が、図4(b)に示したように両刃の刃の形状に変形して切欠き形状が形成される。
また、カッター165a刃が突入した位置の繊維が細かったり、端部近傍であったりした場合には、繊維自体が切断されて繊維粉になったり、毛立ちしたりする場合がある。このようにして生じた繊維粉や、毛立ちした繊維が図4(b)に示す用紙の表面凹部を覆うと、上記したように覆った繊維粉等に、再溶融した接着用トナーTa1’が入り込んで、アンカー効果を高めることができる。
この平板状切欠き形成部材161aによる、後の用紙P2への突入量:t2は、図5(a)に示すように、カッター165aの刃先とプラスチック製の平板部材162との図中、上下方向の段差により決定される。
プラスチック製の平板部材162の図中上面が、後の用紙P2の用紙表面に接触し、そこから突入量:t2相当分だけ、カッター165aの刃が用紙表面部分の繊維に突入して、切り込みをいれて、用紙表面部分の繊維に切欠き形状を形成したり切断したりする。
ここで、後の用紙P2への突入量:t2としては、用紙表面部分の繊維の弾性的変化分を考慮すると、突入量:t2=0.1〜0.2[mm]程度が好適である。
また、図5(b)に示すように、後の用紙P2の切欠き形状部M1に形成する切欠き形状のピッチ寸法を変更する場合には、次のようにして平板状切欠き形成部材161aに設けるカッター165aの個数を増減させて、所望のピッチ寸法を得ることができる。カッター165aの刃の方向に直交する切欠き形状部M1の長さを等分した数をnとすると、n+1[個]のカッター165aを等間隔設けることで、所望のピッチ寸法、つまり、切欠き形状の密度を実現することができる。
ここで、押さえパット151を、図5(a)図中、下方に移動させて、後の用紙P2に切欠き形状を形成するタイミングは、次のタイミングで行われる。第一搬送ローラ対181の回転により、後の用紙P2の用紙先端が入口センサにより検知された後、平板状切欠き形成部材161aの複数のカッター165aと押さえパット151が対向する位置まで一定量だけ移動して停止したタイミングである。つまり、後の用紙P2の切欠き形状部M1が平板状切欠き形成部材161aの複数のカッター165aが設けられた部分の直上まで搬送されて停止したタイミングである。
そして、押さえパット151を図5(a)図中、下方に移動させて、後の用紙P2に切欠き形状を形成した後に、押さえパット151を上方の初期位置に移動させるときに、後の用紙P2が、カッター165aの刃が突入したままの状態になる場合がある。すなわち、後の用紙P2に切欠き形状を形成した後に、押さえパット151を上方の初期位置に移動させるときに、後の用紙P2がカッター165aの刃から離間せず、カッター165aの刃が、後の用紙P2に刺さったままの状態になる場合がある。
このような状態で、図3(a)に示した駆動して第一搬送ローラ対181を回転させて、後の用紙P2を切欠き形成機構150の停止位置から送り出そうとすると、後の用紙P2がカッター165aの刃に絡み付いて搬送不具合を起こしてしまう。
そこで、上記のような搬送不具合を防止するために、本実施例の切欠き形成機構150では、平板状切欠き形成部材161aのカッター165aを設ける周りに、次のような用紙分離部材164を設けている。用紙分離部材164は、平板部材162の用紙搬送路側の複数のカッター165aを設ける周りに、平板部材162の図中上下方向の厚さの約半分の凹みを形成し、そこに低発泡性のウレタンゴムで形成された用紙分離部材164を設けている。この用紙分離部材164は、押さえパット151の加圧により図中下方に押さえつけられる後の用紙P2の移動で容易に圧縮変形して、カッター165aの刃のみが後の用紙P2に喰い込む。
そして、後の用紙P2の用紙表面部分の繊維に切欠き形状を形成した後、押さえパット151が上昇すると、用紙分離部材164は弾性による自己復帰で、カッター165aの刃を覆う初期状態に戻る。この戻る過程で、後の用紙P2をカッター165aの刃から分離させつつ、カッター165aの刃を覆う初期位置まで膨らむように初期状態に戻る。その結果、後の用紙P2がカッター165aの刃に絡み付くことなく、後の用紙P2を次工程である加熱接着を施す加熱接着部130に向けて移動させることが可能となる。
上記のように、平板状切欠き形成部材161aは、後の用紙P2の切欠き形状部M1に突入するカッター165aと、突入したカッター165aと後の用紙P2の表面部分との分離を行う用紙分離部材164とを有している。そして、後の用紙P2の搬送タイミングに合わせて、平板状切欠き形成部材161aをカッター165aが後の用紙P2の用紙表面部分に所定量だけ突入するように移動させる。その後、後の用紙P2の用紙表面部分から離間するように移動させて、後の用紙P2の用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することで、次のような効果を奏することができる。
複数のカッター165aを設けることで、接着用トナーTa1に接触する、後の用紙P2の表面部分の用紙繊維等に対して、多くの切欠き形状を一挙に形成することが可能である。
また、後の用紙P2に突入させたカッター165aの刃と後の用紙P2とが分離できずに、切欠き形状が形成された後の用紙P2を搬送するときの、搬送不具合の発生を抑制することができる。
加えて、カッター165aの刃が突入したときに切り取られたり、切断されたりした繊維や、毛立ちした繊維の部分からなる表面凹部を覆った繊維粉に、溶融した接着用トナーTa1’が入り込む。このように入り込むことで、後の用紙P2の表面凹部と接着用トナーTa1との接触面積をさらに増やせるとともに、アンカー効果も高めることができる。
また、本実施例の切欠き形成機構150では、上記したように後の用紙P2の表面部分の繊維に切欠き形状を形成するときに、繊維自体が切断されて繊維粉になったり、毛立ちしたりする場合があり、多少なりとも紙粉の発生をともなう。そして、多数枚の用紙Pに対して、表面部分の繊維に切欠き形状を形成する処理を施すと、紙粉が用紙Pの搬送経路やその周辺に飛散して不具合が発生する可能性がある。
特に、作像部100を構成する中間転写ベルト15や感光体ドラム40の像担持体、及び二次転写装置19の二次転写ローラ23に紙粉が回り込んで付着すると転写抜け等につながり、用紙P上に形成する画像品質が低下してしまう。
また、本実施形態の複合機500では、上記したように用紙綴じ装置121と作像部100との間に側板等を設けていない。このため、飛散した紙粉が用紙綴じ装置121の入口センサ183や、他の箇所に配置されたセンサのレンズ部に付着して検出エラーを起すというような不具合が発生するおそれもある。
そこで、本実施例の用紙綴じ装置121では、図1、及び図3に示すように、切欠き形成機構150の配置位置を、画像形成プロセスの内、定着装置60を通過した後であって、作像部100の各部が紙粉の影響を受けない用紙搬送方法下流に設定することとした。つまり、接着用トナーTa1が定着される先の用紙P1上に、接着用トナーTa1が転写される二次転写装置19を、形成繊維部M1の用紙繊維に切欠き形状が形成された後の用紙P2が通過しないように切欠き形成機構150を配置することとした。
具体的には、定着装置60を通過した用紙搬送路の位置であって、切換爪55により反転装置28側へ用紙P等を導く用紙搬送路ではなく、切換爪55により排紙ローラ対56側へ用紙P等を導く用紙搬送路上に、切欠き形成機構150を配置する。つまり、定着装置60を通過し、形成繊維部M1の用紙繊維に切欠き形状が形成された後の用紙P2が、切換爪55により反転装置28側へ導かれない位置に切欠き形成機構150の配置位置を配置する。
上記のような位置に切欠き形成機構150を配置して、用紙束を綴じる用紙綴じ方法を採用することで、次のような効果を奏することができる。
切欠き形成機構150で、後の用紙P2の表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成ときに紙粉が発生した場合であっても、二次転写装置19を介して中間転写ベルト15や感光体ドラム40等に付着する紙粉の量を低減することができる。したがって、用紙P上に形成する画像品質が低下することを抑制できる。
また、本実施形態の複合機500では、用紙綴じ装置121と作像部100との間に、側板等を設けていない。しかし、飛散した紙粉が用紙綴じ装置121の入口センサ183や、他の箇所に配置されたセンサーのレンズ部に付着して検出エラーを起すという様なトラブルを発生を抑制できる。
なお、定着装置60と切換爪55の間に欠き形成機構150を配置して、反転装置28に切欠き形状が形成された後の用紙P2が、導入されると、図3(a)に示すように、反転装置28のスイッチバック搬送路で、接着用トナーTb1が図中下方になる。この接着用トナーTb1は、後の用紙P2がスイッチバック搬送路から、二次転写装置19に向う搬送路に進入すると、図中上方をになる接着用トナーTb1’となる。そして、図1に示すように、二次転写装置19の二次転写部に進入するときには、再度、上下が入れ替わり、接着用トナーTb1’が、二次転写装置19の図中下方に配置された二次転写ローラ23に接触しながら搬送されることになる。
すなわち、後の用紙P2に定着された接着用トナーTb1’の裏面に切欠き形状が形成された部分である切欠き形状部M1が、中間転写ベルト15に接触しながら搬送されることになる。
このように搬送されると、切欠き形状部M1に切欠き形状を形成するときに、生じた繊維粉等からなる紙粉が、用紙Pの搬送経路やその周辺に飛散して不具合が発生する可能性が高まってしまう。
また、上記した紙粉の飛散による不具合の発生の抑制効果を高めるらめに、本実施例の用紙綴じ装置121では、次のような飛散防止機構169を用いて切欠き形成機構150からの紙粉の飛散自体を抑制することとした。
図3に示すように、切欠き形成機構150に有した平板状切欠き形成部材161aの、カッター165aを配置する側を、用紙P2等の表面(下面)に極力近接させる形状の紙粉飛散防止用の飛散防止ケース169aで覆った。そして、飛散防止ケース169aの底部の開口には、飛散した紙粉等を受け止めるフィルタ169bと、飛散した紙粉等をフィルタ169b側に吸引する小型の送風ファンである吸引ファン169cとを設けた。
なお、吸引ファン169cで平板状切欠き形成部材161aの周囲から吸引された空気は複合機500の機外に排出される構造になっている。また、フィルタ169bが取り付けられた飛散防止ケース169aは、用紙綴じ装置121から取り外して交換可能な構造であり、フィルタ169b又はフィルタ169bが取り付けられた飛散防止ケース169aごと交換を行う。
上記のように飛散防止機構169を構成することで、切欠き形成機構150からの紙粉の飛散自体を抑制することができ、用紙Pなどの用紙上に形成する画像品質が低下することを抑制できる。また、上記した切欠き形成機構150の配置位置の設定の方法に加えて、紙粉の飛散自体を抑制することで、上記した切欠き形成機構150の配置位置の設定の方法で飛散した紙粉に関わる不具合の抑制効果をより高めることができる。
次に、本実施例の用紙綴じ装置121の加熱接着部130の構成について、及び動作について説明する。
本実施例の加熱接着部130は、切欠き形成機構150で用紙表面の繊維等に切欠き形状を形成する処理が施された後の用紙P2等を、先行して接着用トナーTa1等が定着された先の用紙P1等に重ねて用紙束を形成し、加熱接着することで用紙束を綴じる。
また、加熱接着部130は、図3を用いて説明したように、用紙搬送路の図3図中上方に、主に、加熱ヘッド131、この加熱ヘッド131を図中上下動させる接離カム139、及び接離カム139を回転駆動する接離カムモータ139aを設けている。また、用紙搬送路の図3図中下方に、加熱ヘッド131とで、用紙束を挟持する加圧受け台141を設けている。
そして、加熱された加熱ヘッド131と加圧受け台141とで用紙束を挟持して、用紙束の各用紙P間に定着装置60で定着された各接着用トナーTaを再加熱して溶融させるとともに加圧し、各用紙P間を加熱接着して用紙束を綴じるというものである。
ここで、図6を用いて、加熱接着部130の、加熱ヘッド131及び加圧受け台141の詳細について説明する。
加熱ヘッド131は、図6に示すように加圧受け台141上に搬送されて重ねられた先の用紙P1、及び切欠き形成機構150で切欠き形状を形成する処理が施された後の用紙P2,3,4等からなる用紙束を加圧受け台141に向けて加圧し、加熱するものである。
この加熱ヘッド131は、先の用紙P1、先の用紙P1、及び後の用紙P2,3に定着された接着用トナーTa1,2,3を加熱(再加熱)する熱源であるセラミックヒータ135を有している。このセラミックヒータ135には、後処理制御部の制御に基づいて電流が印加されて、用紙束に応じた熱を発生させる。
セラミックヒータ135で発生させた熱は、図中下方に設けられたアルミ製の支持部材134、加熱パッド133、及び加熱パッド133の表面(下面)に施された離型コーティング132を介して用紙束の最上部の用紙である、後の用紙P4に伝達される。また、上記した加熱パッド133、及び支持部材134等を除く部分からの放熱を抑制するために、支持部材134とでセラミックヒータ135を覆うように、耐熱性を有した断熱材137を設け、支持部材134に接合している。なお、断熱材137の図3に示した接離カム139側には、接離カム139との摺動による磨耗を抑制するための平板状のカム受け部材138(不図示)が設けられている。
そして、セラミックヒータ135の支持部材134と接する面の反対側の面と、断熱材137との間には、耐熱性を有したシリコンゴム136を設けて、断熱材137と一体化させることで、支持部材134との接合をより強固なものとしている。
なお、離型コーティング132は、図6に示すように4枚の用紙Pを一度にお加熱定着するのではなく、例えば、6枚の用紙Pを3枚ずつ重ねる毎に加熱接着を行う場合に、その効果を発揮する。先行して加熱接着が行われる3枚の用紙からなる用紙束の最上部の用紙P3には、その図中上方の表面に接着用トナーTa3が定着装置60で定着された状態で、加熱接着を行うことになる。このように接着用トナーTa3に、加熱パッド133が直接、接触して加熱すると、接着用トナーTa3が加熱パッド133の表面に焦げ付いてしまうおそれがある。
上記のように焦げ付いてしまうと、加熱ヘッド131を図中上方へ移動させても加熱パッド133から加熱接着した用紙束が離間しなかったり、加熱パッド133に焦げ付いた接着用トナーTa3が、次の用紙束の最上部の用紙表面に付着したりする。加熱パッド133から加熱接着した用紙束が離間しないと、後の用紙P4等を正常に搬送して重ねることができず、搬送不良に起因した不具合が生じてしまう。また、本来、図6に示す後の用紙P4のように、接着用トナーTaが定着されていない用紙Pに接着用トナーTa3の一部が付着することになり、綴じられた用紙束の美観を損ねてしまう。
一方、加熱パッド133の表面に、離型コーティング132を施すことで、上記したような、加熱パッド133の表面への接着用トナーTa3の焦げ付きの発生を抑制することができる。
加圧受け台141は、搬送されてきた先の用紙P1、及び切欠き形成機構150で切欠き形状を形成する処理が施された後の用紙P2,3,4等からなる用紙束を積載するとともに、加熱ヘッド131の加熱パッド133とで用紙束を加圧するものである。
この加圧受け台141は、用紙後処理部120(用紙綴じ装置121)の支持フレームにブラケット等(不図示)を介して支持される基台144の図中上方に、耐熱性を有したシリコンゴム143を有している。そして、シリコンゴム143の、先の用紙P1等に接触する面には、用紙P1等が搬送されるときの摺動抵抗を低減するために、耐熱フィルム142が設けられている。
そして、加熱接着部130では、先の用紙P1等に定着された接着用トナーTa1等が再加熱されて溶融し、用紙束が加圧されたときに、後の用紙P2等に形成された切欠き形状に入り込むことで、各用紙Pが再生紙であっても剥離強度を向上させることができる。
なお、図3を用いて説明したように、加熱接着部130の用紙搬送方向下流側には、レジストゲート186が設けられており、加熱接着部130で重ねあわされる用紙束の端部の位置を精度良く、位置決めすることができる。このため、切欠き形成機構150で切欠き形状を施す処理が施された後の用紙P2,3,4の切欠き形状部M1,2,3と、先の用紙P1、及び後の用紙P2,3の表面に定着された接着用トナーTa1,2,3のトナーパターンとの精度の良い位置合わせが行える。
次に、本実施例の用紙綴じ装置121(用紙後処理部120)で、用紙束を綴じる場合の各部の動作、及び用紙綴じ方法の流れについて説明する。
なお、本実施形態の複合機500は、複写機、プリンタ、及びファクシミリの各機能を備えているため、パソコン等の外部機器からの画像形成信号に基づいて、画像形成した複数の用紙Pからなる用紙束の綴じ処理が行える。また、複写機で複写したり、ファクシミリで受信したデータを印刷したりする場合に、操作パネル310から綴じ処理を選択することで、画像形成した複数の用紙Pからなる用紙束の綴じ処理が行える。また、用紙Pの両面に画像形成を行うことも可能である。
そこで、以下の説明では、用紙Pの片面に画像形成を行う印刷ジョブで、用紙束の綴じ処理が選択され、画像形成が開始される直前からの、本実施例の用紙綴じ装置121で、用紙束を綴じる場合の各部の動作、及び用紙綴じ方法の流れについて説明する。また、綴じる用紙束は、図6に示しすように、4枚の用紙P(1,2,3,4)を綴じるものとする。
なお、作像部100の各部の動作については、従来の用紙後処理装置等が接続された画像形成装置の動作と略同様なので、適宜、省略して説明する。
印刷ジョブを開始するとき、本体制御部は、後処理制御部と通信を行い、用紙綴じ装置121の加熱接着部130の余熱状態や、切欠き形成機構150の押さえパット151の位置情報等を受信して、作像部からの用紙Pの排出速度、タイミング等を決定する。一方、後処理制御部は、本体制御部と通信を行い、用紙綴じを施す用紙束を構成する用紙Pの枚数や部数、一度の加熱接着で綴じる用紙束を構成する用紙Pの枚数、作像部からの用紙Pの排出速度、タイミング等を本体制御部から受信する。
そして、作像部100で画像形成が開始され、定着装置60で定着された先の用紙P1は、排紙ローラ対56により、用紙綴じ装置121(用紙後処理部120)の第一搬送ローラ対181に受け渡される。この先の用紙P1には、接着用トナーTa1がトナー像とともに転写され、定着装置60で、先の用紙P1上に定着されている。
第一搬送ローラ対181に受け渡された先の用紙P1は、1枚目の用紙Pであるため、図6に示したように図中下面の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成しない。このため、切欠き形成機構150の押さえパット151は、平板状切欠き形成部材161aから離間して上昇した初期状態のままで、下方には移動させない。
また、欠き形成機構150を通過した先の用紙P1を搬送する第二搬送ローラ対184は、第二搬送ローラ対離接モータ185bを駆動して、上方のローラを降下させて下方のローラに所定の圧力で接触した状態にしている。この接触した状態で、第一搬送ローラ対181から受け渡される先の用紙P1のタイミングに合わせて、第二搬送ローラ対184の第二搬送ローラ対回転モータ185aの駆動を開始する。
そして、加熱接着部130の加圧受け台141上の所定に位置に、先の用紙P1の接着用トナーTa1が定着された部分が移動するまで、先の用紙P1を搬送して第二搬送ローラ対回転モータ185aを停止させる。この先の用紙P1の接着用トナーTa1が定着された部分が移動する、加熱接着部130の加圧受け台141上の所定とは、先の用紙P1の先端がレジストゲート186で位置決めされる位置である。その後、第二搬送ローラ対184は、後の用紙P2を迎え入れるために、第二搬送ローラ対離接モータ185bを駆動し、上方のローラを上昇させて、下方のローラと離間した状態で待機する。
ここで、第一搬送ローラ対回転モータ182、スクリュ回転モータ155、第二搬送ローラ対回転モータ185a、及び第二搬送ローラ対離接モータ185bの回転制御、レジストゲート開閉モータ187の制御は後処理制御部で制御する。具体的には、第一搬送ローラ対181で搬送される先の用紙P1の先端を、入口センサ183で検知した検知結果に基づいて、所定量だけ先の用紙P1が用紙搬送方向下流側へ移動するように、後処理制御部で第一搬送ローラ対回転モータ182等を制御する。
一方、後の用紙P2は、2枚目の用紙Pであるため、図6に示したように図中下面の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成して、先の用紙P1上の接着用トナーTa1、及び後の用紙との接着力を高める必要がある。
そこで、接着用トナーTa2がトナー像とともに転写された後、定着装置60で定着されて排紙ローラ対56で、用紙綴じ装置121の第一搬送ローラ対181に受け渡される後の用紙P2については、次のような処理を施す。
後の用紙P2を受け渡された第一搬送ローラ対181を、後の用紙P2の切欠き形状部M1が、切欠き形成機構150に有した平板状切欠き形成部材161aの複数のカッター165aが設けられた所定の部分の直上に来る位置まで移動させて停止させる。具体的には、第一搬送ローラ対181で搬送される後の用紙P2の先端を、入口センサ183で検知した検知結果に基づいて、所定量だけ後の用紙P2が用紙搬送方向下流側へ移動するように、後処理制御部で第一搬送ローラ対回転モータ182を制御する。
その後、図3(a)に示す、切欠き形成機構150のスクリュ回転モータ155を駆動して、押さえ部材153を下降させ、押さえパット151に接触している後の用紙P2を、略一定な圧力で平板状切欠き形成部材161a側に加圧することができる。
このように後の用紙P2を加圧することで、後の用紙P2の用紙表面部の繊維に複数のカッター165aの刃が、所定量だけ突入する。そして、後の用紙P2の用紙表面部の繊維に切り込みが入るとともに、刃が突入した部分の繊維の形状が、図4(b)に示したように両刃の刃の形状に変形して切欠き形状が形成される。
切欠き形状の形成処理が完了したら、スクリュ回転モータ155を押さえ部材153を下降させたときとは反対方向に回転させて、押さえ部材153を上方の初期位置に移動させて、押さえパット151を後の用紙P2から離間させる。そして、押さえパット151が離間した後の用紙P2は、第一搬送ローラ対181の回転により移動可能な状態となる。
押さえ部材153を上方の初期位置まで移動したら、再度、第一搬送ローラ対回転モータ182を駆動して第一搬送ローラ対181を回転させ、離間した状態の第二搬送ローラ対184の上方のローラと、先の用紙P1との間に、後の用紙P2の先端部を進入させる。そして、後の用紙P2の先端部が進入したら、第二搬送ローラ対離接モータ185bを駆動して第二搬送ローラ対184の上方のローラが、後の用紙P2の先端部を所定の圧力で下方に押し付けるように接触させる。ここで、後の用紙P2の先端部を下方に押し付ける所定の圧力とは、第二搬送ローラ対184の上方のローラの回転により、後の用紙P2を用紙搬送方向下流側に搬送できる摩擦力を得れる圧力であって、位置決めされている先の用紙P1が移動しない圧力である。
その後、第二搬送ローラ対回転モータ185aの駆動を開始する。
そして、加熱接着部130の加圧受け台141上の所定に位置に、後の用紙P2の切欠き形状部M1が移動するまで、後の用紙P2を搬送して第二搬送ローラ対回転モータ185aを停止させる。この後の用紙P2の切欠き形状部M1が移動する、加熱接着部130の加圧受け台141上の所定とは、後の用紙P2の先端がレジストゲート186で位置決めされる位置である。その後、第二搬送ローラ対184は、次の用紙P3を迎え入れるために、第二搬送ローラ対離接モータ185bを駆動し、上方のローラを上昇させて、下方のローラと離間した状態で待機する。
ここで、第一搬送ローラ対回転モータ182、スクリュ回転モータ155、第二搬送ローラ対回転モータ185a、及び第二搬送ローラ対離接モータ185bの回転制御、レジストゲート開閉モータ187の制御は、先の用紙P1と同様に後処理制御部で制御する。
以降、後の用紙P3,4についても、後の用紙P2と同様な処理を行う。つまり、加熱接着部130の加圧受け台141上の所定に位置に、後の用紙P3,4の切欠き形状部M2,3が移動するまで、後の用紙P3,4を搬送して第二搬送ローラ対回転モータ185aを停止させる。なお、4枚目の用紙Pである後の用紙P4は、他の用紙Pと異なり、作像部100での接着用トナーの転写(画像形成)は行わない。
その後、加熱接着部130の加圧受け台141上の所定に位置に、4枚の用紙P4からなる用紙束が重ねられたら、加熱接着部130の接離カムモータ139aを駆動して、接離カム139を回転させて、所定量だけ加熱ヘッド131を降下させる。
そして、加熱された加熱ヘッド131と加圧受け台141とで用紙束を挟持して、用紙束の各用紙P間に定着装置60で定着された各接着用トナーTaを再加熱して溶融させるとともに加圧し、各用紙P間を加熱接着して用紙束を綴じる。そして、加熱された加熱ヘッド131と加圧受け台141とで、所定時間だけ用紙束を挟持した後、再度、接離カムモータ139aを駆動して、接離カム139を回転させて、初期位置まで加熱ヘッド131を上昇させる。
その後、各用紙P間の溶融した接着用トナーが、予めさだめた硬度まで硬化する所定時間だけ経過したら、レジストゲート開閉モータ187を駆動してレジストゲート186を開き、綴じ処理を施した用紙束を第二搬送ローラ対184の回転で搬送可能な状態にする。
レジストゲート186が開いたら、第二搬送ローラ対離接モータ185bを駆動して、綴じ処理を施した用紙束を搬送可能な圧力まで、第二搬送ローラ対184の上方のローラによる用紙束への押し付け圧力を上昇させる。
その後、第二搬送ローラ対回転モータ185aを駆動して第二搬送ローラ対184を回転させるとともに、排出ローラ対回転モータ192を駆動して排出ローラ対191を回転させて、綴じ処理を施した用紙束を、積載トレイ193上に排出する。
なお、加熱ヘッド131のセラミックヒータ135に電流を印加開始するタイミング、電流の値、及び加熱接着する時間等は、本体制御部から受信した、一度に加熱接着する用紙の枚数、及び用紙種別等の情報から、後処理制御部で決定して制御する。また、接離カムモータ139a、レジストゲート開閉モータ187、第二搬送ローラ対離接モータ185b、第二搬送ローラ対回転モータ185a、及び排出ローラ対回転モータ192は、後処理制御部により制御する。
なお、本実施例の用紙綴じ装置121の、第一搬送ローラ対181の下方のローラ等の回転体の駆動には、DCモータ及びパルスモータのいずれかが使用可能であるが、本実施例ではパルスモータを用いている。
(実施例2)
次に、本実施形態の用紙綴じ装置121の実施例2について、複数の具体例を挙げ、図を用いて説明する。
図7は、本実施例に係る切欠き形成機構150の具体例1の説明図であり、図7(a)が断面説明図、図7(b)が平面説明図である。図8は、本実施例に係る切欠き形成機構150の具体例2、3の説明図であり、図8(a)が、具体例2の断面説明図、図8(b)が具体例3の断面説明図である。図9は、本実施例に係る切欠き形成機構150の切欠き形状を形成するヤスリがけによる剥離力の推移のグラフの一例である。
本実施例の用紙綴じ装置121と、上記した実施例1の用紙綴じ装置とでは、切欠き形成機構150の平板状切欠き形成部材161aに設ける、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材と、その動作に係る点のみ異なる。
具体的には、実施例1では、切欠き形状を形成する部材としてカッター165aを用い、このカッター165aの刃に向けて、後の用紙P2を用紙押さえ部の押さえパット151で加圧していた。これに対し、本実施例では、切欠き形状を形成する部材として切欠き形状を形成する用紙表面繊維の表面硬度より高硬度な高硬度部材を用い、この高硬度部材に向けて加圧される後の用紙P2に、高硬度部材をヤスリがけするように摺動させることに係る点である。
したがって、上記した実施例1と同一な構成部材や、同様な機能を果す構成部材については、同一の符号を用いて説明する。また、実施例1で説明した構成や、その作用や効果についても、同様なものは、適宜、省略して説明する。
上記のように本実施例の用紙綴じ装置121では、切欠き形成機構150の平板状切欠き形成部材161aに設ける、切欠き形状を形成する部材として、後の用紙P2の用紙表面の繊維の表面硬度より高硬度な高硬度部材を用いている。そして、平板状切欠き形成部材161aに設けられた高硬度部材に向けて加圧される後の用紙P2に、高硬度部材をヤスリがけするように摺動させる。
以下、本実施例の切欠き形成機構150の平板状切欠き形成部材161aに設けることができる高硬度部材、及び、この高硬度部材に向けて加圧される後の用紙P2に、高硬度部材をヤスリがけするように摺動させる構成について、複数の具体例を挙げて説明する。
(具体例1)
まず、本実施例の切欠き形成機構150の具体例1について、図を用いて説明する。
本具体例の切欠き形成機構150に有した平板状切欠き形成部材161aに設ける、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材は、図7(a)、(b)に示すように、粒状体としての粒状部材165bである。この粒状部材165bとしては、高硬度な粒子であるとともに、その外周面に複数の突起を有した形状、所謂、金平糖のように鋭利なエッジ部を有した形状をしているものが好適である。
平板状切欠き形成部材161aの基材である平板部材162としては、プラスチック、アルミのような金属、あるいはセラミック板を用いる。そして、平板部材162の後の用紙P2に対向する面に、5〜10[μm]程度のエポキシ系接着剤からなる接着層166を薄く塗布し、これに径が50[μm]程度の、上記した高硬度な粒子である粒状部材165bを無数に配置して接着固定する。
粒状部材165bは、最少ピッチが50[μm]、最大ピッチが200[μm]の間でランダムに、平板部材162上に分散配置する。また、粒状部材165bの脱落を防止するには、平板部材162側に塗布する接着層166よりも、さらに薄い接着層166を数[μm]の厚さで、最外周にオーバーコートさせて固定することが有効である。
また、粒状部材165bの最適な粒子材料としては、ジルコニア粒子やアルミナ粒子、あるいはセラミック粒子を使用するのが好適である。
また、本具体例の切欠き形成機構150では、無数の粒状部材165bを、粒状部材165bが配置、固定された平板部材162に向けて加圧される後の用紙P2に対して、ヤスリがけするように摺動させる構成を、次のような構成としている。
図6(a)、(b)に示すように、平板部材162の、後の用紙P2の搬送方向に平行な断面に、後の用紙P2の搬送方向に直交する2つの孔を形成し、これらの孔を貫通する2本の円柱状のガイド部材171を設けている。このようにガイド部材171を設けることで、平板部材162、すなわち、平板状切欠き形成部材161aは、後の用紙P2の用紙表面と平行に往復動作可能な様に支持されている。
そして、平板状切欠き形成部材161aの後の用紙P2の用紙表面と平行な往復動作を行う構成としては、図6(b)に示すように、平板部材162の下方に回転自在に一端側が支持されたアーム172の他端側を摺動カム173に回転自在に支持させている。この摺動カム173は回転中心が偏芯した偏芯カムであり、その回転中心に接合された摺動モータ175のモータ軸174の回転により、2本のガイド部材171に案内される平板状切欠き形成部材161aが摺動カム173の偏芯量に応じた往復動作を行う。具体的には、図6(b)に示す矢印方向に、摺動カム173の偏芯量に応じた一定量のストロークの往復動作を行う。
このため、図6(a)に示すように平板状切欠き形成部材161aに無数に配置、固定された粒状部材165bが、これら粒状部材165bに向って、押さえパット151により加圧されている後の用紙P2にヤスリがけをするように摺動することになる。
そして、粒状部材165bが摺動する後の用紙P2の用紙表面の繊維は、その表面硬度よりも粒状部材165bの硬度が高いため、粒状部材165bが摺動する部分が掻き取られて、切欠き形状が形成されることになる。ここで、摺動させるときのストローク、及び往復動作の回数は、粒状部材165bの径や突起する高さによって条件は異なるが、通常、ストロークが3[mm]程度で、3〜5往復の動作を行なえば良い。
そして、実施例1と同様に第一搬送ローラ対181の回転により、後の用紙P2の切欠き形状部M1が、平板状切欠き形成部材161aの対応する位置まで移動して停止した後に、押さえ部材153を一定量だけ降下させる。このように降下させることで、押さえパット151が後の用紙P2の表面を粒状部材165bに向け加圧して接触させる。その後、摺動カム173を回転させて、後の用紙P2の切欠き形状部M1に切欠き形状を形成する。
上記のように切欠き形成機構150を構成することで、接着用トナーTa1に接触する、後の用紙P2の表面部分の用紙繊維等に対して、多くの切欠き形状を一挙に形成することが可能である。
また、後の用紙P2にカッターの刃を突入させて切欠き形状を形成する実施例1の構成よりも、さらに細かいピッチで後の用紙P2の表面部分に切欠き形状を形成することも容易となり、より高い剥離強度を得ることが可能となる。
加えて、切欠き形状を形成したときに切り取られたり、切断されたりした繊維や、毛立ちした繊維の部分からなる表面凹部を覆った繊維粉に、溶融した接着用トナーTa1’などの接着用トナーが入り込む。このように入り込むことで、表面凹部と接着用トナーとの接触面積をさらに増やせるとともに、アンカー効果も高めることができる。
しかし、上記のように平板状切欠き形成部材161aに設けた粒状部材165bが、後の用紙P2に対して摺動動作すると、後の用紙P2の位置がすれたり、弛みをともなう皺が発生したりして、用紙表面の繊維に十分な切欠き形状を形成できない。また、後の用紙P2の搬送不具合が発生したり、後の用紙P2の変形が発生したりする。
そこで、本具体例の欠き形成機構150では、平板状切欠き形成部材161aに設けた粒状部材165bを後の用紙P2に対して摺動動作させるときに、後の用紙P2の位置を固定する、次のような構成を設けることとした。
飛散防止機構169に有した飛散防止ケース169aの用紙搬送路側の端部を、押さえパット151により後の用紙P2を加圧していないときの、後の用紙P2の下面の高さよりも少し低い位置で、押さえパット151の下面に平行になるように形成した。また、飛散防止ケース169aの上記端部に対向する押さえパット151の部分に、上方に後退するような段差部を形成し、この段差部に押さえパット151で後の用紙P2を加圧するときに、後の用紙P2を押えて固定する押さえ板ばね157を取り付けた。
このように、押さえパット151で後の用紙P2を加圧する動作に連動して、後の用紙P2を固定する機構を設けることで、後の用紙P2に対して粒状部材165bを摺動動作させるときに後の用紙P2の位置を固定でき、十分な切欠き形状を形成できる。また、後の用紙P2の搬送不具合が発生したり、後の用紙P2の変形が発生したりすることなく、後の用紙P2の用紙表面の繊維に、十分な切欠き形状を形成することができる。
そして、後の用紙P2の用紙表面の繊維への切欠き形状の形成が完了したら、実施例1と同様に、スクリュ回転モータ155を駆動して押さえ板ばね157を上昇させて、押さえパット151を後の用紙P2から離間する位置に移動させる。このように移動させる動作に連動して、押さえパット151に取り付けた押さえ板ばね157と後の用紙P2との間に隙間を作ることができ、後の用紙P2を用紙搬送方向下流側に搬送するときの、押さえ板ばね157による搬送抵抗を無くすことも可能となる。
また、上記した本具体例では、本発明を、粒状部材165bを平板部材162上に塗布した接着層166により、平板部材162に対して接着する構成に適用した例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、アルミのような金属からなる平板部材162上に、直接的に、アルミナの溶射を応用して、付着させる構成にも適用可能である。
なお、本具体例の切欠き形成機構150の他の構成は、上記した実施例1のものと同様であるので、その説明は省略している。
(具体例2)
次に、本実施例の切欠き形成機構150の具体例2について、図を用いて説明する。
本具体例と、上記した具体例1とでは、平板状切欠き形成部材161aに設ける、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材の構成に係る点のみ異なる。
したがって、上記した具体例1と同様な構成、及びその効果については、適宜、省略して説明する。
本具体例の切欠き形成機構150に有した平板状切欠き形成部材161aに設ける、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材は、図8(a)に示すように、突起形状体としての突起部材165cである。この突起部材165cとしては、金属の平板部材162に対して、エッチング処理を施して微少な三角錐の凸部を形成したり、その表面を機械的に部分突き出し加工して、おろし金のような突起を形成したりしたものを用いることができる。
そして、上記した具体例1と同様な構成で、後の用紙P2に対して、突起部材165cを摺動動作させることで、具体例1と同様な効果を奏することができる。
(具体例3)
次に、本実施例の切欠き形成機構150の具体例3について、図を用いて説明する。
本具体例と、上記した具体例1、2とでは、平板状切欠き形成部材161aに設ける、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材の構成に係る点のみ異なる。
したがって、上記した具体例1、2と同様な構成、及びその効果については、適宜、省略して説明する。
本具体例の切欠き形成機構150に有した平板状切欠き形成部材161aに設ける、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材は、図8(b)に示すように、金属ワイヤー体としての金属ブラシ部材165dである。この金属ブラシ部材165dとしては、金属製ワイヤーを複数並べて刈りそろえた、歯ブラシのようなブラシ形状を形成したりしたものを用いることができる。
具体的な平板状切欠き形成部材161aの構成、及びその作成方法としては、例えば、次のような例が挙げられる。金属からなる平板部材162に規則性のある穴をあけ、ここにステンレス製の径が0.05〜0.2[mm]で長さが3〜5[mm]程度の、切断して長さの管理された金属ブラシ部材165dを差し込む。この平板部材162に、矩形の樹脂型をかぶせて熱硬化性樹脂を流し込んで硬化させることで、金属ブラシ部材165dが樹脂で固定される。その後、矩形の樹脂型から外せば、金属ブラシ部材165dを設けた平板状切欠き形成部材161aが得られる。
上記のようにして作成した平板状切欠き形成部材161aの、金属ブラシ部材165dの先端を後の用紙P2の用紙表面に接触させて摺動させると、金属ブラシ部材165dのエッジが後の用紙P2の用紙表面の繊維を掻き取るようにして切欠き形状を形成できる。このとき、金属ブラシ部材165dに一定圧力をかけるように押さえパット151で後の用紙P2を平板状切欠き形成部材161aに向けて加圧して金属ブラシ部材165dの往復動作を繰り返すと、後の用紙P2の用紙表面の繊維に無数の切欠き形状が形成される。
そして、上記した具体例1と同様な構成で、後の用紙P2に対して、突起部材165cを摺動動作させることで、具体例1と同様な効果を奏することができる。
加えて、金属ブラシ部材165dを用いる構成には、金属ブラシ部材165dの先端と底部に十分な長さがあるため、繊維粉等の紙粉による目詰まりを起こさないという利点もある。このため、紙粉の除去を行うことなく長期間の使用が可能となる。
ここで、参考として本実施例の各具体例の構成で平板状切欠き形成部材161aを後の用紙P2に対して摺動動作させる回数毎の用紙束の剥離力の推移、つまり、ヤスリがけ回数毎のヤスリがけによる用紙束の剥離力の推移に関する検証実験について説明しておく。
いずれの具体例の構成での検証実験でも、図9の、四角の点を結ぶグラフに示すように、あるヤスリがけ回数までは、ヤスリがけ回数が増えるほどT型の試験方法で計測した剥離力は大きくなる傾向があった。
また、後の用紙P2を、平板状切欠き形成部材161aに向けて加圧する加圧力を、好適と考えられる四角の点で示した加圧力:Bと、加圧力:Bよりも所定の値だけ小さくした加圧力:Aで検証実験を行った。
すると、好適と考えられる加圧力:Bよりも小さい加圧力:Aを与えた場合よりも、加圧力:Bを与えた場合の方が剥離力は大きくなるとともに、剥離力の増加が鈍るヤスリがけ回数が増える傾向があることが分かった。
上記のよな傾向が確認できたことから、後の用紙P2の、先の用紙P1上に定着された接着用トナーTa1に接触する用紙表面部分の繊維に切欠き形状を多く形成することで、先の用紙P1と後の用紙P2との剥離強度を、より高めるれることが確認できた。
なお、図9に示したヤスリがけ回数である摺動回数は往復回数ではなく、摺動方向毎の回数を合計したものである。
(実施例3)
次に、本実施形態の用紙綴じ装置121の実施例3について、図を用いて説明する。
図10は、本実施例に係る用紙綴じ装置121、及び切欠き形成機構150の説明図である。そして、図10(a)が断面説明図、図10(b)が切欠き形成機構150により、後の用紙P2に施される切欠き形状部M1を下方から見上げた説明図である。また、図10(c)が円筒状部材167の外周に粒状部材165bを設けた円筒状切欠き形成部材161bの説明図である。
本実施例と、上記した実施例1、2とでは、切欠き形成機構150の構成、及びその動作に係る点のみ異なる。
具体的には、実施例1、2の切欠き形成機構150では、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材を設けた切欠き形成部材が、平板状の平板状切欠き形成部材161aであった。これに対し、本実施例の切欠き形成機構150では、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材を設けた切欠き形成部材が、円筒状の円筒状切欠き形成部材161bである点である。
また、実施例1、2の切欠き形成機構150では、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成するときに、後の用紙P2を停止させていた。これに対し、本実施例の切欠き形成機構150では、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成するときに、後の用紙P2を停止させない点である。
したがって、上記した実施例1、2と同一な構成部材や、同様な機能を果す構成部材については、同一の符号を用いて説明する。また、実施例1、2で説明した構成や、その作用や効果についても、同様なものは、適宜、省略して説明する。
上記のように本実施例の切欠き形成機構150は、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成する部材を、円筒状の円筒状切欠き形成部材161bに設け、後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成するときに、後の用紙P2を停止させない。
すなわち、実施例2で説明した粒状部材165b、突起部材165c、及び金属ブラシ部材165d等の高硬度部材を、円筒状切欠き形成部材161bの外周面に設け、回転動作を与えて後の用紙P2の用紙表面の繊維に切欠き形状を形成できる。
なお、上記したように本実施例の円筒状切欠き形成部材161bの外周面に、粒状部材165b、突起部材165c、及び金属ブラシ部材165d等の内のいずれも設けることがきるが、以下の説明では粒状部材165bを設けた例について説明する。
図10(a)に示すように本実施例の用紙綴じ装置121の構成は、切欠き形成部160の構成を除くと、図3(a)を用いて説明した構成と同様である。しかし、切欠き形成部160の構成、及びその動作に係る、第一搬送ローラ対181を回転させる第一搬送ローラ対回転モータ182の制御が、上記した実施例1、2と異なる。
特に、実施例2では、後の用紙P2が押し付けられる粒状部材165b等の高硬度部材を設けた平板状切欠き形成部材161aを、停止した状態の後の用紙P2に対して、用紙搬送方向に直交する方向に摺動動作させて切欠き形状を形成していた。
これに対し、本実施例では、図10(a)、(c)に示すように、線速:V1で移動している後の用紙P2に対して、粒状部材165bを円筒状部材167の外周面に設けた円筒状切欠き形成部材161bを線速:V2で摺動させて切欠き形状を形成する。
より具体的には、粒状部材165bを外周面に設けた円筒状切欠き形成部材161b(円筒状部材167)は、減速機構を介して接続された円筒回転モータ168(不図示)により、回転時には、その外周面の線速(速度)が一定な線速:V2で回転する。一方、切欠き形成機構150を通過する後の用紙P2の移動速度を支配(決定)する第一搬送ローラ対181は、第一搬送ローラ対回転モータ182により、その外周面の線速が円筒状切欠き形成部材161bの回転時の線速:V2よりも遅い線速:V1で回転する。
これらのため、その移動速度が第一搬送ローラ対181により支配されつつ、円筒状切欠き形成部材161bに押し付けられる後の用紙P2に対して、円筒状切欠き形成部材161bの粒状部材165bが、線速差:(V2−V1)で摺動することになる。
そして、後の用紙P2の用紙表面部分の繊維と、円筒状切欠き形成部材161bの粒状部材165bとの間で、引っ掻き状態が発生して、後の用紙P2の用紙表面部分の繊維に切欠き形状が形成されることになる。すなわち、粒状部材165bが摺動する後の用紙P2の用紙表面の繊維は、その表面硬度よりも粒状部材165bの硬度が高いため、粒状部材165bが摺動する部分が掻き取られて、切欠き形状が形成されることになる。
ここで、第一搬送ローラ対181は、後の用紙P2を十分な保持力で保持しつつ、第一搬送ローラ対回転モータ182の回転速度を可変して、円筒状切欠き形成部材161bの粒状部材165bよりも遅い線速:V1で回転する。ここで、第一搬送ローラ対181を、初めから遅い線速:V1で回転しても良いし、入口センサ183で後の用紙P2の先端を検知してから減速して遅い線速:V1としても良い。
そして、後の用紙P2の切欠き形状部M1が、円筒状切欠き形成部材161bの粒状部材165bに接触する位置に移動するタイミングに合わせて、用紙押さえ部の押さえパット151が降下して後の用紙P2を、円筒状切欠き形成部材161bに向けて加圧する。
このように加圧することで、後の用紙P2の切欠き形状部M1の繊維に、切欠き形状を形成することができる。
上記のように構成することで、接着用トナーTa1に接触する、後の用紙P2の表面部分の用紙繊維等に対して、多くの切欠き形状を一挙に形成することが可能である。
また、後の用紙P2の表面部分と、円筒状切欠き形成部材161bの外周面上に設けた粒状部材165bとに速度差を与えて切欠き形状を形成するので、用紙搬送方向の領域長さは任意に設定することが可能となる。
加えて、切欠き形状を形成したときに切り取られたり、切断されたりした繊維や、毛立ちした繊維の部分からなる表面凹部を覆った繊維粉に、溶融した接着用トナーTa1’が入り込む。このように入り込むことで、表面凹部と接着用トナーとの接触面積をさらに増やせるとともに、アンカー効果も高めることができる。
また、用紙押さえ部の押さえパット151は、後の用紙P2の切欠き形状部M1の繊維に切欠き形状を形成するときには、降下して後の用紙P2を加圧するが、切欠き形状を形成しないときには、上昇して後の用紙P2から離間する。このように離間することで、後の用紙P2を用紙搬送方向下流側に搬送するときの搬送抵抗を無くすように構成されている。
また、後の用紙P2の切欠き形状部M1の繊維に切欠き形状を形成する摺動動作の方向が、実施例2の後の用紙P2の下面に略平行、且つ用紙搬送方向に直交する方向と異なり、本実施例では、後の用紙P2の下面に略平行、且つ用紙搬送方向に平行な方向である。
そして、後の用紙P2の切欠き形状部M1の繊維に切欠き形状を形成するときに、後の用紙P2に加わる力の方向が、後の用紙P2を、その下面に略平行、且つ用紙搬送方向下流側へ引っ張る方向にしか加わらない。
これらのため、実施例2の構成と異なり、粒状部材165bを後の用紙P2に対して摺動動作させるときに、後の用紙P2の位置を固定する押さえパット151の上下動に連動して後の用紙P2を抑える押さえ板ばね157を用いた固定機構は不要となる。
また、上記した本実施例では、第一搬送ローラ対181による後の用紙P2の線速と、円筒状切欠き形成部材161bの線速に線速差を設けるため、第一搬送ローラ対181の線速を円筒状切欠き形成部材161bの線速よりも遅くする構成について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、例えば、第一搬送ローラ対181の線速をある一定の線速とし、入口センサ183で後の用紙P2の先端を検知して円筒状切欠き形成部材161bの線速を増速して線速差を設けるように構成しても良い。
(変形例)
次に、本実施形態の用紙綴じ装置121の変形例について、図を用いて説明する。
図11は、本変形例に係る、用紙搬送方向に直交する辺近傍に、複数の切欠き形状部M1a,b,cを形成する例の説明図である。そして、図11(a)が後の用紙P2表面部分の繊維に形成される切欠き形状部M1a,b,cの配置の平面説明図である。また、図11(b)が用紙搬送方向に直交する辺近傍に平行な1つの円筒状切欠き形成部材161bを共用した切欠き形成機構150a,b,cを配置した例の説明図である。
図12は、本変形例に係る、用紙搬送方向に平行な辺近傍に、複数の切欠き形状部M1a,b,cを形成する例の説明図である。そして、図12(a)が後の用紙P2表面部分の繊維に形成される切欠き形状部M1a,b,cの配置の平面説明図である。また、図12(b)が用紙搬送方向に平行な辺近傍に平行な1つの円筒状切欠き形成部材161bを共用した切欠き形成機構150a,b,cを配置した例の説明図である。また、図12(c)が用紙搬送方向に平行な辺に垂直な円筒状部材167を、それぞれ有した切欠き形成機構150a,b,cを配置した例の説明図である。
本実施例と、上記した実施例1乃至3とでは、切欠き形成機構150の配置、及びその構成に係る点のみ異なる。
したがって、上記した実施例1乃至3と同一な構成部材や、同様な機能を果す構成部材については、同一の符号を用いて説明する。また、実施例1乃至3で説明した構成や、その作用や効果についても、同様なものは、適宜、省略して説明する。
上記した各実施例では、先の用紙P1上に形成した接着用トナーTa1(加熱接着部)の位置が端綴である場合を説明したが、用紙搬送方向に直交する用紙搬送方向下流側の端辺近傍を綴じる場合にも本発明は適用可能である。また、用紙長手方向に平行な端辺近傍を綴じる場合にも本発明は適用可能である。以下、複数の変形例を挙げて説明する。
また、接着すべき用紙P等の接着用トナーTa1等の範囲が非常に長くなる時は、粒状部材165bや突起部材165c等を設ける部分を分割して、それに対応した押さえパット151と、パット151の上下動作を行う用紙押さえ部を設けることができる。このように分割することで、粒状部材165bや突起部材165c、及び押さえパット151は、その位置だけの接触精度を出せばよいので、剛性を高剛性化をしなくても用紙P等の面との良好な圧力(接触力)を得ることができる。
(変形例1)
まず、用紙搬送方向に直交する用紙搬送方向下流側の端辺近傍に、複数の切欠き形状部M1a,b,cを形成する変形例1について、図11(a)、(b)を用いて説明する。ここで、以下の本変形例では、図10(a)を用いて説明した実施例3の、切欠き形成機構150に円筒状切欠き形成部材161bを設けた構成を例に挙げて説明する。
この本変形例では、図11(a)に示すように、後の用紙P2の繊維に切欠き形状を形成できる部分が、後の用紙P2の用紙搬送方向下流側の端辺近傍に、切欠き形状部M1a,部M1b,部M1cの3箇所形成することが可能である。このように選択的に切欠き形状部Mを形成するため、本変形例は、図10(a)の紙面に垂直な方向(後の用紙P2に平行)に円筒状切欠き形成部材161bを延伸して設け、切欠き形状部M1a,M1b,M1cに対応する部分に粒状部材165bを設けている。
そして、これらの粒状部材165bを設けた部分に対向するように、用紙押さえ部からなる切欠き形成機構150a,b,cを設けている。そして、接着用トナーTa1で加熱接着したい部分、例えば、図11(a)に示すように、用紙短辺方向中央を加熱接着したい場合には、次のように3つの切欠き形成機構150の用紙押さえ部を駆動する。
図11(b)に示すように切欠き形成機構150bの用紙押さえ部だけ駆動して、押さえパット151を下方の円筒状切欠き形成部材161bの粒状部材165bに向けて加圧する。このように加圧することで、図11(a)に示すように、用紙短辺方向中央を加熱接着したい部分の切欠き形状部M1bに切欠き形状を形成することができる。
なお、これらの構成を除く構成、及び動作は、図10を用いて説明した用紙綴じ装置121の切欠き形成機構150の構成、及び動作と同様である。
(変形例2)
次に、用紙搬送方向に平行な一端側の辺近傍に、複数の切欠き形状部M1a,b,cを形成する変形例2について、図12(a)、(b)、(c)を用いて説明する。ここでも、以下の本変形例では、図10(a)を用いて説明した実施例3の、切欠き形成機構150に円筒状切欠き形成部材161bを設けた構成を例に挙げて説明する。
この本変形例では、図12(a)に示すように、後の用紙P2の繊維に切欠き形状を形成できる部分が、後の用紙P2の用紙搬送方向に平行な一端側の辺近傍に、切欠き形状部M1a,部M1b,部M1cの3箇所形成することが可能である。このように選択的に切欠き形状部Mを形成するため、本変形例は、図10(a)の用紙綴じ装置121とは異なり、図12(b)に示すように、用紙搬送方向に平行、且つ搬送する用紙P等の紙面に垂直な方向に円筒状切欠き形成部材161bを延伸して設けている。そして、切欠き形状部M1a,M1b,M1cに対応する部分に粒状部材165bを設けている。
そして、これらの粒状部材165bを設けた部分に対向するように、用紙押さえ部からなる切欠き形成機構150a,b,cを設けている。そして、接着用トナーTa1で加熱接着したい部分、例えば、図12(a)に示すように、用紙長手方向中央を加熱接着したい場合には、次のように3つの切欠き形成機構150の用紙押さえ部を駆動する。
図12(b)に示すように切欠き形成機構150bの用紙押さえ部だけ駆動して、押さえパット151を下方の円筒状切欠き形成部材161bの粒状部材165bに向けて加圧する。このように加圧することで、図12(a)に示すように、用紙長手方向中央を加熱接着したい部分の切欠き形状部M1bに切欠き形状を形成することができる。
なお、本実施例のように、各切欠き形成機構150を配置して後の用紙P2に切欠き形状を形成する場合には、第一搬送ローラ対181により搬送される後の用紙P2の搬送方向(移動方向)と、円筒状切欠き形成部材161bの回転方向とが直交してしまう。このため、変形例1や上記した実施例3とは異なり、実施例1や実施例2と同様に、後の用紙P2に切欠き形状を形成するときには、後の用紙P2を停止させるとともに、押さえ板ばね157を設ける必要がある。
なお、これらの構成を除く構成、及び動作は、図10を用いて説明した用紙綴じ装置121の切欠き形成機構150の構成、及び動作と同様である。
また、各切欠き形成機構150の構成部材は増えてしまうものの、図12(c)のように、用紙搬送方向に直交する円筒状切欠き形成部材161bを、それぞれ有した3つの切欠き形成機構150a,b,cを、一端側の辺近傍に用紙搬送方向に沿って設けても良い。このように設けることで、上記した本変形例と異なり、後の用紙P2を停止させることなく、第一搬送ローラ対181により搬送される後の用紙P2と、各切欠き形成機構150の円筒状切欠き形成部材161bとの線速差を設けることができる。したがって、各切欠き形成機構150に押さえ板ばね157を設ける必要もなくなる。
なお、上記した各変形例では、欠き形成部材として円筒状切欠き形成部材161bを用いたものについて説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、上記した実施例1、2と同様に、平板状切欠き形成部材161aを用いたものにも適用可能である。但し、平板状切欠き形成部材161aを用いると、上記した用紙搬送方向に平行な平板状切欠き形成部材161aを設けた構成と同様に、後の用紙P2を停止させるとともに、押さえ板ばね157を設ける必要がある。
また、上記した本実施形態では、本実施形態の用紙綴じ装置121を備えた、用紙後処理部120の用紙搬送路が、各図中、略水平なものについて説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではない。例えば、後処理を施さない場合の用紙搬送路を、各図中、略水平に設け、後処理を施す場合の用紙搬送路を下方へ延伸するような略Uの字に設けた構成にも適用可能である。
より具体的には、次のような後処理を施す場合の用紙搬送路を下方へ延伸するような略Uの字に設けた構成にも本発明は適用可能である。下方へ延伸する用紙搬送路の直線部分に、切欠き形成機構150を設け、下方へ延伸する用紙搬送路の直線部分にスイッチバック経路を設けるとともに、用紙束の後端辺近傍や、一端側の短辺近傍に加熱接着部130を設ける構成である。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
画像形成用のトナーを接着用トナーTa1などの接着用トナーとして用い、重ね合わされた用紙P1及び用紙P2などの用紙束を綴じる用紙綴じ方法において、前記用紙束の前記接着用トナーを加熱する前に、先行して前記接着用トナーが定着された用紙P1などの用紙、又は用紙束の前記接着用トナー部分に重ね合わされる、後続の用紙P2の切欠き形状部M1などの用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
一般的に、コート紙等や普通紙よりも平滑性が劣る再生紙は、コート紙等や普通紙よりも、用紙を構成する用紙表面の繊維等の凸部(以下、表面凸部という)の間隔が広くて面積が小さく、凹部(以下、表面凹部という)の面積が大きくて深い。
従来の接着用トナーを用いた用紙綴じ方法では、再加熱されて溶融した接着用トナーが、後続の用紙表面の表面凸部近傍にしか接触できず、後続の用紙表面の繊維等と接着用トナーとの接触面積が十分に確保できない。
これに対して態様Aでは、後続の用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形成機構150などを用いて切欠き形状を形成することで、溶融した接着用トナーが形成した切欠き形状に入り込んで接触し、後続の用紙表面の繊維等と接着用トナーとの接触面積が増える。また、同時に溶融して表面凹部に入り込んだ接着用トナーが、そこで固まって抜け難くなって接着が成り立つアンカー効果を得ることも可能となる。
したがって、再生紙のように表面凹部が大きくて深く、表面凸部の面積が少ない場合であっても、先行して接着用トナーが定着された用紙表面と後続の用紙表面との十分な剥離強度を得ることが可能となる。
よって、再生紙を綴じる場合でも十分な剥離強度を得ることができる接着用トナーを用いた用紙綴じ方法を提供できる。
(態様B)
(態様A)において、前記後続の用紙P2などの用紙の切欠き形状部M1などの前記用紙表面部分に突入するカッター165aなどのカッターと、突入した前記カッターと前記後続の前記用紙表面部分との分離を行う用紙分離部材164などの用紙分離構造とを有した切欠き形成機構150の平板状切欠き形成部材161aなどの平板状部材を、前記後続の用紙の搬送タイミングに合わせて、前記カッターが、前記後続の用紙の前記用紙表面部分に所定量だけ突入するように移動させた後、前記後続の前記表面部分から離間するように移動させて、前記後続の用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3)で説明したように、複数のカッターを設けることで、接着用トナーTa1などの接着用トナーに接触する、後続の用紙表面部分の用紙繊維等に対して、多くの切欠き形状を一挙に形成することが可能である。
また、後続の用紙に突入させたカッターの刃と後続の用紙とが分離できずに、切欠き形状が形成された後続の用紙を搬送するときの、搬送不具合の発生を抑制することができる。
加えて、カッターの刃が突入したときに切り取られたり、切断されたりした繊維や、毛立ちした繊維の部分からなる表面凹部を覆った繊維粉に、溶融した接着用トナーTa1’などの接着用トナーが入り込む。このように入り込むことで、表面凹部と接着用トナーとの接触面積をさらに増やせるとともに、アンカー効果も高めることができる。
(態様C)
(態様A)において、前記後続の用紙P2などの用紙の形成繊維部M1などの前記用紙表面部分に接触する部分の硬度が、前記後続の前記用紙表面部分を構成する用紙繊維の表面硬度より高硬度な、粒状部材165bなどの粒状体、突起部材165cなどの突起形状体、又は金属ブラシ部材165dなどの金属ワイヤー体のいずれかから構成される高硬度部材を有した切欠き形成機構150の平板状切欠き形成部材161aなどの平板状部材を、前記高硬度体が前記後続の前記用紙表面部分に摺動するように移動させて、前記後続の前記用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例2(又は3)で説明したように、接着用トナーTa1などの接着用トナーに接触する、後続の用紙表面部分の用紙繊維等に対して、多くの切欠き形状を一挙に形成することが可能である。
また、後続の用紙にカッターの刃を突入させて切欠き形状を形成する構成よりも、さらに細かいピッチで後続の用紙の表面部分に切欠き形状を形成することも容易となり、より高い剥離強度を得ることが可能となる。
加えて、切欠き形状を形成したときに切り取られたり、切断されたりした繊維や、毛立ちした繊維の部分からなる表面凹部を覆った繊維粉に、溶融した接着用トナーTa1’などの接着用トナーが入り込む。このように入り込むことで、表面凹部と接着用トナーとの接触面積をさらに増やせるとともに、アンカー効果も高めることができる。
(態様D)
(態様A)において、前記後続の用紙P2などの用紙の形成繊維部M1などの前記用紙表面部分に接触する部分の硬度が、前記後続の前記用紙表面部分を構成する用紙繊維の表面硬度より高硬度な、粒状部材165bなどの粒状体、突起部材165cなどの突起形状体、又は金属ブラシ部材165dなどの金属ワイヤー体のいずれかから構成される高硬度部材を外周面上に有した切欠き形成機構150の円筒状切欠き形成部材161bなどの円筒状部材を、前記高硬度体が前記後続の前記用紙表面部分に相対速度差を持って摺動するように回転させて、前記後続の前記用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例3で説明したように、接着用トナーTa1などの接着用トナーに接触する、後続の用紙表面部分の用紙繊維等に対して、多くの切欠き形状を一挙に形成することが可能である。
また、後続の用紙表面部分と、円筒状部材の外周面上に設けた高硬度部材とに速度差を与えて切欠き形状を形成するので、用紙搬送方向などの用紙移動方向の領域長さは任意に設定することが可能となる。
加えて、切欠き形状を形成したときに切り取られたり、切断されたりした繊維や、毛立ちした繊維の部分からなる表面凹部を覆った繊維粉に、溶融した接着用トナーTa1’などの接着用トナーが入り込む。このように入り込むことで、表面凹部と接着用トナーとの接触面積をさらに増やせるとともに、アンカー効果も高めることができる。
(態様E)
(態様A)乃至(態様D)のいずれかにおいて、前記先行して接着用トナーTa1などの接着用トナーが定着される用紙P1などの用紙上に、前記接着用トナーが転写される二次転写装置19などの転写部を、形成繊維部M1などの前記用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状が形成された前記後続の用紙P2などの用紙が通過しないことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
切欠き形成機構150を用いるなどして、後続の用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成するときに紙粉が発生しても、二次転写装置19などの転写部を介して中間転写ベルト15や感光体ドラム40などの像担持体等に付着する紙粉の量を低減できる。したがって、用紙Pなどの用紙上に形成する画像品質が、転写抜け等により低下することを抑制できる。
また、飛散した紙粉が複合機500などの装置内の各所に配置された入口センサ183などのセンサのレンズ部に付着して検出エラーを起すというような不具合の発生を抑制できる。
(態様F)
(態様A)乃至(態様E)のいずれかにおいて、前記後続の用紙P2などの用紙の形成繊維部M1などの前記用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成するときに、前記後続の用紙の前記用紙表面部分の近傍から周囲への、紙粉の飛散を抑制することを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3)で説明したように、次のような効果を奏することができる。
飛散防止機構169などを用いて、切欠き形成機構150などからの紙粉の飛散自体を抑制することができ、用紙Pなどの用紙上に形成する画像品質が低下することを抑制できる。また、(態様E)の方法に加えて、紙粉の飛散自体を抑制することで、(態様E)の効果をより高めることができる。
(態様G)
画像形成用のトナーを接着用トナーTa1などの接着用トナーとして用いる用紙綴じ方法で、用紙P1及び用紙P2などの用紙束を綴じる用紙綴じ装置121などの用紙綴じ装置において、前記用紙綴じ方法として、(態様A)乃至(態様F)のいずれかの用紙綴じ方法で、用紙束を綴じることを特徴とするものである。
これによれば、上記実施例1(乃至3)で説明したように、(態様A)乃至(態様F)のいずれかの用紙綴じ方法と同様な効果を奏することができる用紙綴じ装置を提供できる。
(態様H)
用紙Pなどの用紙上にトナーを用いて画像を形成する複合機500などの画像形成装置に接続され、該画像形成装置で画像形成した用紙束を綴じる用紙綴じ装置を備えた用紙後処理装置190などの用紙後処理装置において、前記用紙綴じ装置として、(態様G)の用紙綴じ装置121などの用紙綴じ装置を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態で説明したように、(態様G)の用紙綴じ装置と同様な効果を奏することができる用紙後処理装置を提供できる。
(態様I)
用紙束を綴じる用紙綴じ装置を備えた複合機500などの画像形成装置において、前記用紙綴じ装置として、(態様G)の用紙綴じ装置121などの用紙綴じ装置を備えたことを特徴とするものである。
これによれば、上記実施形態で説明したように、(態様G)の用紙綴じ装置と同様な効果を奏することができる画像形成装置を提供できる。
15 中間転写ベルト
19 二次転写装置
20 タンデム型画像形成部
23 二次転写ローラ
28 反転装置
30 原稿台
31 露光装置
34,35 支持ローラ
36 二次転写バックアップローラ
37 ベルトクリーニングユニット
38 画像形成ユニット
40 感光体ドラム
42 給紙ローラ
43 ペーパーバンク
44 給紙カセット
45 分離ローラ
46 給紙路(給紙テーブル)
47 搬送ローラ対(作像部、給紙テーブル)
48 給紙路(作像部)
49 レジストローラ対
55 切換爪
56 排紙ローラ対(作像部)
60 定着装置
62 一次転写装置
66 加熱ローラ
67 加圧ローラ
68 排出路(作像部)
70 現像装置
85 帯電装置
86 感光体クリーニング装置
100 作像部
120 用紙後処理部
121 用紙綴じ装置
130 加熱接着部
131 加熱ヘッド
132 離型コーティング
133 加熱パッド
134 支持部材
135 セラミックヒータ
136 シリコンゴム(加熱ヘッド)
137 断熱材
138 カム受け部材
139 接離カム
139a 接離カムモータ
141 加圧受け台
142 耐熱フィルム
143 シリコンゴム(加圧受け台)
144 基台
150 切欠き形成機構
151 押さえパット
151a ゴムシート
152 圧縮ばね
153 押さえ部材
154 スクリュー部材
155 スクリュ回転モータ
157 押さえ板ばね
160 切欠き形成部
161a 平板状切欠き形成部材
161b 円筒状切欠き形成部材
162 平板部材
163 蓋部材
164 用紙分離部材
165a カッター
165b 粒状部材
165c 突起部材
165d 金属ブラシ部材
166 接着層
167 円筒状部材
168 円筒回転モータ
169 飛散防止機構
169a 飛散防止ケース
169b フィルタ
169c 吸引ファン
171 ガイド部材
172 アーム
173 摺動カム
174 モータ軸
175 摺動モータ
181 第一搬送ローラ対
182 第一搬送ローラ対回転モータ
183 入口センサ
184 第二搬送ローラ対
185a 第二搬送ローラ対回転モータ
185b 第二搬送ローラ対離接モータ
186 レジストゲート
187 レジストゲート開閉モータ
190 用紙後処理装置
191 排出ローラ対
192 排出ローラ対回転モータ
193 積載トレイ
200 給紙テーブル
300 スキャナ
301 コンタクトガラス
303 第一走行体
304 第二走行体
305 結像レンズ
306 読取りセンサ
310 操作パネル
400 原稿自動搬送装置
500 複合機
P 用紙
T 接着トナー
M 切欠き形状部
特開昭49−133039号公報 実公平07−056209号公報 特開2007−121488号公報

Claims (9)

  1. 画像形成用のトナーを接着用トナーとして用い、重ね合わされた用紙束を綴じる用紙綴じ方法において、
    前記用紙束の前記接着用トナーを加熱する前に、
    先行して前記接着用トナーが定着された用紙、又は用紙束の前記接着用トナー部分に重ね合わされる、後続の用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することを特徴とする用紙綴じ方法。
  2. 請求項1に記載の用紙綴じ方法において、
    前記後続の用紙の前記用紙表面部分に突入するカッターと、突入した前記カッターと前記後続の前記用紙表面部分との分離を行う用紙分離構造とを有した平板状部材を、
    前記後続の用紙の搬送タイミングに合わせて、前記カッターが、前記後続の用紙の前記用紙表面部分に所定量だけ突入するように移動させた後、前記後続の前記表面部分から離間するように移動させて、前記後続の用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することを特徴とする用紙綴じ方法。
  3. 請求項1に記載の用紙綴じ方法において、
    前記後続の用紙の前記用紙表面部分に接触する部分の硬度が、前記後続の前記用紙表面部分を構成する用紙繊維の表面硬度より高硬度な、粒状体、突起形状体、又は金属ワイヤー体のいずれかから構成される高硬度部材を有した平板状部材を、
    前記高硬度体が前記後続の前記用紙表面部分に摺動するように移動させて、前記後続の前記用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することを特徴とする用紙綴じ方法。
  4. 請求項1に記載の用紙綴じ方法において、
    前記後続の用紙の前記用紙表面部分に接触する部分の硬度が、前記後続の前記用紙表面部分を構成する用紙繊維の表面硬度より高硬度な、粒状体、突起形状体、又は金属ワイヤー体のいずれかから構成される高硬度部材を外周面上に有した円筒状部材を、
    前記高硬度体が前記後続の前記用紙表面部分に相対速度差を持って摺動するように回転させて、前記後続の前記用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成することを特徴とする用紙綴じ方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一に記載の用紙綴じ方法において、
    前記先行して接着用トナーが定着される用紙上に、前記接着用トナーが転写される転写部を、前記用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状が形成された前記後続の用紙が通過しないことを特徴とする用紙綴じ方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一に記載の用紙綴じ方法において、
    前記後続の用紙の前記用紙表面部分の用紙繊維に切欠き形状を形成するときに、前記後続の用紙の前記用紙表面部分の近傍から周囲への、紙粉の飛散を抑制することを特徴とする用紙綴じ方法。
  7. 画像形成用のトナーを接着用トナーとして用いる用紙綴じ方法で、用紙束を綴じる用紙綴じ装置において、
    前記用紙綴じ方法として、請求項1乃至6のいずれか一の用紙綴じ方法で、用紙束を綴じることを特徴とする用紙綴じ装置。
  8. 用紙上にトナーを用いて画像を形成する画像形成装置に接続され、該画像形成装置で画像形成した用紙束を綴じる用紙綴じ装置を備えた用紙後処理装置において、
    前記用紙綴じ装置として、請求項7に記載の用紙綴じ装置を備えたことを特徴とする用紙後処理装置。
  9. 用紙束を綴じる用紙綴じ装置を備えた画像形成装置において、
    前記用紙綴じ装置として、請求項7に記載の用紙綴じ装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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