JP2015113325A - 皮膚化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】皮膚等に塗布した後の香料の保持、および、刺激に応じた香料の放出特性のバランスに優れる皮膚化粧料を提供する。【解決手段】香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む被覆剤で被覆された被覆粒子をトランスグルタミナーゼにより架橋して得られる架橋ゼラチン被覆香料粒子を含み、前記架橋ゼラチン被覆香料粒子の体積平均粒子径が5μm以上50μm以下である、皮膚化粧料。【選択図】なし

Description

本発明は、皮膚化粧料に関する。
化粧品に賦与された香りは使用直後に揮散してしまうために、その持続性が短いことが指摘されている。中でも、デオドラント化粧料において、香りの持続性を向上させることは、汗臭を紛らわせるために必要な技術であり、香りの放出制御ができる素材が求められている。
特許文献1(特表2012−506846号公報)には、芳香剤のトリガー型放出を可能にする制汗性組成物の提供において遭遇する問題を克服する、という課題を解決するための技術が記載されている。同文献に記載の無水制汗性組成物は、香料をカプセル化する剪断感受性殻を含むカプセルを含み、カプセルの殻は、架橋ゼラチンコアセルベートにより形成される。また、同文献には、架橋剤としてグルタルアルデヒドを用いることが記載されている。
また、技術分野は異なるが、特許文献2(特開2007−224012号公報)には、合成化学架橋剤を使用することなく架橋した安全性の高いナノ粒子を提供する技術として、タンパク質ナノ粒子の形成中および/または形成後にトランスグルタミナーゼを用いて酵素架橋処理することが記載されている。さらに具体的には、ゼラチン、トランスグルタミナーゼ製剤および活性物質を含む原料を一括混合した後、分散状態に置くことにより、架橋された酸処理ゼラチンナノ粒子を得たことが記載されている。
特表2012−506846号公報 特開2007−224012公報
特許文献1に記載の技術は、架橋剤としてグルタルアルデヒドを用いており、化粧品用途に好適な材料を用いるという点で改善の余地があった。
また、特許文献2に記載の技術においては、活性成分を刺激に応じて効果的に放出とする点で改善の余地があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、皮膚等に塗布した後の香料の保持、および、刺激に応じた香料の放出特性のバランスに優れる皮膚化粧料を提供するものである。
本発明者らは、香料を含む油滴をあらかじめ被覆した後、トランスグルタミナーゼにより架橋して得られる架橋ゼラチン被覆香料粒子を用いることにより、皮膚等に塗布した後の香料の保持、および、刺激に応じた香料の放出特性のバランスに優れる皮膚化粧料が得られることを見出した。
本発明によれば、
香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む被覆剤で被覆された被覆粒子をトランスグルタミナーゼにより架橋して得られる架橋ゼラチン被覆香料粒子を含み、
前記架橋ゼラチン被覆香料粒子の体積平均粒子径が5μm以上50μm以下である、皮膚化粧料が提供される。
また、本発明によれば、
香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む被覆剤で被覆された被覆粒子を、トランスグルタミナーゼにより架橋することにより架橋ゼラチン被覆香料粒子を得る工程と、
前記架橋ゼラチン被覆香料粒子を配合して皮膚化粧料を得る工程と、
を含み、
架橋ゼラチン被覆香料粒子を得る前記工程において、体積平均粒子径が5μm以上50μm以下である前記架橋ゼラチン被覆香料粒子を得る、皮膚化粧料の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記本発明における皮膚化粧料を皮膚または肌着に適用するステップを含む、消臭方法が提供される。
本発明によれば、皮膚等に塗布した後の香料の保持、および、刺激に応じた香料の放出特性のバランスに優れる皮膚化粧料を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態における皮膚化粧料は、架橋ゼラチン被覆香料粒子を含む。架橋ゼラチン被覆香料粒子は、香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む被覆剤で被覆された被覆粒子をトランスグルタミナーゼにより架橋して得られる。また、架橋ゼラチン被覆香料粒子の体積平均粒子径は、5μm以上50μm以下である。なお、本発明において体積平均粒径とは、体積分率で計算した平均粒径を意味する。また、以下、本実施形態において、香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む被覆剤で被覆された被覆粒子であって、架橋されていない粒子を、未架橋ゼラチン被覆香料粒子と称する。
本実施形態における皮膚化粧料は、特定の方法で得られるとともに特定の体積平均粒子径を有する架橋ゼラチン被覆香料粒子を含む組成物であるため、皮膚化粧料の適用後の香料の保持特性に優れるとともに、保持されている香料が物理的な刺激等により所定のタイミングで効果的に放出される。このため、皮膚等に適用後の香りの放出を制御できる化粧料として効果的に用いられる。
具体的には、香料を含む油滴粒子を被覆して未架橋ゼラチン被覆香料粒子を得た後、架橋して得られる架橋ゼラチン被覆香料粒子を用いることにより、香料、被覆剤およびトランスグルタミナーゼを一括混合して得られた粒子に対し、香料の放出の制御性に優れた化粧料が得られる。たとえば、予め未架橋ゼラチン被覆香料粒子を形成することにより、一つ一つの油滴核を個別の粒子とし、多核粒子の生成を抑制することができるため、架橋後の粒子からの香料放出の制御性および確実性を向上させることができる。
また、カプセルを形成した後、カプセル内に香料を染みこませる方法に対し、予め未架橋ゼラチン被覆香料粒子を形成することにより、カプセル内に取り込まれない油滴成分が系内に残存することを抑制することができるため、製造工程における原料の使用効率を向上させることができる。
架橋ゼラチン被覆香料粒子は、香料を含む油滴粒子を芯材とし、その表面がゼラチンを含む被覆剤で被覆され、かつゼラチンがトランスグルタミナーゼにより架橋されているものである。
油滴粒子は、香料から構成されていてもよいし、香料および香料以外の成分を含んでいてもよい。
香料の具体例として、特開2012−1551号公報に記載のものが挙げられる。具体的には、アセトナフトン、l−カルボン、シス−3−ヘキセノール、シトラール、ディメトール、ユーカリプトール、リナロールオキサイド、酢酸シス−3−ヘキセニル、酢酸スチラリル、酪酸エチル、アネトール、アリルアミルグリコレート、カローン、ゲラニルニトリル、デシルアルデヒド、トリプラール、フルテート(エチルトリシクロ[5,2,1,02,6]デカン−2−カルボキシレート、商品名:FRUITATE(花王社製))、ベンズアルデヒド、ポアレネート、グレープフルーツベース、α−ピネン、酢酸イソボルニル、ダイナスコン、ドデシルアルデヒド、フロロパール、ヘリオナール、メチルノニルアセトアルデヒド、ノニルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ポレナールII、ウンデシルアルデヒド、ウンデシレンアルデヒド、ベルガモットベース、レモンベース、ダマスコン、アンブロキサン、ダマセノン、カラナール、リナロール、リリアール、リラール、シトロネロール、ゲラニオール、シスジャスモン、ムセノン、アセチルセドレン、イソ・イー・スーパー、ジヒドロジャスモン酸メチル、ジヒドロミルセノール、ローズオキサイド、酢酸リナリル、α−iso−メチルイオノン、α−イオノン、β−イオノン、γ−イオノン等のイオノン類、γ−ウンデカラクトン、p−クレゾール、アンスラニル酸メチル、イソブチルキノリン、オイゲノール、メチルフェニルグリシド酸エチル、ラズベリーケトン、サンダルマイソルコア、バクダノール、バニリン、クマリン、メントール、リモネン、ハバノライド、マグノール、酢酸ベンジル、ガラクソライド、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、マルトール、フェニルエチルアルコール等が挙げられ、これらは一種または二種以上を用いることができる。
また、上記成分を含有する抽出油やフレーバー、ローズマリー油、グレープフルーツ油、ライム油、ベルガモット油、レモン油、マンダリン油、バジル油、ラベンダー油、クミン油、パチュリ油、ペパーミント油等を使用してもよい。
なお、上記のうち、レモンベースはレモン油の代替物として人工的に再現されたものである。同様に、ベルガモットベース、グレープフルーツベースはそれぞれ対応するベルガモット油、グレープフルーツ油の代替物である。
ここで、香料のlogPは、香料が適度な油溶性を有する観点から、たとえば1.5以上、好ましくは2.8以上、さらに好ましくは3以上であって、たとえば5以下、好ましくは3.5以下である。
ここでlogPとは、25℃におけるオクタノール−水−分配係数であり、オクタノール相と水相の間での物質の分配のための尺度であって以下の式で定義されるものをいい、A.レオ,C.ハンシュ,D.エルキンス,ケミカルレビューズ,71巻,6号(1971)にその計算値の例が記載されている。なお、本明細書では、25℃において、化審法化学物質改定第4版「化学物質の分配係数(1−オクタノール/水)測定法について<その1>」(化学工業日報社刊)記載の方法で測定した値を意味する。
logP=log([物質]Octanol/[物質]Water)
(上記式中、「[物質]Octanol」はオクタノール相中の物質のモル濃度を示し、「[物質]Water」は水相中の物質のモル濃度を示す。)
また、香料の25℃における蒸気圧は、香料が適度な蒸散性を有する観点から、たとえば0.0001mmHg以上、好ましくは0.003mmHg以上であり、たとえば2mmHg以下、好ましくは0.1mmHg以下である。
また、香料の閾値が低いほど、低濃度においても香料のニオイが知覚される点で好ましい。
logP、蒸気圧および閾値のバランスに優れる観点から、好ましい香料として、アセトナフトン(logP=2.85、蒸気圧0.0019mmHg)、クマリン(logP=1.51、蒸気圧0.00098mmHg)、メントール(logP=3.38、蒸気圧0.0637mmHg)、リモネン(logP=4.83、蒸気圧1.45mmHg)、ゲラニオール(logP=3.47、蒸気圧0.03mmHg)およびダマスコン(logP=4.29、蒸気圧0.01mmHg)ならびにこれらの誘導体からなる群から選択される一種以上が挙げられる。
また、香料は、リモネン、ゲラニオール、フルテートおよびメントールからなる群から選択される一種以上とすることもできる。
また、油滴粒子が、香料以外の油性成分を含んでもよい。油性成分として、たとえば、油脂類、ロウ類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、エステル類、油性薬効成分およびシリコーン油類からなる群から選択される一種以上の成分が挙げられる。
油脂類としては、たとえば大豆油、ヌカ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ごま油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、また、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油、並びにミリスチン酸グリセリド、2−エチルヘキサン酸グリセリド等の合成トリグリセリドなどが挙げられる。
ロウ類としては、たとえばカルナウバロウ、鯨ロウ、ミツロウ、ラノリン等が挙げられる。
炭化水素類としては、たとえば流動パラフィン、固形パラフィン、セラミド、ワセリン、パラフィンマイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、プリスタン等が挙げられる。
高級脂肪酸類としては、たとえばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。
高級アルコール類としては、たとえばラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、イソステアリルアルコール等が挙げられる。
エステル類としては、たとえばオクタン酸セチル、乳酸ミリスチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、イソステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
油性薬効成分としては、トコフェロール、レチノール、アスコルビン酸パルミテート、トリクロサン等が挙げられる。
シリコーン油類としては、たとえばジメチルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アクリル酸アルキル共重合体メチルポリシロキサンエステル等が挙げられる。
また、油滴粒子が、紫外線吸収剤、好ましくは油溶性の紫外線吸収剤を含んでもよい。油溶性の紫外線吸収剤としては、安息香酸系、アントラニル酸系、サリチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系のものが含まれる。
このうち、安息香酸系紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、グリセリルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、N−エトキシレートPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAエチルエステル、N−ジメチルPABAブチルエステル、N−ジメチルPABAアミノエステル、オクチルジメチルPABA等が挙げられる。
アントラニル酸系紫外線吸収剤としては、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等が挙げられる。
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、アミルサリチレート、メンチルサリチレート、ホモメンチルサリチレート、オクチルサリチレート、フェニルサリチレート、ベンジルサリチレート、p−イソプロパノールフェニルサリチレート等が挙げられる。
桂皮酸系紫外線吸収剤としては、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイルジパラメトキシシンナメート等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4'−フェニルベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等が挙げられる。更に上記以外に、3−(4'−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、3−ベンジリデン−dl−カンファー、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラシン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボニリデン)−3−ペンタン−2−オン、特開平2−212579号公報記載のベンゼン−ビス−1,3−ジケトン誘導体、特開平3−220153号公報記載のベンゾイルピナコロン誘導体、ジメトキ−シベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等が挙げられる。
これらのうち、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、ジメトキシ−ベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルが好ましい。
次に、被覆について説明する。被覆は、香料を含む油滴粒子の外側を覆うように設けられ、香料の保持特性を向上させる観点から、油滴粒子の外側全体を覆うように設けられることが好ましい。
また、被覆に用いられる剤(被覆剤ともいう)は、トランスグルタミナーゼによる架橋反応に関与できるアミノ酸残基、すなわちリジン残基およびグルタミン残基を有するペプチドを含む。一種のペプチド中にリジン残基およびペプチドとグルタミン残基が存在していてもよいし、これらの一方を含むペプチドを別々に準備してもよい。本実施形態では、これらのアミノ酸残基を含むペプチドとして、ゼラチンを用いる。たとえば、本実施形態において、被覆剤はゼラチンにより構成されていてもよい。
ゼラチンの原料となるコラーゲンの由来に制限はなく、たとえば牛、豚、ロバ等のほ乳類由来のもの;および、魚由来のものから選択される一種以上を用いることができる。
また、ゼラチンの精製の有無および処理の有無に制限はなく、たとえば酸処理ゼラチン、アルカリ処理ゼラチン、酵素処理ゼラチンからなる群から選択される一種以上を用いることもできる。
また、被覆に用いられる剤および(未)架橋ゼラチン被覆香料粒子の被覆膜(カプセル)には、寒天、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラーナン、ファーセレラン、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻抽出物;アラビアゴム等の多糖類、グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンド種子多糖類、タラガム、カシアガム等の植物種子粘質物質;ペクチン、アラビノガラクタン等の植物果実粘質物;キサンタンガム、スクレログルカン、プルラン、デキストラン、ジュランガム、カードラン等の微生物廃生粘質物;アルブミン、カゼイン等のゼラチン以外の動物蛋白質;大豆蛋白質、小麦蛋白質等の植物蛋白質;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース等のセルロース及びその誘導体;澱粉、澱粉リン酸エステル、澱粉グリコール酸エステル等の澱粉及びその誘導体が挙げられる。
たとえば、本実施形態において、被覆剤がゼラチンと多糖類とを含んでいてもよく、さらに具体的には、被覆剤がゼラチンとアラビアゴムを含んでいてもよい。
本実施形態においては、被覆剤中におけるゼラチンの含有量は、皮膚化粧料の適用後の香料の保持特性および香りの放出の制御の観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上がさらにより好ましく、95質量%以上が特に好ましい。
本実施形態において、被覆剤の架橋に用いられるトランスグルタミナーゼとして、放線菌などの微生物由来のもの、牛、豚、魚等の動物由来のもの、植物由来のもの等が挙げられる。また、遺伝子組み換え技術により得られるものを用いてもよい。具体的には、味の素社製トランスグルタミナーゼ製剤「アクティバ」シリーズ、オリエンタル酵母社製トランスグルタミナーゼ(モルモット由来)等が挙げられる。
また、架橋ゼラチン被覆香料粒子の体積平均粒子径は、粒子の皮溝への埋没を抑制して香料を確実に放出させる観点から、5μm以上であり、好ましくは7μm以上であり、さらに好ましくは9μm以上である。
一方、皮膚化粧料適用時の塗布圧等による粒子の破壊を抑制し、香料を安定的に保持する観点から、架橋ゼラチン被覆香料粒子の体積平均粒子径は、50μm以下であり、好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下であり、さらにより好ましくは15μ以下であり、殊更好ましくは13μm以下である。
また、体積平均粒子径が5μm以上50μm以下の架橋ゼラチン被覆香料粒子を用いることにより、たとえば、肌に塗布後も肌上に架橋ゼラチン被覆香料粒子が好適に保持されるため、肌の擦れ、衣服との擦れ、手の平での摩擦等によって、経時的に、また必要な時に香りを感じることができる。
ここで、架橋ゼラチン被覆香料粒子の体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(たとえば、レーザ回折粒子径分布測定装置SALD−3100、島津製作所社製)を用いた湿式法により、以下の条件で測定される。
測定温度:25℃
分散溶媒:水
また、本実施形態の皮膚化粧料に用いられる架橋ゼラチン被覆香料粒子において、架橋された架橋ゼラチン被覆香料粒子の被覆強度は、香料を長時間安定的に保持する観点から、たとえば1.1mN以上、好ましくは1.5mN以上である。一方、物理的刺激に応じて香料を確実に放出する観点からは、架橋ゼラチン被覆香料粒子の被覆強度は、たとえば1.0mN以下、好ましくは0.8mN以下である。
なお、架橋ゼラチン被覆香料粒子の被覆強度は、微小圧縮試験機(たとえば、島津製作所製MCT−510)による架橋ゼラチン覆香料粒子が崩壊するときの試験力値で測定される。
また、本実施形態における皮膚化粧料中の架橋ゼラチン被覆香料粒子の含有量は、100質量%以下であり、皮膚化粧料が架橋ゼラチン被覆粒子により構成されていてもよい。また、本実施形態における皮膚化粧料は、後述するように、架橋ゼラチン被覆香料粒子以外の成分を含んでいてもよく、化粧料塗布後の安定的な香り放出の観点から、1〜40質量%がより好ましい。
さらに具体的には、皮膚化粧料中の架橋ゼラチン被覆香料粒子の含有量は、肌に塗布後の持続的な香りの放出の観点から、たとえば10質量%以上、好ましくは12質量%以上であり、また、たとえば40質量%以下であり、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。また、活性成分を刺激に応じて効果的に香りを放出させる観点からは、皮膚化粧料中の架橋ゼラチン被覆香料粒子の含有量は、たとえば10質量%以下、好ましくは9質量%以下であり、より好ましくは7質量%以下であり、また、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。
また、架橋ゼラチン被覆香料粒子中の香料の含有量は、100質量%未満であり、香料の保持、および、刺激に応じた香料の放出特性のバランスの観点から、たとえば70質量%以上、好ましくは80質量%以上であり、また、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましい。
次に、本実施形態における皮膚化粧料の製造方法を説明する。
本実施形態において、皮膚化粧料はたとえば以下の工程を含む方法で製造することができる。
工程1:香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む被覆剤で被覆された被覆粒子(未架橋ゼラチン被覆粒子)を、トランスグルタミナーゼにより被覆粒子を架橋することにより架橋ゼラチン被覆香料粒子を得る工程、ならびに
工程2:架橋ゼラチン被覆香料粒子を配合して皮膚化粧料を得る工程。
工程1は、香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む被覆剤で被覆された被覆粒子(未架橋ゼラチン被覆粒子)を、トランスグルタミナーゼにより架橋することにより特定の体積平均粒子径を有する架橋ゼラチン被覆香料粒子を得る工程である。香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む材料で被覆された被覆粒子は、市販のものを用いてもよいし、たとえば特開平9−70428号公報または特開平5−292899号公報に記載のコアセルベーション法を用いて調製(工程1'ともいう)してもよい。
未架橋ゼラチン被覆香料粒子の調製工程(工程1')では、香料を含む油相と、被覆剤を含む水相とを混合、乳化して水中油型(O/W)エマルジョンを形成する。そして、得られたO/WエマルジョンのpHを所定の範囲に調整することにより、油滴の周囲を覆う皮膜を形成する。
エマルジョンを形成する際の温度は、油相が液状であり、被覆剤が水中に溶解する温度とすることが好ましく、たとえば30〜60℃程度とする。
工程1'における香料を含む油相と、被覆剤を含む水相との混合物の乳化は、典型的な乳化−分散装置、たとえば、攪拌器、ホモミキサー、ホモジスパー、ホモジェッター、コロイドミル、超音波分散装置、または超音波乳化機を用いておこなうことができる。好適な市販装置の具体例としては、一般の攪拌器、たとえば、BL−シリーズ3−1のモータ攪拌器(新東科学社(Shinto Scientific Co., Ltd.)製)及びA520ポータブルミキサー(佐竹化学機械工業社(Satake Chemical Equipment Mfg., Ltd.)製)、並びに一般のホモミキサー、たとえば、TKホモミキサーマークII(Mark II)20(特殊機化工業社(Tokushu Kika Kogyo Co., Ltd.)製)およびTKパイプラインホモミキサーSL(特殊機化工業社製)が挙げられる。
乳化により形成される油滴の体積平均粒子径は、架橋ゼラチン被覆香料粒子の粒子径等に応じて決められ、たとえば3〜48μm程度とすることができる。
水相中の被覆剤の濃度は、材料の種類により調整できる。たとえば、ゼラチンからなる被覆を形成する場合、1〜20質量%程度のゼラチン水溶液を用いる。また、ゼラチンおよび多糖類からなる被覆を形成する場合、たとえばゼラチン濃度が1〜20質量%程度であり、多糖類の濃度が1〜20質量%程度である水溶液を用いる。
また、コアセルベーションを生じさせる際のpH調整については、油滴の周囲に被覆を安定的に形成する観点から、たとえばpH4〜6程度とする。
また、工程1'において、エマルジョンを形成した後、メタリン酸ナトリウム等の相分離材をさらに添加してもよい。
工程1においては、未架橋ゼラチン被覆香料粒子、または、工程1'で調製されたコアセルベート層が形成された分散液にトランスグルタミナーゼを添加し、被覆粒子にトランスグルタミナーゼを作用させることにより、ゼラチンを含む被覆を架橋する。
架橋反応をおこなう際の分散液の温度は、架橋反応を穏やかな条件で安定的に進行させる観点から、たとえば10〜80℃程度、好ましくは20〜60℃程度とする。
また、酵素反応の時間は、被覆の厚さ、被覆に求められる強度等に応じて設定できるが、たとえば3時間〜24時間程度とする。
また、ゼラチン1gに対するトランスグルタミナーゼの使用量は、被覆をより確実に架橋する観点から、たとえば0.01〜500ユニット程度とする。
以上の手順により、体積平均粒子径が5μm以上50μm以下である架橋ゼラチン被覆香料粒子が得られる。
工程1の後、デカンテーション等の所定の方法により、得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子を分散液から分離してもよい。また、得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子を水等により洗浄してもよい。また、得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子を乾燥させてもよい。
次に、工程2においては、得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子、および、適宜他の成分を配合して、皮膚化粧料を得る。
得られた皮膚化粧料の剤型としては、たとえば溶液系、可溶化系、乳化系、水−油二層系、水−油−粉末三層系等が挙げられる。製品形態としては、たとえば化粧水、ゲル、エアゾール等が挙げられる。また、皮膚化粧料は、たとえば水を含むことができ、水の含有量を、当該皮膚化粧料中の水以外の成分を除いた残部としてもよい。
本実施形態においては、皮膚化粧料の適用後の香料の保持特性、および、皮膚等に適用後の香りの放出を制御する観点から、皮膚化粧料は水を含むものであることが好ましい。
本実施形態における皮膚化粧料は、適用後、発汗時等の所望のタイミングにて、適用部分を擦る等の方法により香料を放出させることができるため、たとえば体臭抑制用組成物等の消臭用組成物、制汗剤組成物等として好適に用いることができる。また、本実施形態における皮膚化粧料をデオドラント化粧料として用いることにより、香りの放出制御機能を付与できるため、化粧料に対し消費者認知の高い差別化要素を与えることができる。
本実施形態において、皮膚化粧料の使用方法としては、皮膚化粧料を手に取ってもよく、織物や不織布などに含ませて塗布してもよい。
また、本実施形態における消臭方法は、たとえば、皮膚化粧料を皮膚または肌着に適用するステップを含む。
また、皮膚化粧料を皮膚または肌着に適用するステップの後、摩擦等の物理的刺激により架橋ゼラチン被覆香料粒子を崩壊させて香料を放出させるステップをさらに含んでもよい。
本実施形態における皮膚化粧料に配合される他の成分の例として、アルコール類、保湿剤、抗炎症剤、美白剤、消臭剤、制汗剤、殺菌剤、酸化防止剤、冷感剤、温感剤、pH調整剤等、必要に応じて通常化粧料に配合される成分が挙げられる。なお、これらの各剤は、各剤としての用途に限られず、目的に応じて他の用途、たとえば、香料剤を冷感剤として使用したり、他の用途との併用として、たとえば、香料と冷汗剤としての効果を奏するものとして使用することができる。
このうち、アルコール類としては、炭素数1以上5以下の低級アルコール等が挙げられる。皮膚化粧料がアルコール類を含む場合、架橋ゼラチン被覆香料粒子の安定性を向上させる観点からは、皮膚化粧料全体に対するアルコール類の含有量をたとえば30質量%以下、好ましくは20質量%以下とする。
保湿剤としては、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール類、グリセリン、ソルビトール、乳酸、グリシンベタイン、アミノ酸類、N−アミジノ−L−プロリン、セラミド、コレステリルエステル等が挙げられる。
消臭剤としては、酸化亜鉛、酸化チタン等の金属酸化物;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシエチル−1,3−プロパンジオール、グリシンアミド、セリンアミド、2−アミノ−3−ヒドロキシ−N−(2−エチルヘキシル)プロピオン酸アミド、2−アミノ−3−ヒドロキシ−N−(3−n−ブトキシプロピル)プロピオン酸アミドおよびそれらの塩等のアミン類;ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール、δトコフェロールなどのビタミンEおよびその誘導体、チオタウリン、メマツヨイグサ抽出液、βカロチン、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物、キハダエキス、L−メントール等を用いることができる。
制汗剤としては、アルミニウムクロルハイドレート、硫酸アルミニウムカリウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム等のアルミニウム化合物;
アルミニウムジルコニウムオクタクロルハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロルハイドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロルハイドレート等のアルミニウム・ジルコニウム化合物;
ジルコニウムクロルハイドレート等のジルコニウム化合物;および
パラフェノールスルホン酸亜鉛等の亜鉛化合物等が挙げられる。
殺菌剤としては、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化リゾチーム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム(CPC)、3,4,4'−トリクロロカルバニリドからなる群から選ばれる一種または二種以上を用いることができる。この中でも、さらさら感の持続性とぬるつきの少なさの観点から、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、塩化ベンザルコニウムが好ましい。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール、δトコフェロールなどのビタミンEおよびその誘導体、チオタウリン、メマツヨイグサ抽出液、βカロチン、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等の消臭機能を有するものや、その他の酸化防止剤が挙げられる。使用感を向上させる観点から、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、またはδトコフェロールが好ましい。
冷感剤としては、1−メントールや、メンチルアセテート、乳酸メンチル、l−メンチルグリセリルエーテル、メンチルピロリドンカルボン酸等のメントール誘導体のほか、N−エチル−p−メンタンカルボキシアミド等のメントール類縁体、dl−カンファー、イソプレゴール、シネオール、ボルネオール、チモールおよびこれらの誘導体や、3−l−メトキシプロパンジオールや、ハッカ油、ペパーミント油等のメントールを含有した精油等が挙げられ、これらは一種または二種以上を用いることができる。
温感剤としては、炭素数1〜6のアルキル基を有するバニリルアルキルエーテル、ノナン酸バニリルエーテル、バニリルノナンアミド、カプサイシン、トウガラシチンキ等が挙げられ、これらは一種または二種以上を用いることができる。
pH調整剤の例としては、通常化粧料に用いられる酸成分が挙げられる。
かかる酸成分の具体例としては、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、グリコール酸等のヒドロキシ酸類;グルタミン酸、アスパラギン酸等のアミノ酸類;マロン酸、コハク酸、アジピン酸等のジカルボン酸類;塩酸、リン酸等の無機酸類等が挙げられる。
また、pH調整剤として、アルカリ金属炭酸塩、水酸化アルカリ金属等、アンモニア等の塩基成分も用いることができる。
(実施例1〜4)
ゼラチン(新田ゼラチン社製、APH)の11質量%水溶液90gにリモネン60gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて室温(25℃)で5,000rpmで30分間攪拌をおこなった。これにより、体積平均粒子径が10μmになるようにO/W型エマルションを作製した。そして、8質量%食添用ヘキサメタリン酸ソーダ(日本化学工業社製)水を加えた。
ついで、40℃の水500gを加えた後、pHを5.3に調整した。得られた分散液を20℃までゆっくり冷却して、リモネンの周囲にゼラチン壁膜を形成させた。さらに10℃まで冷却した後トランスグルタミナーゼを含有するアクティバTG−K(味の素社製)を2.6g加え、一昼夜攪拌した。
次の日、得られたスラリーをゆっくり昇温し、50℃で1時間攪拌した後、30℃まで冷却した。出来上がったスラリーを水で洗浄し、静置後、水を抜き取り、架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリー(30質量%)を得た。
得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリーを、架橋ゼラチン被覆香料粒子濃度が5質量%になるように水で希釈して実施例1の皮膚化粧料とした。
また、以上の手順において、リモネンにかえてペパーミントオイル60g、ゲラニオール60gまたはフルテート60gを用いることにより、実施例2〜4の架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリーを製造し、実施例1と同様に、架橋ゼラチン被覆香料粒子濃度が5質量%の濃度になるように水で希釈してこれを各例における皮膚化粧料とした。
(実施例5)
ゼラチン(新田ゼラチン社製、APH)の11質量%水溶液120gにリモネン30gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて室温(25℃)で7,000rpmで30分間攪拌をおこなった。これにより、体積平均粒子径が5μmになるようにO/W型エマルションを作製した。そして、8質量%食添用ヘキサメタリン酸ソーダ(日本化学工業社製)水を加えた。
ついで、40℃の水500gを加えた後、pHを5.3に調整した。得られた分散液を20℃までゆっくり冷却して、リモネンの周囲にゼラチン壁膜を形成した。さらに10℃まで冷却した後、トランスグルタミナーゼを含有するアクティバTG−K(味の素社製)を3.5g加え、一昼夜攪拌した。
次の日、得られたスラリーをゆっくり昇温し、50℃で1時間攪拌した後、30℃まで冷却した。出来上がったスラリーを水で洗浄し、静置後、水を抜き取り、架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリー(30質量%)を得た。
得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリー(30質量%)を、架橋ゼラチン被覆香料粒子濃度が5質量%になるように水で希釈して、これを本例の皮膚化粧料とした。
(実施例6)
本例では、コアセルベーション法により、香料がゼラチン−アラビアゴム膜で被覆された架橋ゼラチン被覆香料粒子を製造し、皮膚化粧料とした。
ゼラチン(新田ゼラチン社製、APH)を水に溶解してゼラチン濃度が5質量%の水溶液を生成し、酢酸を用いてこの溶液をpH6に調整した。この水溶液60gにアラビアゴム(試薬級、五協産業社製)の5質量%水溶液50gを加え、それによって被覆膜形成用の水溶液を調製した。
得られた水溶液110gを約60℃に加熱した後、pHを5に調整し、油滴の材料であるリモネンを40g加えた後、TKホモミキサー・マークII 20(TK Homomixer Mark II 20)(特殊機化工業社製)を用いて、室温(25℃)において5,000rpmで30分間攪拌をおこなった。体積平均粒子径が10μmの油滴が形成されるまで攪拌を続けた。
その後、8質量%ヘキサメタリン酸ソーダ(日本化学工業社製)水を加えた。ついで40℃の水500gを加えた後、pHを5.3に調整した。得られた分散液を20℃までゆっくり冷却して、リモネンの周囲にゼラチン壁膜を形成させた。さらに10℃まで冷却した後、トランスグルタミナーゼを含有するアクティバTG−K(味の素社製)を0.8g加え、一昼夜攪拌した。
次の日、得られたスラリーをゆっくり昇温し、50℃で1時間攪拌した後、30℃まで冷却した。出来上がったスラリーを水で洗浄し、静置後、水を抜き取り、架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリー(50質量%)を得た。
得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリーを、架橋ゼラチン被覆香料粒子濃度が5質量%になるように水で希釈して、これを本例の皮膚化粧料とした。
(実施例7)
実施例1で製造されたスラリーを、噴霧乾燥機を用いて粉末化し、架橋ゼラチン被覆香料粒子からなる粉末を得た。得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子からなる粉末の濃度が5質量%になるようにシリコーンパウダー(KMP−590、粒子径2μm、信越シリコーン社製)と混合し、本例の皮膚化粧料とした。
(比較例1)
ゼラチン(新田ゼラチン社製、APH)の11質量%水溶液90gにリモネン60gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて室温で2,700rpmで30分間攪拌をおこなった。これにより、体積平均粒子径が50μmになるようにO/W型エマルションを作製した。そして、8質量%食添用ヘキサメタリン酸ソーダ(日本化学工業社製)水を加えた。
ついで、40℃の水500gを加えた後、pHを5.3に調整した。得られた分散液を20℃までゆっくり冷却して、リモネンの周囲にゼラチン壁膜を形成させた。さらに10℃まで冷却した後、トランスグルタミナーゼを含有するアクティバTG−K(味の素社製)を2.6g加え、一昼夜攪拌した。
次の日、得られたスラリーをゆっくり昇温し、50℃で1時間攪拌した後、30℃まで冷却した。出来上がったスラリーを水で洗浄し、静置後、水を抜き取り、架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリー(30質量%)を得た。
得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリーを、架橋ゼラチン被覆香料粒子濃度が質量5%になるように水で希釈して、これを本例の皮膚化粧料とした。
(比較例2)
ゼラチン(新田ゼラチン社製、APH)の11質量%水溶液90gにリモネン60gを添加し、ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて室温(25℃)で3,000rpm10分間撹拌した後、続けて7,000rpmで30分間攪拌をおこない、体積平均粒子径が2μmになるようにO/W型エマルションを作製した。そして、8質量%食添用ヘキサメタリン酸ソーダ(日本化学工業社製)水を加えた。
ついで40℃の水500gを加えた後、pHを5.3に調整した。得られた分散液を20℃までゆっくり冷却して、リモネンの周囲にゼラチン壁膜を形成させた。さらに10℃まで冷却した後、トランスグルタミナーゼを含有するアクティバTG−K(味の素社製)を2.6g加え、一昼夜攪拌した。
次の日、得られたスラリーをゆっくり昇温し、50℃で1時間攪拌した後、30℃まで冷却した。出来上がったスラリーを水で洗浄し、静置後、水を抜き取り、架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリー(30質量%)を得た。
得られた架橋ゼラチン被覆香料粒子を含むスラリーを、架橋ゼラチン被覆香料粒子濃度が質量5%になるように水で希釈して、これを本例の皮膚化粧料とした。
(皮膚化粧料の感触評価)
上述した各例で得られた架橋粒子のスラリーまたは粉末を化粧料として人肌に適用したときの、粒子のざらつき感を評価した。具体的には、人上腕に化粧料を塗布して手の平で伸ばしたときのざらつき感を判定した。
評価は、具体的には、専門評価者1名が、以下の判定基準に基づいて数値評価を行い、その平均値を算出した。結果を表1に示す。
×:ざらつき感を感じる
○:ざらつき感を感じない
Figure 2015113325
(香りの評価)
上述した各例で得られた架橋粒子を化粧料として人肌に適用したときの、化粧料から放出される香りの強さを、専門評価者1名が官能評価した。
評価は、具体的には、人上腕に塗布して肌上の手の平で伸ばした直後、4時間経過後、4時間経過後に手のひらで強く擦った直後のニオイを以下の基準で判定した。
4:非常に強く香りを感じる、
3:強く香りを感じる、
2:弱く香りを感じる、
1:非常に弱く香りを感じる、
0:なにも香りを感じない。
(摩擦後の粒子の残留の評価)
上記香りの評価において4時間経過後に手のひらで強く擦った直後のニオイを評価した後、さらに手の平で強く擦った部分の肌面をセロテープ(登録商標)で転写し、光学顕微鏡にて、壊れずに残留する粒子(カプセル)の有無を観察した。
++:粒子が非常に多く観察される、
+:粒子が観察される、
−:粒子が観察されない。
これらの結果を表2に示す。
Figure 2015113325
表1および表2より、実施例1〜7において得られた化粧料は、いずれも、塗布時のざらつきがなく好ましい感触であった。そして、4時間経過後も粒子内に香料が保持されるとともに、摩擦による刺激に応じて粒子が壊れて香料が放出された。
一方、比較例1で得られた化粧料では、塗布時にざらつきが感じられた。また、4時間経過後の香料の保持効果が充分ではなかった。
また、比較例2で得られた化粧料では、摩擦による刺激によっても壊れない粒子が非常に多く残存しており、香料の放出効果が充分ではなかった。

Claims (6)

  1. 香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む被覆剤で被覆された被覆粒子をトランスグルタミナーゼにより架橋して得られる架橋ゼラチン被覆香料粒子を含み、
    前記架橋ゼラチン被覆香料粒子の体積平均粒子径が5μm以上50μm以下である、皮膚化粧料。
  2. 前記被覆剤が前記ゼラチンからなる、請求項1に記載の皮膚化粧料。
  3. 前記被覆剤が多糖類をさらに含む、請求項1に記載の皮膚化粧料。
  4. 前記香料が、リモネン、ゲラニオール、フルテートおよびメントールからなる群から選択される一種以上である、請求項1乃至3いずれか一項に記載の皮膚化粧料。
  5. 香料を含む油滴粒子がゼラチンを含む被覆剤で被覆された被覆粒子を、トランスグルタミナーゼにより架橋することにより架橋ゼラチン被覆香料粒子を得る工程と、
    前記架橋ゼラチン被覆香料粒子を配合して皮膚化粧料を得る工程と、
    を含み、
    架橋ゼラチン被覆香料粒子を得る前記工程において、体積平均粒子径が5μm以上50μm以下である前記架橋ゼラチン被覆香料粒子を得る、皮膚化粧料の製造方法。
  6. 請求項1乃至4いずれか一項に記載の皮膚化粧料を皮膚または肌着に適用するステップを含む、消臭方法。
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