JP2015117296A - 液晶ポリウレタンエラストマー及びその製造方法 - Google Patents

液晶ポリウレタンエラストマー及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、液晶が発現する温度が低く、しかも液晶発現時にゴム弾性を有する液晶ポリウレタンエラストマー及びその製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】 液晶ポリウレタンエラストマーであって、少なくともイソシアネート成分、高分子量ポリオール成分、及び下記一般式(1)で表されるメソゲンジオールを反応させて得られ、イソシアネート成分中の3官能以上のイソシアネート及び/又は高分子量ポリオール成分中の数平均分子量400以上7000未満かつ水酸基数3以上の高分子量ポリオールによって架橋点を有しており、ガラス転移温度(Tg)と液晶相から等方相への転移温度(Ti)との温度間にメソゲンの融点が存在せず、TgからTiの温度間で液晶が発現することを特徴とする液晶ポリウレタンエラストマー。(式中、Xは炭素数3〜20のアルキレン基である。)【選択図】 なし

Description

本発明は、サーモトロピック型の液晶ポリウレタンエラストマー及びその製造方法に関する。
液晶エラストマーは、液晶とエラストマーのハイブリッド材料である。液晶エラストマーは、熱、光、電場、及び磁場などの外部刺激を加えることによって液晶の配向度を増加させると配向方向に伸び、外部刺激を除いて配向度を減少させると縮むという特徴的な応答挙動を示すため、アクチュエータなどの様々な分野への適用が試みられている。
例えば、特許文献1では、ビス(ω−ヒドロキシアルキレンオキシ)ビフェニルと1,4−フェニレンジイソシアネートを反応させて得られるサーモトロピック液晶ポリウレタンが開示されている。
また、特許文献2では、メソゲン基を有するジオール成分とトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネートとを重合させて得られる高分子液晶ポリウレタンが開示されている。
しかし、従来の液晶ポリウレタンは、液晶が発現する温度が非常に高く、低温(室温付近)で液晶性を発現し難いものであった。また、従来の液晶ポリウレタンは、液晶発現時に流動性が大きくなりゴム弾性を有さないものであった。
特開平5−170860号公報 特開平7−258369号公報
本発明は、液晶が発現する温度が低く、しかも液晶発現時にゴム弾性を有する液晶ポリウレタンエラストマー及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す液晶ポリウレタンエラストマーにより上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、液晶ポリウレタンエラストマーであって、
少なくともイソシアネート成分、高分子量ポリオール成分、及び下記一般式(1)で表されるメソゲンジオールを反応させて得られ、
イソシアネート成分中の3官能以上のイソシアネート及び/又は高分子量ポリオール成分中の数平均分子量400以上7000未満かつ水酸基数3以上の高分子量ポリオールによって架橋点を有しており、
ガラス転移温度(Tg)と液晶相から等方相への転移温度(Ti)との温度間にメソゲンの融点が存在せず、TgからTiの温度間で液晶が発現することを特徴とする液晶ポリウレタンエラストマーに関する。
Figure 2015117296
(式中、Xは炭素数3〜20のアルキレン基である。)
本発明者は、3官能以上のイソシアネート及び/又は数平均分子量400以上7000未満かつ水酸基数3以上の高分子量ポリオールによって、液晶ポリウレタンエラストマー内に架橋点を導入してネットワーク化することにより、得られる液晶ポリウレタンエラストマーは液晶を発現しても融解せずに固形を保ち、しかもゴム弾性を有することを見出した。
また、一般的な液晶ポリマーは、メソゲンの融点(Tm)よりも高温域に液晶相から等方相への転移温度(Ti)があり、TmとTiとの温度間で液晶が発現する。本発明者は、架橋によるネットワーク構造によってメソゲン(液晶性を発現する官能基)の結晶性を阻害して結晶相の形成を防ぐことにより、TgとTiとの温度間にメソゲンの融点が存在せず、TgからTiの温度間で液晶が発現する液晶ポリウレタンエラストマーが得られることを見出した。
また、本発明者は、メソゲンジオールとして上記一般式(1)で表されるメソゲンジオールのみを用いた場合には、結晶相から液晶相への相転移が存在せず、ガラス転移と、液晶相から等方相への相転移のみが存在する液晶ポリウレタンエラストマーが得られることを見出した。このような性質の液晶ポリウレタンエラストマーが得られる理由としては、当該メソゲンジオールの2つのフェニル基の間に導入されたエステル基によってメソゲンの結晶性が高度に阻害されるためと考えられる。
本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、メソゲンジオールの他に高分子量ポリオール成分を用いているため、液晶が発現する温度が低く、しかも高分子網目構造による柔軟性が付与されており、液晶発現時にゴム弾性を有する。
水酸基数3以上の高分子量ポリオールの数平均分子量が400未満の場合には、液晶ポリウレタンエラストマーに高分子網目構造による柔軟性が付与されないため、液晶発現時にゴム弾性が得られない。一方、数平均分子量が7000以上の場合には、相対的にメソゲンの含有率が小さくなるため液晶が発現しない。
本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が−60℃以上30℃未満であり、液晶相から等方相への転移温度(Ti)が30〜130℃であることが好ましい。
また、全原料成分に対するメソゲンジオールの配合量は30〜80重量%であることが好ましく、架橋間分子量は2500〜25000であることが好ましい。
メソゲンジオールの配合量が30重量%未満の場合には、液晶が発現し難くなる。一方、80重量%を超える場合には、分子内に架橋点を導入し難くなるため目的とする液晶ポリウレタンエラストマーを得難くなる。
架橋間分子量が2500未満の場合には、分子内に架橋点が多くなりすぎるため液晶が発現し難くなったり、液晶発現時にゴム弾性が生じ難くなる。一方、25000を超える場合には、硬化し難くなるため液晶ポリウレタンエラストマーを得難くなる。
また本発明は、少なくともイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分を反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成し、得られたイソシアネート末端プレポリマーにメソゲンジオールを反応させる前記液晶ポリウレタンエラストマーの製造方法に関する。当該方法で液晶ポリウレタンエラストマーを製造することにより、架橋構造を形成しやすくなる。
本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、従来の液晶ポリウレタンに比べて液晶が発現する温度が低く、しかも液晶発現時に融解せずに固形を保ち、しかもゴム弾性を有するものである。また、本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、TgとTiとの温度間にメソゲンの融点が存在せず、TgからTiの温度間で液晶が発現するものであり、従来の液晶ポリウレタンとは液晶特性が異なるものである。
本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、少なくともイソシアネート成分、高分子量ポリオール成分、及び下記一般式(1)で表されるメソゲンジオールを反応させて得られるものである。
Figure 2015117296
(式中、Xは炭素数3〜20のアルキレン基である。)
イソシアネート成分としては、液晶ポリウレタンエラストマー内に架橋点を導入してネットワーク化するために、3官能以上のイソシアネートを用いることが好ましく、特に3官能のイソシアネートを用いることが好ましい。3官能以上のイソシアネートとしては、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、及びビシクロヘプタントリイソシアネートなどのトリイソシアネート、テトライソシアネートシランなどのテトライソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、多量化ジイソシアネートを用いてもよい。多量化ジイソシアネートとは、3つ以上のジイソシアネートが付加することにより多量化したイソシアネート変性体又はそれらの混合物である。イソシアネート変性体としては、例えば、1)トリメチロールプロパンアダクトタイプ、2)ビュレットタイプ、3)イソシアヌレートタイプなどが挙げられる。これらのうち、特にイソシアヌレートタイプを用いることが好ましい。
イソシアネート成分としては、前記3官能以上のイソシアネートのみを用いることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲でジイソシアネートを併用してもよい。ジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子量ポリオール成分としては、液晶ポリウレタンエラストマー内に架橋点を導入してネットワーク化するために、数平均分子量400以上7000未満かつ水酸基数3以上の高分子量ポリオールを用いることが好ましい。数平均分子量は400〜6000であることが好ましく、より好ましくは700〜5000である。水酸基数は3であることがより好ましい。高分子量ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエステルポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのうち、特にポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
高分子量ポリオール成分としては、前記数平均分子量400以上7000未満かつ水酸基数3以上の高分子量ポリオールのみを用いることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲で他の高分子量ポリオールを併用してもよい。
高分子量ポリオール成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で活性水素基含有低分子量化合物を用いてもよい。活性水素基含有低分子量化合物とは、分子量が400未満の化合物であり、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオール;エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミン;モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンなどが挙げられる。これら活性水素基含有低分子量化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一般式(1)で表されるメソゲンジオールと共に、下記一般式(2)で表されるメソゲンジオールを併用してもよい。
Figure 2015117296
(式中、Xは炭素数3〜20のアルキレン基であり、Yは単結合、−N=N−、又は−CO−である。)
一般式(2)で表されるメソゲンジオールは、ビフェニル骨格(Yが単結合)、アゾベンゼン骨格(Yが−N=N−)、又はベンゾフェノン骨格(Yが−CO−)を有するものである。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。一般式(1)及び(2)において、Xは炭素数3〜20のアルキレン基であり、好ましくは炭素数5〜10のアルキレン基である。
全原料成分に対するメソゲンジオールの配合量は30〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは35〜80重量%であり、さらに好ましくは35〜60重量%である。
本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、プレポリマー法により製造してもよく、ワンショット法により製造してもよいが、イソシアネート成分と高分子量ポリオール成分を反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成し、得られたイソシアネート末端プレポリマーにメソゲンジオールを反応させるプレポリマー法により製造することが好ましい。
イソシアネート末端プレポリマーを合成する際には、活性水素基含有化合物の活性水素基(水酸基など)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、2〜10であることが好ましく、より好ましくは2〜8である。
また、イソシアネート末端プレポリマーを合成する際には、NCOwt%が4〜30wt%になるように調整することが好ましく、より好ましくは4〜26wt%である。
本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、溶融法又は溶液法など公知のウレタン化技術を用いて製造することができる。第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。
本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、架橋間分子量が2500〜25000であることが好ましく、より好ましくは3000〜25000である。
また、本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、ガラス転移温度(Tg)が−60℃以上30℃未満であることが好ましく、より好ましくは−60〜25℃であり、さらに好ましくは−30〜20℃である。また、液晶相から等方相への転移温度(Ti)は30〜130℃であることが好ましく、より好ましくは30〜115℃であり、さらに好ましくは30〜105℃である。
また、本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、液晶発現時にゴム弾性を有するものであり、液晶発現時の貯蔵弾性率は0.01〜500MPaであることが好ましく、より好ましくは0.01〜100MPaである。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(メソゲンジオールの含有量の算出)
ポリウレタンエラストマー中のメソゲンジオールの含有量は下記式により算出した。
メソゲンジオールの含有量(重量%)={(メソゲンジオールの重量)/(ポリウレタンエラストマーの全原料成分の重量)}×100
(架橋間分子量の算出)
ポリウレタンエラストマーの架橋間分子量は下記式により算出した。
架橋間分子量=(ポリウレタンエラストマーの全原料成分の重量)/(A×B)
A=(水酸基数3以上の高分子量ポリオールの水酸基価)/56.1
B=(水酸基数3以上の高分子量ポリオールの重量)/(高分子量ポリオールの水酸基数×1000)
(ポリウレタンエラストマーのガラス転移温度(Tg)、メソゲンの融点(Tm)、及び液晶相から等方相への転移温度(Ti)の測定)
Tg、Tm、及びTiは、示差走査熱量分析器DSC(株式会社日立ハイテクサイエンス社製、商品名:X−DSC 7000)を用いて、20℃/分の条件で測定した。
(液晶性の評価)
ポリウレタンエラストマーの液晶発現の有無は、偏光顕微鏡(ニコン社製、商品名:LV−100POL)及び示差走査熱量分析器DSC(株式会社日立ハイテクサイエンス社製、商品名:X−DSC 7000)を用いて、20℃/分の条件で評価した。
(メソゲンの融点(Tm)、及び液晶相から等方相への転移温度(Ti)の判別方法)
メソゲンの融点(Tm)、及び液晶相から等方相への転移温度(Ti)の判別は、偏光顕微鏡(ニコン社製、商品名:LV−100POL)、及びX線回折装置(株式会社リガク社製、商品名:RINT−UltimaIII)を用いて、2°/分及び20℃/分の条件で行った。
(液晶発現時の貯蔵弾性率(E′)の測定)
ポリウレタンエラストマーの液晶発現時の貯蔵弾性率は、VES(株式会社上島製作所社製、商品名:全自動粘弾性アナライザ VR−7110)を用いて、2℃/分、ひずみ2%、及び10Hzの条件で測定した。
製造例1
(メソゲンジオールの合成)
反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸(ナカライテスク社製)103.5g、ヒドロキノン(ナカライテスク社製)82.5g、ホウ酸(ナカライテスク社製)1.5g、及びキシレン(ナカライテスク社製)450mlを入れて撹拌し、そして反応容器内に濃硫酸(ナカライテスク社製)2.1gを滴下し、その後、Dean-Stark管を用いて5時間加熱還流した。その後、反応物を吸引ろ過して固形物を得た。得られた固形物を1%炭酸水素ナトリウム水溶液(250ml)で中和した。その後、固形物をろ過し、水で洗浄し、真空乾燥した。その後、アセトンと水の混合溶媒で再結晶して白色粉末の4-hydroxyphenyl p-hydroxybenzoate(105.77g)を得た。
次に、反応容器に4-hydroxyphenyl p-hydroxybenzoate(90g)、炭酸カリウム(162g)、及びDMF(三菱瓦斯化学社製)700mlを入れ、混合物を60℃に加熱した。その後、反応容器内に6−クロロ−1−ヘキサノール(東京化成工業社製)160gを滴下し、90℃で23時間加熱還流した。反応容器内に水1Lを加え、さらに濃硫酸(ナカライテスク社製)を酸性になるまで加えた後、溶媒を減圧蒸留した。得られた固体物を湿式カラムクロマトグラフィー(SiO、酢酸エチル/ヘキサン)で精製した後、酢酸エチルで再結晶して白色固体の下記化合物A(6g)を得た。
Figure 2015117296
製造例2
(イソシアネート末端プレポリマーBの合成)
反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名:エクセノール903、水酸基数3、数平均分子量1500)と2,4−トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:T−100)を入れ、窒素気流下で撹拌、反応させてイソシアネート末端プレポリマーB(NCO index:3、イソシアネート含有量:11wt%)を得た。
製造例3
(イソシアネート末端プレポリマーCの合成)
反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名:エクセノール903、水酸基数3、数平均分子量1500)と2,4−トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:T−100)を入れ、窒素気流下で撹拌、反応させてイソシアネート末端プレポリマーC(NCO index:6.6、イソシアネート含有量:21.9wt%)を得た。
製造例4
(イソシアネート末端プレポリマーDの合成)
反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名:エクセノール1020、水酸基数2、数平均分子量1000)と2,4−トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:T−100)を入れ、窒素気流下で撹拌、反応させてイソシアネート末端プレポリマーD(NCO index:6.6、イソシアネート含有量:21.9wt%)を得た。
製造例5
(イソシアネート末端プレポリマーEの合成)
反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名:エクセノール1030、水酸基数3、数平均分子量1000)と2,4−トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:T−100)を入れ、窒素気流下で撹拌、反応させてイソシアネート末端プレポリマーE(NCO index:6.6、イソシアネート含有量:25.4wt%)を得た。
製造例6
(イソシアネート末端プレポリマーFの合成)
反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名:エクセノール720、水酸基数2、数平均分子量700)と2,4−トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:T−100)を入れ、窒素気流下で撹拌、反応させてイソシアネート末端プレポリマーF(NCO index:6.6、イソシアネート含有量:25.4wt%)を得た。
製造例7
(イソシアネート末端プレポリマーGの合成)
反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名:エクセノール3030、水酸基数3、数平均分子量3000)と2,4−トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:T−100)を入れ、窒素気流下で撹拌、反応させてイソシアネート末端プレポリマーG(NCO index:5、イソシアネート含有量:11.7wt%)を得た。
製造例8
(イソシアネート末端プレポリマーHの合成)
反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名:エクセノール850、水酸基数3、数平均分子量7000)と2,4−トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:T−100)を入れ、窒素気流下で撹拌、反応させてイソシアネート末端プレポリマーH(NCO index:5、イソシアネート含有量:6.1wt%)を得た。
製造例9
(イソシアネート末端プレポリマーIの合成)
反応容器にポリプロピレングリコール(旭硝子社製、商品名:エクセノール430、水酸基数3、数平均分子量400)と2,4−トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン社製、商品名:T−100)を入れ、窒素気流下で撹拌、反応させてイソシアネート末端プレポリマーI(NCO index:2.5、イソシアネート含有量:17.5wt%)を得た。
実施例1
(ポリウレタンエラストマーの作製)
反応容器に脱水DMF(和光純薬株式会社製)3mlを入れ、そこに製造例1で作製した化合物A(0.5g)を加えて溶解させた。その後、反応容器に製造例2で作製したイソシアネート末端プレポリマーB(0.88g)を加えて80℃で30分間撹拌した。その後、脱泡した反応溶液を予め80℃に加温した金型内に流し入れ、80℃で硬化させて硬化シートを作製した。得られた硬化シート中のDMFを真空乾燥機で除去してポリウレタンエラストマーシートを作製した。
実施例2〜4及び比較例1〜3
表1に記載の原料及び配合量を採用した以外は実施例1と同様の方法でポリウレタンエラストマーシートを作製した。
Figure 2015117296
実施例1〜4のポリウレタンエラストマーは、液晶性を有しており、液晶が発現する温度が低く、しかも液晶発現時にゴム弾性を有するものであった。比較例1のポリウレタンエラストマーは、メソゲンジオールの含有量が少ないため液晶が発現しなかった。比較例2のポリウレタンエラストマーは、架橋間分子量が大きすぎるため硬化しなかった。比較例3のポリウレタンエラストマーは、架橋間分子量が小さすぎるため液晶が発現しなかった。
本発明の液晶ポリウレタンエラストマーは、伸長応力を加えることによって液晶の配向度を増加させると配向方向に伸び、熱を加えることによって配向度を減少させると縮むという特徴的な応答挙動を示すため、アクチュエータなどの様々な分野への適用が可能である。

Claims (4)

  1. 液晶ポリウレタンエラストマーであって、
    少なくともイソシアネート成分、高分子量ポリオール成分、及び下記一般式(1)で表されるメソゲンジオールを反応させて得られ、
    イソシアネート成分中の3官能以上のイソシアネート及び/又は高分子量ポリオール成分中の数平均分子量400以上7000未満かつ水酸基数3以上の高分子量ポリオールによって架橋点を有しており、
    ガラス転移温度(Tg)と液晶相から等方相への転移温度(Ti)との温度間にメソゲンの融点が存在せず、TgからTiの温度間で液晶が発現することを特徴とする液晶ポリウレタンエラストマー。
    Figure 2015117296
    (式中、Xは炭素数3〜20のアルキレン基である。)
  2. ガラス転移温度(Tg)が−60℃以上30℃未満であり、液晶相から等方相への転移温度(Ti)が30〜130℃である請求項1記載の液晶ポリウレタンエラストマー。
  3. 全原料成分に対するメソゲンジオールの配合量が30〜80重量%であり、架橋間分子量が2500〜25000である請求項1又は2記載の液晶ポリウレタンエラストマー。
  4. 少なくともイソシアネート成分と高分子量ポリオール成分を反応させてイソシアネート末端プレポリマーを合成し、得られたイソシアネート末端プレポリマーにメソゲンジオールを反応させる請求項1〜3のいずれかに記載の液晶ポリウレタンエラストマーの製造方法。
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