JP2015113383A - 成形材料用樹脂組成物及びこれを用いた成形材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂成分として不飽和ポリエステル樹脂を用い、増粘剤と撥水撥油剤を添加して熟成工程により養生して増粘させた場合であっても、撥水撥油剤が分離しにくく、優れた耐汚染性を発現させることができる成形材料用樹脂組成物及びこれを用いた成形材料の製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも、不飽和ポリエステル樹脂、硬化剤、増粘剤及び撥水撥油剤を含有する成形材料用樹脂組成物であって、前記増粘剤がアルカリ土類金属塩からなり、前記撥水撥油剤が、カルボキシル基を側鎖に複数有するシリコンオイル又はフッ素含有ポリマーであることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形材料用樹脂組成物及びこれを用いた成形材料の製造方法に関する。
浴槽やキッチンカウンター、洗面化粧台等に使用される人造大理石やFRP等の成形品の製造には、通常、SMC(Sheet Molding Compound)やBMC(Bulk Molding Compound)等の成形材料が用いられている。
これらの成形材料の製造は、まず、樹脂成分、硬化剤、増粘剤、無機充填材等を混合して成形材料用樹脂組成物を作製する。次に、この成形材料用樹脂組成物をガラス繊維等の補強繊維材に含浸させた後に、成形材料用樹脂組成物を増粘させるために12〜48時間程度養生させる熟成工程を行って成形材料とする。そして、この成形材料を金型により加熱加圧成形して成形品を得る。
成形材料の製造の熟成工程では、例えば、樹脂成分として不飽和ポリエステル樹脂を用いた場合、不飽和ポリエステル樹脂のカルボキシル基が、増粘剤のアルカリ土類金属塩等と結合して緩やかなネットワーク構造を作り増粘する。
一方、このようにして製造される成形品に耐汚染性等の機能性を付与する目的で、配合成分として、高い撥水性と撥油性を両立できるシリコンオイルからなる撥水撥油剤を添加した成形材料が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2013−49817号公報
しかしながら、従来用いられているシリコンオイル等の撥水撥油剤を添加した場合、長時間の熟成工程中に、撥水撥油剤がネットワーク構造に取り込まれず、成形材料用樹脂組成物の他の配合成分と撥水撥油剤が分離してしまう場合があった。
そして、その結果、成形材料中の撥水撥油剤の分布が不均一となり、成形品としたときに、所望の耐汚染性等の機能性が得られないという問題があった。
なお、成形材料の撥水撥油剤の分離を抑制し、成形品全体に亘って一定以上の耐汚染性を確保するために、過剰の撥水撥油剤を添加することが考えられるが、製造安定性やコスト等の観点から実用化は非常に困難である。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、樹脂成分として不飽和ポリエステル樹脂を用い、増粘剤と撥水撥油剤を添加して熟成工程により養生して増粘させた場合であっても、撥水撥油剤が分離しにくく、優れた耐汚染性を発現させることができる成形材料用樹脂組成物及びこれを用いた成形材料の製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
即ち、本発明の成形材料用樹脂組成物は、少なくとも、不飽和ポリエステル樹脂、硬化剤、増粘剤及び撥水撥油剤を含有する成形材料用樹脂組成物であって、前記増粘剤がアルカリ土類金属塩からなり、前記撥水撥油剤が、カルボキシル基を側鎖に複数有するシリコンオイル又はフッ素含有ポリマーであることを特徴とする。
また、この成形材料用樹脂組成物においては、前記シリコンオイルが、直鎖ジメチルシロキサンであり、下記一般式(1)に示すカルボン酸含有基を1〜50質量%含有することが好ましい。
Figure 2015113383
(式中、Rは炭化水素基を表す)
また、この成形材料用樹脂組成物においては、前記フッ素含有ポリマーが、変性アクリル樹脂であり、下記一般式(2)から(5)に示すフッ素基の少なくともいずれかを2〜60質量%含有し、かつ、下記一般式(6)に示すカルボン酸含有基を1〜50質量%含有することが好ましい。
Figure 2015113383
Figure 2015113383
(式中RはC(n及びmは整数)を表す)
また、本発明の成形材料の製造方法は、前記の成形材料用樹脂組成物を、補強繊維材に含浸させた後、所定の時間養生して増粘させることを特徴とする。
本発明の成形材料用樹脂組成物及びこれを用いた成形材料の製造方法によれば、樹脂成分として不飽和ポリエステル樹脂を用い、増粘剤と撥水撥油剤を添加して熟成工程により養生して増粘させた場合であっても、撥水撥油剤が分離しにくく、優れた耐汚染性を発現させることができる。
以下、発明を実施するための形態をあげて、本発明をさらに詳細に説明する。
成形材料用樹脂組成物は、少なくとも、不飽和ポリエステル樹脂、硬化剤、増粘剤及び撥水撥油剤を含有する成形材料用樹脂組成物である。そして、増粘剤がアルカリ土類金属塩からなり、撥水撥油剤が、カルボキシル基を側鎖に複数有するシリコンオイル又はフッ素含有ポリマーである。
不飽和ポリエステル樹脂は、カルボキシル基を有する熱硬化性樹脂であり、不飽和多塩基酸を必須成分とする多塩基酸成分と、グリコール成分とエポキシ化合物成分、又は、エポキシ化合物成分との脱水縮合によって得られる熱硬化性樹脂である。
多塩基酸成分は、グリコール成分のヒドロキシル基、又は、エポキシ成分のエポキシ基と反応してエステル結合を生成することができる置換基を有する化合物である。これは、置換基を2つ以上有する不飽和多塩基酸を必須とし、その一部として飽和多塩基酸もしくは1価の酸を用いることができる。
不飽和多塩基酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アコニット酸、イタコン酸やこれら酸の無水物、また、これら酸の誘導体(ハロゲン化物等)を挙げることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
グリコール成分としては、例えば、以下に示すものを用いることができる。エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレングリコール、グリセリン、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビスフェノールS等。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
エポキシ成分としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
また、不飽和ポリエステル樹脂には、ビニルモノマー等の不飽和単量体を溶解することができる。
不飽和単量体としては、不飽和ポリエステルと共重合可能であればよく、例えば、以下のものを用いることができる。
スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル等。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
不飽和ポリエステル樹脂には、カルボキシル基を有する他の熱硬化性樹脂を併用することもできる。このような樹脂としては、例えば、一部をカルボキシル基に置換したビニルエステル樹脂、ポリメチルメタアクリレート樹脂(PMMA)等を挙げることができる。
さらに、これらカルボキシル基を有する熱硬化性樹脂と、他の熱硬化系樹脂、例えば、ビニルエステル等を併用することもできる。
硬化剤としては、通常、不飽和ポリエステル樹脂の硬化に用いられる硬化剤であれば特に制限なく用いることができ、例えば、以下のものを挙げることができる。
メチルエチルケトンパーオキシド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキシ3,3,5トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキシド、t−ブチルハイドロパーオキシ等。
増粘剤としては、アルカリ土類金属塩からなるものであり、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カリウム等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
撥水撥油剤としては、カルボキシル基を側鎖に複数有するシリコンオイル又はフッ素含有ポリマーを用いる。
撥水撥油剤として使用するシリコンオイルは、直鎖ジメチルシロキサンの化合物であり、下記一般式(7)で示される、側鎖の一部を有機基のRCOOHに置換したものである。なおこの一般式(7)は、上記一般式(1)の構造部分が、直鎖の一方側に偏った配置となっているが、このような構造のみを示すものではなく、一般式(1)の構造部分が、直鎖の中で分散配置されているものも含むものである。このような一般式(1)の構造部分が、直鎖の中で分散配置されているものがより好ましい。
Figure 2015113383
(式中、Rは炭化水素基を表し、n、mは整数を表す)
シリコンオイルの分子量は、好ましくは1万〜100万の範囲である。分子量をこの範囲とすることにより、良好な混合性を得ることができる。
また、カルボン酸含有基としては、上記一般式(1)で示されるものを1〜50質量%、好ましくは、10〜30質量%の範囲で含む。これは、官能基当量に換算すると概ね150〜10000g/molに相当するものである。カルボン酸含有基量が50質量%より多いと分離抑制効果は大きくなる傾向にあるが、Si原子と結合するCHの数が減少するため、不飽和ポリエステル樹脂や不飽和単量体との相溶性が低下する場合がある。
また、カルボン酸含有基量が1質量%未満の場合、撥水撥油性が不十分となる場合がある。なお、官能基当量としては、1000〜6000g/molの範囲が特に好ましい。
撥水撥油剤として使用するフッ素含有ポリマーは、フッ素基と、カルボキシル基を側鎖に複数有する変性アクリル樹脂である。
フッ素基は、水垢等の汚れを固着させにくくする防汚性を有し、上記一般式(2)〜(5)に示すフッ素基の少なくともいずれかを含有する。これらの配合量は、2〜60質量%、好ましくは10〜40質量%の範囲である。フッ素基の配合量をこの範囲とすることにより、所望の防汚性及び熱水等の耐熱性を得ることができ、また、溶剤や他の樹脂との相溶性を良好にすることができる。
また、フッ素基とともに、上記一般式(6)に示すカルボン酸含有基を含有する。カルボン酸含有基は、養生による増粘中に増粘剤と反応し撥水撥油剤の分離を防止する効果を有する。配合量は、1〜50質量%、好ましくは10〜30質量%の範囲である。カルボン酸含有基の配合量がこの範囲であると、ポリマー中のカルボキシル基の量が適切な量となるため、撥水撥油剤の所望する分離抑制効果と優れた相溶性を得ることができる。
これら撥水撥油剤の配合量は、成形材料用樹脂組成物全体に対して0.1〜1質量%の範囲で配合することが望ましい。
成形材料の製造では、増粘のために12〜48時間養生する熟成工程が必要であるが、この増粘反応の過程では、樹脂のカルボキシル基が増粘剤であるアルカリ土類金属塩と結合し、緩やかなネットワーク構造を作る。ここで、従来用いられている撥水撥油剤、例えば、両端COOH変性のシリコンオイル等を配合した場合、撥水撥油剤はネットワーク構造に取り込まれないため、長時間の熟成工程中に成形材料用樹脂組成物と撥水撥油剤が分離する場合がある。
しかしながら、上記のような、側鎖に複数のカルボキシル基を有した撥水撥油剤を用いることにより、増粘反応と並行して撥水撥油剤のカルボキシル基も増粘剤を介して不飽和ポリエステル樹脂と結合するため、撥水撥油剤が樹脂ネットワーク構造に取り込まれることにより分離が抑制される。
成形材料用樹脂組成物には、上記の配合成分の他、無機充填材、重合防止剤、低収縮剤を配合することができる。
無機充填材としては、通常、成形材料用樹脂組成物に配合可能な無機充填材であれば特に制限はなく、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、アルミナ等を用いることができる。無機充填材の添加量は、不飽和ポリエステル樹脂と不飽和単量体の混合物を100質量部とした場合に、20〜600質量部の範囲とするのが望ましい。
また、無機充填材はより微粒であるほど、凝集や吸油等が生じやすく、充填性が悪くなる傾向があることから、無機充填材の表面を、脂肪酸やカップリング剤等で表面処理することが望ましい。
脂肪酸としては、一般式CCOOH(n、mは整数を表す)で示されるものを用いることができ、具体的には、以下に示すものを挙げることができる。
酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等の飽和脂肪酸等。αリノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、γリノレン酸、ジホモγリノレン酸、アラキドン酸、オレイン酸、エライジン酸、エルカ酸、ネルボン酸等の不飽和脂肪酸等。
カップリング剤としては、一般式R−Si(OR’)で示されるシランカップリング剤等を用いることができる。式中、Rは官能基であり、具体的には、例えば、アミノプロピル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、N−フェニルアミノプロピル基、メルカト基、ビニル基等である。また、R’はメチル基又はエチル基である。
重合防止剤としては、通常、公知の重合防止剤を用いることができ、これらのものとしては、例えば、以下に示すものを用いることができる。
p−べンゾキノン、t−ブチルp−べンゾキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、トルキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシp−べンゾキノン、2,5−ジカプロキシp−べンゾキノン、2,5−ジアシロキシp−べンゾキノン等。
低収縮剤は、不飽和ポリエステル樹脂の硬化収縮を低減させる目的で使用されるものであり、一般的には熱可塑性樹脂を用いることができる。
これらのものとしては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、飽和ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレンポリ酢酸ビニル共重合体、その他ポリスチレン変性共重合体等を挙げることができる。
成形材料用樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記成分以外の成分をさらに配合することができる。このような成分としては、離型剤、難燃剤、無機イオントラップ剤、着色剤等を挙げることができる。
成形材料の製造方法は、上記で詳述した成形材料用樹脂組成物を、補強繊維材に含浸させた後、所定の条件で養生して増粘させる熟成工程を行い製造する。
補強繊維材としては、通常、成形材料に用いられる補強繊維材であれば特に制限なく用いることができ、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等を挙げることができる。これらの中でも、ガラス繊維を好適に用いることができる。また、これらの形状としては、ロービング状あるいは、ロービング状を構成するストランド状の連続体であってもよい。
これら補強繊維材の配合量は、製造する成形品の形状、用途等に応じて適宜設定することができるが、通常、成形品の10〜50質量%の範囲内であることが好ましい。補強繊維材に成形材料用樹脂組成物を含浸させた成形材料の厚さは特に限定されないが、通常1〜50mm程度に設定することができる。
次に、補強繊維材に成形材料用樹脂組成物を含浸させたものを、養生して増粘させる熟成工程を行う。熟成工程の条件は、製造する成形材料の用途や性状に応じて適宜設定することができるが、通常、30〜80℃で、12〜48時間の条件とする。
成形品を製造するには、成形材料を下金型と上金型の間に一枚、又は複数枚を積層して配置し、加熱加圧成形して成形品を成形する。成形条件は、成形材料用樹脂組成物の特性や成形材料の厚さ、積層枚数等に応じて適宜設定することができ、例えば、プレス圧力3〜10MPa、金型温度125〜150℃の成形条件で行うことができる。
成形材料用樹脂組成物として、側鎖に複数のカルボキシル基を有する撥水撥油剤を配合した成形材料用樹脂組成物を用いた成形材料により製造した成形品は、内部に均一に撥水撥油剤が分散された状態を保つ。そのため、表面全体に亘って撥水撥油剤本来の高い撥水撥油性を発現することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示す実施例1、2、比較例1〜3の成形材料用樹脂組成物の配合成分として、以下のものを用いた。なお、表1に示す配合量は質量部を表す。また、シリコンオイルの分子量は、粘度より換算した値である。
(樹脂)
不飽和ポリエステル樹脂:昭和電工社製 M−580
(不飽和単量体)
スチレン:三菱化学社製
(硬化剤)
t−ブチルパーオキシベンゾエート:日本油脂社製 パーブチルZ
(増粘剤)
酸化マグネシウム:協和化学社製 キョーワマグ#40
(撥水撥油剤)
シリコンオイル1:信越化学社製 X−22−3701E(側鎖COOH変性、官能基当量4000g/mol、粘度2000mm/s、分子量約10
シリコンオイル2:東レダウコーニング社製 BY16−880(側鎖COOH変性、官能基当量3500g/mol、粘度2500mm/s、分子量約10
シリコンオイル3:信越化学社製 KF−96(単純シリコンオイル)、粘度2000mm/s、分子量約10
シリコンオイル4:信越化学社製 X−22−162C(両末端COOH変性、官能基当量2300g/mol、粘度220mm/s、分子量約10
(無機充填材)
炭酸カルシウム:白石工業社製 ホワイトンSB青
(重合防止剤)
p−ベンゾキノン:和光純薬社製
(低収縮剤)
ポリスチレン:PSジャパン社製 GPPS
(離型剤)
ステアリン酸亜鉛:川村化学工業社製
(補強繊維材)
ガラス繊維:日東紡社製 RS480PB−549(1インチカット品)
上記の成分のうち、補強繊維材以外の成分を、表1に示す実施例1、2及び比較例1〜3の各配合量を十分に混合して成形材料用樹脂組成物を調整した。次に、この成形材料用樹脂組成物の上に補強繊維材を撒いて含浸を行い、40℃、24時間の条件で養生する熟成工程を行って成形材料を作成した。
次に、この成形材料を、金型を用いて140℃、70kgf/cm、5分間の条件で硬化させ成形品を得た。
この成形品を用いて、以下の条件で接触角の測定及び耐汚染性の評価を行った。
[接触角]
接触角計(協和界面科学(株)製「DM−500」)を用いて、室温(20℃、50%RH)で1μlの液滴を針先に作り、これを成形品の表面に接触させて液滴を作製した。接触角は、成形品の表面と液体が接する点における液体表面に対する接線と成形品表面がなす角として液体を含む方の角度で定義した。液体には、油としてオレイン酸及び蒸留水を用いた。
[耐汚染性]
(マジック除去試験)
成形品の表面に、市販されている青マジックを用いて幅10mmの線を引き、24時間保持した。24時間後、消しゴムで線を消し、外観状態を目視にて観察し下記の基準により耐汚染性を評価した。
○:表面外観異常なし
△:やや表面に痕跡あり
×:表面に痕跡あり
Figure 2015113383
表1より、実施例1、2では、接触角及び耐汚染性の全ての項目において良好な結果が得られた。
これに対し、撥水撥油剤を用いない比較例1及び本発明の規定から外れた撥水撥油剤を用いた比較例2、3では、接触角は油、蒸留水のいずれも、それぞれ実施例1、2の数値より小さく、撥水撥油剤の効果が得られていないことが確認された。また、耐汚染性についても、接触角の測定結果と一致するかたちで劣っていた。
これらの結果から、本発明の成形材料用樹脂組成物を用いた成形材料により製造した成形品は、撥水撥油剤の効果により優れた耐汚染性を有することが確認された。

Claims (4)

  1. 少なくとも、不飽和ポリエステル樹脂、硬化剤、増粘剤及び撥水撥油剤を含有する成形材料用樹脂組成物であって、前記増粘剤がアルカリ土類金属塩からなり、前記撥水撥油剤が、カルボキシル基を側鎖に複数有するシリコンオイル又はフッ素含有ポリマーであることを特徴とする成形材料用樹脂組成物。
  2. 前記シリコンオイルが、直鎖ジメチルシロキサンであり、下記一般式(1)に示すカルボン酸含有基を1〜50質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の成形材料用樹脂組成物。
    Figure 2015113383
    (式中、Rは炭化水素基を表す)
  3. 前記フッ素含有ポリマーが、変性アクリル樹脂であり、下記一般式(2)から(5)に示すフッ素基の少なくともいずれかを2〜60質量%含有し、かつ、下記一般式(6)に示すカルボン酸含有基を1〜50質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の成形材料用樹脂組成物。
    Figure 2015113383
    Figure 2015113383
    (式中RはC(n及びmは整数)を表す)
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の成形材料用樹脂組成物を、補強繊維材に含浸させた後、所定の時間養生して増粘させることを特徴とする成形材料の製造方法。
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