JP2015114485A - ベルト搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Tomoyuki Iwakoshi
智之 岩越
緒方 敦史
Atsushi Ogata
敦史 緒方
大輔 金子
Daisuke Kaneko
大輔 金子
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Abstract

【課題】 ベルトの寄りを規制するためベルト端部に対して傾斜してベルト端部に当接する規制部材を有する構成において、ベルト規制部材の傾斜角度を維持することが難しくベルト破損の要因となっていた。
【解決手段】 ベルト規制部材に当接しベルト規制部材のベルト幅方向に関する位置を規制する規制部を有し、規制部が、前ベルト幅方向においてベルト規制部材よりも外側にあり、ベルト規制部材に対して、ベルトがベルト規制部材に当接する位置よりも張架部材の半径方向に関して外側で当接することを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、無端状のベルトを複数の張架部材によって張架しつつ回転移動させるベルト搬送装置及び、このベルト搬送装置を備える電子写真方式を利用したプリンタ、複写機などの画像形成装置に関するものである。
従来、電子写真方式を利用したプリンタや複写機などの画像形成装置の中には、無端状のベルトを複数の張架部材によって張架しつつ回転移動させるベルト搬送装置を用いたものがある。このようなベルト搬送装置においては、ベルトを回転移動させる際にベルトが幅方向(ベルトの回転方向と略直交する方向)の一端側に寄ってしまう問題がある。
この問題を解決する方法として、特許文献1には、ベルト幅方向に関して、ベルトの両端より外側にベルト規制部材を配置し、ベルトが寄った際にベルトをベルト規制部材に突き当てる事でベルトの寄りを規制する構成が開示されている。
特開2007−293258
しかしながら、特許文献1の構成、ベルト規制部材がベルトと接触することでベルト規制部材にベルト幅方向に関して回転する力が発生し、ベルト規制部材が内側へ回転する場合がある。これは、ベルト規制部材と、ベルト規制部材の外側でベルト規制部材を規制する規制部の当接部形状において、ベルト規制部材と規制部との当接位置(支点)が、ベルト規制部材がベルトから寄り力を受ける位置(力点)より半径方向内側にある為に発生する。そのため、前記支点、力点から成る回転モーメントによって、ベルト規制部材には規制部から離れる方向に力が作用してしまう。その結果、ベルト規制部材のベルト端部に対する位置や角度が不安定になり、ベルト破損に繋がってしまう問題が生じる。
そこで、本発明は、ベルト規制部材のベルト端部に対する位置や角度を安定させ、ベルト破損を抑制することを目的とする。
前述の課題を解決するために、回転移動する無端状のベルトと、前記ベルトを張架する張架部材と、前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向における一端側に寄った場合に前記ベルトの寄りを規制するベルト規制部材と、前記ベルト規制部材に当接し前記ベルト規制部材の前記ベルト幅方向に関する位置を規制する規制部と、を有するベルト搬送装置において、前記ベルト規制部材は、前記ベルト幅方向において前記張架部材の端部よりも外側にあり、前記張架部材に巻きついている前記ベルトの領域に対応する前記ベルトの端部と当接するように前記ベルトの移動方向に対して傾斜しており、前記規制部は、前記ベルト幅方向において前記ベルト規制部材よりも外側にあり、前記ベルト規制部材に対して、前記ベルトが前記ベルト規制部材に当接する位置よりも前記張架部材の半径方向に関して外側で当接することを特徴とする。
ベルトの寄りを規制するためベルト端部に対して傾斜してベルト端部に当接する規制部材を有する構成において、ベルト規制部材の傾斜角度を維持することでベルト破損を抑制することが可能である。
本発明のベルト搬送装置を備えた画像形成装置の概略図 実施形態1の中間転写ベルトユニットの斜視図 実施形態1に係るテンションローラの斜視図 (a)実施形態1に係るベルト規制部材と規制部の関係を説明する断面図、(b)傾斜フランジコロの拡大図 実施形態1に係るベルト規制部材とベルト端部の関係を説明する説明図 ベルト規制部材の傾斜角度を維持できない構成を説明する説明図 ベルト規制部材の傾斜角度を規制する規制部の構成を説明する説明図 実施形態1のベルト規制部材がベルト端部から力を受けた際に発生するベルト規制部材に対する力を説明する図 (a)実施形態2に係るベルト規制部材と規制部の関係を説明する断面図、(b)実施形態2のベルト規制部材の拡大図、(c)実施形態2のベルト規制部材の拡大図 (a)実施形態2の変形例のベルト規制部材と規制部の関係を説明する断面図、(b)実施形態2の変形例のベルト規制部材の拡大図 実施形態2の変形例のベルト規制部材と規制部の関係を説明する斜視図 (a)実施形態3のベルト規制部材と規制部の関係を説明する断面図、(b)実施形態3のベルト規制部材の拡大図
(実施形態1)
(画像形成装置全体構成)
図1は、カラー画像形成装置の一例を示す概略図であり、図1を用いて本実施形態の画像形成装置の構成を説明する。画像形成装置100は、画像形成装置100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部機器から送られてきた信号に従って、電子写真方式により、記録用紙、OHPシートなどの転写材Pに画像を形成することができる。
画像形成装置100内には、複数の像形成手段としてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Kが、ここでは略水平方向に直線状に配置されている。また、各画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Kに対向するようにベルト搬送装置である転写ユニットが配置されている。
本実施形態の転写ユニットは、中間転写体としての無端状のベルト(中間転写ベルト)1を各画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Kと対向して回転移動させる中間転写ユニット120である。各画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Kは、それぞれ形成するトナー像の色が異なることを除けば、同一の構成、作用を成す。以下、特に区別を要しない場合は、各画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Kのいずれかに属する要素であることを示すために図中符号に与えたY、M、C、Kの添え字は省略して総括的に説明する。
画像形成ユニット110では、周知の画像形成プロセスによってトナー像を形成する。つまり、画像形成ユニット110には、像担持体として円筒型の電子写真感光体、即ち感光ドラム111が図中矢印方向に回転可能に設けられている。画像形成動作においては、まず回転する感光ドラム111の表面を不図示の帯電手段が帯電する。次に、コンピュータから送られてきた信号に従って、露光手段としてのレーザスキャナ130が発光し、帯電した感光ドラム111上を走査露光することによって感光ドラム111上に静電像を形成する。感光ドラム111上に形成された静電潜像は、現像手段である現像装置113が現像剤としてトナーを供給し、トナー像として可視化する。こうして感光ドラム111上に形成されたトナー像は、1次転写部T1においてベルト1を介して感光ドラム111と対向配置された1次転写手段である1次転写ローラ121の作用によってベルト1上に静電的に転写される。
上記のようなプロセスによって、ベルト1の移動とタイミングをとって各画像形成ユニット110Y、110M、110C、110Kの感光ドラム111上に形成されたトナー像は順次ベルト1上に重ね合わせて転写され、カラートナー像が形成される。
一方、転写材収容部140からピックアップローラ141などによって送り出された転写材Pが、レジストローラ142においてタイミングをとって、2次転写手段たる2次転写ローラ143とベルト1との当接部(2次転写部)T2へと搬送されてくる。こうして、ベルト1上のトナー像は2次転写部T2において2次転写ローラ143の作用によって転写材Pに静電的に転写される。次いで、転写材Pはベルト1から分離されて定着ユニット150へと搬送され、ここで、転写材P上のトナー像は加圧、加熱され、転写材P上に強固に定着される。その後、転写材Pは排出ローラ160によって搬送され、排出トレイ170上に排出される。
本実施形態の画像形成装置100では、転写ユニットである中間転写ユニット120も画像形成装置100に対して着脱自在とされている。即ち、転写ユニットであるベルト搬送装置が画像形成装置に対して着脱自在な構成とされている。また、各画像形成ユニット110の感光ドラム111、現像装置113は、枠体によって一体的にカートリッジ化されて画像形成装置100に対して着脱可能なプロセスカートリッジとしてもよい。
(中間転写ユニット)
次に、図2、図3を参照して中間転写ユニット120の全体構成について説明する。図2は本実施形態における中間転写ユニット120の外観を示す斜視図である。図3はテンションローラ4の斜視図である。
中間転写ユニット120には、無端状のベルト1と、ベルト1を張架するための複数の張架部材として、ベルト1を駆動する駆動ローラ2、回転移動するベルト1に追従し従動回転する従動ローラ3及びテンションローラ4の3つの張架ローラが設けられている。
駆動ローラ2、従動ローラ3は、それぞれ、ベルト幅方向の両端部を軸受5(5a、5b)、6(6a、6b)によって回転可能に支持されている。ここで、ベルト幅方向とはベルトの移動方向と略直交する方向である。そして、第1、第2の側板7a、7bが、2つのローラを支持する軸受5(5a、5b)、6(6a、6b)を保持する。駆動ローラ2は、画像形成装置100に設けられた駆動源(不図示)から駆動が伝達されて回転する。駆動ローラ2が回転することで、駆動ローラ2によって張架されているベルト1は図中矢印Bfにて示す方向に回転移動する。従動ローラ3は、回転するベルト1と接触することで、ベルト1に対して従動回転する。また、従動ローラ3は駆動ローラ2と略平行に維持される。
テンションローラ4は、矢印T方向(ベルト内周面側からベルト外周面側に向う方向)に移動可能に保持されている。テンションローラ4の両端には、テンションローラ軸(4a、4b)を軸支する軸受8(8a、8b)が設けられている。軸受8はスライダ9(9a、9b)に保持され、第1、第2の側板7a、7bにそれぞれ設けられた細長形状のスライダ保持穴10(10a、10b)に滑動可能に保持されている。スライダ9は、軸受8を介してテンションローラ4を保持する保持部材である。このスライダ9は、付勢手段としてテンションローラ付勢バネ11(11a、11b)によって付勢されており、これによってベルト1に張力を付与している。テンションローラ4は、回転するベルト1と接触することで、ベルト1に対して従動回転する。
ベルト1の外周面上には、ベルト幅方向の両端近傍に、補強部材である補強テープ12(12a、12b)が取り付けられている。補強テープ12(12a、12b)は、ベルト1の略全周方向に亘り延在する。
次に、テンションローラ4とベルト規制部材の構成について、図4を参照して説明する。図4(a)は、図2の矢印50方向からテンションローラ4を切断し、矢印54方向(図2において上から下方向)から見た際の断面図であり、図4(b)はその左側部の拡大図である。 図4に示すように、テンションローラ4は三ツ矢管4cと、三ツ矢管4cに圧入されたテンションローラ軸4a、4bによって構成されている。テンションローラ4は、その両端の軸受8a、8bに軸支されており、回転軸Q(ローラ軸)を軸として回転可能に構成されている。さらに、三ツ矢管4cの両端には、テンションローラ4の回転軸Qに対して、矢印方向へα°傾けられた軸部131を有する傾斜コロ軸13(13a、13b)が、スライダ9の回転止め91にボス部132を嵌めて回転止めされた状態で設けられている。その傾斜コロ軸13に嵌合されてベルト規制部材である傾斜フランジコロ14(14a、14b)が設けられている。(よって、傾斜コロ軸13は傾斜フランジコロ14を支持する支持部材である。)
図4に示すように、傾斜フランジコロ14(14a、14b)は、ベルト両端に対応して、それぞれ設けられている。傾斜フランジコロ14(14a、14b)は、ベルト幅方向において、テンションローラ4の両端より外側に設けられ、テンションローラ4の回転軸Qとは異なる回転軸R(Ra、Rb)を軸(傾斜軸)として回転可能である。図4(b)で示すように、傾斜フランジコロ14aは、ベルト1の移動方向Bfにおいて、下流側に位置する部分がテンションローラ4から離れ、上流側に位置する部分がテンションローラ4に近づくように、傾斜している。
傾斜フランジコロ14(14a、14b)は、ベルト幅方向において、テンションローラ4の端部より外側に配置されている。また、傾斜フランジコロ14(14a、14b)は、テンションローラ4に巻きついているベルトの領域(巻きつき領域)に対応するベルトの端部に接触するようにベルト移動方向に対して傾斜している。即ち、ベルト端部に対して、傾斜フランジコロ14(14a、14b)は傾いている。傾斜フランジコロ14(14a、14b)の回転軸となる傾斜コロ軸13(13a、13b)は、テンションローラ軸4a、4bに嵌合し位置決めされている。そのため、テンションローラ軸4a、4bと傾斜コロ軸13(13a、13b)を別々に構成し位置決めしたものより、精度良く位置決め可能である。
(傾斜フランジコロの機能)
傾斜フランジコロ14(14a、14b)は、ベルト1にベルト幅方向に関する寄りが発生する場合に、移動したベルト1のベルト端部にフランジ面141が当接可能な構成である。ベルト1は、フランジ面141に接触することでベルト幅方向に関する寄りが規制され、規制中は、ベルト端部とフランジ面141の当接状態が維持される。この傾斜フランジコロ14(14a、14b)の形状によって、ベルト1の寄りを規制しつつ、ベルト端部側の座屈や破損に起因するベルト端部の耐久性の低下を抑制することが可能であるのだが、その原理について以下に説明する。
尚、以下の説明では、ベルト1が一端側へ寄った場合(例えば、図4(a)の矢印51方向に寄った場合)で説明するため、傾斜フランジコロ14aについて説明する。
本実施形態では、図5に示すように、傾斜フランジコロ14aの回転軸Raを傾けているため、ベルト1端面とフランジ面141の当接部上流では隙間Gが存在する。具体的には、傾斜フランジコロ14(14a、14b)は、テンションローラ4に巻きついているベルトの領域(巻きつき領域)に対応するベルトの端部に接触するように、ベルト移動方向に対して傾斜している。このような構成によって、傾斜フランジコロ14(14a、14b)は、巻きつき領域の外側ではベルト端部と当接しないので、ベルト端部が傾斜フランジコロ14(14a、14b)に当接した際の負荷を軽減可能である。よって、傾斜フランジコロ14(14a、14b)は、は、ベルト端部のめくり上げを起因とする破損やベルト乗り上げを抑制することが可能である。
しかしながら、傾斜フランジコロ14内径と傾斜コロ軸13の軸部131の嵌合部のガタが大きい場合などは、傾斜フランジコロ14の傾斜角度を保持する事が出来ず、ベルト破損に至ってしまう場合がある。その様子を、図6を用いて説明する。図6(a)、(b)、(c)は、傾斜フランジコロ14内径と傾斜コロ軸13の軸部131の嵌合部のガタが大きい場合のベルト寄り規制部を説明する図である。図6(a)、(b)、(c)は、それぞれ、左側に、寄り規制部の断面図、右側に、寄り規制部の上から見た図を開示している。
図6(a)は、ベルト1が矢印51方向に寄っていき、傾斜フランジコロ14aに当接した瞬間の図である。傾斜フランジコロ14aは、ベルト1に寄り力Fに押され、傾斜コロ軸13aのD点で突き当たる。この時、傾斜フランジコロ14aには、C点を力点、D点を支点とした回転モーメントがM方向に働き回転を始める。
図6(b)は、M方向の回転モーメントによって、傾斜フランジコロ14aの傾斜角度がなくなった瞬間の図である。この時、図6(b)ではベルト1端面とフランジ面141の間に存在した隙間Gがなくなっている。
図6(c)は、更に回転してしまった時の図である。図6(c)に示すように、ベルト1端面とフランジ面141の当接部上流では、フランジ面141がベルト1に食い込んでおり、ここからベルト乗り上げやベルト端部破損が起こってしまう。また、この状態で寄り力Fがかかり続けると、M方向の回転モーメントにより、E点が作用点となり、D点やE点の箇所で削れが発生し、更に傾斜フランジコロ14aはベルト1に食い込む側に傾いてしまう。
以上のように、傾斜フランジコロ14aが、D点、即ち、傾斜フランジコロ14aに対してベルト端部が接触するC点より内側(テンションローラの半径方向)で傾斜コロ軸13aに接触すると、傾斜角度がなくなってしまう側に回転モーメントが働いてしまう。その結果、傾斜フランジコロ14aの傾斜角度が変更され、傾斜フランジコロ14aによってベルト端部を規制することが難しくなってしまう。言い換えれば、ベルト寄りが発生した場合に、ベルト端部の座屈や乗り上げが発生し易い領域(巻き付き領域の外側)においても、ベルト端部と傾斜フランジコロ14aが接触してしまう恐れがある。
(傾斜フランジコロの角度規制構成)
そこで、本実施形態では、傾斜フランジコロ14aの傾斜角度を規制することを特徴とする。図7は、傾斜フランジコロ14aの傾斜角度を規制する規制部の構成を説明する図である。図7に示すように、傾斜コロ軸13aは、傾斜フランジコロ14aとの当接面であり、かつ傾斜フランジコロ14aの傾斜角度を規制する規制部である角度規制面133を備えている。この傾斜角度は、テンションローラ4の回転軸Qに直角な線からα°傾斜している。また、傾斜フランジコロ14aの傾斜コロ軸13a側に、角度規制面133と当接するフランジ当接面143を設ける。このフランジ当接面143の半径方向における最縁部D点は、ベルト1がフランジ面141と当接し寄り力を受ける位置C点よりも半径方向外側に設ける。つまり傾斜フランジコロ14aの回転軸RaからC点までの距離をRc、D点までの距離をRdとすると、Rd>Rcである。当然この時、角度規制面133はフランジ当接面143のD点と当接できるようRdより遠い距離まである。
本実施形態の傾斜フランジコロ14aが、ベルト1から寄り力を受けた際の動きについて、図8(a)、(b)、(c)を用いて説明する。図8(a)、(b)、(c)は、それぞれ、寄り規制部の断面図を開示している。
図8(a)は、傾斜フランジコロ14aが傾斜コロ軸13aとの嵌合ガタ等によって任意の位置にいる時の図である。この時、ベルト1が矢印51方向へ移動し、C点でフランジ面141に当接し、傾斜フランジコロ14aは矢印51方向へ押される。その結果、図8(b)に示すように、傾斜フランジコロ14aのフランジ当接面143の最縁部D点が傾斜コロ軸13aの角度規制面133に当接する。この時、最初に当接したD点を支点、寄り力Fを受けるC点を力点とした矢印N方向の回転モーメントが発生し、傾斜フランジコロ14aは矢印Nの方向へ回転する。本実施形態では、D点がC点よりも半径方向において外側に設けてあるため、支点と力点の位置関係により、図6で説明した構成で発生する回転モーメントの回転方向とは逆方向になる。
その結果、図8(c)に示すように、傾斜フランジコロ14aはN方向に回転し、H点で角度規制面133に当接し、N方向の回転が止まる。つまり、傾斜フランジコロ14の傾斜角度は、角度規制面133で規制されることになる。また、回転モーメントが働かないため、傾斜フランジコロ14とベルト1端部の当接領域を所望の領域内(巻きつき領域内)に維持することが可能である。このように傾斜フランジコロ14の傾斜角度を簡単な構成で維持することで、ベルト破損を抑制することが可能である。
これまでの説明では、ベルト1が矢印51方向に寄った場合で説明したが、傾斜フランジコロ14は、テンションローラ4の両端に設けてあるので、ベルト1が矢印52方向に移動した際も、傾斜フランジコロ14bによって、寄りを規制することが出来る。(傾斜フランジコロ14bは、傾斜フランジコロ14aを左右対称にして配置したものであり、傾斜フランジコロ14aと同様の機能がある。)
本実施形態では、中間転写ユニット120は3本のローラを使用したものであるとして説明したが、3本以上のローラを使用する中間転写ユニットにも適用可能である。本実施形態においては、少なくとも駆動ローラ2およびテンションローラ4の2本のローラがあれば良い。
なお、本実施形態では、ベルト搬送装置として中間転写ユニットを用いて説明したが、これに限定されるものではない。ベルト搬送装置のベルトとしては、静電潜像が形成される感光体ベルト、転写材を搬送する転写材搬送ベルト、トナー像を転写材に定着する定着ベルトであってもよい。また、本発明のベルト搬送装置をベルトコンベア等の画像形成装置以外に用いてもよい。
(実施形態2)
実施形態1では、傾斜フランジコロ14a、14bを支持する傾斜コロ軸13a、13bに規制部を備える構成を説明した。これに対して、本実施形態では、テンションローラ4を、軸支を介して保持する保持部材であるスライダ9が規制部を備えることを特徴とする。なお、その他の構成については実施形態1の画像形成装置と同様であるので、同様の部分については同様の符号を付して説明する。
図9(a)は、本実施形態にかかるテンションローラ4の断面図、図9(b)(c)はその左端部の拡大図である。テンションローラ4は、その両端の軸受8に軸支されており、回転軸Qを軸として回転可能に構成されている。さらに、三ツ矢管4cの両端には、テンションローラ4の回転軸Qに対して、矢印方向へα°傾けられた軸部131を有する傾斜コロ軸13aが、スライダ9の回転止め91にボス部132を嵌めて回転止めされた状態で設けられている。その傾斜コロ軸13に嵌合されて傾斜フランジコロ14aが設けられている。そのため、傾斜フランジコロ14はテンションローラ4の回転軸Qとは異なる回転軸Raを軸として回転可能である。
更に、スライダ9aには傾斜フランジコロ14aとの当接面であり、かつ傾斜フランジコロ14aの傾斜角度を規制する規制部として角度規制面93を設ける。この傾斜角度は、テンションローラ4の回転軸Qに直角な線からα°傾斜している。また、傾斜フランジコロ14aのスライダ9側に、角度規制面93と当接するフランジ当接面143を設ける。実施形態1の傾斜フランジコロ14aと同様に、このフランジ当接面143の半径方向最縁部D点は、ベルト1がフランジ面141と当接し寄り力を受ける位置C点よりも半径方向外側に設ける。つまり傾斜フランジコロ14aの回転軸RaからC点までの距離をRc、D点までの距離をRdとすると、Rd>Rcである。当然この時、角度規制面93はフランジ当接面143のD点と当接できるようRdより遠い距離まである。その結果、傾斜フランジコロ14aにベルト1から寄り力を受けた際も、傾斜フランジコロ14aはD点を支点とし、回転した後、H点でスライダ9の角度規制面93と当接し、その傾斜角度が保持される。
また、図10、図11に示すように、スライダ9が備える規制部を傾斜フランジコロ14のフランジ当接面143に周方向で全面当接させなくても良い。図10(a)は、本実施形態の変形例にかかるテンションローラ4の断面図、図10(b)はその左端部の拡大図、図11は本実施形態の変形例のテンションローラ4の左端部の斜視図である。
図10、図11に示すように、テンションローラ4を軸受8を介して保持するスライダ9に、規制部として、傾斜フランジコロ14aと当接する角度規制面931、932、933を設ける。傾斜フランジコロ14aがベルト1から寄り力を受けた際は、図10(b)に示すD点を支点、C点を力点部とした回転モーメントが発生する。そして、図11に示す、角度規制面932、933の作用部となるI点、J点で、傾斜フランジコロ14aのフランジ当接面143が当接し、その傾斜角度が規制される。ここで、作用部となるI点、J点は、傾斜フランジコロの軸を介して力点部と反対側に位置している。このように、図10の角度規制面93のように、傾斜フランジコロ14のフランジ当接面143が周方向で全面当接しなくても、少なくとも角度規制面931、932、933の3点で当接すれば、傾斜角度を維持することが可能である。
このように、本実施形態では、実施形態1における規制部の機能をスライダ9に設けることで、実施形態1と同様の効果を得ることが可能である。
(実施形態3)
実施形態1では、傾斜フランジコロ14a、14bを支持する傾斜コロ軸13a、13bが、全周に傾斜軸部131を備える構成について説明した。これに対して、本実施形態は、傾斜軸部131を半周のみ設ける構成を特徴とする。なお、その他の構成については実施形態1の画像形成装置と同様であるので、同様の部分については同様の符号を付して説明する。
図12(a)は、本実施形態にかかるテンションローラ4の断面図、図12(b)はその左端部の拡大図であり、実施形態1の傾斜コロ軸13の傾斜軸部131を半周分のみ設けたものである。図12(b)に示すように、傾斜コロ軸13aの傾斜軸部131を半周のみ設け、残りの半周は傾斜のない軸部134を設ける。これは、傾斜フランジコロ14aはベルト1(不図示)から矢印55方向にテンションを受けるため、傾斜フランジコロ14aと傾斜コロ軸13aは、傾斜軸部131側で当接し、軸部134側では当接しないためである。つまり、傾斜フランジコロ14aの矢印55方向の位置は、傾斜軸部131が半周あれば規制される。また、傾斜フランジコロ14aの角度は、角度規制面133によって規制される。
このように、実施形態における図4の傾斜コロ軸13のように、傾斜軸部131が全周なくとも、少なくとも半周あれば、実施形態1と同様の効果を得ることが可能である。
1 ベルト
4 テンションローラ
8 テンションローラ軸受
9 スライダ
93 角度規制面
13 傾斜コロ軸
131 傾斜軸部
133 角度規制面
14 傾斜フランジコロ
100 画像形成装置
120 中間転写ユニット

Claims (11)

  1. 回転移動する無端状のベルトと、前記ベルトを張架する張架部材と、前記ベルトが前記ベルトの移動方向と直交するベルト幅方向における一端側に寄った場合に前記ベルトの寄りを規制するベルト規制部材と、前記ベルト規制部材に当接し前記ベルト規制部材の前記ベルト幅方向に関する位置を規制する規制部と、を有するベルト搬送装置において、
    前記ベルト規制部材は、前記ベルト幅方向において前記張架部材の端部よりも外側にあり、前記張架部材に巻きついている前記ベルトの領域に対応する前記ベルトの端部と当接するように前記ベルトの移動方向に対して傾斜しており、
    前記規制部は、前記ベルト幅方向において前記ベルト規制部材よりも外側にあり、前記ベルト規制部材に対して、前記ベルトが前記ベルト規制部材に当接する位置よりも前記張架部材の半径方向に関して外側で当接することを特徴とするベルト搬送装置。
  2. 前記張架部材は、ローラ軸を軸支され前記ベルトに追従して回転する張架ローラであることを特徴とする請求項1に記載のベルト搬送装置。
  3. 前記ベルト規制部材は、前記ベルト幅方向において前記張架部材の端部よりも外側にあり、前記張架部材に巻きついている前記ベルトの領域に対応する前記ベルトの端部と当接し、それ以外の領域と当接しないように前記ベルトの移動方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のベルト搬送装置。
  4. 前記ベルト規制部材を回転可能にする傾斜軸を備え、前記傾斜軸は、前記ローラ軸に対して傾斜しており、前記傾斜軸は前記ローラ軸に対して位置決めされていることを特徴とする請求項3に記載のベルト搬送装置。
  5. 前記傾斜軸を備え、前記ベルト規制部材を支持する支持部材を有し、前記支持部材は、前記規制部として前記ベルト規制部材に当接して前記ベルト規制部材の角度を規制する角度規制面を備えることを特徴とする請求項4に記載のベルト搬送装置。
  6. 前記張架部材を保持する保持部材が前記規制部を備えることを特徴とする請求項4に記載のベルト搬送装置。
  7. 前記規制部は、前記ベルト規制部材に対して、前記ベルトの周方向に関して全面当接せず、少なくとも、前記ベルトが前記ベルト規制部材に当接する位置よりも前記張架部材の半径方向に関して外側の力点部と、前記力点部と前記張架部材の軸を介して反対側に位置する作用部において、前記ベルト規制部材に当接することを特徴とする請求項6に記載のベルト搬送装置。
  8. 前記ベルト規制部材は、前記ベルト幅方向に関して、前記ベルト両端に対応して設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のベルト搬送装置。
  9. 前記張架部材は、前記ベルトの内周面側から外周面側へ向かって付勢され、前記ベルトにテンションを付与するテンションローラであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のベルト搬送装置。
  10. 前記ベルトは、前記ベルト幅方向における一端側の外周面上に補強テープが貼りつけられていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のベルト搬送装置。
  11. ベルト搬送装置と、それぞれが異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体を有し、前記複数の像担持体から前記ベルトにトナー像を転写する、又は、前記ベルトが搬送する転写材にトナー像を転写する画像形成装置であって、
    前記ベルト搬送装置として請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のベルト搬送装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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