JP2015118197A - 位相差観察装置 - Google Patents

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Kazuhiko Kajiyama
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Abstract

【課題】アーティファクトが少なく位相差を定量的に観察可能であって、簡易に製造可能な位相差観察装置を提供する。【解決手段】位相差観察装置は、光源からの光を被照射面に導く照明光学系と、照明光学系の内部に設けられ、複数の開口が形成された開口部と、被照射面からの光を集光する結像光学系と、結像光学系の内部に設けられ、複数の複素振幅変調領域を含む複素振幅変調部とを有し、複数の開口および複数の複素振幅変調領域は、照明光学系または結像光学系の光軸を中心として放射状に延びている。【選択図】図2

Description

本発明は、位相差観察装置に関する。
従来から、無染色の細胞に代表される位相物体(試料)を観察するため、位相差顕微鏡や暗視野顕微鏡が用いられている。一般的な位相差顕微鏡では、照明光学系に輪帯状の開口が形成されており、試料を照明した後の直接光に対して、対物レンズ内に配置された複素振幅変調領域でλ/4の位相差を与える。これにより、直接光と回折光との干渉によるコントラストの高い像を得ることができる。しかし、このような位相差顕微鏡では、位相差量の大きい試料を観察すると、背景と試料との境界にハロと呼ばれる光が生じる。ハロが生じると、背景と試料との境界の細かい構造がハロに埋もれてしまい、良好な観察が困難となる。
特許文献1には、対物レンズ内に配置された複素振幅変調領域の幅を小さくして多重輪帯とすることにより、ハロの影響を低減するように構成された位相差顕微鏡が開示されている。このような構成により、ハロの主要因である、直接光と低次の回折光とが共に複素振幅変調領域を通過する割合を減少させることができる。
また従来から、照明光学系からの直接光が対物レンズに入射しないように、照明光学系の開口数を大きくし、位相物体からの回折光のみで像を取得する暗視野顕微鏡が知られている。しかし、従来の暗視野顕微鏡では、高次の回折光のみで位相物体を結像しているため、位相物体の境界だけが強調されたような像が形成される。このため、定性的な観察を行うことは可能であっても、定量的な観察を行うことができない。
特許文献2には、対物レンズ内に配置された複数の微小な矩形遮光領域により照明光学系からの直接光を遮光し、低次の回折光についても結像に寄与するように構成された暗視野顕微鏡が開示されている。
特開2000−10013号公報 特開平9−189520号公報
しかし、特許文献1に開示された位相差顕微鏡の構成では、対物レンズの光軸を中心として径方向に複数の複素振幅変調領域が設けられているため、アーティファクトを生じやすくなる。アーティファクトが生じると、無染色の細胞を観察する際に問題となる。
また、特許文献2に開示された暗視野顕微鏡の構成では、遮光領域が微小であるため製造誤差や調整誤差の影響が無視できず、顕微鏡の製造が困難となる。
そこで本発明は、アーティファクトが少なく位相差を定量的に観察可能であって、簡易に製造可能な位相差観察装置を提供する。
本発明の一側面としての位相差観察装置は、光源からの光を被照射面に導く照明光学系と、前記照明光学系の内部に設けられ、複数の開口が形成された開口部と、前記被照射面からの光を集光する結像光学系と、前記結像光学系の内部に設けられ、複数の複素振幅変調領域を含む複素振幅変調部とを有し、前記複数の開口および前記複数の複素振幅変調領域は、前記照明光学系または前記結像光学系の光軸を中心として放射状に延びている。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、アーティファクトが少なく位相差を定量的に観察可能であって、簡易に製造可能な位相差観察装置を提供することができる。
比較例としての位相差顕微鏡のシミュレーション結果である。 本実施形態における位相差観察装置の構成図である。 本実施形態における別の複素振幅変調領域CAMおよび開口IAの構成図である。 一般的な位相差顕微鏡のシミュレーション結果(比較例)である。 実施例1における位相差観察装置のシミュレーション結果である。 実施例2における位相差観察装置のシミュレーション結果である。 一般的な暗視野顕微鏡のシミュレーション結果(比較例)である。 実施例3における位相差観察装置のシミュレーション結果である。 実施例4における位相差観察装置のシミュレーション結果である。 実施例4における位相差観察装置のシミュレーション結果である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を参照して、比較例としての位相差観察装置(位相差顕微鏡)について説明する。図1は、位相差顕微鏡のシミュレーション結果(比較例)である。図1のシミュレーション結果は、対物レンズの試料側の開口数NAを0.2とし、波長λを0.55μmとして得られた結果である。また、試料は直径20μm程度の細胞を想定し、背景との位相差がλ/10となるように設定されている。また、複素振幅変調領域CAMは、位相をλ/4、強度を50%にそれぞれ変調している。複素振幅変調領域CAMおよび照明光学系の開口IAは互いに相似の形状を有する。
図1(a)の上段および下段は、多重輪帯の複素振幅変調領域CAMおよび開口IAをそれぞれ示している。図1(b)は、シミュレーションの二次元画像(物体像)を示している。図1(c)は、図1(b)の物体像を横切る断面図であり、縦軸は像の強度を示している。図1(c)からわかるように、像にはアーティファクトarが生じており、無染色の細胞を観察する上で問題となる。
続いて、図2を参照して、本実施形態における位相差観察装置(位相差顕微鏡)について説明する。図2(a)は、位相差観察装置10の構成図である。
100は、光源である。101は、光源100からの光を被照射面(試料103)に導く照明光学系である。102は、照明光学系101の内部に設けられ、複数の開口IAが形成された開口絞り102(開口部)である。開口絞り102に形成された複数の開口IAは、光源100から出射した光を制限する。これにより、光源100から出た光は、複数の開口IAにより制限されて試料103を照明する。本実施形態において、好ましくは、開口絞り102として可変開口絞りが用いられる。可変開口絞りを用いることにより、コントラストや分解能を変更することができる。本実施形態において使用される光として、可視光または近赤外光(例えば、波長0.4μm〜1.1μm)が用いられる。
104は、被照射面(試料103)からの光を集光する対物レンズ(結像光学系)である。105は、対物レンズ104の内部に設けられ、複数の複素振幅変調領域CAM(光変調領域)を含む複素振幅変調部(光変調部)である。複数の複素振幅変調領域CAMは、複数の開口IAからの直接光の位相または強度を変調するように構成されている。被照射面(試料103)からの光は、対物レンズ104の内部に配置された複素振幅変調部105を通過して、撮像素子106に結像する。撮像素子106により得られたデータは、画像処理系107に出力される。画像処理系107は、撮像素子106からの出力信号に対して画像処理を行い、画像情報を生成する。
図2(b)、(c)は、それぞれ、対物レンズ104内に配置された複素振幅変調部105の複素振幅変調領域CAM、および、照明光学系101内に設けられた開口IAを光軸AXの方向から見た図である。図2(b)に示されるように、複素振幅変調領域CAMは、光軸AXを中心として放射状に延びた形状を有する。好ましくは、複素振幅変調領域CAMは、光軸AXを中心とした円(光軸AXに直交する面内における円)の周方向(矢印Cの方向)の長さよりも円の径方向(矢印Rの方向)の長さが長い形状を有する。本実施形態において、複素振幅変調領域CAMは、例えば光軸AXを中心として角度αで放射状に延びた形状(扇状)を有する。また好ましくは、複数の複素振幅変調領域CAMおよび複数の開口IAは互いに共役な位置に配置されており、互いに相似の形状(または相似に近い形状)を有する。また好ましくは、製造誤差を考慮し、開口IAは複素振幅変調領域CAMの形状(または、複素振幅変調領域CAMと相似な形状)よりも小さい形状に設定される。
複素振幅変調部105の複素振幅変調領域CAMは、照明光学系101からの光の位相や強度を変調するように構成されている。例えば、複素振幅変調領域CAMは、平行平板上に成膜または切削するなどにより、位相差λ/4を与えるか、または、減光、遮光するなど(または、これらの組み合わせ)を行うように構成されている。
本実施形態において、複素振幅変調部105は、輪帯幅Wn=W/(NA×f)とするとき、以下の条件式(1)を満たすように設定されることが好ましい。
Wn≦0.012×λ/NA … (1)
ここで、Wは光軸AXを中心とする円の周方向に複素振幅変調領域CAMを横切る幅(最軸外の幅)である。fは被照射面(試料103)から複素振幅変調領域CAMまでのレンズ104aの合成焦点距離(レンズ合成焦点距離)である。また、λ(μm)は光源100からの光の最大波長、NAは対物レンズ104の試料103側(被照射面側)の開口数である。
また、図2(a)に示されるように、対物レンズ104の光軸AXを中心として放射状に延びた複素振幅変調領域CAMの角度ピッチをpとするとき、以下の条件式(2)を満たすことが好ましい。
p≦60° … (2)
条件式(1)における輪帯幅Wnは、対物レンズ104の瞳径(NA×f)で規格化された幅Wである。また、照明光による物体の回折角をθとし、エアリーディスクの第一暗環により決定されるとする。本実施形態において、想定している物体直径dは20μmであるため、回折角θは、以下の式(3)のように表される。
2sinθ=2.44×λ/d≒0.12×λ … (3)
このとき、対物レンズ104の瞳面上での回折光の広がりは(2sinθ×f)で表される。このため、対物レンズ104の瞳径(NA×f)で規格化した回折光の広がりDは、以下の式(4)のように表される。式(4)で表される値は、条件式(1)の右辺に対応している。
D=(2sinθ×f)/(NA×f)
=0.12×λ/NA … (4)
このように条件式(1)を満たすことにより、直接光および低次の回折光の双方が複素振幅変調領域CAMを通過する光量を低減することができる。このため、ハロやアーティファクトを低減することが可能となる。また、条件式(2)を満たすことにより、複素振幅変調領域CAMの数を増加させることができる。このため、それぞれの複素振幅変調領域CAMにより形成された像が重なり合い、アーティファクトを低減することが可能となる。
更に、条件式(1a)を満たすことがより好ましい。
Wn≦0.06×λ/NA … (1a)
本実施形態では、図2(b)、(c)に示されるように、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAのそれぞれの形状を、光軸AXを中心として放射状に延びた扇状としている。ただし本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、図3(a)、(b)に示されるように、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAのそれぞれの形状を、光軸AXを中心として放射状に延びた矩形状としてもよい。また、各々の複素振幅変調領域CAMの形状、または、各々の開口IAの形状を互いに異なる形状としてもよい。また、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAを放射状に配置する場合、厳密に光軸AXを中心とする必要はない。ただし、光軸AXの近傍を中心として配置することが好ましい。
本実施形態において、条件式(1)を満たすことにより、ハロやアーティファクトを低減することができる。また本実施形態において、好ましくは、図2および図3に示されるように、複数の複素振幅変調領域CAMおよび複数の開口IAを、光軸AXを中心とする円の径方向ではなく、円の周方向に沿って設ける。このような構成により、ハロをより低減しつつアーティファクトがより少ない画像を得ることができる。
一方、特許文献1の構成では、円の径方向に複数の複素振幅変調領域を設けているため、円の径方向にアーティファクトが生じ、複素振幅変調領域を増やすにつれて特定の周波数成分によるアーティファクトが強調されてしまう。これに対し、本実施形態では、円の周方向に複数の複素振幅変調領域CAMを設けている。このため、円の周方向にアーティファクトが生じたとしても、複素振幅変調領域を増やすにつれてそれぞれのアーティファクトがズレながら重畳されることにより目立たなくなる。
本発明の実施例1について説明する。本実施例の位相差観察装置10は、対物レンズ104内に配置された複素振幅変調領域CAMおよび照明光学系101内に配置された開口IAの構成において、一般的な位相差顕微鏡や暗視野顕微鏡とは異なる。このため、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAの構成を変更した場合の効果について、シミュレーション結果を示す。本実施例において、シミュレーションは単波長で行い、波長λを0.55μmと設定している。また試料は、直径20μm程度の細胞を想定し、背景との位相差がλ/10となるように設定されている。
続いて、図4および図5を参照して、NA=0.2の場合におけるシミュレーション結果を用いて本実施例における位相差観察装置について説明する。複素振幅変調領域CAMは、位相をλ/4、振幅を50%に変調するように構成されている。また、複素振幅変調領域CAMと開口IAは互いに相似の形状を有する。
図4は、一般的な位相差顕微鏡のシミュレーション結果(比較例)である。図4(a)の上段および下段は、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAをそれぞれ示している。図4(b)は、シミュレーションの二次元画像(物体像)を示している。図4(c)は、図4(b)の物体像を横切る断面図であり、縦軸は像の強度を示している。図4に示されるシミュレーション結果は、複素振幅変調領域CAMの輪帯幅Wnを0.2として得られたものである。
図4(c)の背景強度をA、像の最低強度B、像の最大強度をCとしたとき、ハロの評価値Vhは、以下の式(5)で表されるように定義される。
Vh=(C−A)/(A−B) … (5)
一般的な位相差顕微鏡では、式(5)を用いて、ハロの評価値Vhは0.84となる。式(5)において、(C−A)はハロの強度であり、(A−B)は像の強度である。このため、ハロの評価値Vhは小さいほうが好ましい。
図5は、本実施例における位相差観察装置のシミュレーション結果である。図5(a)の上段および下段は、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAをそれぞれ示している。図5(b)は、シミュレーションの二次元画像(物体像)を示している。図5(c)は、図5(b)の物体像を横切る断面図であり、縦軸は像の強度を示している。
図5(a)に示されるように、各々の複素振幅変調領域CAMは、光軸AXを中心として5°の角度で放射状に延びるように、また角度ピッチp(隣接する複素振幅変調領域CAMがなす角度)が11.25°となるように設定されている。複素振幅変調領域CAMの輪帯幅Wnは、最軸外で0.061であり、条件式(1)の右辺は0.34となる。また、ハロの評価値Vhは0.08となる。本実施例の位相差観察装置によれば、一般的な位相差顕微鏡を比較してハロを低減することができる。また、アーティファクトは生じていない。
次に、図6を参照して、本発明の実施例2について説明する。図6は、本実施例における位相差観察装置のシミュレーション結果である。図6のシミュレーション結果は、NA=0.2とした場合の結果であり、複素振幅変調領域CAMは位相のみをλ/4変調している。その他の構成は実施例1と同様である。
図6(a)の上段および下段は、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAをそれぞれ示している。図6(b)は、シミュレーションの二次元画像(物体像)を示している。図6(c)は、図6(b)の物体像を横切る断面図であり、縦軸は像の強度を示している。
図6(a)に示されるように、矩形形状の複素振幅変調領域CAMは、光軸AXを中心として放射状に延びるように、また角度ピッチp(隣接する複素振幅変調領域CAMがなす角度)が45°となるように設定されている。複素振幅変調領域CAMの輪帯幅Wnは、0.05であり、条件式(1)の右辺は0.34となる。また、ハロの評価値Vhは0.27となる。本実施例の位相差観察装置によれば、一般的な位相差顕微鏡を比較してハロを低減することができる。また、アーティファクトは生じていない。
次に、図7および図8を参照して、本発明の実施例3について説明する。本実施例は、NA=0.7の場合における位相差観察装置のシミュレーション結果を示す。なお本実施例において、実施例1と同様の部分についての説明は省略する。
図7は、一般的な暗視野顕微鏡のシミュレーション結果(比較例)である。図7(a)の上段および下段は、複素振幅変調領域CAMに対応する領域および開口IAをそれぞれ示している。図7(b)は、シミュレーションの二次元画像(物体像)を示している。図7(c)は、図7(b)の物体像を横切る断面図であり、縦軸は像の強度を示している。
図7(a)からわかるように、一般的な暗視野顕微鏡には複素振幅変調領域CAMが設けられておらず、対物レンズに直接に光が入射しないように大きな開口数で照明する。また図7(c)からわかるように、一般的な暗視野顕微鏡は、試料の境界だけが強調される像を形成し、定性的な観察しかできない。
図8は、本実施例における位相差観察装置のシミュレーション結果である。図8(a)の上段および下段は、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAをそれぞれ示している。図8(b)は、シミュレーションの二次元画像(物体像)を示している。図8(c)は、図8(b)の物体像を横切る断面図であり、縦軸は像の強度を示している。
図8(a)に示されるように、各々の複素振幅変調領域CAMは、光軸AXを中心として2.5°の角度で放射状に延びるように、また角度ピッチp(隣接する複素振幅変調領域CAMがなす角度)が5.625°となるように設定されている。複素振幅変調領域CAMの輪帯幅Wnは、最軸外で0.031であり、条件式(1)の右辺は0.096となる。本実施例の複素振幅変調領域CAMは、振幅のみを0%に変調すなわち遮光し、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAは互いに相似形状を有する。図8(c)からわかるように、本実施例の位相差観察装置によれば、一般的な暗視野顕微鏡と比較して試料中心に像の強度があり定量的に可視化することができる。
次に、図9および図10を参照して、本発明の実施例4について説明する。本実施例は、NA=0.7の場合における位相差観察装置のシミュレーション結果を示す。図9および図10は、本実施例における位相差観察装置のシミュレーション結果である。図10は、図9のシミュレーション条件に対して開口絞り102を半分に絞った場合における、開口IAに対するシミュレーション結果を示している。なお本実施例において、実施例1と同様の部分についての説明は省略する。
図9(a)、図10(a)の上段および下段は、複素振幅変調領域CAMおよび開口IAをそれぞれ示している。図9(b)、図10(b)は、シミュレーションの二次元画像(物体像)を示している。図9(c)、図10(c)は、それぞれ、図9(b)、図10(b)の物体像を横切る断面図であり、縦軸は像の強度を示している。
図9(a)に示されるように、各々の複素振幅変調領域CAMは、光軸AXを中心として2.5°の角度で放射状に延びるように、また角度ピッチp(隣接する複素振幅変調領域CAMがなす角度)が5.625°となるように設定されている。複素振幅変調領域CAMの輪帯幅Wnは、最軸外で0.031であり、条件式(1)の右辺は0.096となる。また、ハロの評価値Vhは0.13となり、一般的な位相差顕微鏡よりも大幅にハロを低減することができる。
また、図10に示されるように、開口絞り102を半分に絞った開口IAの状態でも、ハロを低減しながら像をイメージングすることができる。一方、一般的な位相差顕微鏡では、輪帯照明を用いるため、照明光学系の開口を絞ることはできず、コントラストや分解能の調節をすることができない。
各実施例において、複数の開口IAおよび複数の複素振幅変調領域CAMは、照明光学系101または対物レンズ104の光軸AXを中心として放射状に延びている。好ましくは、複数の開口IAおよび複数の複素振幅変調領域CAMは、互いに相似の形状を有する。また好ましくは、複数の開口IAおよび複数の複素振幅変調領域CAMは、それぞれ、光軸AXを中心とした円の周方向の長さよりも円の径方向の長さのほうが長い形状を有する。また好ましくは、複数の開口IAおよび複数の複素振幅変調領域CAMは、それぞれ、扇状または矩形状である。
各実施例によれば、アーティファクトが少なく位相差を定量的に観察可能(可視化可能)であって、簡易に製造可能な位相差観察装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、各実施例は撮像素子に結像するように構成されているが、接眼レンズを用いて目で観察可能に構成してもよい。また各実施例では、透過照明を用いているが、落射照明を用いてもよい。
10 位相差観察装置
101 照明光学系
102 開口絞り
104 対物レンズ
105 複素振幅変調部
IA 開口
CAM 複素振幅変調領域
AX 光軸

Claims (12)

  1. 光源からの光を被照射面に導く照明光学系と、
    前記照明光学系の内部に設けられ、複数の開口が形成された開口部と、
    前記被照射面からの光を集光する結像光学系と、
    前記結像光学系の内部に設けられ、複数の複素振幅変調領域を含む複素振幅変調部と、を有し、
    前記複数の開口および前記複数の複素振幅変調領域は、前記照明光学系または前記結像光学系の光軸を中心として放射状に延びている、ことを特徴とする位相差観察装置。
  2. 前記複数の複素振幅変調領域は、前記複数の開口からの直接光の位相または強度を変調するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の位相差観察装置。
  3. 前記複数の複素振幅変調領域は、前記複数の開口と共役な位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の位相差観察装置。
  4. 前記複数の開口および前記複数の複素振幅変調領域は、互いに相似の形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の位相差観察装置。
  5. 前記複数の開口および前記複数の複素振幅変調領域は、それぞれ、前記光軸を中心とした円の周方向の長さよりも該円の径方向の長さのほうが長い形状を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の位相差観察装置。
  6. 前記複数の開口および前記複数の複素振幅変調領域は、それぞれ、扇状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の位相差観察装置。
  7. 前記複数の開口および前記複数の複素振幅変調領域は、それぞれ、矩形状であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の位相差観察装置。
  8. 前記光軸を中心とする円の周方向に前記複素振幅変調領域を横切る幅をW、前記被照射面から前記複素振幅変調領域までの合成焦点距離をf、前記光源の最大波長をλ(μm)、前記結像光学系の被照射面側の開口数をNAとして、Wn=W/(NA×f)と定義するとき、
    Wn≦0.012×λ/NA
    で表される条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の位相差観察装置。
  9. 前記複数の複素振幅変調領域の前記光軸を中心とした角度ピッチをpとするとき、
    p≦60°
    で表される条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の位相差観察装置。
  10. 前記開口部は、前記複数の開口が形成された可変開口絞りであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の位相差観察装置。
  11. 前記結像光学系は、対物レンズを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の位相差観察装置。
  12. 前記複数の開口は、前記複数の複素振幅変調領域よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の位相差観察装置。
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