JP2015117005A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】4輪に舵角を与える車両において転舵状態の異常を速やかに検知すること、及び連結機構の結合及び分離状態の異常を速やかに検知すること。【解決手段】ラックバー53と噛み合う第一及び第二ピニオンギア62、65の回転とともに回転する移動量検出用ギア71と、この移動量検出用ギア71の回転に伴って回転するパルサギア72と、このパルサギア72の回転量を検出する磁気センサ70とから、転舵状態の異常を検知する移動量検出手段73を構成する。また、第一及び第二ピニオンギア62、65の間に設けられ両ギア62、65を結合又は分離する連結機構63に設けられた突起部76aと、この連結機構63の結合及び分離状態において突起部76aと対向する位置に設けられ、結合又は分離状態を検知する誘導型近接センサ77a、77bとから、連結機構63の連結及び分離状態の異常を検知する連結状態検出手段78を構成する。【選択図】図9

Description

この発明は、車輪を転舵するステアリング装置に関するものである。
左右の車輪(以下、タイヤ、ホイール、ハブ、インホイールモータ等を含めて総合的に「車輪」と称する。)を結ぶステアリングリンク機構を用いて車輪を転舵するものに、アッカーマン・ジャントウ式と呼ばれる転舵機構がある。この転舵機構は、車両の旋回時に、左右の車輪が同一旋回中心をもつように、タイロッドとナックルアームを用いるものである。
この転舵機構として、例えば特許文献1に示す構成のものがある。この転舵機構は、タイロッドとナックルアームを用いる左右車輪のステアリングリンク機構を前輪側または後輪側の少なくとも一方に備え、タイロッド長さ、左右のタイロッド間距離または各車輪とナックルアームのなす角度のいずれかを変化させるアクチュエータを設けることで、通常走行、平行移動、小回りのすべての走行をスムーズに行い得るようにしている。
特許文献2に示す転舵機構は、前後輪の左右車輪間に配置され、軸心周りに回転可能なステアリングシャフトと、このステアリングシャフトを左右2分割した間に、分割されたステアリングシャフトの回転方向を正逆方向で切り替える正逆切り替え手段を備えている。この切り替え手段によって、舵角90度、横方向移動等を可能としている。
特許文献3には、前輪の転舵に応じてアクチュエータが作動して、後輪を転舵するようにした4輪転舵車両の技術について示されている。また、特許文献4には、左右車輪間を結ぶラックハウジングを前後方向に移動させることで、左右車輪のトー調整を行い、走行安定性を高めた転舵機構の技術について示されている。
特許文献5に係る転舵機構は、左右に独立して移動可能な2つのラックバーを持ち、前記ラックバーのそれぞれを左右いずれかの車輪にタイロッドを介して接続し、前記ラックバーは同期ギアボックスに保持される同期ギアにより、同期ギアボックスに対して反対に移動可能としている。この2つのラックバーには、このラックバーに噛み合うピニオンギアがそれぞれ設けられ、両ピニオンギアの間には、両ピニオンギアの回転軸を結合又は分離可能とする連結機構が設けられている。この連結機構を結合すると、両ラックバーを一体として同方向に同距離だけ移動する、すなわち左右の車輪を同方向に転舵することができる。その一方で、この連結機構を分離すると、両ラックバーを反対方向に同距離移動する、すなわち左右の車輪を逆方向に転舵することができる。
特開平04−262971号公報 特許第4635754号公報 実用新案登録第2600374号公報 特開2003−127876号公報 特願2013−158876(未公開)
一般的なアッカーマン・ジャントウ式のステアリングリンク機構によれば、通常走行時には、各車輪の回転ライン(車輪の幅方向中心線)から平面視垂直に延びた線が、車両の旋回中心に集まるので、スムーズな走行ができる。しかし、車両の横方向移動(車両が前後方向を向いた状態での横方向への平行移動)を求める場合、車輪を前後方向に対して90度の方向に操舵することは、ステアリングリンクの長さや他部材との干渉から困難である。また、仮に、左右の車輪のうち一方の車輪を90度に操舵した場合でも、他方の車輪は一方の車輪と完全に平行にはならず、スムーズな走行が困難である。
また、この種の車両では、通常、主転舵車輪である前輪を車両の所定の進行方向に転舵可能であり、従転舵車輪である後輪は、車両の前後方向と並行に設定されている。このため、この車両の前輪を転舵し旋回させると、前輪と後輪とが旋回円に一致しない。したがって、低車速時には内輪差により後輪が旋回円の内側に入る姿勢で車両が旋回し、高車速時には遠心力により前輪が旋回円の内側に入る姿勢で車両が旋回することになる。すなわち、前輪を車両の進行方向である旋回方向に転舵しても、車両の姿勢を旋回方向に一致させ操向することができないという問題がある。そこで、前輪のみならず後輪をも転舵することにより、走行性を向上させる4輪転舵機構(4輪転舵装置)を有する車両がある。
4輪転舵機構を有する車両(いわゆる4WS車)として、例えば、特許文献1に記載の技術では、車両の横方向移動、小回り等が可能である。しかし、タイロッドの長さ、左右タイロッド間の距離、あるいは、車輪とナックルアームのなす角を変化させるアクチュエータを備えるため、アクチュエータが多く制御が複雑である。また、特許文献2に記載の技術は、その機構上、構造が複雑であるだけでなく、ラックバーの回転で車輪を転舵するために、多数の歯車を使用している。このため、ガタが発生しやすく、円滑に車輪の転舵をすることが困難である。
また、特許文献3の技術は、従来の4輪転舵機構の一例であって後輪転舵を可能としているが、この機構だけでは上述する同じ理由により横方向移動をすることは困難である。さらに、特許文献4の技術は、トー調整が可能である反面、車両の横方向移動、小回り等には対応できない。
また、特許文献5は、特許文献1〜4の上記課題を解決すべく、出願人が考案したものであり、路面状況が良好であれば4輪転舵機構に何ら問題はない。しかし、道路や雪道等の過酷な路面状況において、左右車輪の接地面の摩擦状態が極端に異なる場合には、車輪をスムーズに所望角度に転舵できない問題が生じ得る。すなわち、それぞれのラックバーが左右車輪にそれぞれ接続されていることから、左右車輪の接地面の傾斜や摩擦状態の違い等によって、転舵操作の際に、片方のラックバーが停止もしくは左右車輪が異なる転舵速度で転舵し、左右車輪が対称に転舵できず、最終的に目標とする車輪角度とならないことがある。例えば、左車輪と接地面の摩擦力が、右車輪と接地面の摩擦力に比べて大きい場合、左車輪が転舵せず(左車輪に接続されたラックバーが移動することなく)、右車輪のみが大きく転舵する(本来、左車輪に接続されたラックバーが移動すべき分まで、右車輪に接続されたラックバーが移動する)ことが生じ得る。
また、モード切替用アクチュエータやインホイールモータの駆動力等を用いて転舵する場合、転舵装置に対して、路面状況や積載荷重に対応した適切な大きさの転舵力を作用させないと、転舵力が不足した場合に転舵を完了できなかったり、逆に転舵力が過剰となった場合に、転舵装置を破損したりする問題が生じ得る。
その一方で、インホイールモータを備えた一般的な車両では、インホイールモータは、モータの回転を制御するインバータと、そのための演算や車両コントローラとの通信等を行うCPUを持つユニットとから構成されるモータコントローラにより制御される。そして、このモータコントローラは、車両の走行制御ユニットを備えた車両コントローラにより制御される。車両コントローラが、運転者のアクセルペダルの操作量を検知し、それに基づき適切なトルク値(若しくはこれに類する値)を演算してモータコントローラに指令を発し、この指令を受けたモータコントローラからモータに電力が供給され、このモータから出力されたトルクによって車輪が駆動されて車両が走行する。
このとき、モータコントローラからモータに供給される電力は、車両コントローラから出力されるトルク値のみによって、すなわち、運転者の速度判断に基づいて行われるアクセルペダルの操作量のみによって決まる。それゆえに、インホイールモータの駆動力を用いて転舵する場合においても、速度や回転角度による指示ではなく、適切なトルク値(若しくはそれに類する値)を演算してモータコントローラに指令を発する必要がある。
また、この転舵においては、連結機構を結合又は分離状態を切り替える必要があるが、何らかの異常が発生して切り替えの途中で連結機構が停止した場合、駆動力の伝達が確実になされず、車輪を所定の転舵角度に転舵できないだけでなく、この連結機構を損傷する恐れもある。
そこで、この発明は、4輪に舵角を与える車両において転舵状態の異常を速やかに検知し、いかなる路面状況や積載荷重においてもスムーズに転舵を行うことを第一の課題とし、連結機構の結合及び分離状態の異常を速やかに検知することを第二の課題とする。
上記の第一の課題を解決するために、この発明においては、前方又は後方の左右車輪に接続され、その左右車輪を転舵するタイロッドと、前記左右車輪のタイロッドにそれぞれ接続された対のラックバーと、前記対のラックバーにそれぞれ噛み合い、一方のラックバーのラックの歯の並列方向に対する一方向への動きを他方のラックバーの他方向への動きに変換する同期ギアと、前記対のラックバーをそれぞれのラックバーのラックの歯の並列方向に沿って、左右反対方向へ移動させることが可能なラックバー動作手段と、前記ラックバーの左右方向への移動量を検出する移動量検出手段と、を備えたステアリング装置を構成した。
左右に独立して移動可能な対のラックバーに、それぞれタイロッドを介して車輪を接続したことにより、通常の走行モードにおいては、対のラックバーを一体固定させ従来のステアリング操作と違和感がなく作動させ、対のラックバーを別方向に移動することで、小回り、その場旋回、横方向移動など、さまざまな走行モードを実現できる。また、分離、固定の切り替えが可能な対のラックバーを用いたことにより、複雑な機構や制御を用いず、低コスト化が可能となる。すなわち、4輪に舵角を与える車両において、複雑な機構を用いることなく、前後輪を同位相又は逆位相の舵角に転舵し、横方向移動や小回りに対応することができる。
さらに、ラックバーの左右方向への移動量を検出する移動量検出手段を設けたことにより、例えば、左右車輪の接地面の傾斜等によって、左右一方の車輪のみが大きく転舵した場合、その左右の転舵量の違いを、対のラックバーの移動量の違いとして検出することができる。このようにラックバーの移動量の違いを検出することにより、転舵が正常に行われていないことを運転者が速やかに知ることができ、その対処(例えば、走行モードの変更をやり直す等)を行うことができる。
前記各構成においては、前記ラックバー動作手段が、ステアリングシャフトに直接又は他部材を介して間接的に取り付けられ、前記一方のラックバーに噛み合う第一ピニオンギアと、前記第一ピニオンギアと同軸上に設けられ、前記他方のラックバーに噛み合う第二ピニオンギアと、前記第一ピニオンギアと前記第二ピニオンギアの間に設けられ、両ギアを互いに結合又は分離自在とする連結機構と、を備え、前記移動量検出手段が、前記第一ピニオンギア又は前記第二ピニオンギアの少なくとも一方に噛み合う移動量検出用ギアと、前記移動量検出用ギアの回転角を検出する回転角度検出手段と、を備えた構成とすることができる。
前記各構成においては、前記回転角度検出手段が、前記移動量検出ギアの回転を伝達するパルサギアと、前記パルサギアの回転量を前記移動量検出ギアの回転角に変換する磁気センサと、を備えた構成とすることができる。
あるいは、前記回転角度検出手段が、ロータリー式磁気エンコーダである構成とすることもできる。
前記各構成においては、前記左右車輪の転舵角度を、前記移動量検出手段の出力から算出する演算手段を設けた構成とすることができる。
前記演算手段を備える構成においては、走行モードに対応する前記車輪の目標転舵角度と、前記演算手段によって算出した前記車輪の実際の現状転舵角度とを比較し、前記目標転舵角度と前記現状転舵角度との差を運転者に表示する表示部を備える構成とすることができる。
また、前記各構成においては、モード切替用アクチュエータ、通常転舵用アクチュエータ、及びインホイールモータのうち、少なくとも1つがステアリングの操作をアシストして転舵を行う構成とすることができる。
また前記各構成においては、運転者によるステアリングの操作角度、又は走行モードに対応する前記車輪の目標転舵角度と、前記演算手段によって算出した前記車輪の実際の現状転舵角度とを比較し、前記目標転舵角度と前記現状転舵角度との差が予め決めた所定値以下となるようにフィードバック制御を行う構成とすることができる。
このフィードバック制御を行う構成においては、前記対のラックバーに併設された移動量検出手段によって検出された前記対のラックバーの移動量、又は、モード切替用アクチュエータに設けられたセンサによって得られた前記対のラックバーの移動量の少なくとも1つから、前記モード切替用アクチュエータに対する駆動指令に前記フィードバック制御を行う構成とすることができる。
あるいは、前記対のラックバーに併設された移動量検出手段によって検出された前記対のラックバーの移動量、又は、通常転舵用アクチュエータに設けられたセンサによって得られた前記対のラックバーの移動量の少なくとも1つから、前記通常転舵用アクチュエータに対する駆動指令に前記フィードバック制御を行う構成とすることもできる。
あるいは、前記対のラックバーに併設された移動量検出手段によって検出された前記対のラックバーの移動量、又は、前記インホイールモータに設けられたセンサによって測定された回転角を前記演算手段に伝え、モータコントローラより得られたインホイールモータの回転角が所定の範囲内となるように、インホイールモータに対する駆動指令に前記フィードバック制御を行う構成とすることもできる。
このように、インホイールモータの駆動力を用いる構成においては、前記インホイールモータに設けられたセンサによって測定された回転角を前記モータコントローラに伝え、このインホイールモータの回転角が所定の範囲内となるように、前記インホイールモータに供給される電力の電流値に前記フィードバック制御を行う構成とすることができる。
前記演算手段を設ける構成においては、運転者によるステアリングの操作角度、又は走行モードに対応する前記車輪の目標転舵角度と、前記演算手段によって算出した前記車輪の実際の現状転舵角度とを比較し、前記目標転舵角度と前記現状転舵角度との差が予め決めた所定値以下となるようにフィードバック制御を行うことでスムーズに転舵することができる。
さらに、上記の第二の課題を解決するために、前方又は後方の左右車輪に接続され、その左右車輪を転舵するタイロッドと、前記左右車輪のタイロッドにそれぞれ接続された対のラックバーと、前記対のラックバーにそれぞれ噛み合い、一方のラックバーのラックの歯の並列方向に対する一方向への動きを他方のラックバーの他方向への動きに変換する同期ギアと、前記対のラックバーをそれぞれのラックバーのラックの歯の並列方向に沿って、左右反対方向へ移動させることが可能なラックバー動作手段と、を備え、さらに前記ラックバー動作手段が、ステアリングシャフトに直接又は他部材を介して間接的に取り付けられ、前記一方のラックバーに噛み合う第一ピニオンギアと、前記第一ピニオンギアと同軸上に設けられ、前記他方のラックバーに噛み合う第二ピニオンギアと、前記第一ピニオンギアと前記第二ピニオンギアの間に設けられ、両ギアを互いに結合又は分離自在とする連結機構と、を備え、前記連結機構の連結状態検出手段を備えたステアリング装置を構成した。
連結機構の連結状態検出手段を備えたことにより、何らかの異常な状態が発生して、連結機構の結合又は分離状態が不完全な場合に、その状態を検出することができる。このため、結合又は分離状態が不完全なまま動作を継続して、車輪を所定角度に転舵できなかったり、連結機構を損傷したりする不具合を回避することができる。
前記連結機構と前記連結状態検出手段を設ける構成においては、前記連結機構が、前記第一ピニオンギア又は前記第二ピニオンギアのいずれかの側に設けられる固定部と、前記第一ピニオンギア又は前記第二ピニオンギアのうち前記固定部を設けた側の反対側に設けられ、前記固定部と同軸に軸方向に相対移動して前記固定部と嵌合する移動部と、を備え、前記連結状態検出手段が、前記移動部の外周に設けられた検出部と、前記固定部と前記移動部とが結合及び分離した状態において前記検出部と対向する位置に設けられ、前記検出部が近接した際に検出信号を発信するセンサ部と、を備えた構成とすることができる。
前記検出部と前記センサ部を設ける構成においては、前記検出部が前記移動部の外周部の外径方向に突出して設けられた突起部であるとともに、前記センサ部が前記検出部との接近に伴う磁気損失を検出する誘導型近接センサとすることができる。あるいは、前記検出部が磁石であるとともに、前記センサ部が磁気検出素子とすることもできる。
前記連結機構と前記連結状態検出手段を設ける構成においては、前記連結機構に対して走行モードの切り替えの指示を発し、予め決めた所定時間を経過しても、前記センサ部で前記検出部から前記切り替え後の前記検出信号を受信できない際に走行モードの切り替え異常が生じたと判断し、連結機構に動作停止信号を発する異常時制御機構を備えた構成とすることができる。
また、前方又は後方の左右車輪に接続され、その左右車輪を転舵するタイロッドと、前記左右車輪のタイロッドにそれぞれ接続された対のラックバーと、前記対のラックバーにそれぞれ噛み合い、一方のラックバーのラックの歯の並列方向に対する一方向への動きを他方のラックバーの他方向への動きに変換する同期ギアと、前記対のラックバーをそれぞれのラックバーのラックの歯の並列方向に沿って、左右反対方向へ移動させることが可能なラックバー動作手段と、前記ラックバーの左右方向への移動量を検出する移動量検出手段と、を備え、さらに前記ラックバー動作手段が、ステアリングシャフトに直接又は他部材を介して間接的に取り付けられ、前記一方のラックバーに噛み合う第一ピニオンギアと、前記第一ピニオンギアと同軸上に設けられ、前記他方のラックバーに噛み合う第二ピニオンギアと、前記第一ピニオンギアと前記第二ピニオンギアの間に設けられ、両ギアを互いに結合又は分離自在とする連結機構と、を備え、前記連結機構の連結状態検出手段を備えたステアリング装置を構成することもできる。
このように、ラックバーの移動量検出手段と、連結機構の連結状態検出機構を併設することで、連結機構の連結状態を確認した上で、ラックバーの移動量の違いを検出することができる。このため、4輪に舵角を与える車両の走行モードの変更や転舵操作を一層スムーズに行うことができる。
左右に独立して移動可能な対のラックバーに、それぞれタイロッドを介して車輪を接続したことにより、通常の走行モードにおいては、対のラックバーを一体固定させ従来のステアリング操作と違和感がなく作動させ、対のラックバーを別方向に移動することで、小回り、その場旋回、横方向移動など、さまざまな走行モードを実現できる。また、分離、固定の切り替えが可能な対のラックバーを用いたことにより、複雑な機構や制御を用いず、低コスト化が可能となる。
さらに、ラックバーの左右方向への移動量を検出する移動量検出手段を設けたことにより、道路状態に関連して転舵が正常に行われていないことを運転者が速やかに知ることができ、スムーズにその対処を行うことができる。演算手段を設ける構成においては、走行モードに対応する前記車輪の目標転舵角度と、前記演算手段によって算出した前記車輪の実際の現状転舵角度とを比較し、前記目標転舵角度と前記現状転舵角度との差が予め決めた所定値以下となるようにフィードバック制御を行うことでスムーズに転舵することができる。また、連結機構の連結状態検出手段を備えたことにより、何らかの異常な状態が発生して、連結機構の結合又は分離状態が不完全な場合に、その状態を検出することができる。このため、結合又は分離状態が不完全なまま動作を継続して、車輪を所定角度に転舵できなかったり、連結機構を損傷したりする不具合を回避することができる。
この実施形態のステアリング装置を用いた車両のイメージ図 この発明に係る車両を示す平面図であって、(a)は一般車両、(b)はステアバイワイヤ方式の車両 図2(a)の車両において通常走行モード(通常の転舵モード)を示す平面図 図2(a)の車両において小回りモードを示す平面図 図2(a)の車両においてその場旋回モードを示す平面図 図2(a)の車両において横方向移動(平行移動)モードを示す平面図 車輪の支持状態を示す断面図 この発明に係るステアリング装置の第一実施形態を示す斜視図 第一実施形態に係るステアリング装置の内部を示し、(a)は背面図、(b)は平面図 第一実施形態に係るステアリング装置の内部を示す正面図であって、(a)は対のラックバーが接近した状態、(b)は対のラックバーが開いた状態 第一実施形態に係るステアリング装置のラックバー動作手段の詳細を示し、(a)は分離状態の側面図、(b)は結合状態の側面図 この発明に係るステアリング装置の第二実施形態を示す背面図 この発明に係るステアリング装置の第三実施形態を示す斜視図 第三実施形態に係るステアリング装置のラックバー動作手段の詳細を示し、(a)は結合状態の側面図、(b)は分離状態の側面図 第三実施形態に係るステアリング装置の内部を示す平面図 インホイールモータを搭載した車両の通常走行時の制御フローを示す図 インホイールモータの駆動力によって転舵する際の制御フローを示す図 モード切替用アクチュエータの駆動力によって転舵する際の制御フローを示す図
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態において、車両1の駆動輪のステアリング装置には、前後左右すべての車輪wのホイール内にインホイールモータMを装着している。インホイールモータMを備えたことにより、様々な走行パターンが可能となる。
図1は、この実施形態のステアリング装置を用いた車両1のイメージ図を示す。超小型モビリティで2人乗車(横並び二人乗り)の車体を示している。車両1はステアリング2の操作によって、ステアリングシャフト3を介して車輪wを転舵できるようになっている。ただし、この発明は、超小型モビリティに限定されるものではなく、通常車両にも適応可能である。
図2は、第一実施形態の車両1の駆動系及び制御経路を示す平面略図である。この実施形態は、前輪の左右輪(FL、FR)及び後輪の左右輪(RL、RR)にタイロッド12、22を介して、それぞれ本願のステアリング装置10、20を連結させたものである。
本願に係る前輪用のステアリング装置は、ステアリングシャフトを備えた一般車両(本図(a)参照)、又はステアリングの回転動作によって作動するモータなどのアクチュエータを備えたステアバイワイヤ方式の車両(本図(b)参照)のいずれにも採用することができ、前輪用のステアリング装置とリンクしたピニオンギア軸を操作することで通常転舵が可能となる。また、後輪用のステアリング装置は、ステアリングの回転動作によって作動するモータなどのアクチュエータ(ステアバイワイヤ)によって、後輪用のステアリング装置とリンクしたピニオンギア軸を操作することで、前輪と同様、転舵が可能となる。この後輪用のステアリング装置は、本図(a)(b)のいずれのタイプの車両にも採用することができる。
この発明のステアリング装置を、前輪又は後輪のどちらかのみに装備する車両も採用可能であるし、あるいは、この発明のステアリング装置を後輪のみに装備し、前輪には通常の一般的なステアリング装置を装備する車両も採用可能である。
前輪と後輪の各ステアリング装置10、20には、左右の車輪wを転舵するために2つのラックバーが備えられている。以下、前輪及び後輪共に、車両の前後方向に対して左側の車輪wに接続されるラックバーを第一ラックバー53と、右側の車輪wに接続されるラックバーを第二ラックバー54と称する。なお、図2において紙面左側の矢印が示している方向が車両の前方方向になる。図3から図6においても同様である。
前輪又は後輪の左右車輪wには、それぞれタイロッド12、22を介して各ラックバー53、54の接続用部材11、21が接続されている。タイロッド12、22と車輪wとの間には、適宜ナックルアーム等の各種部材が介在する。
図7は、インホイールモータMが収容された車輪wとタイロッド12、22との接続状態を示す。すべての車輪wは、それぞれ車両のフレームに支持されたアッパーアームUAおよびロアアームLAの先端に備えられたボールジョイントBJの中心を結んでできるキングピン軸Pを中心軸として、転舵が可能となっている。インホイールモータMは、車体内側から車輪wに向かって、モータ部101、減速機102、車輪用軸受103が順番に直列に配置している。
この発明に係るステアリング装置10、20の第一実施形態について説明する。第一ラックバー53と第二ラックバー54は、図8に示すように、各ステアリング装置10、20において、車両の直進方向(前後方向)に対して左右方向に伸びるラックケース(ステアリングシリンダ)50内に収容されている。ラックケース50は、前部カバー52と後部カバー51とからなり、車両1の図示しないフレーム(シャーシ)に、フランジ部50aを介して直接又は間接的にネジ固定されている。
このステアリング装置10、20には、図9で詳しく説明するように磁気センサ70が設けられており、この磁気センサ70でラックバー53、54の動きを検出することによって、左右車輪wが適切に転舵しているかどうか判断できるようになっている。なお、図示されていないが、タイロッド12、22からラックケース50にかけて、可動部への異物の侵入を防止するためのブーツが備えられている。第一回転軸61(ピニオン軸)は、ステアリングシャフト3に図示しないステアリングジョイントを介して接続される。
第一ラックバー53と第二ラックバー54は、運転者が行うステアリング2の操作に基づき直接、あるいは、ステアリング2の操作に連動する通常転舵用アクチュエータ31の動作によって、左右同方向に一体に同距離だけ移動させることができる。この移動により、通常走行時において、左右車輪wが左右同方向に転舵する。
このステアリング装置10、20は、図9に示すように、ラックバー動作手段60を備えている。このラックバー動作手段60は、車両1の直進方向に対する左右方向、すなわち、ラックの伸縮する方向(ラックの歯の並列する方向)に沿って、第一ラックバー53と第二ラックバー54を互いに反対方向(相反する方向)へ同距離移動させる機能を有する。
ラックバー動作手段60は、図9(a)に示すように、対のラックバー53、54の互いに対向するラックギア、すなわち、第一ラックバー53の同期用ラックギア53aと第二ラックバー54の同期用ラックギア54aにそれぞれ噛み合う第一同期ギア55を備える。
第一同期ギア55は、ラックバー53、54のラックの歯の並列方向に沿って一定の間隔で並列する三つのギア55a、55b、55cからなる。第一ラックバー53が、ラックバー動作手段60から入力された駆動力によって、この第一ラックバー53の歯の並列方向に対して一方向へ動くと、その動きが第二ラックバー54の他方向への動きに変換される。また、第二ラックバー54の前記他方向への移動量は、第一ラックバー53の前記一方向への移動量と同じである。
なお、図9(a)に示すように、第一同期ギア55の隣り合うギア55a、55b間、ギア55b、55c間には、それぞれ、第二同期ギア56を構成するギア56a、56bが配置されている。第二同期ギア56は、第一ラックバー53の同期用ラックギア53aや第二ラックバー54の同期用ラックギア54aには噛み合わず、第一同期ギア55にのみ噛み合っている。第二同期ギア56は、第一同期ギア55の3つのギア55a、55b、55cを、同方向に同角度だけ動かすためのものである。この第二同期ギア56によって、第一ラックバー53と第二ラックバー54を、スムーズに相対移動することが可能となる。
また、第一ラックバー53と第二ラックバー54は、同期用ラックギア53a、54aとは別に、それぞれ転舵用ラックギア53b、54bを備えている。この同期用ラックギア53a、54aと、転舵用ラックギア53b、54bを一体に形成してもよいし、これらを別部材として形成し、ボルト等の固定手段で一体に固定してもよい。
図9(a)(b)に示すように、第一及び第二ピニオンギア62、65にはそれぞれ移動量検出用ギア71が噛み合っており、この移動量検出用ギア71には、移動量検出用ギア71の回転に伴って回転するパルサギア72が設けられている。さらに、このパルサギア72に対向する位置に磁気センサ70が設けられている。この磁気センサ70は、磁界の変化を電気信号に変換するための検出素子や検出コイルを備え、パルサギア72の回転量を測定するためのものである。この磁気センサ70、移動量検出用ギア71、パルサギア72により、ラックバー53、54の左右への移動量を検出する移動量検出手段73が構成される。
ラックバー53、54が左右方向に移動するのに伴って第一及び第二ピニオンギア62、65が回転すると、この回転に伴って移動量検出用ギア71が回転し、さらにこの移動量検出用ギア71の回転に伴ってパルサギア72が回転する。すると、磁気センサ70から電気信号が発せられて、この電気信号からパルサギア72の回転数、さらには左右車輪wの転舵角度をこのステアリング装置10、20に設けられた演算手段から算出することができる。
また、図10(b)において図示するように、第二ラックバー54の転舵用ラックギア54bに噛み合う補助ギア74をさらに設け、この補助ギア74と第二ピニオンギア65側の移動量検出用ギア71とが噛み合うように構成するのが好ましい。このように、補助ギア74を設けることにより、本図に示すように第二ラックバー54の移動量が大きくなり、第二ピニオンギア65と転舵用ラックギア54bが噛み合わなくなった場合においても、この補助ギア74が移動量検出用ギア71と噛み合った状態が維持される。このため、第二ラックバー54の移動量を確実に検知することができる。
運転者によるステアリング2の操作角度、又は走行モードに対応する車輪wの目標転舵角度と、前記演算手段によって算出した車輪wの実際の現状転舵角度とを比較し、前記目標転舵角度と前記現状転舵角度との差が予め決めた所定値以下となるようにフィードバック制御が行われる。このようにフィードバック制御を行うことにより、路面状態の影響(左右のタイヤ接地面の傾斜や摩擦状態の違い等)によって、所定の転舵角度とならない不具合を防止することができる。
上記の実施形態においては、パルサギア72を使用したが、ロータリー式磁気エンコーダを使用することもできる。パルサギア72やロータリー式磁気エンコーダ、磁気センサ70は、塵や埃等の影響を受けにくいため、車両1に使用した場合においても、常に高い検出精度を維持することができる。塵や埃等の対策を行った環境(構成)においては、光学式の回転センサを採用することもできる。
ラックバー動作手段60からの駆動力の入力により、第一ラックバー53が、図10(a)に示す状態から、図10(b)に示す状態へと移動すると、第二ラックバー54には、第一同期ギア55を介してその力が伝達され、第二ラックバー54は、同じく図10(a)に示す状態から、図10(b)に示す状態へと移動する。この移動の際は、後述する連結機構63は分離した状態となっており、車輪wの転舵角度が90度(ラックバー53、54が図10(b)に示す状態)になった後に、本図に示すように連結機構63を連結した状態とする。この連結した状態において、両ラックバー53、54は一体となって、ステアリング2の操作によって、左右同方向に同距離だけ移動する。なお、図10(a)(b)は図9(a)を前後反対側から見たものである。
次に、ラックバー動作手段60の作用について詳しく説明する。
前輪のステアリング装置10のラックバー動作手段60は、運転者が行うステアリング2の回転動作(図1参照)に連動して動作するモード切替用アクチュエータ32の駆動力によって、又は、車両1が備えるモード切替手段42の操作に連動して動作するモード切替用アクチュエータ32の駆動力によって、第一回転軸61に回転が伝達されるようになっている。
後輪のステアリング装置20のラックバー動作手段60は、同じく、運転者が行うステアリング2の回転動作に連動して動作するモード切替用アクチュエータ32の駆動力によって、又は、車両1が備えるモード切替手段42の操作に連動して動作するモード切替用アクチュエータ32の駆動力によって回転する第一回転軸61と、その第一回転軸61に一体回転可能に取り付けられる第一ピニオンギア62とを備える。第一回転軸61には、モード切替用アクチュエータ32の動作軸からステアリングシャフト3を介して、回転が伝達されるようになっている。
ラックバー動作手段60は、第一回転軸61と同一直線上に配置される第二回転軸64と、その第二回転軸64に一体回転可能に取り付けられた第二ピニオンギア65を備える。
第一ピニオンギア62は、図10(a)(b)に示すように、第一ラックバー53の転舵用ラックギア53bに噛み合い、第二ピニオンギア65は第二ラックバー54の転舵用ラックギア54bに噛み合うようになっている。
さらに、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65との間に、互いに結合及び分離が可能な連結機構63を備えている。連結機構63は、第一回転軸61と第二回転軸64とを相対回転可能な状態(分離状態(図11(a))と相対回転不能な状態(結合状態(図11(b))とに切り替える機能を有する。
連結機構63は、本図に示すように、第一回転軸61側に設けられた移動部63aと、第二回転軸64側に設けられた固定部63bとを備える。移動部63aは、図示しないバネ等の弾性部材によって固定部63b側へ押し付けられ、連結機構63の固定部63b側の凹部63dに、移動部63a側の凸部63cが結合することで、両回転軸61、64が一体で回転可能となっている。なお、凹凸の形成部位を反対にして、固定部63b側に凸部63cを、移動部63a側に凹部63dを設けてもよい。
図示しないプッシュソレノイドなどの駆動源からの外部入力によって、連結機構63の固定部63bに対して、移動部63aを本図における軸方向上向きに移動させることで、固定部63bと移動部63aとの連結を分離し、第一回転軸61と第二回転軸64とを独立して回転可能な状態とすることができる。このとき、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65が独立して回転可能となる。
このとき、第一ピニオンギア62は第一ラックバー53に噛合しており、第二ピニオンギア65は第二ラックバー54に噛合している。さらに、第一ラックバー53と第二ラックバー54は、第一同期ギア55によって噛合されている。このため、第一ピニオンギア62に入力された回転で、第一ラックバー53がラックの歯の並列方向、すなわち、車両の左右方向に沿って横方向(一方向)へ移動する。第一ラックバー53が横方向に移動することで、第一同期ギア55が回転し、第二ラックバー54が第一ラックバー53と反対方向(他方向)へ同距離だけ移動する。このとき、第二ピニオンギア65は、第二ラックバー54の移動に伴って回転する。
このように、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65とを結合状態と分離状態を連結機構63で切り替えることで、対のラックバー53、54が一体に同方向に同距離動く状態と、別々に反対方向へ動く状態との変更が容易に可能となる。
すなわち、連結機構63が、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65を介して、第一ラックバー53と第二ラックバー54を結合した状態で、運転者が行うステアリング2の回転動作に連動して動作する通常転舵用アクチュエータ31の駆動力によって、第一ラックバー53と第二ラックバー54を車両の直進方向に対して左右同方向へ同距離だけ一体に動かすことにより、左右車輪wをキングピン軸P(図7参照)周りに同方向へ転舵させることができる。このとき、第一ラックバー53と第二ラックバー54が一体に動くため、第一同期ギア55は回転しない。
また、連結機構63が、第一ピニオンギア62と第二ピニオンギア65を分離した状態で、第一ラックバー53と第二ラックバー54を車両の直進方向に対して左右方向へそれぞれ反対方向へ動かすことにより、左右車輪をキングピン軸P(図7参照)周りに逆方向へ、すなわち、互いに相反する方向へ転舵させることができる。
すなわち、この実施形態では、通常運転時のステアリング2の操作による回転が、ステアリングシャフト3の回転を通じて第一回転軸61に入力されるようになっている。ラックバー動作手段60は、通常運転時に、第一ラックバー53と第二ラックバー54を一体に移動させる手段としても機能している。
また、モード切替時には、モード切替用アクチュエータ32の駆動力が、第一ピニオンギア62及び第一同期ギア55の回転を通じてそれぞれのラックバー53、54に入力されるようになっている。なお、モード切替用アクチュエータ32の駆動力が第一ピニオンギア62の回転を通じてそれぞれのラックバー53、54に入力される際は、ステアリング2の回転がステアリングシャフト3に伝達されないようにしてもよいし、その伝達を許容するようにしてもよい。
さらに、モード切替用アクチュエータ32の役割を、通常転舵用アクチュエータ31が兼ねることも可能である。すなわち、モード切替時において、ステアリングシャフト3を介して、通常転舵用アクチュエータ31の駆動力によって第一回転軸61を回転するようにしてもよい。
また、モード切替用アクチュエータ32は、ステアリング2の左右に配置されたインホイールモータMの駆動力によってその役割をすることも可能である。さらに、これら通常転舵用アクチュエータ31、モード切替用アクチュエータ32、若しくは左右のインホイールモータMは、互いにアシストすることも可能である。
図16はインホイールモータMを搭載した車両の通常走行時の一般的な制御フローを示す。車両コントローラ81がアクセルペダル80の操作量に基づき、モータコントローラ82へトルク値の指令を発する。この指令に従って、モータコントローラ82からインホイールモータMへ電力が供給される。このときのインホイールモータMの回転角を、インホイールモータMに内蔵されたセンサ84(ここではレゾルバ84)を用いて測定する。この測定された回転角がモータコントローラ82に伝えられ、このインホイールモータMの回転角が所定の値となるように、インホイールモータMに供給される電力の電流値に対しフィードバック制御を行う。
図17はインホイールモータMの駆動力によって転舵する際の制御フローを示す。演算手段83が、目標転舵角と、移動量検出手段73によって得られた現状転舵角との差を求め、モータコントローラ82に適切なトルク値の指令を発する。この演算手段83は、例えばECU40(図2(a)等参照)に含まれる機能であってもよいし、その他の手段でもよい。前述した通常走行時と同様に、インホイールモータMの回転角を、このインホイールモータMに内蔵されたセンサ(ここではレゾルバ84)を用いて測定する。この測定された回転角をモータコントローラ82に伝え、このインホイールモータMの回転角が所定値となるように、インホイールモータMに供給される電力の電流値に対しフィードバック制御(以下、第一フィードバック制御という。)を行う。
この第一フィードバック制御に基づいて、インホイールモータMに電力が供給され、車輪wにトルクが与えられて駆動する。この車輪wが駆動されることで、車輪wはキングピン軸Pを軸とした回転運動を行う。この車輪wの回転運動によって、タイロッド12、22を介して、各ラックバー53、54が移動する。各ラックバー53、54の移動量は、このラックバー53、54に併設された移動量検出手段73で検出される。この検出された移動量を演算手段83に伝え、各ラックバー53、54の移動量が所定量となるように、モータコントローラ82に対して発せられるトルク値の指令に対しフィードバック制御(以下、第二フィードバック制御という。)を行う。
スムーズな転舵を行うためには、インホイールモータMの制御は、路面状況や積載荷重の変化等の外乱を考慮したフィードバック制御とする必要がある。この路面状況等に対応した適切な大きさの転舵力を作用させないと、転舵力が不足した場合に転舵を完了できなかったり、逆に転舵力が過剰となった場合に、転舵装置を破損したりする問題が生じ得るためである。上記のように、インホイールモータMの回転角に基づいて、インホイールモータMへの電力の供給を第一フィードバック制御によって制御しつつ、移動量検出手段73で検出した各ラックバー53、54の移動量に基づいて、演算手段83に第二フィードバック制御を行う二重のフィードバック制御により、路面状況等の外乱を考慮した、適切かつスムーズな転舵を行うことができる。
なお、本図には図示していないが、レゾルバ84で測定されたインホイールモータMの回転角を演算手段83に伝え、第二フィードバック制御を行う構成とすることも許容される。
一方、図18はモード切替用アクチュエータ32の駆動力によって転舵する際の制御フローを示す。演算手段83が、目標転舵角と、移動量検出手段73によって得られた現状転舵角の差を求め、モード切替用アクチュエータ32に適切な駆動力での駆動指令を発する。この演算手段83は、上記と同様に、例えばECU40(図2(a)等参照)に含まれる機能であってもよいし、その他の手段でもよい。モード切替用アクチュエータ32の駆動に伴って、各ラックバー53、54が移動する。各ラックバー53、54の移動量は、このラックバー53、54に併設された移動量検出手段73で検出される。この検出された移動量(図18中の丸数字の1参照)を演算手段83に伝え、各ラックバー53、54の移動量が所定量となるように、モード切替用アクチュエータ32に対して発せられる駆動指令に対しフィードバックを行う。
この代わりに、モード切替用アクチュエータのモータに回転角センサ等を設け、この回転角センサ等によって得られた回転角等から、各ラックバー53、54の移動量を得て、この移動量(図18中の丸数字の2参照)を演算手段83に伝えるように構成することもできる。なお、前述のように、モード切替用アクチュエータ32の代わりに通常転舵用アクチュエータ31を採用した構成においても、この制御フローは適用可能である。また、インホイールモータM、モード切替用アクチュエータ32、通常転舵用アクチュエータ31のうち2つ以上を同時または交互に駆動することもできる。
また、演算手段83による目標転舵角度と現状転舵角度の差を液晶ディスプレイ等の表示装置に表示し、運転者がその表示を見ながらステアリング2を操作して転舵し、走行モードの切り替えを行うこともできる。このとき、インホイールモータM、通常転舵用アクチュエータ31、モード切替用アクチュエータ32のうち少なくとも1つが、ステアリング2の操作をアシストすることも可能である。
この発明に係るステアリング装置10、20の第二実施形態について説明する。図12に示すように、このステアリング装置10、20は、第一実施形態に係るものと基本的な構成は同じであるが、ステアリングシャフト3に連結されている第一ピニオンギア62は、従来のステアリング装置において使用されている転舵角検出手段75によりラックバー53の位置を算出し、第二ピニオンギア65のみに移動量検出用ギア71、パルサギア72、磁気センサ70からなる移動量検出手段73を設けた点において相違している。このように第二ピニオンギア65側のみに移動量検出用ギア71等を設けた場合も、第二ラックバー54の移動量検出を行うことができ、路面状態に起因する転舵の不具合を速やかに発見することができる。しかも、使用する移動量検出手段73が1セットなので、第一実施形態に係る構成と比較して、安価にステアリング装置10、20を構成することができる。
この発明に係るステアリング装置10、20の第三実施形態について説明する。図13から図15に示すように、このステアリング装置10、20に係る連結機構63は、第一ピニオンギア62側に形成された移動部63aと、第二ピニオンギア65側に形成された固定部63bが結合又は分離が自在な構成となっている。この移動部63aには、その外周方向外側に起立した突起部(検出部)76が形成されている。この突起部76aは、連結機構63の結合又は分離に伴って、移動部63aと一体にその軸方向に動く。連結機構63の結合状態及び分離状態における移動部63aの位置に対向する後部カバー51には、結合検知用の誘導型近接センサ77a(77)、分離検知用の誘導型近接センサ77b(77)がそれぞれ設けられている。この突起部76aと誘導型近接センサ77a、77bにより、連結状態検出手段78が構成される。誘導型近接センサ77は、突起部76aとの接近に伴う磁気損失を検出することによって、突起部76aの接近を検出する。
結合状態(図14(a)参照)では、結合検知用の誘導型近接センサ77aが突起部76aに接近して検出状態となる一方で、分離検知用の誘導型近接センサ77bが未検出状態となる。これに対し、分離状態(図14(b)参照)では、結合検知用の誘導型近接センサ77aが未検出状態となる一方で、分離検知用の誘導型近接センサ77bが突起部76aに接近して検出状態となる。
連結機構63に摩耗が生じたり、異物が混入したりすると、移動部63aの移動に引っ掛かりが生じ、走行モードをスムーズに変更することができないことが生じ得る。そこで、連結機構63に対してこの走行モードの切り替えの指示を発し、予め決めた所定時間を経過しても、いずれの誘導型近接センサ77a、77bからも切り替え後の検出信号を受信できない場合は、走行モードの切り替え異常が生じたと判断し、このステアリング装置10、20に設けられた異常時制御機構から、連結機構63に対し動作停止信号を発するようにする。この動作停止信号に基づいて連結機構63の動作を停止することにより、結合又は分離状態が不完全なまま動作を継続して、車輪wを所定角度に転舵できなかったり、連結機構63を損傷したりする不具合を回避することができる。
この実施形態においては、検出部76として突起部76aを形成するとともに、センサ部77に誘導型近接センサ77a、77bを採用したが、検出部76として磁石を、センサ部77に磁気検出素子を採用することもできる。この磁気検出素子は、塵や埃等の多い環境下においても誤作動の少ない安定した検出能力を発揮することができる。
上記の第一及び第二実施形態で説明したラックバー53、54の移動量検出手段73と、第三実施形態で説明した連結機構63の連結状態検出手段78は、一つのステアリング装置10、20に併設することもできる。このように両手段を併設することによって、このステアリング装置10、20を搭載した車両の転舵性能を一層向上することができる。
以下、これらの各構成からなるステアリング装置10、20を、車両1に装着した場合のいくつかの走行モードについて説明する。
(通常走行モード)
図2に示す直進状態の車輪位置で、前輪のステアリング装置10の第一ラックバー53と第二ラックバー54を一体移動可能な状態、つまり連結機構63が結合した状態(図11(b)参照)とする。車両1のフレームに取り付けられたステアリング装置10のラックケース50内を、第一ラックバー53と第二ラックバー54が左右方向に一体に移動する。
ステアリング装置10が、通常転舵用アクチュエータ31の駆動力又はステアリング2の操作によって、直進方向に対して左右方向に動くことで、第一ラックバー53と第二ラックバー54も一体に同方向に同距離動いて、図3に示すように、前輪の左右車輪wを所定の角度に転舵する。図3は右に転舵した場合を示す。すなわち、2つのラックバー53、54を完全に一体固定することで、通常の車両と同等の走行が可能となる。通常走行モードでは、運転者のステアリング2の操作により、前輪のステアリング装置10を通じて、直進、右折、左折、その他、各場面に応じた必要な転舵が可能である。
(小回りモード)
小回りモードを図4に示す。図3に示す前輪のステアリング装置10の動作に加え、後輪のステアリング装置20の第一ラックバー53と第二ラックバー54を一体移動可能な状態、つまり連結機構63が結合した状態とする(図11(b)参照)。前輪と同じく、ステアリング装置20が、車両1のフレームに取り付けられた保持ケース内を、左右方向に一体に移動する。
後輪のステアリング装置20が、通常転舵用アクチュエータ31の駆動力によって、直進方向に対して左右方向に動くことで、第一ラックバー53と第二ラックバー54も一体に同方向に同距離動いて、図4に示すように、後輪の左右車輪wを所定の角度に転舵する。このとき、後輪と前輪とは逆位相に転舵(本図においては、前輪が右に転舵、後輪は左に転舵)しており、通常走行モード時よりもより回転半径の小さい小回りが可能となる。なお、図4では、後輪と前輪とが逆位相に同角度分だけ転舵した状態を示しているが、前後で転舵角度を相違させてもよい。
(その場旋回モード)
その場旋回モードを図5に示す。連結機構63が分離されることで(図11(a)参照)、第一ラックバー53と第二ラックバー54は別々に動作可能となる。このとき、モード切替用アクチュエータ32から駆動力が第一ピニオンギア62に入力されて、第一ラックバー53と第二ラックバー54は互いに相反する方向に同距離移動する。すなわち、第一ラックバー53と第二ラックバー54との間に第一同期ギア55が介在することによって、第一ラックバー53が左右方向一方向へ移動すれば、第二ラックバー54は他方向へ移動する。
第一ラックバー53と第二ラックバー54を互いに逆方向に移動させ、図5に示すように、前後4つの車輪wすべての中心軸がほぼ車両中心を向く位置で、連結機構63を結合固定させる。4つの車輪wすべての中心軸がほぼ車両中心を向いているため、それぞれの車輪wに備えられたインホイールモータMの駆動力によって、車両中心がその場所から移動しない状態(又はほぼ移動しない状態)を維持しながら車両の向きを変える、いわゆるその場旋回が可能となる。
図5では、それぞれの車輪wにインホイールモータMを装備しているが、少なくとも1つの車輪wにインホイールモータMが装備され、その一つのインホイールモータMが作動すれば、その場旋回が可能である。
(横方向移動モード)
横方向移動モードを図6に示す。その場旋回モードと同様に、連結機構63を分離し(図11(a)参照)、前後4つの車輪wすべてが直進方向に対して90度の方向(車両の直進方向に対する左右方向)へ向くように、モード切替用アクチュエータ32から第一ピニオンギア62への回転の入力によって、ステアリング装置10、20内の第一ラックバー53と第二ラックバー54を反対方向へ移動させる。そして、車輪wが前記90度となった位置で連結機構63(図11参照)を結合させて、対のラックバー53、54を固定する。
このとき、微調整機能として、ステアリング装置10、20内の第一ラックバー53と第二ラックバー54を、通常転舵用アクチュエータ31の駆動力又はステアリング2の操作によって、直進方向に対して一体に左右方向へ移動させることで、車輪wの向き(タイヤ角度)を微調整することが可能となる。
図6は、横方向移動モードでの前後輪のステアリング装置10、20の位置関係と、車輪wの向きを示す。その場旋回モード時に比べて、さらに、対のラックバー53、54が外側に張り出しており、タイロッド12、22の車輪wへの接続部が、車両の幅方向に対して最も外側に位置する走行モードである。この横方向移動モードにおいても、通常転舵用アクチュエータ31の駆動力又はステアリング2の操作によって、車輪wの向き(タイヤ角度)を微調整することが可能である。
(その他の走行モード)
その他の走行モードとして、例えば、電子制御ユニット(ECU)40が、車両1が高速走行中であることを認識した時は、ECU40の出力に基づき、アクチュエータドライバ30が、後輪のモード切替用アクチュエータ32に指令して、後輪の左右輪w(RL、RR)を、平行状態よりも前方側がわずかに閉じた状態(トーイン状態)に設定する。これにより、安定した高速走行が可能となる。
このトー調整は、ECU40による車速や車軸にかかる荷重などの走行状態の判断に基づき自動的に行われるようにしてもよいし、運転室に設けられたモード切替手段42からの入力に基づいて行われるようにしてもよい。モード切替手段42を運転者が操作することで、走行モードの切り替えを行うことができる。モード切替手段42は、例えば、運転者が操作できるスイッチ、レバー、ジョイスティック等であってもよい。
(モードの切り替え)
なお、前述の各走行モードの切り替え時についても、適宜、このモード切替手段42を使用する。車室内にあるモード切替手段42を操作することで、通常走行モード、その場旋回モード、横方向移動モード、小回りモード等を選択することができる。スイッチ操作等で切り替えが可能とすれば、より安全な操作が可能である。
通常走行モードにおいて、前輪のステアリング装置10では、ステアリング2の回転操作に伴うセンサ41からの情報に基づき、ECU40が各ラックバー53、54の左右方向への必要な動作量を算出し出力する。その出力に基づき、前輪の通常転舵用アクチュエータ31に指令して、各ラックバー53、54が収容されたラックケース50に対し左右方向へ一体に移動させ、左右車輪wを必要方向へ必要角度だけ転舵する。
例えば、モード切替手段42を操作し、その場旋回モードを選択すれば、車両1の中心部に回転中心を持つように、前後輪のステアリング装置10、20を通じて4輪wを転舵させることができる。この操作は、車両1の停車中のみ許可される。このとき、2つのラックバー53、54の左右方向への相対移動量は、ECU40が算出し出力する。その出力に基づき、アクチュエータドライバ30が前後輪のモード切替用アクチュエータ32に指令して転舵が行われる。
また、モード切替手段42を操作し、横方向移動モードを選択すれば、4輪wの舵角が90度になるように、前後輪のステアリング装置10、20を通じて4輪wを転舵させることができる。このとき、2つのラックバー53、54の左右方向への相対移動量は、同じく、ECU40が算出し出力する。その出力に基づき、アクチュエータドライバ30が前後輪のモード切替用アクチュエータ32に指令して転舵が行われる。このとき、通常転舵用アクチュエータ31は、必要に応じて動作しない状態に設定してもよいし、通常転舵用アクチュエータ31の動作を許可することで、その動作により転舵角の微調整も可能である。
さらに、モード切替手段42を操作し、小回りモードを選択すれば、前輪と後輪は逆位相に転舵され、小回りが可能となるように設定できる。このとき、後輪のステアリング装置20において、対のラックバー53、54が収容されたラックケース50に対する左右方向への移動量は、ステアリング2の操作等に基づいて、同じく、ECU40が算出し出力する。その出力に基づき、アクチュエータドライバ30が前後輪の通常転舵用アクチュエータ31、モード切替用アクチュエータ32に指令して転舵が行われる。前輪のステアリング装置10の制御は、通常走行モードと同じである。
このように、前後輪のステアリング装置10、20では、運転席のステアリング2の操舵角、若しくは、操舵トルク等を検出するセンサ41からの情報や、モード切替手段42からの入力に基づき、ECU40がラックバー53、54の左右方向への必要な動作量を出力する。あるいは、ECU40自身による走行状態の判断に基づき、対のラックバー53、54の必要な移動量を出力する。その出力に基づき、アクチュエータドライバ30が、通常転舵用アクチュエータ31やモード切替用アクチュエータ32を通じて前後輪を所定の向きに転舵することができる。
この実施形態では、後輪のステアリング装置20の制御は、運転者が行うステアリング操作やモード切替の操作を電気信号に置き換えて転舵するステアバイワイヤ方式を採用している。
前輪のステアリング装置10として、後輪と同様、通常転舵用アクチュエータ31、モード切替用アクチュエータ32を用いたステアバイワイヤ方式としてもよいが、特に、通常転舵用アクチュエータ31として、運転者が操作するステアリング2、又は、ステアリングシャフト3に連結されたモータ等を備え、そのモータ等が、ステアリングシャフト3の回転によるラックバー53、54の左右方向の移動に必要なトルクを算出しアシストする構成としてもよい。このとき、モード切替用アクチュエータ32については後輪と同様である。
なお、前輪のステアリング装置10の通常走行モードにおける転舵に使用する機構として、機械的なラックピニオン機構等を用いた一般的なステアリング装置を採用してもよい。
上記に記載した種々の走行モードは例であり、それ以外にも、これらの機構を用いた様々な制御が可能となる。
この発明では、通常の走行モードにおいては、従来のステアリング操作と違和感なく作動し、且つ、その場旋回、横方向移動、小回り等、さまざまな走行モードをも可能とする。これにより、複雑な機構を用いず、低コストで、横方向移動、小回り等が可能となる。また、ステアリング装置10、20に、ラックバー53、54の左右への移動量を検出する移動量検出手段73を設け、左右のラックバー53、54の移動量の違いを検出することにより、転舵が正常に行われていないことを運転者が速やかに知ることができ、その対処をスムーズに行うことができる。さらに、連結機構63に連結状態検出手段78を併設することにより、何らかの異常な状態が発生して、連結機構63の結合又は分離状態が不完全な場合に、その状態を検出することができる。このため、結合又は分離状態が不完全なまま動作を継続して、車輪wを所定角度に転舵できなかったり、連結機構63を損傷したりする不具合を回避することができる。
3 ステアリングシャフト
12、22 タイロッド
31 通常転舵用アクチュエータ
32 モード切替用アクチュエータ
53、54 ラックバー
55 同期ギア
60 ラックバー動作手段
62 第一ピニオンギア
63 連結機構
63a 移動部
63b 固定部
65 第二ピニオンギア
70 磁気センサ
71 移動量検出用ギア
72 パルサギア
73 移動量検出手段
76 検出部
76a 突起部
77 センサ部
77a、77b 誘導型近接センサ
78 連結状態検出手段
82 モータコントローラ
83 演算手段
84 センサ(レゾルバ)
M インホイールモータ
w 車輪

Claims (18)

  1. 前方又は後方の左右車輪(w)に接続され、その左右車輪(w)を転舵するタイロッド(12、22)と、
    前記左右車輪(w)のタイロッド(12、22)にそれぞれ接続された対のラックバー(53、54)と、
    前記対のラックバー(53、54)にそれぞれ噛み合い、一方のラックバー(53)のラックの歯の並列方向に対する一方向への動きを他方のラックバー(54)の他方向への動きに変換する同期ギア(55)と、
    前記対のラックバー(53、54)をそれぞれのラックバー(53、54)のラックの歯の並列方向に沿って、左右反対方向へ移動させることが可能なラックバー動作手段(60)と、
    前記ラックバー(53、54)の左右方向への移動量を検出する移動量検出手段(73)と、
    を備えたステアリング装置。
  2. 前記ラックバー動作手段(60)が、
    ステアリングシャフト(3)に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられ、前記一方のラックバー(53)に噛み合う第一ピニオンギア(62)と、
    前記第一ピニオンギア(62)と同軸上に設けられ、前記他方のラックバー(54)に噛み合う第二ピニオンギア(65)と、
    前記第一ピニオンギア(62)と前記第二ピニオンギア(65)の間に設けられ、両ギア(62、65)を互いに結合又は分離自在とする連結機構(63)と、
    を備え、
    前記移動量検出手段(73)が、
    前記第一ピニオンギア(62)又は前記第二ピニオンギア(65)の少なくとも一方に噛み合う移動量検出用ギア(71)と、
    前記移動量検出用ギア(71)の回転角を検出する回転角度検出手段と、
    を備えた請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記回転角度検出手段が、
    前記移動量検出ギア(71)の回転を伝達するパルサギア(72)と、
    前記パルサギア(72)の回転量を前記移動量検出ギア(71)の回転角に変換する磁気センサ(70)と、
    を備えた請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記回転角度検出手段が、ロータリー式磁気エンコーダである請求項2に記載のステアリング装置。
  5. 前記左右車輪(w)の転舵角度を、前記移動量検出手段(73)の出力から算出する演算手段(83)を設けた請求項1から4のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  6. 走行モードに対応する前記車輪(w)の目標転舵角度と、前記演算手段(83)によって算出した前記車輪(w)の実際の現状転舵角度とを比較し、前記目標転舵角度と前記現状転舵角度との差を運転者に表示する表示部を備える請求項5に記載のステアリング装置。
  7. モード切替用アクチュエータ(32)、通常転舵用アクチュエータ(31)、及びインホイールモータ(M)のうち、少なくとも1つがステアリング(2)の操作をアシストして転舵を行う請求項1から6のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  8. 運転者によるステアリング(2)の操作角度、又は走行モードに対応する前記車輪(w)の目標転舵角度と、前記演算手段(83)によって算出した前記車輪(w)の実際の現状転舵角度とを比較し、前記目標転舵角度と前記現状転舵角度との差が予め決めた所定値以下となるようにフィードバック制御を行う請求項5に記載のステアリング装置。
  9. 前記対のラックバー(53、54)に併設された移動量検出手段(73)によって検出された前記対のラックバー(53、54)の移動量、又は、モード切替用アクチュエータ(32)に設けられたセンサによって得られた前記対のラックバー(53、54)の移動量の少なくとも1つから、前記モード切替用アクチュエータ(32)に対する駆動指令に前記フィードバック制御を行う請求項8に記載のステアリング装置。
  10. 前記対のラックバー(53、54)に併設された移動量検出手段(73)によって検出された前記対のラックバー(53、54)の移動量、又は、通常転舵用アクチュエータ(31)に設けられたセンサによって得られた前記対のラックバー(53、54)の移動量の少なくとも1つから、前記通常転舵用アクチュエータ(31)に対する駆動指令に前記フィードバック制御を行う請求項8に記載のステアリング装置。
  11. 前記対のラックバー(53、54)に併設された移動量検出手段(73)によって検出された前記対のラックバー(53、54)の移動量、又は、前記インホイールモータ(M)に設けられたセンサ(84)によって測定された回転角を前記演算手段(83)に伝え、モータコントローラ(82)より得られたインホイールモータ(M)の回転角が所定の範囲内となるように、インホイールモータ(M)に対する駆動指令に前記フィードバック制御を行う請求項8に記載のステアリング装置。
  12. 前記ステアリング(2)の操作、前記モード切替用アクチュエータ(32)、前記通常転舵用アクチュエータ(31)、又は前記インホイールモータ(M)のうち少なくとも1つのアシストによって、前記フィードバック制御を行う請求項9から11のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  13. 前方又は後方の左右車輪(w)に接続され、その左右車輪(w)を転舵するタイロッド(12、22)と、
    前記左右車輪(w)のタイロッド(12、22)にそれぞれ接続された対のラックバー(53、54)と、
    前記対のラックバー(53、54)にそれぞれ噛み合い、一方のラックバー(53)のラックの歯の並列方向に対する一方向への動きを他方のラックバー(54)の他方向への動きに変換する同期ギア(55)と、
    前記対のラックバー(53、54)をそれぞれのラックバー(53、54)のラックの歯の並列方向に沿って、左右反対方向へ移動させることが可能なラックバー動作手段(60)と、
    を備え、
    さらに前記ラックバー動作手段(60)が、
    ステアリングシャフト(3)に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられ、前記一方のラックバー(53)に噛み合う第一ピニオンギア(62)と、
    前記第一ピニオンギア(62)と同軸上に設けられ、前記他方のラックバー(54)に噛み合う第二ピニオンギア(65)と、
    前記第一ピニオンギア(62)と前記第二ピニオンギア(65)の間に設けられ、両ギア(62、65)を互いに結合又は分離自在とする連結機構(63)と、
    を備え、
    前記連結機構(63)の連結状態検出手段(78)を備えたステアリング装置。
  14. 前記連結機構(63)が、
    前記第一ピニオンギア(62)又は前記第二ピニオンギア(65)のいずれかの側に設けられる固定部(63b)と、
    前記第一ピニオンギア(62)又は前記第二ピニオンギア(65)のうち前記固定部(63b)を設けた側の反対側に設けられ、前記固定部(63b)と同軸に軸方向に相対移動して前記固定部(63b)と嵌合する移動部(63a)と、
    を備え、
    前記連結状態検出手段(78)が、
    前記移動部(63a)の外周に設けられた検出部(76)と、
    前記固定部(63b)と前記移動部(63a)とが結合及び分離した状態において前記検出部(76)と対向する位置に設けられ、前記検出部(76)が近接した際に検出信号を発信するセンサ部(77)と、
    を備えた請求項13に記載のステアリング装置。
  15. 前記検出部(76)が前記移動部(63a)の外周部の外径方向に突出して設けられた突起部(76a)であるとともに、前記センサ部(77)が前記検出部(76)との接近に伴う磁気損失を検出する誘導型近接センサ(77a、77b)である請求項14に記載のステアリング装置。
  16. 前記検出部(76)が磁石であるとともに、前記センサ部(77)が磁気検出素子である請求項14に記載のステアリング装置。
  17. 前記連結機構(63)に対して走行モードの切り替えの指示を発し、予め決めた所定時間を経過しても、前記センサ部(77)で前記検出部(76)から前記切り替え後の前記検出信号を受信できない際に走行モードの切り替え異常が生じたと判断し、連結機構(63)に動作停止信号を発する異常時制御機構を備えた請求項14から16のいずれか一項に記載のステアリング装置。
  18. 前方又は後方の左右車輪(w)に接続され、その左右車輪(w)を転舵するタイロッド(12、22)と、
    前記左右車輪(w)のタイロッド(12、22)にそれぞれ接続された対のラックバー(53、54)と、
    前記対のラックバー(53、54)にそれぞれ噛み合い、一方のラックバー(53)のラックの歯の並列方向に対する一方向への動きを他方のラックバー(54)の他方向への動きに変換する同期ギア(55)と、
    前記対のラックバー(53、54)をそれぞれのラックバー(53、54)のラックの歯の並列方向に沿って、左右反対方向へ移動させることが可能なラックバー動作手段(60)と、
    前記ラックバー(53、54)の左右方向への移動量を検出する移動量検出手段(73)と、
    を備え、さらに前記ラックバー動作手段(60)が、
    ステアリングシャフト(3)に直接又は他部材を介して間接的に取り付けられ、前記一方のラックバー(53)に噛み合う第一ピニオンギア(62)と、
    前記第一ピニオンギア(62)と同軸上に設けられ、前記他方のラックバー(54)に噛み合う第二ピニオンギア(65)と、
    前記第一ピニオンギア(62)と前記第二ピニオンギア(65)の間に設けられ、両ギア(62、65)を互いに結合又は分離自在とする連結機構(63)と、
    を備え、
    前記連結機構(63)の連結状態検出手段(78)を備えたステアリング装置。
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