JP2015117149A - 合成非晶質シリカ粉末及びその製造方法 - Google Patents

合成非晶質シリカ粉末及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高温及び減圧環境下で使用される合成シリカガラス製品の原料に適した合成非晶質シリカ粉末であって、高温及び減圧の環境下での使用において安定的に気泡の発生又は膨張を抑制し、しかも比較的低コストで得られる合成非晶質シリカ粉末を提供する。【解決手段】シリカを原料として、造粒、焼成により得られた合成非晶質シリカ粉末であって、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が72μm以上485μm以下であり、体積基準の粒径45μm以下の粒子の累積頻度が1.8%以下であり、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90と体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10との差を、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50で除した値が0.79以上で1.40以下であり、かさ密度が0.75g/cm3以上1.5g/cm3以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体産業等において高温及び減圧の環境下で使用される治具やルツボ等の合成シリカガラス製品を製造する原料として好適な高純度の合成非晶質シリカ粉末及びその製造方法に関する。
従来、半導体用途の単結晶製造に用いるルツボや治具類は、天然石英やケイ砂を粉砕し、精製することにより得られた石英粉を原料として製造されていた。しかし、天然石英やケイ砂は種々の金属不純物を含んでおり、上記精製処理を行っても金属不純物を完全には取除くことができないため、純度において十分に満足できるものではなかった。また、半導体の高集積化が進むに従って、材料となる単結晶に対する品質要求が高まり、その単結晶の製造に使用されるルツボや治具類も高純度品が要望されるようになった。そのため、天然石英やケイ砂の代わりに、高純度の合成非晶質シリカ粉末を原料とした合成シリカガラス製品が注目されている。
この高純度の合成非晶質シリカ粉末を製造する方法としては、高純度の四塩化珪素を水で加水分解させ、生成したシリカゲルを乾燥、整粒、焼成して合成非晶質シリカ粉末を得る方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。また、珪酸エステル等のアルコキシシランを酸とアルカリの存在下で加水分解してゲル化させ、得られたゲルを乾燥、粉砕後、焼成することにより合成非晶質シリカ粉末を得る方法が開示されている(例えば、特許文献2,3参照。)。また、ヒュームドシリカのスラリーを製造し、これを乾燥、粉砕後、焼成することにより合成非晶質シリカ粉末を得る方法が開示されている(例えば、特許文献4,5参照。)。上記特許文献1〜5に記載された方法で製造した合成非晶質シリカ粉末は、天然石英やケイ砂に比べて高純度であり、これらを原料として製造されたルツボや治具類等の合成シリカガラス製品からの不純物混入低減や高性能化が可能となった。
特公平4−75848号公報(特許請求の範囲第1項) 特開昭62−176928号公報(特許請求の範囲第1項) 特開平3−275527号公報(第2頁左下欄第7行〜第3頁左上欄第6行) 特許4548625号公報 特開2001−220157号公報
しかしながら、上記特許文献1〜5に記載された方法で製造した合成非晶質シリカ粉末を原料として製造された合成シリカガラス製品は、その使用環境が高温及び減圧環境下である場合、製品中に気泡が発生、或いは元々存在していた気泡が膨張して、その合成シリカガラス製品の性能を大幅に低減させるという欠点を有していた。
例えば、シリコン単結晶引上げ用ルツボは、一般に1500℃付近及び7000Pa付近の高温及び減圧環境下で使用される合成シリカガラス製品である。このため、前述の気泡の発生又は膨張によってルツボの性能が大幅に低減し、これにより、引上げる単結晶の品質が左右されるという問題が生じていた。また、シリコン単結晶の大口径化により、シリコン単結晶引上げ用ルツボの使用環境は、より高温化、長期化の傾向にある。
このような高温及び減圧環境下での使用において生じる問題に対しては、四塩化珪素の加水分解によって得られる合成非晶質シリカ粉末に熱処理を施して、合成非晶質シリカ粉末中の水酸基と塩素の濃度をそれぞれ減少させ、またアルコキシシランのゾルゲル法によって得られる合成非晶質シリカ粉末に熱処理を施して、合成非晶質シリカ粉末中の水酸基と炭素の濃度をそれぞれ減少させ、また、ヒュームドシリカのスラリーから得られる合成非晶質シリカ粉末に熱処理を施して、水酸基の濃度を減少させ、合成非晶質シリカ粉末中のガス成分になり得る不純物濃度の低減を行う対応が考えられる。
しかしながら、上記対応を行っても、高温及び減圧環境下で使用される合成シリカガラス製品中の気泡の発生又は膨張を十分に抑制することができていないのが現状である。
本発明者の研究により、これまで気泡の主な原因と考えられていた合成非晶質シリカ粉末中の水酸基、塩素、炭素等の濃度は、所定濃度まで抑えられれば、更にこれらの濃度を低下させても、合成シリカガラス製品中の気泡の発生又は膨張はこれ以上抑制されないことが明らかになった。これは、合成シリカガラス製品中の気泡の発生又は膨張の原因は、他に原因があることを示唆しており、本発明者は、更にその原因について、使用される合成非晶質シリカ粉末の粒度分布やかさ密度、充填密度等の粉体特性との相関に着眼して研究を行った。
その結果、上記合成非晶質シリカ粉末の粉体特性のうち、特に粒度分布、かさ密度との相関が高いことを知見し、これらをより厳密に制御することにより、合成シリカガラス製品中の気泡の発生又は膨張を大幅に、かつ低コストで抑制できることを見出した。
本発明の目的は、高温及び減圧環境下で使用される合成シリカガラス製品の原料に適した合成非晶質シリカ粉末であって、高温及び減圧の環境下での使用において安定的に気泡の発生又は膨張を抑制し、しかも比較的低コストで得られる合成非晶質シリカ粉末を提供することにある。
本発明者が鋭意研究を重ねた結果、高温及び減圧の環境下で使用される合成シリカガラス製品において気泡の発生又は膨張を安定的に抑制するには、その製造原料に用いられる合成非晶質シリカ粉末の水酸基、塩素又は炭素の濃度を低減させることのほか、粉体特性の厳密な制御により、合成非晶質シリカ粉末溶融時に粒子間に存在するガスの取り残されを少なくし、かつ粉末溶融時に粒子間に存在するガスが外部へ抜けるための流路(パス)を確保することが重要であるという知見を得た。
本発明の第1の観点は、シリカを原料として、造粒、焼成により得られた合成非晶質シリカ粉末であって、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が72μm以上485μm以下であり、体積基準の粒径45μm以下の粒子の累積頻度が1.8%以下であり、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90と体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10との差を、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50で除した値が0.79以上で1.40以下であり、かさ密度が0.75g/cm3以上1.5g/cm3以下であることを特徴とする合成非晶質シリカ粉末である。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に比表面積50〜200m2/gのヒュームドシリカを原料とし、炭素濃度が2ppm未満、水酸基濃度が70ppm未満、塩素濃度が2ppm未満であることを特徴とする。
本発明の第1の観点の合成非晶質シリカ粉末は、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が72μm以上485μm以下であり、体積基準の粒径45μm以下の粒子の累積頻度が1.8%以下であり、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90と体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10との差を、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50で除した値が0.79以上で1.40以下であり、かさ密度が0.75g/cm3以上1.5g/cm3以下である。これにより、この合成非晶質シリカ粉末は、粉末溶融時に粒子間に存在するガスの取り残されが非常に少なく、更に粉末溶融時において上記ガスが外部へ抜けるためのパスが十分に確保される。このため、シリコン単結晶引上げ用ルツボ等の高温及び減圧環境下で使用される合成シリカガラス製品に、この合成非晶質シリカ粉末を用いれば、気泡の発生又は膨張を抑制することができる。また、気泡の発生又は膨張の抑制について、球状化処理等の特別な処理を施さない場合でも、比較的高い効果が得られるため、低コストで得られる。
本発明の第2の観点の合成非晶質シリカ粉末では、その原料として、ヒュームドシリカを用いるため、気泡の発生原因となる炭素、水酸基、塩素の全ての濃度が大幅に低減される。このため、他のシリカを原料に用いた合成非晶質シリカ粉末に比べ、気泡の発生又は膨張を抑制する効果がより一層高められる。また、所定の比表面積を有するヒュームドシリカを用いるため、造粒の際の取扱い性等の面で優れる。
実施例3で得られた合成非晶質シリカ粉末の体積基準の粒度分布を示す図である。 本発明の合成非晶質シリカ粉末の製造工程を示すプロセスフロー図である。 スラリー調製に用いられる連続混練装置の概略断面図である。 熱プラズマによる球状化装置の概略断面図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明の合成非晶質シリカ粉末は、シリカを原料として、造粒、焼成により得られる。そして、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が72μm以上485μm以下であり、体積基準の粒径45μm以下の粒子の累積頻度が1.8%以下であり、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90と体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10との差を、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50で除した値が0.79以上で1.40以下であり、かさ密度が0.75g/cm3以上1.5g/cm3以下であることを特徴とする。なお、本明細書中、合成非晶質シリカ粉末の粒径、粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(スペクトリス社製 型式名:MS−3000)を用いて測定したものである。また、かさ密度とは、ゆるめかさ密度のことをいい、パウダーテスター(ホソカワミクロン社製 型式名:PT−X)を用いて測定したものである。
体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が72μm未満の場合は、合成非晶質シリカ粉末溶融時に合成非晶質シリカ粉末の粒子が溶けやすいために、合成非晶質シリカ粉末の粒子間に存在するガスの取り残されが多くなり、気泡が多く発生する。一方、合成非晶質シリカ粉末のDV50が485μmより大きい場合は、合成非晶質シリカ粉末の粒子間の空間が大きくなるために、合成非晶質シリカ粉末溶融時に粒子間に存在するガスの取り残されが多くなり、気泡が多く発生する。このうち、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50は120μm以上485μm以下であることが好ましい。
また、合成非晶質シリカ粉末の体積基準の45μm以下の粒子は、合成非晶質シリカ粉末の体積基準の粒度分布の頻度が50%の粒径DV50の72μm以上485μm以下と比較して小さいために、合成非晶質シリカ粉末溶融時には、溶融しやすい。このため、合成非晶質シリカ粉末の体積基準の45μm以下の粒子の頻度が1.8%以上の時は、溶融しやすい粒子が多数存在するために、溶融した合成非晶質シリカ粉末の粒子間に存在するガスの取り残されが多くなり、気泡が発生する。このうち、体積基準の粒径45μm以下の粒子の累積頻度は、0.5%以下であることが好ましい。
また、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90と体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10との差を、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50で除した値、即ち(DV90−DV10)/DV50の値が0.79未満であると、合成非晶質シリカ粉末の粒子が、同時に溶融するために、合成非晶質シリカ粉末溶融時に粒子間に存在するガスの取り残されが多くなる。(DV90−DV10)/DV50の値が1.40を越えると、合成非晶質シリカ粉末の粒径のばらつきが大きくなる。これにより、溶融速度のばらつきが大きくなるために、上記ガスが外部へ抜けるためのパスが十分に確保できなくなり、ガスの取り残されが多くなる。一方、(DV90−DV10)/DV50の値が0.79以上1.40以下であれば、粒子同士の溶融速度に適度な差があるために、合成非晶質シリカ粉末溶融時に粒子間に存在するガスの取り残されが少なくなり、またガスが外部に抜けるパスが確保できるために、ガスの取り残されが低減される。このうち、(DV90−DV10)/DV50の値は、0.85以上1.0以下であることが好ましい。
また、合成非晶質シリカ粉末のかさ密度が0.75g/cm3より小さいと、合成非晶質シリカ粉末の粒子間の空間が大きくなるために、合成非晶質シリカ粉末溶融時に粒子間に存在するガスの取り残されが多くなり、気泡が多く発生する。一方、合成非晶質シリカ粉末のかさ密度が1.5g/cm3を越えると、合成非晶質シリカ粉末溶融時に粒子間に存在するガスの流路(パス)が確保されず、これを通して逃げるガスが残留するために、これにより気泡が多く取り残される。
また、合成シリカガラス製品の不純物混入の低減や高性能化のため、合成非晶質シリカ粉末の不純物濃度は、水素原子を除く1A族、2A〜8族、1B〜3B族、炭素及び珪素を除く4B族、5B族、酸素を除く6B族、塩素を除く7B族の濃度が2ppm未満であることが好ましい。このうち、これらの不純物濃度は0.5ppm未満であることが特に好ましい。
また、高温及び減圧下における合成シリカガラス製品中の気泡の発生又は膨張を抑制するため、ガス成分となり得る水酸基濃度が70ppm未満、塩素濃度が2ppm未満、炭素濃度が2ppm未満であることが好ましい。本発明の合成非晶質シリカ粉末では、出発原料の選択や、乾燥、焼成条件を最適化することよって、表面に吸着するガス成分、粉末の内部のガス成分が極めて少なくなり、合成シリカガラス製品における気泡の発生又は膨張の低減効果がより高められる。
そして、四塩化珪素を加水分解させたシリカを原料とした合成非晶質シリカ粉末では、炭素濃度2ppm未満を達成できる。これは、四塩化珪素は、テトラメトキシシラン等の有機系シリコン化合物のように炭素原子を含まないため、残留する炭素濃度が比較的低減される。また、有機系シリコン化合物を加水分解させたシリカを原料とした合成非晶質シリカ粉末では、塩素濃度2ppm未満を達成する。上記シリカ粉末は、塩素系珪素化合物を液中で反応させて得られたシリカ粉末に比べて塩素濃度が低いため、これを原料粉末に用いて得られた合成非晶質シリカ粉末では、残留する塩素濃度が比較的低減される。
これに対して、ヒュームドシリカを原料とした合成非晶質シリカ粉末では、炭素濃度が2ppm未満、塩素濃度が2ppm未満となる。原料粉末に塩素系珪素化合物を液中で反応させて得られたシリカ粉末を用いて得られた合成非晶質シリカ粉末では、残留する塩素濃度が比較的高くなりやすい。また、原料粉末に有機系シリコン化合物を用いて得られた合成非晶質シリカ粉末では、残留する炭素濃度が比較的高くなりやすい。一方、ヒュームドシリカは上記2つのシリカ粉末よりも塩素濃度、炭素濃度が共に低いため、原料粉末にヒュームドシリカを用いて得られた合成非晶質シリカ粉末では、塩素濃度、炭素濃度の双方が極めて低減される。また、焼成雰囲気を制御することにより、水酸基濃度70ppm未満を達成できる。
原料に用いるヒュームドシリカの比表面積は50〜200m2/gであることが好ましい。比表面積が50m2/gより小さい場合、ヒュームドシリカを純水と混合しシリカ質のスラリーにして、このシリカ質のスラリーを乾燥して乾燥粉にした時に、ヒュームドシリカの粒子間の凝集性が良好ではないために、乾燥粉が崩れやすく、粉砕時の粉砕性が良好ではない。また、ヒュームドシリカの比表面積を200m2/gを越えると、シリカ質のスラリーのシリカ含有量が減少し、水含有率が増えるために経済性の観点から好ましくない。
続いて、本発明の合成非晶質シリカ粉末の製造方法について説明する。図2に、その製造工程についての簡単なプロセスフローを示す。第1の方法は、原料に四塩化珪素を用いる方法であり、この方法では、先ず四塩化珪素170gに対して3〜9kgに相当する量の超純水を準備する。準備した超純水を容器内に入れ、窒素又はアルゴン等の雰囲気にて、温度を20〜45℃に保持して攪拌、混合しながら、四塩化珪素を添加して加水分解させる。四塩化珪素を添加してから0.5〜6時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させる。このとき、攪拌速度は100〜300rpmの範囲にするのが好ましい。次に、上記シリカ質のスラリーを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に好ましくは1〜20L/minの流量で窒素又はアルゴン等を流しながら、200℃〜300℃の温度で12〜48時間乾燥させて造粒し、乾燥粉を得る。乾燥は、上記方法以外に、ロータリーキルン、ディスク式アトマイザーのスプレードライヤー等を用いて行うこともできる。ロータリーキルンを用いる場合は、ロータリーキルンのレトルト内に、5〜20L/minの流量で窒素又はアルゴン等を流しながら、上記シリカ質のスラリーを入れ、500℃〜1000℃の温度で0.25〜2時間乾燥させて造粒し、乾燥粉を得る。なお、ディスク式アトマイザーのスプレードライヤーを用いる場合は、造粒も同時に行われる。次に、この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャー等の粉砕機を用いて粉砕する。ロールクラッシャーを用いる場合は、ロール隙間0.2〜0.7mm、ロール回転数40〜150rpmに適宜調整して行う。
次に、粉砕した乾燥粉を振動フルイ等を用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が100〜700μm、好ましくは300〜650μmのシリカ粉末を得る。得られたシリカ粉末は、後述の焼成、粉砕、分級等の工程を経る。
第2の方法は、原料に有機系シリコン化合物を用いる方法であり、この方法では、先ず有機系シリコン化合物としてテトラメトキシシラン1molに対して、超純水0.5〜3mol、エタノール0.5〜3molを準備する。準備した超純水、エタノールを容器内に入れ、窒素又はアルゴン等の雰囲気にて、温度を60℃に保持して攪拌、混合しながら、テトラメトキシシランを添加して加水分解させる。テトラメトキシシランを添加してから5〜120分間、撹拌、混合した後、テトラメトキシラン1molに対して1〜50molの超純水を更に添加し、1〜12時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させる。このとき、攪拌速度は100〜300rpmの範囲にするのが好ましい。次に、上記シリカ質のスラリーを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に好ましくは1〜20L/minの流量で窒素又はアルゴン等を流しながら、200℃〜300℃の温度で12〜48時間乾燥させて造粒し、乾燥粉を得る。乾燥は、上記方法以外に、ロータリーキルンやディスク式アトマイザーのスプレードライヤー等を用いて行うこともできる。ロータリーキルンを用いる場合は、ロータリーキルンのレトルト内に、5〜20L/minの流量で窒素又はアルゴン等を流しながら、上記シリカ質のスラリーを入れ、500℃〜1000℃の温度で0.25〜2時間乾燥させて造粒し、乾燥粉を得る。なお、ディスク式アトマイザーのスプレードライヤーを用いる場合は、造粒も同時に行われる。次に、この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャー等の粉砕機を用いて粉砕する。ロールクラッシャーを用いる場合は、ロール隙間0.2〜0.7mm、ロール回転数40〜150rpmに適宜調整して行う。
次に、粉砕した乾燥粉を振動フルイ等を用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が100〜700μm、好ましくは300〜650μmのシリカ粉末が得られる。得られたシリカ粉末は、後述の焼成、粉砕、分級等の工程を経る。
第3の方法は、原料にヒュームドシリカを用いる方法であり、この方法では、比表面積が50〜200m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水1.0〜20kgを準備する。なお、比表面積とは、ガス吸着量測定装置(カンタクロム社製 型式名:AUTOSORB−1 MP)で測定されたBET3点法による値をいう。準備した超純水を容器内に入れ、窒素又はアルゴン等の雰囲気にて、温度を10〜30℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加する。ヒュームドシリカを添加してから0.5〜6時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させる。このとき、攪拌速度は10〜50rpmの範囲にするのが好ましい。混合は、上記方法以外に、後述の図3に示す連続混練装置50を用いて行うこともできる。連続混練装置50は、ヒュームドシリカと超純水を連続して混合し、高濃度のヒュームドシリカを含有するシリカ質のスラリーを生成させることができるため、量産性の面で優れる。次に、上記シリカ質のスラリーを乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に好ましくは1〜20L/minの流量で窒素又はアルゴン等を流しながら、200℃〜300℃の温度で12〜48時間乾燥させて、乾燥粉を得る。乾燥は、上記方法以外に、ロータリーキルンやディスク式アトマイザーのスプレードライヤー等を用いて行うこともできる。ロータリーキルンを用いる場合は、ロータリーキルンのレトルト内に、5〜20L/minの流量で窒素又はアルゴン等を流しながら、上記シリカ質のスラリーを入れ、500℃〜1000℃の温度で0.25〜2時間乾燥させて造粒し、乾燥粉を得る。次に、この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャー等の粉砕機を用いて粉砕する。ロールクラッシャーを用いる場合は、ロール隙間0.2〜0.7mm、ロール回転数40〜150rpmに適宜調整して行う。
次に、粉砕した乾燥粉を振動フルイ等を用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が100〜700μm、好ましくは300〜650μmのシリカ粉末が得られる。
第1〜第3の方法で得られたシリカ粉末は、以下の焼成、粉砕の工程を経る。焼成は、粒子同士の熔着を防ぐため、二段階焼成で行うのが好ましい。一次焼成は、耐熱性ガラス、石英製の容器内にシリカ粉末を投入し、これを電気炉、雰囲気炉、昇降炉に入れて、好ましくは大気、窒素又は真空雰囲気中、900〜1200℃の温度で6〜24時間加熱することにより行う。一次焼成を行った後は、ロールクラッシャーや乳鉢等を用いて粉砕する。ここでの粉砕は、ロールクラッシャーを用いる場合、ロール隙間10〜50mm、ロール回転数10〜50rpmに適宜調整して行う。粉砕後、シリカ粉末を、耐熱性ガラス、石英製の容器内に投入し、再び電気炉、雰囲気炉又は昇降炉を用いて、二次焼成を行う。二次焼成は、好ましくは大気又は窒素雰囲気中、1100〜1400℃の温度で24〜60時間行う。二次焼成を行った後は、再びロールクラッシャー等を用いて粉砕する。ここでの粉砕は、ロールクラッシャーを用いる場合、ロール隙間0.2〜0.7mm、ロール回転数10〜50rpmに適宜調整して行う。
以上の工程により、本発明の合成非晶質シリカ粉末が得られる。この合成非晶質シリカ粉末は、球状化処理等を施して得られる粉末に比べて低コストで得られ、しかも、従来品と比較して、合成シリカガラス製品中で発生又は膨張する気泡について高い抑制効果が得られる。また、この合成非晶質シリカ粉末に、後述の図4に示す装置を用いて球状化処理を施すことによって、上記気泡の発生又は膨張についてより高い抑制効果を得ることも可能である。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、比表面積が50m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水1.9kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをロータリーキルンのレトルトに入れ、ロータリーキルンのレトルト内に10L/minの流量で窒素を流しながら、600℃の温度で1時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を40rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き425μm及び850μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が693μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、これを電気炉に入れ、大気雰囲気中で1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を1.5mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、これを雰囲気炉に入れ、雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1350℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.0%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が328μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が485μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が713μm、かさ密度1.50g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<実施例2>
先ず、比表面積が50m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水1.0kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.5mm、ロール回転数を40rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き224μm及び630μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が510μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を1.1mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1350℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.6mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.5%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が178μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が357μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が533μm、かさ密度1.31g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<実施例3>
先ず、比表面積が90m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水2.3kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を20℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を60rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き120μm及び400μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が303μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1195℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.4mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.9%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が94μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が212μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が347μm、かさ密度1.13g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<実施例4>
先ず、四塩化珪素170gに対して、超純水3.0kgを準備した。この超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を10℃に保持して攪拌、混合しながら、四塩化珪素を添加して加水分解させた。四塩化珪素を添加してから3時間攪拌、混合を継続して、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は150rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、300℃の温度で24時間乾燥、脱塩素させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.25mm、ロール回転数90rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き85μm及び315μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が250μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で900℃の温度で6時間、その後1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.5mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で36時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.8%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が65μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が175μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が282μm、かさ密度1.07g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<実施例5>
先ず、テトラメトキシシラン1molに対して、超純水1mol、エタノール1molを準備した。準備した超純水、エタノールをテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を60℃に保持して攪拌しながら、テトラメトキシシランを添加して加水分解させた。テトラメトキシシランを添加してから60分間、撹拌した後、テトラメトキシラン1molに対して25molの超純水を更に添加し、6時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に20L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を100rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を、気流分級機を用いて、ベーン角25°、ブロワー風量6m3/minで分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が177μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、真空炉に入れ、圧力1Paで1200℃の温度で12時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.5mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が1.2%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が94μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が124μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が247μm、かさ密度0.91g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<実施例6>
先ず、図3に示すように、回転する複数の突片54を有する連続混練装置50の容器51に、比表面積200m2/gのヒュームドシリカを3kg/時間の速度で供給するとともに、15℃のイオン交換水を7kg/時間の速度で供給して混合し、シリカ質のスラリーを生成させた。上記連続混練装置50は、底板51aを有し上面が開放された円筒状の容器51と、この底板51aの中央に鉛直方向に延びて挿通され上端が容器51内の上部に位置するように回転可能に設けられた回転軸52と、この回転軸52の上端に固着された円板状の回転板53と、この回転板53の下面に半径方向及び円周方向にそれぞれ所定の間隔をあけ、かつ下方に向って突設された複数の円柱状の突片54とを備える。底板51aと回転軸52との間には、容器51内のスラリー55の漏れを阻止するシール部材56と、回転軸52を底板51aに対して回転可能に保持する一対の軸受57,57とが介装される。また図3中の符号58は容器51内のスラリー55を排出するための排出管である。更に図3中の符号59は排出管58に設けられた開閉弁であり、この開閉弁59が開くと、容器51内のスラリー55が排出管58を通って排出されるようになっている。この実施例6において、上記回転板53の回転速度は500rpmに設定してシリカ質のスラリーを調製した。
次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量でアルゴンを流しながら、250℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を150rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き28μm及び140μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が103μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1190℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1280℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が1.8%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が21μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が72μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が121μm、かさ密度0.75g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<実施例7>
先ず、比表面積が50m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水1.9kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーを乾燥用テフロン(登録商標)製の容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を45rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き125μm及び425μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が323μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.4mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が232μmのシリカ粉末を得た。
続いて、図4に示す装置30を用いて球状化処理を行った。この装置30は、プラズマを発生させるプラズマトーチ31と、このプラズマトーチ31の下部に設けられた反応筒であるチャンバ32と、このチャンバ32の下部に設けられた処理後の粉末を回収する回収部33とを備える。プラズマトーチ31は、チャンバ32に連通する頂部が封止された石英管34と、この石英管34を巻回する高周波誘導コイル36を有する。石英管34の上部には原料供給管37が貫通して設けられ、かつガス導入管38が接続される。チャンバ32の側方にはガス排気口39が設けられる。プラズマトーチ31では、高周波誘導コイル36に通電するとプラズマ40を発生し、ガス導入管38から石英管34にアルゴン、酸素等のガスが供給される。原料粉末は原料供給管37を介してプラズマ40中に供給される。また、チャンバ32内のガスは、チャンバ32側方に設けられたガス排気口39から排気される。
球状化処理の条件は、高周波周波数5MHz、高周波出力90kW、アルゴンガス流量55L/min、酸素流量70L/minとした。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.9%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が98μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が226μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が361μm、かさ密度1.38g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<実施例8>
先ず、比表面積が90m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水2.3kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を20℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーを、ディスク式アトマイザーのスプレードライヤーで、ディスク直径100mm、ディスク回転数10000rpm、乾燥ガス温度250℃の条件にて造粒、乾燥することにより、乾燥粉を得た。この乾燥粉を目開き95μm及び375μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が272μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1195℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.6mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1310℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.9%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が77μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が203μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が326μm、かさ密度1.35g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例1>
先ず、比表面積が50m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水1.9kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをロータリーキルンのレトルトに入れ、ロータリーキルンのレトルト内に10L/minの流量で窒素を流しながら、600℃の温度で1時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を70rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き80μm及び402μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が299μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が2.1%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が64μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が209μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が347μm、かさ密度1.08g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例2>
先ず、比表面積が50m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水1.9kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーを乾燥用テフロン(登録商標)製の容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.85mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き450μm及び850μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が753μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を1.6mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1380℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を1.1mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.0%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が346μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が527μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が746μm、かさ密度1.53g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例3>
先ず、実施例6で使用した図3に示す連続混練装置50の容器51に、比表面積200m2/gのヒュームドシリカを3kg/時間の速度で供給するとともに、15℃のイオン交換水を7kg/時間の速度で供給して混合し、シリカ質のスラリーを生成させた。この比較例3において、上記回転板53の回転速度は500rpmに設定してシリカ質のスラリーを調製した。
次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量でアルゴンを流しながら、250℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を150rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き48μm及び132μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が87μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1190℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1270℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.1mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が1.4%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が35μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が61μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が118μm、かさ密度0.84g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例4>
先ず、比表面積が50m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水1.9kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーを乾燥用テフロン(登録商標)製の容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.8mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き450μm及び850μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が753μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を1.6mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1380℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を1.1mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.0%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が355μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が527μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が738μm、かさ密度1.48g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例5>
先ず、比表面積が50m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水1.9kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーを乾燥用テフロン(登録商標)製の容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を90rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き60μm及び400μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が311μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を25rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.5%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が46μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が218μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が353μm、かさ密度1.08g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例6>
先ず、四塩化珪素170gに対して、超純水3.0kgを準備した。この超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を10℃に保持して攪拌、混合しながら、四塩化珪素を添加して加水分解させた。四塩化珪素を添加してから3時間攪拌、混合を継続して、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は150rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、300℃の温度で24時間乾燥、脱塩素させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数80rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き65μm及び425μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が317μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で900℃の温度で6時間、その後1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で36時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.4%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が52μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が222μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が369μm、かさ密度1.09g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例7>
先ず、テトラメトキシシラン1molに対して、超純水1mol、エタノール1molを準備した。準備した超純水、エタノールをテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を60℃に保持して攪拌しながら、テトラメトキシシランを添加して加水分解させた。テトラメトキシシランを添加してから60分間、撹拌した後、テトラメトキシラン1molに対して25molの超純水を更に添加し、6時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に20L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を90rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を、気流分級機を用いて、ベーン角25°、ブロワー風量6m3/minで分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が289μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、真空炉に入れ、圧力1Paで1200℃の温度で12時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が1.0%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が37μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が202μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が335μm、かさ密度1.05g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例8>
先ず、比表面積が50m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水1.9kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を25℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は30rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーを乾燥用テフロン(登録商標)製の容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、200℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を70rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き53μm及び400μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が293μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1200℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。これにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が232μmのシリカ粉末を得た。
続いて、実施例7で使用した図4に示す装置30を用いて球状化処理を行った。球状化処理の条件は、高周波周波数5MHz、高周波出力90kW、アルゴンガス流量55L/min、酸素流量70L/minとした。具体的には、先ず、装置30のガス供給管38から作動ガスのアルゴンを導入して、高周波をプラズマトーチ31に印加させ、プラズマを発生させた。プラズマが安定した後に、酸素を徐々に導入して、アルゴン−酸素プラズマを発生させた。上記得られたシリカ粉末を、原料供給管37からアルゴン−酸素プラズマ中に投入して、シリカ粉末を溶融させ、融体となった粒子を落下させて、落下した粒子を回収部33で回収することにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が1.0%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が41μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が205μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が339μm、かさ密度1.37g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例9>
先ず、比表面積が90m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水2.3kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を20℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーを、ディスク式アトマイザーのスプレードライヤーで、ディスク直径100mm、ディスク回転数10000rpm、乾燥ガス温度250℃の条件にて造粒、乾燥することにより、乾燥粉を得た。この乾燥粉を目開き53μm及び400μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が307μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1195℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1300℃の温度で48時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を30rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.9%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が45μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が215μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が351μm、かさ密度1.34/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例10>
先ず、比表面積が90m2/gのヒュームドシリカ1kgに対して、超純水2.3kgを準備した。準備した超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を20℃に保持して攪拌、混合しながら、ヒュームドシリカを添加した。ヒュームドシリカを添加してから3時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に10L/minの流量で窒素を流しながら、100℃の温度で12時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を60rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き120μm及び400μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が312μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で1160℃の温度で3時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.7mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.5%の酸素を流しながら、1050℃の温度で36時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.4mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.9%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が108μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が250μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が408μm、かさ密度0.63g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例11>
先ず、四塩化珪素170gに対して、超純水3.0kgを準備した。この超純水をテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を10℃に保持して攪拌、混合しながら、四塩化珪素を添加して加水分解させた。四塩化珪素を添加してから3時間攪拌、混合を継続して、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は150rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に15L/minの流量で窒素を流しながら、300℃の温度で24時間乾燥、脱塩素させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.25mm、ロール回転数90rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を目開き85μm及び315μmの振動フルイを用いて分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が250μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、電気炉に入れ、大気雰囲気中で500℃の温度で6時間、その後800℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.5mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1000℃の温度で36時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が0.9%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が78μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が210μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が338μm、かさ密度0.66g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<比較例12>
先ず、テトラメトキシシラン1molに対して、超純水1mol、エタノール1molを準備した。準備した超純水、エタノールをテフロン(登録商標)製の容器内に入れ、窒素雰囲気にて、温度を60℃に保持して攪拌しながら、テトラメトキシシランを添加して加水分解させた。テトラメトキシシランを添加してから60分間、撹拌した後、テトラメトキシラン1molに対して25molの超純水を更に添加し、6時間攪拌、混合を継続し、シリカ質のスラリーを生成させた。このとき、攪拌速度は100rpmとした。次に、上記シリカ質のスラリーをテフロン(登録商標)製の乾燥用容器に移しこれを乾燥機に入れ、乾燥機内に20L/minの流量で窒素を流しながら、250℃の温度で24時間乾燥させて乾燥粉を得た。この乾燥粉を乾燥機から取り出し、ロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.2mm、ロール回転数を100rpmに調整して行った。粉砕した乾燥粉を、気流分級機を用いて、ベーン角25°、ブロワー風量6m3/minで分級することにより、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が177μmのシリカ粉末を得た。
続いて、これらシリカ粉末を溶融石英容器に入れて、真空炉に入れ、圧力1Paで850℃の温度で24時間加熱することにより一次焼成を行った。一次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.5mm、ロール回転数を10rpmに調整して行った。更にこのシリカ粉末を、再び溶融石英製の容器に入れて、雰囲気炉に入れた。雰囲気炉内に、5L/minの流量で純度99.9995%の高純度酸素を流しながら、1050℃の温度で12時間加熱することにより二次焼成を行った。二次焼成後のシリカ粉末を、溶融石英製の容器から取り出し、これをロールクラッシャーを用いて粉砕した。このときロール隙間を0.3mm、ロール回転数を15rpmに調整して行った。これにより、体積基準の45μm以下の粒子の累積頻度が1.4%、体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10が113μm、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が271μm、体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90が443μm、かさ密度0.67g/cm3の合成非晶質シリカ粉末を得た。
<評価及び比較試験>
実施例1〜8及び比較例1〜12で得られた粉末の不純物濃度を以下の方法により分析又は測定した。また、実施例1〜8及び比較例1〜12の粉末を用いて石英ルツボを作成し、単位体積当たりの気泡含有量を評価した。これらの結果を次の表1に示す。また、図1に、実施例3で得られた合成非晶質シリカ粉末の粒度分布を示す。
(i) C:粉末に助燃剤として鉄、タングステン、すずを添加し、酸素雰囲気にて高周波炉燃焼−赤外線吸収法(堀場製作所社製 型式名:EMIA−920V)にて分析を行った。
(ii) Cl:合成非晶質シリカ粉末に超純水を混合し、超音波下にてClを浸出させる。遠心分離機により合成非晶質シリカ粉末と浸出液を分離して、浸出液をイオンクロマトグラフィー(日本ダイオネクス社製 型式名:DX−500)により分析を行った。
(iii) OH:フーリエ変換型赤外線分光分析計(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製 型式名:Nicolet4700FT−IR)により、3660cm-1付近のピーク高さにより測定した。
(iv) 気泡含有量:直径16インチの石英ルツボ製造用モールドの内面に沿って天然石英粉を約8mm、実施例1〜8及び比較例1〜12で得られた粉末をそれぞれ約2.5mm充填した。モールドの中心軸上であって、モールドの底面より400mm上方の位置(モールド上端面と同一レベル)に電極先端部が配置されるようにアーク電極を設置した。モールドを所定の速度で回転させながら、アーク電極に200kwの電力で5分間通電して石英粉を溶融した。次いでアーク電極を200mm降下し、同じ電力で8分間通電してモールド内の底部中央付近の石英を重点的に加熱し、通電中にモールド側より6分間減圧した。
得られた石英ルツボを幅3cmに短冊状に切断し、5.0×102Pa真空雰囲気下で1600℃の温度で48時間の熱処理を行った。熱処理後、石英ルツボ上端から10cm〜15cmの部分を切り出し、断面研磨行い、実施例1〜8及び比較例1〜12で得られた粉末が溶融した部分の単位体積当たりに発生する気泡含有量を評価した。
Figure 2015117149
表1から明らかなように、実施例1〜8と比較例1〜12を比較すると、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50、体積基準の粒径45μm以下の粒子の累積頻度、(DV90−DV10)/DV50の値、かさ密度が所望の値に制御された実施例1〜8の合成非晶質シリカ粉末では、これらの数値のいずれかが所定の条件を満たさない比較例1〜12に比べて、石英ルツボにおける気泡含有量が大幅に低減されている。また、球状化処理を行っていない実施例1等でも、球状化処理を行った実施例7と比べて比較的良好な結果が得られたことが判る。また、出発原料に比表面積50〜200m2/gのヒュームドシリカを用いた実施例1〜3,6〜8では、炭素濃度、塩素濃度、水酸基濃度のいずれもが所定値未満に低減されていることが判る。
このことから、本発明の合成非晶質シリカ粉末は、気泡の発生又は膨張の低減効果が非常に高く、合成シリカガラス製品のための原料に適していることが確認された。
本発明の合成非晶質シリカ粉末は、半導体用途の単結晶製造に用いるルツボや治具類等の合成シリカガラス製品を製造する原料として使用される。

Claims (2)

  1. シリカを原料として、造粒、焼成により得られた合成非晶質シリカ粉末であって、
    体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50が72μm以上485μm以下であり、
    体積基準の粒径45μm以下の粒子の累積頻度が1.8%以下であり、
    体積基準の粒度分布の累積頻度90%の粒径DV90と体積基準の粒度分布の累積頻度10%の粒径DV10との差を、体積基準の粒度分布の累積頻度50%の粒径DV50で除した値が0.79以上で1.40以下であり、
    かさ密度が0.75g/cm3以上1.5g/cm3以下であることを特徴とする合成非晶質シリカ粉末。
  2. 比表面積50〜200m2/gのヒュームドシリカを原料とし、炭素濃度が2ppm未満、水酸基濃度が70ppm未満、塩素濃度が2ppm未満である請求項1記載の合成非晶質シリカ粉末。
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