JP6396130B2 - 液晶性化合物、熱応答性材料及びその製造方法 - Google Patents

液晶性化合物、熱応答性材料及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、液晶性化合物、サーモトロピック型の熱応答性材料及びその製造方法に関する。
液晶エラストマーは、液晶とエラストマーのハイブリッド材料である。液晶エラストマーは、熱、光、電場、及び磁場などの外部刺激を加えることによって液晶の配向度を増加させると配向方向に伸び、外部刺激を除いて配向度を減少させると縮むという特徴的な応答挙動を示すため、アクチュエータなどの様々な分野への適用が試みられている。
例えば、特許文献1では、ビス(ω−ヒドロキシアルキレンオキシ)ビフェニルと1,4−フェニレンジイソシアネートを反応させて得られる液晶性を示す高分子液晶ポリウレタンが開示されている。
また、特許文献2では、メソゲン基を有するジオール成分とトランス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネートとを重合させて得られる高分子液晶ポリウレタンが開示されている。
しかし、従来の液晶ポリウレタンは、液晶が発現する温度が非常に高く、低温(室温付近)で液晶性を発現し難いものであった。また、従来の液晶ポリウレタンは、液晶発現時に流動性が大きくなりゴム弾性を有さないものであった。また、原料である従来のメソゲンジオールは、液晶性を発現する温度が高く、無溶媒で液晶ポリウレタンを製造することが困難であった。
特開平5−170860号公報 特開平7−258369号公報
本発明は、液晶性を発現する温度が低い液晶性化合物を提供することを目的とする。また、液晶性化合物の含有量が多いにも関わらず、低温(室温付近)で液晶性とゴム弾性を有する熱応答性材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す液晶性化合物及び熱応答性材料により上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物に、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを付加した液晶性化合物、に関する。
本発明者は、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物に、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを付加することによりメソゲン基の熱的安定性が低下し、それにより液晶性が発現する温度範囲が低下することを見出した。当該液晶性化合物を用いることにより、無溶媒でかつ液晶性が発現した状態で反応硬化を行うことができる。液晶性が発現した状態で反応硬化を行うことにより、メソゲンの結晶性を阻害して結晶相の形成を防ぐことができる。
本発明において、メソゲン基含有化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006396130
(式中、Xは活性水素基であり、Rは単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは単結合、又は−O−であり、Rは単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ただし、Rが−O−であり、かつRが単結合である場合を除く。)
また、アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドは、一般式(1)で表される化合物1モルに対して2〜10モル付加していることが好ましい。付加モル数が2モル未満の場合には、液晶性化合物の液晶性が発現する温度範囲を十分に下げることが難しくなり、無溶媒でかつ液晶性が発現した状態で反応硬化を行うことが困難になる傾向にある。一方、付加モル数が10モルを超える場合には、液晶性化合物が液晶性を発現しなくなる傾向にある。
本発明の熱応答性材料は、液晶性化合物と、当該液晶性化合物の活性水素基と反応する化合物とを反応させて得られるものであり、低温(室温付近)で液晶性とゴム弾性を有する。
熱応答性材料は、原料として液晶性化合物を50〜90重量%含むことが好ましく、より好ましくは60〜80重量%である。液晶性化合物の配合量を多くしてメソゲン基の含有量を多くすることにより、温度変化によって大きく変形する熱応答性材料を得ることができる。本発明においては、前記液晶性化合物を用いているため、液晶性化合物の含有量を多くしても得られる熱応答性材料は低弾性率である。液晶性化合物の含有量が50重量%未満の場合には、液晶が発現し難くなる傾向にある。一方、液晶性化合物の含有量が90重量%を超える場合には、分子内に架橋点を導入し難くなるため、硬化し難くなる傾向にある。
熱応答性材料は、液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、0〜100℃であることが好ましい。
また、本発明は、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物に、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを付加して液晶性化合物を得る工程A、無溶媒条件下で前記液晶性化合物及び前記液晶性化合物の活性水素基と反応する化合物を混合して熱応答性材料用原料組成物を得る工程B、及び前記熱応答性材料用原料組成物を液晶性が発現する温度で養生する工程Cを含む熱応答性材料の製造方法、に関する。
本発明の熱応答性材料の製造方法において、メソゲン基含有化合物は、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006396130
(式中、Xは活性水素基であり、Rは単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは単結合、又は−O−であり、Rは単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ただし、Rが−O−であり、かつRが単結合である場合を除く。)
また、アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドは、一般式(1)で表される化合物1モルに対して2〜10モル付加していることが好ましい。
また、熱応答性材料用原料組成物中の液晶性化合物の含有量は50〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは60〜80重量%である。液晶性化合物の配合量を多くしてメソゲン基の含有量を多くすることにより、温度変化によって大きく変形する熱応答性材料を得ることができる。本発明においては、前記液晶性化合物を用いているため、液晶性化合物の含有量を多くしても得られる熱応答性材料は低弾性率である。液晶性化合物の含有量が50重量%未満の場合には、液晶が発現し難くなる傾向にある。一方、液晶性化合物の含有量が90重量%を超える場合には、分子内に架橋点を導入し難くなるため、硬化し難くなる傾向にある。
また、工程Cにおいて、熱応答性材料用原料組成物を液晶性が発現する温度で養生しながら液晶性化合物のメソゲン基を配向させることが好ましい。
本発明の液晶性化合物は、液晶性が発現する温度範囲が低い。当該液晶性化合物を用いることにより、無溶媒でかつ液晶性が発現した状態で反応硬化を行うことができる。本発明の熱応答性材料は、原料である液晶性化合物の液晶性が発現する温度範囲が低く、かつ架橋によるネットワーク構造を有するため、低温(室温付近)で液晶性とゴム弾性を有する。当該熱応答性材料は、メソゲン基が一軸方向に配向しているため、熱が加わることによりメソゲン基の配向度が減少して配向方向に縮み、熱を除くことによりメソゲン基の配向度が増加して配向方向に伸びるという特徴的な応答挙動を示す。
本発明の液晶性化合物は、活性水素基を有するメソゲン基含有化合物に、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを付加したものである。
活性水素基を有するメソゲン基含有化合物は、活性水素基とメソゲン基とを有する化合物であれば特に制限されないが、下記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006396130
(式中、Xは活性水素基であり、Rは単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは単結合、又は−O−であり、Rは単結合、又は炭素数1〜20のアルキレン基である。ただし、Rが−O−であり、かつRが単結合である場合を除く。)
Xとしては、例えば、OH、SH、NH、COOH、又は二級アミンなどが挙げられる。
液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、0〜100℃である熱応答性材料を得るために、ビフェニル骨格(Rが単結合)を有する化合物を用いることが好ましい。また、Rがアルキレン基の場合、炭素数は2〜10であることが好ましい。
付加するアルキレンオキシドは特に制限されず、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルグリシジルエーテル、及びアリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。付加するスチレンオキシドは、ベンゼン環にアルキル基、アルコキシル基、又はハロゲンなどの置換基を有していてもよい。
液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、0〜100℃である熱応答性材料を得るために、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、及びスチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種のオキシドを付加することが好ましい。
アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドは、一般式(1)で表される化合物1モルに対して2〜10モル付加することが好ましく、より好ましくは2〜8モルである。
液晶性化合物は、液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、15〜150℃であることが好ましく、より好ましくは25〜125℃である。
液晶性化合物は、1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の熱応答性材料は、液晶性化合物と、当該液晶性化合物の活性水素基と反応する化合物とを反応させて得られるものである。液晶性化合物の活性水素基と反応する化合物としては、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、シラノール基含有化合物、ハロゲン化物、カルボン酸、アルコールなどが挙げられる。特に、イソシアネート化合物を用いることが好ましい。以下、熱応答性材料について、液晶ポリウレタンエラストマーを例に挙げて説明する。
液晶ポリウレタンエラストマーの原料であるイソシアネート化合物は、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。例えば、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液晶ポリウレタンエラストマー内に架橋点を導入してネットワーク化するために、3官能以上のイソシアネート化合物を併用することが好ましく、特に3官能のイソシアネート化合物を併用することが好ましい。3官能以上のイソシアネート化合物としては、例えば、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、及びビシクロヘプタントリイソシアネートなどのトリイソシアネート、テトライソシアネートシランなどのテトライソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、多量化ジイソシアネートを用いてもよい。多量化ジイソシアネートとは、3つ以上のジイソシアネートが付加することにより多量化したイソシアネート変性体又はそれらの混合物である。イソシアネート変性体としては、例えば、1)トリメチロールプロパンアダクトタイプ、2)ビュレットタイプ、3)イソシアヌレートタイプなどが挙げられる。
ジイソシアネートと3官能のイソシアネート化合物を併用する場合、前者/後者=19/1〜1/1(重量比)で配合することが好ましい。
本発明の目的を損なわない範囲で高分子量ポリオールを用いてもよい。高分子量ポリオールとしては、液晶ポリウレタンエラストマー内に架橋点を導入してネットワーク化するために、水酸基数3以上の高分子量ポリオールを用いてもよい。水酸基数は3であることが好ましい。高分子量ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエステルポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子量ポリオールの他に、本発明の目的を損なわない範囲で活性水素基含有低分子量化合物を用いてもよい。活性水素基含有低分子量化合物とは、分子量が400未満の化合物であり、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオール;エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミン;モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンなどが挙げられる。これら活性水素基含有低分子量化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン原料組成物中の液晶性化合物の含有量は50〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは60〜80重量%である。ポリウレタン原料組成物は無溶媒条件下で各原料成分を混合して調整する。
液晶ポリウレタンエラストマーは、プレポリマー法により製造してもよく、ワンショット法により製造してもよい。なお、第3級アミン系等の公知のウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。
液晶ポリウレタンエラストマーは、ポリウレタン原料組成物を加熱してウレタン化反応によって硬化させることにより得られる。そして、ウレタン化反応中に、液晶性化合物が液晶性を発現した状態で、液晶性化合物のメソゲン基を一軸方向に配向させ、メソゲン基を配向させた状態で硬化させる。メソゲン基を一軸方向に配向させる方法は特に制限されないが、例えば、配向膜上でウレタン化反応を行う方法、ウレタン化反応時に電場又は磁場をかけて配向させる方法、半硬化状態の時に延伸する方法などが挙げられる。
本発明の熱応答性材料は、液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度(Ti)が、0〜100℃であることが好ましく、より好ましくは0〜85℃である。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(液晶性化合物の含有量の算出)
ポリウレタンエラストマー中の液晶性化合物の含有量は下記式により算出した。
液晶性化合物の含有量(重量%)={(液晶性化合物の重量)/(ポリウレタンエラストマーの全原料成分の重量)}×100
(液晶性化合物及びポリウレタンエラストマーの液晶相から等方相への転移温度(Ti)の測定)
Tiは、示差走査熱量分析器DSC(株式会社日立ハイテクサイエンス社製、商品名:X−DSC 7000)を用いて、20℃/分の条件で測定した。
(液晶性の評価)
液晶性化合物及びポリウレタンエラストマーの液晶性の有無は、偏光顕微鏡(ニコン社製、商品名:LV−100POL)及び示差走査熱量分析器DSC(株式会社日立ハイテクサイエンス社製、商品名:X−DSC 7000)を用いて、20℃/分の条件で評価した。
(液晶発現時の貯蔵弾性率(E′)の測定)
ポリウレタンエラストマーの液晶発現時の貯蔵弾性率は、VES(株式会社上島製作所社製、商品名:全自動粘弾性アナライザ VR−7110)を用いて、2℃/分、ひずみ2%、及び10Hzの条件で測定した。
実施例
(液晶性化合物であるメソゲンジオールBの合成)
Figure 0006396130

反応容器にBH6(100g)、KOH3.8g、及びDMF600mlを入れて混合し、その後、プロピレンオキシドをBH6(1モル)に対して2当量添加し、加圧条件下で120℃で2時間反応させた。その後、シュウ酸3.0gを添加して付加反応を停止させ、吸引ろ過により塩を除去し、さらにDMFを減圧蒸留により除去して、目的物であるメソゲンジオールB(構造異性体を含んでいてもよい)を得た。
(ポリウレタンエラストマーの合成)
メソゲンジオールB2g、ヘキサメチレンジイソシアネート0.79g、及びHDI系イソシアヌレート(住化バイエルウレタン株式会社製、スミジュールN3300)0.09gを100℃で混合して混合物を得た。その後、混合物を予め100℃に加温した金型内に流し入れ、100℃で30分反応硬化させて、半硬化状態のポリウレタンを得た。金型から脱型した後、20℃でポリウレタンを一軸方向に2倍伸長した。その後、ポリウレタンを2倍に伸長した状態を保ったまま、20℃で硬化するまで放置してポリウレタンエラストマーを得た。
実施例10
表1に記載の原料及び配合を採用した以外は実施例1と同様の方法でポリウレタンエラストマーを得た。表1中のTDIはトルエンジイソシアネートであり、MDIはジフェニルメタンジイソシアネートである。
実施例11
(液晶性化合物であるメソゲンジオールCの合成)
Figure 0006396130

反応容器にBHBA6(100g)、KOH3.8g、及びDMF600mlを入れて混合し、その後、プロピレンオキシドをBHBA6(1モル)に対して4当量添加し、加圧条件下で120℃で2時間反応させた。その後、シュウ酸3.0gを添加して付加反応を停止させ、吸引ろ過により塩を除去し、さらにDMFを減圧蒸留により除去して、目的物であるメソゲンジオールC(構造異性体を含んでいてもよい)を得た。
(ポリウレタンエラストマーの合成)
メソゲンジオールC2g、ヘキサメチレンジイソシアネート0.59g、及びHDI系イソシアヌレート(住化バイエルウレタン株式会社製、スミジュールN3300)0.07gを100℃で混合して混合物を得た。その後、混合物を予め100℃に加温した金型内に流し入れ、100℃で30分反応硬化させて、半硬化状態のポリウレタンを得た。金型から脱型した後、20℃でポリウレタンを一軸方向に2倍伸長した。その後、ポリウレタンを2倍に伸長した状態を保ったまま、20℃で硬化するまで放置してポリウレタンエラストマーを得た。
実施例12
(液晶性化合物であるメソゲンジオールDの合成)
Figure 0006396130

反応容器にBA6(100g)、KOH3.8g、及びDMF600mlを入れて混合し、その後、プロピレンオキシドをBA6(1モル)に対して4当量添加し、加圧条件下で120℃で2時間反応させた。その後、シュウ酸3.0gを添加して付加反応を停止させ、吸引ろ過により塩を除去し、さらにDMFを減圧蒸留により除去して、目的物であるメソゲンジオールD(構造異性体を含んでいてもよい)を得た。
(ポリウレタンエラストマーの合成)
メソゲンジオールD2g、ヘキサメチレンジイソシアネート0.59g、及びHDI系イソシアヌレート(住化バイエルウレタン株式会社製、スミジュールN3300)0.07gを100℃で混合して混合物を得た。その後、混合物を予め100℃に加温した金型内に流し入れ、100℃で30分反応硬化させて、半硬化状態のポリウレタンを得た。金型から脱型した後、20℃でポリウレタンを一軸方向に2倍伸長した。その後、ポリウレタンを2倍に伸長した状態を保ったまま、20℃で硬化するまで放置してポリウレタンエラストマーを得た。
比較例1〜6
表1に記載の原料を用いて、実施例1と同様の方法でポリウレタンエラストマーを作製しようとしたが、メソゲンジオールのTiが高いため、無溶媒ではポリウレタンエラストマーを作製することができなかった。なお、表1中のBH0、3〜5、及びBH11は以下の化合物である。
BH0:4,4’−ビフェノール
BH3:一般式(1)において、XがOH、Rが単結合、Rが−O−、Rが炭素数3のアルキレン基である化合物
BH4:一般式(1)において、XがOH、Rが単結合、Rが−O−、Rが炭素数4のアルキレン基である化合物
BH5:一般式(1)において、XがOH、Rが単結合、Rが−O−、Rが炭素数5のアルキレン基である化合物
BH11:一般式(1)において、XがOH、Rが単結合、Rが−O−、Rが炭素数11のアルキレン基である化合物
Figure 0006396130
本発明の熱応答性材料は、熱を加えることによって液晶の配向度を減少させると配向方向に縮み、熱を除くことによって液晶の配向度を増大させると伸びるという特徴的な応答挙動を示すため、アクチュエータなどの様々な分野への適用が可能である。

Claims (11)

  1. 下記一般式(1)で表されるメソゲン基含有化合物に、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドが付加した液晶性化合物。
    Figure 0006396130

    (式中、XはOH、SH、NH又はCOOHであり、Rは単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは単結合、又は−O−であり、Rは炭素数6〜10のアルキレン基である。)
  2. アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1に記載の液晶性化合物。
  3. アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドが、一般式(1)で表されるメソゲン基含有化合物1モルに対して2〜10モル付加している請求項1又は2に記載の液晶性化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性化合物と、当該液晶性化合物の水酸基と反応する化合物とを反応させて得られる熱応答性材料。
  5. 原料として液晶性化合物を50〜90重量%含む請求項4に記載の熱応答性材料。
  6. 液晶相から等方相へ、又は等方相から液晶相への転移温度が、0〜100℃である請求項4又は5に記載の熱応答性材料。
  7. 下記一般式(1)で表されるメソゲン基含有化合物に、アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを付加して液晶性化合物を得る工程A、無溶媒条件下で前記液晶性化合物及び前記液晶性化合物の水酸基と反応する化合物を混合して熱応答性材料用原料組成物を得る工程B、及び前記熱応答性材料用原料組成物を液晶性が発現する温度で養生する工程Cを含む熱応答性材料の製造方法。
    Figure 0006396130
    (式中、XはOH、SH、NH又はCOOHであり、Rは単結合、−N=N−、−CO−、−CO−O−、又は−CH=N−であり、Rは単結合、又は−O−であり、Rは炭素数6〜10のアルキレン基である。)
  8. アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びブチレンオキシドからなる群より選択される少なくとも1種である請求項7に記載の熱応答性材料の製造方法。
  9. アルキレンオキシド及び/又はスチレンオキシドを、一般式(1)で表されるメソゲン基含有化合物1モルに対して2〜10モル付加させる請求項7又は8に記載の熱応答性材料の製造方法。
  10. 熱応答性材料用原料組成物中の液晶性化合物の含有量が50〜90重量%である請求項7〜9のいずれかに記載の熱応答性材料の製造方法。
  11. 工程Cにおいて、熱応答性材料用原料組成物を液晶性が発現する温度で養生しながら液晶性化合物のメソゲン基を配向させる請求項7〜10のいずれかに記載の熱応答性材料の製造方法。
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