JP2015115304A - 燃料電池スタック - Google Patents

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健司 南雲
尚紀 山野
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尚紀 山野
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Abstract

【課題】簡単な構成で、各電解質膜の含水量の差を可及的に小さくすることができ、スタック全体の性能を良好に向上させることを可能にする。
【解決手段】燃料電池スタック10を構成する発電ユニット12では、第1酸化剤ガス流路26の端部には、酸化剤ガス入口連通孔22aに連結される第1入口バッファ部82aが設けられる。第2酸化剤ガス流路48の端部には、酸化剤ガス入口連通孔22aに連結される第2入口バッファ部94aが設けられる。第2入口バッファ部94aの圧損は、第1入口バッファ部82aの圧損よりも小さく設定される。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1セパレータ、第1電解質膜・電極構造体、第2セパレータ、第2電解質膜・電極構造体及び第3セパレータの順に積層される複数の発電ユニットを設ける燃料電池スタックに関する。
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜の一方の側にアノード電極が、前記固体高分子電解質膜の他方の側にカソード電極が配設された電解質膜・電極構造体(MEA)を備えている。電解質膜・電極構造体は、セパレータ間に挟持されることにより、発電セル(単位セル)が構成されている。燃料電池では、通常、数十〜数百の発電セルが積層されて、例えば、車載用燃料電池スタックとして使用されている。
燃料電池スタックでは、複数の発電セル(単位セル)間に冷却媒体流路が形成される、所謂、間引き冷却構造を採用する場合がある。具体的には、燃料電池スタックは、第1セパレータ、第1電解質膜・電極構造体、第2セパレータ、第2電解質膜・電極構造体及び第3セパレータの順に積層される発電ユニットを備えている。そして、複数の発電ユニットが積層されるとともに、隣接する前記発電ユニット間に冷却媒体流路が形成されている。
上記の間引き冷却型燃料電池スタックでは、発電ユニット内には、第1電解質膜・電極構造体の各電極に沿って酸化剤ガスと燃料ガスとを流通させる第1酸化剤ガス流路と第1燃料ガス流路とが形成されている。さらに、発電ユニット内には、第2電解質膜・電極構造体の各電極に沿って酸化剤ガスと燃料ガスとを流通させる第2酸化剤ガス流路と第2燃料ガス流路とが形成されている。
その際、例えば、第1燃料ガス流路と第2燃料ガス流路とは、冷却媒体流路からの距離がそれぞれ異なっている。このため、第1燃料ガス流路と第2燃料ガス流路とは、温度や湿度等の環境が異なり、各固体高分子電解質膜の含水量の差が大きくなるおそれがある。従って、冷却媒体流路に近接する流路、例えば、第1燃料ガス流路が結露により閉塞されるとともに、固体高分子電解質膜の劣化が惹起されるという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されている燃料電池が知られている。この燃料電池では、第1のセパレータを貫通して反応ガス連通孔と第1の反応ガス流路とを連通する第1孔部が設けられている。一方、第2のセパレータを貫通して反応ガス連通孔と第2の反応ガス流路とを連通する第2孔部が設けられている。そして、第1孔部と第2孔部とは、互いに異なる使用本数に設定されている。
このため、圧力損失の差を吸収して第1反応ガス流路の流量と第2反応ガス流路の流量との均一化を図ることができ、スタック全体の性能を良好に向上させることが可能になる、としている。
特開2009−134996号公報
本発明は、この種の間引き冷却構造に関連してなされたものであり、簡単な構成で、各電解質膜の含水量の差を可及的に小さくすることができ、スタック全体の性能を良好に向上させることが可能な燃料電池スタックを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池スタックは、複数の発電ユニットを設け、前記発電ユニットは、電解質膜の両側に電極が配設される第1電解質膜・電極構造体及び第2電解質膜・電極構造体を有している。各発電ユニットは、第1セパレータ、第1電解質膜・電極構造体、第2セパレータ、第2電解質膜・電極構造体及び第3セパレータの順に積層されている。
第1セパレータと第1電解質膜・電極構造体との間には、発電面に沿って酸化剤ガスを流す第1酸化剤ガス流路が形成されている。第1電解質膜・電極構造体と第2セパレータとの間には、発電面に沿って燃料ガスを流す第1燃料ガス流路が形成されている。第2セパレータと第2電解質膜・電極構造体との間には、発電面に沿って酸化剤ガスを流す第2酸化剤ガス流路が形成されている。第2電解質膜・電極構造体と第3セパレータとの間には、発電面に沿って燃料ガスを流す第2燃料ガス流路が形成されている。そして、各発電ユニット間には、互いに隣接する第1セパレータと第3セパレータとの間に、冷却媒体を流す冷却媒体流路が形成されている。
この燃料電池スタックでは、発電ユニットの積層方向に酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス連通孔を有し、第1酸化剤ガス流路の端部には、前記酸化剤ガス連通孔に連結される第1バッファ部が設けられている。一方、第2酸化剤ガス流路の端部には、酸化剤ガス連通孔に連結される第2バッファ部が設けられるとともに、前記第2バッファ部の圧損は、第1バッファ部の圧損よりも小さく設定されている。
また、この燃料電池スタックでは、第1バッファ部は、複数本の第1ガイド流路を有する一方、第2バッファ部は、複数本の第2ガイド流路を有することが好ましい。その際、第2ガイド流路の流路断面積は、第1ガイド流路の流路断面積よりも大きく設定されることが好ましい。
さらに、この燃料電池スタックでは、第1ガイド流路と第2ガイド流路とは、それぞれの流路長さ及び流路深さが同一に設定されるとともに、前記第2ガイド流路の流路幅は、前記第1ガイド流路の流路幅よりも大きく設定されることが好ましい。
本発明によれば、第2バッファ部の圧損は、第1バッファ部の圧損よりも小さく設定されるため、第2酸化剤ガス流路に流通する酸化剤ガス流量が増加されている。第2酸化剤ガス流路は、第2燃料ガス流路に対向しており、酸化剤ガス流量が増量されることで、前記第2酸化剤ガス流路から前記第2燃料ガス流路に電解質膜を介して透過する水量を低減させることができる。
ここで、第1燃料ガス流路よりも冷却媒体流路に近接する第2燃料ガス流路の燃料ガス温度は、前記第1燃料ガス流路の燃料ガス温度よりも低下し易い。従って、第2燃料ガス流路の水量が低減されることにより、第2電解質膜・電極構造体の電解質膜の含水量を、第1電解質膜・電極構造体の電解質膜の含水量と同等に調整することが可能になる。
これにより、簡単な構成で、各電解質膜の含水量の差を可及的に小さくすることができ、第1電解質膜・電極構造体と第2電解質膜・電極構造体との発電性能差が小さくなり、スタック全体の性能及び耐久性を良好に向上させることが可能になる。
本発明の実施形態に係る燃料電池を構成する発電ユニットの要部分解斜視説明図である。 前記発電ユニットの、図1中、II−II線断面説明図である。 前記発電ユニットを構成する第1セパレータの正面説明図である。 前記発電ユニットを構成する第2セパレータの正面説明図である。 前記発電ユニットを構成する第1電解質膜・電極構造体の一方の面の説明図である。 前記第1電解質膜・電極構造体の他方の面の説明図である。 前記発電ユニットを構成する第2電解質膜・電極構造体の一方の面の説明図である。 前記第2電解質膜・電極構造体の他方の面の説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る燃料電池スタック10は、発電ユニット12を備える。複数の発電ユニット12は、水平方向(矢印A方向)又は鉛直方向(矢印C方向)に沿って互いに積層されることにより、例えば、燃料電池電気自動車に搭載される燃料電池スタックを構成する。
発電ユニット12は、第1セパレータ14、第1電解質膜・電極構造体(MEA)16a、第2セパレータ18、第2電解質膜・電極構造体(MEA)16b及び第3セパレータ20を有する。
第1セパレータ14、第2セパレータ18及び第3セパレータ20は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、めっき処理鋼板、あるいはその金属表面に防食用の表面処理を施した横長形状の金属板により構成される。第1セパレータ14、第2セパレータ18及び第3セパレータ20は、平面が矩形状を有するとともに、金属製薄板を波形状にプレス加工することにより、断面凹凸形状に成形される。なお、第1セパレータ14、第2セパレータ18及び第3セパレータ20は、金属セパレータに代えて、カーボンセパレータ等を使用してもよい。
図1に示すように、発電ユニット12の長辺方向(矢印B方向)の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス入口連通孔22a及び燃料ガス出口連通孔24bが設けられる。具体的には、第1セパレータ14、第2セパレータ18及び第3セパレータ20の長辺方向の一端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔22a及び燃料ガス出口連通孔24bが設けられる。酸化剤ガス入口連通孔22aは、酸化剤ガス、例えば、酸素含有ガスを供給する一方、燃料ガス出口連通孔24bは、燃料ガス、例えば、水素含有ガスを排出する。
発電ユニット12の長辺方向(矢印B方向)の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔24a、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔22bが設けられる。
発電ユニット12の短辺方向(矢印C方向)の両端縁部には、酸化剤ガス入口連通孔22a側に近接し、矢印A方向に互いに連通して冷却媒体を供給する一対の冷却媒体入口連通孔25aが設けられる。発電ユニット12の短辺方向(矢印C方向)の両端縁部には、燃料ガス入口連通孔24a側に近接し、冷却媒体を排出する一対の冷却媒体出口連通孔25bが設けられる。
図3に示すように、第1セパレータ14の第1電解質膜・電極構造体16aに向かう面14aには、酸化剤ガス入口連通孔22aと酸化剤ガス出口連通孔22bとに連通する第1酸化剤ガス流路26が形成される。
第1酸化剤ガス流路26は、矢印B方向に延在する複数本の波状流路溝(直線状流路溝でもよい)26aを有する。第1酸化剤ガス流路26の酸化剤ガス入口流路端部と酸化剤ガス出口流路端部とには、直線状流路溝26asと直線状流路溝26bsとが形成される。
直線状流路溝26asの外方と直線状流路溝26bsの外方とには、入口平坦部32aと出口平坦部32bとが設けられる。入口平坦部32aと酸化剤ガス入口連通孔22aとの間には、複数本の入口連結溝34aが形成される。出口平坦部32bと酸化剤ガス出口連通孔22bとの間には、複数本の出口連結溝34bが形成される。
図1に示すように、第1セパレータ14の面14bには、一対の冷却媒体入口連通孔25aと一対の冷却媒体出口連通孔25bとを連通する冷却媒体流路36の一部が形成される。冷却媒体流路36は、第1酸化剤ガス流路26を形成する第1セパレータ14の裏面形状と、後述する第2燃料ガス流路58を形成する第3セパレータ20の裏面形状とが重なり合って形成される。
第2セパレータ18の第1電解質膜・電極構造体16aに向かう面18aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bとを連通する第1燃料ガス流路38が形成される。第1燃料ガス流路38は、矢印B方向に延在する複数の波状流路溝(直線状流路溝でもよい)38aを有する。
第1燃料ガス流路38の燃料ガス入口流路端部と燃料ガス出口流路端部とには、直線状流路溝38asと直線状流路溝38bsとが形成される。直線状流路溝38asの外方と直線状流路溝38bsの外方とには、入口平坦部44aと出口平坦部44bとが設けられる。入口平坦部44aには、燃料ガス入口連通孔24aの近傍に位置して複数の供給孔部46aが形成される。出口平坦部44bには、燃料ガス出口連通孔24bの近傍に位置して複数の排出孔部46bが形成される。
図4に示すように、第2セパレータ18の第2電解質膜・電極構造体16bに向かう面18bには、酸化剤ガス入口連通孔22aと酸化剤ガス出口連通孔22bとを連通する第2酸化剤ガス流路48が形成される。第2酸化剤ガス流路48は、矢印B方向に延在する複数の波状流路溝(直線状流路溝でもよい)48aを有する。
第2酸化剤ガス流路48の酸化剤ガス入口流路端部と酸化剤ガス出口流路端部とには、直線状流路溝48asと直線状流路溝48bsとが形成される。直線状流路溝48asの外方と直線状流路溝48bsの外方とには、入口平坦部54aと出口平坦部54bとが設けられる。入口平坦部54aと酸化剤ガス入口連通孔22aとの間には、複数本の入口連結溝56aが形成される。出口平坦部54bと酸化剤ガス出口連通孔22bとの間には、複数本の出口連結溝56bが形成される。
図1に示すように、第3セパレータ20の第2電解質膜・電極構造体16bに向かう面20aには、燃料ガス入口連通孔24aと燃料ガス出口連通孔24bに連通する第2燃料ガス流路58が形成される。第2燃料ガス流路58は、矢印B方向に延在する複数の波状流路溝(直線状流路溝でもよい)58aを有する。第2燃料ガス流路58の燃料ガス入口流路端部と燃料ガス出口流路端部とには、直線状流路溝58asと直線状流路溝58bsとが設けられる。
直線状流路溝58asの外方と直線状流路溝58bsの外方とには、入口平坦部64aと出口平坦部64bとが設けられる。入口平坦部64aには、燃料ガス入口連通孔24aの近傍に位置して複数の供給孔部66aが形成される。出口平坦部64bには、燃料ガス出口連通孔24bの近傍に位置して複数の排出孔部66bが形成される。
第1セパレータ14の面14a、14bには、この第1セパレータ14の外周端縁部を周回して第1シール部材68が一体成形される。第2セパレータ18の面18a、18bには、この第2セパレータ18の外周端縁部を周回して第2シール部材70が一体成形される。第3セパレータ20の面20a、20bには、この第3セパレータ20の外周端縁部を周回して第3シール部材71が一体成形される。
第1シール部材68、第2シール部材70及び第3シール部材71は、セパレータ面に沿って均一な厚さで延在する平面シール部と、酸化剤ガス、燃料ガス及び冷却媒体を気密及び液密にシールする凸状シール部とを一体に有する。
第1シール部材68、第2シール部材70及び第3シール部材71としては、例えば、EPDM、NBR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、スチレンゴム、クロロプレーン又はアクリルゴム等のシール材、クッション材、あるいはパッキン材等の弾性を有するシール材が用いられる。
図2に示すように、第1電解質膜・電極構造体16a及び第2電解質膜・電極構造体16bは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜(陽イオン交換膜)72を備える。固体高分子電解質膜72は、カソード電極74及びアノード電極76により挟持される。カソード電極74は、アノード電極76及び固体高分子電解質膜72の平面寸法よりも小さな平面寸法を有する、所謂、段差型MEAを構成している。
なお、カソード電極74、アノード電極76及び固体高分子電解質膜72は、同一の平面寸法に設定してもよい。また、アノード電極76は、カソード電極74及び固体高分子電解質膜72の平面寸法よりも小さな平面寸法を有してもよい。
カソード電極74及びアノード電極76は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が前記ガス拡散層の表面に一様に塗布されて形成される電極触媒層(図示せず)とを有する。電極触媒層は、固体高分子電解質膜72の両面に形成される。
第1電解質膜・電極構造体16aは、カソード電極74の終端部外方に位置して固体高分子電解質膜72の外周縁部に第1樹脂枠部材(樹脂製枠部材)78が、例えば、射出成形等により一体成形される。なお、予め製造された樹脂製枠部材を接合してもよい。
第2電解質膜・電極構造体16bは、カソード電極74の終端部外方に位置して固体高分子電解質膜72の外周縁部に第2樹脂枠部材(樹脂製枠部材)80が、例えば、射出成形等により一体成形される。なお、予め製造された樹脂製枠部材を接合してもよい。
第1樹脂枠部材78及び第2樹脂枠部材80を構成する樹脂材としては、例えば、汎用プラスチックの他、エンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチック等が採用される。
図1及び図5に示すように、第1樹脂枠部材78のカソード電極74側の面には、酸化剤ガス入口連通孔22aと第1酸化剤ガス流路26の入口側との間に位置して第1入口バッファ部(第1バッファ部)82aが設けられる。第1樹脂枠部材78には、酸化剤ガス出口連通孔22bと第1酸化剤ガス流路26の出口側との間に位置して、第1出口バッファ部(第1バッファ部)82bが設けられる。
第1入口バッファ部82aは、酸化剤ガス入口連通孔22a側に位置する複数個の突出するエンボス部84aと、第1酸化剤ガス流路26の入口側に位置する複数本の直線状の第1入口ガイド流路(第1ガイド流路)86aとを有する。第1入口ガイド流路86aは、複数本の直線状の突起部86at間に形成され、各突起部86atは、所定のピッチP1に設定される。
第1出口バッファ部82bは、酸化剤ガス出口連通孔22b側に位置する複数個の突出するエンボス部84bと、第1酸化剤ガス流路26の出口側に位置する複数本の直線状の第1出口ガイド流路(第1ガイド流路)86bとを有する。第1出口ガイド流路86bは、複数本の直線状の突起部86bt間に形成され、各突起部86btは、所定のピッチP2に設定される。
図6に示すように、第1樹脂枠部材78のアノード電極76側の面には、燃料ガス入口連通孔24aと第1燃料ガス流路38との間に位置して第1入口バッファ部88aが設けられる。第1樹脂枠部材78には、燃料ガス出口連通孔24bと第1燃料ガス流路38との間に位置して、第1出口バッファ部88bが設けられる。
第1入口バッファ部88aは、燃料ガス入口連通孔24a側に位置する複数個の突出するエンボス部90aと、第1燃料ガス流路38の入口側に位置する複数本の直線状の第1入口ガイド流路92aとを有する。第1入口ガイド流路92aは、複数本の直線状の突起部92at間に形成される。
第1出口バッファ部88bは、燃料ガス出口連通孔24b側に位置する複数個の突出するエンボス部90bと、第1燃料ガス流路38の出口側に位置する複数本の直線状の第1出口ガイド流路92bとを有する。第1出口ガイド流路92bは、複数本の直線状の突起部92bt間に形成される。
図1及び図7に示すように、第2樹脂枠部材80のカソード電極74側の面には、酸化剤ガス入口連通孔22aと第2酸化剤ガス流路48との間に位置して第2入口バッファ部(第2バッファ部)94aが設けられる。第2入口バッファ部94aの圧損は、第1入口バッファ部82aの圧損よりも小さく設定される。
第2樹脂枠部材80には、酸化剤ガス出口連通孔22bと第2酸化剤ガス流路48との間に位置して、第2出口バッファ部(第2バッファ部)94bが形成される。第2出口バッファ部94bの圧損は、第1出口バッファ部82bの圧損よりも小さく設定される。
第2入口バッファ部94aは、酸化剤ガス入口連通孔22a側に位置する複数個の突出するエンボス部96aと、第2酸化剤ガス流路48の入口側に位置する複数本の直線状の第2入口ガイド流路(第2ガイド流路)98aとを有する。第2入口ガイド流路98aは、複数本の直線状の突起部98at間に形成され、各突起部98atは、所定のピッチP3に設定される。
第1入口ガイド流路86aと第2入口ガイド流路98aとは、それぞれの流路長さ及び流路深さが同一に設定される。突起部98atの幅寸法h1は同一で、前記突起部98at同士のピッチ(間隔)P3は、突起部86at同士のピッチ(間隔)P1よりも大きく設定される(P1<P3)。
第2入口ガイド流路98aの流路幅は、第1入口ガイド流路86aの流路幅よりも大きく設定される。すなわち、第2入口ガイド流路98aの流路断面積は、第1入口ガイド流路86aの流路断面積よりも大きく設定される。
第2出口バッファ部94bは、酸化剤ガス出口連通孔22b側に位置する複数個の突出するエンボス部96bと、第2酸化剤ガス流路48の出口側に位置する複数本の直線状の第2出口ガイド流路(第2ガイド流路)98bとを有する。第2出口ガイド流路98bは、複数本の直線状の突起部98bt間に形成され、各突起部98btは、所定のピッチP4に設定される。
第1出口ガイド流路86bと第2出口ガイド流路98bとは、それぞれの流路長さ及び流路深さが同一に設定される。突起部98btの幅寸法h2は同一で、前記突起部98bt同士のピッチ(間隔)P4は、突起部86bt同士のピッチ(間隔)P2よりも大きく設定される(P2<P4)。第2出口ガイド流路98bの流路幅は、第1出口ガイド流路86bの流路幅よりも大きく設定される。
図8に示すように、第2樹脂枠部材80のアノード電極76側の面には、燃料ガス入口連通孔24aと第2燃料ガス流路58との間に位置して第2入口バッファ部100aが設けられる。燃料ガス出口連通孔24bと第2燃料ガス流路58との間に位置して、第2出口バッファ部100bが設けられる。
第2入口バッファ部100aは、燃料ガス入口連通孔24a側に位置する複数個の突出するエンボス部102aと、第2燃料ガス流路58の入口側に位置する複数本の直線状の第2入口ガイド流路104aとを有する。第2入口ガイド流路104aは、複数本の直線状の突起部104at間に形成される。
第2出口バッファ部100bは、燃料ガス出口連通孔24b側に位置する複数個の突出するエンボス部102bと、第2燃料ガス流路58の出口側に位置する複数本の直線状の第2出口ガイド流路104bとを有する。第2出口ガイド流路104bは、複数本の直線状の突起部104bt間に形成される。
発電ユニット12同士が互いに積層されることにより、一方の発電ユニット12を構成する第1セパレータ14と、他方の発電ユニット12を構成する第3セパレータ20との間には、冷却媒体流路36が形成される。
このように構成される燃料電池スタック10の動作について、以下に説明する。
先ず、図1に示すように、酸化剤ガス入口連通孔22aに酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔24aに水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔25aに純水やエチレングリコール、オイル等の冷却媒体が供給される。
このため、酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔22aから第1入口バッファ部82aを通って第1セパレータ14の第1酸化剤ガス流路26に供給される。残余の酸化剤ガスは、酸化剤ガス入口連通孔22aから第2入口バッファ部94aを通って第2セパレータ18の第2酸化剤ガス流路48に導入される。
酸化剤ガスは、図1及び図3に示すように、第1酸化剤ガス流路26に沿って矢印B方向(水平方向)に移動し、第1電解質膜・電極構造体16aのカソード電極74に供給される。残余の酸化剤ガスは、図1及び図4に示すように、第2酸化剤ガス流路48に沿って矢印B方向に移動し、第2電解質膜・電極構造体16bのカソード電極74に供給される。
一方、燃料ガスは、図1及び図6に示すように、燃料ガス入口連通孔24aから第2セパレータ18の供給孔部46aを通って第1入口バッファ部88aに供給される。燃料ガスは、第1入口バッファ部88aを通って第2セパレータ18の第1燃料ガス流路38に供給される。
残余の燃料ガスは、図1及び図8に示すように、燃料ガス入口連通孔24aから第3セパレータ20の供給孔部66aを通って第2入口バッファ部100aに供給される。燃料ガスは、第2入口バッファ部100aを通って第3セパレータ20の第2燃料ガス流路58に供給される。
燃料ガスは、図1に示すように、第1燃料ガス流路38に沿って矢印B方向に移動し、第1電解質膜・電極構造体16aのアノード電極76に供給される。残余の燃料ガスは、第2燃料ガス流路58に沿って矢印B方向に移動し、第2電解質膜・電極構造体16bのアノード電極76に供給される。
従って、第1電解質膜・電極構造体16a及び第2電解質膜・電極構造体16bでは、各カソード電極74に供給される酸化剤ガスと、各アノード電極76に供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費されて発電が行われる。
次いで、第1電解質膜・電極構造体16a及び第2電解質膜・電極構造体16bの各カソード電極74に供給されて消費された酸化剤ガスは、第1出口バッファ部82b及び第2出口バッファ部94bから酸化剤ガス出口連通孔22bに排出される。
第1電解質膜・電極構造体16a及び第2電解質膜・電極構造体16bのアノード電極76に供給されて消費された燃料ガスは、図6及び図8に示すように、第1出口バッファ部88b及び第2出口バッファ部100bに導入される。燃料ガスは、排出孔部46b、66bを通って燃料ガス出口連通孔24bに排出される(図1参照)。
一方、一対の冷却媒体入口連通孔25aに供給された冷却媒体は、図1に示すように、冷却媒体流路36に導入される。冷却媒体は、一旦、矢印C方向内方に沿って流動した後、矢印B方向に移動して第1電解質膜・電極構造体16a及び第2電解質膜・電極構造体16bを冷却する。この冷却媒体は、矢印C方向外方に移動した後、一対の冷却媒体出口連通孔25bに排出される。
この場合、本実施形態では、第2酸化剤ガス流路48の入口に連結される第2入口バッファ部94aの圧損は、第1酸化剤ガス流路26の入口に連結される第1入口バッファ部82aの圧損よりも小さく設定されている。
具体的には、図5及び図7に示すように、第2入口バッファ部94aを構成する第2入口ガイド流路98aの突起部98at同士のピッチP3は、第1入口バッファ部82aを構成する第1入口ガイド流路86aの突起部86at同士のピッチP1よりも大きく設定されている(P1<P3)。このため、第2酸化剤ガス流路48に流通する酸化剤ガス流量は、第1酸化剤ガス流路26に流通する酸化剤ガス流量よりも増加されている。
ここで、第2酸化剤ガス流路48は、第2燃料ガス流路58に対向している。従って、第2酸化剤ガス流路48の酸化剤ガス流量が増加されることにより、前記第2酸化剤ガス流路48から第2燃料ガス流路58に透過する水量を低減させることができる。
第2燃料ガス流路58は、第1燃料ガス流路38よりも冷却媒体流路36に近接している。このため、第2燃料ガス流路58の燃料ガス温度は、第1燃料ガス流路38の燃料ガス温度よりも低下し易い。従って、第2電解質膜・電極構造体16bの固体高分子電解質膜72は、第1電解質膜・電極構造体16aの前記固体高分子電解質膜72よりも含水量が多くなっている。
これにより、第2燃料ガス流路58の水量が低減されることによって、第2電解質膜・電極構造体16bの固体高分子電解質膜72の含水量を、第1電解質膜・電極構造体16aの前記固体高分子電解質膜72の含水量と同等に調整することが可能になる。
一方、第2酸化剤ガス流路48の出口に連結される第2出口バッファ部94bの圧損は、第1酸化剤ガス流路26の出口に連結される第1出口バッファ部82bの圧損よりも小さく設定されている。
具体的には、第2出口バッファ部94bを構成する第2出口ガイド流路98bの突起部98bt同士のピッチP4は、第1出口バッファ部82bを構成する第1出口ガイド流路86bの突起部86bt同士のピッチP2よりも大きく設定されている(P2<P4)。このため、第2酸化剤ガス流路48に流通する酸化剤ガス流量は、第1酸化剤ガス流路26に流通する酸化剤ガス流量よりも増加されている。従って、第2燃料ガス流路58の水量を低減させることができる。
これにより、簡単な構成で、各固体高分子電解質膜72の含水量の差を可及的に小さくすることができ、第1電解質膜・電極構造体16aと第2電解質膜・電極構造体16bとの発電性能差が小さくなり、燃料電池スタック10全体の性能及び耐久性を良好に向上させることが可能になるという効果が得られる。
なお、エンボス部84a、84b、96a、96bは、必ずしも設けなくてもよい。また、バッファ部の圧損は、ガイド流路の溝深さや流路長さを調整することにより、設定してもよい。
10…燃料電池スタック 12…発電ユニット
14、18、20…セパレータ 16a、16b…電解質膜・電極構造体
22a…酸化剤ガス入口連通孔 22b…酸化剤ガス出口連通孔
24a…燃料ガス入口連通孔 24b…燃料ガス出口連通孔
25a…冷却媒体入口連通孔 25b…冷却媒体出口連通孔
26、48…酸化剤ガス流路
26a、38a、48a、58a…波状流路溝
36…冷却媒体流路 38、58…燃料ガス流路
68、70、71…シール部材 72…固体高分子電解質膜
74…カソード電極 76…アノード電極
78、80…樹脂枠部材
82a、88a、94a、100a…入口バッファ部
82b、88b、94b、100b…出口バッファ部
84a、84b、90a、90b、96a、96b、102a、102b…エンボス部
86a、92a、98a、104a…入口ガイド流路
86b、92b、98b、104b…出口ガイド流路
86at、86bt、92at、92bt、98at、98bt、104at、104bt…突起部

Claims (3)

  1. 電解質膜の両側に電極が配設される第1電解質膜・電極構造体及び第2電解質膜・電極構造体を有し、第1セパレータ、前記第1電解質膜・電極構造体、第2セパレータ、前記第2電解質膜・電極構造体及び第3セパレータの順に積層される複数の発電ユニットを設け、前記第1セパレータと前記第1電解質膜・電極構造体との間には、発電面に沿って酸化剤ガスを流す第1酸化剤ガス流路が形成され、前記第1電解質膜・電極構造体と前記第2セパレータとの間には、前記発電面に沿って燃料ガスを流す第1燃料ガス流路が形成され、前記第2セパレータと前記第2電解質膜・電極構造体との間には、前記発電面に沿って前記酸化剤ガスを流す第2酸化剤ガス流路が形成され、前記第2電解質膜・電極構造体と前記第3セパレータとの間には、前記発電面に沿って前記燃料ガスを流す第2燃料ガス流路が形成されるとともに、各発電ユニット間には、互いに隣接する前記第1セパレータと前記第3セパレータとの間に、冷却媒体を流す冷却媒体流路が形成される燃料電池スタックであって、
    前記発電ユニットの積層方向に前記酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス連通孔を有し、前記第1酸化剤ガス流路の端部には、前記酸化剤ガス連通孔に連結される第1バッファ部が設けられる一方、前記第2酸化剤ガス流路の端部には、前記酸化剤ガス連通孔に連結される第2バッファ部が設けられるとともに、
    前記第2バッファ部の圧損は、前記第1バッファ部の圧損よりも小さく設定されることを特徴とする燃料電池スタック。
  2. 請求項1記載の燃料電池スタックにおいて、前記第1バッファ部は、複数本の第1ガイド流路を有する一方、前記第2バッファ部は、複数本の第2ガイド流路を有するとともに、
    前記第2ガイド流路の流路断面積は、前記第1ガイド流路の流路断面積よりも大きく設定されることを特徴とする燃料電池スタック。
  3. 請求項2記載の燃料電池スタックにおいて、前記第1ガイド流路と前記第2ガイド流路とは、それぞれの流路長さ及び流路深さが同一に設定されるとともに、
    前記第2ガイド流路の流路幅は、前記第1ガイド流路の流路幅よりも大きく設定されることを特徴とする燃料電池スタック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017084459A (ja) * 2015-10-22 2017-05-18 本田技研工業株式会社 燃料電池
CN113555580A (zh) * 2021-07-28 2021-10-26 金华氢途科技有限公司 一种燃料电池电堆用的极板

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