JP2015114606A - 光学装置及び光学装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射戻り光の発生を抑制しつつ、結合損失の低減が図られた光学装置及び光学装置の製造方法を提供する。【解決手段】互いに平行な光軸X1を有する複数の第1コア11及び第1コア11を包囲する第1クラッド12を有するマルチコアファイバ10と、第2コア21及び第2クラッド22を有する複数のシングルコアファイバ20と、第1コア11からの光路を平行と異ならせることによって光路の間隔を調整する第1光学系S1と、光路を平行にして各第2コア21に集光させる第2光学系S2と、第2光学系S2から第2コア21の端面20aまでの光路長を等しくする調整部とを備え、第2コア21の光軸X2は互いに平行となっており、第2コア21間の間隔B2は第1コア11間の間隔B1よりも大きくなっており、各第2コア21の端面20aは各第2コア21の光軸X2に対して直交していない。【選択図】図1
Description
本発明は、マルチコアファイバからの光を複数のシングルコアファイバのそれぞれに結合させる光学装置及び光学装置の製造方法に関する。
特許文献1には、マルチコアファイバをシングルコアファイバに結合する光学装置が開示されている。この文献には、マルチコアファイバにおける複数のコアからの光をレンズによって分離してシングルコアファイバに結合させるマルチコアファイバ結合装置が記載されている。シングルコアファイバは、マルチコアファイバにおけるコアの数だけ設けられている。マルチコアファイバの各コアから出射された光は、平坦状に研磨されたシングルコアファイバの各端面で集光される。また、非特許文献1に記載された光学装置は、空間上でレンズによって分離され互いに平行と異なる状態とされた複数の光の光軸を互いに略平行な状態にするプリズムを備えている。
IEEE Summer Topicals 2013, MC3.2 "Integrated optical connection module for 7-core multi-core fiber and 7single mode fibers"
上述した光学装置において、シングルコアファイバの端面は、光軸に対して90度の角度を成している。よって、シングルコアファイバの端面から反射戻り光が発生する。この反射戻り光の発生を抑制するためシングルコアファイバの端面にARコーティングを施した場合には、残留反射光による端面間の光干渉等によって光特性が不安定になる。そこで、反射戻り光の発生を抑制するためにシングルコアファイバの端面に斜め研磨を施すことが考えられる。
しかしながら、各シングルコアファイバの端面に斜め研磨を施すと、シングルコアファイバの端面とレンズとの間の光路長が、シングルコアファイバ毎に異なることがある。このように端面とレンズとの間の光路長がシングルコアファイバ毎に異なると、デフォーカスされた状態で受光するシングルコアファイバが出てくる。従って、シングルコアファイバへの光の結合損失が大きくなるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、反射戻り光の発生を抑制しつつ、結合損失の低減が図られた光学装置及び光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る光学装置は、その一側面として、互いに平行な光軸を有する複数の第1コア、及び複数の第1コアを包囲する第1クラッド、を有するマルチコアファイバと、第2コア、及び第2コアを包囲する第2クラッド、を有する複数のシングルコアファイバと、各第1コアから出射された各光の光路を互いに平行と異ならせることによって各光路の間隔を調整する第1光学系と、互いに平行と異ならせた各光路を再び互いに平行にして各第2コアに集光させる第2光学系と、第2光学系から各第2コアの端面までの光路長を互いに等しくする調整部と、を備え、第2コアの光軸は、互いに平行となっており、第2コア間の間隔は、マルチコアファイバにおける第1コア間の間隔よりも大きくなっており、各第2コアの端面は、各第2コアの光軸に対して直交していない。
本発明によれば、反射戻り光の発生を抑制しつつ、結合損失の低減を図ることができる。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に、本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。本願発明による光学装置は、その一側面として、(1)互いに平行な光軸を有する複数の第1コア、及び複数の第1コアを包囲する第1クラッド、を有するマルチコアファイバと、第2コア、及び第2コアを包囲する第2クラッド、を有する複数のシングルコアファイバと、各第1コアから出射された各光の光路を互いに平行と異ならせることによって各光路の間隔を調整する第1光学系と、互いに平行と異ならせた各光路を再び互いに平行にして各第2コアに集光させる第2光学系と、第2光学系から各第2コアの端面までの光路長を互いに等しくする調整部と、を備え、第2コアの光軸は、互いに平行となっており、第2コア間の間隔は、マルチコアファイバにおける第1コア間の間隔よりも大きくなっており、各第2コアの端面は、各第2コアの光軸に対して直交していない。
最初に、本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。本願発明による光学装置は、その一側面として、(1)互いに平行な光軸を有する複数の第1コア、及び複数の第1コアを包囲する第1クラッド、を有するマルチコアファイバと、第2コア、及び第2コアを包囲する第2クラッド、を有する複数のシングルコアファイバと、各第1コアから出射された各光の光路を互いに平行と異ならせることによって各光路の間隔を調整する第1光学系と、互いに平行と異ならせた各光路を再び互いに平行にして各第2コアに集光させる第2光学系と、第2光学系から各第2コアの端面までの光路長を互いに等しくする調整部と、を備え、第2コアの光軸は、互いに平行となっており、第2コア間の間隔は、マルチコアファイバにおける第1コア間の間隔よりも大きくなっており、各第2コアの端面は、各第2コアの光軸に対して直交していない。
上記の光学装置では、マルチコアファイバと、複数のシングルコアファイバと、マルチコアファイバの各第1コアから出射された光における各光路の間隔を調整する第1光学系と、各光路を互いに平行にしてシングルコアファイバの各第2コアに集光させる第2光学系と、第2光学系から各第2コアの端面までの光路長を互いに等しくする調整部と、を備える。調整部を備えることによって、第2光学系から各第2コアの端面までの光路長を互いに等しくすることができる。よって、デフォーカスされた状態で受光するシングルコアファイバを無くすことが可能となるので、シングルコアファイバへの光の結合損失を低減させることができる。また、上記の光学装置において、各第2コアの端面は、各第2コアの光軸に対して直交していない。従って、シングルコアファイバの各第2コアの端面における反射戻り光の発生を抑えることができる。以上のように、反射戻り光の発生を抑制しつつ結合損失の低減を図ることができる。
(2)上記の光学装置では、調整部は、複数のシングルコアファイバを束ねて保持する保持部であってもよい。この保持部によって、第2光学系から各第2コアの端面までの光路長を互いに等しくした状態で複数のシングルコアファイバを束ねて保持することができる。
(3)上記の光学装置では、各第2コアの端面は、第2コアの光軸に直交する面に対して傾斜しており、保持部は、直交する面に対する第2コアの端面の傾斜角度が互いに同一となるように、複数のシングルコアファイバを保持していてもよい。これにより、複数のシングルコアファイバは、第2コアの端面の傾斜角度が互いに同一となった状態で保持される。従って、保持部によって反射戻り光の発生を抑制させた状態を維持することができる。
(4)上記の光学装置では、第2コアの光軸に直交する面に対する第2コアの端面の傾斜角度は、上記直交する面に対する保持部の端面の傾斜角度と略同一となっていてもよい。これにより、第2コアの端面と保持部の端面とを略一致させることが可能となるので、研磨等によって第2コアの端面と保持部の端面とが傾斜した状態を容易に実現させることが可能となる。
(5)上記の光学装置では、各シングルコアファイバの光軸方向における端面の位置が互いに同一となるように、保持部の端面に対する各シングルコアファイバの突出量が、保持部の端面の傾斜方向に従って異なっていてもよい。これにより、各シングルコアファイバの光軸方向における端面の位置を互いに同一とすることができ、第2光学系から各第2コアの端面までの光路長を互いに等しくすることが可能となるので、シングルコアファイバへの光の結合損失を低減させることができる。
(6)上記の光学装置では、各シングルコアファイバは、第2コアの光軸に直交する面に対して所定角度だけ一律に傾斜しており、調整部は、傾斜によって生じた第2光学系から各第2コアの端面までの光路長の相違を補正する光学部品であってもよい。この場合、各シングルコアファイバが所定角度だけ一律に傾斜すると共に、光学部品によって第2光学系と各第2コアの端面との光路長の相違が補正される。従って、反射戻り光を無くすと共に結合損失の低減を図ることができる。
(7)上記の光学装置では、光学部品は、ウェッジプリズムである。このように、光路長の相違を補正する光学部品としてウェッジプリズムを採用することができる。
本願発明による光学装置の製造方法は、その一側面として、(8)上記複数のシングルコアファイバを組み立てて行う光学装置の製造方法であって、シングルコアファイバを保持するフェルールのそれぞれの端面が同一の方向を向くように保持部で各フェルールを束ねて保持し、各フェルールの端面が上記直交する面に対して傾斜するように各フェルールの端面を研磨する工程と、各フェルールの端面が同一の面となるように各フェルールの端面を揃える工程と、保持部に対する各フェルールの回転を規制すると共に、光軸方向における端面の先端位置が互いに一致するように保持部に対するフェルールの位置を調整する工程と、を備える。
上記の光学装置の製造方法では、シングルコアファイバを保持するフェルールの各端面が同一の方向を向くように保持部が各フェルールを束ねて保持し、各フェルールの端面が光軸に直交する面に対して傾斜するように、各フェルールの端面の研磨を行う。よって、シングルコアファイバの各第2コアの端面が上記直交する面に対して傾斜するので、各第2コアの端面における反射戻り光の発生を抑制することができる。また、保持部によって光軸方向における端面の先端位置が互いに一致するようにフェルールの位置が調整されるので、第2光学系から各第2コアの端面までの光路長を等しくすることが可能となる。従って、デフォーカスされた状態で受光するシングルコアファイバを無くすことができるので、結合損失の低減を図ることができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本実施形態の詳細について以下図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、実施形態の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
本実施形態の詳細について以下図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、実施形態の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る光学装置100について、図1を参照しつつ説明する。
まず、第1実施形態に係る光学装置100について、図1を参照しつつ説明する。
図1に示されるように、光学装置100は、マルチコアファイバ10と複数のシングルコアファイバ20との間で光信号の伝搬を行うために、マルチコアファイバ10とシングルコアファイバ20とを結合する。光学装置100は、第1光学系S1と第2光学系S2とを備えている。
マルチコアファイバ10は、複数の光入出力部を有する光素子である。マルチコアファイバ10の断面形状は円形となっている。マルチコアファイバ10は、7つの第1コア11と、7つの第1コア11を包囲する第1クラッド12とを備えている。マルチコアファイバ10の端面10aからは7本の光(側面から見た図1においては3本の光のみを図示)が出射される。マルチコアファイバ10の各第1コア11からの光の光軸X1は互いに平行となっている。マルチコアファイバ10の端面10aは、各第1コア11からの光の光軸X1に対して直交している。
具体的には、マルチコアファイバ10における7つの第1コア11は、端面10aにおける正六角形の各頂点と中心点の位置にあり、隣り合う各第1コア11の間隔B1(端面10aにおける光の間隔)は同一である。例えば、隣り合う各第1コア11の間隔B1は、0.045mm程度である。また、マルチコアファイバ10の第1クラッド12の直径は、例えば0.15mm程度である。
シングルコアファイバ20は、マルチコアファイバ10における第1コア11の数と同数本(すなわち、7本)用意される(側面から見た図1においては3本のシングルコアファイバ20のみを図示)。各シングルコアファイバ20の断面形状は円形となっている。各シングルコアファイバ20は、第2コア21と、第2コア21を包囲する第2クラッド22とを備えている。シングルコアファイバ20の第2コア21における光の光軸X2は、互いに平行となっている。光軸X2は、マルチコアファイバ10の光軸X1と平行になっている。また、第2コア21間の間隔B2は、マルチコアファイバ10における第1コア11間の間隔B1よりも大きくなっている。
シングルコアファイバ20は、マルチコアファイバ10からの光を受光する端面20aを有している。各シングルコアファイバ20の端面20aは、光軸X2に直交しておらず、図2に示されるように、光軸X2に直交する平面Mに対して角度θ1だけ傾斜している。各シングルコアファイバ20は、各シングルコアファイバ20の一端が円筒状のフェルール25で保持されることによって、フェルール25に実装されている(図5参照)。なお、シングルコアファイバ20の各端面20aは、図1及び図2の紙面に直交する方向においては傾斜していない。
図1に示されるように、第1光学系S1は、マルチコアファイバ10の各第1コア11から出射される複数の光の光軸上に位置する。第1光学系S1は、各第1コア11から出射される複数の光の光軸を互いに平行と異ならせる。このように各光の光軸を互いに平行と異ならせることにより、第1光学系S1は、各第1コア11から出射される光の間隔を調整する。第1光学系S1は、第2光学系S2よりもマルチコアファイバ10側に位置しており、例えば1つの集光レンズL1で構成されている。
集光レンズL1は、マルチコアファイバ10の端面10aと対面するように配置されている。集光レンズL1は、マルチコアファイバ10の端面10aから、集光レンズL1の焦点距離f1だけ離れた位置に配置されている。この集光レンズL1を通過した複数の光は、一旦間隔が縮められた後互いに離間して、第1光学系S1から離れるつれて間隔が拡大する。
第2光学系S2は、第1光学系S1よりもシングルコアファイバ20側に配置される。第2光学系S2は、第1光学系S1によって互いに平行と異なる状態とされた複数の光の光軸を再び互いに平行な状態とする。第2光学系S2は、例えば1つの集光レンズL2と7つの集光レンズL3とで構成されている。集光レンズL2と集光レンズL3とは、一体であっても別体であってもよい。また、集光レンズL3は、図1では空間的に分離されたように示しているが、レンズアレイA(図2参照)として一体的に構成されていてもよい。
集光レンズL2は、集光レンズL1と同様、マルチコアファイバ10の第1コア11から出射された各光の光軸上において、マルチコアファイバ10の端面10aと対面するように配置される。集光レンズL2は、集光レンズL1から、集光レンズL1の焦点距離f1と集光レンズL2の焦点距離f2の和(f1+f2)だけ離れた位置に配置されている。この集光レンズL2を透過した各光は、第1コア11における光軸X1と平行な方向(すなわち、第2コア21における光軸X2と平行な方向、マルチコアファイバ10の端面10aに直交する方向)に偏向されている。
7つの集光レンズL3は、集光レンズL2を透過した光の光軸上において、集光レンズL2と対面するように配置される。7つの集光レンズL3は、集光レンズL2によって偏向された複数の光のそれぞれを各シングルコアファイバ20の端面20aで集光させる。集光レンズL3は、集光レンズL2から所定距離dだけ離れた位置に配置されている。この所定距離dは、集光レンズL3の焦点距離f3によって決められる。すなわち、上述した集光レンズL1の焦点距離f1と、集光レンズL2と集光レンズL3との合成焦点距離fとが等しくなるように、所定距離d及び焦点距離f3が設定される。なお、集光レンズL2と集光レンズL3との合成焦点距離fは、下記の式で求められる。
図2に示されるように、レンズアレイAにおける各集光レンズL3の向きは、各シングルコアファイバ20の光軸X2に対して角度θ2だけ傾斜している。なお、各集光レンズL3の向きは、図2の紙面に直交する方向においては傾斜していない。例えば、上述した平面Mに対する各端面20aの角度θ1の値は8°とすることができ、光軸X2に対する各集光レンズL3の向きである角度θ2の値は3.6°とすることができる。角度θ1及び角度θ2の値を上記のようにすることによって、各シングルコアファイバ20における光結合を最大にすることが可能となる。また、各集光レンズL3と、各集光レンズL3に対向するシングルコアファイバ20の端面20aまでの光路長Rは、図3に示されるリング材(調整部)30によって互いに等しくなっている。以下では、リング材30によって各光路長Rを互いに等しくする方法について説明する。
図3〜図5に示されるように、フェルール25の端面25a及びシングルコアファイバ20の端面20aは、光軸X2に直交する平面Mに対して傾斜するように各々斜め研磨される。ここで、斜め研磨とは、上記のように端面20a,25aが光軸X2に直交する平面Mに対して傾斜するように研磨を行うことを示している。また、集光レンズL3からシングルコアファイバ20の端面20aまでの光路長Rが互いに同一となるように、フェルール25及びシングルコアファイバ20の突き出し量(光軸X2方向におけるフェルール25及びシングルコアファイバ20の位置)が調整される。
図3に示されるように、各光路長Rを同一にするために用いられるリング材30は、円筒状となっており、内部に7本のフェルール25を挿通可能となっている。リング材30の材料としては、金属、樹脂又はガラス等を用いることができる。リング材30は、7本のフェルール25を束ねて保持する保持部として機能する。リング材30は、リング材30の内周面とフェルール25の外周面との間に形成された領域K1と、フェルール25の外周面同士の間に形成された領域K2とに接着剤が充填されることにより、フェルール25を束ねて保持する。
次に、7本のシングルコアファイバ20を組み立てて光学装置100を製造する方法について説明する。
まず、各シングルコアファイバ20の一端をフェルール25に実装する。そして、シングルコアファイバ20を実装した7本のフェルール25の一端をリング材30に挿通させる。その後、リング材30の端面30a、フェルール25の端面25a及びシングルコアファイバ20の端面20aが同一面となるように、リング材30、フェルール25及びシングルコアファイバ20に対して一括で斜め研磨を行う。このように一括して研磨を行うことによって、フェルール25のそれぞれの端面25aが同一の方向を向くように、各フェルール25が束ねられて保持された状態となる。
なお、フェルール25及びシングルコアファイバ20のそれぞれを個別に斜め研磨した後に、リング材30で7本のフェルール25を束ねてもよい。但し、上述したように、リング材30で7本のフェルール25を束ねた状態で一括して斜め研磨を行うことによって、7本のフェルール25に対して個別に斜め研磨を行う場合よりも簡単に研磨作業を行うことができるので、作業性の向上に寄与する。
フェルール25の端面25a及びシングルコアファイバ20の端面20aが同一の方向を向くように斜め研磨を行った後には、図6に示されるように、フェルール25の端面25a及びシングルコアファイバ20の端面20aを平板状の突き当て板40に突き当てる。突き当て板40の突き当て面40aは、平坦面となっている。よって、フェルール25の端面25aとシングルコアファイバ20の端面20aを突き当て面40aに突き当てることによって、端面25a,20aを揃えることができる。また、突き当て板40の突き当て面40aは、シングルコアファイバ20の光軸X2に対して直交しておらず、光軸X2に直交する平面Mに対して角度θ3だけ傾斜している。この角度θ3は、上述した角度θ1と同一の値であり、例えば8°である。
フェルール25及びシングルコアファイバ20の端面25a,20aを揃えた後は、図7及び図8に示されるように、リング材30に対するフェルール25の回転を規制すると共に、リング材30に対して各フェルール25を光軸X2方向に移動させてフェルール25の先端25bの位置調整を行う。このとき、フェルール25の先端25bの位置に応じて突き当て板40を傾けて、光軸X2に直交する平面Mに対する突き当て面40aの角度を角度θ4とする。なお、角度θ4は、上述した角度θ2と同一の値であり、例えば3.6°である。このように各フェルール25の先端25bの位置を調整することによって、各フェルール25の端面25aと第2光学系S2の集光レンズL3との光路長を互いに等しくすることが可能となる。
このように各フェルール25の先端25bの位置を調整した後には、リング材30の内周面とフェルール25の外周面との間の領域K1とフェルール25の外周面同士の間の領域K2とに接着剤を充填させて、リング材30の内部で7本のフェルール25を固定させる。なお、リング材30の内部で7本のフェルール25を固定させる手段としては、接着剤に限られず、例えば溶接又は半田付けによってフェルール25を固定させてもよい。また、各フェルール25を接着剤等によって互いに固定させた後には、リング材30をフェルール25から外してもよいし、また、リング材30をそのまま各フェルール25に固定させておくことも可能である。
また、リング材30としては、例えば熱によって収縮する熱収縮チューブを用いることも可能である。この場合、熱によってリング材30を収縮させることが可能となるので上記の接着剤が不要となる。また、リング材30として熱収縮チューブを用いた場合には、フェルール25に対する締め付け力が、フェルール25をリング材30の内部で光軸X2方向に移動可能な程度の弱い締め付け力となる。よって、リング材30でフェルール25を保持しながら、フェルール25を光軸X2方向に移動させることが可能となる。
このように、リング材30に対する各フェルール25の位置とフェルール25の端面25aの傾斜角度とを調整し、リング材30の内部で各フェルール25を固定させる。よって、図1に示されるように、第2光学系S2の集光レンズL3に対して各シングルコアファイバ20を設置したときに、各集光レンズL3から各シングルコアファイバ20の端面20aまでの光路長Rを全て同一にすることが可能となる。
以上、光学装置100では、マルチコアファイバ10と、7本のシングルコアファイバ20と、マルチコアファイバ10の各第1コア11から出射された光における各光路の間隔を調整する第1光学系S1と、各光路を互いに平行にしてシングルコアファイバ20の各第2コア21に集光させる第2光学系S2と、第2光学系S2から各第2コア21の端面20aまでの光路長Rを互いに等しくするリング材30と、を備える。リング材30を備えることによって、第2光学系S2から各第2コア21の端面20aまでの光路長Rを互いに等しくすることができる。よって、デフォーカスされた状態で受光するシングルコアファイバ20を無くすことが可能となるので、シングルコアファイバ20への光の結合損失を低減させることができる。
また、上記の光学装置100における各第2コア21の端面20aは、各第2コア21の光軸X2に対して直交していない。従って、シングルコアファイバ20の各第2コア21の端面20aにおける反射戻り光の発生を抑えることができる。以上のように、反射戻り光の発生を抑制しつつ結合損失の低減を図ることができる。
また、図3に示されるように、リング材30は、複数のシングルコアファイバ20を束ねて保持している。よって、第2光学系S2から各第2コア21の端面20aまでの光路長Rを互いに等しくした状態で複数のシングルコアファイバ20を束ねて保持することができる。また、端面20aは第2コア21の光軸X2に直交する平面Mに対して傾斜しており、リング材30は、平面Mに対する端面20aの傾斜角度が互いに同一(全て角度θ1)となるように、複数のシングルコアファイバ20を保持している。これにより、複数のシングルコアファイバ20は、端面20aの傾斜角度が互いに同一となった状態で保持されるので、リング材30によって反射戻り光の発生を抑制させた状態を維持することができる。
図6に示されるように、光軸X2に直交する平面Mに対する端面20aの傾斜角度θ3は、平面Mに対するリング材30の端面30aの傾斜角度と略同一となっている。これにより、研磨等によって端面20aとリング材30の端面30aとを略一致させることが可能となるので、第2コア21の端面20aとリング材30の端面30aとが傾斜した状態を容易に実現させることができる。
また、図7に示されるように、各シングルコアファイバ20の光軸X2方向における端面20aの位置が互いに同一となるように、リング材30の端面30aに対する各シングルコアファイバ20の突出量が、リング材30の端面30aの傾斜方向に従って異なっている。よって、各シングルコアファイバ20の光軸X2方向における端面20aの位置を互いに同一とすることができ、第2光学系S2から各第2コア21の端面20aまでの光路長Rを互いに等しくすることが可能となるので、シングルコアファイバ20への光の結合損失を低減させることができる。
また、光学装置100の製造方法では、シングルコアファイバ20を保持するフェルール25の各端面25aが同一の方向を向くようにリング材30が各フェルール25を束ねて保持し、各端面25aが光軸X2に直交する平面Mに対して傾斜するように、各端面25aの研磨を行う。よって、シングルコアファイバ20の各端面20aも平面Mに対して傾斜するので、各第2コア21の端面20aにおける反射戻り光の発生を抑制することができる。
また、図8に示されるように、リング材30によって光軸X2方向における端面20aの先端位置が互いに一致するようにフェルール25の位置が調整されるので、第2光学系S2から各第2コア21の端面20aまでの光路長Rを等しくすることが可能となる。従って、デフォーカスされた状態で受光するシングルコアファイバ20を無くすことができるので、結合損失の低減を図ることができる。
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係る光学装置200について、図9を参照しつつ説明する。
続いて、第2実施形態に係る光学装置200について、図9を参照しつつ説明する。
図9に示されるように、光学装置200は、第1実施形態に係る光学装置100とは、シングルコアファイバ及びフェルールの構成と、ウェッジプリズム(調整部)110及びファイバアレイ130を備えた点とが異なっている。
ウェッジプリズム110は、第2光学系S2の各集光レンズL3と、シングルコアファイバ120A,120B,120Cとの間に配置される。ウェッジプリズム110の屈折率は、空気より大きく、例えば1.50である。また、シングルコアファイバ120A,120B,120Cの各端面120a、フェルール125の端面125a及びファイバアレイ130の端面130aは、同一面となっている。上記各端面120a,125a,130aは、シングルコアファイバ120A,120B,120Cの光軸X2に直交する平面Mに対して角度θ5だけ一律に傾斜している。この角度θ5は、上述した第1実施形態の角度θ1と同一の値であり、例えば8°である。
上記のようにシングルコアファイバ120A,120B,120Cの各端面120aは平面Mに対して傾斜しているので、仮にウェッジプリズム110が無い場合、シングルコアファイバ120A,120B,120C間で光路長が異なることとなる。よって、光路長の相違を補正するため、ウェッジプリズム110を集光レンズL3とシングルコアファイバ120A,120B,120Cとの間に介在させている。
ウェッジプリズム110において、集光レンズL3から近いシングルコアファイバ120Cに対向する箇所は、集光レンズL3から遠いシングルコアファイバ120Aに対向する箇所よりも厚くなっている。このように、各シングルコアファイバ120A,120B,120Cと集光レンズL3との距離に応じて厚さを変えたウェッジプリズム110を用いている。よって、シングルコアファイバ120Aと集光レンズL3との光路長R1、シングルコアファイバ120Bと集光レンズL3との光路長R2及びシングルコアファイバ120Cと集光レンズL3との光路長R3、は全て互いに同一となる。
以上、光学装置200において、各シングルコアファイバ120A,120B,120Cは、光軸X2に直交する平面Mに対して角度θ5だけ一律に傾斜しており、ウェッジプリズム110は、傾斜によって生じた集光レンズL3から各端面120aまでの光路長の相違を補正する光学部品として機能する。このように、各端面120aが角度θ5だけ一律に傾斜すると共に、ウェッジプリズム110によって集光レンズL3と各端面120aとの光路長の相違が補正されるので、反射戻り光を無くすと共に結合損失の低減を図ることができる。従って、第2実施形態に係る光学装置100においては、上述した第1実施形態に係る光学装置100と同等の効果を得ることができる。
更に、光学装置200では、各シングルコアファイバ120A,120B,120Cと集光レンズL3との距離に応じて厚さを変えたウェッジプリズム110を用いているので、光軸X2方向におけるシングルコアファイバ120A,120B,120Cの位置を調整する作業が不要となる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、様々な変形が可能である。例えば上述した実施形態においては、フェルール25を保持する保持部としてリング材30を用いたが、保持部の形状はリング状でなくてもよく適宜変更可能である。
また、上述した実施形態において、シングルコアファイバ及びフェルールの数は、7本であったが、7本でなくてもよく、必要に応じて適宜増減させることが可能である。
10…マルチコアファイバ、11…第1コア、12…第1クラッド、20…シングルコアファイバ、20a…端面、21…第2コア、22…第2クラッド、25…フェルール、25a…端面、25b…先端、30…リング材(保持部)、30a…端面、40…突き当て板、40a…突き当て面、100,200…光学装置、110…ウェッジプリズム(光学部品)、B1,B2…間隔、M…平面、R,R1,R2,R3…光路長、S1…第1光学系、S2…第2光学系、X1,X2…光軸、θ1,θ2,θ3,θ4,θ5…角度(傾斜角度)
Claims (8)
- 互いに平行な光軸を有する複数の第1コア、及び前記複数の第1コアを包囲する第1クラッド、を有するマルチコアファイバと、
第2コア、及び前記第2コアを包囲する第2クラッド、を有する複数のシングルコアファイバと、
前記各第1コアから出射された各光の光路を互いに平行と異ならせることによって前記各光路の間隔を調整する第1光学系と、
互いに平行と異ならせた前記各光路を再び互いに平行にして前記各第2コアに集光させる第2光学系と、
前記第2光学系から前記各第2コアの端面までの光路長を互いに等しくする調整部と、を備え、
前記第2コアの光軸は、互いに平行となっており、
前記第2コア間の間隔は、前記マルチコアファイバにおける前記第1コア間の間隔よりも大きくなっており、
前記各第2コアの端面は、前記各第2コアの光軸に対して直交していない、
光学装置。 - 前記調整部は、前記複数のシングルコアファイバを束ねて保持する保持部である、
請求項1に記載の光学装置。 - 前記各第2コアの端面は、前記第2コアの光軸に直交する面に対して傾斜しており、
前記保持部は、前記直交する面に対する前記第2コアの端面の傾斜角度が互いに同一となるように、前記複数のシングルコアファイバを保持している、
請求項2に記載の光学装置。 - 前記第2コアの光軸に直交する面に対する前記第2コアの端面の傾斜角度は、前記直交する面に対する前記保持部の端面の傾斜角度と略同一となっている、
請求項2又は3に記載の光学装置。 - 前記各シングルコアファイバの光軸方向における端面の位置が互いに同一となるように、前記保持部の端面に対する前記各シングルコアファイバの突出量が、前記保持部の端面の傾斜方向に従って異なっている、
請求項4に記載の光学装置。 - 前記各シングルコアファイバは、前記第2コアの光軸に直交する面に対して所定角度だけ一律に傾斜しており、
前記調整部は、前記傾斜によって生じた前記第2光学系から前記各第2コアの端面までの光路長の相違を補正する光学部品である、
請求項1に記載の光学装置。 - 前記光学部品は、ウェッジプリズムである、
請求項6に記載の光学装置。 - 請求項3に記載されている前記複数のシングルコアファイバを組み立てて行う光学装置の製造方法であって、
前記シングルコアファイバを保持するフェルールのそれぞれの端面が同一の方向を向くように前記保持部で前記各フェルールを束ねて保持し、前記各フェルールの端面が前記直交する面に対して傾斜するように前記各フェルールの端面を研磨する工程と、
前記各フェルールの端面が同一の面となるように前記各フェルールの端面を揃える工程と、
前記保持部に対する前記各フェルールの回転を規制すると共に、前記光軸方向における前記端面の先端位置が互いに一致するように前記保持部に対する前記フェルールの位置を調整する工程と、を備える、
光学装置の製造方法。
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JP2013258226A JP2015114606A (ja) | 2013-12-13 | 2013-12-13 | 光学装置及び光学装置の製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022145308A1 (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-07 | 湖北工業株式会社 | ファンイン/ファンアウトデバイス |
JP7430993B2 (ja) | 2019-07-23 | 2024-02-14 | 京セラ株式会社 | 光ファイバー部品、分波器及び光伝送システム |
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2013
- 2013-12-13 JP JP2013258226A patent/JP2015114606A/ja active Pending
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