以下、本発明の態様を具体的に説明するに先立ち、本願発明者が本発明の態様を得るに至った経緯について説明する。
固体酸化物形燃料電池システムは、一般に、供給された燃料と空気とを用いて発電反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、発電で消費されずに前記固体酸化物形燃料電池から排出された燃料を空気と混合して燃焼する燃焼部と、前記燃焼部の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して前記固体酸化物形燃料電池に供給される空気を加熱する空気熱交換器と、前記排ガスの熱を利用して供給された原料ガスに含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する水添脱硫器と、前記排ガスの熱を利用して前記水添脱硫器により硫黄成分が除去された原料ガスから前記固体酸化物形燃料電池に供給する燃料となる改質ガスを生成する改質器とで構成される。
固体酸化物形燃料電池システムの発電時の温度は、一般的に600〜800℃程度である。この排熱を利用して原料ガスの改質、空気の予熱を行うことが広く行われている。
固体酸化物形燃料電池システムの小型化、組立性の向上を図るには、水添脱硫器を、固体酸化物形燃料電池、燃焼部、空気熱交換器、改質器と共に共にモジュール化するのが有効である。
固体酸化物形燃料電池、燃焼部、空気熱交換器、改質器、水添脱硫器をモジュール化し
た場合、各処理を行うのに適した温度領域に調整できるようにブロック化して、それぞれのブロックを複数の製造ラインで並行して組み立て作業を行うことで、組み立て性と生産性を向上することができる。
本発明では、以下に示す態様を提供する。
第1の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、供給された燃料と空気とを用いて発電反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、発電で消費されずに前記固体酸化物形燃料電池から排出された燃料を空気と混合して燃焼する燃焼部と、前記燃焼部の燃焼により発生する排ガスの熱を放熱する排ガス熱交換器と、前記排ガスの熱を利用して、前記固体酸化物形燃料電池に供給される空気を加熱する空気熱交換器と、前記排ガスの熱を利用して、供給された原料ガスに含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する水添脱硫器と、前記排ガスの熱を利用して、前記水添脱硫器により硫黄成分が除去された原料ガスから前記固体酸化物形燃料電池に供給する燃料となる改質ガスを生成する改質器と、を備え、前記改質器及び前記燃焼部は、第1ブロックの内部に収容され、前記排ガス熱交換器、前記空気熱交換器及び前記水添脱硫器は、第2ブロックの内部に収容され、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間の熱伝導を抑制する伝熱抑制層を有するものである。
上記構成で、固体酸化物形燃料電池システムの構成要素を、比較的高い温度領域で動作させる(動作する)ものと、比較的低い温度領域で動作させる(動作する)ものとに分けて、それぞれブロック化すると共に、両ブロック間の伝熱が抑制されるように両ブロック間に伝熱抑制層を形成したことにより、具体的には、発電時に概ね600〜800℃の温度域で動作する燃焼部と改質器で第1ブロックを構成し、それより低温域で動作する空気熱交換器と水添脱硫器と排ガス熱交換器で第2ブロックを構成したことにより、各構成要素の温度ムラが少なくなり、水添脱硫器によって燃料ガスの脱硫を行う固体酸化物形燃料電池システム運転時の温度効率を高め、システムの効率化を図ることができるとともに、2つのブロックに分けて構成したため、製造ラインでの燃料電池システムの組み立て性や生産性を向上できる。
また、伝熱抑制層を適切に形成することにより、第1ブロックの筐体の熱を第2ブロックの筐体に、適度に伝えることができる。
また、伝熱抑制層に比較的断熱性に優れた断熱材を用いた場合は、第1ブロックと第2ブロックとの間隔を比較的狭くすることができる。
第2の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、第1の発明における固体酸化物形燃料電池が、前記第1ブロックの内部に収容されているものである。
固体酸化物形燃料電池の動作温度は700〜1000℃を必要とするので、第1ブロックの内部に収容されることが、望ましい。この場合、第1ブロックの筐体からの熱の反射により、固体酸化物形燃料電池を構成するセルスタック集合体の温度バラツキを低減することができる。
第3の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、第2の発明において、前記燃焼部の燃焼により発生する排ガスを前記排ガス熱交換器に導く排ガス経路と、前記空気熱交換器を通過した空気を前記固体酸化物形燃料電池に供給する空気経路と、前記水添脱硫器により硫黄成分が除去された原料ガスを前記改質器に供給する脱硫後原料ガス経路とが、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間の前記伝熱抑制層を貫通しているものである。
第1ブロックと第2ブロックとの間で、前記燃焼部の燃焼により発生する排ガスを前記排ガス熱交換器に導く排ガス経路と、前記空気熱交換器を通過した空気を前記固体酸化物形燃料電池に供給する空気経路と、前記水添脱硫器により硫黄成分が除去された原料ガスを前記改質器に供給する脱硫後原料ガス経路とを、それぞれ配管接続する必要があるが、それらのブロック間の接続配管が、第1ブロックと第2ブロックとで挟まれた部分に配置され、ブロック間の接続配管を、第1ブロックと第2ブロックにおける互いに対向する面以外の面に露出させず、ブロックの外に露出する配管の長さを短くできるので、各経路を短くでき、各経路の通路抵抗を小さく、また各経路の熱のロスを少なくできる。また、固体酸化物形燃料電池システムをコンパクトに構成できる。
第4の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、第1から第3のいずれかの発明において、前記第1ブロックと前記第2ブロックとは、重力方向に上下に並ぶように配置されているものであり、重力方向に上下に並ぶように配置しない場合と比較して、固体酸化物形燃料電池システムの設置面積を小さくできる。
第5の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、第4の発明において、前記第2ブロックは、前記第1ブロックの重力方向の上方に配置されているものである。
加熱されたガスは膨張し密度が小さくなって上昇するので、第1ブロック内の燃焼部の燃焼により発生する排ガスを第2ブロック内の排ガス熱交換器に効率よく導くことができ、また、第1ブロックで発生する熱を第2ブロックに効率よく伝熱させることができる。
また、第1ブロックは第2ブロックよりも重いこと、また、第1ブロックの設置面積は第2ブロックよりも広いこと、第2ブロックの水添脱硫器に原料ガスを供給する原料ガス供給経路に第1ブロックの改質器で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路を接続する場合の作業性から、第2ブロックを第1ブロックの重力方向の上方に配置した方が、第1ブロックを第2ブロックの重力方向の上方に配置するよりも都合が良い。
第6の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、第5の発明において、前記第1ブロックまたは前記第2ブロックを外気から断熱する断熱層の外側に露出する原料ガス経路の外部接続部、空気経路の外部接続部、排ガス経路の外部接続部が、それぞれ、前記第2ブロックの上方に上下方向に延びるように配置されているものである。
原料ガス経路の外部接続部、空気経路の外部接続部、排ガス経路の外部接続部を固体酸化物形燃料電池システムの上面(天井面)または下面(底面)から上下方向に延びるように上下に突出させた方が、原料ガス経路の外部接続部、空気経路の外部接続部、排ガス経路の外部接続部を固体酸化物形燃料電池システムの側面から横出しする場合(図7e参照)よりも、固体酸化物形燃料電池システムの設置面積を小さくすることができる。
また、外部接続口を上から出した方が、下から出す場合よりも、第2ブロックを第1ブロックの重力方向の上方に配置することと、接続の作業性、メンテナンス性の点で、好都合である。
第7の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、第1から第6のいずれかの発明において、前記排ガス熱交換器及び前記空気熱交換器が、互いに熱交換可能に隣接して配置され、前記排ガス熱交換器及び前記水添脱硫器が、互いに熱交換可能に隣接して配置されているものである。
上記構成により、排ガス熱交換器を介して、燃焼部の燃焼により発生する排ガスの排熱を、空気熱交換器と水添脱硫器の両方に効率よく伝えることができるため、固体酸化物形
燃料電池に供給される空気の加熱(予熱)と、改質器に供給される硫黄成分が除去された原料ガスの加熱(予熱)と、水添脱硫器による原料ガスの水添脱硫とに、排ガスの排熱を有効に利用することができ、また、第2ブロックをコンパクトに構成することができる。
なお、隣接の方向としては、上下方向の隣接や、水平方向の隣接が好ましいが、その他の方向の隣接であっても構わない。
第8の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、第7の発明において、前記排ガス熱交換器が、前記空気熱交換器と前記水添脱硫器との間に配置されているものである。
上記構成により、排ガス熱交換器の表面積を有効に利用して(排ガス熱交換器の表面からの無駄になる放熱を少なくして)、排ガス熱交換器を介して、燃焼部の燃焼により発生する排ガスの排熱を、空気熱交換器と水添脱硫器の両方に効率よく伝えることができるため、固体酸化物形燃料電池に供給される空気の加熱(予熱)と、改質器に供給される硫黄成分が除去された原料ガスの加熱(予熱)と、水添脱硫器による原料ガスの水添脱硫とに、排ガスの排熱を有効に利用することができ、また、第2ブロックをコンパクトに構成することができる。
なお、隣接の方向としては、上下方向の隣接や、水平方向の隣接が好ましいが、その他の方向の隣接であっても構わない。
第9の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムは、第7の発明において、前記排ガス熱交換器が、前記第1ブロックと、前記空気熱交換器及び前記水添脱硫器との間で、前記空気熱交換器及び前記水添脱硫器と熱交換可能に配置されているものである。
上記構成により、加熱されたガスは膨張し密度が小さくなって上昇することを有効に利用して、排ガス熱交換器を介して、燃焼部の燃焼により発生する排ガスの排熱を、空気熱交換器と水添脱硫器の両方に効率よく伝えることができるため、固体酸化物形燃料電池に供給される空気の加熱(予熱)と、改質器に供給される硫黄成分が除去された原料ガスの加熱(予熱)と、水添脱硫器による原料ガスの水添脱硫とに、排ガスの排熱を有効に利用することができる。
また、伝熱抑制層を適切に形成して、第1ブロックの筐体から第2ブロックの筐体を介して排ガス熱交換器に伝わる熱を、排ガス熱交換器を介して、固体酸化物形燃料電池に供給される空気の加熱(予熱)と、改質器に供給される硫黄成分が除去された原料ガスの加熱(予熱)と、水添脱硫器による原料ガスの水添脱硫とに、有効に利用することができ、その場合は、第1ブロックと第2ブロックとの間隔を比較的狭くしたり、伝熱抑制層に比較的断熱性に劣る材料を使用したりすることができる。
なお、排ガス熱交換器の下面が第2ブロックの筐体と接触している場合は、排ガス熱交換器の下面側から無駄に放熱することを抑制するために、第2ブロックの筐体における排ガス熱交換器の下面と接触する部分の温度が、排ガス熱交換器の下面側の表面温度よりも低くならないようにすることが望ましい。
第10の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、供給された燃料と空気とを用いて発電反応により発電する固体酸化物形燃料電池と、発電で消費されずに前記固体酸化物形燃料電池から排出された燃料を空気と混合して燃焼する燃焼部と、前記燃焼部の燃焼により発生する排ガスの熱を放熱する排ガス熱交換器と、前記排ガスの熱を利用して、前記固体酸化物形燃料電池に供給される空気を加熱する空気熱交換器と、前記排ガスの熱を利用して、供給された原料に含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する水添脱
硫器と、前記排ガスの熱を利用して、前記水添脱硫器により硫黄成分が除去された原料から前記固体酸化物形燃料電池に供給する燃料となる改質ガスを生成する改質器と、を備えた固体酸化物形燃料電池システムの製造方法であって、前記固体酸化物形燃料電池、前記改質器及び前記燃焼部を内蔵した第1ブロックと、前記排ガス熱交換器、前記空気熱交換器及び前記水添脱硫器を内蔵した第2ブロックとを接続するブロック間接続工程と、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間に、前記第1ブロックと前記第2ブロックとの間の熱伝導を抑制する伝熱抑制層を設ける工程と、を有するものである。
上記方法で、固体酸化物形燃料電池システムの構成要素を、比較的高い温度領域で動作させる(動作する)ものと、比較的低い温度領域で動作させる(動作する)ものとに分けて、それぞれブロック化して製造すると共に、両ブロック間の伝熱が抑制されるように両ブロック間に伝熱抑制層を設けたことにより、具体的には、発電時に概ね600〜800℃の温度域で動作する燃焼部と固体酸化物形燃料電池と改質器で第1ブロックを構成し、それより低温域で動作する空気熱交換器と水添脱硫器と排ガス熱交換器で第2ブロックを構成したことにより、各構成要素の温度ムラが少なくなり、水添脱硫器によって燃料ガスの脱硫を行う固体酸化物形燃料電池システム運転時の温度効率を高め、システムの効率化を図ることができるとともに、2つのブロックに分けて構成したため、製造ラインでの燃料電池システムの組み立て性や生産性を向上できる。
例えば、製造ラインにおいて、サブ製造ラインで組み立てられた第2ブロックを第1ブロック組立製造ラインに組み合込んで、第1ブロックと第2ブロックとの接続を行った後に、第1ブロックと第2ブロックとの間に伝熱抑制層(断熱材)を配置するなどして、第1ブロックと第2ブロックとの間に伝熱抑制層を設ける(形成する)ことで、組立性と生産性を向上することができる。
また、サブ製造ラインで第2ブロックの組立が完成した時点で、組立検査を行うことができるので仮に不具合が見つかった場合でも、第2ブロックの組み直しで解決することができるので、組み直しの時間が短縮でき、生産性を向上することができる。
第11の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、第10の発明における前記ブロック間接続工程において、前記燃焼部の燃焼により発生する排ガスを前記排ガス熱交換器に導く排ガス経路と、前記空気熱交換器を通過した空気を前記固体酸化物形燃料電池に供給する空気経路と、前記水添脱硫器により硫黄成分が除去された原料を前記改質器に供給する脱硫後原料ガス経路とを、前記第1ブロックと前記第2ブロックとに挟まれる箇所で接続するものである。
第1ブロックと第2ブロックとの間で、前記燃焼部の燃焼により発生する排ガスを前記排ガス熱交換器に導く排ガス経路と、前記空気熱交換器を通過した空気を前記固体酸化物形燃料電池に供給する空気経路と、前記水添脱硫器により硫黄成分が除去された原料ガスを前記改質器に供給する脱硫後原料ガス経路とを、それぞれ配管接続する必要があるが、それらのブロック間の接続配管が、第1ブロックと第2ブロックとで挟まれた部分に配置され、ブロック間の接続配管を、第1ブロックと第2ブロックにおける互いに対向する面以外の面に露出させず、ブロックの外に露出する配管の長さを短くできるので、各経路を短くでき、各経路の通路抵抗を小さく、また各経路の熱のロスを少なくできる。また、固体酸化物形燃料電池システムをコンパクトに構成できる。また、各経路の接続条件(環境)に共通点が多いので、組立性と生産性を向上させることができる。
第12の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、第10または第11の発明において、前記ブロック間接続工程の前に、前記固体酸化物形燃料電池、前記改質器及び前記燃焼部の外側に前記第1ブロックの筐体を配置、もしくは前記排ガス熱交換器
、前記空気熱交換器及び前記水添脱硫器の外側に前記第2ブロックの筐体を配置してから、前記第1ブロックと前記第2ブロックのどちらか先に配置した方の重力方向の上方に、前記第1ブロックと前記第2ブロックのどちらか他方を配置する配置工程を有するものである。
これにより、第1ブロックと第2ブロックとは、重力方向に上下に並ぶように配置されるので、重力方向に上下に並ぶように配置しない場合と比較して、固体酸化物形燃料電池システムの設置面積を小さくできる。
また、先に配置する(下側に配置する)ブロックは、ブロックに内蔵する構成要素の外側にブロックの筐体を配置する手法で組み立てるので、組立性と生産性に優れる。
また、第2ブロックを第1ブロックの重力方向の上方に配置する場合は、サブ製造ラインで組み立てられた第2ブロックを第1ブロック組立製造ラインに組み合込んで、逆に、第1ブロックを第2ブロックの重力方向の上方に配置する場合は、サブ製造ラインで組み立てられた第1ブロックを第2ブロック組立製造ラインに組み合込んで、第1ブロックと第2ブロックを重力方向に上下に並ぶように配置することで、組立性と生産性を向上することができる。
第13の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、第10または第11の発明において、前記ブロック間接続工程の前に、前記固体酸化物形燃料電池、前記改質器及び前記燃焼部の外側に前記第1ブロックの筐体を配置してから、前記第1ブロックの重力方向の上方に、前記排ガス熱交換器、前記空気熱交換器及び前記水添脱硫器が内蔵された前記第2ブロックを配置する配置工程を有するものである。
この製造方法により、第2ブロックは、第1ブロックの重力方向の上方に配置されることとなる。
加熱されたガスは膨張し密度が小さくなって上昇するので、第1ブロック内の燃焼部の燃焼により発生する排ガスを第2ブロック内の排ガス熱交換器に効率よく導くことができ、また、第1ブロックで発生する熱を第2ブロックに効率よく伝熱させることができる。
また、第1ブロックは第2ブロックよりも重いこと、また、第1ブロックの設置面積は第2ブロックよりも広いこと、第2ブロックの水添脱硫器に原料ガスを供給する原料ガス供給経路に第1ブロックの改質器で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路を接続する場合の作業性から、第2ブロックを第1ブロックの重力方向の上方に配置した方が、第1ブロックを第2ブロックの重力方向の上方に配置するよりも都合が良い。
また、サブ製造ラインで組み立てられた第2ブロックを第1ブロック組立製造ラインに組み合込んで、第2ブロックを第1ブロックの重力方向の上方に配置することで、組立性と生産性を向上することができる。
第14の発明に係る固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、第13の発明に加えて、前記第1ブロックと前記第2ブロックの外周を断熱層で覆う工程と、前記第2ブロックの上方に上下方向に延びて前記断熱層の外側に露出する原料ガス経路の外部接続部、空気経路の外部接続部、排ガス経路の外部接続部に、前記第2ブロックへ原料ガスを供給する原料ガス供給経路、前記第2ブロックへ空気を供給する空気供給経路、前記第2ブロックから排ガスを排出する排ガス排出経路を接続する外部接続工程とを有するものである。
原料ガス経路の外部接続部、空気経路の外部接続部、排ガス経路の外部接続部を固体酸
化物形燃料電池システムの上面(天井面)または下面(底面)から上下方向に延びるように上下に突出させた方が、原料ガス経路の外部接続部、空気経路の外部接続部、排ガス経路の外部接続部を固体酸化物形燃料電池システムの側面から横出しする場合(図7e参照)よりも、固体酸化物形燃料電池システムの設置面積を小さくすることができる。
また、外部接続口を上から出した方が、下から出す場合よりも、第2ブロックを第1ブロックの重力方向の上方に配置することと、接続の作業性、メンテナンス性の点で、好都合である。
なお、第2ブロックの水添脱硫器に原料ガスを供給する原料ガス供給経路に第1ブロックの改質器で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路を接続する場合は、リサイクル経路が第1ブロックの上面から上方に延びて第2ブロックの横の断熱層を上下方向に貫通して、リサイクル経路の外部接続部が、固体酸化物形燃料電池システムの上面(天井面)から上に突出するように設けると、接続の作業性、メンテナンス性の点で、好都合である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明するが、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。なお、以下では全ての図を通じて同一又は対応する構成部材には同一の符号を付して、その説明については省略する。
(実施の形態1)
以下、図1aと図1bを参照して本発明の実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムについて説明する。図1aは、本発明の実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムを、原料ガス、空気、排ガスの各経路と、改質器で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路が分かるように縦に切断した縦断面の一例を模式的に示した縦断面図であり、図1bは、図1aに、原料ガス、空気、排ガス、改質ガスの流れる方向を示す矢印を書き加えた説明図である。
図1aに示すように、本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムは、供給された燃料と空気とを用いて発電反応により発電する固体酸化物形燃料電池6と、発電で消費されずに固体酸化物形燃料電池6から排出された燃料を、空気と混合して燃焼する燃焼部23と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を放熱する内部排ガス熱交換器8と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して、固体酸化物形燃料電池6に供給される空気を加熱する空気熱交換器5と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して、供給された原料ガスに含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する水添脱硫器3と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスから固体酸化物形燃料電池6に供給する燃料となる改質ガスを生成する改質器4と、を備えている。
そして、固体酸化物形燃料電池6、改質器4及び燃焼部23は、第1ブロック17の内部に収容され、内部排ガス熱交換器8、空気熱交換器5及び水添脱硫器3は、第2ブロック18の内部に収容され、第1ブロック17と第2ブロック18との間に、第1ブロック17と第2ブロック18との間の熱伝導を抑制する伝熱抑制層19を有しており、第1ブロック17と第2ブロック18と伝熱抑制層19は、固体酸化物形燃料電池システム本体の筐体(容器)7の内部に、それらの外周面を覆って外気と断熱する断熱層20と共に収容している。
なお、伝熱抑制層19、断熱層20を構成する部材は、使用環境に耐えられて熱伝導を抑えることができる部材であれば特に限定するものではなく、例えば、一般的な断熱材を用いることができる。
燃焼部23の燃焼により発生する排ガスを内部排ガス熱交換器8に導く内部排ガス経路11と、空気熱交換器5を通過した空気を固体酸化物形燃料電池6に供給する内部空気経路24と、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスを改質器4に供給する脱硫後原料ガス経路14とは、第1ブロック17と第2ブロック18との間の伝熱抑制層19を貫通している。
そして、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスを内部排ガス熱交換器8に導く排ガス経路の内部接続部21bと、空気熱交換器5を通過した空気を固体酸化物形燃料電池6に供給する空気経路の内部接続部21aと、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスを改質器4に供給する脱硫後原料ガス経路の内部接続部21cとは、第1ブロック17と第2ブロック18とに挟まれている部分に配置されている。
排ガス経路の内部接続部21bにおいて第1ブロック17側の排ガス経路と第2ブロック18側の排ガス経路とが連結(接続)され、空気経路の内部接続部21aにおいて第1ブロック17側の空気経路と第2ブロック18側の空気経路とが連結(接続)され、脱硫後原料ガス経路の内部接続部21cにおいて第1ブロック17側の脱硫後原料ガス経路と第2ブロック18側の脱硫後原料ガス経路とが連結(接続)されている。
第1ブロック17と第2ブロック18とは、重力方向に上下に並ぶように配置されており、第2ブロック18は、第1ブロック17の重力方向の上方に配置されている。
第1ブロック17または第2ブロック18を外気から断熱する断熱層20及び筐体(容器)7の外側に露出する、原料ガス経路の外部接続部22c、空気経路の外部接続部22a、排ガス経路の外部接続部22bの各接続口が、それぞれ、第2ブロック18の上方に上下方向に延びるように配置されている。
また、原料ガス経路の外部接続部22c、空気経路の外部接続部22a、排ガス経路の外部接続部22b、改質器4で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路の外部接続部22dが、それぞれ、固体酸化物形燃料電池システム本体の筐体(容器)7の上面(天井面)に上方に突出するように設けられる。
第1ブロック17における、排ガス経路の内部接続部21bで接続される排ガス排出口と、空気経路の内部接続部21aで接続される空気供給口(空気吸込口、空気取入口)と、脱硫後原料ガス経路の内部接続部21cで接続される脱硫後原料ガス供給口(脱硫後原料ガス吸込口、脱硫後原料ガス取入口)と、リサイクル経路の改質ガス排出口とは、第1ブロック17の筐体の上面(天井面)に上方に突出するように設けられる。
また、内部排ガス熱交換器8で放熱した排ガスを排ガス経路の外部接続部22bに導く排ガス経路と、空気経路の外部接続部22aからの空気を空気熱交換器5に導く空気経路と、原料ガス経路の外部接続部22cからの原料ガスを水添脱硫器3に導く原料ガス経路の、それぞれの配管は、第2ブロック18の筐体の上面(天井面)から上方に突出している。
また、排ガス経路の内部接続部21bからの排ガスを内部排ガス熱交換器8に導く排ガス経路と、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスを脱硫後原料ガス経路の内部接続部21cに導く脱硫後原料ガス経路と、空気熱交換器5で加熱された空気を空気経路の内部接続部21aに導く空気経路の、それぞれの配管は、第2ブロック18の筐体の下面(底面)から下方に突出している。
また、第1ブロック17の筐体の上面(天井面)に上方に突出するように設けられたリサイクル経路の改質ガス排出口と、固体酸化物形燃料電池システム本体の筐体(容器)7の上面(天井面)に上方に突出するように設けられたリサイクル経路の外部接続部22dとの間には、外周面を断熱層20で覆われたリサイクル経路の配管が設けられている。
また、一端がリサイクル経路の外部接続部22dに連結(接続)されたリサイクル経路の外部配管の他端は、固体酸化物形燃料電池システム本体の筐体(容器)7の上面(天井面)の上方において、一端が原料ガス経路の外部接続部22cに連結(接続)された外部原料ガス経路1の配管に連通している。
また、内部排ガス熱交換器8及び空気熱交換器5は、互いに熱交換可能に隣接して配置され、内部排ガス熱交換器8及び水添脱硫器3は、互いに熱交換可能に上下方向に隣接して配置されており、内部排ガス熱交換器8は、空気熱交換器5と水添脱硫器3との間に挟まれており、下から上に向かって、空気熱交換器5、内部排ガス熱交換器8、水添脱硫器3の順に配置されている。
以上のように構成された本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムの動作について図1bを用いて説明する。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、固体酸化物形燃料電池システム本体の筐体(容器)7の外部から供給された原料ガスに含まれる硫黄成分を、水添脱硫器3で除去する。
水添脱硫器3に充填する脱硫剤としては、例えば、銅および亜鉛を含む脱硫剤を用いることができる。なお、脱硫剤は、水添脱硫を行うことができれば、この脱硫剤に限定されるものではなく、Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛との組み合わせであってもよい。
Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛とを組み合わせた脱硫剤を水添脱硫器3に用いた場合には、水添脱硫器3は350〜400℃の温度範囲にて、原料ガス中の有機硫黄を水添分解する。そして、水添脱硫器3は、生成したH2Sを、350〜400℃の温度範囲にてZnOに吸着させて除去する。
以上のようにして水添脱硫器3によって脱硫された原料ガスは、改質器4へと供給される。
次に改質器4について説明する。改質器4は、脱硫された原料ガスに改質水経路を通じて供給された水(改質水)を混合させた後、改質触媒を用いて改質を行い、水素リッチな改質ガス(燃料)を固体酸化物形燃料電池6に供給するものである。
改質触媒としては、Al2O3(アルミナ)の球体表面にNiを含浸し担持したものや、Al2O3の球体表面にルテニウムを付与したもの等を適宜用いることができる。改質器4の温度が例えば、600℃以上になれば、水蒸気改質反応に必要な熱量を排ガスの有する熱及び燃焼部23からの輻射熱だけで補うことが可能となり、水蒸気改質反応のみの運転に切り替えることができるので、改質器4、固体酸化物形燃料電池6等を第1ブロック17に設けると、温度域が近いものが近接するので有利である。
空気熱交換器5は固体酸化物形燃料電池6での発電反応に利用される空気(発電用空気)を加熱するためのものであり、燃焼部23と対向する位置に設けられる。空気熱交換器5は、外部空気経路10を通じて外部から供給された空気(発電用空気)を、燃焼部23
での燃焼により生じた排ガス及び燃焼部23の輻射熱との熱交換により加熱され、空気熱交換器5を流通した後の空気は、発電反応を効率よく行える高温域まで加熱される。そして、この加熱された空気が固体酸化物形燃料電池6へと供給される。なお、詳細は後述するが、内部排ガス熱交換器8及び空気熱交換器5を介して空気との熱交換を行って保有する熱の一部が奪われた排ガスは、外部排ガス経路12を通じて外部排ガス熱交換器9に導かれるように構成されている。
固体酸化物形燃料電池6は、上述したように改質器4から燃料ガス供給経路15を通じて供給された改質ガス(燃料)と、外部空気経路10を通じて供給された空気(発電用空気)とを用いて発電反応により発電を行うものである。
すなわち、固体酸化物形燃料電池6では、改質ガス(燃料)が供給される燃料極および発電空気が供給される空気極を有し、燃料極と空気極との間で発電反応を行って発電する燃料電池単セルを複数枚、直列に接続してセルスタックを形成している。なお、固体酸化物形燃料電池6は、更に直列接続したセルスタックを並列に接続させた構成としても構わない。
固体酸化物形燃料電池6を構成する燃料電池単セルとしては、例えば、イットリアをドープしたジルコニア(YSZ)、イットリビウムやスカンジウムをドープしたジルコニア、あるいはランタンガレート系の固体電解質からなる燃料電池単セルを用いることができる。例えば、燃料電池単セルがYSZの場合、厚みにもよるが、約600〜900℃の温度範囲にて、発電反応が行われる。
また、実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムでは、固体酸化物形燃料電池6へ向かう燃料ガス供給経路15を途中で分岐させ、改質器4から供給される改質ガス(燃料)の一部を外部原料ガス経路1に戻すためのリサイクル経路16が設けられている。このため、外部原料ガス経路1を流通し、水添脱硫器3へと供給される原料ガスに水素を添加することが可能となり、水添脱硫器3は、この水素を利用して前述の水添脱硫を行うことができるように構成されている。
空気熱交換器5は、下面(底面)の外側が伝熱抑制層19で覆われ、下面(底面)以外の面の外側が断熱層20で覆われた第2ブロック18内に配置され、空気熱交換器5を流通する空気と伝熱領域との間で熱交換をする。そして、この熱交換により伝熱領域を冷却させて水添脱硫器3が過昇温になるのを防ぐのである。なお、伝熱領域とは、断熱層20における水添脱硫器3と筐体(容器)7内部とによって挟まれた領域であって、筐体(容器)7内の熱を水添脱硫器3に伝える領域である。
実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムは、水添脱硫器3を第2ブロック18中に設置することにより、高温の排ガスによって水添脱硫に適した温度まで加熱することができる構成である。
次に、燃焼部23で生成された排ガスの流れについて説明する。具体的には、以下のように排ガスを流通させて水添脱硫器3の加熱を行う。
燃焼部23で生成する排ガスの流量およびその温度については、固体酸化物形燃料電池6における改質ガス(燃料)及び空気(発電空気)の燃料利用率(発電反応により、燃料として固体酸化物形燃料電池6で消費される割合)を調整することにより、制御することが可能である。実施の形態1では、例えば、燃焼部23の温度範囲を、約600〜900℃になるように、固体酸化物形燃料電池6における改質ガス(燃料)及び空気(発電空気)の燃料利用率を設定する。
このように温度範囲が設定された燃焼部23において、発電で消費されずに固体酸化物形燃料電池6から排出された燃料(改質ガス)を、空気と混合して燃焼して生成された排ガスは、改質器4を加熱する。これにより排ガスの有する熱の一部が消費される。さらに、熱の一部が消費された排ガスによって内部排ガス熱交換器8を介して空気熱交換器5を加熱する。この空気熱交換器5と内部排ガス熱交換器8による空気と排ガスとの熱交換によって、排ガスが有する熱がさらに奪われ、水添脱硫器3を加熱するのに適切な温度まで低下させられる。このように温度がさらに低下させられた排ガスは、内部排ガス経路11を流通して、その熱が水添脱硫器3へ供給される。
すなわち、燃焼部23で生成された排ガスの温度は、例えば約600℃〜900℃と高温である。しかし、この排ガスによって改質器4を加熱し、更に、空気熱交換器5と内部排ガス熱交換器8によって空気との熱交換を行い、この空気を加熱すれば、外部排ガス経路12に到達するまでに排ガスの温度は低下する。
以上のように、内部排ガス経路11を流通する排ガスの温度は、燃焼部23の燃焼で生成する排ガスの流量と温度、改質器4に吸熱される熱量、および空気熱交換器5に吸熱される熱量などを考慮して所望の値となるように制御されている。そして、内部排ガス経路11に到達した排ガスは経路内を流通し、内部排ガス熱交換器8へと流通する。
次に、内部排ガス熱交換器8へ到達した際に所望される排ガス温度について説明する。水添脱硫器3に銅および亜鉛を含む脱硫剤を充填する構成の場合、水添脱硫器3に到達した際の排ガス温度が約150〜350℃となるように、燃焼部23の燃焼で生成する排ガスの流量および温度、改質器4にて吸熱される熱量、ならびに空気熱交換器5にて吸熱される熱量等を調整する。
一方、水添脱硫器3において、Ni−Mo系又はCo−Mo系触媒と酸化亜鉛とを組み合わせた脱硫剤を充填する場合では、水添脱硫器3に到達した際の排ガス温度が約350〜450℃になるように、燃焼部23の燃焼で生成する排ガスの流量および温度、改質器4にて吸熱される熱量、ならびに空気熱交換器5にて吸熱される熱量を調整する。
このように、第2ブロック18に水添脱硫器3を設置することにより、水添脱硫器3を、水添脱硫を行うのに適した所望の温度とすることができる。また、水添脱硫器3を経路中に設けた内部排ガス経路11の少なくとも一部が断熱層20に覆われるように設置する。このようにすれば、水添脱硫器3からの放熱を防ぐとともに筐体(容器)7内の500〜600℃の熱に水添脱硫器3が直接、曝されることを防ぐことができる。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムは、発電で消費されずに固体酸化物形燃料電池6から排出された燃料(改質ガス)を空気と混合して燃焼する燃焼部23と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスから固体酸化物形燃料電池6に供給する燃料となる改質ガスを生成する改質器4とを第1ブロック17に内蔵(第1ブロック17の内部に収容)し、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を放熱する内部排ガス熱交換器8と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して固体酸化物形燃料電池6に供給される空気を加熱する空気熱交換器5と、供給された原料ガスに含まれる硫黄成分を燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して水添脱硫により除去する水添脱硫器3とを第2ブロック18に内蔵(第2ブロック18の内部に収容)し、第1ブロック17と第2ブロック18との間に、熱伝導を抑制する伝熱抑制層19を形成した(第1ブロック17と第2ブロック18との間の熱伝導を抑制する伝熱抑制層19を有する)ものである。
上記構成で、固体酸化物形燃料電池システムの構成要素を、比較的高い温度領域で動作させる(動作する)ものと、比較的低い温度領域で動作させる(動作する)ものとに分けて、それぞれブロック化すると共に、両ブロック間の伝熱が抑制されるように両ブロック間に伝熱抑制層19を形成したことにより、具体的には、発電時に概ね600〜800℃の温度域で動作する燃焼部23と改質器4とで第1ブロック17を構成し、それより低温域で動作する空気熱交換器5と水添脱硫器3と内部排ガス熱交換器8とで第2ブロック18を構成したことにより、各構成要素の温度ムラが少なくなり、水添脱硫器3によって燃料ガスの脱硫を行う固体酸化物形燃料電池システム運転時の温度効率を高め、システムの効率化を図ることができるとともに、2つのブロックに分けて構成したため、製造ラインでの燃料電池システムの組み立て性や生産性を向上できる。
また、伝熱抑制層19を適切に形成することにより、第1ブロック17の筐体の熱を第2ブロック18の筐体に、適度に伝えることができる。
また、伝熱抑制層19に比較的断熱性に優れた断熱材を用いた場合は、第1ブロック17と第2ブロック18との間隔を比較的狭くすることができる。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、固体酸化物形燃料電池6が、第1ブロック17の内部に収容されている。
固体酸化物形燃料電池6の動作温度は700〜1000℃を必要とするので、第1ブロック17の内部に収容されることが、望ましい。この場合、第1ブロック17の筐体からの熱の反射により、固体酸化物形燃料電池6を構成するセルスタック集合体の温度バラツキを低減することができる。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスを内部排ガス熱交換器8に導く内部排ガス経路11と、空気熱交換器5を通過した空気を固体酸化物形燃料電池6に供給する内部空気経路24と、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスを改質器4に供給する脱硫後原料ガス経路14とが、第1ブロック17と第2ブロック18との間の伝熱抑制層19を貫通しているものである。
第1ブロック17と第2ブロック18との間で、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスを内部排ガス熱交換器8に導く内部排ガス経路11と、空気熱交換器5を通過した空気を固体酸化物形燃料電池6に供給する内部空気経路24と、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスを改質器4に供給する脱硫後原料ガス経路14とを、それぞれ配管接続する必要があるが、それらのブロック間の接続配管が、第1ブロック17と第2ブロック18とで挟まれた部分に配置され、ブロック間の接続配管を、第1ブロック17と第2ブロック18における互いに対向する面以外の面に露出させず、ブロックの外に露出する配管の長さを短くできるので、各経路(内部排ガス経路11、内部空気経路24、脱硫後原料ガス経路14)を短くでき、各経路(内部排ガス経路11、内部空気経路24、脱硫後原料ガス経路14)の通路抵抗を小さく、また各経路(内部排ガス経路11、内部空気経路24、脱硫後原料ガス経路14)の熱のロスを少なくできる。また、固体酸化物形燃料電池システムをコンパクトに構成できる。
実施の形態1の固体酸化物形燃料電池システムは、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスを内部排ガス熱交換器8に導く内部排ガス経路11と、空気熱交換器5を通過した空気を固体酸化物形燃料電池6に供給する内部空気経路24と、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスを改質器4に供給する脱硫後原料ガス経路14とを備えており、内部排ガス経路11、内部空気経路24及び脱硫後原料ガス経路14が、第1ブロック17と第2ブロック18とで挟まれた部分に配置される構成であるので、サブ製造ラインで
組み立てられた第2ブロック18を第1ブロック組立製造ラインに組み合込んで、第1ブロック17と第2ブロック18との接続を行うことが容易に行え、生産性が向上する。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、第1ブロック17と第2ブロック18とは、重力方向に上下に並ぶように配置されているので、重力方向に上下に並ぶように配置しない場合と比較して、固体酸化物形燃料電池システムの設置面積を小さくすることができる。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、第2ブロック18が、第1ブロック17の重力方向の上方に配置されている。
加熱されたガスは膨張し密度が小さくなって上昇するので、第1ブロック17内の燃焼部23の燃焼により発生する排ガスを第2ブロック18内の内部排ガス熱交換器8に効率よく導くことができ、また、第1ブロック17で発生する熱を第2ブロック18に効率よく伝熱させることができる。
また、第1ブロック17は第2ブロック18よりも重いこと、また、第1ブロック17の設置面積は第2ブロック18よりも広いこと、第2ブロック18の水添脱硫器3に原料ガスを供給する外部原料ガス経路1に第1ブロック17の改質器4で生成された改質ガス(燃料)の一部を戻すためのリサイクル経路16を接続する場合の作業性から、第2ブロック18を第1ブロック17の重力方向の上方に配置した方が、第1ブロック17を第2ブロック18の重力方向の上方に配置するよりも都合が良い。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、第1ブロック17または第2ブロック18を外気から断熱する断熱層20及び筐体(容器)7の外側に露出する原料ガス経路の外部接続部22c、空気経路の外部接続部22a、排ガス経路の外部接続部22bの各接続口が、それぞれ、第2ブロック18の上方に上下方向に延びるように配置されている。
原料ガス経路の外部接続部22c、空気経路の外部接続部22a、排ガス経路の外部接続部22bの各接続口を固体酸化物形燃料電池システムの上面(天井面)または下面(底面)から上下方向に延びるように上下に突出させた方が、原料ガス経路の外部接続部22c、空気経路の外部接続部22a、排ガス経路の外部接続部22bの各接続口を固体酸化物形燃料電池システムの側面から横出しする場合(図7e参照)よりも、固体酸化物形燃料電池システムの設置面積を小さくすることができる。
また、外部接続口(原料ガス経路の外部接続部22c、空気経路の外部接続部22a、排ガス経路の外部接続部22b、リサイクル経路の外部接続部22dの各接続口)を上から出した方が、下から出す場合よりも、第2ブロック18を第1ブロック17の重力方向の上方に配置することと、接続の作業性、メンテナンス性の点で、好都合である。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、内部排ガス熱交換器8及び空気熱交換器5が、互いに熱交換可能に隣接して配置され、内部排ガス熱交換器8及び水添脱硫器3が、互いに熱交換可能に隣接して配置されている。
上記構成により、内部排ガス熱交換器8を介して、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの排熱を、空気熱交換器5と水添脱硫器3の両方に効率よく伝えることができるため、固体酸化物形燃料電池6に供給される空気の加熱(予熱)と、改質器4に供給される硫黄成分が除去された原料ガスの加熱(予熱)と、水添脱硫器3による原料ガスの水添脱硫とに、排ガスの排熱を有効に利用することができ、また、第2ブロック18をコンパクト
に構成することができる。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、内部排ガス熱交換器8が、空気熱交換器5と水添脱硫器3との間に配置されている。
上記構成により、内部排ガス熱交換器8の表面積を有効に利用して(内部排ガス熱交換器8の表面からの無駄になる放熱を少なくして)、内部排ガス熱交換器8を介して、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの排熱を、空気熱交換器5と水添脱硫器3の両方に効率よく伝えることができるため、固体酸化物形燃料電池6に供給される空気の加熱(予熱)と、改質器4に供給される硫黄成分が除去された原料ガスの加熱(予熱)と、水添脱硫器3による原料ガスの水添脱硫とに、排ガスの排熱を有効に利用することができ、また、第2ブロック18をコンパクトに構成することができる。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムでは、下から上に向かって、第1ブロック17、空気熱交換器5、内部排ガス熱交換器8、水添脱硫器3の順に配置したので、空気熱交換器5の温度を、水添脱硫器3の温度よりも高くすること(水添脱硫器3の温度が適温よりも高くなり過ぎないようにすると共に、固体酸化物形燃料電池6に供給する空気を充分に加熱すること)ができる。
なお、本実施の形態では、固体酸化物形燃料電池6が第1ブロック17の内部に収容されている構成について説明したが、これに限定されない。例えば、固体酸化物形燃料電池6が第1ブロック17の外側に配置されている構成であってもよい。
以下において、上記した構成を有する実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムの変形例(変形例1、2、3)について説明する。
(変形例1)
まず、実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムの変形例1について図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施の形態1の変形例1に係る固体酸化物形燃料電池システムを、原料ガス、空気、排ガスの各経路と、改質器で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路が分かるように縦に切断した縦断面の一例を模式的に示した縦断面図に、原料ガス、空気、排ガス、改質ガスの流れる方向を示す矢印を書き加えた説明図である。
実施の形態1の変形例1に係る固体酸化物形燃料電池システムは、上述した実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムの構成と比較して、第2ブロック18の構成が異なっている。
実施の形態1の変形例1に係る第2ブロック18は、内部排ガス熱交換器8が、空気熱交換器5と水添脱硫器3との間に配置されている点と、内部排ガス熱交換器8及び空気熱交換器5が、互いに熱交換可能に隣接して配置され、内部排ガス熱交換器8及び水添脱硫器3が、互いに熱交換可能に隣接して配置されている点では、実施の形態1と同じであるが、実施の形態1では、下から上に向かって、空気熱交換器5、内部排ガス熱交換器8、水添脱硫器3の順に上下方向に縦並び状態になるように配置したのに対して、変形例1では、水添脱硫器3、内部排ガス熱交換器8および空気熱交換器5が水平方向に横並び状態になるように構成されている。
変形例1の構成では、水添脱硫器3、内部排ガス熱交換器8および空気熱交換器5のそれぞれの入口側と出口側の配管を短く、単純化でき、第2ブロック18の空きスペースを小さくして第2ブロック18のスペースを有効に使うことができ、第2ブロック18及び
固体酸化物形燃料電池システムを小型化するのに有利である。
なお、変形例1の構成では、水添脱硫器3と第1ブロック17との間に位置する伝熱抑制層19に用いる断熱材に、空気熱交換器5と第1ブロック17との間に位置する伝熱抑制層19に用いる断熱材よりも断熱性能に優れた断熱材を用いたり、内部排ガス熱交換器8と水添脱硫器3との熱交換効率が、内部排ガス熱交換器8と空気熱交換器5との熱交換効率よりも悪くなるように、内部排ガス熱交換器8と水添脱硫器3の間隔を内部排ガス熱交換器8と空気熱交換器5の間隔よりも大きくしたり、内部排ガス熱交換器8と水添脱硫器3の少なくともどちらか一方の形状を工夫したり、水添脱硫器3の表面を断熱材で覆ったりして、水添脱硫器3の温度が適温よりも高くなり過ぎないように構成することが望ましい。
(変形例2)
次に、実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムの変形例2について図3aと図3bを参照して説明する。図3aは、本発明の実施の形態1の変形例2に係る固体酸化物形燃料電池システムにおける第2ブロックが配置されている部分での横断面の一例を模式的に示した横断面図である。図3bは、本発明の実施の形態1の変形例1に係る固体酸化物形燃料電池システムを、原料ガス、空気、排ガスの各経路と、改質器で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路が分かるように縦に切断した縦断面の一例を模式的に示した縦断面図に、原料ガス、空気、排ガス、改質ガスの流れる方向を示す矢印を書き加えた説明図である。
実施の形態1の変形例2に係る固体酸化物形燃料電池システムは、上述した実施の形態1の変形例1に係る固体酸化物形燃料電池システムの構成と比較して、第2ブロック18の構成が異なっている。
実施の形態1の変形例2に係る第2ブロック18は、内部排ガス熱交換器8が、空気熱交換器5と水添脱硫器3との間に配置されている点と、内部排ガス熱交換器8及び空気熱交換器5が、互いに熱交換可能に隣接して配置され、内部排ガス熱交換器8及び水添脱硫器3が、互いに熱交換可能に隣接して配置されている点と、水添脱硫器3、内部排ガス熱交換器8および空気熱交換器5が水平方向に横並び状態になるように構成されている点では、変形例1と同じであるが、変形例1では、筐体が略直方体形状の第2ブロック18の長方形の上面または下面の長辺方向に、水添脱硫器3、内部排ガス熱交換器8および空気熱交換器5が横並び状態であったのに対し、変形例2では、第2ブロック18の長方形の上面または下面の短辺方向に、水添脱硫器3、内部排ガス熱交換器8および空気熱交換器5が横並び状態になっている。
変形例2の構成では、変形例1の構成よりも、水添脱硫器3、内部排ガス熱交換器8および空気熱交換器5の外観形状が薄く長くなり、熱交換に有効な面の面積が広くなることにより、水添脱硫器3の脱硫温度、空気熱交換器5で加熱される空気の予熱温度を早く均一に高めることができる。
(変形例3)
次に、実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムの変形例3について図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施の形態1の変形例3に係る固体酸化物形燃料電池システムを、原料ガス、空気、排ガスの各経路と、改質器で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路が分かるように縦に切断した縦断面の一例を模式的に示した縦断面図に、原料ガス、空気、排ガス、改質ガスの流れる方向を示す矢印を書き加えた説明図である。
実施の形態1の変形例3に係る固体酸化物形燃料電池システムは、上述した実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムの構成と比較して、第2ブロック18の構成が異なっている。
実施の形態1の変形例3に係る第2ブロック18は、内部排ガス熱交換器8及び空気熱交換器5が、互いに熱交換可能に隣接して配置され、内部排ガス熱交換器8及び水添脱硫器3が、互いに熱交換可能に隣接して配置されている点では、実施の形態1と同じであるが、実施の形態1では、下から上に向かって、空気熱交換器5、内部排ガス熱交換器8、水添脱硫器3の順に上下方向に縦並び状態になるように配置したのに対して、変形例3では、第2ブロック18内の重力方向の下部に、内部排ガス熱交換器8を配置し、第2ブロック18内の重力方向の上部に、水添脱硫器3と空気熱交換器5とが水平方向に横並び状態になるように構成されている。
変形例2の固体酸化物形燃料電池システムは、内部排ガス熱交換器8が、第1ブロック17と、空気熱交換器5及び水添脱硫器3との間で、空気熱交換器5及び水添脱硫器3と熱交換可能に配置されているものである。
上記構成により、加熱されたガスは膨張し密度が小さくなって上昇することを有効に利用して、内部排ガス熱交換器8を介して、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの排熱を、空気熱交換器5と水添脱硫器3の両方に効率よく伝えることができるため、固体酸化物形燃料電池6に供給される空気の加熱(予熱)と、改質器4に供給される硫黄成分が除去された原料ガスの加熱(予熱)と、水添脱硫器3による原料ガスの水添脱硫とに、排ガスの排熱を有効に利用することができる。
また、空気熱交換器5を通過した空気を固体酸化物形燃料電池6に供給する内部空気経路24の配管を内部排ガス熱交換器8と熱交換可能に配置した場合は、空気熱交換器5から流出した空気が、内部空気経路24の配管を通過する時に、内部排ガス熱交換器8との熱交換で、さらに加熱される。
同様に、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスを改質器4に供給する脱硫後原料ガス経路14を内部排ガス熱交換器8と熱交換可能に配置した場合は、水添脱硫器3から流出した脱硫後の原料ガスが、脱硫後原料ガス経路14の配管を通過する時に、内部排ガス熱交換器8との熱交換で、さらに加熱される。
また、伝熱抑制層19を適切に形成して、第1ブロック17の筐体から第2ブロック18の筐体を介して内部排ガス熱交換器8に伝わる熱を、内部排ガス熱交換器8を介して、固体酸化物形燃料電池6に供給される空気の加熱(予熱)と、改質器4に供給される硫黄成分が除去された原料ガスの加熱(予熱)と、水添脱硫器3による原料ガスの水添脱硫とに、有効に利用することができ、その場合は、第1ブロック17と第2ブロック18との間隔を比較的狭くしたり、伝熱抑制層19に比較的断熱性に劣る材料を使用したりすることができる。
なお、内部排ガス熱交換器8の下面が第2ブロック18の筐体と接触している場合は、内部排ガス熱交換器8の下面側から無駄に放熱することを抑制するために、第2ブロック18の筐体における内部排ガス熱交換器8の下面と接触する部分の温度が、内部排ガス熱交換器8の下面側の表面温度よりも低くならないようにすることが望ましい。
また、内部排ガス熱交換器8と熱交換する空気熱交換器5の温度が水添脱硫器3の適温よりも高い場合は、水添脱硫器3と内部排ガス熱交換器8とを熱交換可能に配置せずに、水添脱硫器3と空気熱交換器5とを熱交換可能に配置しても構わない。その場合は、例え
ば、下から上に向かって、内部排ガス熱交換器8、空気熱交換器5、水添脱硫器3の順に上下方向に縦並び状態になるように配置することができる。
(実施の形態2)
次に、図5と図6を参照して本発明の固体酸化物形燃料電池システムの製造方法の実施の形態(実施の形態2)について説明する。
本実施の形態(実施の形態2)に係る固体酸化物形燃料電池システムの製造方法によって製造される固体酸化物形燃料電池システムの構成は、上述した実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムの構成と同様である。
つまり、本実施の形態(実施の形態2)は、上述した実施の形態1に係る固体酸化物形燃料電池システムの製造方法の具体例である。
図5は、本発明の実施の形態2に係る固体酸化物形燃料電池システムの第1ブロックと第2ブロックとが接続されていない(第1ブロックと第2ブロックとを接続しようとしている)状態の外観の一例を示す外観斜視図である。図6は、本発明の実施の形態2に係る固体酸化物形燃料電池システムの製造工程の一例を各工程毎の側面図で示した工程図である。
なお、図5に示す第2ブロック18では、リサイクル経路16の配管が第2ブロック18の筐体を貫通しているが、リサイクル経路16の配管が第2ブロック18の筐体を貫通しない構成でも構わない。
固体酸化物形燃料電池システムは、発電時の温度が一般的に600〜800℃程度と高いため、伝熱を抑制できる構成と組立方法が求められる。
図6の(1)に示す工程では、基礎部材上に、板状の断熱材からなる断熱層20を配置し、その断熱層20の上に、発電部、燃焼部23等が容器で覆われた形態の固体酸化物形燃料電池6に改質器4と水添脱硫のリサイクル経路16とを取り付けたものを配置する。
図6の(2)に示す工程では、図6の(1)に示す、改質器4と水添脱硫のリサイクル経路16とを取り付けた固体酸化物形燃料電池6に、排ガス経路の内部接続部21bの接続口、空気経路の内部接続部21aの接続口、改質器4における脱硫後原料ガス経路14部分の配管を通す貫通孔、リサイクル経路16を構成する配管を通す貫通孔を、上面(天井面)に有する容器(第1ブロック17の筐体)を被せる。この工程により、温度域が例えば600〜800℃となる第1ブロック17ができ上がる。
図6の(3)に示す工程では、第1ブロック17と第2ブロック18との接続部の接続口同士の位置合わせを行った後に、図6の(2)に示す第1ブロック17に、内部排ガス熱交換器8、空気熱交換器5及び水添脱硫器3を内蔵し筐体の底面(下面)から内部排ガス熱交換器8と連通した内部排ガス経路11の配管、空気熱交換器5と連通した内部空気経路24の配管、水添脱硫器3と連通した脱硫後原料ガス経路14の配管をそれぞれ下方に突出させた第2ブロック18をセット(第1ブロック17と第2ブロック18との接続部(排ガス経路の内部接続部21b、空気経路の内部接続部21a、脱硫後原料ガス経路の内部接続部21c)の接続口同士を接続)する。なお、配管同士の接続は溶接等により行う。
なお、第2ブロック18は、第2ブロック18の筐体の上面(天井面)から、内部排ガス熱交換器8と連通し外部排ガス経路12と排ガス経路の外部接続部22bで接続するた
めの排ガスの出口配管、空気熱交換器5と連通し外部空気経路10と空気経路の外部接続部22aで接続するための空気の入口配管、水添脱硫器3と連通し外部原料ガス経路1と原料ガス経路の外部接続部22cで接続するための原料ガスの入口配管を、それぞれ上方に突出させている。
図6の(4)に示す工程では、第1ブロック17の筐体の上面(天井面)と第2ブロック18の筐体の下面(底面)とで挟まれた部分に伝熱抑制層19を設けた後、第1ブロック17の筐体と第2ブロック18の筐体の側面と上面(天井面)を板状の断熱材からなる断熱層20で覆う、
伝熱抑制層19は、第1ブロック17の筐体の上面(天井面)と第2ブロック18の筐体の下面(底面)とで挟まれた部分において、空気の対流が起きないように、第1ブロック17の筐体の上面(天井面)と第2ブロック18の筐体の下面(底面)とに隙間無く密着していることが望ましい。
図6の(5)に示す工程では、図6の(4)に示す伝熱抑制層19と断熱層20で覆われた第1ブロック17と第2ブロック18との接合体(接続体)に、筐体(容器)7を被せる。
筐体(容器)7は、その上面(天井面)に、内部排ガス熱交換器8と連通し外部排ガス経路12と排ガス経路の外部接続部22bで接続するための排ガスの出口配管、空気熱交換器5と連通し外部空気経路10と空気経路の外部接続部22aで接続するための空気の入口配管、水添脱硫器3と連通し外部原料ガス経路1と原料ガス経路の外部接続部22cで接続するための原料ガスの入口配管、リサイクル経路16を構成する配管のそれぞれを通す貫通孔を有している。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムの製造方法によれば、サブ製造ラインで組み立てられた第2ブロック18を第1ブロック組立製造ラインに組み合込んで、第1ブロック17と第2ブロック18との接続を行うことができ、第1ブロック組立製造ラインでは、組立を下から順に行うことができ、モジュールの生産性が向上する。
なお、本実施の形態では、改質器4、燃焼部23及び固体酸化物形燃料電池6の外側に第1ブロック17の筐体を配置し、第1ブロック17の重力方向の上方に第2ブロック18を配置する工程を備える製造方法について説明したが、この製造方法に限定するものではなく、他の方法で製造しても構わない。
例えば、内部排ガス熱交換器8、空気熱交換器5及び水添脱硫器3の外側に第2ブロック18の筐体を配置し、第2ブロック18の重力方向の上方に第1ブロック17を配置する工程を備える製造方法であってもよい。
この場合は、サブ製造ラインで組み立てられた第1ブロック17を第2ブロック組立製造ラインに組み合込んで、第1ブロック17と第2ブロック18との接続を行うことができ、第2ブロック組立製造ラインでは、組立を下から順に行うことができ、モジュールの生産性が向上する。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、供給された燃料と空気とを用いて発電反応により発電する固体酸化物形燃料電池6と、発電で消費されずに固体酸化物形燃料電池6から排出された燃料を、空気と混合して燃焼する燃焼部23と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を放熱する内部排ガス熱交換器8と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して、固体酸化物形燃料電池6に供給される空気を加熱する空気熱交換器5と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して、供
給された原料ガスに含まれる硫黄成分を水添脱硫により除去する水添脱硫器3と、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスの熱を利用して、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスから固体酸化物形燃料電池6に供給する燃料となる改質ガスを生成する改質器4とを備えた固体酸化物形燃料電池システムの製造方法であって、固体酸化物形燃料電池6、改質器4及び燃焼部23を内蔵した第1ブロック17と、内部排ガス熱交換器8、空気熱交換器5及び水添脱硫器3を内蔵した第2ブロック18とを接続するブロック間接続工程(図6の(3)に示す工程)と、第1ブロック17と第2ブロック18との間に、第1ブロック17と第2ブロック18との間の熱伝導を抑制する伝熱抑制層19を設ける工程(図6の(4)に示す工程)と、を有するものである。
上記方法で、固体酸化物形燃料電池システムの構成要素を、比較的高い温度領域で動作させる(動作する)ものと、比較的低い温度領域で動作させる(動作する)ものとに分けて、それぞれブロック化して製造すると共に、両ブロック間の伝熱が抑制されるように両ブロック間に伝熱抑制層19を設けたことにより、具体的には、発電時に概ね600〜800℃の温度域で動作する燃焼部23と固体酸化物形燃料電池6と改質器4とで第1ブロック17を構成し、それより低温域で動作する空気熱交換器5と水添脱硫器3と内部排ガス熱交換器8で第2ブロック18を構成したことにより、各構成要素の温度ムラが少なくなり、水添脱硫器3によって燃料ガスの脱硫を行う固体酸化物形燃料電池システム運転時の温度効率を高め、システムの効率化を図ることができると共に、2つのブロックに分けて構成したため、製造ラインでの燃料電池システムの組み立て性や生産性を向上できる。
例えば、製造ラインにおいて、サブ製造ラインで組み立てられた第2ブロック18を第1ブロック組立製造ラインに組み合込んで、第1ブロック17と第2ブロック18との接続を行った後に、第1ブロック17と第2ブロック18との間に断熱材等からなる伝熱抑制層19を配置するなどして、第1ブロック17と第2ブロック18との間に伝熱抑制層19を設ける(形成する)ことで、組立性と生産性を向上することができる。
また、サブ製造ラインで第2ブロック18の組立が完成した時点で、組立検査を行うことができるので仮に不具合が見つかった場合でも、第2ブロック18の組み直しで解決することができるので、組み直しの時間が短縮でき、生産性を向上することができる。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、図6の(3)に示す、第1ブロック17と第2ブロック18とを接続するブロック間接続工程において、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスを内部排ガス熱交換器8に導く内部排ガス経路11と、空気熱交換器5を通過した空気を固体酸化物形燃料電池6に供給する内部空気経路24と、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料を改質器4に供給する脱硫後原料ガス経路14とを、第1ブロック17と第2ブロック18とに挟まれる箇所で接続する。
第1ブロック17と第2ブロック18との間で、燃焼部23の燃焼により発生する排ガスを内部排ガス熱交換器8に導く内部排ガス経路11と、空気熱交換器5を通過した空気を固体酸化物形燃料電池6に供給する内部空気経路24と、水添脱硫器3により硫黄成分が除去された原料ガスを改質器4に供給する脱硫後原料ガス経路14とを、それぞれ配管接続する必要があるが、それらのブロック間の接続配管が、第1ブロック17(の筐体)と第2ブロック18(の筐体)とで挟まれた部分に配置され、ブロック間の接続配管を、第1ブロック17(の筐体)と第2ブロック18(の筐体)における互いに対向する面以外の面に露出させず、ブロックの外に露出する配管の長さを短くできるので、各経路を短くでき、各経路の通路抵抗を小さく、また各経路の熱のロスを少なくできる。また、固体酸化物形燃料電池システムをコンパクトに構成できる。また、各経路の接続条件(環境)に共通点が多いので、組立性と生産性を向上させることができる。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、図6の(3)に示すブロック間接続工程の前に、固体酸化物形燃料電池6、改質器4及び燃焼部23の外側に第1ブロック17の筐体を配置、もしく内部排ガス熱交換器8、空気熱交換器5及び水添脱硫器3の外側に第2ブロック18の筐体を配置してから、第1ブロック17と第2ブロック18のどちらか先に配置した方の重力方向の上方に、第1ブロック17と第2ブロック18のどちらか他方を配置する配置工程を有する。
これにより、第1ブロック17と第2ブロック18とは、重力方向に上下に並ぶように配置されるので、重力方向に上下に並ぶように配置しない場合と比較して、固体酸化物形燃料電池システムの設置面積を小さくできる。
また、先に配置する(下側に配置する)ブロックは、ブロックに内蔵する構成要素の外側にブロックの筐体を配置する手法で組み立てるので、組立性と生産性に優れる。
また、第2ブロック18を第1ブロック17の重力方向の上方に配置する場合は、サブ製造ラインで組み立てられた第2ブロック18を第1ブロック組立製造ラインに組み合込んで、逆に、第1ブロック17を第2ブロック18の重力方向の上方に配置する場合は、サブ製造ラインで組み立てられた第1ブロック17を第2ブロック組立製造ラインに組み合込んで、第1ブロック17と第2ブロック18を重力方向に上下に並ぶように配置することで、組立性と生産性を向上することができる。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、図6の(3)に示すブロック間接続工程の前に、固体酸化物形燃料電池6、改質器4及び燃焼部23の外側に第1ブロック17の筐体を配置してから、第1ブロック17の重力方向の上方に、内部排ガス熱交換器8、空気熱交換器5及び水添脱硫器3が内蔵された第2ブロック18を配置する配置工程を有する。
この製造方法により、第2ブロック18は、第1ブロック17の重力方向の上方に配置されることとなる。
加熱されたガスは膨張し密度が小さくなって上昇するので、第1ブロック17内の燃焼部23の燃焼により発生する排ガスを第2ブロック18内の内部排ガス熱交換器8に効率よく導くことができ、また、第1ブロック17で発生する熱を第2ブロック18に効率よく伝熱させることができる。
また、第1ブロック17は第2ブロック18よりも重いこと、また、第1ブロック17の設置面積は第2ブロック18よりも広いこと、第2ブロック18の水添脱硫器3に原料ガスを供給する外部原料ガス経路1に第1ブロック17の改質器4で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路16を接続する場合の作業性から、第2ブロック18を第1ブロック17の重力方向の上方に配置した方が、第1ブロック17を第2ブロック18の重力方向の上方に配置するよりも都合が良い。
また、サブ製造ラインで組み立てられた第2ブロック18を第1ブロック組立製造ラインに組み合込んで、第2ブロック18を第1ブロック17の重力方向の上方に配置することで、組立性と生産性を向上することができる。
(実施の形態3)
次に、図7aから図7eを参照して本発明の固体酸化物形燃料電池システムの製造方法の実施の形態(実施の形態3)について説明する。
通常、固体酸化物形燃料電池システムを含めた燃料電池システムでは、設置面積を小さくすることが求められる。また、メンテナンスに当たっては外装パネルを外すことを最小限にすること、及び外したパネルから全部品を交換できることが求められる。
実施の形態3は、上述した実施の形態1、実施の形態2に係る固体酸化物形燃料電池システムの外部配管の接続方法の具体例である。
図7aは、本発明の実施の形態3に係る固体酸化物形燃料電池システムの外部配管接続を含めた構成の縦断面の一例を示した説明図である。
図7aに示すように、筐体(容器)7の上面(天井面)から上方に突出した原料ガス経路の外部接続部22cにおいて、水添脱硫器3と連通した原料ガスの入口配管が、途中に昇圧部2を備えた外部原料ガス経路1と接続される。また、昇圧部2の手前(昇圧部2よりも原料ガスの流れの上流側)で、筐体(容器)7の上面(天井面)から上方に突出したリサイクル経路16を構成する配管が外部原料ガス経路1に接続される。
外部原料ガス経路1を流れる原料ガスは、リサイクル経路16との合流部で、リサイクル経路16を流れてきた改質ガスと混合され、昇圧部2で昇圧されてから原料ガス経路の外部接続部22cを経て水添脱硫器3に流入し、水添脱硫器3で水添脱硫され、水添脱硫器3を通過中に加熱され、脱硫後原料ガス経路の内部接続部21cを経て改質器4に供給され、改質器4で改質され、その改質ガスが固体酸化物形燃料電池6に発電用の燃料として供給される。
また、筐体(容器)7の上面(天井面)から上方に突出した空気経路の外部接続部22aにおいて、空気熱交換器5と連通した空気の入口配管が、空気ブロワ(図示せず)により空気を供給する外部空気経路10と接続される。
空気ブロワ(図示せず)により外部空気経路10を流れてきた空気(外気)は、空気経路の外部接続部22aを経て空気熱交換器5に流入し、空気熱交換器5を通過中に加熱され、空気経路の内部接続部21aを経て固体酸化物形燃料電池6に供給され、固体酸化物形燃料電池6に供給された空気に含まれる酸素が、水素を多く含む改質ガス(燃料)と共に発電に用いられる。
また、筐体(容器)7の上面(天井面)から上方に突出した排ガス経路の外部接続部22bにおいて、内部排ガス熱交換器8と連通した排ガスの出口配管が、外部排ガス経路12と接続される。外部排ガス経路12の排ガスの流れの下流側は外部排ガス熱交換器9に接続され、外部排ガス熱交換器9の下側には外部排ガス熱交換器9で排ガスに含まれる水蒸気が凝縮したドレン水を排水するためのドレン水経路13が接続されている。
燃焼部23の燃焼により発生する排ガスは、排ガス経路の内部接続部21bを経て内部排ガス熱交換器8に流入し、内部排ガス熱交換器8通過中に冷却され、排ガス経路の外部接続部22bと外部排ガス経路12を経て外部排ガス熱交換器9に流入し、外部排ガス熱交換器9通過中に冷却され、外部排ガス熱交換器9で排ガスに含まれる水蒸気が凝縮されて、その凝縮水が分離されて、排気される。外部排ガス熱交換器9で生じた凝縮水はドレンとしてドレン水経路13から排水される。
本実施の形態の固体酸化物形燃料電池システムの製造方法は、第1ブロック17と第2ブロック18の外周を断熱層20で覆う工程(図6の(4)を参照)と、第2ブロック18の上方に上下方向に延びて断熱層20及び筐体(容器)7の外側に露出する原料ガス経路の外部接続部22c、空気経路の外部接続部22a、排ガス経路の外部接続部22bに
、第2ブロック18へ原料ガスを供給する原料ガス供給経路としての外部原料ガス経路1、第2ブロック18へ空気を供給する空気供給経路としての外部空気経路10、第2ブロック18から排ガスを排出する排ガス排出経路としての外部排ガス経路12を接続する外部接続工程(図7aを参照)とを有する。
原料ガス経路の外部接続部22c、空気経路の外部接続部22a、排ガス経路の外部接続部22bを固体酸化物形燃料電池システムの上面(天井面)または下面(底面)から上下方向に延びるように上下に突出させた方が、原料ガス経路の外部接続部22c、空気経路の外部接続部22a、排ガス経路の外部接続部22bを固体酸化物形燃料電池システムの側面から横出しする場合(図7e参照)よりも、固体酸化物形燃料電池システムの設置面積を小さくすることができる。
また、外部接続口を上から出した方が、下から出す場合よりも、第2ブロック18を第1ブロック17の重力方向の上方に配置することと、接続の作業性、メンテナンス性の点で、好都合である。
なお、第2ブロック18の水添脱硫器3に原料ガスを供給する原料ガス供給経路としての外部原料ガス経路1に第1ブロック17の改質器4で生成された改質ガスの一部を戻すためのリサイクル経路16を接続する場合は、リサイクル経路16が第1ブロック17の上面から上方に延びて第2ブロック18の横の断熱層20を上下方向に貫通して、リサイクル経路の外部接続部22dが、固体酸化物形燃料電池システムの筐体(容器)7の上面(天井面)から上に突出するように設けると、接続の作業性、メンテナンス性の点で、好都合である。
図7bは、本発明の実施の形態3に係る固体酸化物形燃料電池システムの外部配管接続を含めた構成の縦断面の他の例を示した説明図である。
図7bに示す例では、リサイクル経路16と、リサイクル経路16が外部原料ガス経路1に接続する位置が、図7aに示す例と異なっているが、その他の構成は図7aに示す例と同様である。
図7bに示す例の第1ブロック17の外側でリサイクル経路16を構成する配管は、第1ブロック17の上面(天井面)から上方に突出した後に向きを変えて第1ブロック17の側面の横を通って筐体(容器)7の下面(底面)となる基礎部材から下方に突出している。
そのため、図7bに示す例では、昇圧部2の手前(昇圧部2よりも原料ガスの流れの上流側)で、筐体(容器)7の下面(底面)となる基礎部材から下方に突出したリサイクル経路の外部接続部22dを通るリサイクル経路16を構成する配管が外部原料ガス経路1に接続される。
図7cは、本発明の実施の形態3に係る固体酸化物形燃料電池システムの上部の配管接続の一例を平面図と正面図で示した説明図である。図7dは、本発明の実施の形態3に係る固体酸化物形燃料電池システムの上部の配管接続の他の例を平面図と正面図で示した説明図である。
図7cは本発明の実施の形態3の配管接続(配管上出し)を行った場合の固体酸化物形燃料電池システムの配管接続方法の例1を示しており、図7dは、本発明の実施の形態3の配管接続(配管上出し)を行った場合の固体酸化物形燃料電池システムの配管接続方法の例2を示している。図7eは配管を横出しにした場合の例である。
図7eのように配管を横出しにすると、本発明の実施の形態2のように下から順に組み立てていく構成が出来ないうえ、フレームが邪魔になってメンテナンスを行うことが出来ない。また、配管を曲げて連結する必要があるので、設置面積が大きくなる。
一方、図7cまたは図7dに示すように配管上出しにした場合、本発明の実施の形態2のように下から順に組み立てていくことが出来、メンテナンスも可能であり、設置面積も小さくすることが可能である。
なお、本実施の形態では、配管を上方から引き出す構成について説明したが、これに限定されない。例えば、図7bのように配管を下方から引き出す構成にしても構わず、その場合は、配管を上方から引き出す場合よりも若干、作業性が悪くなるが、ほぼ同様の効果を奏することができる。
上記説明から、当業者にとって、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。