JP2015118980A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールの成形工程の追加や使用する部材サイズの大幅な変更を行うことなく、端部接着性が良好で耐湿性及び耐久性に優れた太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】少なくとも前面保護層(A)、封止材層(B)、及び背面保護層(C)を順に有し、かつ太陽電池素子が封止された太陽電池モジュールにおいて、該太陽電池モジュールの長辺Lが100mm以上であり、該太陽電池モジュールの短辺を長辺Lに対する端部とした場合の該端部からの面内方向への距離Mが0mm以上5mm以下の範囲における封止材層(B)の最大厚みdと、0.1L≰M≰0.5Lの範囲における封止材層(B)の平均厚みDとの厚み比d/Dが、0.70≰d/D≰1.0である太陽電池モジュールである。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関する。より詳細には、端部の接着性が良好であり、耐湿性及び耐久性に優れる太陽電池モジュールに関する。
太陽光発電は、近年、クリーンで、地球温暖化防止に役立つエネルギー源として非常に注目を集めており、既にかなりの普及が始まりつつある。この太陽光発電の代表として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等の半導体を使った太陽電池を挙げることができる。太陽電池は、半導体に太陽光が当たると電流を取り出せるという原理を実用化したものである。
一般的な太陽電池は、透明で強固なガラス基材や樹脂基材をフロント面とし、封止材と背面保護部材(バックシート)を用いて太陽電池素子を封止した太陽電池モジュールの外周部にシール材や金属フレームが取りつけられ、さらに配線や端子BOX等が接続された形態で使用される。
このような太陽電池モジュールでは、様々な屋外使用環境下において使用している太陽電池素子にダメージや絶縁性低下等が長期間にわたり発生しないことが重要であり、そのためには太陽電池モジュールの高温時及び低温時における耐湿性が要求される。さらには、封止材に含まれる成分による太陽電池素子や配線部への汚染及び腐食、モジュールにおける気泡や保護部材の膨れ等の外観不良が生じないことが好ましい。ここで、耐湿性に関してはモジュール側面からの水分の浸入による影響が大きく、特に他の部材と封止材との界面における接着性や密着性の不足に伴う水分浸入により太陽電池素子へのダメージや絶縁性低下等を生じるという問題があった。
これらの問題に対し、例えば特許文献1や特許文献2には、保護部材などにより側面を覆うように成形することで側面の機密性を高めた太陽電池モジュールが開示されている。これにより、特許文献2の図7で示されているような従来のモジュールに比べ、端部からの剥離や水分の浸入を抑制し、長期耐久性を向上させる手段が提案されている。
特開平10−233521号公報 特開2001−267596号公報
しかしながら特許文献1及び2では、太陽電池モジュールの形状や構成が従来の太陽電池モジュールとは大きく異なるため、成形工程の追加や使用部材サイズの変更が必要となる。加えてフレームや端子BOXなどの周辺部材に関しても特殊な構成への変更が必要となり、製造面や部材コスト等に課題を生じるおそれがある。
本発明の課題は、太陽電池モジュールの成形工程の追加や使用する部材サイズの大幅な変更を行うことなく、保護部材と封止材との端部接着性が良好で耐湿性及び耐久性に優れた太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、少なくとも前面保護層、封止材層、及び背面保護層を順に有し、かつ太陽電池素子が封止された太陽電池モジュールにおいて、該封止材層を特定の厚み比とした太陽電池モジュールが、良好な端部接着性を有し、耐湿性及び耐久性に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[8]に関する。
[1]少なくとも前面保護層(A)、封止材層(B)、及び背面保護層(C)を順に有し、かつ太陽電池素子が封止された太陽電池モジュールにおいて、該太陽電池モジュールの長辺Lが100mm以上であり、該太陽電池モジュールの短辺を長辺Lに対する端部とした場合の該端部からの面内方向への距離Mが0mm以上5mm以下の範囲における封止材層(B)の最大厚みdと、0.1L≦M≦0.5Lの範囲における封止材層(B)の平均厚みDとの厚み比d/Dが、0.70≦d/D≦1.0である、太陽電池モジュール。
[2]前記背面保護層(C)の動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率が2.0GPa以上である、上記[1]に記載の太陽電池モジュール。
[3]ASTM−2765−95で測定したキシレン不溶物の質量から算出される前記封止材層(B)のゲル分率が30%未満である、上記[1]又は[2]に記載の太陽電池モジュール。
[4]ASTM−2765−95で測定したキシレン不溶物の質量から算出される前記封止材層(B)のゲル分率が10%未満である、上記[1]又は[2]に記載の太陽電池モジュール。
[5]ASTM−2765−95で測定したキシレン不溶物の質量から算出される前記封止材層(B)のゲル分率が1%未満である、上記[1]又は[2]に記載の太陽電池モジュール。
[6]前記封止材層(B)がオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
[7]前記封止材層(B)の温度190℃、荷重21.18Nにおけるメルトフローレートが0.5〜20g/10分である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
[8]上記[1]〜[7]のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、少なくとも前面保護層(A)、封止材層(B)、太陽電池素子、及び背面保護層(C)を積層し積層体とする工程と、該積層体を真空吸引し、ラミネート温度100〜145℃、圧力30〜100kPaの条件でラミネートする工程とを有する、太陽電池モジュールの製造方法。
本発明によれば、太陽電池モジュールの成形工程の追加や使用部材サイズの大幅な変更を行うことなく、端部接着性が良好で耐湿性及び耐久性に優れる太陽電池モジュールを提供できる。
本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。 本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略平面図である。 端部剥離量の測定方法を示す概略図である。 接着性評価用試験サンプルの作製方法を示す概略図である。
以下、本発明の太陽電池モジュールの実施形態の例について説明する。但し、本発明の範囲は以下に説明する実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「主成分とする」とは、本発明の太陽電池モジュールの各部材を構成する樹脂の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、樹脂組成物の構成成分全体の50質量%以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であって100質量%以下の範囲を占める成分である。
[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、前面保護層(A)、封止材層(B)、及び背面保護層(C)を順に有し、かつ太陽電池素子が封止された太陽電池モジュールである。封止材層(B)は、太陽電池素子を保護する観点から、前面保護層(A)と背面保護層(C)との間に位置し、かつ太陽電池素子の少なくとも一方の面と接していればよい。このような太陽電池モジュールの構成としては、例えば、前面保護層(A)/封止材層(B)/太陽電池素子/背面保護層(C)という構成、前面保護層(A)/太陽電池素子/封止材層(B)/背面保護層(C)という構成、前面保護層(A)/封止材層(B1)/太陽電池素子/封止材層(B2)/背面保護層(C)という構成等が挙げられる。なお、封止材層(B)が前面保護層(A)側の封止材層と背面保護層(C)側の封止材層とから構成される場合において、前面保護層(A)側の封止材層を(B1)、背面保護層(C)側の封止材層を(B2)とし、(B1)と(B2)の積層構造全体を「封止材層(B)」と称する。また本明細書において、例えばA/B/Cの表記は、上から(又は下から)A、B、Cの順に積層していることを示す。
太陽電池素子を保護する観点からは、本発明の太陽電池モジュールは、前面保護層(A)/封止材層(B1)/太陽電池素子/封止材層(B2)/背面保護層(C)という構成であることが好ましい。
このような構成の太陽電池モジュールの概略断面図を図1に示す。図1において、本発明の太陽電池モジュール100は、太陽光受光側から順に、前面保護層(A)10、封止材層(B1)12A、太陽電池素子14A,14B、封止材層(B2)12B、背面保護層(C)16が積層されてなり、さらに、背面保護層(C)16の下面にジャンクションボックス18(太陽電池素子から発電した電気を外部へ取り出すための配線を接続する端子ボックス)が接着されてなる。太陽電池素子14A及び14Bは、発電電流を外部へ電導するために配線20により連結されている。配線20は、背面保護層(C)16に設けられた貫通孔(不図示)を通じて外部へ取り出され、ジャンクションボックス18に接続されている。
上記本発明の太陽電池モジュールは、長辺Lが100mm以上であり、該太陽電池モジュールの短辺を長辺Lに対する端部とした場合の該端部からの面内方向への距離Mが0mm以上5mm以下の範囲における封止材層(B)の最大厚みdと、0.1L≦M≦0.5Lの範囲における封止材層(B)の平均厚みDとの厚み比d/Dが、0.70≦d/D≦1.0であることを特徴とする。
図2は本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略平面図である。図2において、Lは太陽電池モジュール100の長辺であり、Aは太陽電池モジュールの短辺であり、かつ長辺Lに対する端部である。M1は端部Aから5mmの面内方向への距離を示す。
図2で示される範囲Xは、太陽電池モジュールの端部Aからの面内方向への距離Mが0mm以上5mm以下の範囲を示し、該範囲における封止材層(B)の最大厚みがdである。なお、通常、太陽電池モジュールの端部Aからの面内方向への距離Mが0mm以上5mm以下の範囲以外の部分に太陽電池素子や配線が配置される。
また、端部Aからの面内方向への距離Mが0.1L≦M≦0.5Lの範囲とは、太陽電池モジュール100の一方の端部(短辺)からの面内方向への距離Mが0.1L以上0.5L以下の範囲、及び他方の端部(短辺)からの面内方向への距離Mが0.1L以上0.5L以下の範囲を合計した範囲を意味し、具体的には図2のYで示される範囲である。該範囲における封止材層(B)の平均厚みがDである。
上記最大厚みd及び平均厚みDは、モジュール断面の光学顕微鏡観察により観察、測定することができ、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。平均厚みDは、図2のYで示される範囲において一方の端部より0.1L、0.3L、0.5L、0.7L、0.9Lの位置における厚みを測定した場合の平均値である。
本発明の太陽電池モジュールにおいては、封止材層(B)の上記最大厚みdと平均厚みDとの厚み比d/Dが0.70≦d/D≦1.0である。厚み比d/Dが0.70未満であると、モジュール端部の接着性が不十分であり、該モジュールは耐湿性及び耐久性に劣るものとなる。また厚み比d/Dが1.0超であると、前面保護層(A)、封止材層(B)、及び背面保護層(C)の各層間の接着性が低下し、また封止材層(B)の内部に気泡が生じやすいなどの問題が生じる。
厚み比d/Dを上記範囲に調整することで本発明の効果が得られる理由については、封止材層の厚みが高い状態で維持されることで、剥離しやすいモジュール端部においても、封止材の変形等により生じる接着界面に対する局所的な負荷が低減して、接着強度が維持できるためと考えられる。
モジュールの端部接着性を向上させ、耐湿性及び耐久性に優れる太陽電池モジュールを得る観点から、厚み比d/Dは、好ましくは0.75以上、より好ましくは0.78以上、さらに好ましくは0.80以上である。また、各層間の接着性を向上させる観点から、厚み比d/Dは、好ましくは0.98以下、より好ましくは0.95以下、さらに好ましくは0.90以下である。
次に、封止材層(B)の厚み比d/Dの制御方法について説明する。封止材層(B)の厚み比d/Dの制御方法には特に制限はないが、(1)太陽電池モジュールの製造において、前面保護層(A)、封止材層(B)、太陽電池素子、及び背面保護層(C)を積層してラミネートする工程で、少なくともラミネート温度、好ましくはラミネート温度及びラミネート時の圧力を調整する方法が挙げられる。更に、(2)背面保護層(C)として、動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率が2.0GPa以上の背面保護層を用いる方法、(3)封止材層(B)として、実質的に架橋していない封止材層を用いる方法、及び(4)封止材層(B)のメルトフローレート(MFR)を調整する方法から選ばれる少なくとも1つの方法と、前記(1)の方法とを併用するのがより好ましい。
上記(1)〜(4)については、以下の各部材、及び太陽電池モジュールの製造方法の記載においてそれぞれ詳述する。
次に、本発明の太陽電池モジュールに用いる各部材について説明する。
(前面保護層(A))
本発明に用いられる前面保護層(A)としては、特に制限されるものではないが、例えば、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂及びフッ素含有樹脂などの板材や、前記樹脂などの単層もしくは多層のフィルムが挙げられる。ガラス板材については、白板ガラス、強化ガラス、倍強化ガラス、熱線反射ガラス及び白板強化ガラスなどが挙げられるが、一般的には、厚み3〜5mm程度の白板強化ガラスが用いられる。本発明においては、経済性や力学強度などの点から、ガラス板材、また、軽量性や加工性などの点からアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂の厚みが5mm程度の板材が好適に用いられる。ガラス板材としては、太陽光の利用効率を高める観点から、表面にエンボス加工を施したエンボスガラスも好適である。
(封止材層(B))
本発明に用いられる封止材層(B)は、太陽電池素子を封止し、保護する目的で、前面保護層(A)と背面保護層(C)との間に設けられる。前述したように、封止材層(B)は太陽電池素子の少なくとも一方の面と接しており、これにより太陽電池素子が封止される。
本発明に用いられる封止材層(B)は、後述する厚み比を満足すれば特に制限されるものではない。具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、アイオノマー(IO)及びポリビニルブチラール(PVB)などを主成分とする封止材層が挙げられるが、本発明においては、オレフィン系重合体、特に、下記の(b1)〜(b4)の各々に示されるオレフィン系重合体の少なくとも1種を主成分とする封止材層が好適に用いられる。ここで、封止材層(B)の主成分としては、得られる封止材層の柔軟性、フィッシュアイ(ゲル)の少なさ、回路の腐食性物質(酢酸など)の少なさ及び経済性などの観点から(b1)又は(b2)に示されるものが好ましく、中でも低温特性に優れる点で(b1)に示されるものがより好ましい。
(b1)
(b1)は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。これらの共重合形式(ランダム、ブロックなど)、分岐、分岐度分布や立体構造には特に制限がなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれらの混在した構造の重合体とすることができる。ここで、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1などが例示される。
工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンが好適に用いられる。また、透明性や柔軟性などの観点からエチレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エチレンと共重合するα−オレフィンの含有量としては、特に制限されるものではないが、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(b1)中の全単量体単位に対して、炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位が、通常、2モル%以上、好ましくは2〜40モル%、より好ましくは3〜30モル%、さらに好ましくは5〜25モル%である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難いため好ましい。なお、エチレンと共重合する単量体の種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(b1)は、α−オレフィン以外の単量体に基づく単量体単位を含有していてもよい。該単量体としては、例えば、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物(スチレンなど)、ポリエン化合物などが挙げられる。該単量体単位の含有量は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(b1)中の全単量体単位を100モル%とした場合、好ましくは20モル%以下であり、より好ましくは15モル%以下である。
また、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(b1)の立体構造、分岐、分岐度分布や分子量分布は、特に制限されるものではないが、例えば、長鎖分岐を有する共重合体は、一般に機械物性が良好であるなどの利点がある。
本発明に用いられるエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(b1)のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、モジュールの端部接着性を得るために封止材層(B)の厚みを所定の範囲に制御する観点、太陽電池素子(セル)を封止する時の密着性や回り込み易さの観点からは、通常、MFR(JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.18N)が、0.1〜100g/10分程度、好ましくは0.2〜50g/10分、より好ましくは0.5〜50g/10分、さらに好ましくは0.5〜30g/10分である。
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(b1)の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が採用できる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒や、メタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法など、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法などが挙げられる。本発明においては、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さや原料ペレットのブロッキング防止などの観点から低分子量成分が少なく分子量分布の狭い原料が重合できるシングルサイト触媒を用いた重合方法が好適である。
本発明に用いられるエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(b1)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解熱量は、0〜70J/gであることが好ましい。該範囲内であれば、得られる封止材の柔軟性や透明性(全光線透過率)などが確保される。また、夏場など高温状態での原料ペレットのブロッキングの起こり難さを考慮すると、該結晶融解熱量は、好ましくは5〜70J/gであり、より好ましくは10〜65J/gである。
上記の結晶融解熱量は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7122に準じて加熱速度10℃/分で測定することができる。
本発明に用いられるエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(b1)の具体例としては、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「エンゲージ(Engage)」、「アフィニティー(Affinity)」、「インフューズ(Infuse)」、エクソンモービル(株)製の商品名「エグザクト(Exact)」、三井化学(株)製の商品名「タフマーH(TAFMER H)」、「タフマーA(TAFMER A)」、「タフマーP(TAFMER P)」、LG化学(株)の商品名「LUCENE」、日本ポリエチレン(株)製の商品名「カーネル(Karnel)」などを例示することができる。
(b2)
(b2)は、プロピレンと該プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体、あるいはプロピレンの単独重合体である。但し、これらの共重合形式(ランダム、ブロックなど)、分岐、分岐度分布や立体構造には特に制限がなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれらの混在した構造の重合体とすることができる。
プロピレンと共重合可能な他の単量体としては、エチレンや1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテンなどの炭素数4〜12のα−オレフィン及びジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネンなどのジエン類などが例示される。
本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点から、プロピレンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレンや1−ブテンが好適に用いられる。また、透明性や柔軟性などの観点からプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。プロピレンと共重合する単量体は1種のみを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、プロピレンと共重合可能な他の単量体の含有量としては、特に制限されるものではないが、プロピレンと該プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体(b2)中の全単量体単位に対して、プロピレンと共重合可能な他の単量体に基づく単量体単位が、通常、2モル%以上、好ましくは2〜40モル%、より好ましくは3〜30モル%、さらに好ましくは5〜25モル%である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより透明性が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難いため好ましい。なお、プロピレンと共重合可能な他の単量体の種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
本発明に用いられる(b2)のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、モジュールの端部接着性を得るために封止材層(B)の厚みを所定の範囲に制御する観点、太陽電池素子(セル)を封止する時の密着性や回り込み易さの観点からは、通常、MFR(JIS K7210、温度:210℃、荷重:21.18N)は、0.5〜100g/10分程度、好ましくは、2〜50g/10分、より好ましくは3〜30g/10分である。
本発明に用いられるプロピレンと該プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体、あるいはプロピレンの単独重合体である(b2)の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が採用できる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法など、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法などが挙げられる。本発明においては、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さや原料ペレットのブロッキング防止などの観点から低分子量成分が少なく分子量分布の狭い原料が重合できるシングルサイト触媒を用いた重合方法が好適である。
本発明に用いられる(b2)の具体例としては、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体やプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などが挙げられ、具体的な商品としては、三井化学(株)製の商品名「タフマーXM(TAFMER XM)」、「ノティオ(NOTIO)」、住友化学(株)商品名「タフセレン(TAFFCELLEN)」、(株)プライムポリマー製の商品名「プライムTPO(PRIME TPO)」、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「バーシファイ(VERSIFY)」、エクソンモービル(株)製の商品名「ビスタマックス(VISTAMAXX)」などを例示することができる。
(b3)
(b3)は、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンと脂肪族不飽和カルボン酸とからなる共重合体の金属塩(好ましい金属はZn、Na、K、Li、Mgなどである)である。
具体的な商品としては、三井化学(株)製の商品名「ハイミラン(HIMILAN)」、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「アンプリファイIO(AMPLIFY IO)」などを例示することができる。
(b4)
(b4)は、エチレンと、酢酸ビニルエステル、脂肪族不飽和カルボン酸及び脂肪族不飽和モノカルボン酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1つの単量体とからなるエチレン系共重合体である。
具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びエチレン−メタクリル酸エステル共重合体などが挙げられる。ここで、該エステル成分としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの炭素数1〜8のアルコールのエステルが挙げられる。本発明においては、上記2成分の共重合体に制限されることなく、さらに第3の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと脂肪族不飽和カルボン酸及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体など)であってもよい。ここで、共重合体中の全単量体単位に対して、エチレンと共重合される単量体単位の含有量は、通常5〜35質量%である。
封止材層(B)は、単層あるいは積層構成であるが、封止材層に要求される特性をバランスよく達成させるため、積層構成であることが好ましい。ここで、封止材層に一般的に要求される特性としては、太陽電池素子を保護するための柔軟性や耐衝撃性、太陽電池モジュールが発熱した際の耐熱性、太陽電池素子へ太陽光が効率的に届くための透明性(全光線透過率など)、各種被着体(ガラスや背面保護層など)への接着性、耐久性、寸法安定性、難燃性、水蒸気バリア性、経済性などが挙げられる。中でも柔軟性、耐熱性及び透明性のバランス、経済性が重要視される。
(オレフィン系重合体の結晶融解ピーク温度)
封止材層(B)は、上述した(b1)〜(b4)のオレフィン系重合体を主成分とする樹脂組成物からなることが好ましい。
上記主成分とするオレフィン系重合体の結晶融解ピーク温度(Tm)は、100℃未満であることが好ましいが、結晶融解ピーク温度を発現しない、すなわち非晶性の重合体も適用可能である(以下、非晶性の重合体を含めて、結晶融解ピーク温度が100℃未満のオレフィン系重合体という)。原料ペレットのブロッキングなどを考慮すると、該結晶融解ピーク温度が30〜95℃であることが好ましく、45〜80℃であることがより好ましく、50〜80℃であることがさらに好ましい。
また、封止材層(B)の柔軟性を重視すると、結晶融解ピーク温度(Tm)が100℃未満のオレフィン系重合体に結晶融解ピーク温度(Tm)が100℃以上のオレフィン系重合体を混合して用いることが好ましい。混合するオレフィン系重合体の結晶融解ピーク温度(Tm)の上限値は、特に制限されるものではないが、太陽電池素子(セル)の熱劣化や太陽電池モジュール作製時のラミネート温度を考慮すると145℃程度である。本発明においては、太陽電池モジュールを作製する際のラミネート温度を低温化でき、太陽電池素子(セル)を熱劣化させにくいことから、混合するオレフィン系重合体の結晶融解ピーク温度(Tm)の上限値は130℃であることが好ましく、125℃であることがより好ましい。
封止材層(B)が積層構成である場合には、結晶融解ピーク温度が100℃未満のオレフィン系重合体に結晶融解ピーク温度が100℃以上のオレフィン系重合体を混合して用いる層を少なくとも1層有することが好ましく、積層構成において構成比率が最大の層が前記の層であることがより好ましい。
ここで、該結晶融解ピーク温度の参考値としては、汎用の高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)が130〜145℃程度、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)や直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が100〜125℃程度、汎用のホモポリプロピレン樹脂が165℃程度、汎用のプロピレン−エチレンランダム共重合体が130〜140℃程度である。上記の結晶融解ピーク温度は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7121に準じて加熱速度10℃/分で測定することができる。
封止材層(B)は、上述したように結晶融解ピーク温度が100℃未満のオレフィン系重合体と、結晶融解ピーク温度が100℃以上のオレフィン系重合体とを含有する樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有することが好ましい。
上記樹脂組成物中における両オレフィン系重合体の含有量は、特に制限されるものではないが、得られる封止材層の柔軟性、耐熱性、透明性などを考慮すると、両オレフィン系重合体の混合(含有)質量比(結晶融解ピーク温度が100℃未満のオレフィン系重合体/結晶融解ピーク温度が100℃以上のオレフィン系重合体)は、好ましくは99〜50/1〜50、より好ましくは98〜60/2〜40、さらに好ましくは97〜70/3〜30、特に好ましくは97〜80/3〜20、最も好ましくは97〜90/3〜10である。但し、両オレフィン系重合体の合計を100質量部とする。混合(含有)質量比が上記範囲内であれば、柔軟性、耐熱性、透明性などのバランスに優れた封止材層となりやすいため好ましい。
封止材層(B)に混合する結晶融解ピーク温度が100℃以上のオレフィン系重合体は、所望の特性を考慮し適宜選択すればよいが、本発明においては、耐熱性、柔軟性及び低温特性などのバランスに優れることから、以下に記載するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体等を用いることができる。
〈エチレン−α−オレフィンブロック共重合体〉
上記エチレン−α−オレフィンブロック共重合体のブロック構造は、特に制限されるものではないが、柔軟性、耐熱性、透明性などのバランス化の観点から、コモノマー含有率、結晶性、密度、結晶融解ピーク温度(Tm)、又はガラス転移温度(Tg)の異なる2つ以上のセグメント又はブロックを含有するマルチブロック構造であることが好ましい。具体的には、完全対称ブロック、非対称ブロック、テーパードブロック構造(ブロック構造の比率が主鎖内で漸増する構造)などが挙げられる。該マルチブロック構造を有する共重合体の構造や製造方法については、国際公開第2005/090425号パンフレット(WO2005/090425)、国際公開第2005/090426号パンフレット(WO2005/090426)、及び国際公開第2005/090427号パンフレット(WO2005/090427)などで詳細に開示されているものを採用することができる。
次に、前記マルチブロック構造を有するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体について、以下、詳細に説明する。
該マルチブロック構造を有するエチレン−α−オレフィンブロック共重合体は、本発明において好適に使用でき、α−オレフィンとして1−オクテンを共重合成分とするエチレン−オクテンマルチブロック共重合体が好ましい。該ブロック共重合体としては、エチレンに対してオクテン成分が多く(約15〜20モル%)共重合されたほぼ非晶性のソフトセグメントと、エチレンに対してオクテン成分が少なく(約2モル%未満)共重合された結晶融解ピーク温度が110〜145℃である高結晶性のハードセグメントが、各々2つ以上存在するマルチブロック共重合体が好ましい。これらのソフトセグメントとハードセグメントの連鎖長や比率を制御することにより、柔軟性と耐熱性を両立することができる。
該マルチブロック構造を有する共重合体の具体例としては、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「インフューズ(Infuse)」が挙げられる。
本発明に用いる封止材層(B)の表面には、ハンドリング性やエア抜きのし易さと共に各種被着体(ガラスや背面保護層及び太陽電池など)への接着性等、太陽電池モジュール用封止材としての重要な機能が要求される。このため、本発明においては封止材層(B)として、上述した(b1)〜(b4)に、後述するシランカップリング剤を添加したものや、下記のシラン変性エチレン系樹脂を混合した樹脂組成物が好適に用いられる。封止材層(B)が積層構成である場合には、上述した(b1)〜(b4)にシラン変性エチレン系樹脂を混合した樹脂組成物からなる層を少なくとも1層有することが好ましい。また、封止材層(B)が2層以上の封止材層から構成される場合は、太陽電池素子及びガラスとの接触面側の層が前記の層であることがより好ましい。例えば前面保護層(A)がガラスである場合には、前面保護層(A)側の封止材層(B1)が前記の層であることが好ましい。
(シラン変性エチレン系樹脂)
本発明において用いられるシラン変性エチレン系樹脂としては、通常、ポリエチレン系樹脂とビニルシラン化合物及びラジカル発生剤を高温(160℃〜220℃程度)で溶融混合し、グラフト重合させることにより得ることができる。
〈ポリエチレン系樹脂〉
上記ポリエチレン系樹脂としては、特に制限されるものではないが、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、又は直鎖状低密度ポリエチレンが挙げられる。これらは1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、特に、前記(b1)で挙げたエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を好ましく使用することができる。
本発明においては、透明性や柔軟性が良好となることから密度が低いポリエチレン系樹脂が好適に用いられる。具体的には、密度が0.850〜0.930g/cm3の低密度ポリエチレン系樹脂が好ましく、密度が0.870〜0.920g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレンがより好ましい。また、低密度ポリエチレン系樹脂と高密度ポリエチレン系樹脂を組み合わせて用いることができる。組み合わせて用いることで、透明性や柔軟性と耐熱性のバランスが比較的容易に調整できる。
〈ビニルシラン化合物〉
ビニルシラン化合物としては、上記ポリエチレン系樹脂とグラフト重合するものであれば特に制限されるものではないが、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン及びビニルトリカルボキシシランが挙げられる。これらビニルシラン化合物は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、反応性、接着性や色調などの観点からビニルトリメトキシシランが好適に用いられる。
また、該ビニルシラン化合物の添加量は、特に制限されるものではないが、用いるポリエチレン系樹脂100質量部に対し、通常、0.01〜10.0質量部程度であり、好ましくは0.3〜8.0質量部、より好ましくは1.0〜5.0質量部である。
〈ラジカル発生剤〉
ラジカル発生剤としては、特に制限されるものではないが、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサンなどのヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−パーオキシ)ヘキシン−3などのジアルキルパーオキサイド類;ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3などのパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類などの有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物などが挙げられる。これらラジカル発生剤は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ラジカル発生剤の添加量は、特に制限されるものではないが、用いるポリエチレン系樹脂100質量部に対し、通常、0.01〜5.0質量部程度であり、好ましくは0.02〜1.0質量部であり、より好ましくは0.03〜0.5質量部である。さらに、ラジカル発生剤の残存量は、本発明に用いる封止材層(B)を構成する樹脂組成物中に0.001質量%以下であることが好ましい。このようなラジカル発生剤が樹脂組成物中に残存することにより、加熱によりゲル化を起こすことがある。また、ゲル化は、封止材層中のラジカル発生剤の存在ばかりでなく、封止材層を製造する際にも一部ゲル化したものが混入することがあるが、ゲル化は、封止材層の流動性を妨げ、太陽電池モジュールの信頼性を損なうものであることから、ゲル化は少ない方がよい。したがって、本発明に用いる封止材層(B)を構成する樹脂組成物のゲル分率が30%未満であることが好ましく、10%未満であることがより好ましく、5%未満であることがさらに好ましく、0%であることが特に好ましい。
本発明の封止材層(B)は、シラノール間の縮合反応を促進するシラノール縮合触媒を実質的に含有していないことが好ましい。該シラノール縮合触媒の具体例としては、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレートなどが挙げられる。
ここで、実質的に含有していないとは、封止材層(B)を構成する樹脂組成物100質量部に対して、通常0.05質量部以下、好ましくは0.03質量部以下、より好ましくは0.00質量部である。
シラノール縮合触媒を実質的に含有していないことが好ましい理由は、本発明においては、シラノール架橋反応を積極的に進行させず、用いるポリエチレン系樹脂にグラフトされたシラノール基などの極性基と被着体(ガラス、各種プラスチックシート(コロナ処理などの表面処理を適宜施し、濡れ指数が50mN/m以上のものが好適に用いられる)、金属など)との水素結合や共有結合などの相互作用により接着性を発現させるためである。
本発明に用いられるシラン変性エチレン系樹脂の具体例としては、三菱化学(株)製の商品名「リンクロン(LINKLON)」を例示することができる。
(添加剤)
本発明に用いる封止材層(B)を構成する樹脂組成物には、必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。該添加剤としては、例えば、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、光拡散剤、放熱剤、造核剤、顔料(例えば、酸化チタン、カーボンブラックなど)、難燃剤、変色防止剤などが挙げられる。本発明においては、封止材層(B)を構成する樹脂組成物が、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び耐候安定剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤を含むことが、後述する理由などから好ましい。
また、本発明においては、封止材層(B)を構成する樹脂組成物に架橋剤や架橋助剤を添加する必要はないが、添加することを排除するものではなく、例えば、高度の耐熱性を要求される場合は架橋剤及び/又は架橋助剤を配合することができる。
〈シランカップリング剤〉
シランカップリング剤は、封止材層(B)の保護材(前面保護層(A)、背面保護層(C)など)や太陽電池素子などに対する接着性を向上させるのに有用であり、その例としては、ビニル基、アクリロキシ基、メタクリロキシ基のような不飽和基、アミノ基、エポキシ基などとともに、アルコキシ基のような加水分解可能な基を有する化合物を挙げることができる。
シランカップリング剤としては、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。これらシランカップリング剤は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、接着性が良好であり、黄変などの変色が少ないことなどから、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく用いられる。
該シランカップリング剤の添加量は、封止材層(B)を構成する樹脂組成物100質量部に対し、通常、0.1〜5質量部程度であり、好ましくは、0.2〜3質量部である。また、シランカップリング剤と同様に、有機チタネート化合物などのカップリング剤も有効に活用できる。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、種々の市販品が適用でき、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、硫黄系、ホスファイト系など各種タイプのものを挙げることができる。
モノフェノール系としては、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノールなどを挙げることができる。ビスフェノール系としては、2,2v−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス〔{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,9,10−テトラオキサスピロ〕5,5−ウンデカンなどが例示できる。
高分子型フェノール系としては、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロール(ビタミンE)などが例示できる。
硫黄系としては、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネートなどが例示できる。
ホスファイト系としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(モノ及び/又はジ)フェニルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイトなどが例示できる。
上記酸化防止剤は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、酸化防止剤の効果、熱安定性、経済性などからモノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系などのフェノール系及びホスファイト系の酸化防止剤が好ましく用いられ、両者を組み合わせて用いることがさらに好ましい。
該酸化防止剤の添加量は、封止材層(B)を構成する樹脂組成物100質量部に対し、通常、0.1〜1質量部程度であり、好ましくは、0.2〜0.5質量部である。
〈紫外線吸収剤〉
紫外線吸収剤としては、種々の市販品が適用でき、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系など各種タイプのものを挙げることができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5− クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが例示できる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが例示できる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノールなどが例示できる。
サリチル酸エステル系としては、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが例示できる。
上記紫外線吸収剤は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記紫外線吸収剤の添加量は、封止材層(B)を構成する樹脂組成物100質量部に対し、通常、0.01〜2.0質量部程度であり、好ましくは、0.05〜0.5質量部である。
〈耐候安定剤〉
上記の紫外線吸収剤以外に耐候性を付与する耐候安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定化剤が好適に用いられる。ヒンダードアミン系光安定化剤は、紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用することによって著しい相乗効果を示す。ヒンダードアミン系以外にも光安定化剤として機能するものはあるが、着色している場合が多く本発明に用いる封止材層(B)には好ましくない。
ヒンダードアミン系光安定化剤としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などが例示できる。上記ヒンダードアミン系光安定化剤は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
該ヒンダードアミン系光安定化剤の添加量は、封止材層(B)を構成する樹脂組成物100質量部に対し、通常、0.01〜0.5質量部程度であり、好ましくは、0.05〜0.3質量部である。
封止材層(B)が前述の前面保護層(A)側の封止材層(B1)と、背面保護層(C)側の封止材層(B2)とから構成される場合には、(B1)と(B2)には同一の樹脂組成物を用いてもよく、異なる種類の樹脂組成物を用いてもよい。
背面保護層(C)側に用いる封止材層(B2)は、太陽電池素子の裏側に位置するため前面保護層(A)側に用いる封止材層(B1)よりも透明性(全光線透過率)があまり重視されない場合がある。また、封止材層(B2)に白色顔料を含有させ、太陽電池モジュールの前面保護層側から入射した光が、その一部につき太陽電池素子を透過した場合にも、その光が反射されて太陽電池素子に再入射し、光を有効に利用することを主目的に、光反射性を付与することも好ましい形態である。さらに、黒色化、青色化を始めとする各種着色による遮光性付与により太陽電池モジュールの意匠性、装飾性を向上することができる。
ここで、白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機化合物などを挙げることができる。これらの白色顔料は、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明においては、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウムが好適に用いることができ、特に、酸化チタンが少量の添加で効率よく光反射性を付与できることから好ましく用いられる。
光反射によって発電効率を向上させるためには、一般的な太陽電池の吸収強度のある500〜700nmにおける反射率の平均値が、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明においては、封止材層(B)は実質的に架橋していないことが好ましい。ここで、封止材層(B)が実質的に架橋していないとは、ASTM−2765−95で測定したキシレン不溶物の質量から算出される封止材層(B)のゲル分率が30%未満であることを意味する。封止材層(B)のゲル分率は、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、さらに好ましくは1%未満である。
封止材層(B)が架橋している場合には、例えば、予備加熱等により架橋の程度を調整することによって封止材層(B)の流動性を制御し、その後にさらにラミネート温度やラミネート時の圧力等のラミネート条件を調整することにより封止材層(B)の厚み比d/Dを調整することができる。これに対し実質的に架橋していない封止材層(B)では上記した架橋の程度の調整を必要とせず、また、封止材層(B)に用いられる樹脂組成物が架橋剤等の揮発性成分を含有していないので、アウトガスの発生も少ないため、太陽電池素子や配線部の汚染及び腐食が生じにくく、モジュールにおける気泡の発生や保護層の膨れ等もなく、外観特性に優れた太陽電池モジュールとすることができる。
封止材層(B)の柔軟性は、特に制限されるものではなく、適用される太陽電池の形状や厚み、設置場所などを考慮して適宜調整することができる。
例えば、封止材層(B)の動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)が1〜2000MPaであることが好ましい。太陽電池素子の保護や柔軟性、ハンドリング性やシート表面同士のブロッキング防止、あるいは太陽電池モジュールにおける軽量化(通常3mm程度に対して、薄膜ガラス(1.1mm程度)が適用可能、あるいはガラスレスの構成が適用可能)などを考慮すると、5〜500MPaであることがより好ましく、5〜300MPaであることが更に好ましい。
該貯蔵弾性率(E’)は、粘弾性測定装置を用いて、振動周波数10Hzで所定温度範囲を測定し、温度20℃における値を求めることで得られる。
封止材層(B)の耐熱性は、用いるオレフィン系重合体の諸特性(結晶融解ピーク温度、結晶融解熱量、MFR、分子量など)により影響され、これらを適宜選択することで調整することができるが、特に、オレフィン系重合体の結晶融解ピーク温度と分子量が強く影響する。一般的に、太陽電池モジュールは発電時の発熱や太陽光の輻射熱などで85℃程度まで昇温することがあるが、該結晶融解ピーク温度が100℃以上であれば、本発明に用いる封止材層(B)の耐熱性を確保することができるため好ましい。
また、封止材層(B)のMFR(JIS K7210、温度:190℃、荷重:21.18N)は、0.1〜20g/10分程度であり、好ましくは0.2〜10g/10分、より好ましくは0.5〜5g/10分である。封止材層(B)のMFRが上記範囲であると、封止材層(B)の厚み比d/Dを所望の範囲に制御しやすく、端部接着性が良好で耐湿性及び耐久性に優れる太陽電池モジュールとすることができる。
本発明に用いる封止材層(B)の全光線透過率(JIS K7105)は、適用する太陽電池の種類、例えばアモルファスの薄膜系シリコン型などや太陽電子素子に届く太陽光を遮らない部位に適用する場合には、あまり重視されないこともあるが、太陽電池の光電変換効率や各種部材を重ね合わせる時のハンドリング性などを考慮し、85%以上であることが好ましく、88%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。
本発明に用いる封止材層(B)の柔軟性、耐熱性及び透明性については背反特性になり易い。具体的には、柔軟性を向上させるために用いる樹脂組成物の結晶性を低下させ過ぎると、耐熱性が低下し不十分となる。一方、耐熱性を向上させるために用いる樹脂組成物の結晶性を向上させ過ぎると、透明性が低下し不十分となる。
これらのバランスを考慮すると、柔軟性の指標として動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)、耐熱性の指標としてオレフィン系重合体について示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される結晶融解ピーク温度、及び透明性の指標として全光線透過率を用いた場合、柔軟性、耐熱性及び透明性のいずれも満足させるためには、上記3つの指標が、貯蔵弾性率(E’)が1〜2000MPa、結晶融解ピーク温度が100℃以上、全光線透過率85%以上であることが好ましく、貯蔵弾性率(E’)が5〜500MPa、結晶融解ピーク温度が102〜150℃、全光線透過率85%以上であることがより好ましく、貯蔵弾性率(E’)が5〜300MPa、結晶融解ピーク温度が105〜130℃、全光線透過率88%以上であることがさらに好ましい。
<封止材の製造方法>
次に、封止材層(B)に用いる封止材の製造方法について説明する。当該封止材は、上述の樹脂組成物からなり、封止材層(B)が前述の前面保護層(A)側の封止材層(B1)と、背面保護層(C)側の封止材層(B2)とから構成される場合には、封止材層(B1)、(B2)としてそれぞれ用いられるものである。
封止材の形状は、限定されるものではなく、液状であっても、シート状であってもよいが、取り扱い性の観点からシート状であるのが好ましい。
シート状の封止材の製膜方法としては、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの溶融混合設備を有し、Tダイを用いる押出キャスト法、カレンダー法やインフレーション法などを採用することができ、特に制限されるものではないが、本発明においては、ハンドリング性や生産性などの面からTダイを用いる押出キャスト法が好適に用いられる。Tダイを用いる押出キャスト法での成形温度は、用いる樹脂組成物の流動特性や製膜性などによって適宜調整されるが、概ね130〜300℃、好ましくは150〜250℃である。
封止材の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.03mm以上、好ましくは0.05mm以上、より好ましくは0.1mm以上であり、かつ、通常1mm以下、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下である。
シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤などの各種添加剤は、予め樹脂とともにドライブレンドしてからホッパーに供給してもよいし、予め全ての材料を溶融混合してペレットを作製してから供給してもよい。また、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給することもできる。また、シート状で得られた封止材の表面及び/又は裏面には、必要に応じて、シートを巻物とした場合のシート同士のブロッキング防止や太陽電池素子のラミネート工程でのハンドリング性やエア抜きのし易さ向上などの目的のためエンボス加工や種々の凹凸(円錐や角錐形状や半球形状など)加工を行うことができる。
また、各種被着体への接着性を向上させる目的で、表面にコロナ処理やプラズマ処理及びプライマー処理などの各種表面処理を行うことができる。ここで、表面処理量の目安としては、濡れ指数で50mN/m以上であることが好ましく、52mN/m以上であることがより好ましい。濡れ指数の上限値は一般的に70mN/m程度である。
本発明に用いる封止材は、単層あるいは積層構成であるが、以下に例示するような封止材に要求される特性をバランスよく達成させるため、組成内容や組成比が異なる複数の層からなる積層構成が好ましく、さらには、その際に押出機を用いて多層ダイにより共押出する積層構成であることが好ましい。
上記複数の層からなる積層構成としては、少なくとも、後述する軟質層及び硬質層を有する積層構成が挙げられ、例えば、次のような積層構成が好適に用いられる。
なお、本明細書において、例えばA/B/Cの表記は、上から(又は下から)A、B、Cの順に積層していることを示す。
(1)2種3層構成;具体的には、軟質層/硬質層/軟質層、硬質層/軟質層/硬質層、接着層/硬質層/接着層、接着層/軟質層/接着層、軟質層/再生添加層/軟質層など、
(2)2種2層構成;具体的には、軟質層/硬質層、軟質層(I)/軟質層(II)、接着層/軟質層、接着層/硬質層、軟質層(添加剤含む)/軟質層(添加剤含まず)、軟質層(添加剤Aを含む)/軟質層(添加剤Bを含む)(添加剤処方が異なる)など、
(3)3種3層構成;具体的には、軟質層/接着層/硬質層、軟質層(I)/硬質層/軟質層(II)、軟質層(I)/軟質層/軟質層(II)、接着層(I)/硬質層/接着層(II)、接着層(I)/軟質層/接着層(II)など、
(4)3種5層構成;具体的には、軟質層/接着層/硬質層/接着層/軟質層、硬質層/接着層/軟質層/接着層/硬質層、軟質層/再生添加層/硬質層/再生添加層/軟質層及び軟質層/再生添加層/硬質層/再生添加層/硬質層などが挙げられる。
本発明においては、柔軟性と耐熱性及び透明性のバランスと経済性の観点から、軟質層/硬質層/軟質層、硬質層/軟質層/硬質層、接着層/硬質層/接着層、接着層/軟質層/接着層、軟質層/再生添加層/軟質層などに代表される(1)2種3層構成が好適に用いられる。上記(1)の2種3層構成の中でも、特に、接着層/軟質層/接着層又は軟質層/再生添加層/軟質層が好ましい。
なお、中間層とは、封止材の厚さを増すためや所望の性能を向上させるなどの観点から設けられ、例えばオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から形成される層である。
再生添加層とは、経済合理性や資源の有効活用などの観点から設けられ、例えば封止材の製膜やスリット加工などの際に生じるトリミング(耳)を再生添加した樹脂組成物から形成される層である。
接着層とは、隣接する層同士や被着体などへの接着性を向上させる観点から設けられ、例えばカルボキシル基、アミノ基、イミド基、水酸基、エポキシ基、オキサゾリン基、チオール基及びシラノール基などの極性基で変性された樹脂や粘着付与樹脂などを含有する樹脂組成物から形成される層である。
上記添加剤としては、シランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、光拡散剤、放熱剤、造核剤、顔料、難燃剤、変色防止剤、架橋剤及び架橋助剤などが挙げられる。
ここで、軟質層とは、動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率(E’)が、好ましくは100MPa未満、より好ましくは5〜50MPaの層であり、硬質層とは、貯蔵弾性率(E’)が、好ましくは100MPa以上、より好ましくは200〜800MPaの層である。上記(1)の2種3層構成の中でも、特に、接着層/軟質層/接着層が好適に用いられる。このような積層構成を採用することにより、太陽電池素子の保護性と前面保護層及び背面保護層との接着性の両立が比較的容易に実現することができるため好ましい。
太陽電池素子に密着する軟質層の厚みは、特に制限されるものではないが、太陽電池素子の保護性や樹脂の回り込み性などを考慮すると、0.005mm以上であることが好ましく、0.02〜0.6mmであることがより好ましい。なお、上記軟質層の各々の厚みは、同一でも異なっていてもよい。また、硬質層の厚みは、特に制限されるものではないが、封止材全体としてのハンドリング性の点から、0.025mm以上であることが好ましく、0.05〜0.8mmであることがより好ましい。
本発明に用いられる封止材をシート状に作製する際に、さらに別の基材フィルム(例えば、延伸ポリエステルフィルム(OPET)、延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)やエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)及びアクリル系などの各種耐候性フィルムなど)と押出ラミ、共押出やサンドラミなどの方法で積層することができる。
上記封止材からなる封止材層(B)と各種層を積層することにより、ハンドリング性の向上や積層比に応じて必要な特性や経済性などを比較的容易に調整することができる。
(太陽電池素子)
本発明に用いられる太陽電池素子は、特に制限されるものではないが、一般的に少なくとも一面は封止材層(B)と密着して配置され配線されるものである。
例えば、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型、アモルファスシリコン型、ガリウム−砒素、銅−インジウム−セレン、銅−インジウム−ガリウム−セレン、カドミウム−テルルなどのIII−V族やII−VI族化合物半導体型、色素増感型、有機薄膜型などが挙げられる。本発明においては、単結晶シリコン型及び多結晶シリコン型の太陽電池が好適に用いられる。
(背面保護層(C))
本発明に用いる背面保護層(C)は、特に制限されるものではないが、封止材層(B)の厚み比を特定の範囲に制御する観点から、動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率が2.0GPa以上であることが好ましい。背面保護層(C)の貯蔵弾性率が2.0GPa以上であれば、前面保護層(A)、封止材層(B)及び背面保護層(C)を積層してラミネートした際にも変形が少なく、封止材層(B)がモジュールの外部に流出し、封止材層(B)の厚み比d/Dが0.70未満となることを抑制できる。背面保護層(C)の当該貯蔵弾性率は、好ましくは2.2GPa以上、より好ましくは2.5GPa以上、さらに好ましくは3.0GPa以上である。
背面保護層(C)の動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率の上限値には特に制限はないが、通常5.0GPa以下である。
背面保護層(C)としては、具体的には、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)など)、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)など)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、各種α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)及びエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)など)、環状オレフィン系樹脂(COP、COCなど)、ポリスチレン系樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA)及びシンジオタクチックポリスチレン(SPS)など)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)及びバイオポリマー(ポリ乳酸、イソソルバイド系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリエステル系ポリマー及びポリオレフィン系ポリマーなど)などの電気絶縁性を有する材料によって形成された基材シート(又は、基材フィルム)が挙げられる。
本発明においては、封止材層(B)との接着性、機械的強度、耐久性、経済性などの観点からポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂及びフッ素系樹脂が基材シートの材料として好適に用いられる。 ここで、基材シート又は基材フィルムの製造方法は、特に制限されるものではないが、代表的には、押出キャスト法、延伸法、インフレーション法及び流延法などが挙げられる。
また、基材シートには、ハンドリング性や耐久性及び光反射性などの向上あるいは経済性などを目的として、必要に応じて、他の樹脂や種々の添加剤を混合することができる。該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、光拡散剤、造核剤、顔料(例えば酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラックなど)、難燃剤、変色防止剤、加水分解防止剤、放熱剤などが挙げられる。
さらに、基材シートの表面及び/又は裏面には、ハンドリング性や接着性及び耐久性などを向上させるため、必要に応じて、エンボス加工や各種処理(コロナ処理、プラズマ処理など)及びコーティング(フッ素系樹脂コーティング、加水分解防止コーティング、ハードコーティングなど)などを行うことができる。
基材シートは単層でも2層以上からなる積層体でもよい。
本発明に用いる背面保護層(C)は、前記基材シートに更にバリア層や接着層等の機能層を積層した構成であってもよく、背面保護層(C)に要求される特性をバランスよく達成させるため、積層構成であることが好ましい。
背面保護層(C)に一般的に要求される特性としては、封止材層(B)との接着性、機械的強度、耐久性(耐候性、耐加水分解特性など)、光反射性、水蒸気バリア性、難燃性、意匠性、経済性及びラミネート後の外観などが挙げられ、中でも結晶シリコン系太陽電池モジュールの場合には、封止材との接着性、機械的強度、耐久性、経済性及びラミネート後の外観が重要視される。
本発明に用いる背面保護層(C)は、これらの特性をバランスよく達成させるため、次のような積層構成が好適に用いられる。ここで、後述する接着層とは、主に背面保護層(C)の各層間の接着性を向上させる層であり、特に制限されるものではないが、例えば、ポリウレタン系接着剤やポリエステル系接着剤又は極性基で変性された樹脂などを好適に用いることができる。また、後述する易接着層とは、主に封止材との接着性を向上させる層であり、特に制限されるものではないが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体やポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂などを好適に用いることができる。
(1)フッ素系樹脂層/接着層/ポリエステル樹脂層/接着層/易接着層(封止材側);具体的には、PVF/接着層/二軸延伸PET/接着層/EVA、PVF/接着層/二軸延伸PET/接着層/PE、PVF/接着層/二軸延伸PET/接着層/PP、ETFE/接着層/二軸延伸PET/接着層/EVA、ETFE/接着層/二軸延伸PET/接着層/PE、ETFE/接着層/二軸延伸PET/接着層/PPなどが挙げられる。
(2)ポリエステル樹脂層/接着層/ポリエステル樹脂層/接着層/易接着層(封止材側);具体的には、二軸延伸PET(耐加水分解処方)/接着層/二軸延伸PET/接着層/EVA、二軸延伸PET(耐加水分解処方)/接着層/二軸延伸PET/接着層/PE、二軸延伸PET(耐加水分解処方)/接着層/二軸延伸PET/接着層/PP、(表面コーティング)二軸延伸PET/接着層/二軸延伸PET/接着層/易接着層などが挙げられる。
(3)ポリエステル樹脂層/接着層/易接着層(封止材層(B)側);具体的には、二軸延伸PET(耐加水分解処方)/接着層/EVA、二軸延伸PET(耐加水分解処方)/接着層/PE、二軸延伸PET(耐加水分解処方)/接着層/PP、(表面コーティング)二軸延伸PET/接着層/易接着層などが挙げられる。
上記(1)〜(3)の接着層は必要に応じて配置するものであり、接着層のない構成とすることもできる。また、水蒸気バリア性を重要視する場合には、例えば、前記した二軸延伸PET(耐加水分解処方)/接着層/二軸延伸PET/接着層/PE構成において、二軸延伸PET(耐加水分解処方)/接着層/各種蒸着層(SiOx、アルミナなど)/二軸延伸PET/接着層/二軸延伸PET/接着層/PEなどの構成を用いることができる。
易接着層の結晶融解ピーク温度(Tm)は、一般的に、80℃以上、165℃以下である。本発明においては、封止材(D)との接着性や経済性及び太陽電池モジュールの外観、易接着層自体の耐熱性などの観点から、易接着層の結晶融解ピーク温度(Tm)は、下限値は95℃が好ましく、100℃がより好ましい。一方、上限値は140℃が好ましく、125℃がより好ましい。
本発明に用いる背面保護層(C)の総厚みは、特に制限されるものではなく、所望する性能を考慮して適宜選択すればよいが、概ね50μm以上、600μm以下、好ましくは150μm以上、400μm以下である。また、絶縁破壊電圧1kV以上を満足させるためには、200μm以上であることが好ましく、250μm以上であることがより好ましい。
[太陽電池モジュールの製造方法]
本発明の太陽電池モジュールの製造方法において、各部材をラミネートする際のラミネート温度は、通常、100〜170℃であり、太陽電池素子(セル)の熱劣化を防止し、かつ太陽電池モジュールの端部接着性を良好にするため、好ましくは100〜145℃、より好ましくは100〜140℃である。
本発明において、「ラミネート温度」とは、前面保護層(A)、封止材層(B)、太陽電池素子、及び背面保護層(C)を重ね合わせ、ラミネートする際のラミネーターの設定温度であり、すなわち、ラミネーター装置内の熱源の温度である。ラミネート温度が100℃以上であれば前面保護層(A)や背面保護層(C)との接着性が得られるので好ましい。一方、145℃以下であれば、太陽電池素子の熱劣化を抑制するとともに、モジュールの端部接着性を良好にできるため好ましい。また、ラミネートを他の特性を考慮してできるだけ短時間(例えば、真空吸引時間3〜10分、加圧時間1〜10分など)で行うことも効果的である。
なお、熱源を両側に有するラミネーターを使用する場合には、ラミネートする際に温度が高い熱源(以下、「高温熱源」ということがある)の温度は、特に限定されるものではないが、通常100〜170℃程度であり、好ましくは100〜145℃、より好ましくは100〜140℃である。また、ラミネートする際に温度が低い熱源の温度は、前記高温熱源の温度より低ければ、特に制限されるものではない。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法としては、上記ラミネート温度以外は公知の製造方法が適用でき、特に制限されるものではないが、少なくとも前面保護層(A)、封止材層(B)、太陽電池素子、及び背面保護層(C)を積層し積層体とする工程と、積層体の層間の気泡を除去するために該積層体を真空吸引し、封止材層(B)を構成する樹脂を軟化するために必要に応じ5〜10分予熱(真空予熱)した後、ラミネート温度100〜145℃、圧力30〜100kPaの条件でラミネート(加熱圧着)する工程を有することが好ましい。なお、ラミネート時の加圧時間は通常1〜30分程度である。上記製造方法を適用することにより、太陽電池素子の熱劣化を防止するとともに、封止材層(B)の厚み比d/Dを所望の範囲に制御し、端部接着性が良好で耐湿性・耐久性に優れる太陽電池モジュールを得ることができる。また、バッチ式の製造設備やロール・ツー・ロール式の製造設備なども適用することができる。
本発明の太陽電池モジュールは、適用される太陽電池のタイプとモジュール形状により、モバイル機器に代表される小型太陽電池、屋根や屋上に設置される大型太陽電池など屋内、屋外に関わらず各種用途に適用することができる。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例及び比較例により本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本実施例における背面保護層(バックシート)、封止材、及び太陽電池モジュールについての種々の物性の測定及び評価は次のようにして行った。
<結晶融解ピーク温度(Tm)、結晶融解熱量(ΔHm)の測定>
封止材の結晶融解ピーク温度(Tm)および結晶融解熱量(ΔHm)は、JIS K7121に準拠し、示差走査熱量計((株)パーキンエルマー製、商品名:Pyris1 DSC)を用いて測定した。試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温して加熱し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した。得られたサーモグラムから結晶融解ピーク温度(Tm)、結晶融解熱量(ΔHm)及び100℃以上の結晶融解熱量(ΔHm(≧100℃))(J/g)を求めた。
<ゲル分率の測定>
本発明における実施例および比較例において作製したモジュールの封止材層のゲル分率は、ASTM−2765−95に基づいて封止材をキシレンの沸点にてソックスレー抽出した後に、キシレン不溶分の質量%を測定することにより求めた。
<貯蔵弾性率の測定>
本発明に用いた封止材及びバックシートの20℃における貯蔵弾性率(E‘)は、動的粘弾性測定装置(アイティ計測(株)製、商品名:粘弾性スペクトロメーターDVA−200)により測定周波数10Hz、測定温度−50℃〜150℃、歪み0.1%、チャック間25mm、昇温速度3℃/分、引張モードによりTD方向について測定した。
<MFRの測定>
封止材層を構成する封止材、及び封止材を構成する樹脂のMFR(g/10分)は、JIS K7210に準拠して、温度:190℃、荷重:21.18Nの条件で測定した。
<端部剥離量の測定>
図3に示すように、実施例及び比較例において作製したモジュール100の背面保護層16側の四隅のうちの一角に、背面保護層用部材(バックシート)より作製した10mm幅×75mm長さの持ち手(図3の30)を取り付け、恒温恒湿槽内で温度85℃、85%RHの条件下で1週間静置した。その後、モジュールを取り出し、持ち手にプルゲージを取り付けて10kgfの荷重により180°剥離を実施し、モジュール端部からの最大剥離量を、金尺を用いて計測した。また、この時の剥離量について次の判定基準により評価した。
◎:ガラスと封止材層との剥離量が10mm未満
○:ガラスと封止材層との剥離量が10mm以上、15mm未満
×:ガラスと封止材層との剥離量が15mm以上
<封止材層の厚み比の測定>
各実施例及び比較例で使用した前面保護層用部材(150mm×150mmのエンボスガラス)、封止材、及び背面保護層用部材(バックシート)と、離型フィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:フルオロージュ)を用いて、エンボスガラス/離型フィルム/封止材/セル/封止材/バックシートの順に積層した。これを各実施例及び比較例に記載の条件でラミネートして、試験用サンプルを得た。試験用サンプルの周辺部をトリミングしてエンボスガラスからのはみ出し部分を除去し、さらにエンボスガラス及び離型フィルムを取り除いて、封止材/セル/封止材/バックシートからなる積層体を得た。
この積層体を短手の中央部から2つに切断し、光学顕微鏡観察により各々の切断面2か所において、積層体端部からの距離が5mmまでの範囲における、2層の封止材で構成された封止材層の最大厚みdを測定した。また、一方の端部からの距離が15mm(=0.1L)、45mm(=0.3L)、75mm(=0.5L)、105mm(=0.7L)、及び135mm(=0.9L)の5か所において、セル部分の厚みを除いた封止材層の合計厚みを合計10点測定し、この平均値を平均厚みDとした。上記値から、厚み比(d/D)を算出した。
<接着性評価>
図4(a)に示すように、各実施例及び比較例で用いたエンボスガラス、封止材、バックシート並びに離型フィルムを用いて、エンボスガラス101/離型フィルム401/封止材121A/封止材121B/バックシート161の順に積層した後に、各実施例及び比較例の条件でラミネートして積層体200を作製した(図4(b))。図4(b)は積層体200の断面模式図である。次に、図4(b)の積層体200から離型フィルムを取り除いて積層体300とした((図4(c))。積層体300において、封止材121A/封止材121B/バックシート161の離型フィルムを取り除いた側の端部をZとし、図4(d)に示すように、積層体300に10mm間隔で切り込みを入れて封止材121A/封止材121B/バックシート161をカットし(図4(d)の破線部)、幅10mmの試験サンプル501を5本作製した。試験サンプル501は、Zの反対側の端部からの距離が70mm±10mmの範囲において、エンボスガラス101に接着した状態である。試験サンプル501の端部Zが掴みしろになるように、万能引張試験機(インテスコ社製、型式:200X)を用いて剥離試験(180°剥離、テストスピード50mm/分)を行った。剥離試験のチャートにおいて最大値(最大接着強度)を読み取り、エンボスガラスと封止材との接着性を次の基準で評価した。
<接着性の評価基準>
○:最大接着強度が40N/10mm幅以上であった。
×:最大接着強度が40N/10mm幅未満であった。
<アウトガス測定>
アウトガス測定には、GC−MS装置((株)島津製作所製、型式(GC):GC−17A、型式(GC−MS):GCMS−QP5050A)とヘッドスペースサンプラー(日本分析工業(株)製、型式:JTD−505III)を用いた。実施例及び比較例にて作製したモジュールに用いた封止材層部を、ダブルショット法により10mm×10mmに切り出したサンプルを用いて、150℃で5分間加熱した際のアウトガスを検出し、スペクトルからアウトガス成分を解析した。またアウトガス成分のカウント数からアウトガス発生量を算出した。アウトガス量を表2に示す。
なお、アウトガス量が少ないほどモジュールの温度上昇時における気泡の発生や保護層の膨れ等が少なく、外観性に優れる太陽電池モジュールとなる。
<封止材1の作製>
封止材1は(I)層/(II)層/(I)層の順に積層されてなる2種3層構成である。(I)層として、表1に示す組成の樹脂組成物(C−1)を、(II)層として、表1に示す組成の樹脂組成物(C−2)をそれぞれ用いて、(I)層/(II)層/(I)層の順に積層されてなるように、同方向二軸押出機を用いたTダイ法にて樹脂温度180〜200℃で共押出成形した後、20℃のキャストエンボスロールで急冷製膜し、総厚み450μmの封止材1((I)層/(II)層/(I)層=45μm/360μm/45μm)を得た。また、得られた封止材1を用いて前述のとおり評価を行った。結果を表2に示す。
<封止材2の作製>
封止材2は(I)層/(II)層/(I)層の順に積層されてなる2種3層構成である。(I)層として、表1に示す組成の樹脂組成物(C−3)を、(II)層として、表1に示す組成の樹脂組成物(C−4)をそれぞれ用いて、(I)層/(II)層/(I)層の順に積層されてなるように、同方向二軸押出機を用いたTダイ法にて樹脂温度180〜200℃で共押出成形した後、20℃のキャストエンボスロールで急冷製膜し、総厚み450μmの封止材2((I)層/(II)層/(I)層=45μm/360μm/45μm)を得た。また、得られた封止材2を用いて前述のとおり評価を行った。結果を表2に示す。
<封止材3の作製>
封止材3は(I)層/(II)層/(I)層の順に積層されてなる2種3層構成である。(I)層として、表1に示す組成の樹脂組成物(C−5)を、(II)層として、表1に示す組成の樹脂組成物(C−6)をそれぞれ用いて、(I)層/(II)層/(I)層の順に積層されてなるように、同方向二軸押出機を用いたTダイ法にて樹脂温度180〜200℃で共押出成形した後、20℃のキャストエンボスロールで急冷製膜し、総厚み450μmの封止材3((I)層/(II)層/(I)層=45μm/360μm/45μm)を得た。また、得られた封止材3を用いて前述のとおり評価を行った。結果を表2に示す。
表1に示す樹脂成分の詳細を以下に示す。
PE−1:エチレン−オクテンランダム共重合体(三井化学(株)製「タフマーH5030S」、MFR:5g/10分、Tm:59℃、ΔHm:56J/g、ΔHm(≧100℃):0J/g)
PE−2:エチレン−オクテンブロック共重合体(ダウ・ケミカル(株)製「インフューズ 9100」、MFR:0.5g/10分、Tm:119℃、ΔHm:45J/g、ΔHm(≧100℃):41J/g)
PE−3:エチレン−オクテンランダム共重合体(ダウ・ケミカル(株)製「アフィニティーEG8100」、MFR:1g/10分、Tm:59℃、ΔHm:62J/g、ΔHm(≧100℃):0J/g)
SiR−1:シラン変性ポリエチレン系共重合体(三菱化学(株)製「リンクロンSL800N」、MFR:1.5g/10分、Tm:54℃及び116℃、ΔHm:45J/g、ΔHm(≧100℃):5J/g)
SiR−2:シラン変性ポリエチレン系共重合体(三菱化学(株)製「リンクロンXLE815N」、MFR:0.5g/10分、Tm:122℃、ΔHm:22J/g、ΔHm(≧100℃):106J/g)
<実施例1>
前面保護層には150mm×150mmのエンボスガラス(旭硝子(株)製、商品名:ソライト、t=3.2mm)を、封止材には153mm×160mmにカットした封止材1を、背面保護層には172mm×170mmのバックシート(TAIFLEX社製、商品名:Solmate TPE、厚み:300μm、以下「BS−1」と略記)を用いた。エンボスガラス/封止材1/セル/封止材1/バックシートの順に積層した後に、130℃において真空予熱5分、加圧5分、圧力100kPaの条件により真空ラミネートして、太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<実施例2>
前面保護層には150mm×150mmのエンボスガラス(旭硝子(株)製、商品名:ソライト、t=3.2mm)を、封止材には153mm×160mmにカットした封止材2を、背面保護層には172mm×170mmのバックシート(BS−1)を用いた。エンボスガラス/封止材2/セル/封止材2/バックシートの順に積層した後に130℃において真空予熱5分、加圧5分、圧力100kPaの条件により真空ラミネートして、太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<実施例3>
真空ラミネート時の温度を140℃に変更したこと以外は、実施例2と同様の方法で太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<実施例4>
封止材2を封止材3に変更したこと以外は、実施例3と同様の方法で太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<実施例5>
前面保護層には150mm×150mmのエンボスガラス(旭硝子(株)製、商品名:ソライト、t=3.2mm)を、封止材には153mm×160mmにカットした封止材1を、背面保護層には172mm×170mmのバックシート(TAIFLEX社製、商品名:Solmate VTPE、厚み380μm、以下「BS−2」と略記)を用いた。エンボスガラス/封止材1/セル/封止材1/バックシートの順に積層した後に140℃において真空予熱5分、加圧5分、圧力100kPaの条件により真空ラミネートして、太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<実施例6>
真空ラミネート時の加圧時間を10分に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<実施例7>
真空ラミネート時の温度を140℃、圧力を30kPaに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<実施例8>
前面保護層には150mm×150mmのエンボスガラス(旭硝子(株)製、商品名:ソライト、t=3.2mm)を、封止材には153mm×160mmにカットしたEVA(ブリヂストン(株)製、商品名:EVASKY S11)を、背面保護層には172mm×170mmのバックシート(BS−1)を用いた。エンボスガラス/EVA/セル/EVA/バックシートの順に積層した後に140℃において真空予熱10分、加圧10分、圧力30kPaの条件により真空ラミネートして、その後160℃で15分熱処理を行うことにより太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。封止材層(EVA)の評価結果、及びこのモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<比較例1>
真空ラミネート時の温度を160℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<比較例2>
真空ラミネート時の温度を140℃に変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<比較例3>
前面保護層には150mm×150mmのエンボスガラス(旭硝子(株)製、商品名:ソライト、t=3.2mm)を、封止材には153mm×160mmにカットした封止材2を、背面保護層には172mm×170mmのバックシート(Isovolta社製 商品名:ICOSOLAR AAA、厚み;365μm、以下「BS−3」と略記)を用いた。エンボスガラス/封止材2/セル/封止材2/バックシートの順に積層した後に140℃において真空予熱5分、加圧5分、圧力100kPaの条件により真空ラミネートして、太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。このモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
<比較例4>
前面保護層には150mm×150mmのエンボスガラス(旭硝子(株)製、商品名:ソライト、t=3.2mm)を、封止材には153mm×160mmにカットしたEVA(ブリヂストン(株)製、商品名:EVASKY S11)を、背面保護層には172mm×170mmのバックシート(BS−1)を用いた。エンボスガラス/EVA/セル/EVA/バックシートの順に積層した後に160℃において真空予熱5分、加圧15分、圧力100kPaの条件によりラミネートして、太陽電池モジュール(L=150mm)を得た。封止材層(EVA)の評価結果、及びこのモジュールにおける各種評価結果を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、本発明の太陽電池モジュールは、端部剥離量が小さく(実施例1〜8)、前面及び背面保護層と封止材層との端部接着性が良好である。したがって、吸湿による発電効率低下が生じにくく、長期耐久性に優れた太陽電池モジュールを実現できるものである。さらに、実施例1〜7の太陽電池モジュールはアウトガス等の発生も少ない結果となった。したがって、外部環境下での温度上昇などにおける膨れ等の外観異常や配線、太陽電池素子へのダメージが生じにくいモジュールが実現できる。一方、本発明の要件を満足しない太陽電池モジュールでは端部剥離量が大きい結果となった(比較例1〜4)。
本発明によれば、太陽電池モジュールの成形工程の追加や使用部材サイズの大幅な変更を行うことなく、端部接着性が良好で耐湿性及び耐久性に優れる太陽電池モジュールを提供できる。
10・・・前面保護層(A)
12・・・封止材層(B)
12A・・封止材層(B1)
12B・・封止材層(B2)
14A,14B・・・太陽電池素子
16・・・背面保護層(C)
18・・・ジャンクションボックス
20・・・配線
30・・・持ち手
100・・太陽電池モジュール
101・・エンボスガラス
121A、121B・・封止材
161・・バックシート
200、300・・積層体
401・・離型フィルム
501・・接着性評価用試験サンプル

Claims (8)

  1. 少なくとも前面保護層(A)、封止材層(B)、及び背面保護層(C)を順に有し、かつ太陽電池素子が封止された太陽電池モジュールにおいて、該太陽電池モジュールの長辺Lが100mm以上であり、該太陽電池モジュールの短辺を長辺Lに対する端部とした場合の該端部からの面内方向への距離Mが0mm以上5mm以下の範囲における封止材層(B)の最大厚みdと、0.1L≦M≦0.5Lの範囲における封止材層(B)の平均厚みDとの厚み比d/Dが、0.70≦d/D≦1.0である、太陽電池モジュール。
  2. 前記背面保護層(C)の動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率が2.0GPa以上である、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. ASTM−2765−95で測定したキシレン不溶物の質量から算出される前記封止材層(B)のゲル分率が30%未満である、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. ASTM−2765−95で測定したキシレン不溶物の質量から算出される前記封止材層(B)のゲル分率が10%未満である、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  5. ASTM−2765−95で測定したキシレン不溶物の質量から算出される前記封止材層(B)のゲル分率が1%未満である、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記封止材層(B)がオレフィン系樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記封止材層(B)の温度190℃、荷重21.18Nにおけるメルトフローレートが0.5〜20g/10分である、請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の太陽電池モジュールの製造方法であって、少なくとも前面保護層(A)、封止材層(B)、太陽電池素子、及び背面保護層(C)を積層し積層体とする工程と、該積層体を真空吸引し、ラミネート温度100〜145℃、圧力30〜100kPaの条件でラミネートする工程とを有する、太陽電池モジュールの製造方法。
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