JP2015116572A - 金型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワークWを収容する収容部27を有するダイ11と、収容部27内に進退可能とされ、ワークWに孔を成形するためのパンチ13と、パンチ13の周方向の少なくとも3ヶ所から、径方向の内側に向けてパンチ13を弾性支持するとともに、ダイ11の外周面に嵌合されるストリッパ14と、を備えていることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
例えば、第一に、ガイドプレートを用いてワークの外周面を案内して、ワークを位置決めする方法がある。
また、第二に、ワーク自体にガイドピン等を収容するガイド部を設け、ガイド部を介してワークを位置決めする方法もある。
この場合、位置決め精度を向上させるには、各構成品の位置管理等の微調整が必要となり、熟練の技術や注意力を要する。
(1)本発明に係る金型は、ワークを収容する収容部を有するダイと、前記収容部内に進退可能とされ、前記ワークに孔を成形するためのピン部材と、前記ピン部材の周方向の少なくとも3ヶ所から、径方向の内側に向けて前記ピン部材を弾性支持するとともに、前記ダイの外周面に嵌合されるガイド部材と、を備えていることを特徴としている。
そして、この状態で収容部内に収容されたワークに対してピン部材により孔を成形することで、軸心精度の高い成形品を成形できる。
また、ピン部材とダイとの位置決めを、ガイド部材により行うことで、熟練の技術や注意力に依らず、簡単、かつ低コストで位置決めを行うことができる。
また、ピン部材とガイド部材との間のクリアランス管理が簡単になり、組み立て性やメンテナンス性も向上させることができる。
さらに、ワーク自体にガイド部を設ける必要もないので、ワークに依らず高精度な位置決めを行うことができる。
しかも、ピン部材をガイド部材により弾性支持することで、ピン部材に過大な押圧力が作用するのを抑制できる。これにより、ガイド部材に対してピン部材が移動する際の摺動抵抗やがたつきを吸収することができ、耐久性を向上させることができる。
この構成によれば、ガイド部材がダイに嵌合される際に、ダイがガイド部材に対して径方向の内側に向かって移動することになる。これにより、ガイド部材に対するダイの位置決めを高精度に行うことができる。
この構成によれば、ガイド部材がダイに嵌合される際に、テーパ面同士が当接することで、ダイがガイド部材に対して径方向の内側に向かって移動し易くなる。これにより、ガイド部材に対するダイの位置決めをより簡単に行うことができる。
この構成によれば、ガイド部材とダイとの相対移動に同期して、位置決めコアが径方向の内側に向けて移動するので、収容部内にワークを高精度に位置決めできる。
しかも、ピン部材とダイとの位置決めに加え、ダイとワークとの位置決めもガイド部材により行うことができるので、ピン部材とワークとを高精度に位置決めすることができる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。図1は金型1の斜視図であり、図2は図1のA−A線に沿う断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の金型1は、例えば時計用歯車等の円板状のワークWに対してプレス加工により孔Wa(図10参照)を形成する、いわゆるプレス金型である。具体的に、金型1は、ワークWを保持するダイ11と、ダイ11に対してワークWを位置決めする位置決め機構12と、ワークWに対して孔Waを成形する円柱状のパンチ(ピン部材)13と、パンチ13の移動を案内するストリッパ(ガイド部材)14と、を備えている。なお、以下の説明では、パンチ13の軸心Oに沿う方向を単に軸方向といい、軸方向のうち、パンチ13側を上方、ダイ11側を下方という。さらに、軸心O回りの方向を周方向、軸心Oに直交する方向を径方向という。
図3は、図2のB部拡大図である。
図1〜図3に示すように、ダイ11は、パンチ13の軸心Oと同軸状に延びる円柱状とされ、ボールベアリング21(図1参照)を介して軸方向に直交する面内を移動可能にダイプレート22(図1参照)に支持されている。ダイ11は、下方(軸方向の一端側)に位置する基部23と、上方(軸方向の他端部)に位置して基部23より縮径された縮径部24と、を備えている。また、ダイ11における径方向の中央部には、プレス加工時においてパンチ13を収容する抜き孔25が軸方向に沿って延在している。
図3、図4に示すように、縮径部24のうち、径方向の中央部には、ワークWを収容する収容部27が形成されている。収容部27は、下方に向けて窪むとともに、ワークWを収容可能な外径に形成されている。また、図3に示すように、縮径部24の外周面は、上方に向かうに従い径方向の内側に向けて傾斜するテーパ面24aとされている。
図4に示すように、位置決め機構12は、縮径部24に周方向に間隔をあけて形成された複数(例えば、3つ)のガイド溝31と、これらガイド溝31内にそれぞれ収容され、ガイド溝31内を径方向に沿ってスライド移動可能に構成された位置決めコア32と、位置決めコア32を径方向に向けて各別に付勢する付勢部材33と、を備えている。
ベースコア34は、周方向から見た側面視で矩形状とされ、その径方向の外側、かつ上部に位置する外周縁は、軸方向に交差する方向に沿って延びる傾斜面34aとされている。なお、この傾斜面34aは、上述した縮径部24のテーパ面24aと平行に延在している。また、図1に示すように、初期状態において、ベースコア34における径方向の外側端部は、縮径部24のテーパ面24aよりも径方向の外側に位置している。
第2付勢部材39における径方向の内側端部は、押さえコア35の径方向の外側端面に連結されている。一方、第2付勢部材39における径方向の外側端部は、ベースコア34の径方向の内側端面のうち、第1付勢部材38との連結部分よりも上方に位置する部分に連結されている。なお、第1付勢部材38及び第2付勢部材39のばね定数k1,k2は、任意に設定することが可能である。そして、上述したダイ11及び位置決め機構12がダイプレート22上に搭載されて下型30を構成している。
図1に示すように、パンチ13は、上述したダイプレート22に対して軸方向で対向配置されたパンチプレート41に遊挿され、軸方向に直交する面内をパンチプレート41に対して僅かに移動可能にパンチプレート41に支持されている。なお、パンチプレート41は、図示しない駆動機構によって軸方向に往復移動可能とされ、これによりパンチ13はワークWに対して軸方向に往復移動可能とされている。
図3に示すように、パンチ13における下端部は、上部に比べて縮径された成形部13aとされ、この成形部13aがワークWを貫通することで、成形部13aの外形に倣った孔WaがワークWに形成されるようになっている。
図1に示すように、ストリッパ14は、上述したダイプレート22及びパンチプレート41間に配置されたストリッパプレート51に保持されている。なお、ストリッパプレート51及びパンチプレート41は、軸方向において両者を離間させる方向に付勢するコイルばね52を介して、軸方向に相対移動可能に連結されている。したがって、ストリッパプレート51は、上述した駆動機構によってパンチプレート41とともに軸方向に移動可能とされた上型40を構成している。
図2、図3、図5に示すように、ストリッパ14は、パンチ13の軸心Oと同軸状に延びる筒状とされ、ストリッパプレート51を貫通している。ストリッパ14は、その内径がパンチ13の外径よりも大きく、縮径部24の外径よりも小さくなっており、その内側にパンチ13が収容されている。ストリッパ14における下端部には、下方に向かうに従い内径が拡大するテーパ面53が形成されている。このテーパ面53は、上述した縮径部24のテーパ面24a及びベースコア34の傾斜面34aと平行に延在しており、プレス加工時においてテーパ面24a及び傾斜面34aに嵌合するように構成されている。
また、図5、図6に示すように、ストリッパ14の内周面には、パンチ13を径方向の内側に向けて弾性支持する保持部61がストリッパ14に一体的に形成されている。本実施形態において、保持部61は周方向に等間隔(120°間隔)に3つ配設されて保持部群62を構成している。さらに、この保持部群62は、ストリッパ14の内周面のうち、軸方向の両端部に一対で配設されている。なお、本実施形態では、各保持部群62間での保持部61の周方向ピッチは同等になっている。
ブリッジ部65は、その内周面がパンチ13の外周面に当接するようになっている。本実施形態において、ブリッジ部65の内周面は、例えばパンチ13の外形に倣って形成され、径方向の外側に向けて突の湾曲面とされている。なお、各脚部64及びブリッジ部65で画成された部分は、保持部61の弾性変形を許容する肉抜き部となっている。
次に、上述した金型1を用いたプレス加工方法について説明する。
まず、図3、図4に示すように、ダイ11の収容部27内にワークWをセットする。この場合、ワークWの軸心が軸心Oと少なくとも平行になるように、ワークWをセットする。なお、この状態では押さえコア35はワークWの外周面に対して離間している。
次に、図7、図8に示すように、ワークWの軸心が軸心Oに一致するように、ワークWの位置決め工程を行う。具体的には、まず図示しない駆動機構を駆動させ、上型40を下降させる。すると、ストリッパ14のテーパ面53と、各ベースコア34の傾斜面34aと、が当接する。その後、さらに上型40を下降させることで、テーパ面53が傾斜面34a上を摺接する。
一方、押さえコア35の押さえ面35aがワークWの外周面に接触した後に、ベースコア34がストリッパ14により押圧されると、第1付勢部材38とともに、第2付勢部材39も収縮する。その結果、押さえコア35の変位は、ベースコア34の変位に比べて小さくなる。
以上により、位置決め工程が終了する。
上述した位置決め工程の後、図9、図10に示すように、さらに駆動機構を駆動させると、パンチ13のみがコイルばね52の付勢力に抗するように下降する。これにより、ワークWの中心が打ち抜かれ、ワークWの中心に孔Waが形成された成形品が成形される(打ち抜き工程)。
そして、この状態で収容部27内に収容されたワークWに対してパンチ13により孔Waを成形することで、軸心精度の高い成形品を成形できる。
また、パンチ13とダイ11との位置決めを、ストリッパ14により行うことで、熟練の技術や注意力に依らず、簡単、かつ低コストで位置決めを行うことができる。
また、パンチ13とストリッパ14との間のクリアランス管理が簡単になり、組み立て性やメンテナンス性も向上させることができる。
さらに、ワークW自体にガイド部を設ける必要もないので、ワークWに依らず高精度な位置決めを行うことができる。
しかも、パンチ13とダイ11との位置決めに加え、ダイ11とワークWとの位置決めもストリッパ14により行うことができるので、パンチ13とワークWとを高精度に位置決めすることができる。
例えば、上述した実施形態では、プレス金型に本発明を適用した場合について説明したが、これに限らず、種々の金型に本発明を適用することが可能である。例えば、収容部27内で樹脂成型品を射出成形するための射出成形用金型であっても構わない。
また、上述した実施形態では、円板状のワークWに孔Waを成形する場合について説明したが、これに限らず、種々のワークWを採用することが可能である。
また、各保持部群62間で保持部61のピッチを変える等しても構わない。
さらに、上述した実施形態では、ストリッパ14に保持部61を一体に形成した場合について説明したが、これに限らず、別体であっても構わない。
11…ダイ
13…パンチ(ピン部材)
14…ストリッパ(ガイド部材)
27…収容部
32…位置決めコア
W…ワーク
Wa…孔
Claims (4)
- ワークを収容する収容部を有するダイと、
前記収容部内に進退可能とされ、前記ワークに孔を成形するためのピン部材と、
前記ピン部材の周方向の少なくとも3ヶ所から、径方向の内側に向けて前記ピン部材を弾性支持するとともに、前記ダイの外周面に嵌合されるガイド部材と、を備えていることを特徴とする金型。 - 前記ガイド部材は、前記ダイに対して前記ピン部材の軸方向に沿って移動可能とされ、
前記ダイは、前記ガイド部材に対して前記ピン部材の軸方向に直交する方向に移動可能とされていることを特徴とする請求項1記載の金型。 - 前記ダイ及び前記ガイド部材の嵌合部分は、前記ピン部材の軸方向に対して交差する方向に延びるテーパ面とされていることを特徴とする請求項2記載の金型。
- 前記ダイに対して前記ピン部材の径方向に移動可能とされ、前記ワークを前記収容部内で保持する位置決めコアを備え、
前記ガイド部材は、前記ダイに対して前記ピン部材の軸方向に移動した時に、前記位置決めコアに当接して、前記位置決めコアを径方向の内側に向けて移動させるように構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の金型。
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