JP2015110668A - アネキシン1結合化合物に関する方法および組成物 - Google Patents

アネキシン1結合化合物に関する方法および組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】アネキシン1結合化合物に関する方法および組成物の提供。【解決手段】治療剤または検出可能な剤に共有結合的に連結する、アネキシン1結合ペプチドIFLLWQRを含む結合体が開示される。また、成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む組成物が開示される。また、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドをコードする核酸配列を含む単離された核酸が開示される。また、成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物を被験体に投与する工程を含む方法が開示される。また、被験体において腫瘍細胞を標的にする方法であって、この方法は、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを上記被験体に投与する工程を含む、方法が開示される。【選択図】図1−1

Description

関連出願への相互参照
本願は、2009年12月23日に出願された、米国仮出願第61/289,833号の利益を主張する。2009年12月23日に出願された、出願第61/289,833号は、これによりその全体が本明細書中で参考として援用される。
連邦により支援された調査に関する記述
本発明は、NIH助成金P01CA071932(MFおよびMNF)、DoD Breast Cancer Research IDEA助成金DAMD 17−02− 1−0311(MNF)、およびSusan Komen Breast Cancer
Research助成金BCTR0504175(MNF)の下で政府支援でなされた。本発明において、上記政府は特定の権利を有する。
配列表への参照
2010年12月23日に作製され、9357バイトのサイズを有する「24520_47_9001_2010_12_23_AMD_AFD_Sequence_Listing_Text_File.txt」と名付けられ、2010年12月23日にテキストファイルとして提出された配列表は、これにより米国特許法施行規則§1.52(e)(5)に準じて、参考として援用される。
発明の分野
本発明は、一般に、分子医学、およびがん生物学の分野に関し、そしてより具体的には、選択的に腫瘍血管系に向かう(home)アネキシン1結合化合物に関する。
発明の背景
がんを処置することにおける進歩に対する主要な障害は、がんを選択的に標的にし得るが正常組織に作用しない薬剤の相対的な欠乏である。例えば、一般に局所的な処置である放射線療法および手術は、処置の領域において、正常組織に対して実質的な損傷を引き起こし得、瘢痕化および正常細胞の欠損をもたらす。比較すると、一般に全身投与される化学療法は、すばやい細胞ターンオーバーおよび連続的な細胞分裂を受ける器官(例えば、骨髄、粘膜、皮膚および小腸)に実質的な損傷を引き起こし得る。結果として、所望されない副作用(例えば、嘔気、脱毛、および血液細胞数の低下)が、がん患者が化学療法薬物で静脈内処置されるときにしばしば起こる。このような所望されない副作用は、安全に投与され得る薬物の量を制限し得、それにより生存率に悪影響を与え、患者の生活の質に影響を与える。
細胞上の炭水化物受容体(carbohydrate receptor)に結合し得るアミノ酸配列を含む単離されたペプチドが開示される。また、成分(moiety)、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物が開示される。また、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドをコードする核酸配列を含む単離された核酸が開示される。
また、成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物を被験体に投与する工程を含む方法が開示される。また、被験体において腫瘍細胞を標的にする方法であって、この方法は、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを上記被験体に投与する工程を含む、方法が開示される。また、被験体において腫瘍細胞を標的にする方法であって、この方法は、成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物を上記被験体に投与する工程を含む、方法が開示される。また、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む組成物を上記被験体に投与する工程、および上記被験体において、上記組成物を検出する工程を含む方法が開示される。
上記炭水化物受容体は、アネキシン1であり得る。上記アミノ酸配列は、選択的に上記炭水化物受容体を結合し得る。上記被験体は、細胞を含み得る。上記細胞は、腫瘍細胞であり得る。上記ペプチドは、アネキシン1結合化合物であり得る。上記アミノ酸配列は、アネキシン1結合化合物であり得る。
上記アミノ酸配列は、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号2を含み得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2に対して少なくとも55%の配列同一性を有し得、ここで、上記アミノ酸配列と配列番号2との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。上記アミノ酸配列は、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有し得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2を含み得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2からなり得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2の少なくとも5個の連続したアミノ酸を含み得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2の少なくとも6個の連続したアミノ酸を含み得る。
上記ペプチドは、配列番号2を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも6個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも7個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも8個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも9個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、成分ペプチドをさらに含み得る。
上記成分は、低分子、薬学的薬物、毒素、脂肪酸、検出可能なマーカー、結合タグ(conjugating tag)、ナノシェル、または酵素であり得る。上記成分は、上記ペプチドに共有結合的に連結し得る。上記成分は、上記ペプチドのアミノ末端に連結し得る。上記成分は、上記ペプチドのカルボキシ末端に連結し得る。上記成分は、上記ペプチド内のアミノ酸に連結し得る。上記成分は、SN−38であり得る。上記成分は、検出可能な剤(detectable agent)を含み得る。上記成分は、治療剤を含み得る。
上記組成物は、上記成分と上記ペプチドとを繋ぐリンカーをさらに含み得る。上記組成物は、薬学的に受容可能なキャリアをさらに含み得る。上記組成物は、受容可能な薬剤をさらに含み得る。上記組成物は、治療剤をさらに含み得る。上記組成物は、抗がん剤をさらに含み得る。
上記方法において上記組成物を検出する工程により、上記被験体における腫瘍を検出し得る。上記方法において上記組成物を検出する工程により、上記被験体におけるがんを診断し得る。上記方法において上記組成物を検出する工程は、上記被験体におけるがん組織に対する上記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせを検出する工程を含み得、ここで、上記被験体におけるがん組織に対する上記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせは、上記被験体におけるがんの予後を示す。上記方法は、投与および後の検出を繰り返す工程をさらに含み得、ここで、上記被験体におけるがん組織に対する上記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせにおける変化は、上記被験体における子宮内膜症の経過を示す。上記方法は、投与および処置後の検出を繰り返す工程をさらに含み得、ここで、上記被験体におけるがん組織に対する上記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせにおける変化は、上記被験体におけるがんの処置の経過を示す。
上記ペプチドは、選択的に腫瘍血管系に結合する。上記アミノ酸配列は、選択的に腫瘍血管系に結合する。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、選択的に腫瘍血管系に結合する。上記ペプチドは、腫瘍血管系に結合し得る。上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系に結合し得る。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系に結合し得る。
上記ペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合する。上記アミノ酸配列は、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合する。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合する。上記ペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に結合し得る。上記アミノ酸配列は、細胞上の炭水化物受容体に結合し得る。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上の炭水化物受容体に結合し得る。
上記ペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合する。上記アミノ酸配列は、細胞上のアネキシン1に選択的に結合する。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上のアネキシン1に選択的に結合する。上記ペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に結合し得る。上記アミノ酸配列は、細胞上のアネキシン1に結合し得る。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上のアネキシン1に結合し得る。
上記ペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合する。上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に選択的に結合する。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に選択的に結合する。上記ペプチドは、腫瘍血管系上の炭水化物受容体に結合し得る。上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得る。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得る。
上記ペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合する。上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に選択的に結合する。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に選択的に結合する。上記ペプチドは、腫瘍血管系上の炭水化物受容体に結合し得る。上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得る。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得る。
上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、選択的に腫瘍血管系に結合する。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、選択的に腫瘍血管系に結合する。上記組成物は、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、選択的に腫瘍血管系に結合する。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドのうちの少なくとも1つは、選択的に腫瘍血管系に結合するアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記複数のペプチドは、それぞれ、選択的に腫瘍血管系に結合するアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、それぞれ、選択的に腫瘍血管系に結合するアミノ酸配列を含む。
上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合する。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合する。上記組成物は、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合する。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドのうちの少なくとも1つは、細胞上の炭水化物受容体に結合するアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記複数のペプチドは、それぞれ、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合するアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、それぞれ、細胞上の炭水化物受容体に選択的に結合するアミノ酸配列を含む。
上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に結合し得る。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上の炭水化物受容体に結合し得る。上記組成物は、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上の炭水化物受容体に結合し得る。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドのうちの少なくとも1つは、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記複数のペプチドは、それぞれ、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、それぞれ、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含む。
上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、細胞上のアネキシン1に選択的に結合する。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上のアネキシン1に選択的に結合する。上記組成物は、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上のアネキシン1に選択的に結合する。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドのうちの少なくとも1つは、細胞上のアネキシン1に結合するアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記複数のペプチドは、それぞれ、細胞上のアネキシン1に選択的に結合するアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、それぞれ、細胞上のアネキシン1に選択的に結合するアミノ酸配列を含む。
上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、細胞上のアネキシン1に結合し得る。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上のアネキシン1に結合し得る。上記組成物は、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、細胞上のアネキシン1に結合し得る。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドのうちの少なくとも1つは、細胞上のアネキシン1に結合し得るアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記複数のペプチドは、それぞれ、細胞上のアネキシン1に結合し得るアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、それぞれ、細胞上のアネキシン1に結合し得るアミノ酸配列を含む。
上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、腫瘍血管系上のアネキシン1に選択的に結合する。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に選択的に結合する。上記組成物は、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に選択的に結合する。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドのうちの少なくとも1つは、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合するアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記複数のペプチドは、それぞれ、腫瘍血管系上のアネキシン1に選択的に結合するアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、それぞれ、腫瘍血管系上のアネキシン1に選択的に結合するアミノ酸配列を含む。
上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得る。上記ペプチドは、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得る。上記組成物は、複数のアミノ酸配列を含み得、ここで上記アミノ酸配列は、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得る。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドのうちの少なくとも1つは、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得るアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記複数のペプチドは、それぞれ、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得るアミノ酸配列を含む。上記組成物は、複数のペプチドを含み得、ここで上記ペプチドは、それぞれ、腫瘍血管系上のアネキシン1に結合し得るアミノ酸配列を含む。
上記アミノ酸配列、ペプチド、および組成物は、腫瘍血管内で結合し得る。上記組成物は、腫瘍の成長を低減し得る。上記組成物は、少なくとも100のアネキシン1結合アミノ酸配列を含み得る。上記組成物は、少なくとも1000のアネキシン1結合アミノ酸配列を含み得る。上記組成物は、少なくとも10,000のアネキシン1結合アミノ酸配列を含み得る。
上記組成物は、1つ以上の成分を含み得る。上記成分は、例えば、抗血管新生剤、血管新生促進剤(pro−angiogenic agent)、がん化学療法剤、細胞傷害性薬剤、抗炎症剤、抗関節炎剤、ポリペプチド、核酸分子、および低分子からなる群から独立して選択され得る。上記成分のうちの少なくとも1つは、治療剤であり得る。上記治療剤は、がんを処置するための化合物または組成物を含み得る。上記治療剤は、プログラム細胞死またはアポトーシスを誘導するための化合物または組成物を含み得る。上記治療剤は、Abraxaneであり得る。上記治療剤は、パクリタキセルであり得る。上記治療剤は、ドセタキセルであり得る。上記成分のうちの少なくとも1つは、検出可能な剤であり得る。上記検出可能な剤は、FAMであり得る。
上記アミノ酸配列、ペプチド、および組成物は、選択的に腫瘍血管系に向かうことができる。上記組成物は、治療効果を有し得る。上記治療効果は、全身腫瘍組織量の増加を遅くすること、または全身腫瘍組織量の低減であり得る。上記治療効果は、腫瘍サイズの増加を遅くすること、または腫瘍サイズの低減であり得る。上記治療効果は、腫瘍における血液循環の、低減または遮断であり得る。
上記被験体は、標的にされるべき1つ以上の部位を有し得、ここで上記組成物は、標的にされるべき上記部位のうちの1つ以上に向かう。上記被験体は、腫瘍を有し得、ここで上記組成物は、該腫瘍に対する治療効果を有する。
アネキシン1結合アミノ酸配列の数および組成物についての充足性は、例えば、被験体、または非ヒト動物における腫瘍において、上記組成物の蓄積を評価することによって決定することができる。
開示される方法および組成物の追加の利点は、以下の記載において部分的に明記され、部分的にその記載から理解されるか、または開示される方法および組成物の実施によって学ぶことができる。開示される方法および組成物の利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘される要素および組み合わせによって実現および達成される。先行する一般記載および以下の詳細な記載の両方が、例示的および説明的のみであり、特許請求される如くの本発明を限定するものでないことが理解されるべきである。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
ペプチドおよび成分を含む組成物であって、ここで該ペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含む、組成物。
(項目2)
前記炭水化物受容体がアネキシン1である、項目1に記載の組成物。
(項目3)
前記アミノ酸配列が、前記炭水化物受容体に選択的に結合し得る、項目1または2に記載の組成物。
(項目4)
前記細胞が腫瘍細胞である、項目1〜3のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目5)
前記アミノ酸配列が、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)を含み、ここで各Xは、独立して、極性または荷電したアミノ酸であり、ここで該アミノ酸配列は、IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に保存的アミノ酸置換を有さないか、1つ有するかまたは1つ超有する、項目1〜4のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目6)
各Xが、アミノ酸C、R、K、S、T、H、D、E、N、Q、およびMの全て、その全てのアミノ酸のうちの10個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの9個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの8個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの7個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの6個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの5個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの4個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの3個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの2個の任意の組、またはその全てのアミノ酸のうちの任意の1個から独立して選択され得る、項目5に記載の組成物。
(項目7)
各Xが、3つのアミノ酸C、R、およびKの組から独立して選択され得る、項目5に記載の組成物。
(項目8)
各Xが、2つのアミノ酸CおよびRの組から独立して選択され得る、項目5に記載の組成物。
(項目9)
前記アミノ酸配列における前記Xのうちの1個がCであるか、該アミノ酸配列における該Xのうちの2個がCであるか、該アミノ酸配列における該Xのうちの2個がRであるか、該アミノ酸配列における該Xのうちの3個がRであるか、該アミノ酸配列における該Xのうちの4個がRであるか、またはそれらの適合する組み合わせである、項目5〜8のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目10)
前記アミノ酸配列が、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)からなる、項目5〜9のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目11)
前記配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に相当する前記アミノ酸配列の構成部分が、該配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に対して少なくとも55%の配列同一性を有し得、ここで前記アネキシン1結合化合物と配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる、項目5〜8のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目12)
前記配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に相当する前記アミノ酸配列の構成部分が、該配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に対して少なくとも70%の配列同一性を有し得る、項目5〜8のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目13)
前記配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に相当する前記アミノ酸配列の構成部分が、該配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る、項目5〜8のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目14)
前記アネキシン1結合化合物が、前記配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)の少なくとも5個の連続したアミノ酸を有する、項目5〜8のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目15)
前記アネキシン1結合化合物が、前記配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)の少なくとも6個の連続したアミノ酸を有する、項目5〜8のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目16)
前記アミノ酸配列が、IFLLWQRCR(配列番号17)、IFLLWQRCRR(配列番号19)、IFLLWQRCRRR(配列番号18)、またはIFLLWQRCRRRR(配列番号22)を含む、項目5に記載の組成物。
(項目17)
前記アミノ酸配列が、IFLLWQRCR(配列番号17)、IFLLWQRCRR(配列番号19)、IFLLWQRCRRR(配列番号18)、またはIFLLWQRCRRRR(配列番号22)からなる、項目5に記載の組成物。
(項目18)
前記アミノ酸配列が、保存的アミノ酸置換を有さないか、1つ有するか、または1つ超有する配列番号2を含む、項目1〜4のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目19)
前記アミノ酸配列が、配列番号2に対して少なくとも55%の配列同一性を有し、ここで、該アミノ酸配列と配列番号2との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる、項目1〜4、または18のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目20)
前記アミノ酸配列が、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有する、項目1〜4、18、または19のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目21)
前記アミノ酸配列が、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、項目1〜4、または18〜20のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目22)
前記アミノ酸配列が、配列番号2を含む、項目1〜4、または18〜21のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目23)
前記ペプチドが、配列番号2を含む、項目1〜4、または18〜22のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目24)
前記アミノ酸配列が、配列番号2からなる、項目1〜4、または18〜23のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目25)
前記アミノ酸配列が、配列番号2のうちの少なくとも5個の連続したアミノ酸を含む、項目1〜4のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目26)
前記アミノ酸配列が、配列番号2のうちの少なくとも6個の連続したアミノ酸を含む、項目1〜4のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目27)
前記ペプチドが、少なくとも6個のアミノ酸を含む、項目1〜4のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目28)
前記ペプチドが、少なくとも7個のアミノ酸を含む、項目1〜4、または18〜27のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目29)
前記ペプチドが、少なくとも8個のアミノ酸を含む、項目1〜15、または18〜28のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目30)
前記ペプチドが、少なくとも9個のアミノ酸を含む、項目1〜29のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目31)
前記成分が、低分子、薬学的薬物、毒素、脂肪酸、検出可能なマーカー、結合タグ、ナノシェル、または酵素である、項目1〜30のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目32)
前記成分が、前記ペプチドに共有結合的に連結している、項目1〜31のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目33)
前記成分が、前記ペプチドのアミノ末端に連結している、項目32に記載の組成物。
(項目34)
前記成分が、前記ペプチドのカルボキシ末端に連結している、項目32に記載の組成物。
(項目35)
前記成分が、前記ペプチド内のアミノ酸に連結している、項目32に記載の組成物。
(項目36)
前記成分と前記ペプチドとを繋ぐリンカーをさらに含む、項目1〜35のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目37)
前記成分がSN−38であり、ここで前記アミノ酸配列は、配列番号2からなっていない、項目1〜36のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目38)
前記成分がSN−38であり、ここで前記ペプチドは、配列番号2からなっていない、項目1〜36のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目39)
前記成分が、がん化学療法剤である、項目1〜36のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目40)
前記アミノ酸配列が、配列番号2からなる、項目1〜39のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目41)
前記ペプチドが、配列番号2からなる、項目1〜39のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目42)
薬学的に受容可能なキャリアをさらに含む、項目1〜41のうちのいずれか一項に記載
の組成物。
(項目43)
前記成分が、治療剤を含む、項目1〜42のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目44)
前記組成物が、治療剤をさらに含む、項目1〜43のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目45)
前記成分が、検出可能な剤を含む、項目1〜44のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目46)
前記成分が、治療剤を含む、項目1〜45のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目47)
前記組成物が、検出可能な剤をさらに含む、項目1〜46のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目48)
前記組成物が、治療剤をさらに含む、項目1〜47のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目49)
前記組成物が、抗がん剤をさらに含む、項目1〜48のうちのいずれか一項に記載の組成物。
(項目50)
項目1〜49のうちのいずれか一項に記載のペプチドおよび成分をコードする核酸配列を含む、単離された核酸。
(項目51)
項目1〜49のうちのいずれか一項に記載の組成物を被験体に投与する工程を含む方法。
(項目52)
前記被験体が細胞を含み、ここで該細胞は腫瘍細胞である、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記被験体が処置を必要とし、ここで前記投与が該被験体を処置する、項目51または52に記載の方法。
(項目54)
前記被験体が、がんを有し、ここで前記投与が該被験体の該がんを処置する、項目53に記載の方法。
(項目55)
被験体において腫瘍細胞を標的にする方法であって、該方法は、項目1〜49のうちのいずれか一項に記載の組成物を該被験体に投与する工程を含む、方法。
(項目56)
項目1〜49のうちのいずれか一項に記載の組成物を前記被験体に投与する工程、および該被験体において該組成物を検出する工程を含む方法。
(項目57)
前記組成物を検出する工程により、前記被験体において腫瘍を検出する、項目56に記載の方法。
(項目58)
前記組成物を検出する工程により、前記被験体においてがんを診断する、項目56に記載の方法。
(項目59)
前記組成物を検出する工程が、前記被験体におけるがん組織に対する該組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせを検出する工程を含み、ここで該被験体におけるがん組織に対する該組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせは、該被験体における該がんの予後を示す、項目56に記載の方法。
(項目60)
前記投与および後の検出を繰り返す工程をさらに含み、ここで、前記被験体におけるがん組織に対する前記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせにおける変化は、該被験体における子宮内膜症の経過を示す、項目56に記載の方法。
(項目61)
前記投与および処置後の検出を繰り返す工程をさらに含み、ここで、前記被験体におけるがん組織に対する前記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせにおける変化は、該被験体における該がんの処置の経過を示す、項目56に記載の方法。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する、付随する図面は、開示される方法および組成物のいくつかの実施形態を例示し、そしてその記載とともに、開示される方法および組成物の原理を説明することに役立つ。
図1A〜1Hは、腫瘍の成長、およびインビボでの腫瘍血管系標的化活性を有するペプチド配列の同定におけるアネキシン1(Anxa1)の不可欠な役割を示す。(AおよびB)Anxa1(+/−)およびAnxa1(−/−)変異マウスに皮下注射した、B16腫瘍の成長。(C)Anxa1(+/−)およびAnxa1(−/−)マウスにおいて生じさせたB16腫瘍の組織学。各棒目盛は、2.00mmを表す。(D)内皮細胞および血管系を示すCD31についてのB16腫瘍の免疫組織化学。各棒目盛は、200μmを表す。(E)B16腫瘍を有するマウスにおけるインビボでのファージ標的化。腫瘍または肺から回収された形質転換したコロニーの数が決定された。クローン1〜10によって表面に表される(displayed)ペプチド配列は、IELLQAR(1;配列番号l)、IFLLWQR(2;配列番号2)、IILLQAR(3;配列番号3)、IDLMQAR(4;配列番号4)、ISLLQAR(5;配列番号5)、FSLLDAR(6;配列番号6)、ISLLGAR(7;配列番号7)、PLWRPSR(8;配列番号8)、LLLMQLR(9;配列番号9)、およびLYLQRLR(10;配列番号10)である。(F)IFLLWQR(配列番号2)を表面に表しているファージのインビボでの腫瘍および器官標的化活性。ファージは、抗Anxa1抗体または対照のウサギIgGで前もって注射された、B16腫瘍を有するマウスに注射された。(G)細菌によって産生された、組換えIF7−Hisタンパク質に対するIF7−A488(上部の線)および対照RQ7−A488C(下部の線)の結合についての、インビトロでのプレートアッセイ。(H)FITC標識されたポリアクリルアミド−LeAオリゴ糖のAnxa1−Hisタンパク質に対する結合に及ぼす、IF7(上部の線)および対照RQ7(下部の線)の作用。 図1A〜1Hは、腫瘍の成長、およびインビボでの腫瘍血管系標的化活性を有するペプチド配列の同定におけるアネキシン1(Anxa1)の不可欠な役割を示す。(AおよびB)Anxa1(+/−)およびAnxa1(−/−)変異マウスに皮下注射した、B16腫瘍の成長。(C)Anxa1(+/−)およびAnxa1(−/−)マウスにおいて生じさせたB16腫瘍の組織学。各棒目盛は、2.00mmを表す。(D)内皮細胞および血管系を示すCD31についてのB16腫瘍の免疫組織化学。各棒目盛は、200μmを表す。(E)B16腫瘍を有するマウスにおけるインビボでのファージ標的化。腫瘍または肺から回収された形質転換したコロニーの数が決定された。クローン1〜10によって表面に表される(displayed)ペプチド配列は、IELLQAR(1;配列番号l)、IFLLWQR(2;配列番号2)、IILLQAR(3;配列番号3)、IDLMQAR(4;配列番号4)、ISLLQAR(5;配列番号5)、FSLLDAR(6;配列番号6)、ISLLGAR(7;配列番号7)、PLWRPSR(8;配列番号8)、LLLMQLR(9;配列番号9)、およびLYLQRLR(10;配列番号10)である。(F)IFLLWQR(配列番号2)を表面に表しているファージのインビボでの腫瘍および器官標的化活性。ファージは、抗Anxa1抗体または対照のウサギIgGで前もって注射された、B16腫瘍を有するマウスに注射された。(G)細菌によって産生された、組換えIF7−Hisタンパク質に対するIF7−A488(上部の線)および対照RQ7−A488C(下部の線)の結合についての、インビトロでのプレートアッセイ。(H)FITC標識されたポリアクリルアミド−LeAオリゴ糖のAnxa1−Hisタンパク質に対する結合に及ぼす、IF7(上部の線)および対照RQ7(下部の線)の作用。 図1A〜1Hは、腫瘍の成長、およびインビボでの腫瘍血管系標的化活性を有するペプチド配列の同定におけるアネキシン1(Anxa1)の不可欠な役割を示す。(AおよびB)Anxa1(+/−)およびAnxa1(−/−)変異マウスに皮下注射した、B16腫瘍の成長。(C)Anxa1(+/−)およびAnxa1(−/−)マウスにおいて生じさせたB16腫瘍の組織学。各棒目盛は、2.00mmを表す。(D)内皮細胞および血管系を示すCD31についてのB16腫瘍の免疫組織化学。各棒目盛は、200μmを表す。(E)B16腫瘍を有するマウスにおけるインビボでのファージ標的化。腫瘍または肺から回収された形質転換したコロニーの数が決定された。クローン1〜10によって表面に表される(displayed)ペプチド配列は、IELLQAR(1;配列番号l)、IFLLWQR(2;配列番号2)、IILLQAR(3;配列番号3)、IDLMQAR(4;配列番号4)、ISLLQAR(5;配列番号5)、FSLLDAR(6;配列番号6)、ISLLGAR(7;配列番号7)、PLWRPSR(8;配列番号8)、LLLMQLR(9;配列番号9)、およびLYLQRLR(10;配列番号10)である。(F)IFLLWQR(配列番号2)を表面に表しているファージのインビボでの腫瘍および器官標的化活性。ファージは、抗Anxa1抗体または対照のウサギIgGで前もって注射された、B16腫瘍を有するマウスに注射された。(G)細菌によって産生された、組換えIF7−Hisタンパク質に対するIF7−A488(上部の線)および対照RQ7−A488C(下部の線)の結合についての、インビトロでのプレートアッセイ。(H)FITC標識されたポリアクリルアミド−LeAオリゴ糖のAnxa1−Hisタンパク質に対する結合に及ぼす、IF7(上部の線)および対照RQ7(下部の線)の作用。 図1A〜1Hは、腫瘍の成長、およびインビボでの腫瘍血管系標的化活性を有するペプチド配列の同定におけるアネキシン1(Anxa1)の不可欠な役割を示す。(AおよびB)Anxa1(+/−)およびAnxa1(−/−)変異マウスに皮下注射した、B16腫瘍の成長。(C)Anxa1(+/−)およびAnxa1(−/−)マウスにおいて生じさせたB16腫瘍の組織学。各棒目盛は、2.00mmを表す。(D)内皮細胞および血管系を示すCD31についてのB16腫瘍の免疫組織化学。各棒目盛は、200μmを表す。(E)B16腫瘍を有するマウスにおけるインビボでのファージ標的化。腫瘍または肺から回収された形質転換したコロニーの数が決定された。クローン1〜10によって表面に表される(displayed)ペプチド配列は、IELLQAR(1;配列番号l)、IFLLWQR(2;配列番号2)、IILLQAR(3;配列番号3)、IDLMQAR(4;配列番号4)、ISLLQAR(5;配列番号5)、FSLLDAR(6;配列番号6)、ISLLGAR(7;配列番号7)、PLWRPSR(8;配列番号8)、LLLMQLR(9;配列番号9)、およびLYLQRLR(10;配列番号10)である。(F)IFLLWQR(配列番号2)を表面に表しているファージのインビボでの腫瘍および器官標的化活性。ファージは、抗Anxa1抗体または対照のウサギIgGで前もって注射された、B16腫瘍を有するマウスに注射された。(G)細菌によって産生された、組換えIF7−Hisタンパク質に対するIF7−A488(上部の線)および対照RQ7−A488C(下部の線)の結合についての、インビトロでのプレートアッセイ。(H)FITC標識されたポリアクリルアミド−LeAオリゴ糖のAnxa1−Hisタンパク質に対する結合に及ぼす、IF7(上部の線)および対照RQ7(下部の線)の作用。 図2は、IF7Cペプチド(配列番号14)とGAとの結合体化、およびIF7Cペプチド(配列番号14)とAlexa 488との結合体化を示す。ゲルダナマイシン類似体、17−GMB−APA−GA(GA)をInvivogen(San Diego,CA)から購入した。GAをまた、Mandlerら(J Natl Cancer Inst 92,1573−81,2000)によって記載されるようにゲルダナマイシン(LC labs,Woburn,MA)から合成した。簡単に言うと、GAを、クロロホルムに溶解させ、アルゴンガス下で室温にて20時間、1,3−ジアミノプロパン(Sigma−Aldrich)と混合した。ジアミノプロパン架橋GAをヘキサンで沈殿させた。沈殿物をクロロホルムに溶解させ、室温で2時間、N−[g−マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステル(Pierce,Rockford,IL)と反応させた。生成物すなわち17−GMB−APA−GAを、ジクロロメタン:メタノール(92:8、v/v)の溶媒系において分取TLCプレート(1.5mmのシリカゲル、Analtech,Newark,DE)を用いた薄層クロマトグラフィーによって精製した。17−GMB−APA−GAの構造を、MASSLYNX ver3.5(Waters Corp.,Milford,MA)を用いて、ESI質量分析法(Micromass ZQ)により確かめた。IF7Cペプチド(配列番号14)と17−GMB−APA−GAとを結合させるために、それらを1:1のモル比でメタノールに溶解させた。等しい体積の純水をその混合物に対して加え、室温で2時間置いた。生成物、IF7C−GAを、2.5ml/分の流速での、0.1%(v/v)のトリフルオロ酢酸を含む水中40%〜50%のアセトニトリルの勾配溶離によってC18逆相HPLCカラム(10×150mm)によって精製した。IF7C−GAの純度および構造をESI質量分析法によって評価した。IF7Cをまた、Alexa fluor 488 C−マレイミド(Invitrogen,Carlsbad,CA)と結合体化し、上に記載されるのと同様の様式でHPLCによって精製した。 図3は、Anxa1コーティングされたチップおよび対照のコーティングされていないチップ上でのIF−ペプチドの表面プラズモン共鳴分析を示す。IASys(Affinity Sensors,Cambridge,UK)を使用した。Anxa1−Hisタンパク質を、ビス[スルホスクシンイミジル]基質(Pierce)を用いてアミノシラン表面に架橋することによってセンサーチップ上に固定化した。TBSCに溶解させたIF7Cの結合を2分間記録し、センサーチップにTBSCを加えることによってIF7Cの解離を開始し、秒(arc second)を5分間記録した。 図4は、Anxa1−Hisタンパク質を用いたIF7K3Cの等温熱量測定分析(isothermal colorimetry analysis)を示す。Microcal(Northampton,MA)からのVP−ITC熱量計においてITCを行った。この分析において、IF7K3CペプチドすなわちIFLLWQRKKKC(配列番号12)は、3つのリジン残基をIF7とCとの間に挿入させることによってIF7を改変して水における可溶性を増加させた。1.0mMまたは1.5mMを含む溶液の8μlアリコートを、100μΜまたは150μΜのAnxa1−Hisタンパク質を含む細胞に注射した。各実験において、37の注射をした。上記実験を、20mM Tris(pH7.9)、250mM NaCl、1mM CaCl、および10%のジメチルスルホキシドを含むバッファー中で23℃にて行った。実験データを、ITC製造者によって提供されるMicrocal Originソフトウェア(Microcal,Northampton,MA)を用いて分析した。平均(K=11±6μΜ、n=4)を、2つの異なるAnxa1−His調製物を用いて得た。 図5A〜5Dは、背側皮脂層チャンバー(dorsal skinfold chamber)における腫瘍に対するIF7−A488のインビボでの標的化を示す。(A)Lewis肺癌腫(LLC)腫瘍を、ヌードマウスにおける背側皮脂層チャンバーウインドーにおいて3日間、血管新生させた。マウスに、100μlの、水中の5%グルコース中50μΜ IF7−A488(列a)またはRQ7−A488(列b)を注射した。IF7−A488をまた、ウサギIgG(列c)またはウサギ抗Anxa1抗体(列d)を前もって注射した腫瘍担持マウスに注射した。蛍光シグナルを、注射後40分まで蛍光顕微鏡下でモニターした。左から:注射前の明視野、および注射後0分、5分、20分の蛍光。最も右は、20分での腫瘍と間質との境界(目盛棒=500 μm)である。(B)Aにおいて示される分析の間の蛍光の定量分析。10分における最も高いシグナルを有する線は、IF&−A488を表す。10分における2番目に高いシグナルを有する線は、対照のIgGを表す。10分における3番目に高いシグナルを有する線は、Anxa−1抗体を表す。10分における最も低いシグナルを有する線は、RQ7−A488を表す。蛍光の強度をImage Jプログラムによって決定した。エラーバーは、SDを表す(n=3)。アステリスクは、統計上の有意性すなわちp<0.0001、t検定を示す。(C)IF7−A488およびRQ7−A488での注射後20分の腫瘍切片の蛍光顕微鏡写真(micrograph)。左から:IF7−A488、DAPI、重ね合わせ、および明視野。IF7−A488シグナル(上部の列)を、腫瘍血管系の内皮細胞上で検出した(目盛棒=50μm)が、RQ7−A488シグナルは検出しなかった(下部の列)。実験を3回繰り返し、代表的な結果を示す。矢印は、蛍光を示す。(D)蛍光は、皮下のB16腫瘍を有する、または有さないマウスの循環中に残留した。IF7−A488を、尾静脈を介して静脈内に注射し、循環中に残留する蛍光を測定した。上部の線は、「腫瘍なし」を表し、中間の線は、「3日間の腫瘍保持」を表し、底部の線は、「6日間の腫瘍保持」を表す。エラーバーは、SDを表す(n=3)。 図5A〜5Dは、背側皮脂層チャンバー(dorsal skinfold chamber)における腫瘍に対するIF7−A488のインビボでの標的化を示す。(A)Lewis肺癌腫(LLC)腫瘍を、ヌードマウスにおける背側皮脂層チャンバーウインドーにおいて3日間、血管新生させた。マウスに、100μlの、水中の5%グルコース中50μΜ IF7−A488(列a)またはRQ7−A488(列b)を注射した。IF7−A488をまた、ウサギIgG(列c)またはウサギ抗Anxa1抗体(列d)を前もって注射した腫瘍担持マウスに注射した。蛍光シグナルを、注射後40分まで蛍光顕微鏡下でモニターした。左から:注射前の明視野、および注射後0分、5分、20分の蛍光。最も右は、20分での腫瘍と間質との境界(目盛棒=500 μm)である。(B)Aにおいて示される分析の間の蛍光の定量分析。10分における最も高いシグナルを有する線は、IF&−A488を表す。10分における2番目に高いシグナルを有する線は、対照のIgGを表す。10分における3番目に高いシグナルを有する線は、Anxa−1抗体を表す。10分における最も低いシグナルを有する線は、RQ7−A488を表す。蛍光の強度をImage Jプログラムによって決定した。エラーバーは、SDを表す(n=3)。アステリスクは、統計上の有意性すなわちp<0.0001、t検定を示す。(C)IF7−A488およびRQ7−A488での注射後20分の腫瘍切片の蛍光顕微鏡写真(micrograph)。左から:IF7−A488、DAPI、重ね合わせ、および明視野。IF7−A488シグナル(上部の列)を、腫瘍血管系の内皮細胞上で検出した(目盛棒=50μm)が、RQ7−A488シグナルは検出しなかった(下部の列)。実験を3回繰り返し、代表的な結果を示す。矢印は、蛍光を示す。(D)蛍光は、皮下のB16腫瘍を有する、または有さないマウスの循環中に残留した。IF7−A488を、尾静脈を介して静脈内に注射し、循環中に残留する蛍光を測定した。上部の線は、「腫瘍なし」を表し、中間の線は、「3日間の腫瘍保持」を表し、底部の線は、「6日間の腫瘍保持」を表す。エラーバーは、SDを表す(n=3)。 図6Aおよび6Bは、黒色腫、肺癌腫、前立腺がん、および乳がんマウスモデルに対するIF7−GAの効果を示す。(A)腫瘍サイズに対するIF7−GAの効果。(a)マウス黒色腫B16F1腫瘍を、C57BL6マウスにおいて皮下で成長させた。10日目に、各マウスに、100μlの5%グルコース、または0.13μmolの各IF7、GA、またはIF7−GAを含むものを静脈内注射した。注射を、合計3回の注射で、14日目まで1日おきに投与した。マウスを15日目に安楽死させて腫瘍重量を測定した。(b)マウスLewis肺癌腫(LLC)腫瘍を、C57BL6マウスにおいて皮下で成長させた。7日目に、各マウスに、A−aにおけるような化合物を静脈内注射し、注射を、合計3回の注射で、11日目まで1日おきに投与した。マウスを13日目に安楽死させ、腫瘍の重さを量った。(c)ヒト前立腺がんPC3腫瘍を、SCIDマウスの前立腺において同所性に成長させた。7日目に、各マウスに、A−aにおけるような化合物を静脈内注射し、注射を、合計4回の注射で、22日目まで4日おきに投与した。マウスを28日目に安楽死させ、腫瘍の重さを量った。(d)ヒト乳がんMDA−MB−231腫瘍を、SCIDマウスの脂肪パッドにおいて同所性に成長させた。7日目に、各マウスに、A−aにおけるような化合物を静脈内注射し、注射を、合計4回の注射で、22日目まで4日おきに行った。マウスを28日目に安楽死させ、腫瘍の重さを量った。アステリスクは、統計上の有意性を示す(Mann−WhitneyのU検定)。(B)Aにおいて記載される化合物を静脈内注射されたマウスからの腫瘍の組織化学。移植された腫瘍において、血管に沿ったアポトーシス性腫瘍細胞をTUNELアッセイによって検出する。各化合物で処置されたマウスからのB16黒色腫(a)、LLC肺癌腫(b)、PC3前立腺腫瘍(c)、およびMDA−MB−231乳房腫瘍(d)。脈管周囲のがん細胞は、対照のIF7群およびGA群において、めったにアポトーシスを示さないが、IF7−GA群における脈管周囲の腫瘍細胞は、より多数のアポトーシス性細胞(黒色で輪郭を描かれたいくつかの領域)を示す(目盛棒=50μm)ことに留意のこと。 図6Aおよび6Bは、黒色腫、肺癌腫、前立腺がん、および乳がんマウスモデルに対するIF7−GAの効果を示す。(A)腫瘍サイズに対するIF7−GAの効果。(a)マウス黒色腫B16F1腫瘍を、C57BL6マウスにおいて皮下で成長させた。10日目に、各マウスに、100μlの5%グルコース、または0.13μmolの各IF7、GA、またはIF7−GAを含むものを静脈内注射した。注射を、合計3回の注射で、14日目まで1日おきに投与した。マウスを15日目に安楽死させて腫瘍重量を測定した。(b)マウスLewis肺癌腫(LLC)腫瘍を、C57BL6マウスにおいて皮下で成長させた。7日目に、各マウスに、A−aにおけるような化合物を静脈内注射し、注射を、合計3回の注射で、11日目まで1日おきに投与した。マウスを13日目に安楽死させ、腫瘍の重さを量った。(c)ヒト前立腺がんPC3腫瘍を、SCIDマウスの前立腺において同所性に成長させた。7日目に、各マウスに、A−aにおけるような化合物を静脈内注射し、注射を、合計4回の注射で、22日目まで4日おきに投与した。マウスを28日目に安楽死させ、腫瘍の重さを量った。(d)ヒト乳がんMDA−MB−231腫瘍を、SCIDマウスの脂肪パッドにおいて同所性に成長させた。7日目に、各マウスに、A−aにおけるような化合物を静脈内注射し、注射を、合計4回の注射で、22日目まで4日おきに行った。マウスを28日目に安楽死させ、腫瘍の重さを量った。アステリスクは、統計上の有意性を示す(Mann−WhitneyのU検定)。(B)Aにおいて記載される化合物を静脈内注射されたマウスからの腫瘍の組織化学。移植された腫瘍において、血管に沿ったアポトーシス性腫瘍細胞をTUNELアッセイによって検出する。各化合物で処置されたマウスからのB16黒色腫(a)、LLC肺癌腫(b)、PC3前立腺腫瘍(c)、およびMDA−MB−231乳房腫瘍(d)。脈管周囲のがん細胞は、対照のIF7群およびGA群において、めったにアポトーシスを示さないが、IF7−GA群における脈管周囲の腫瘍細胞は、より多数のアポトーシス性細胞(黒色で輪郭を描かれたいくつかの領域)を示す(目盛棒=50μm)ことに留意のこと。 図6Aおよび6Bは、黒色腫、肺癌腫、前立腺がん、および乳がんマウスモデルに対するIF7−GAの効果を示す。(A)腫瘍サイズに対するIF7−GAの効果。(a)マウス黒色腫B16F1腫瘍を、C57BL6マウスにおいて皮下で成長させた。10日目に、各マウスに、100μlの5%グルコース、または0.13μmolの各IF7、GA、またはIF7−GAを含むものを静脈内注射した。注射を、合計3回の注射で、14日目まで1日おきに投与した。マウスを15日目に安楽死させて腫瘍重量を測定した。(b)マウスLewis肺癌腫(LLC)腫瘍を、C57BL6マウスにおいて皮下で成長させた。7日目に、各マウスに、A−aにおけるような化合物を静脈内注射し、注射を、合計3回の注射で、11日目まで1日おきに投与した。マウスを13日目に安楽死させ、腫瘍の重さを量った。(c)ヒト前立腺がんPC3腫瘍を、SCIDマウスの前立腺において同所性に成長させた。7日目に、各マウスに、A−aにおけるような化合物を静脈内注射し、注射を、合計4回の注射で、22日目まで4日おきに投与した。マウスを28日目に安楽死させ、腫瘍の重さを量った。(d)ヒト乳がんMDA−MB−231腫瘍を、SCIDマウスの脂肪パッドにおいて同所性に成長させた。7日目に、各マウスに、A−aにおけるような化合物を静脈内注射し、注射を、合計4回の注射で、22日目まで4日おきに行った。マウスを28日目に安楽死させ、腫瘍の重さを量った。アステリスクは、統計上の有意性を示す(Mann−WhitneyのU検定)。(B)Aにおいて記載される化合物を静脈内注射されたマウスからの腫瘍の組織化学。移植された腫瘍において、血管に沿ったアポトーシス性腫瘍細胞をTUNELアッセイによって検出する。各化合物で処置されたマウスからのB16黒色腫(a)、LLC肺癌腫(b)、PC3前立腺腫瘍(c)、およびMDA−MB−231乳房腫瘍(d)。脈管周囲のがん細胞は、対照のIF7群およびGA群において、めったにアポトーシスを示さないが、IF7−GA群における脈管周囲の腫瘍細胞は、より多数のアポトーシス性細胞(黒色で輪郭を描かれたいくつかの領域)を示す(目盛棒=50μm)ことに留意のこと。 図7は、IF7−SN38の合成を示す。SN−38は、Yakult(Tokyo,Japan)によって合成された。結合体化を、以下を除いて、Meyer−Losicら、Clin Cancer Res 2008;14:2145−53によって記載される方法に従って行った。trans−4−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸(トラネキサム酸、500mg)を水(12.5ml)に溶解させ、lMのリン酸バッファー(pH6.5)(1ml)を加えた。trans−およびcis−(アミノメチル)シクロヘキサンカルボン酸の両方が利用可能であるが、トラネキサム酸は、より有効であった。SMCC(1g)を、アセトニトリル(22ml)と水(5.5ml)との混合物中に溶解させた。トラネキサム酸とSMCCとを混合し、これを45℃で2時間インキュベートした。生成物4−{4−[(N−マレイミドメチル(N−maleimydomethyl))シクロヘキサンカルボキサミド]メチル}シクロヘキサン−l−カルボン酸(BCH)を、ジクロロメタン(60ml)および水中の0.1M NaCl(20ml)によって有機相へと抽出した。BCHとSN−38との結合体化を、室温で4時間行い、IF7CとBCH−SN38との結合体化を、それらをジメチルホルムアミド中で、45℃にて3時間インキュベートし、その後、水を加え、室温にて20時間、インキュベートすることにより行った。生成物IF7−BCH−SN38(IF7−SN38)を、ジクロロメタン(30ml)と水中の5M NaCl(2ml)との界面から回収した。乾燥させたIF7−SN38を水中50%のアセトニトリルに溶解させ、0.1%のトリフルオロ酢酸を含む水中50%〜70%のアセトニトリルの勾配溶離によって、逆相HPLCによって精製した。括弧内の数字は、質量分析法により確かめられた、各化合物の分子量である。 図8A〜8Fは、B16腫瘍を有するマウスにおけるIF7−GAおよびIF7−SN38の効果を示す。(A)IF7−GAまたはIF7−SN38で処置された、B16腫瘍を有するマウスの生存。B16細胞をマウスに皮下注射し、14日目に各マウスに、100μlの5%グルコース、または0.13μmolの各IF7−GA、RQ7−SN38、またはIF7−SN38を含むものを静脈内注射した。矢印によって示されるように、注射を、合計7回の注射で、26日目まで1日おきに投与した。IF7−SN38のみが、20日後に高い生存を示し、他の全ては、20日より前に急落した。(B)腫瘍サイズにおけるIF7−SN38の効果。マウス黒色腫B16F1腫瘍を、C57BL6マウスにおいて皮下で成長させた。13日目に、各マウスに、100μlの5%グルコース(より濃い線)、または0.13μmolのIF7−SN38を含むもの(より薄い線)を静脈内注射した。注射を、合計5回の注射で、21日目まで1日おきに投与した。腫瘍のサイズを、カリパスを用いて測定した。エラーバーは、SDを表す(n=6)。(C)腫瘍のサイズを、カリパスを用いて測定した。エラーバーは、SDを表す(n=6)。組織学は、IF7−SN38処置マウスからの腫瘍が、対照マウスから単離された腫瘍と比較して、わずかにより小さく、より多くの壊死を含むことを示した(図8C)。(D)IF7−GAまたはIF7−SN38で処置されたB16腫瘍を有するマウスの生存。B16細胞をマウスの腹膜に(peritoneally)注射し、1日目に各マウスに、100μlの5%グルコース、または0.13μmolの各IF7−GA、RQ7−SN38、またはIF7−SN38を含むものを静脈内注射した。矢印によって示されるように、注射を、合計6回の注射で、12日目まで1日おきに投与した。マウスが衰弱の兆候を示すまで、マウスをそのままにした。IF7−SN38は、22日後に高い生存を示し、IF7−GAは、20日まで高い生存を示し、グルコースおよびRQ7−SN38は、20日より前に急落した。(E)5%のグルコース(a)、IF7−GA(b)、またはIF7−SN38(c)で静脈内注射されたマウスからの10日目の腹膜のB16腫瘍。目盛棒は、1cmを表す。(F)Eにおいて示される腹膜のB16腫瘍の組織学。目盛棒は、100μmを表す。 図8A〜8Fは、B16腫瘍を有するマウスにおけるIF7−GAおよびIF7−SN38の効果を示す。(A)IF7−GAまたはIF7−SN38で処置された、B16腫瘍を有するマウスの生存。B16細胞をマウスに皮下注射し、14日目に各マウスに、100μlの5%グルコース、または0.13μmolの各IF7−GA、RQ7−SN38、またはIF7−SN38を含むものを静脈内注射した。矢印によって示されるように、注射を、合計7回の注射で、26日目まで1日おきに投与した。IF7−SN38のみが、20日後に高い生存を示し、他の全ては、20日より前に急落した。(B)腫瘍サイズにおけるIF7−SN38の効果。マウス黒色腫B16F1腫瘍を、C57BL6マウスにおいて皮下で成長させた。13日目に、各マウスに、100μlの5%グルコース(より濃い線)、または0.13μmolのIF7−SN38を含むもの(より薄い線)を静脈内注射した。注射を、合計5回の注射で、21日目まで1日おきに投与した。腫瘍のサイズを、カリパスを用いて測定した。エラーバーは、SDを表す(n=6)。(C)腫瘍のサイズを、カリパスを用いて測定した。エラーバーは、SDを表す(n=6)。組織学は、IF7−SN38処置マウスからの腫瘍が、対照マウスから単離された腫瘍と比較して、わずかにより小さく、より多くの壊死を含むことを示した(図8C)。(D)IF7−GAまたはIF7−SN38で処置されたB16腫瘍を有するマウスの生存。B16細胞をマウスの腹膜に(peritoneally)注射し、1日目に各マウスに、100μlの5%グルコース、または0.13μmolの各IF7−GA、RQ7−SN38、またはIF7−SN38を含むものを静脈内注射した。矢印によって示されるように、注射を、合計6回の注射で、12日目まで1日おきに投与した。マウスが衰弱の兆候を示すまで、マウスをそのままにした。IF7−SN38は、22日後に高い生存を示し、IF7−GAは、20日まで高い生存を示し、グルコースおよびRQ7−SN38は、20日より前に急落した。(E)5%のグルコース(a)、IF7−GA(b)、またはIF7−SN38(c)で静脈内注射されたマウスからの10日目の腹膜のB16腫瘍。目盛棒は、1cmを表す。(F)Eにおいて示される腹膜のB16腫瘍の組織学。目盛棒は、100μmを表す。 図8A〜8Fは、B16腫瘍を有するマウスにおけるIF7−GAおよびIF7−SN38の効果を示す。(A)IF7−GAまたはIF7−SN38で処置された、B16腫瘍を有するマウスの生存。B16細胞をマウスに皮下注射し、14日目に各マウスに、100μlの5%グルコース、または0.13μmolの各IF7−GA、RQ7−SN38、またはIF7−SN38を含むものを静脈内注射した。矢印によって示されるように、注射を、合計7回の注射で、26日目まで1日おきに投与した。IF7−SN38のみが、20日後に高い生存を示し、他の全ては、20日より前に急落した。(B)腫瘍サイズにおけるIF7−SN38の効果。マウス黒色腫B16F1腫瘍を、C57BL6マウスにおいて皮下で成長させた。13日目に、各マウスに、100μlの5%グルコース(より濃い線)、または0.13μmolのIF7−SN38を含むもの(より薄い線)を静脈内注射した。注射を、合計5回の注射で、21日目まで1日おきに投与した。腫瘍のサイズを、カリパスを用いて測定した。エラーバーは、SDを表す(n=6)。(C)腫瘍のサイズを、カリパスを用いて測定した。エラーバーは、SDを表す(n=6)。組織学は、IF7−SN38処置マウスからの腫瘍が、対照マウスから単離された腫瘍と比較して、わずかにより小さく、より多くの壊死を含むことを示した(図8C)。(D)IF7−GAまたはIF7−SN38で処置されたB16腫瘍を有するマウスの生存。B16細胞をマウスの腹膜に(peritoneally)注射し、1日目に各マウスに、100μlの5%グルコース、または0.13μmolの各IF7−GA、RQ7−SN38、またはIF7−SN38を含むものを静脈内注射した。矢印によって示されるように、注射を、合計6回の注射で、12日目まで1日おきに投与した。マウスが衰弱の兆候を示すまで、マウスをそのままにした。IF7−SN38は、22日後に高い生存を示し、IF7−GAは、20日まで高い生存を示し、グルコースおよびRQ7−SN38は、20日より前に急落した。(E)5%のグルコース(a)、IF7−GA(b)、またはIF7−SN38(c)で静脈内注射されたマウスからの10日目の腹膜のB16腫瘍。目盛棒は、1cmを表す。(F)Eにおいて示される腹膜のB16腫瘍の組織学。目盛棒は、100μmを表す。 図9は、マウスにおけるB16固形腫瘍についての時間(日数)に対する腫瘍体積(mm)のグラフである。IF7−Dox(ドキソルビシン)、IF7−SN38、および対照(処置なし)での処置を比較する。両方の薬物が腫瘍の成長を抑制したが、IF7−SN38による抗腫瘍活性は、IF7−Doxに勝っていた。 図10Aおよび10Bは、Xenogen IVISイメージャーによって可視化されたHCT116−luc腫瘍の画像を示す。薬物IF7−SN38 6.5μmol/kgを、尾静脈を介して静脈内に投与した。 図11Aおよび11Bは、ヌードマウスにおいて生じさせたHCT116−luc腫瘍に対するIF7−SN38の効果を示す。IF7−SN38 6.5mmol/kgを、HCT116−luc腫瘍を有するマウスに毎日注射した。(A)ルシフェラーゼベースの化学発光によってモニターされた腫瘍サイズ。100%の光子数は、e+07のオーダーである。(B)カリパス測定によってモニターされた腫瘍サイズ。 図12A、12B、および12Cは、IF7C(RR)−結合体化FITC−ポリリジンのAnxa1発現マウス内皮細胞に対する結合および浸透を実証する。(A)インビトロで培養されたマウス内皮F−2細胞表面上の、IF7C(RR)−結合体化FITC−ポリリジンの結合。(B)頂端表面を介した、FITC−結合体化FITC−ポリ−L−リジンのF−2細胞単層の基底空間への輸送。トランスウェルインサートのフィルター上で培養されたF−2細胞にIF7C(RR)−結合体化FITC−ポリ−L−リジンを加えて、その試薬がF−2細胞の頂端細胞表面に結合されるようにした。単層を培地で洗浄後、インサートを、培地を含むウェル中に37℃または4℃で置いた。インサートのより下のチャンバーへと移動した蛍光を測定した。(C)マウスのインビボB16腫瘍における、静脈内に注射されたIF7C(RR)−結合体化FITC−ポリ−L−リジンの標的化および浸透。組織切片を、内皮細胞マーカーCD31について免疫染色した。FITCの蛍光シグナルは、内皮層の基底側の周囲、およびしばしば内皮層の基底側に局在し、このことは、内皮細胞を介したIF7C(RR)−結合体化プローブの浸透を示唆した。 図13A、および13Bは、(A)ヌードマウスにおいて生じさせた大きいHCT116−luc腫瘍(0日目に光子数e+11)に対するIF7C(RR)−SN38の効果の代表的な結果、および(B)毎日の注射についてIF7C(RR)−SN38の用量が、図11において示されるIF7−SN38の用量と同じ6.5μmol/kgであったことを示す。 図14は、ヌードマウスにおいて生じさせたHCT116−luc腫瘍に対する低投与量のIF7C(RR)−SN38の効果を示す。使用されたIF7C(RR)−SN38は、6.5μmol/kg/注射(図11)で使用されたIF7−SN38と比較して8分の1の用量すなわち0.81μmol/kg/注射であった。対照RQ7C(RR)−SN38を、SN−38とリバースIF7C(RR)、RQWLLFI−C−RRペプチド(配列番号16)とを結合体化することによって調製した。 図15A、15B、および15Cは、10日間毎日の注射で、IF7C(RR)−SN38およびRQ7C(RR)−SN38を用いて処置されたヌードマウスの体重(A)、血液細胞数(B)、および血液化学(C)を示す。どのパラメーターも対照(薬物注射なし)群に対して有意差を示さなかった。 図15A、15B、および15Cは、10日間毎日の注射で、IF7C(RR)−SN38およびRQ7C(RR)−SN38を用いて処置されたヌードマウスの体重(A)、血液細胞数(B)、および血液化学(C)を示す。どのパラメーターも対照(薬物注射なし)群に対して有意差を示さなかった。
開示される方法および組成物は、以下の、特定の実施形態の詳細な記載およびそこに含まれる実施例、ならびに図およびそれらの以前の記載および以下の記載への参照によって、より容易に理解され得る。
本化合物、組成物、論文、デバイス、および/または方法が開示および記載される前に、それらが、そうでないと特定されない限り、具体的な合成方法または具体的な組換えバイオテクノロジー方法に限定されないこと、あるいは、そうでないと特定されない限り、特定の試薬に限定されないこと、それ自体もちろん変動し得ることが理解されるべきである。本明細書中で使用される用語が、特定の実施形態のみを記載する目的のためであり、限定することを意図しないことも理解されるべきである。
がん患者に静脈内に投与される化学療法剤は希釈される、従って、高用量を必要とし、副作用を引き起こし、このことは、標的化薬物送達によって回避され得た(Ruoslahti E.et al.Annu Rev Immunol 2000;18:813−27;Neri、D.et al.Nat Rev Cancer 2005;5:436−46;Bellone,M.et al.Trends Immunol 2008;29:235−41)。悪性度はがん細胞表面炭水化物に密接に関連しているので、炭水化物ベースの治療用物質が望ましいことがよくわかった。このような治療用物質は、以前に調査されていない。I−ペプチドと呼ばれる1つの炭水化物模擬ペプチド(mimicry peptide)が、アネキシン1(Anxa1)に結合することが見出された(Hatakeyama,S.et al.,Proc Natl Acad Sci 2009;106:3095−100)。Anxa1は、特異的に腫瘍血管系を特徴づける(Oh,P.et al.Nature 2004;429:629−35)ので、I−ペプチドが、腫瘍標的化ビヒクルとして働き得ることが見出されている。I−ペプチド関連配列(Fukuda,M.et al.,Cancer Res 2000;60:450−6;Zhang,J.et al.Cancer Res 2002;62:4194−8;Fukuda,M.Methods Enzymol 2006;416:51−60)を調査することは、高い効力を有する、腫瘍に特異的に向かうIF7と呼ばれるペプチドの同定をもたらす。静脈内注射すると、効力のある抗がん薬物SN−38と結合体化されたIF7は、B16腫瘍を宿している末期のマウスをレスキューした。IF7−SN38はまた、腹膜のB16腫瘍を有するマウスの生存を副作用なく延長した。これらの結果は、アネキシン1結合化合物が、標的化化学療法に使用され得ることを示す。
ゲノミクスおよびプロテオミクスにおける技術的進歩は、DNAおよびタンパク質の自動化化学合成とともに生物医学における進展に大きく貢献している。対照的に、炭水化物の使用および炭水化物の役割の理解は、技術の進歩の不足に起因して、立ち遅れている。例えば、組換え炭水化物または増幅可能な炭水化物または化学的に合成された複合糖質は、自動的に生産することができない。結果として、炭水化物ベースの薬剤の発見は、たとえ、がんの悪性度が、腫瘍細胞表面上に見出される炭水化物構造に密接に関連していても、大部分調査されていない(Hakomori,S.Proc Natl Acad Sci,2002;99:10231−3;Nakamori,S.et al.Cancer Res 1993;53:3632−7)。ペプチドを表面に表すファージ技術は、炭水化物模擬ペプチドを同定するために使用され得る(Fukuda,M.et al.,Cancer Res 2000;60:450−6;Fukuda,M.Methods Enzymol 2006;416:51−60;Taki,T.et al.Biochim Biophys Acta 2008;1780:497−503;Scott,J.et al.Proc Natl Acad Sci 1992;89:5398−402)。例えば、I−ペプチド(IELLQAR;配列番号13)は、セレクチンリガンド模擬体(mimic)として同定され、マウスに静脈内注射されるとき、合成のI−ペプチドは、肺に対する炭水化物依存がん細胞のコロニー形成を阻害した(Fukuda,M.et al.,Cancer Res 2000;60:450−6;Zhang,J.et al.Cancer Res 2002;62:4194−8)。
内皮のI−ペプチド受容体を同定するように設計された実験は、I−ペプチドがアネキシン1(Anxa1)のフラグメントに結合することを明らかにした(Hatakeyama,S.et al.,Proc Natl Acad Sci 2009;106:3095−100)。I−ペプチドアフィニティークロマトグラフィーによって、ラットの肺から単離されたAnxa1フラグメントにおいて同定されたペプチド配列は、配列番号11である。15kDaにおけるタンパク質のバンドを、トリプシンで消化し、上記ペプチドフラグメントを質量分析法によって分析した。Anxa1の同定をもたらした独特なペプチド配列は、下線を引くことによって示される。
Anxa1は、特異的な腫瘍内皮細胞表面マーカーとして同定されている(Oh,P.et al.Nature 2004;429:629−35)。Anxa1ヌル変異マウスにおいて、B16黒色腫細胞が皮下に注射されるとき、腫瘍の成長は、Anxa1異型接合マウスにおいて生じさせた腫瘍と比較して、有意に低減された(図1Aおよび1Bを参照のこと)。Anxa1ヌルにおいて生じさせた腫瘍は、大部分が壊死性であった(図1Cを参照のこと)。注目すべきことに、Anxa1ヌルマウスにおいて生じさせた腫瘍において、血管系が見出されなかった(図1Dを参照のこと)。これらの発見は、内皮細胞表面上でのAnxa1の発現(Oh,P.et al.Nature 2004;429:629−35)が、上記マウスにおいて活動性腫瘍の成長に不可欠であることを示す。
細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含む単離されたペプチドが開示される。また、成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物が開示される。また、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドをコードする核酸配列を含む単離された核酸が開示される。
また、成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物を被験体に投与する工程を含む方法が開示される。また、被験体において腫瘍細胞を標的にする方法であって、この方法は、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを上記被験体に投与する工程を含む、方法が開示される。また、被験体において腫瘍細胞を標的にする方法であって、この方法は、成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物を上記被験体に投与する工程を含む、方法が開示される。また、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む組成物を上記被験体に投与する工程、および上記被験体において、上記組成物を検出する工程を含む方法が開示される。
上記炭水化物受容体は、アネキシン1であり得る。上記アミノ酸配列は、選択的に上記炭水化物受容体を結合し得る。上記被験体は、細胞を含み得る。上記細胞は、腫瘍細胞であり得る。
上記アミノ酸配列は、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号2を含み得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2に対して少なくとも55%の配列同一性を有し得、ここで、上記アミノ酸配列と配列番号2との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。上記アミノ酸配列は、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有し得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2を含み得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2からなり得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2の少なくとも5個の連続したアミノ酸を含み得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2の少なくとも6個の連続したアミノ酸を含み得る。
上記ペプチドは、配列番号2を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも6個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも7個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも8個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも9個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、成分ペプチドをさらに含み得る。
上記成分は、低分子、薬学的薬物、毒素、脂肪酸、検出可能なマーカー、結合タグ、ナノシェル、または酵素であり得る。上記成分は、上記ペプチドに共有結合的に連結し得る。上記成分は、上記ペプチドのアミノ末端に連結し得る。上記成分は、上記ペプチドのカルボキシ末端に連結し得る。上記成分は、上記ペプチド内のアミノ酸に連結し得る。上記成分は、SN−38であり得る。上記成分は、検出可能な剤を含み得る。上記成分は、治療剤を含み得る。
上記組成物は、上記成分と上記ペプチドとを繋ぐリンカーをさらに含み得る。上記組成物は、薬学的に受容可能なキャリアをさらに含み得る。上記組成物は、検出可能な剤をさらに含み得る。上記組成物は、治療剤をさらに含み得る。上記組成物は、抗がん剤をさらに含み得る。
上記方法において上記組成物を検出する工程により、上記被験体における腫瘍を検出し得る。上記方法において上記組成物を検出する工程により、上記被験体におけるがんを診断し得る。上記方法において上記組成物を検出する工程は、上記被験体におけるがん組織に対する上記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせを検出する工程を含み得、ここで、上記被験体におけるがん組織に対する上記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせは、上記被験体におけるがんの予後を示す。上記方法は、投与および後の検出を繰り返す工程をさらに含み得、ここで、上記被験体におけるがん組織に対する上記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせにおける変化は、上記被験体における子宮内膜症の経過を示す。上記方法は、投与および処置後の検出を繰り返す工程をさらに含み得、ここで、上記被験体におけるがん組織に対する上記組成物の結合の、レベル、量、濃度、または組み合わせにおける変化は、上記被験体におけるがんの処置の進展を示す。
被験体の細胞におけるアネキシン1のレベルを決定および/または評価する方法を開示する。上記方法は、上記被験体の細胞と、例えば、配列番号2を含む組成物に連結される検出可能な剤を含むアネキシン1結合組成物とを接触させる工程、およびアネキシン1と相互作用するアネキシン1結合組成物のレベルを検出し、それにより上記細胞においてアネキシン1のレベルを決定および/または評価する工程を含み得る。
アネキシン1に関連する疾患を有する被験体を同定する方法が本明細書中で開示され、この方法は、上記被験体の細胞とアネキシン1結合組成物とを接触させる工程であって、ここで上記アネキシン1結合組成物は、例えば、配列番号2を含む組成物に連結される成分を含む、工程;および、アネキシン1とアネキシン1結合組成物との間の相互作用を検出し、それにより細胞上のアネキシン1の存在またはレベルを検出する工程であって、ここで細胞上のアネキシン1受容体の存在またはレベルは、上記被験体がアネキシン1に関連する疾患を有していると同定する、工程、を含む。
アネキシン1に関連する疾患を有する被験体が本明細書中で開示される。これは、上記被験体がアネキシン1のレベルの増加を有すること、あるいはアネキシン1が、疾患もしくは障害を処置または疾患もしくは障害の症状を改善するために有効に標的化され得ることを意味する。「アネキシン1のレベルの増加」とは、上記被験体における選択された細胞または組織上のアネキシン1の分子の数が、当業者によって受け入れられる正常レベル、基礎レベル、または標準レベルを超えて増加することを意味する。それは、所定の細胞に存在するアネキシン1の分子の数が、基礎量、正常量、または標準量を超えて増加することも意味し得る。この目的のために使用され得る1つの標準レベルは、正常な肺の内皮細胞上のアネキシン1のレベルである。アネキシン1の標準レベルは、例えば、同じ被験体、異なる被験体、または個体の群もしくは集団の正常な肺の内皮細胞を用いて決定され得る。当業者は、被験体において、細胞および組織におけるアネキシン1のレベルを、本明細書中で開示される方法および当業者に公知である方法を用いて決定できることになる。アネキシン1に関連する疾患としては、例えば、いくつかのがんが挙げられる。
定義
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別の方法で明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「薬学的キャリア」への言及は、2つまたはそれより多くのこのようなキャリアの混合物などを含む。
範囲は、本明細書中で「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までと表現され得る。このような範囲が表現されるとき、別の実施形態は、上記1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が、先行する「約」の使用によって近似として表現されるとき、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。範囲のそれぞれの終点は、他の終点に関して、および他の終点と独立して、の両方において有効(significant)であることがさらに理解される。本明細書中で開示される多くの値が存在すること、および各値がまた、それ自体の値の他に、「約」その特定の値として本明細書中で開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、そのとき「約10」も開示される。値が開示されるとき、当業者によって適切に理解されるように、その値「以下」、その値「以上」であること、および値間の可能性のある範囲も開示されることがまた理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「10以下」および「10以上」も開示される。本願の隅から隅まで、多くの異なるフォーマットでデータが提供されること、およびこのデータが終点および出発点、ならびにデータ点の任意の組み合わせについての範囲を表すことも理解される。例えば、特定のデータ点「10」および特定のデータ点15が開示される場合、10超、10以上、10未満、10以下、および10と等しい、ならびに15超、15以上、15未満、15以下、および15と等しいこと、ならびに10と15との間であることが開示されると考えられるということが理解される。2つの特定の単位間の各単位も開示されることがまた、理解される。例えば、10および15が開示される場合、そのとき11、12、13、および14も開示される。
本明細書において、およびその後の特許請求の範囲において、以下の意味を有すると定義される多くの用語に対する言及がなされる:
「必要に応じた」または「必要に応じて」は、引き続いて記載される事象または状況が、起こっても起こらなくてもよいこと、およびその記載が上記事象または状況が起こる例、起こらない例を含むことを意味する。
本願の隅から隅まで、種々の刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は、それらの全体において、これが属する技術の現状をより完全に記載するために、これにより本願に参考として援用される。開示される参考文献はまた、参考文献が依拠する文章において議論される、それらに含まれる資料について、個々に、および具体的に、本明細書中で参考として援用される。
開示される方法および組成物が、具体的な合成方法、具体的な分析技術に限定されないこと、またはそうでないと特定されない限り、特定の試薬に限定されないこと、そしてそれ自体が変動し得ることが理解されるべきである。本明細書中で使用される用語が、特定の実施形態のみを記載する目的のためであり、限定することを意図しないことも理解されるべきである。
「処置」および「処置する」は、疾患、病理学的状態、または障害を治療、回復、安定化、または予防することを意図した、被験体の医学的管理を意味する。この用語は、積極的な処置、すなわち、疾患、病理学的状態、または障害の改善に対して具体的に向けられた処置を含み、また、原因療法、すなわち、関連する疾患、病理学的状態、または障害の原因の除去に対して向けられた処置を含む。さらに、この用語は、緩和療法、すなわち、疾患、病理学的状態、または障害を治療するよりもむしろ症状の軽減のために設計された処置;予防療法、すなわち、関連する疾患、病理学的状態、または障害の発達を最小限にすること、あるいは関連する疾患、病理学的状態、または障害の発達を部分的もしくは完全に阻害することに対して向けられた処置;ならびに支持療法、すなわち、関連する疾患、病理学的状態、または障害の改善に対して向けられた別の具体的な療法を補足するために用いられる処置を含む。処置は、疾患、病理学的状態、または障害を治療、回復、安定化、または予防することが意図されるが、治療、回復、安定化、または予防を実際にもたらす必要がないことが理解される。処置の効果は、関与する疾患、病理学的状態、または障害に適するように、本明細書中に記載されるように、および当該分野において公知のように、測定または評価され得る。このような測定および評価は、定性的項目および/または定量的項目(quantitative term)においてなされ得る。従って、例えば、疾患、病理学的状態、または障害の特徴もしくは特色、および/あるいは疾患、病理学的状態、または障害の症状は、任意の結果または任意の量まで低減され得る。
本明細書で用いられる場合、用語「処置を必要とする」は、世話をする人(例えば、ヒトの場合における、医師、ナース、ナースプラクティショナー、または個人;動物(非ヒト哺乳類が挙げられる)の場合における獣医師)によってなされる被験体が処置を必要とする、または処置から利益を得るという判断を指す。この判断は、世話をする人の専門知識の範囲における多様な要因に基づいてなされるが、本発明の化合物によって処置可能である状態の結果として、上記被験体が病気である、または病気になるという知識を含む。
本明細書で用いられる場合、「被験体」としては、動物、植物、細菌、ウイルス、寄生生物、および任意の他の生物または実体が挙げられるが、これらに限定されない。上記被験体は、脊椎動物であり得、より具体的には、哺乳動物(例えば、ヒト、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、非ヒト霊長類、ウシ、ネコ、モルモット、もしくはげっ歯類)、魚類、鳥類、または爬虫類、または両生類であり得る。上記被験体は、無脊椎動物であり得、より具体的には、節足動物(例えば、昆虫および甲殻類)であり得る。その用語は、特定の年齢または性別を示さない。従って、オスであろうとメスであろうと、成長した被験体および生まれたばかりの被験体、ならびに胎児(仔)が含まれることが意図される。患者は、疾患または障害で苦しむ被験体を指す。用語「患者」は、ヒトおよび獣医学の被験体を含む。
アネキシンは、ほとんどの真核細胞タイプにおいて発現するカルシウム結合タンパク質および膜結合タンパク質に密接に関連するファミリーである。それらの多様な機能は、小胞輸送(vesicle trafficking)、細胞分裂、アポトーシス、カルシウムシグナル伝達、および成長調節を含む。アネキシンは、最も深刻なヒト疾患(例えば、心血管系の疾患、およびがん)のいくつかに関連している。もともとリポコルチンと名付けられた37kDaのタンパク質であるアネキシン1は、炎症性応答を阻害し、いくつかの細胞機能(食作用、管外遊出、メディエーターの生成、および好中球のリクルートが挙げられる)に関与する。さらに、アネキシン1は、炎症プロセスに関係する細胞(例えば、内皮細胞、上皮細胞、肥満細胞、および滑膜細胞)に影響し得る。
材料
開示される組成物を調製するために使用されるべき構成要素、ならびに本明細書中で開示される方法中で使用されるべき組成物自体が開示される。これらおよび他の材料が本明細書中で開示され、これらの材料の組み合わせ、部分集合、相互作用、群などが開示されるとき、これらの化合物の、それぞれの様々な個々のおよび集合的な、組み合わせおよび順列の具体的な参照は、明示的に開示され得ないが、それぞれは、本明細書中で具体的に企図および記載されるということが理解される。例えば、特定のペプチドが開示および議論され、多くの分子(上記ペプチドが挙げられる)に対してなされ得る多くの改変が議論される場合、上記ペプチドの、それぞれの組み合わせおよび順列、ならびにあらゆる組み合わせおよび順列、ならびにそうでないと具体的に示されない限り可能である改変が具体的に企図される。従って、分子A、B、およびCのクラス、ならびに分子D、E、およびFのクラスが開示され、組み合わせ分子の例、A−Dが開示される場合、そのとき、たとえそれぞれが個々に記載されないとしても、それぞれは、個々におよび集合的に企図されるが、それは、組み合わせ、A−E、A−F、B−D、B−E、B−F、C−D、C−E、およびC−Fが開示されると考えられることを意味する。同様に、これらの任意の部分集合または組み合わせも開示される。従って、例えば、A−E、B−F、およびC−Eの部分群が開示されると考えられることになる。この概念は、本願の全ての局面に当てはまり、この局面としては、開示される組成物を作製および使用する方法におけるステップが挙げられるが、これに限定されない。従って、行われ得る多様な追加のステップが存在する場合、これらの追加のステップのそれぞれは、開示される方法の、任意の具体的な実施形態または実施形態の組み合わせで行われ得ることが理解される。
開示されるアミノ酸配列は、細胞上の炭水化物受容体に結合し得る。開示されるペプチドは、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含み得る。開示される組成物は、成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを、含み得る。細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドをコードする核酸配列を含み得る単離された核酸が開示される。
上記アミノ酸配列は、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号2を含み得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2に対して少なくとも55%の配列同一性を有し得、ここで、上記アミノ酸配列と配列番号2との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。上記アミノ酸配列は、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有し得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2を含み得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2からなり得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2の少なくとも5個の連続したアミノ酸を含み得る。上記アミノ酸配列は、配列番号2の少なくとも6個の連続したアミノ酸を含み得る。
上記ペプチドは、配列番号2を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも6個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも7個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも8個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも9個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、成分ペプチドをさらに含み得る。
上記組成物は、腫瘍血管内で結合し得る。上記組成物は、腫瘍の成長を低減し得る。上記組成物は、少なくとも100のアネキシン1結合アミノ酸配列を含み得る。上記組成物は、少なくとも1000のアネキシン1結合アミノ酸配列を含み得る。上記組成物は、少なくとも10,000のアネキシン1結合アミノ酸配列を含み得る。
上記組成物は、1つ以上の成分をさらに含み得る。上記成分は、抗血管新生剤、血管新生促進剤、がん化学療法剤、細胞傷害性薬剤、抗炎症剤、抗関節炎剤、ポリペプチド、核酸分子、および低分子からなる群から独立して選択され得る。上記成分のうちの少なくとも1つは、治療剤であり得る。上記治療剤は、がんを処置するための化合物または組成物を含み得る。上記治療剤は、プログラム細胞死またはアポトーシスを誘導するための化合物または組成物を含み得る。上記治療剤は、Abraxaneであり得る。上記治療剤は、パクリタキセルであり得る。上記治療剤は、ドセタキセルであり得る。上記成分のうちの少なくとも1つは、検出可能な剤であり得る。上記検出可能な剤は、FAMであり得る。
上記組成物は、選択的に腫瘍血管系に向かうことができる。上記組成物は、治療効果を有し得る。上記治療効果は、全身腫瘍組織量の増加を遅くすること、または全身腫瘍組織量の低減であり得る。上記治療効果は、腫瘍サイズの増加を遅くすること、または腫瘍サイズの低減であり得る。上記治療効果は、腫瘍における血液循環の、低減または遮断であり得る。
A.アネキシン1結合化合物
アネキシン1結合化合物は、アネキシン1と相互作用する能力を有する任意の化合物であり得る。上記アネキシン1結合化合物は、アネキシン1結合アミノ酸配列であり得る。開示されるアミノ酸配列は、アネキシン1結合アミノ酸配列であり得る。アネキシン1結合化合物は、例えば、アネキシン1に結合し得、選択的にアネキシン1に結合し得、アネキシン1含有細胞および組織に向かうことができ、アネキシン1含有細胞および組織を標的にし得、腫瘍血管系に結合し得、選択的に腫瘍血管系に結合し得、アネキシン1含有細胞および組織に蓄積し得、そして腫瘍血管系において蓄積し得る。開示されるアネキシン1結合化合物およびアミノ酸配列は、ホーミング(homing)分子またはホーミングペプチドであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号2を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2に対して少なくとも55%の配列同一性を有し得、ここで、上記アネキシン1結合化合物と配列番号2との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有し得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2の少なくとも5個の連続したアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2の少なくとも6個の連続したアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも6個のアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも7個のアミノ酸を含み得る。上記ペプチドは、少なくとも8個のアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも9個のアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも10個のアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも11個のアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも12個のアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも13個のアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも14個のアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも15個のアミノ酸を含み得る。
上記アネキシン1結合化合物は、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号2を含むアミノ酸配列を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2に対して少なくとも55%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得、ここで、上記アミノ酸配列と配列番号2との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2を含むアミノ酸配列を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2からなるアミノ酸配列を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2の少なくとも5個の連続したアミノ酸を含むアミノ酸配列を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2の少なくとも6個の連続したアミノ酸を含むアミノ酸配列を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも6個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも8個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも9個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも10個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも11個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも12個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも13個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも14個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも15個のアミノ酸を含むペプチドを含み得る。
上記アネキシン1結合化合物は、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有する配列番号2を含むアミノ酸配列からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2に対して少なくとも55%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり得、ここで、上記アミノ酸配列と配列番号2との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2に対して少なくとも70%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2を含むアミノ酸配列からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2からなるアミノ酸配列からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2の少なくとも5個の連続したアミノ酸を含むアミノ酸配列からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2の少なくとも6個の連続したアミノ酸を含むアミノ酸配列からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号2を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも6個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも7個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも8個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも9個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも10個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも11個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも12個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも13個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも14個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、少なくとも15個のアミノ酸を含むペプチドからなり得る。
上記アネキシン1−結合化合物は、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)を含み得、ここで各Xは、独立して、極性または荷電したアミノ酸である。例えば、各Xは、独立して、アミノ酸C、R、K、S、T、H、D、E、N、Q、およびMの全て、その全てのアミノ酸のうちの10個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの9個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの8個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの7個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの6個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの5個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの4個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの3個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの2個の任意の組、またはその全てのアミノ酸のうちの任意の1個、から選択され得る。例えば、各Xは、独立して、3つのアミノ酸C、R、およびKの組から選択され得る。別の例として、各Xは、独立して、2つのアミノ酸CおよびRの組から選択され得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。例として、上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCR(配列番号17)、IFLLWQRCRR(配列番号19)、IFLLWQRCRRR(配列番号18)、またはIFLLWQRCRRRR(配列番号22)を含み得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)を含み得、ここで各Xは、独立して、C、R、K、S、T、H、D、E、N、Q、またはMである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)を含み得、ここで各Xは、独立して、C、R、またはKである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)を含み得、ここで各Xは、独立して、CまたはRである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)からなり得、ここで各Xは、独立して、極性または荷電したアミノ酸である。例えば、各Xは、独立して、アミノ酸C、R、K、S、T、H、D、E、N、Q、およびMの全て、その全てのアミノ酸のうちの10個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの9個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの8個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの7個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの6個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの5個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの4個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの3個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの2個の任意の組、またはその全てのアミノ酸のうちの任意の1個、から選択され得る。例えば、各Xは、独立して、3つのアミノ酸C、R、およびKの組から選択され得る。別の例として、各Xは、独立して、2つのアミノ酸CおよびRの組から選択され得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。例として、上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCR(配列番号17)、IFLLWQRCRR(配列番号19)、IFLLWQRCRRR(配列番号18)、またはIFLLWQRCRRRR(配列番号22)からなり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)からなり得、ここで各Xは、独立して、C、R、K、S、T、H、D、E、N、Q、またはMである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)からなり得、ここで各Xは、独立して、C、R、またはKである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRX(配列番号20のアミノ酸1〜8)、IFLLWQRXX(配列番号20のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRXXX(配列番号20のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRXXXX(配列番号20のアミノ酸1〜11)、またはIFLLWQRXXXXX(配列番号20)からなり得、ここで各Xは、独立して、CまたはRである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
いくつかの形態において、上記アネキシン1結合化合物は、配列番号20のアミノ酸1〜7において、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有し得る。いくつかの形態において、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に対して少なくとも55%の配列同一性を有し得、ここで、上記アネキシン1結合化合物とIFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。いくつかの形態において、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に対して少なくとも70%の配列同一性を有し得る。いくつかの形態において、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。いくつかの形態において、上記アネキシン1結合化合物は、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)の少なくとも5個の連続したアミノ酸を有する。いくつかの形態において、上記アネキシン1結合化合物は、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)の少なくとも6個の連続したアミノ酸を有する。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCX(配列番号21のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRCXX(配列番号21のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRCXXX(配列番号21のアミノ酸1〜11)、IFLLWQRCXXXX(配列番号21)を含み得、ここで各Xは、独立して、極性または荷電したアミノ酸である。例えば、各Xは、独立して、アミノ酸C、R、K、S、T、H、D、E、N、Q、およびMの全て、その全てのアミノ酸のうちの10個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの9個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの8個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの7個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの6個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの5個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの4個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの3個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの2個の任意の組、またはその全てのアミノ酸のうちの任意の1個、から選択され得る。例えば、各Xは、独立して、3つのアミノ酸C、R、およびKの組から選択され得る。別の例として、各Xは、独立して、2つのアミノ酸CおよびRの組から選択され得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。例として、上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCR(配列番号17)、IFLLWQRCRR(配列番号19)、IFLLWQRCRRR(配列番号18)、またはIFLLWQRCRRRR(配列番号22)を含み得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCX(配列番号21のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRCXX(配列番号21のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRCXXX(配列番号21のアミノ酸1〜11)、IFLLWQRCXXXX(配列番号21)を含み得、ここで各Xは、独立して、C、R、K、S、T、H、D、E、N、Q、またはMである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCX(配列番号21のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRCXX(配列番号21のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRCXXX(配列番号21のアミノ酸1〜11)、IFLLWQRCXXXX(配列番号21)を含み得、ここで各Xは、独立して、C、R、またはKである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCX(配列番号21のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRCXX(配列番号21のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRCXXX(配列番号21のアミノ酸1〜11)、IFLLWQRCXXXX(配列番号21)を含み得、ここで各Xは、独立して、CまたはRである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCX(配列番号21のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRCXX(配列番号21のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRCXXX(配列番号21のアミノ酸1〜11)、IFLLWQRCXXXX(配列番号21)からなり得、ここで各Xは、独立して、極性または荷電したアミノ酸である。例えば、各Xは、独立して、アミノ酸C、R、K、S、T、H、D、E、N、Q、およびMの全て、その全てのアミノ酸のうちの10個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの9個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの8個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの7個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの6個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの5個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの4個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの3個の任意の組、その全てのアミノ酸のうちの2個の任意の組、またはその全てのアミノ酸のうちの任意の1個、から選択され得る。例えば、各Xは、独立して、3つのアミノ酸C、R、およびKの組から選択され得る。別の例として、各Xは、独立して、2つのアミノ酸CおよびRの組から選択され得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。例として、上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCR(配列番号17)、IFLLWQRCRR(配列番号19)、IFLLWQRCRRR(配列番号18)、またはIFLLWQRCRRRR(配列番号22)からなり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCX(配列番号21のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRCXX(配列番号21のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRCXXX(配列番号21のアミノ酸1〜11)、IFLLWQRCXXXX(配列番号21)からなり得、ここで各Xは、独立して、C、R、K、S、T、H、D、E、N、Q、またはMである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCX(配列番号21のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRCXX(配列番号21のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRCXXX(配列番号21のアミノ酸1〜11)、IFLLWQRCXXXX(配列番号21)からなり得、ここで各Xは、独立して、C、R、またはKである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
上記アネキシン1結合化合物は、IFLLWQRCX(配列番号21のアミノ酸1〜9)、IFLLWQRCXX(配列番号21のアミノ酸1〜10)、IFLLWQRCXXX(配列番号21のアミノ酸1〜11)、IFLLWQRCXXXX(配列番号21)からなり得、ここで各Xは、独立して、CまたはRである。いくつかの形態において、上記Xのうちの1個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Cであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの2個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの3個は、Rであり得る。いくつかの形態において、上記Xのうちの4個は、Rであり得る。
いくつかの形態において、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列番号21のアミノ酸1〜8において、1つ以上の保存的アミノ酸置換を有し得る。いくつかの形態において、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に対して少なくとも55%の配列同一性を有し得、ここで、上記アネキシン1結合化合物とIFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。いくつかの形態において、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に対して少なくとも70%の配列同一性を有し得る。いくつかの形態において、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。いくつかの形態において、上記アネキシン1結合化合物は、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)の少なくとも5個の連続したアミノ酸を有する。いくつかの形態において、上記アネキシン1結合化合物は、配列IFLLWQRCR(配列番号17)、IFLLWQRCRR(配列番号19)、IFLLWQRCRRR(配列番号18)、またはIFLLWQRCRRRR(配列番号22)の少なくとも6個の連続したアミノ酸を有する。
上記アネキシン1結合化合物は、アミノ酸1〜7に保存的アミノ酸置換を有さないか、1つ有するかまたは1つ超有する配列番号20のアミノ酸1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号20のアミノ酸1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列番号20のアミノ酸1〜7に対して少なくとも55%の配列同一性を有し得、ここで、上記アネキシン1結合化合物と配列番号20のアミノ酸1〜7との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号20のアミノ酸1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列番号20のアミノ酸1〜7に対して少なくとも70%の配列同一性を有し得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号20のアミノ酸1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得、配列IFLLWQR(配列番号20のアミノ酸1〜7)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列番号20のアミノ酸1〜7に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号20のアミノ酸1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号20のアミノ酸1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号20のアミノ酸8、またはアミノ酸8〜9、8〜10、8〜11、または8〜12、および配列番号20のアミノ酸1〜7のうちの少なくとも5個の連続したアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号20のアミノ酸1〜8、1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得、配列番号20のアミノ酸1〜7のうちの少なくとも6個の連続したアミノ酸を含み得る。
上記アネキシン1結合化合物は、アミノ酸1〜8に保存的アミノ酸置換を有さないか、1つ有するかまたは1つ超有する配列番号21のアミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号21のアミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列番号21のアミノ酸1〜8に対して少なくとも55%の配列同一性を有し得、ここで、上記アネキシン1結合化合物と配列番号21のアミノ酸1〜8との間の違いは、保存的アミノ酸置換からなる。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号21のアミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列番号21のアミノ酸1〜7に対して少なくとも70%の配列同一性を有し得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号21のアミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得、配列IFLLWQRC(配列番号21のアミノ酸1〜8)に相当する上記アネキシン1結合化合物の構成部分は、配列番号21のアミノ酸1〜8に対して少なくとも80%の配列同一性を有し得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号21のアミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号21のアミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、または1〜12からなり得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号21のアミノ酸9、またはアミノ酸9〜10、9〜11、または9〜12、および配列番号21のアミノ酸1〜8のうちの少なくとも5個の連続したアミノ酸を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、配列番号21のアミノ酸9、またはアミノ酸9〜10、9〜11、または9〜12、および配列番号21のアミノ酸1〜8のうちの少なくとも6個の連続したアミノ酸を含み得る。
開示されるペプチドおよび組成物は、あらゆる数のアネキシン1結合アミノ酸配列を含み得る。例として、上記組成物は、少なくとも1、5、10、15、20、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、625、750、775、800、825、850、875、900、925、950、975、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2250、2500、2750、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、75,000、または100,000、またはそれより多くのアネキシン1結合アミノ酸配列を含み得る。上記ペプチドまたは組成物はまた、上に列挙された数の間のあらゆる数を含み得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「ホーミング分子」は、インビボで、他の組織または正常組織よりも好んで指定された標的部位または組織に選択的に向かう任意の分子を意味する。同様に、用語「ホーミングペプチド」または「ホーミングペプチドミメティック(peptidomimetic)」は、インビボで、他の組織または正常組織よりも好んで指定された標的部位または組織に選択的に向かうペプチドを意味する。インビボで、例えば、腫瘍に選択的に向かうホーミング分子は、全ての腫瘍に向かうことができること、または腫瘍タイプのうちの1つまたは部分集合への優先的なホーミングを示し得ることが理解される。
「選択的に向かう」とは、インビボで、上記ホーミング分子が、非標的と比較して、優先的に標的に結合することを意味する。例えば、上記ホーミング分子は、非腫瘍性組織または非脈管組織と比較して、優先的に腫瘍血管系に結合し得る。このようなホーミング分子は、例えば、腫瘍に選択的に向かうことができる。例えば、腫瘍への選択的なホーミングは、一般に、非腫瘍組織のうちの数個の組織タイプと比較して、腫瘍(または他の標的)内での少なくとも2倍多いの局在によって特徴づけられる。ホーミング分子は、非腫瘍性組織のうちの数個もしくは多くの組織タイプと比較、またはほとんどもしくは全ての非腫瘍性組織と比較して、腫瘍(または他の標的)への5倍、10倍、20倍、またはそれより多くの優先的な局在によって特徴づけられ得る。従って、いくつかの場合、ホーミング分子は、標的組織へのホーミングの他に、部分的に、1つ以上の正常器官に向かうことが理解される。選択的なホーミングはまた、標的化と称され得る。
多くのホーミング分子およびホーミングペプチドは、標的組織の血管系に向かう。しかし、ホーミングは、便宜のために本明細書中のいくつかの箇所において、ホーミング分子またはホーミングペプチドが実際に向かってもよい血管系に結合する組織または細胞へのホーミングと称される。従って、例えば、腫瘍血管系に向かうホーミングペプチドは、本明細書中で腫瘍組織へのホーミングまたは腫瘍細胞へのホーミングと称され得る。ホーミング分子もしくはホーミングペプチドを、例えば、タンパク質、ペプチド、アミノ酸配列、もしくは組成物に含ませるか、または結合させることによって、上記タンパク質、ペプチド、アミノ酸配列、もしくは組成物は、標的化することができるか、または上記ホーミング分子もしくはホーミングペプチドの標的に向かうことができる。この手法で、上記タンパク質、ペプチド、アミノ酸配列、または組成物は、上記ホーミング分子またはホーミングペプチドの標的に向かうと言われ得る。便宜のために、そしてそうでないと示されない限り、タンパク質、ペプチド、アミノ酸配列、組成物などのホーミングへの言及は、上記タンパク質、ペプチド、アミノ酸配列、組成物などが、適切なホーミング分子またはホーミングペプチドを含むこと、またはこれらに結合することを示すと意図される。
上記組成物、ペプチド、またはアミノ酸配列は、選択的に腫瘍に向かい得る。上記組成物、ペプチド、またはアミノ酸配列は、選択的に腫瘍血管系に向かい得る。上記組成物、ペプチド、またはアミノ酸配列は、1つ以上の特定のタイプの腫瘍に選択的に向かい得る。上記組成物、ペプチド、またはアミノ酸配列は、1つ以上の特定のタイプの腫瘍の血管系に選択的に向かい得る。上記組成物、ペプチド、またはアミノ酸配列は、1つ以上の特定の病期の腫瘍またはがんに選択的に向かい得る。上記組成物、ペプチド、またはアミノ酸配列は、1つ以上の特定の病期の腫瘍またはがんの血管系に選択的に向かい得る。上記組成物、ペプチド、またはアミノ酸配列は、1つ以上の特定の病期の1つ以上のタイプの腫瘍に選択的に向かい得る。上記組成物、ペプチド、またはアミノ酸配列は、1つ以上の異なる病期の1つ以上の特定のタイプの腫瘍の血管系に選択的に向かい得る。
開示されるアネキシン1結合化合物は、アネキシン1結合化合物の改変された形態を含み得る。上記アネキシン1結合化合物は、任意の有用な改変を有し得る。例えば、いくつかの改変は、上記アネキシン1結合化合物を安定化し得る。例えば、開示されるアネキシン1結合アミノ酸配列は、メチル化されたアネキシン1結合アミノ酸配列を含む。
本明細書中で用いられる場合、タンパク質、ペプチド、アミノ酸セグメント、アミノ酸配列などの「メチル化された誘導体」は、メチル化された上記タンパク質、ペプチド、アミノ酸セグメント、アミノ酸配列などの形態を指す。文脈がそうでないと示さない限り、タンパク質、ペプチド、アミノ酸セグメント、アミノ酸配列などのメチル化された誘導体への言及は、メチル化以外に、基礎のタンパク質、ペプチド、アミノ酸セグメント、アミノ酸配列などについてのどの改変も含まない。メチル化された誘導体はまた、他の改変を有し得るが、このような改変は、一般に言及される。例えば、アミノ酸配列の保存的バリアントは、基礎とされるアミノ酸配列の保存的アミノ酸置換を含む。従って、例えば、具体的なアミノ酸配列の「メチル化された誘導体」、「およびその保存的バリアント」への言及は、上記具体的なアミノ酸配列のメチル化された形態、および上記具体的なアミノ酸配列の保存的バリアントのメチル化された形態を含むが、誘導物(derivation)の任意の他の改変は含まない。別の例として、アミノ酸置換を含むアミノ酸セグメントのメチル化された誘導体への言及は、上記アミノ酸配列のメチル化された形態、およびアミノ酸置換を含むアミノ酸配列のメチル化された形態を含む。
ペプチドは、多様な改変を有し得る。改変は、上記ペプチドの特性を変える、または改善するために使用され得る。例えば、開示されるペプチドは、1つ以上のアミノ酸における、N−メチル化、O−メチル化、S−メチル化、C−メチル化、または組み合わせであり得る。
開示されるペプチドのアミノ末端および/またはカルボキシ末端は、改変され得る。アミノ末端の改変としては、メチル化(例えば、−NHCH、または−N(CH3))、アセチル化(例えば、酢酸、またはそのハロゲン化誘導体(例えば、α−クロロ酢酸、α−ブロモ酢酸、またはα−ヨード酢酸)を用いて)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)基を加えること、またはRCOO−によって定義されるカルボキシレート官能性もしくはR−SO−によって定義されるスルホニル官能性(ここでRは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびアルキルアリールなどからなる群から選択される)を含む任意のブロック基、ならびに同様の基でアミノ末端をブロックすることが挙げられる。当業者はまた、デスアミノ酸をN末端に組み込んで(その結果、N末端アミノ基がなくなる)、プロテアーゼに対する感受性を減少させるか、またはペプチド化合物のコンフォメーションを制限し得る。好ましい実施形態において、上記N末端は、酢酸または無水酢酸でアセチル化される。
カルボキシ末端の改変は、遊離酸をカルボキサミド基と置き換える工程、または環状ラクタムをカルボキシ末端において形成して、構造上の拘束を導入する工程を含む。当業者はまた、開示されるペプチドを環化するか、または末端のアミノ基またはカルボキシル基が存在しないように、ペプチドの末端においてデスアミノもしくはデスカルボキシ残基を組み込んで、プロテアーゼに対する感受性を減少させるか、またはペプチドのコンフォメーションを制限し得る。開示されるペプチドのC末端の官能基としては、アミド、低級アルキルアミド(amide lower alkyl)、ジ(低級アルキル)アミド(amide di(lower alkyl))、低級アルコキシ、ヒドロキシ、およびカルボキシ、ならびにそれらの低級エステル誘導体、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩が挙げられる。
当業者は、遺伝的にコードされたアミノ酸(または立体異性体のDアミノ酸)の天然に存在する側鎖を、他の側鎖、例えば、基(例えば、アルキル、低級(C1〜6)アルキル、環状4員、5員、6員、7員アルキル、アミド、低級アルキルアミド ジ(低級アルキル)アミド、低級アルコキシ、ヒドロキシ、およびカルボキシ、ならびにそれらの低級エステル誘導体)で、および4員、5員、6員、7員複素環式基で置き換えることができる。特に、プロリン残基の環のサイズが5員から4員、6員、または7員に変えられるプロリン類似体が用いられ得る。環式基(cyclic group)は、飽和であっても不飽和であってもよく、不飽和の場合、芳香族であっても非芳香族であってもよい。複素環式基は、好ましくは、1つ以上の窒素、酸素、および/または硫黄ヘテロ原子を含む。このような基の例としては、フラザニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル(例えば、モルホリノ)、オキサゾリル、ピペラジニル(例えば、1−ピペラジニル)、ピペリジル(例えば、1−ピペリジル、ピペリジノ)、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル(例えば、1−ピロリジニル)、ピロリニル(pyrrolinyl)、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、チオモルホリニル(例えば、チオモルホリノ)、およびトリアゾリルが挙げられる。これらの複素環式基は、置換されていても非置換であってもよい。基が置換される場合、その置換基は、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、酸素、または置換または非置換のフェニルであり得る。
当業者はまた、リン酸化、および他の方法[例えば、Hruby,et al.(1990) Biochem J.268:249−262に記載されるような]によってペプチドを容易に改変し得る。
開示されるペプチドはまたは、同様の生物学的活性を有する非ペプチド性化合物についての構造モデルとして役立つ。当業者は、多様な技術が、リードペプチド化合物と同じまたは同様の所望される生物学的活性を有する化合物、また溶解性、安定性、および加水分解およびタンパク質分解に対する感受性に関して、リードペプチド化合物よりも好都合な活性を有する化合物を構築するのに利用可能であることを認識する[Morgan and Gainor(1989)Ann.Rep.Med.Chem.24:243−252を参照のこと]。これらの技術としては、ペプチド骨格を、ホスホネート、アミデート、カルバメート、スルホンアミド、第二級アミン、およびN−メチルアミノ酸から構成される骨格と置き換える工程が挙げられるが、これに限定されない。
開示されるアネキシン1結合化合物、ペプチド、アミノ酸配列、成分、治療剤などの全ては、本明細書中に記載されるように使用され得る。本明細書中に記載されるあらゆる一般のまたは特定のアネキシン1結合化合物、ペプチド、アミノ酸配列、成分、治療剤などは、個々にまたは群においてのいずれかで、アネキシン1結合化合物、ペプチド、アミノ酸配列、成分、治療剤などの任意の組に具体的に含まれ得るか、またはその任意の組から具体的に除外され得、そして/あるいは任意の使用に具体的に含まれ得るか、または任意の使用から具体的に除外され得る。例えば、I−ペプチドおよび/またはI−ペプチドの配列バリアントは、例えば、アネキシン1結合化合物、ペプチド、アミノ酸配列などの任意の組から具体的に除外され得、そして/または任意の使用から具体的に除外され得る。別の例として、ゲルダナマイシンは、例えば、成分、治療剤などの任意の組から具体的に除外され得、そして/または任意の使用から具体的に除外され得る。別の例として、IF7(配列番号2)および/またはIF7の配列バリアントは、例えば、アネキシン1結合化合物、ペプチド、アミノ酸配列などの任意の組から具体的に除外され得、そして/または任意の使用から具体的に除外され得る。本明細書中に記載されるあらゆる一般のまたは特定のアネキシン1結合化合物、ペプチド、アミノ酸配列、成分、治療剤などは、個々にまたは群においてのいずれかで、本明細書中に記載されるようなアネキシン1結合化合物、ペプチド、アミノ酸配列、成分、治療剤など任意の組に具体的に含まれ得るか、またはその任意の組から具体的に除外され得、そして/あるいは本明細書中に記載されるような任意の使用に具体的に含まれ得るか、またはそのような任意の使用から具体的に除外され得る。
B.ペプチドおよびアミノ酸配列
いくつかの形態において、開示されるペプチドおよびアミノ酸配列は、ペプチド、ペプチドミメティック、および/またはアミノ酸セグメントであり得るか、これらを含み得る。文脈がそうでないと示さない限り、本明細書中での「ペプチド」への言及は、また、ペプチドの一部を形成し得るアミノ酸配列、またはペプチド全体を構成するアミノ酸配列を指すことが意図される。開示されるペプチドは、単離された形態であり得る。開示されるペプチドに関して本明細書中で用いられる場合、用語「単離された」は、材料(例えば、混入しているポリペプチド、脂質、核酸、および細胞において通常上記ペプチドに結合するか、またはライブラリーもしくは粗製調製物において上記ペプチドに結合する他の細胞材料)を相対的に含まない形態であるペプチドを意味する。
開示されるペプチドおよびアミノ酸配列は、任意の適切な長さを有し得る。開示されるペプチドは、例えば、6残基未満、7残基未満、8残基未満、9残基未満、10残基未満、12残基未満、15残基未満、20残基未満、25残基未満、30残基未満、35残基未満、または40残基未満の比較的短い長さを有し得る。開示されるペプチドはまた、顕著により長い配列の関連において有用であり得る。従って、上記ペプチドは、例えば、50残基まで、100残基まで、150残基まで、200残基まで、250残基まで、300残基まで、400残基まで、500残基まで、1000残基まで、または2000残基までの長さを有し得る。特定の実施形態において、ペプチドは、少なくとも10残基、少なくとも20残基、少なくとも30残基、少なくとも40残基、少なくとも50残基、少なくとも60残基、少なくとも70残基、少なくとも80残基、少なくとも90残基、少なくとも100残基、または少なくとも200残基の長さを有し得る。さらなる実施形態において、ペプチドは、5〜200残基、5〜100残基、5〜90残基、5〜80残基、5〜70残基、5〜60残基、5〜50残基、5〜40残基、5〜30残基、5〜20残基、5〜15残基、5〜10残基、10〜200残基、10〜100残基、10〜90残基、10〜80残基、10〜70残基、10〜60残基、10〜50残基、10〜40残基、10〜30残基、10〜20残基、20〜200残基、20〜100残基、20〜90残基、20〜80残基、20〜70残基、20〜60残基、20〜50残基、20〜40残基、または20〜30残基の長さを有し得る。本明細書中で用いられる場合、用語「残基」は、アミノ酸、またはアミノ酸類似体を指す。
開示されるアミノ酸配列は、例えば、6残基未満、7残基未満、8残基未満、9残基未満、10残基未満、12残基未満、15残基未満、20残基未満、25残基未満、30残基未満、35残基未満、または40残基未満の比較的短い長さを有し得る。開示されるアミノ酸配列はまた、顕著により長い配列の関連において有用であり得る。従って、上記アミノ酸配列は、例えば、50残基まで、100残基まで、150残基まで、200残基まで、250残基まで、300残基まで、400残基まで、500残基まで、1000残基まで、または2000残基までの長さを有し得る。特定の実施形態において、アミノ酸配列は、少なくとも10残基、少なくとも20残基、少なくとも30残基、少なくとも40残基、少なくとも50残基、少なくとも60残基、少なくとも70残基、少なくとも80残基、少なくとも90残基、少なくとも100残基、または少なくとも200残基の長さを有し得る。さらなる実施形態において、アミノ酸配列は、5〜200残基、5〜100残基、5〜90残基、5〜80残基、5〜70残基、5〜60残基、5〜50残基、5〜40残基、5〜30残基、5〜20残基、5〜15残基、5〜10残基、10〜200残基、10〜100残基、10〜90残基、10〜80残基、10〜70残基、10〜60残基、10〜50残基、10〜40残基、10〜30残基、10〜20残基、20〜200残基、20〜100残基、20〜90残基、20〜80残基、20〜70残基、20〜60残基、20〜50残基、20〜40残基、または20〜30残基の長さを有し得る。本明細書中で用いられる場合、用語「残基」は、アミノ酸、またはアミノ酸類似体を指す。
本明細書が、種々のタンパク質、タンパク質配列、ペプチド、ペプチド配列、およびアミノ酸配列を議論しているとおりに、これらの配列をコードし得る核酸も開示されることが理解される。このことは、具体的なタンパク質配列に関連する全ての縮重配列、すなわち、1つの特定のタンパク質配列をコードする配列を有する全ての核酸、ならびに上記タンパク質配列の開示されるバリアントおよび誘導体をコードする全ての核酸(縮重核酸が挙げられる)を含む。従って、それぞれの特定の核酸配列が、本明細書中で書き出されていないことがあるが、各配列およびあらゆる配列が、開示されるタンパク質配列を介して、本明細書中で実際に開示および記載されることが理解される。
ペプチドに似ているが、天然のペプチド連結を介してつながれていない分子が、生成され得る。例えば、アミノ酸またはアミノ酸類似体についての連結としては、−CHNH−、−CHS−、−CH−CH−、−CH=CH−(cisおよびtrans)、−COCH−、−CH(OH)CH−、および−CHSO−が挙げられ得る。これらおよび他のものは、Spatola,A.F.in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides,and Proteins,B.Weinstein,eds.,Marcel Dekker,New York,p.267(1983);Spatola,A.F.,Vega Data(March 1983),Vol.1,Issue 3,Peptide Backbone Modifications(一般概説);Morley,Trends Pharm Sci(1980)pp.463−468;Hudson,D.et al.,Int J Pept Prot Res 14:177−185(1979)(−CHNH−、−CHCH−);Spatola et al.Life Sci 38:1243−1249(1986)(−CHS−);Hann J.Chem.Soc Perkin Trans.I 307−314(1982)(−CH=CH−、cisおよびtrans);Almquist et al.J.Med.Chem.23:1392−1398(1980)(−COCH−);Jennings−White et al.Tetrahedron Lett 23:2533(1982)(−COCH−);Szelke et al.European Appln,EP 45665 CA(1982):97:39405(1982)(−CH(OH)CH−);Holladay et al.Tetrahedron.Lett 24:4401−4404(1983)(−CH(OH)CH−);およびHruby Life
Sci 31:189−199(1982)(−CH−S−)において見出され得、これらのそれぞれは、本明細書中で参考として援用される。特に好ましい非ペプチド連結は、−CHNH−である。ペプチド類似体は、結合原子(例えば、β−アラニン、およびγ−アミノ酪酸など)間に1つ超の原子を有し得ることが理解される。
例えば、別個の機能を有する第二のペプチドに縮合されるアネキシン1結合ペプチドを含む二官能性ペプチドがまた、開示される。このような二官能性ペプチドは、全長の分子の異なる構成部分(different portions)によって与えられる少なくとも2つの機能を有し、例えば、腫瘍ホーミングの他に抗血管新生活性、またはアポトーシス促進活性(pro−apoptotic activity)を表し得る。
それぞれが独立してペプチドまたはアミノ酸配列(例えば、アミノ酸配列(配列番号2)、または保存的バリアントもしくはそのペプチドミメティック)を含む少なくとも2つの部分配列(subsequence)を含む単離された多価のペプチドがまた、開示される。上記多価のペプチドは、例えば、それぞれが独立してペプチドを含むこのような部分配列のうちの少なくとも3個、少なくとも5個、または少なくとも10個を有し得る。特定の実施形態において、上記多価のペプチドは、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、または20個の、同一部分配列または非同一部分配列を有し得る。これは、開示される組成物に含まれ得る複数のアネキシン1結合アミノ酸配列に加えてのことである。さらなる実施形態において、上記多価のペプチドは、同一部分配列(例えば、配列番号2の繰り返し)を含み得る。さらなる実施形態において、上記多価のペプチドは、任意の介在アミノ酸によって分離されない隣接する同一部分配列または非同一部分配列を含む。
本明細書で用いられる場合、用語「ペプチド」は、ペプチド、タンパク質、およびタンパク質のフラグメントなどを意味するために広く使用される。本明細書で用いられる場合、用語「ペプチドミメティック」は、それが構造的な基礎となるペプチドの活性を有するペプチド様分子を意味する。このようなペプチドミメティックとしては、化学的に改変されたペプチド、天然に存在しないアミノ酸を含むペプチド様分子、およびペプトイドが挙げられ、ペプチドミメティックが由来するペプチドの標的との選択的相互作用などの活性を有する(例えば、Goodman and Ro,Peptidomimetics for Drug Design,in「Burger’s Medicinal Chemistry and Drug Discovery」Vol.1(ed.M.E.Wolff;John Wiley & Sons 1995),pages 803−861を参照のこと)。
多様なペプチドミメティックは、当該分野において公知であり、例えば、拘束されたアミノ酸、ペプチド二次構造を模倣する非ペプチド構成要素を含むペプチド様分子、またはアミド結合等価体(isostere)が挙げられる。拘束された天然に存在しないアミノ酸を含むペプチドミメティックは、例えば、α−メチル化アミノ酸;α,α.−ジアルキルグリシンまたはα−アミノシクロアルカンカルボン酸;Nα−Cα環化アミノ酸;Nα−メチル化アミノ酸;β−またはγ−アミノシクロアルカンカルボン酸;α,β−不飽和アミノ酸;β,β−ジメチルまたはβ−メチルアミノ酸;β−置換−2,3−メタノアミノ酸;N−CεまたはCα−CΔ環化アミノ酸;置換プロリン、または別のアミノ酸ミメティックを含み得る。ペプチド二次構造を模倣するペプチドミメティックは、例えば、非ペプチド性β−ターン模擬体;γ−ターン模擬体;β−シート構造の模擬体;または螺旋構造の模擬体を含み得、これらのそれぞれは、当該分野において周知である。ペプチドミメティックはまた、例えば、アミド結合等価体(例えば、レトロ−インバース(retro−inverse)改変;還元アミド結合;メチレンチオエーテル、またはメチレン−スルホキシド結合;メチレンエーテル結合;エチレン結合;チオアミド結合;trans−オレフィンまたはフルオロオレフィン結合;1,5−二置換テトラゾール環;ケトメチレンまたはフルオロケトメチレン結合)、または別のアミド結合等価体を含むペプチド様分子であり得る。当業者は、これらおよび他のペプチドミメティックが、本明細書中で用いられる場合、用語「ペプチドミメティック」の意味内に包含されることを理解する。
ペプチドミメティックを同定するための方法は、当該分野において周知であり、例えば、潜在的なペプチドミメティックのライブラリーを含むデータベースのスクリーニングが挙げられる。例として、Cambridge Structural Databaseは、公知の結晶構造を有する300,000よりも多い化合物のコレクションを含む(Allen et al.,Acta Crystalloqr.Section B,35:2331(1979))。この構造デポジトリー(structural depository)は、新しい結晶構造が決定されるにつれ、絶えず更新され、適切な形(例えば、開示されるペプチドと同じ形)、ならびに標的分子に対して潜在的な幾何学的および化学的相補性を有する化合物についてスクリーニングされ得る。ペプチドまたはそのペプチドを結合する標的分子の結晶構造が利用可能でない場合、構造は、例えば、プログラムCONCORD(Rusinko et al.,J.Chem.Inf.Comput.Sci.29:251(1989))を用いて生成され得る。別のデータベースAvailable Chemicals Directory(Molecular Design Limited,Information Systems;San Leandro Calif)は、市販される約100,000の化合物を含み、また、例えば、がん性細胞と選択的に相互作用する活性を有するペプチドの潜在的なペプチドミメティックを同定するために検索され得る。
C.成分
本明細書中で開示される組成物は、1つ以上の成分を含み得る。例えば、成分は、分子、結合体、結合したもの(association)、組成物、および混合物であり得る。成分の例としては、抗血管新生剤、血管新生促進剤、がん化学療法剤、細胞傷害性薬剤、抗炎症剤、抗関節炎剤、ポリペプチド、核酸分子、低分子、ナノ粒子、および、ミクロ粒子が挙げられるが、これらに限定されない。上記成分のうちの少なくとも1つは、治療剤であり得る。治療剤の例は、パクリタキセルおよびドセタキセルである。上記成分のうちの少なくとも1つは、検出可能な剤であり得る。ペプチドまたはアミノ酸配列である成分は、それぞれ、成分ペプチドまたは成分アミノ酸配列と称され得る。
本明細書中で用いられる場合、用語「成分」は、一般に、連結または結合体化された分子に生物学的に有用な機能を付与する物理的材料、化学的材料、または生物学的材料を意味するために広く使用される。本明細書中で開示される場合、成分の特性はまた、ペプチドもしくはアミノ酸配列において、またはそのペプチドもしくはアミノ酸配列の両方において見出され得、上記成分は、本明細書中で開示される形質のうちの1つを共有し得る。例えば、上記ペプチドまたはアミノ酸配列は、検出可能な剤を含み得、他方、上記成分は、治療剤を含み得る。このことは、本明細書中で開示されるような成分の特性のうちの1つ以上を含み得るアネキシン1結合化合物についても適用される。以下の治療剤および検出可能な剤の記載は、成分、ペプチド、アミノ酸配列、またはアネキシン1結合化合物のうちのいずれかに適用することが意図される。従って、例えば、成分は、開示されるペプチド、アミノ酸配列、アネキシン1結合化合物、組成物、もしくはペプチド、アミノ酸配列、およびアネキシン1結合化合物の結合体に結合体化され得、これらに結合され(coupled)得、またはこれらの一部であり得る。
成分は、任意の天然または天然ではない材料であり得、限定することなく、生物学的材料(例えば、細胞、ファージ、または他のウイルス);有機化学物質(例えば、低分子);ナノ粒子、放射性核種;核酸分子もしくはオリゴヌクレオチド;ポリペプチド;またはペプチドが挙げられる。例えば、成分(例えば、治療効果を有する成分)は、標的に影響し得るか、または上記標的(例えば、蛍光分子または放射性核種)の検出、視覚化、または画像化を容易にし得る。有用な成分としては、治療剤(例えば、がん化学療法剤、細胞傷害性薬剤、アポトーシス促進剤、および抗血管新生剤;検出可能な標識および画像化剤;ならびにタグまたは他の不溶性支持体が挙げられるが、これらに限定されない。有用な成分としては、限定することなく、ファージおよび他のウイルス、細胞、リポソーム、重合体マトリックス、非重合体マトリックスまたは粒子(例えば、金粒子)、マイクロデバイス、およびナノデバイス、ならびにナノスケール半導体材料がさらに挙げられる。これらおよび当該分野において公知である他の成分は、組成物の構成要素であり得る。
開示される組成物の構成要素は、任意の適切な様式で組み合わせられ得、連結され得、および/または結合され得る。例えば、成分および他の分子は、共有結合的または非共有結合的に、直接的または間接的に、リンカー成分を有してかまたは有さずに、結合され得る。
1.治療剤
上記成分は、治療剤であり得る。本明細書中で用いられる場合、用語「治療剤」は、正常組織または病的組織において、1つ以上の生物学的活性を有する分子を意味する。多様な治療剤は、成分として使用され得る。上記治療剤は、がんを処置するための化合物または組成物を含み得る。上記治療剤は、プログラム細胞死またはアポトーシスを誘導するための化合物または組成物を含み得る。例えば、上記治療剤は、(KLAKLAK)または(KLAKLAK)(配列番号24)であり得る。
いくつかの実施形態において、上記治療剤は、がん化学療法剤であり得る。本明細書中で用いられる場合、「がん化学療法剤」は、がん細胞の増殖、成長、寿命、または転移活性を阻害する化学薬剤である。このようながん化学療法剤は、限定することなく、タキサン(例えば、ドセタキセル);アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン);アルキル化剤;ビンカアルカロイド;代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート);白金薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、またはオキサリプラチン);ステロイド;抗生物質(例えば、アドリアマイシン);イホスファミド;または選択的エストロゲン受容体モデュレータ;抗体(例えば、トラスツズマブ);パクリタキセル(例えば、Abraxane)であり得る。
タキサンは、本明細書中に開示される組成物とともに有用な化学療法剤である。有用なタキサンとしては、限定することなく、ドセタキセル(Taxotere;sanofi−aventis;Parsippany,N.J.)およびパクリタキセル(Taxol;Bristol−Myers Squibb;Princeton,N.J.)が挙げられる。例えば、Chan et al.,J.Clin.Oncol.17:2341−2354(1999)、およびParidaens et al.,J.Clin.Oncol.18:724(2000)を参照のこと。
本明細書中に開示される組成物とともに有用ながん化学療法剤はまた、アントラサイクリン(例えば、ドキソルビシン、イダルビシン、またはダウノルビシン)であり得る。ドキソルビシンは、一般的に使用されるがん化学療法剤であり、例えば、乳がんを処置するのに有用であり得る(Stewart and Ratain,In:「Cancer:Principles and practice of oncology」5th ed.,chap.19(eds.DeVita,Jr.,et al.;J.P.Lippincott 1997);Harris et al.,In 「Cancer:Principles and practice of oncology,」上記、1997)。さらに、ドキソルビシンは、抗血管新生活性を有し、(Folkman,Nature Biotechnology 15:510(1997);Steiner,In 「Angiogenesis:Key principles−Science,technology and medicine,」pp.449−454(eds.Steiner et al.;Birkhauser Verlag,1992))、このことは、がんを処置することにおけるその有効性に寄与し得る。
アルカリ化剤(例えば、メルファラン、イホスファミド、またはクロラムブシル)はまた、有用ながん化学療法剤であり得る。同様に、ビンカアルカロイド(例えば、ビンデシン、ビンブラスチン、またはビノレルビン);または代謝拮抗物質(例えば、5−フルオロウラシル、5−フルオロウリジン、メトトレキサート、またはそれらの誘導体)は、有用ながん化学療法剤であり得る。
白金薬剤はまた、有用ながん化学療法剤であり得る。このような白金薬剤は、例えば、Crown,Seminars in Oncol.28:28−37(2001)に記載されるような、例えば、シスプラチン、カルボプラチン、またはオキサリプラチンであり得る。他の有用ながん化学療法剤としては、限定することなく、マイトマイシン−C、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、およびアンサマイシンが挙げられる。
乳がんおよび他のホルモンに依存する(hormonally−dependent)がんの処置に有用であるがん化学療法剤はまた、エストロゲンの作用に拮抗する薬剤(例えば、選択的エストロゲン受容体モデュレータ、または抗エストロゲン)であり得る。上記選択的エストロゲン受容体モデュレータ、タモキシフェンは、乳がんの処置のための組成物において使用され得るがん化学療法剤である(Fisher et al.,J.Natl.Cancer Instit.90:1371−1388(1998))。
上記治療剤は、抗体(例えば、ヒト化モノクローナル抗体)であり得る。例として、抗上皮成長因子受容体2(HER2)抗体、トラスツズマブ(Herceptin;Genentech,South San Francisco,Calif.)は、HER2/neu過剰発現乳がんを処置するのに有用な治療剤であり得る(White et al.,Annu.Rev.Med.52:125−141(2001))。
有用な治療剤はまた、細胞傷害性薬剤であり得、本明細書中で用いられる場合、直接的または間接的に細胞死を促進する任意の分子であり得る。有用な細胞傷害性薬剤としては、限定することなく、低分子、ポリペプチド、ペプチド、ペプチドミメティック、核酸分子、細胞、およびウイルスが挙げられる。非限定的な例として、有用な細胞傷害性薬剤としては、細胞傷害性低分子(例えば、ドキソルビシン、ドセタキセル、またはトラスツズマブ);抗菌性ペプチド(例えば、下にさらに記載されるもの);アポトーシス促進性ポリペプチド(例えば、カスパーゼおよび毒素、例えば、カスパーゼ−8;ジフテリア毒素A鎖、シュードモナス外毒素A、コレラ毒素、リガンド融合毒素(例えば、DAB389EGF)、ヒマ毒素(リシン));および細胞傷害性細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)が挙げられる。例えば、Martin et al.,Cancer Res.60:3218−3224(2000);Kreitman and Pastan,Blood 90:252−259(1997);Allam et al.,Cancer Res.57:2615−2618(1997);およびOsborne and Coronado−Heinsohn,Cancer J.Sci.Am.2:175(1996)を参照のこと。当業者は、これら、および本明細書中に記載または当該分野において公知の追加の細胞傷害性薬剤が、開示される組成物および方法において有用であり得ることを理解する。
いくつかの形態において、治療剤は、治療ポリペプチドであり得る。本明細書中で用いられる場合、治療ポリペプチドは、生物学的に有用な機能を有する任意のポリペプチドであり得る。有用な治療ポリペプチドは、限定することなく、サイトカイン、抗体、細胞傷害性ポリペプチド;アポトーシス促進性ポリペプチド;および抗血管新生ポリペプチドを包含する。非制限的な例として、有用な治療ポリペプチドは、サイトカイン(例えば、腫瘍壊死因子−α(TNF−α))、腫瘍壊死因子−β(TNF−β)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、インターフェロン−α(IFN−α);インターフェロン−γ(IFN−γ)、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−3(IL−3)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−6(IL−6)、インターロイキン−7(IL−7)、インターロイキン−10(IL−10)、インターロイキン−12(IL−12)、リンホタクチン(LTN)、もしくは樹状細胞ケモカイン1(DC−CK1));抗HER2抗体もしくはそのフラグメント;細胞傷害性ポリペプチド(毒素もしくはカスパーゼ、例えば、ジフテリア毒素A鎖、シュードモナス外毒素A、コレラ毒素、リガンド融合毒素(例えば、DAB389EGF)、もしくはリシンが挙げられる);または抗血管新生ポリペプチド(例えば、アンギオスタチン、エンドスタチン、トロンボスポンジン、血小板第4因子;アナステリン);または本明細書中にさらに記載されるもの、もしくは当該分野において公知であるものうちのあるもの、であり得る。これらおよび生物学的活性を有する他のポリペプチドは、「治療ポリペプチド」であり得ることが理解される。アポトーシス促進性治療剤の例は、(KLAKLAK)または(KLAKLAK)(配列番号24)(del Rio,2001;Ellerby、1999)である。(KLAKLAK)(配列番号24)は、Dアミノ酸を用いて作製された配列KLAKLAKKLAKLAK(配列番号24)を指す。これらのペプチドは、開示される組成物のいずれかにおいて使用され得、開示されるペプチドまたはアネキシン1結合化合物のいずれかと組み合わせられ得る。このような組成物の例としては、IFLLWQR−KLAKLAKKLAKLAK(配列番号2および24)、IFLLWQRC−KLAKLAKKLAKLAK(配列番号14および24)、IFLLWQRCR−KLAKLAKKLAKLAK(配列番号17および24)、IFLLWQRCRR−KLAKLAKKLAKLAK(配列番号19および24)、IFLLWQRCRRR−KLAKLAKKLAKLAK(配列番号18および24)、またはIFLLWQRCRRRR−KLAKLAKKLAKLAK(配列番号22および24)が挙げられる。
治療剤はまた、抗血管新生剤であり得る。本明細書中で用いられる場合、用語「抗血管新生剤」は、血管の成長および発生である血管新生を低減または防止する分子を意味する。多様な抗血管新生剤は、日常の方法によって調製され得る。このような抗血管新生剤としては、限定することなく、低分子;タンパク質(例えば、血管新生因子、転写因子、および抗体のドミナントネガティブ形態);ペプチド;ならびに核酸分子(リボザイム、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ならびに核酸分子(例えば、血管新生因子および受容体、転写因子、ならびに、抗体およびその抗原結合フラグメントのドミナントネガティブ形態をコードする)が挙げられる)が挙げられる。例えば、Hagedorn and Bikfalvi,Crit.Rev.Oncol.Hematol.34:89−110(2000),およびKirsch et al.,J.Neurooncol.50:149−163(2000)を参照のこと。
血管内皮成長因子(VEGF)は、多くのタイプのがんにおける血管新生について重要であることが示されており、それには、インビボでの乳がんにおける血管新生が挙げられる(Borgstrom et al.,Anticancer Res.19:4213−4214(1999))。VEGFの生物学的効果としては、内皮細胞の増殖、生存、移動、および管形成の刺激、ならびに血管透過性の調節が挙げられる。抗血管新生剤は、例えば、VEGFまたは別の血管新生因子の、発現またはシグナル伝達を低減するインヒビターまたは中和抗体(例えば、抗VEGF中和モノクローナル抗体)(Borgstrom et al.,上記、1999)であり得る。抗血管新生剤はまた、別の血管新生因子(例えば、線維芽細胞成長因子ファミリーのメンバー(例えば、FGF−1(酸性)、FGF−2(塩基性)、FGF−4、またはFGF−5))(Slavin et al.,Cell Biol.19:431−444(1995);Folkman and Shing,J.Biol.Chem.267:10931−10934(1992))、または血管新生因子(例えば、内皮細胞特異的Tie2受容体チロシンキナーゼを介してシグナル伝達する因子であるアンジオポエチン−1(Davis et al.,Cell 87:1161−1169(1996);およびSuri et al.,Cell 87:1171−1180(1996))、またはこれらの血管新生因子のうちの1つの受容体を阻害し得る。多様なメカニズムは、血管新生因子の活性を阻害するために働き得ることが理解され、これには、限定することなく、受容体結合の直接的な阻害、血管新生因子の細胞外の空間への分泌を低減することによる間接的な阻害、または血管新生因子の発現、機能、もしくはシグナル伝達の阻害が挙げられる。
多様な他の分子はまた、抗血管新生剤として機能し得、これには、限定することなく、アンギオスタチン;アンギオスタチンのクリングルペプチド;エンドスタチン;アナステリン、フィブロネクチンのヘパリン結合フラグメント;アンチトロンビンの改変された形態;コラゲナーゼインヒビター;基底膜ターンオーバーインヒビター;血管新生抑制のステロイド(angiostatic steroid);血小板第4因子ならびにそのフラグメントおよびペプチド;トロンボスポンジンならびにそのフラグメントおよびペプチド;ならびにドキソルビシンが挙げられる(O’Reilly et al.,Cell 79:315−328(1994));O’Reilly et al.,Cell 88:277−285(1997);Homandberg et al.,Am.J.Path.120:327−332(1985);Homandberg et−al.,Biochim.Biophys.Acta 874:61−71(1986);およびO’Reilly et al.,Science 285:1926−1928(1999))。市販の抗血管新生剤としては、例えば、アンギオスタチン、エンドスタチン、メタスタチンおよび2ME2(EntreMed;Rockville,Md.);抗VEGF抗体(例えば、Avastin(Genentech;South San Francisco,Calif.));およびVEGFR−2インヒビター(例えば、SU5416(VEGFR−2の低分子インヒビター)(SUGEN;South San
Francisco,Calif.)、およびSU6668(SUGEN)(VEGFR−2、血小板由来成長因子受容体および線維芽細胞成長因子I受容体の低分子インヒビター))が挙げられる。これらおよび他の抗血管新生剤は、日常の方法によって調製され得ること、本明細書中で用いられる場合、用語「抗血管新生剤」によって包含されることが理解される。
有用な治療剤のいくつかの他の例としては、ナイトロジェンマスタード類、ニトロソ尿素類、エチレンイミン、アルカンスルホネート類、テトラジン、白金化合物、ピリミジン類似体、プリン類似体、代謝拮抗物質、フォレート類似体(folate analogs)、アントラサイクリン類、タキサン類、ビンカアルカロイド類、トポイソメラーゼインヒビター、およびホルモン剤が挙げられる。例示的な化学療法薬物は、アクチノマイシン−D、アルケラン、Ara−C、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、BiCNU、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルボプラチナム(Carboplatinum)、カルムスチン、CCNU、クロラムブシル、クロマファジン(Chlomaphazine)、シスプラチン、クラドリビン、CPT−11、シクロホスファミド、シタラビン、シトシンアラビノシド、サイトキサン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デクスラゾキサン、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標),Rhone−Poulenc Rorer,Antony,France)、ドキシル、ドキソルビシン、DTIC、エピルビシン、エストラムスチン、エチレンイミン、エトポシド、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルタミド、フォテムスチン、ゲムシタビン、ハーセプチン、ヘキサメチルアミン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロムスチン、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩(Mechlorethamine oxide
hydrochloride)、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトーテン、ミトザントロン、ノベムビエヒン、オキサリプラチン、パクリタキセル(TAXOL(登録商標),Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、パミドロネート、ペントスタチン、フェネステリン、プリカマイシン、プレドニムスチン、プロカルバジン、リツキシマブ、ステロイド類、STI−571、ストレプトゾシン、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テトラジン、チオグアニン、チオテパ、トムデックス、トポテカン、トレオスルファン、トリメトレキサート、トロホスファミド、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、VP−16、およびゼローダである。アルキル化剤(例えば、チオテパ、および;アルキルスルホネート類(例えば、ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファン);アジリジン類(例えば、ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパ);エチレンイミン類、およびメチラメラミン類(methylamelamines)(アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスファオラミド(triethylenethiophosphaoramide))およびトリメチロロメラミン(trimethylolomelamine)が挙げられる);ニトロソ尿素類(例えば、カヌスチン(Cannustine)、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン);抗生物質(例えば、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(Authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリケアマイシン、カラビシン(Carabicin)、カミノマイシン(Caminomycin)、カルジノフィリン、クロモイニシン類(Chromoinycins)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダムビシン(Idambicin)、マルセロマイシン、マイトマイシン類、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン類、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン(Potfiromycin)、プロマイシン、ケラマイシン(Quelamycin)、ロドルビシン(Rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、およびゾルビシン);代謝拮抗物質(例えば、メトトレキサート、および5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似体(folic acid analogues)(例えば、デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、およびトリメトレキサート);プリン類似体(例えば、フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、およびチオグアニン);ピリミジン類似体(例えば、アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、および5−FU);アンドロゲン類(例えば、カルステロン、ドロモスタノロンプロピオネート、エピチオスタノール、ルネピチオスタン(Rnepitiostane)、およびテストラクトン);抗副腎剤(anti−adrenals)(例えば、アミノグルテチミド、ミトーテン、およびトリロスタン);葉酸補充物(replenisher)(例えば、フロリン酸(frolinic acid));アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド(aldophosphamide glycoside);アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート(Edatraxate);デフォファミン(Defofamine);デメコルシン;ジアジコン;エルフォルニチン(Elfornithine);酢酸エリプチニウム;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトザントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK;ラゾキサン;シゾフラン(Sizofrran);スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(Gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド類(例えば、パクリタキセル、およびドセタキセル);ゲムシタビン;6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;白金類似体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン);エトポシド(VP−16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトザントロン;ビンブラスチン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;ゼローダ;イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼインヒビターRFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラマイシン類(Esperamicins);カペシタビン;および薬学的に受容可能な、上記のいずれかの塩、酸、または誘導体。また、腫瘍におけるホルモン作用を調節または阻害するように働く抗ホルモン剤(例えば、抗エストロゲン剤(例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼを阻害する4(5)−イミダゾール類、4ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、オナプリストン、およびトレミフェン(Fareston)が挙げられる);および抗アンドロゲン剤(例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリン));および薬学的に受容可能な、上記のいずれかの塩、酸、または誘導体が挙げられる。有用な治療剤としては、例えば、ドキソルビシン、ハーセプチン、およびリポソームドキソルビシンが挙げられる。
上記治療剤はまた、ホウ素含有化合物を含み得る。ホウ素含有化合物は、有機合成における技術がこの原子を含むように拡大しているので、過去数年間にわたって、治療剤として、ますます増加する注目を受けている(Boron Therapeutics on the horizon,Groziak,M.P.;American Journal of Therapeutics(2001)8,321−328)。最も注目すべきホウ素含有治療用物質は、多発性骨髄腫の処置のために最近世の中に送り出されたボロン酸ボルテゾミブである。この大発見により、薬学的薬剤としてホウ素含有化合物を用いることの実行可能性が実証される。ホウ素含有化合物は、種々の生物学的活性を有することが示されている(除草剤(Organic boron compounds as herbicides.Barnsley,G.E.;Eaton,J.K.;Airs,R.S.;(1957),DE 1016978 19571003)、ホウ素中性子捕捉療法(Molecular Design and Synthesis of B−10 Carriers for Neutron Capture Therapy.Yamamoto,Y.;Pure Appl.Chem.,(1991)63,423−426)、セリンプロテアーゼ阻害(Borinic acid inhibitors as probes of the factors involved in binding at the active sites of subtilisin Carlsberg and α−chymotrypsin.Simpelkamp,J.;Jones,J.B.;Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,(1992),2(11),1391−4;Design,Synthesis and Biological Evaluation of Selective Boron−containing Thrombin Inhibitors.Weinand,A.;Ehrhardt,C.;Metternich,R.;Tapparelli,C.;Bioorganic and Medicinal Chemistry,(1999),7,1295−1307)、アセチルコリンエステラーゼ阻害(New,specific and reversible bifunctional alkylborinic acid inhibitor of acetylcholinesterase.Koehler,K.A.;Hess,G.P.;Biochemistry(1974),13,5345−50)、および抗菌剤として(Boron−Containing Antibacterial Agents:Effects on Growth and Morphology of Bacteria Under Various Culture Conditions.Bailey,P.J.;Cousins,G.;Snow,G.A.;およびWhite,A.J.;Antimicrobial Agents and Chemotherapy,(1980),17,549−553)が挙げられる)。抗菌活性を有する上記ホウ素含有化合物は、2つの主要なクラス、1960年代から公知であるジアザボリニン類とジチエニルボリン酸(dithienylborinic acid)複合体とに細分され得る。この後者のクラスは、効力のある抗菌活性を有する、多くの異なるジアリールボリン酸複合体を含むように拡大している(Preparation of diarylborinic acid esters as DNA methyl transferase inhibitors.Benkovic,S.J.;Shapiro,L.;Baker,S.J.;Wahnon,D.C.;Wall,M.;Shier,V.K.;Scott,C.P.;Baboval,J.;PCT国際出願(2002),WO 2002044184)。
これらおよび他の薬剤が、開示される組成物および方法において、別個にまたは一緒に使用され得る有用な治療剤であることが、医薬腫瘍学(medicinal oncology)における当業者によって理解される。従って、本明細書中に開示される組成物がこのような治療剤のうちの1つ以上を含み得ること、および所望される場合、追加の構成要素がその組成物の一部として含まれ得ることが理解される。非限定的な例として、いくつかの場合において、開示されるペプチド、アミノ酸配列、およびアネキシン1結合化合物と上記治療剤との間で、オリゴペプチドスペーサーを利用することが所望され得る(Fitzpatrick and Garnett,Anticancer Drug Des.10:1−9(1995))。
2.検出可能な剤
開示される組成物における成分はまた、検出可能な剤であり得る。多様な検出可能な剤は、開示される方法において有用である。本明細書中で用いられる場合、用語「検出可能な剤」は、検出され得る任意の分子を指す。有用な検出可能な剤としては、インビボで投与され、その後検出され得る化合物および分子が挙げられる。開示される組成物および方法において有用である検出可能な剤としては、放射性同位元素標識(radiolabel)および蛍光分子がさらに挙げられるが、これらに限定されない。上記検出可能な剤は、例えば、直接的または間接的のいずれかで、好ましくは非侵襲性および/またはインビボでの可視化技術によって、検出を容易にする任意の成分または分子であり得る。例えば、検出可能な剤は、任意の公知の画像化技術(例えば、放射線技術、磁気共鳴技術、または超音波技術が挙げられる)によって検出可能であり得る。検出可能な剤としては、例えば、造影剤が挙げられ得る。上記造影剤は、例えば、Feridexであり得る。造影する薬剤(contrasting agent)は、例えば、イオン性または非イオン性であり得る。いくつかの実施形態において、例えば、上記検出可能な剤は、タンタル化合物および/またはバリウム化合物(例えば、硫酸バリウム)を含む。いくつかの実施形態において、上記検出可能な剤は、ヨウ素(例えば、放射性ヨウ素)を含む。いくつかの実施形態において、例えば、上記検出可能な剤は、有機ヨウ素酸(iodo acid)(例えば、ヨードカルボン酸(iodo carboxylic acid)、トリヨードフェノール、ヨードホルム、および/またはテトラヨードエチレン)を含む。いくつかの実施形態において、上記検出可能な剤は、非放射性の検出可能な剤(例えば、非放射性同位体)を含む。例えば、酸化鉄およびGdは、特定の実施形態において、非放射性の検出可能な剤として使用され得る。検出可能な剤としてはまた、放射性同位体、酵素、発蛍光団、および量子ドット(Qdot(登録商標))が挙げられ得る。例えば、検出成分は、酵素、ビオチン、金属、またはエピトープタグであり得る。他の公知または新たに見出された検出可能なマーカーは、提供される組成物との使用が企図される。いくつかの実施形態において、例えば、上記検出可能な剤は、バリウム化合物(例えば、硫酸バリウム)を含む。
上記検出可能な剤は、1つ以上の画像化剤であり得る。画像化剤の例としては、放射性造影剤(例えば、ジアトリゾ酸ナトリウム塩二水和物(diatrizoic acid sodium salt dihydrate)、ヨウ素、および硫酸バリウム)、蛍光を発する(fluorescing)画像化剤(例えば、リサミンローダミンPE)、例えば、可視色を与え得るかまたは可視波長もしくは他の波長(例えば、赤外もしくは紫外)での電磁放射の特徴的なスペクトルを反映する、蛍光または非蛍光の、染料または色素(例えば、ローダミン)、放射性同位体、陽電子放出同位体(例えば、18Fまたは124I)(陽電子放出同位体の短い半減期は、いくつかの制限を課すことがあるけれども)、金属、強磁性化合物、常磁性化合物(例えば、ガドリニウム)、超常磁性化合物(例えば、酸化鉄)、および反磁性化合物(例えば、硫酸バリウム)が挙げられる。画像化剤は、選ばれた画像化技術によって生み出される画像の有用性を最適化するように選択され得る。例えば、上記画像化剤は、目的の特徴(例えば、胃腸ポリープ)と正常な胃腸組織との間のコントラストを高めるために選択され得る。画像化は、任意の適切な画像化技術(例えば、X線、コンピューター断層撮影(CT)、MRI、陽電子放出断層撮影(PET)、またはSPECT)を用いて達成され得る。いくつかの形態において、開示される構成要素、化合物、および組成物は、核医学画像化剤(例えば、インジウム−III、またはテクネチウム−99)に、PET画像化剤に、またはMRI画像化剤(例えば、ナノ粒子)に結合され得る。
画像化技術の例としては、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピューター断層撮影(CT)、単一光子放出型コンピューター断層撮影(SPECT)、および陽電子放出断層撮影(PET)が挙げられる。画像化剤は、一般に、その適用において、診断的または治療的のいずれかとして分類され得る。組織に及ぼす放射線の損傷作用に起因して、放射性薬品のできるだけ正確な生体内分布を目標にすることは有用である。PETは、例えば、陽電子放出体(例えば、18F、11C、13Nおよび15O、75Br、76Brおよび124I)で標識された画像化剤を使用し得る。SPECTは、例えば、単光子放出体(例えば、201Tl、99Tc、123I、および131I)で標識された画像化剤を使用し得る。
グルコースベースの化合物およびアミノ酸ベースの化合物は、画像化剤として使用され得る。アミノ酸ベースの化合物は、腫瘍細胞を分析することにおいて、より有用である。なぜなら、それらは腫瘍細胞によってより速く取り込まれ、タンパク質合成へ組込まれるからである。アミノ酸ベースの化合物のうち、11C含有化合物および18F含有化合物は、首尾よく使用されている。画像化に適している11C含有の放射性同位元素標識されたアミノ酸としては、例えば、L−[l−11C]ロイシン(Keen et al.J.Cereb.Blood Flow Metab.1989(9):429−45)、L−[l−11C]チロシン(Wiesel et al.J.Nucl.Med.1991(32):2041−49)、L−[メチル−11C]メチオニン(Comar et al.Eur.J.Nucl.Med.1976(1):11−14)、およびL−[l−11C]メチオニン(Bolster et al.Appl.Radiat.Isot.1986(37):1069−70)が挙げられる。
PETは、同時係数法を用いる、短寿命陽電子放出放射性同位体からの消滅光子の形態でのγ線の検出に関与し、その同位体には、約110分間の半減期を有する18F、約20分間の半減期を有する11C、約10分間の半減期を有する13N、および約2分間の半減期を有する15Oが挙げられるが、これらに限定されない。PET画像化研究について、化合物(例えば、[11C]メタ−ヒドロキシエフェドリン(HED)および2−[18F]フルオロ−2−デオキシ−D−グルコース(FDG))が使用され得る。SPECTは、より長寿命な同位体を使用することができ、これには、約6時間の半減期を有する99mTc、および約74時間の半減期を有する201T1が挙げられるが、これらに限定されない。放射性ヨウ素標識された(radio−iodinated)メタヨードベンジルグアニジン(MIBG)は、核医学画像化研究において使用され得る放射性追跡剤(radiotracing agent)である。
検出可能な剤の他の例としては、検出可能な放射線を放出する分子か、またはそれを放出することを引き起こし得る分子(例えば、蛍光励起、放射性崩壊、スピン共鳴励起など)、局所電磁界に影響する分子(例えば、磁性、強磁性、強磁性、常磁性、および/または超常磁性の種)、放射線エネルギーを吸収または散乱させる分子(例えば、発色団および/または発蛍光団)、量子ドット、重元素および/またはそれらの化合物が挙げられる。例えば、米国公開第2004/0009122号に記載される検出可能な剤を参照のこと。検出可能な剤の他の例としては、プロトン放出分子、放射線不透過性分子、および/または放射性分子(例えば、Tc−99mおよび/またはXe−13のような放射性核種)が挙げられる。このような分子は、放射性薬品として使用され得る。さらに他の実施形態において、開示される組成物は、1つ以上の異なるタイプの検出可能な剤(本明細書中に開示される検出可能な剤の任意の組み合わせが挙げられる)を含み得る。
有用な蛍光成分としては、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、5,6−カルボキシメチルフルオレセイン、テキサスレッド(Texas red)、ニトロベンズ−2−オキサ−l,3−ジアゾール−4−イル(NBD)、クマリン、塩化ダンシル、ローダミン、アミノメチルクマリン(AMCA)、エオシン、エリトロシン、ボディピー(登録商標)、カスケードブルー(登録商標)、オレゴングリーン(登録商標)、ピレン、リサミン、キサンテン類、アクリジン類、オキサジン類、フィコエリトリン、ランタニドイオンの大環状キレート類(例えば、量子色素TM)、蛍光エネルギー移動色素(fluorescent energy transfer dye)(例えば、チアゾールオレンジ−エチジウム異質二量体、およびシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、およびCy7が挙げられる。他の具体的な蛍光標識の例としては、3−ヒドロキシピレン5,8,10−トリスルホン酸、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT)、酸性フクシン、アリザリンコンプレクソン(Alizarin Complexon)、アリザリンレッド、アロフィコシアニン、アミノクマリン、アントロイルステアレート、アストラゾンブリリアントレッド4G、アストラゾンオレンジR、アストラゾンレッド6B、アストラゾンイエロー(Astrazon Yellow)7 GLL、アタブリン、オーラミン、オーロホスフィン(Aurophosphine)、オーロホスフィンG、BAO 9(ビスアミノフェニルオキサジアゾール(Bisaminophenyloxadiazole))、BCECF、ベルベリンスルフェート、ビスベンズアミド(Bisbenzamide)、ブランコフォル(Blancophor)FFG溶液、ブランコフォルSV、ボディピーFl、ブリリアントスルホフラビンFF、カルシエンブルー(Calcien Blue)、カルシウムグリーン、カルコフロールRW溶液、カルコフロールホワイト、カルコフロールホワイトABT溶液、カルコフロールホワイト標準溶液、カルボスチリル、カスケードイエロー(Cascade Yellow)、カテコールアミン、チナクリン(Chinacrine)、コリホスフィンO、クマリン−ファロイジン、CY3.1 8、CY5.1 8、CY7、Dans(1−ジメチルアミノナファリン(Dimethyl Amino Naphaline)5スルホン酸)、Dansa(ジアミノナフチルスルホン酸)、ダンシルNH−CH3、ジアミノフェニルオキシジアゾール(DAO:Diamino Phenyl Oxydiazole)、ジメチルアミノ−5−スルホン酸、ジピロメテンボロンジフルオリド、ジフェニルブリリアントフラビン7GFF、ドーパミン、エリスロシンITC、ユークリシン(Euchrysin)、FIF(ホルムアルデヒド誘導蛍光)、フラゾオレンジ(Flazo Orange)、フルオ3、フルオレスカミン、フラ−2、ゲナクリルブリリアントレッド(Genacryl Brilliant Red)B、ゲナクリルブリリアントイエロー(Genacryl Brilliant Yellow)10GF、ゲナクリルピンク(Genacryl Pink)3G、ゲナクリルイエロー(Genacryl Yellow)5GF、グロキサン酸(Gloxalic Acid)、グラニュラーブルー(Granular Blue)、ヘマトポルフィリン、Indo−1、イントラホワイト Cf 液体(Intrawhite Cf Liquid)、ロイコフォア(Leucophor)PAF、ロイコフォアSF、ロイコフォアWS、リサミンローダミンB200(RD200)、ルシファーイエローCH、ルシファーイエローVS、マグダラレッド(Magdala Red)、マリーナブルー(Marina Blue)、マキシロンブリリアントフラビン(Maxilon Brilliant Flavin)10 GFF、マキシロンブリリアントフラビン 8 GFF、MPS(メチルグリーンピロニンスチルベン(Methyl Green Pyronine Stilbene))、ミトラマイシン、NBDアミン、ニトロベンゾオキサジドール(Nitrobenzoxadidole)、ノルアドレナリン、ヌクレアファストレッド、ヌクレアイエロー(Nuclear Yellow)、ニロサンブリリアントフラビン(Nylosan Brilliant Flavin)E8G、オキサジアゾール、パシフィックブルー(Pacific Blue)、パラローズアニリン(Pararosaniline)(フォイルゲン)、ホルワイト(Phorwite)AR溶液、ホルワイトBKL、ホルワイトRev、ホルワイトRPA、ホスフィン3R、フタロシアニン、フィコエリトリンR、ポリアザインダセンポントクロームブルーブラック(Polyazaindacene Pontochrome Blue Black)、ポルフィリン、プリムリン、プロシオンイエロー、ピロニン、ピロニンB、ピロザルブリリアントフラビン(Pyrozal Brilliant Flavin)7GF、キナクリンマスタード、ローダミン123、ローダミン5 GLD、ローダミン6G、ローダミンB、ローダミンB 200、ローダミンBエクストラ、ローダミンBB、ローダミンBG、ローダミンWT、セロトニン、セブロンブリリアントレッド(Sevron Brilliant Red)2B、セブロンブリリアントレッド4G、セブロンブリリアントレッドB、セブロンオレンジ(Sevron Orange)、セブロンイエローL(Sevron Yellow L)、SITS(プリムリン)、SITS(スチルベンイソチオスルホン酸)、スチルベン、スナーフ(Snarf)1、スルホローダミン(Sulpho Rhodamine)B Can C、スルホローダミンGエクストラ(Sulpho Rhodamine G Extra)、テトラサイクリン、チアジンレッドR、チオフラビンS、チオフラビンTCN、チオフラビン5、チオライト(Thiolyte)、チアゾールオレンジ、チノポール(Tinopol)CBS、トゥルーブルー(True Blue)、ウルトラライト(Ultralite)、ウラニンB、ユビテックスSFC、キシレンオレンジ、およびXRITCが挙げられる。
特に有用な蛍光標識としては、フルオレセイン(5−カルボキシフルオレセイン−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、ローダミン(5,6−テトラメチルローダミン)、ならびにシアニン色素Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、およびCy7が挙げられる。これらの蛍光体についての吸収および発光の最大は、それぞれ:FITC(490nm;520nm)、Cy3(554nm;568nm)、Cy3.5(581nm;588nm)、Cy5(652nm:672nm)、Cy5.5(682nm;703nm)、およびCy7(755nm;778nm)であり、従って、それらの同時検出を可能にする。フルオレセイン色素の他の例としては、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、2’,4’,1,4,−テトラクロロフルオレセイン(TET)、2’,4’,5’,7’,1,4−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、2’,7’−ジメトキシ−4’、5’−ジクロロ−6−カルボキシローダミン(JOE)、2’−クロロ−5’−フルオロ−7’,8’−縮合フェニル−l,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(NED)、および2’−クロロ−7’−フェニル−l,4−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(VIC)が挙げられる。蛍光標識は、多様な商業的供給源から得られ得、その供給源としては、Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ;Molecular Probes,Eugene,OR;およびResearch Organics,Cleveland,Ohioが挙げられる。蛍光プローブおよびその使用はまた、Richard P. HauglandによるHandbook of Fluorescent Probes and Research Productsに記載される。
放射性の検出可能な剤の更なる例としては、γ放出体(例えば、γ放出体In−111、I−125およびI−131、レニウム−186および188、ならびにBr−77(例えば、Thakur,M.L.et al.,Throm Res.Vol.9 pg.345(1976);Powers et al.,Neurology Vol.32 pg.938(1982);および米国特許第5,011,686号を参照のこと));陽電子放出体(例えば、Cu−64、C−l1、およびO−15、ならびにCo−57、Cu−67、Ga−67、Ga−68、Ru−97、Tc−99m、In−113m、Hg−197、Au−198、およびPb−203)が挙げられる。他の放射性の検出可能な剤としては、例えば、トリチウム、C−l4および/またはタリウム、ならびにRh−105、I−123、Nd−147、Pm−151、Sm−153、Gd−159、Tb−161、Er−171および/またはTl−201が挙げられ得る。
テクネチウム(Technitium)−99m(Tc−99m)の使用が好ましく、それは、他の出願において記載されている(例えば、米国特許第4,418,052号、および米国特許第5,024,829号を参照のこと)。Tc−99mは、140keVの単一光子エネルギーおよび約6時間の半減期を有するγ放出体であり、Mo−99/Tc−99発生器から容易に得られ得る。
いくつかの実施形態において、放射性の検出可能な剤を含む組成物は、検出に適切な放射性同位体を、開示される構成要素および組成物に結合させることによって調製され得る。結合工程は、例えば、キレート剤(例えば、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、4,7,10−テトラアザシクロドデカン−N−,N’,N’’,N’’’−四酢酸(DOTA)、および/またはメタロチオネインを介し得、これらのうちのいずれかは、開示される構成要素、化合物、および組成物に、共有結合的に結合され(attached)得る。いくつかの実施形態において、テクネチウム−99m、還元剤、および水溶性リガンドの水性混合物が調製されて、次に開示される構成要素、化合物、または組成物と反応させられ得る。このような方法は、当該分野において公知であり、例えば、国際公開WO 99/64446を参照のこと。いくつかの実施形態において、放射性ヨウ素を含む組成物は、交換反応を用いて調製され得る。例えば、非放射性ヨウ素(cold iodine)に対する放射性ヨウ素(hot iodine)の交換は、当該分野において周知である。あるいは、放射性ヨウ素で標識された化合物は、対応するブロモ化合物から、トリブチルスタニル中間体を介して調製され得る。
磁性の検出可能な剤としては、例えば、磁気共鳴画像法(MRI)を用いて使用される常磁性造影剤(例えば、ガドリニウムジエチレントリアミン五酢酸)(例えば、De Roos,A.et al.,Int.J.Card.Imaging Vol.7 pg.133(1991)を参照のこと)が挙げられる。いくつかの好ましい実施形態は、上記検出可能な剤として、原子番号21、22、23、24、25、26、27、28、29、42、44、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70を有する元素の、二価または三価のイオンである常磁性原子を使用する。適切なイオンとしては、クロム(III)、マンガン(II)、鉄(II)、鉄(III)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、プラセオジム(III)、ネオジム(III)、サマリウム(III)、およびイッテルビウム(III)、ならびにガドリニウム(III)、テルビウム(terbiurn)(III)、ジスプロシウム(dysoprosium)(III)、ホルミウム(III)、およびエルビウム(III)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの好ましい実施形態は、強い磁気モーメントを有する原子を使用する(例えば、ガドリニウム(III))。
いくつかの実施形態において、磁性の検出可能な剤を有する組成物は、開示される構成要素、化合物、および組成物を、常磁性原子と結合させることによって調製され得る。例えば、適切な常磁性原子の金属酸化物または金属塩(例えば、硝酸塩、塩化物、または硫酸塩の塩)は、水/アルコール媒体(例えば、メチル、エチル、および/またはイソプロピルアルコール)中に溶解または懸濁され得る。その混合物は、同様の水/アルコール媒体中の等モル量の開示される構成要素、化合物、および組成物の溶液に加えられて、撹拌(stir)され得る。その混合物は、反応が完了またはほとんど完了するまで穏やかに加熱され得る。形成される不溶性組成物は、濾過によって得られ得るが、可溶性組成物は、溶媒を蒸発させることによって得られ得る。キレートする成分上の酸基(acid group)が、開示される組成物中に残る場合、無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、および/またはリチウムの、水酸化物、炭酸塩、および/または重炭酸塩)、有機塩基、および/または塩基性アミノ酸は、酸性基を中和するために、例えば、組成物の単離または精製を容易にするために使用され得る。
好ましい実施形態において、上記検出可能な剤は、開示される組成物、ペプチド、アミノ酸配列、およびアネキシン1結合化合物の、アネキシン1と相互作用するための能力を妨げないような手法で、上記組成物に結合され得る。いくつかの実施形態において、上記検出可能な剤は、上記組成物、ペプチド、アミノ酸配列、またはアネキシン1結合化合物に、化学的に結合され得る。いくつかの実施形態において、上記検出可能な剤は、ある成分と化学的に結合し得、ここでその成分は、それ自体が上記組成物、ペプチド、アミノ酸配列、またはアネキシン1結合化合物に化学的に結合しており、その画像化剤(imaging)と開示される構成要素、化合物、および組成物とを間接的に繋ぐ。
上記成分としてはまた、ポリ−L−リジン、および関連する分子が挙げられ得る。例えば、成分としては、本明細書中に開示される成分のいずれかが挙げられ得、それは、その成分に結合体化または結合されるポリ−L−リジンの付加を有する。例えば、上記成分は、FITC−ポリ−L−リジン、またはAlexa488−ポリ−L−リジンであり得る。このような成分を有する組成物の例としては、IF7C(RR)−結合体化FITC−ポリ−L−リジン、およびIF7C(RR)−結合体化Alexa488−ポリ−L−リジンが挙げられる。
D.結合(linkage)、リンカー、および切断可能な結合
開示されるアネキシン1結合化合物((例えば、開示されるペプチドおよびアミノ酸配列)、および成分(または開示される組成物の他の構成要素)は、任意の有用な手法で連結され得る。例えば、アネキシン1結合化合物および成分は、共有結合的に結合(直接的にまたは間接的に)、または非共有結合的に結合(直接的にまたは間接的に)、またはその両方で結合され得る。共有結合的な結合は、有用である。直接的な結合は、上記アネキシン1結合化合物と上記成分との間の共有結合を介し得る。このような場合の共有結合は、上記アネキシン1結合化合物と上記成分との間の結合(linkage)と考えられ得る。間接的な結合は、1つ以上の介在する分子または構成要素を介し得る。有用な間接的な結合は、リンカーを介し得る。上記リンカー、上記アネキシン1結合化合物と上記成分とを結合するリンカーにおける任意の結合、上記アネキシン(annexi)1結合化合物と上記リンカーとの間の結合、および/または上記成分と上記リンカーとの間の結合が、結合(linkage)と考えられ得る。任意の適切なリンカーが使用され得る。例えば、上記リンカーは、オリゴマー(例えば、ペプチド、またはペプチドミメティック)であり得る。
上記リンカーは、切断可能な結合を含み得るか、または結合(linkage)は、切断可能な結合であり得る。切断可能な結合は、例えば、標的化する部位において上記成分を自由にするのに有用であり得る。上記切断可能な結合は、任意の適切な手法で切断され得る。例えば、上記切断可能な結合は、酵素により、または酵素によらず、切断され得る。酵素による切断について、切断する酵素は、上記組成物が、送達される、向かう、移動する(travel)、または蓄積する部位で供給され得るか、またはその部位に存在し得る。例えば、上記酵素は、上記組成物が、送達される、向かう、移動する、または蓄積する細胞の近くに存在し得る。酵素によらない切断について、上記組成物は、切断剤(cleaving agent)と接触され得るか、切断条件に置かれ得るか、またはその両方であり得る。切断剤は、上記切断可能な結合の切断を媒介または刺激し得る任意の物質である。酵素によらない切断剤は、酵素を除く任意の切断剤である。切断条件は、上記切断可能な結合の切断を媒介または刺激し得る任意の溶液または環境条件であり得る。例えば、いくつかの不安定な結合は、酸性条件、アルカリ性条件、反応基(reactive group)の存在下などで切断され得る。酵素によらない切断条件は、酵素の存在を除く、任意の切断条件である。剤によらない(non−agent)切断条件は、切断剤の存在を除く、任意の切断条件である。
「プロテアーゼでの切断可能な結合」は、プロテアーゼによって切断され得る切断可能な結合を指す。有用なプロテアーゼとしては、開示される組成物が送達される、標的にする、向かうなどの場所に存在し得るプロテアーゼが挙げられる。有用なプロテアーゼの例としては、例えば、セリンプロテアーゼ(例えば、プラスミンおよびプラスミノゲン(pasminogen)アクチベータが挙げられる)、プロタンパク質転換酵素(例えば、Duckert et al.,Prediction of proprotein convertase cleavage sites Protein engineering Design and Selection 17(1):107−112(2004)を参照のこと)、フーリン類(furins)、およびカルボキシペプチダーゼ類が挙げられる。セリンプロテアーゼは、がん細胞および腫瘍を標的にする組成物に特に有用である。塩基性残基のC末端側において切断する酵素の例としては、Arg−Cプロテアーゼ(これは、アルギニン残基のC末端側において切断する;Keil,Specificity of Proteolysis(Springer−Verlag,Berlin−Heidelberg−New York(1992))、クロストリパイン(これは、アルギニン残基のC末端側において切断する;Keil,1992)、エンテロキナーゼ(これは、配列−Asp−Asp−Asp−Asp−Lys−後に切断する;配列番号23)、Xa因子(これは、配列−Gly−Arg−後に切断する;Fujikawa et al.,Activation of bovine factor X(Stuart factor):conversion of factor Xa alpha to factor Xa beta, Proc.Natl.Acad.Sci.72:3359−3363(1975))、Lys−C(これは、リジン残基のC末端側において切断する;Keil,1992)、トロンビン(これは、アルギニン残基のC末端側において切断する;Keil,1992)、トリプシン(これは、アルギニンおよびリジン残基のC末端側において切断する;Keil,1992)、セリンプロテアーゼ、プロタンパク質転換酵素((例えば、PC1、PC2、PC3、PC4、PC5、PC6、PC7、PC8、フーリン、Pace、PACE4、Site1プロテアーゼ、S1P、SKI、NARC−1、PCSK1、PCSK2、PCSK3、PCSK4、PCSK5、PCSK6、PCSK7、PCSK8、およびPCSK9)、プラスミン、およびプラスミノゲンアクチベータが挙げられる。それらの切断部位のC末端側の配列を認識する酵素の例としては、Asp−Nエンドペプチダーゼ(これは、アスパラギン酸のN末端側において切断する;Keil,1992)、およびカルボキシペプチダーゼ(例えば、カルボキシペプチダーゼA(これは、プロリン、リジン、およびアルギニンを除くC末端残基を切断する)。
プロテアーゼの例はまた、Hook,Proteolytic and cellular mechanisms in prohormone and proprotein processing,RG Landes Company,Austin,Texas,USA(1998);Hooper et al.,Biochem.J.321:265−279(1997);Werb,Cell 91:439−442(1997);Wolfsberg et al.,J.Cell Biol.131:275−278(1995);Murakami and Etlinger,Biochem.Biophys.Res.Comm.146:1249−1259(1987);Berg et al.,Biochem.J.307:313−326(1995);Smyth and Trapani,Immunology Today 16:202−206(1995);Talanian et al.,J.Biol.Chem.272:9677−9682(1997);およびThornberry et al.,J.Biol.Chem.272:17907−17911(1997)に記載される。
「エステラーゼでの切断可能な結合」は、プロテアーゼによって切断され得る切断可能な結合を指す。有用なエステラーゼとしては、開示される組成物が送達される、標的にする、向かうなどの場所に存在し得るエステラーゼが挙げられる。
E.薬学的組成物およびキャリア
開示される組成物は、単独、または薬学的に受容可能なキャリア中のいずれかで、インビボで投与され得る。「薬学的に受容可能」とは、生物学的に、または他の、所望されないものではない材料を意味し、すなわち、その材料は、あらゆる所望されない生物学的作用を引き起こすことなく、またはそれが含まれる上記薬学的組成物の他の構成要素のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、本明細書中に開示される組成物と一緒に被験体に投与され得る。上記キャリアは、活性成分(active ingredient)のあらゆる分解を最小限にするため、および上記被験体におけるいかなる不都合な副作用を最小限にするために、当業者に周知である通りに、当然のこととして選択される。上記材料は、溶液、懸濁物中に存在し得る(例えば、ミクロ粒子、リポソーム、または細胞に組み込まれる)。
1.薬学的に受容可能なキャリア
本明細書中に開示される組成物は、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて治療に使用され得る。
適切なキャリアおよびそれらの処方物は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(19th ed.)ed.A.R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA 1995に記載される。代表的に、適切な量の薬学的に受容可能な塩は、上記処方物を等張にするためにその処方物中で使用される。上記薬学的に受容可能なキャリアの例としては、食塩水、リンゲル液、およびデキストロース溶液が挙げられるが、これらに限定されない。溶液のpHは、好ましくは、約5〜約8、およびより好ましくは、約7〜約7.5である。さらなるキャリアとしては、徐放性調製物(例えば、抗体を含む固体疎水性ポリマーの半透性マトリックス、ここでマトリックスは、成形された物品(例えば、フィルム、リポソーム、またはミクロ粒子)の形態である)が挙げられる。特定のキャリアが、例えば、投与の経路および投与される組成物の濃度に依存して、より好ましい場合があることは、当業者に明らかである。
薬学的キャリアは、当業者に公知である。これらは、最も代表的に、ヒトへの薬物の投与のための標準キャリアであり、溶液(例えば、滅菌水、食塩水、および生理的pHの緩衝化溶液)が挙げられる。上記組成物は、筋肉内に、または皮下に投与され得る。他の化合物は、当業者によって使用される標準手順に従って投与される。
薬学的組成物としては、一般に好まれる上記分子の他に、キャリア、増粘剤(thickener)、希釈剤、バッファー、保存剤、および表面活性剤などを含み得る。薬学的組成物はまた、1つ以上の活性成分(active ingredient)(例えば、抗菌剤、抗炎症剤、および麻酔薬など)を含み得る。
上記薬学的組成物は、局所処置が所望されるか、または全身処置が所望されるかに依存して、および処置されるべき領域に依存して、多くの手法で投与され得る。投与は、局所的(眼に、膣に、直腸に、鼻内に、が挙げられる)、経口、吸入によって、または非経口(例えば、静脈内点滴、皮下注射、腹腔内注射、または筋肉内注射によって)であり得る。開示される抗体は、静脈内に、腹腔内に、筋肉内に、皮下に、腔内に(intracavity)、または経皮に投与され得る。
非経口投与の調製物としては、滅菌の、水性または非水性の、溶液、懸濁物、およびエマルジョンが挙げられる。非水性の溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)、および注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)である。水性のキャリアとしては、水、アルコール性/水性の溶液、エマルジョンまたは懸濁物が挙げられる(食塩水、および緩衝化媒体が挙げられる)。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸リンゲル、または固定油が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、流体および栄養補充物、電解質補充物(例えば、リンゲルデキストロースに基づくもの)、などが挙げられる。例えば、抗菌物質、抗酸化剤、キレート剤、および不活性ガスなどのような、保存剤および他の添加剤も存在し得る。
局所投与のための処方物としては、軟膏剤、ローション剤、クリーム剤、ゲル剤、点滴剤、坐剤、スプレー剤、液剤(liquids)、および散剤が挙げられ得る。従来の薬学的キャリア、水性の、粉末状のまたは油性の基剤、および増粘剤などは、必要であるか、または所望され得る。
経口投与のための組成物としては、粉末または顆粒、水中または非水性の媒体中の懸濁物または溶液、カプセル、サシェ(sachet)、または錠が挙げられる。増粘剤、着香料、希釈剤、乳化剤、分散補助剤(dispersing aid)、または結合剤が好ましい場合がある。
上記組成物のいくつかは、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、およびリン酸)、および有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、およびフマル酸)との反応によって、または無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム)、および有機塩基(例えば、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、アリールアミン、および置換エタノールアミン)との反応によって形成される薬学的に受容可能な酸付加塩または塩基付加塩として投与され得る。
2.ナノ粒子、ミクロ粒子、およびマイクロバブル
用語「ナノ粒子」は、ナノメートルで測定されるサイズを有するナノスケールの粒子を指す(例えば、約100nm未満の少なくとも1つの寸法を有するナノスコピック粒子(nanoscopic particle))。ナノ粒子の例としては、常磁性ナノ粒子、超常磁性ナノ粒子、金属ナノ粒子、ナノワーム、フラーレン様材料、無機ナノチューブ、デンドリマー(例えば、共有結合的に結合した(attached)金属キレートを有する)、ナノファイバー、ナノホム(nanohom)、ナノオニオン、ナノロッド、ナノロープ(nanorope)、および量子ドットが挙げられる。
ミクロスフェア(またはマイクロバブル)はまた、本明細書中に開示される方法とともに使用され得る。発色団を含むミクロスフェアは、広く多様な適用において利用されている。ミクロスフェアの単分散性は、重要であり得る。
ナノ粒子(例えば、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、または半導体ナノクリスタルなど)は、ミクロスフェアに組み込まれ得る。上記ナノ粒子は、例えば、熱生成ナノシェル(heat generating nanoshell)であり得る。本明細書中で用いられる場合、「ナノシェル」は、1つ以上の伝導性シェル層によって囲まれる離散的誘電性(discrete dielectric)または半導性コアセクションを有するナノ粒子である。米国特許第6,530,944号は、これにより、金属ナノシェルを作製および使用する方法の教示についてのその全体が本明細書中で参考として援用される。ナノシェルは、材料(例えば、放射線(例えば、近赤外線(約800nm〜約1300nm)を用いて励起され得る、高度に伝導性の金属)でコーティングされる、誘電性または不活性材料(例えば、ケイ素)のコアで形成され得る。励起の際に、上記ナノシェルは、熱を放つ。結果として得られる高熱は、周囲の細胞(複数化)または組織を死滅させ得る。上記ナノシェルのシェルとコアとを組み合わせた直径は、数十ナノメートル〜数百ナノメートルの範囲に及ぶ。近赤外線は、組織を貫通するその能力のために有利である。放射線の他のタイプはまた、ナノ粒子コーティングおよび標的化細胞の選択に依存して使用され得る。例としては、x線、磁界、電界、および超音波が挙げられる。
上記ナノ粒子は、金属ナノ粒子、金属酸化物ナノ粒子、または半導体ナノクリスタルであり得る。上記金属ナノ粒子または上記金属酸化物ナノ粒子の金属としては、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ランタニド系列、またはアクチニド系列元素(例えば、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、トリウム、プロトアクチニウム、およびウラニウム)、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス、ポロニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムが挙げられ得る。特定の実施形態において、上記金属は、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銀、金、セリウム、またはサマリウムであり得る。上記金属酸化物は、これらの材料または材料の組み合わせのうちのいずれかの酸化物であり得る。例えば、上記金属は、金であり得、または上記金属酸化物は、酸化鉄、酸化コバルト、酸化亜鉛、酸化セリウム、または酸化チタンであり得る。金属および金属酸化物ナノ粒子の調製は、例えば、米国特許第5,897,945号、および同第6,759,199号に記載され、そのそれぞれは、その全体が参考として援用される。
3.リポソーム
「リポソーム」は、この用語が本明細書中で使用されるとき、内部の水性の空間を取り囲む外側の脂質二重層または脂質多重層の膜を含む構造を指す。リポソームは、細胞に送達するための任意の生物学的活性薬剤を包みこむために使用され得る。
リポソームを形成するための材料および手順は、当業者に周知である。適切な媒体中での分散の際に、広範なリン脂質は膨張し、水和し、水性媒体の層が脂質二重層を分離する多重層同心性二重層小胞(multilamellar concentric bilayer vesicle)を形成する。これらの系は、多重層リポソームまたは多重層脂質小胞(「MLV」)と称され、10nm〜100μmの範囲内の直径を有する。これらのMLVは、Banghamら、J Mol.Biol.13:238−252(1965)によって最初に記載された。一般に、脂質、または親油性物質は、有機溶媒に溶解される。上記溶媒が、除去されるとき(例えば、ロータリーエバポレーションによる減圧下で)、上記脂質残留物は、容器の壁にフィルムを形成する。代表的に電解質または親水性の生物学的に活性のある材料を含む水性の溶液は、次に上記フィルムに加えられる。大MLVは、撹拌(agitation)の際に生産される。より小さいMLVが所望されるとき、より大きい小胞は、音波処理に供し、続いて、孔のサイズを漸減させたフィルターを通した濾過を行うか、または機械的剪断の他の形態によって低減される。また、MLVが、サイズおよびラメラ(lamella)の数の両方において低減され得る技術が存在する(例えば、加圧押出(pressurized extrusion)による)(Barenholz,et al.,FEBS Lett.99:210−214(1979))。
リポソームはまた、MLVのより広範囲な音波処理によって調製される単一層(unilamnellar)小胞の形態を取り得、水性溶液を取り囲む単一の球状の脂質二重層からなる。単一層小胞(「ULV」)は、小さいことがあり、20nm〜200nmの範囲内の直径を有するが、より大きいULVは、200nm〜2μmの範囲内の直径を有し得る。単一層小胞を作製するためのいくつかの周知の技術が存在する。Papahadjopoulosら、Biochim et Biophys Acta 135:624−238 (1968)において、リン脂質の水性分散物(aqueous dispersion of phospholipids)を音波処理することにより、水性溶液を取り囲む脂質二重層を有する小ULVを生産する。Schneider、米国特許第4,089,801号は、超音波処理と、その後の両親媒性化合物を含む水性媒体の添加および遠心分離して生体分子脂質層系を形成することによる、リポソーム前駆体の形成を記載する。
小ULVはまた、Batzriら、Biochim et Biophys Acta 298:1015−1019(1973)によって記載されるエタノール注入技術、およびDeamerら、Biochim et Biophys Acta 443:629−634(1976)のエーテル注入技術によって調製され得る。これらの方法は、脂質の有機溶液をバッファー溶液にすばやく注入することに関与し、このことは、単一層リポソームのすばやい形成をもたらす。ULVを作製するための別の技術は、「Liposome Technology」,ed.G.Gregoriadis,CRC Press Inc.,Boca Raton,Fla.,Vol.I,Chapter 7,pg.79−107(1984)においてWederらによって教示される。この洗剤除去方法は、脂質および添加物を、洗剤を用いて、撹拌(agitation)または音波処理することによって可溶化して、所望される小胞を生産することに関与する。
Papahadjopoulosら、米国特許第4,235,871号は、有機溶媒中での脂質の油中水型エマルジョンの形成に関与する逆相エバポレーション技術による、大ULVの調製、および水性バッファー溶液中に被包されるべき薬物を記載する。上記有機溶媒は、圧力下で除去されて、混合物を生じ(yield)、このものは、水性媒体中で撹拌(agitation)または分散すると、大ULVに転換される。Suzukiら、米国特許第4,016,100号は、剤および脂質の水性リン脂質分散物(aqueous phospholipid dispersion of the agent and lipids)を凍結/解凍することによって、単一層小胞中に剤を被包する別の方法を記載する。
MLVおよびULVの他に、リポソームはまた、多小胞であり得る。Kimら、Biochim et Biophys Acta 728:339−348(1983)に記載されるように、これらの多小胞リポソームは球状であり、内部粒状構造を含む。その外膜は、脂質二重層であり、内部領域は、二重層隔壁によって分離される小さい区画を含む。リポソームのさらに別のタイプは、オリゴラメラ(oligolamellar)小胞(「OLV」)であり、これは、いくつかの周辺脂質層(peripheral lipid layer)によって取り囲まれる大きい中心区画を有する。2μm〜15μmの直径を有するこれらの小胞は、Calloら、Cryobiology22(3):251−267(1985)において記載される。
Mezeiら、米国特許第4,485,054号、および同第4,761,288号もまた脂質小胞を調製する方法を記載する。より最近、Hsu、米国特許第5,653,996号は、エアゾール適用を利用して、リポソームを調製する方法を記載し、Yiournasら、米国特許第5,013,497号は、高速剪断混合室(high velocity−shear mixing chamber)を利用して、リポソームを調製するための方法を記載する。ULV(Wallachら、米国特許第4,853,228号)またはOLV(Wallach、米国特許第5,474,848号、および同第5,628,936号)を生産するための具体的な出発材料を使用する方法も記載される。
全ての前述の脂質小胞、およびそれらの調製のための方法の包括的な概説は、「Liposome Technology」,ed.G.Gregoriadis,CRC Press Inc.,Boca Raton,Fla.,Vol.I,II & III(1984)に記載される。これと本発明における使用に適した種々の脂質小胞を記載する前述の参考文献は、本明細書中で参考として援用される。
F.コンピューター支援の薬物設計
開示される組成物は、開示される組成物の構造を同定するか、または所望される手法で、開示される組成物と相互作用する、潜在的分子もしくは実際の分子(例えば、低分子)を同定するかのいずれかのための任意の分子モデリング技術の標的(target)として使用され得る。
開示される組成物をモデリング技術において用いるとき、分子(例えば、高分子の分子)が、特定の所望される特性(例えば、標的分子の機能の阻害、または刺激)を有すると同定されることが理解される。開示される組成物、ペプチドなどを用いるとき、同定および単離される分子も開示される。従って、開示される組成物に関与する分子モデリングアプローチを用いて生産される生成物はまた、本明細書中に開示されると考えられる。
従って、一般に好まれる分子を結合する分子を単離するための1つの手法は、合理的な設計を介する。これは、構造の情報およびコンピューターモデリングを介して達成され得る。コンピューターモデリング技術は、選択される分子の三次元原子構造の可視化、および上記分子と相互作用する新たな化合物の合理的設計を可能にする。三次元の構築物は、代表的に、上記選択される分子のX線結晶学的解析またはNMR画像法からのデータに依存する。分子動力学は、力場データを必要とする。コンピューターグラフィックスシステムは、新たな化合物が、標的分子にどのように連結するかの予測を可能にし、結合特異性を改良するための、上記化合物および標的分子の構造の実験的操作を可能にする。分子−化合物の相互作用が、一方または両方において小さな変化がなされるときにどのようなものであるかの予測は、分子力学ソフトウェアおよびコンピューター計算の集中的なコンピューター(computationally intensive computer)を必要とし、通常、分子設計プログラムと使用者との間の、使いやすいメニュー駆動型のインターフェイスと合わせられている。
分子モデリングシステムの例は、CHARMmおよびQUANTAプログラム(Polygen Corporation,Waltham,MA)である。CHARMmは、エネルギー最小化および分子動力学機能を行う。QUANTAは、分子構造の構築、グラフィックモデリング、および分析を行う。QUANTAは、分子のお互いの挙動についての、相互作用の構築、改変、可視化、および分析を可能にする。
多くの論文は、具体的なタンパク質と相互作用する薬物のコンピューターモデリングを概説する(例えば、Rotivinen,et al.,1988 Acta Pharmaceutica Fennica 97,159−166;Ripka,New Scientist 54−57 (June 16,1988);McKinaly and Rossmann,1989 Annu.Rev.Pharmacol.Toxiciol.29,111−122;Perry and Davies,QSAR:Quantitative Structure−Activity Relationships in Drug Design pp.189−193(Alan R.Liss,Inc.1989);Lewis and Dean,1989 Proc.R.Soc.Lond.236,125−140 and 141−162;および核酸構成要素についてのモデル酵素に関して、Askew,et al.,1989.Am.Chem.Soc.111,1082−1090)。化学物質を調べ(screen)、グラフによって示す他のコンピュータープログラムは、企業(例えば、BioDesign,Inc.,Pasadena,CA.,Allelix,Inc,Mississauga,Ontario,Canada,およびHypercube,Inc.,Cambridge,Ontario)から利用可能である。これらは、初めは特定のタンパク質に特異的な薬物に適用するために設計されるが、一旦DNAまたはRNAの特異的な領域が同定されると、そのDNAまたはRNAの特異的な領域と特異的に相互作用する分子を設計するのに応用され得る。
結合を変更し得る化合物の設計および生成に関して上に記載したが、当業者はまた、公知の化合物(天然の生成物、または合成化学物質が挙げられる)、および生物学的に活性のある材料(タンパク質が挙げられる)のライブラリーを、基質結合または酵素活性を変更する化合物について調べ得る。
G.同様の機能を有する組成物
本明細書中に開示される組成物が特定の機能(例えば、アネキシン1に結合すること、または腫瘍血管系に向かうこと)を有することが理解される。開示される機能を行うための特定の構造の必要条件が本明細書中に開示され、開示される構造に関連する同じ機能を行い得る多様な構造が存在すること、およびこれらの構造が、最終的には同じ結果(例えば、刺激または阻害)を達成することが理解される。
H.キット
本明細書中に開示される方法を実施することにおいて、使用され得る試薬を対象とするキットが、本明細書中に開示される。上記キットは、本明細書中で議論される任意の試薬もしくは試薬の組み合わせ、または開示される方法の実施において、必要とされるか、もしくは有益であることが理解される任意の試薬もしくは試薬の組み合わせを含み得る。例えば、上記キットは、本明細書中に開示される組成物を含み得る。
I.混合物
上記方法が、組成物、または構成要素、または試薬を混合または接触させることに関与するときはいつでも、上記方法を行うことにより、多くの異なる混合物が作り出される。例えば、上記方法が3つの混合ステップを含む場合に、それらのステップが別個に行われる場合、これらのステップのそれぞれ1つの後に、特有の混合物が形成される。さらに、全てのステップの完了時点で、それらのステップがどのように行われたかに関係なく、混合物が形成される。本開示は、開示される方法が行われることによって得られる、これらの混合物、ならびに任意の開示される試薬、組成物、または構成要素(例えば、本明細書中に開示されるもの)を含む混合物を企図する。
J.システム
開示される方法を行うこと、または開示される方法を行うことにおいて補助することに有用であるシステムが開示される。システムは、一般に、製造される物品(例えば、構造物、機械、およびデバイスなど)、ならびに組成物、化合物、および材料などの組み合わせを含む。開示される、または開示から明らかであるこのような組み合わせが企図される。
K.コンピューター読み取り可能媒体
開示される核酸およびタンパク質が、ヌクレオチドまたは(of)アミノ酸からなる配列として表され得ることが理解される。これらの配列を表示するための多様な手法が存在する(例えば、ヌクレオチドのグアノシンは、Gまたはgで表され得る)。同様に、アミノ酸のバリンは、ValまたはVで表され得る。当業者は、任意の核酸またはタンパク質配列を、存在する多様な手法のいずれかで、どのように表示および表現するかを理解し、そのそれぞれが、本明細書中に開示されるとみなされる。コンピューター読み取り可能媒体(例えば、市販のフロッピー(登録商標)ディスク、テープ、チップ、ハードドライブ、コンパクトディスク、およびビデオディスク)、または他のコンピューター読み取り可能媒体におけるこれらの配列の表示が、本明細書中に具体的に企図される。また、開示される配列のバイナリーコード表示が開示される。当業者は、コンピューター読み取り可能媒体が何かを理解する。従って、上記核酸またはタンパク質配列が記録、記憶、または保存される、コンピューター読み取り可能媒体。
L.ペプチド合成
本明細書中に開示される組成物、および開示される方法を行うのに必要である組成物は、そうでないと具体的に言及されない限り、その特定の試薬または化合物について、当業者に公知である任意の方法を用いて作製され得る。
開示されるタンパク質(例えば、配列番号2)を生産する1つの方法は、タンパク質化学の技術によって2つ以上のペプチドまたはポリペプチドを一緒に連結することである。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル)またはBoc(tert−ブチルオキシカルボノイル(tert−butyloxycarbonoyl))化学(Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CA)のいずれかを用いて、現在、利用可能な研究室機器を用いて化学的に合成され得る。当業者は、開示されるタンパク質に対応するペプチドまたはポリペプチドが、例えば、標準的な化学反応によって合成され得ることを容易に認識し得る。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは、合成され、その合成レジンから切断され得ないが、一方のペプチドまたはタンパク質の他のフラグメントは、合成され、その後、上記レジンから切断され得、それにより、上記他のフラグメント上で機能的にブロックされる末端基を曝す。ペプチド縮合反応によって、これら2つのフラグメントは、それらのカルボキシル末端およびアミノ末端それぞれでのペプチド結合を介して共有結合的に結合されて、抗体またはそのフラグメントを形成し得る(Grant GA(1992)Synthetic Peptides:A User Guide.W.H.Freeman and Co.,N.Y.(1992);Bodansky M and Trost B.,Ed.(1993)Principles of Peptide Synthesis.Springer−Verlag Inc.,NY(これは、少なくとも、ペプチド合成に関連する材料について、本明細書中で参考として援用される)。あるいは、上記ペプチドまたはポリペプチドは、本明細書中に記載されるように、インビボで独立して合成される。一旦、単離されると、これらの独立したペプチドまたはポリペプチドは、同様のペプチド縮合反応を介して、連結されてペプチドまたはそのフラグメントを形成し得る。
例えば、クローン化または合成ペプチドセグメントの酵素によるライゲーションは、比較的短いペプチドフラグメントが結合されて(joined)より大きなペプチドフラグメント、ポリペプチド、またはタンパク質ドメイン全体を生産することを可能にする(Abrahmsen L et al.,Biochemistry,30:4151(1991))。あるいは、合成ペプチドのネイティブ化学ライゲーションは、大きいペプチドまたはポリペプチドを、より短いペプチドフラグメントから合成によって構築するために利用され得る。この方法は、2つのステップの化学反応からなる(Dawson et al.Synthesis of Proteins by Native Chemical Ligation.Science,266:776−779(1994))。第一のステップは、開始の共有結合性生成物(covalent product)としてチオエステル連結中間体を与えるための、無保護の合成ペプチド−チオエステルと、アミノ末端Cys残基を含む別の無保護のペプチドセグメントとの化学選択的反応である。反応条件における変化なしで、この中間体は、自発的なすばやい分子内反応を経て、そのライゲーション部位において、ネイティブペプチド結合(native peptide bond)を形成する(Baggiolini M et al.(1992) FEBS Lett.307:97−101;Clark−Lewis I et al.,J.Biol.Chem.,269:16075(1994);Clark−Lewis I et al.,Biochemistry,30:3128(1991);Rajarathnam K et al.,Biochemistry 33:6623−30(1994))。
あるいは、無保護のペプチドセグメントは、化学ライゲーションの結果としてペプチドセグメント間で形成される結合が、非天然の(unnatural)(非ペプチド)結合であるところで化学的に連結される(Schnolzer,M et al.Science,256:221(1992))。この技術は、タンパク質ドメインの類似体、ならびに完全な生物学的活性を有する大量の比較的純粋なタンパク質を合成するために使用されている(deLisle Milton RC et al.,Techniques in Protein Chemistry IV.Academic Press,New York,pp.257−267(1992))。
方法
開示される組成物、アネキシン1結合化合物、アネキシン1結合アミノ酸配列、ペプチド、またはアミノ酸配列を被験体に投与する工程を含む方法が、本明細書中に開示される。上記組成物、アネキシン1結合化合物、アネキシン1結合アミノ酸配列、ペプチド、およびアミノ酸配列は、選択的に腫瘍血管系に向かうことができる。上記組成物は、腫瘍血管系において蓄積し得る。上記方法のいくつかの形態は、本明細書中に開示される組成物、アネキシン1結合化合物、アネキシン1結合アミノ酸配列、ペプチド、またはアミノ酸配列を被験体に投与する工程を含み、ここで上記組成物、アネキシン1結合化合物、アネキシン1結合アミノ酸配列、ペプチド、またはアミノ酸配列は、選択的に腫瘍血管系に向かい、ここで上記組成物、アネキシン1結合化合物、アネキシン1結合アミノ酸配列、ペプチド、またはアミノ酸配列は、腫瘍血管系において蓄積する。上記組成物、アネキシン1結合化合物、アネキシン1結合アミノ酸配列、ペプチド、またはアミノ酸配列は、選択的に腫瘍血管系に向かうことができる。
成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物を被験体に投与する工程を含む方法が開示される。また、被験体において腫瘍細胞を標的にする方法であって、この方法は、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを上記被験体に投与する工程を含む、方法が開示される。また、被験体において腫瘍細胞を標的にする方法であって、この方法は、成分、および細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む、組成物を上記被験体に投与する工程を含む、方法が開示される。また、細胞上の炭水化物受容体に結合し得るアミノ酸配列を含むペプチドを含む組成物を上記被験体に投与する工程、および上記被験体において、上記組成物を検出する工程を含む方法が開示される。
1つの例において、上記組成物は、治療効果を有し得る。この効果は、腫瘍の部位への治療剤の送達によって高められ得る。
治療効果は、全身腫瘍組織量の増加を遅くすること、または全身腫瘍組織量の低減であり得る。この、上記全身腫瘍組織量の増加を遅くすること、または全身腫瘍組織量の低減は、非処置腫瘍または異なる方法によって処置された腫瘍と比較して、上記全身腫瘍組織量の増加において、または全身腫瘍組織量の低減において、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、もしくは1000%、もしくはそれより多くの改善であり得る。
治療効果はまた、腫瘍における血液循環の、低減または遮断であり得る。腫瘍における血液循環のこの低減または遮断は、非処置腫瘍または異なる方法によって処置された腫瘍と比較して、腫瘍における血液循環の効果的な遮断において、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、150%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、または1000%、またはそれより多くの改善であり得る。
開示される組成物は、アネキシン1が、正常な量よりも多い量で存在する任意の疾患を処置するために使用され得る(例えば、がん)。処置され得る、異なるタイプのがんの非限定的なリストとしては、リンパ腫(ホジキンおよび非ホジキン)、癌腫、固形組織(solid tissue)の癌腫、扁平上皮細胞癌腫、腺癌、肉腫、神経膠腫、高度神経膠腫(high grade glioma)、芽細胞腫、神経芽細胞腫、プラスマ細胞腫、組織球腫、黒色腫、腺腫、低酸素性腫瘍、骨髄腫、AIDS関連のリンパ腫または肉腫、転移性のがん、またはがん全般が挙げられる。
開示される組成物が処置するために使用され得る、代表的だが非限定的な、がんのリストは、以下:リンパ腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、ホジキン病、骨髄性白血病、膀胱がん、脳がん、神経系がん、頭頸部がん、頭頸部の扁平上皮細胞癌腫、腎臓がん、肺がん(例えば、小細胞肺がん、および非小細胞肺がん)、神経芽細胞腫/神経膠芽細胞腫、卵巣がん、膵がん、前立腺がん(prostate cancer)、皮膚がん、肝がん、黒色腫、口、咽喉、喉頭、および肺の扁平上皮細胞癌腫、結腸がん、子宮頸がん、子宮頸癌腫、乳がん、および上皮がん、腎がん、泌尿生殖器がん、肺のがん(pulmonary cancer)、食道癌種、胃がん、頭頸部癌腫、大腸がん、造血がん(hematopoietic cancer);精巣がん;結腸および直腸がん、前立腺がん(prostatic cancer)、または膵がん、である。
開示される組成物はまた、細網内皮系(RES)組織による上記組成物の取り込みを低減するためにおとり粒子(decoy particle)の前処置後に投与され得る。このようなおとり粒子の前処置は、上記粒子の血中半減期(blood half−life)を長くし得、腫瘍標的化を増大させる。
上記方法は、投与する工程の後に、開示されるペプチドおよび組成物を検出する工程をさらに含み得る。開示されるペプチドおよび組成物は、蛍光、CTスキャン、PET、またはMRIによって検出され得る。開示されるペプチドおよび組成物は、蛍光によって検出され得る。開示されるペプチドおよび組成物は、被験体における腫瘍血管系または腫瘍と結合体化し得る。
実施例
本明細書中で請求される化合物、組成物、物品、デバイスおよび/または方法がどのように作製および評価されるのかの完全な開示および記載を、当業者に提供するために以下の実施例を示し、これらは、純粋に例示的であることを意図し、本開示を限定することを意図しない。数字(例えば、量、温度など)に関して正確性を確実にするための努力がなされているが、いくつかの誤差および偏差は、考慮されるべきである。そうでないと示されない限り、部分は、重量による部分であり、温度は、℃にあるかまたは周囲温度であり、圧力は、大気圧または大気圧近くである。
A.実施例1:炭水化物模擬ペプチドIF7による、悪性腫瘍に対して標的化した高度に効率的な薬物送達
1.導入
ゲノミクスおよびプロテオミクスにおける技術的進歩は、DNAおよびタンパク質の自動化化学合成とともに生物医学における進展に大きく貢献している。対照的に、炭水化物の役割の理解は、技術の進歩の不足に起因して、立ち遅れている。現在、組換え炭水化物または増幅可能な炭水化物は、生産することができず、複合糖質は、自動的に化学合成され得ない。結果として、炭水化物ベースの薬物の発見は、がんの悪性度が、腫瘍細胞表面上に見出される炭水化物構造に密接に関連しているという事実にも関わらず、大部分調査されていない(S. Hakomori.Glycosylation defining cancer malignancy:new wine in an old bottle.Proc Natl Acad Sci U S A 99:10231−10233(2002);S.Nakamori、et al.Increased expression of sialyl Lewisx antigen correlates with poor survival in patients with colorectal carcinoma:clinicopathological and immunohistochemical study.Cancer Res 53:3632−3637(1993))。このジレンマを超えて進むために、ペプチドを表面に表すファージ技術および同定された炭水化物模擬ペプチドが用いられている(M.N.Fukuda,et al.A peptide mimic of E−selectin ligand inhibits sialyl Lewis X−dependent lung colonization of tumor cells. Cancer Res 60:450−456(2000);M.N.Fukuda.Screening of peptide−displaying phage libraries to identify short peptides mimicking carbohydrates.Methods Enzymol 416:51−60 (2006);T.Taki,et al.A new approach for drug discovery from glycobiology and phage−displayed peptide library technology.Biochim Biophys Acta 1780:497−503(2008);J.K.Scott,D.Loganathan,R.B Easley,X.Gong,I.J Goldstein.A family of concanavalin A−binding peptides from a hexapeptide epitope library.Proc Natl Acad Sci U S A 89:5398−5402(1992))。例えば、I−ペプチド、すなわちIELLQARは、セレクチンリガンド模擬体として同定され、マウスに静脈内注射されるとき、合成のI−ペプチドは、肺に対する炭水化物依存がん細胞のコロニー形成を阻害した(M.N.Fukuda,et al.A peptide mimic of E−selectin ligand inhibits sialyl Lewis X−dependent lung colonization of tumor cells. Cancer Res 60:450−456(2000);J.Zhang,et al.Sialyl Lewis X−dependent lung colonization of B16 melanoma cells through a selectin−like endothelial receptor distinct from E− or P−selectin.Cancer Res 62:4194−4198(2002))。
I−ペプチドがアポトーシス誘導リポソーム(R.De Maria,et al.Requirement for GD3 ganglioside in CD95− and ceramide−induced apoptosis.Science 277:1652−1655 (1997))に充填され、腫瘍のないマウスに静脈内注射されるとき、I−ペプチドは、それらのリポソームを、がん細胞のコロニー形成を可能にする潜在的な炭水化物依存部位を表す肺の内皮細胞に向かわせた(targeted)(S.Hatakeyama et al.Identification of mRNA splicing factors as the endothelial receptor for carbohydrate−dependent lung colonization of cancer cells.Proc Natl Acad Sci USA 106:3095−3100(2009))。I−ペプチド充填リポソームで処置されたマウスは、肺の炭水化物依存がんのコロニー形成を示さなかった。意味深いことに、I−ペプチド充填リポソームを、皮下に生じさせたB16腫瘍を有するマウスに注射したとき、一次性の(primary)腫瘍のサイズが低減した。I−ペプチドによって促進される抗腫瘍活性は、I−ペプチドがアネキシン1(Anxa1)フラグメントに結合したときに、アネキシン1(Anxa1)によって媒介され得る(S.Hatakeyama et al.Identification of mRNA splicing factors as the endothelial receptor for carbohydrate−dependent lung colonization of cancer cells.Proc Natl Acad Sci USA 106:3095−3100(2009))。広範囲なサブトラクティブプロテオミクス(subtractive proteomics)は、Anxa1を特異的な腫瘍内皮細胞表面マーカーとして同定した(Oh et al.Subtractive proteomic mapping of the endothelial surface in lung and solid tumours for tissue−specific therapy.Nature 429:629−635(2004))。これらの予備的な観測は、アネキシンファミリータンパク質による炭水化物結合活性(R.Hannon et al.Aberrant inflammation and resistance to glucocorticoids in annexin 1−/− mouse.Faseb J 17:253−255(2003);H.A. Lehr et al.Dorsal skinfold chamber technique for intravital microscopy in nude mice.Am J Pathol 143:1055−1062(1993))とともに、炭水化物模擬ペプチドを利用する腫瘍血管系特異的標的化ビヒクルの開発を促進した。本明細書中で、IF7と指定されるAnxa1結合炭水化物模擬ペプチドは、抗がん薬物についての高度に効率的な腫瘍標的化ビヒクルとして同定されている。
2.結果
i.腫瘍血管系マーカーとしてのAnxa1の妥当性
C57BL/6に対して完全に戻し交配された、Anxa1ヌル変異マウス(R.Hannon et al.Aberrant inflammation and resistance to glucocorticoids in annexin 1−/− mouse.Faseb J 17:253−255,2003)において、B16黒色腫細胞を皮下に注射したとき、腫瘍の成長が、Anxa1異型接合マウスにおいて生じさせた腫瘍と比較して、有意に低減した(図1A、B)。Anxa1ヌルにおいて生じさせた腫瘍は、大部分が壊死性であった(図1C)。注目すべきことに、Anxa1ヌルマウスにおいて生じさせた腫瘍において、血管系を見出さなかった(図1D)。これらの発見は、内皮細胞表面上でのAnxa1の発現(P.Oh et al.Subtractive proteomic mapping of the endothelial surface in lung and solid tumours for tissue−specific therapy.Nature 429:629−635,2004)が、上記マウスにおいて活動性腫瘍の成長に不可欠であることを示唆する。
ii.IF7の同定:腫瘍標的化およびAnxa1結合ペプチド
I−ペプチド(IELLQAR;配列番号13)を、セレクチンリガンド模擬物(mimicry)として同定し、マウスに静脈内注射したとき、合成のI−ペプチドは、肺に対する炭水化物依存がん細胞のコロニー形成を阻害した(Fukuda et al.,Cancer Res 2000;60:450−6;Zhang et al.Cancer Res 2002;62:4194−8)。Anxa1に対するI−ペプチド結合活性は、腫瘍標的化ビヒクルとして使用され得る。しかし、以前に示されるように、上記I−ペプチドはまた、pre−mRNAスプライシング因子を介して正常な肺を標的にする(Hatakeyama,S.et al.,Proc Natl Acad Sci 2009;106:3095−100)。従って、正常な肺の血管系ではなく腫瘍を特異的に標的にするペプチド配列が望ましい。腫瘍を有するマウスに静脈内注射されたファージクローンの器官標的化は、IF7と指定されるIFLLWQRが、肺の組織ではなく、腫瘍を標的にすること示した(図1E、クローン#2)。さらに、IF7ファージによる腫瘍標的化は、抗Anxa1抗体によって完全に阻害され(図1F)、IF7が、内皮細胞表面上に発現するAnxa1を介して腫瘍血管系に結合することを示した(Oh et al.Nature 2004;429:629−35)。低レベルのAnxa1を、ビオチン化によって、肺において検出した(Hatakeyama et al.,Proc Natl Acad Sci 2009;106:3095−100)が、腫瘍を有するマウスにおいて、肺に対するIF7の標的化は検出できなかった(図1F)。このことは、肺の内皮細胞表面上に発現するAnxa1のレベルが、腫瘍血管系において発現するものよりも顕著に低いことを示した。
蛍光Alexa 488と結合体化された、化学的に合成されたIF7は、IF7−A488と指定される結合体であり(図2)、このものは、プレートアッセイにおいて、組換えAnxa1−Hisタンパク質に結合するが、RQ7−A488(RQWLLFI(配列番号15)またはリバースIF7と結合体化されたAlexa 488)は、Anxa1に結合しなかった(図1G)。Anxa1に結合するIF7を、表面プラズモン共鳴アッセイおよび等温滴定アッセイ(isothermal titration assay)によって確かめた(図3および4)。フコシル化された炭水化物は、Anxa1に結合し(図4)、その結合は、IF7によって阻害されたがRQ7によっては阻害されなかった(図1H)。
iii.IF7によるインビボでの腫瘍標的化活性
IF7によるインビボでの腫瘍血管系標的化活性を試験するために、腫瘍を、ヌードマウスに取り付けられた(installed)背側皮脂層チャンバーにおいて、生じさせた(Lehr et al.,Am J Pathol 1993; 143: 1055−62)。IF7−A488を尾静脈を介して注射し、腫瘍の蛍光を顕微鏡によりモニターし、蛍光シグナルが1分間以内に腫瘍において現れ、9分間でプラトーに達し、40分間または実験が終わるまで高いままであった(図5A−a、図5B)。対照的に、対照のペプチドRQ7−A488のシグナルは、検出可能ではなかったか、またはバックグラウンドレベルのままであった(図5A−b、図5B)。抗Anxa1抗体をIF7−A488注射の前に注射したとき、腫瘍における蛍光シグナルは、有意に低減した(図5A−d、5B)。他方、無関係のウサギIgG抗体は、IF7−A488腫瘍標的化を阻害しなかった(図5A−c、5B)。注射の20分後に腫瘍から調製される組織切片は、IF7−A488による脈管の染色を示したが(図5C−a)、RQ7−A488によるものは示さなかった(図5C−b)。これらの結果は、IF7が、内皮細胞表面上に発現するAnxa1を介して腫瘍を標的にすることを示す。
腫瘍を有するマウスの循環中に残留するIF7−A488のレベルは、IF7による腫瘍標的化の効力を示し得る(図5D)。IF7−A488を、腫瘍を有さない対照のマウスに静脈内注射したとき、IF7−A488は、初期のサージ(initial surge)後、循環中に残留した。しかし、IF7−A488をB16腫瘍を有するマウスに注射したとき、蛍光シグナルの初期のサージは、顕著に低減し、循環からのそれらの完全な消滅が続いた。このことは、IF7の極めて高い腫瘍標的化の効力を示す。
iv.IF7−結合体化薬物による腫瘍特異的送達
IF7への抗がん薬物結合体化は、インビボで、腫瘍に薬物を送達し、腫瘍の成長を抑制し得る。IF7を、アポトーシスを誘導する薬物であるゲルダナマイシン類似体17−AAGと結合体化させた(Vasilevskaya,I.et al.,Cancer Res 2003;63:3241−6;Mandler、R.et al.,J Natl Cancer Inst 2000;92:1573−81)(図2)。IF7−GA結合体をB16腫瘍を有するマウスに静脈内注射したとき、腫瘍の成長は、抑制された:IF7−GA−処置マウスからの腫瘍は、対照のマウスからの腫瘍よりも有意に小さかった(図6A−a)。IF7−GAとして使用される17−AAGの用量は、5mg/kgであったが、マウス腫瘍モデルの以前の研究においては、50〜75mg/kgの17−AAGが使用されていることに留意すべきである(Eiseman et al.,Cancer Chemother Pharmacol 2005; 55:21−32;Solit et al.,Clin Cancer Res 2002;8:986−93;Mitsiades,C.et al.,Blood 2006;107:1092−100)。対照のマウスからのB16腫瘍は、血管周囲に活動性の成長を示したが(図6B−a)、IF7−GA−処置マウスからの腫瘍におけるB16細胞は、管に沿ったアポトーシスのはっきりした兆候および血管の形態学的に明らかな壊死を示し、これは、腫瘍および腫瘍内皮細胞に対するGAの効果を示していた(Vasilevskaya et al.,Cancer Res 2003;63:3241−6;Solit et al.,Cancer Res 2003;63:2139−44)。使用された全てのマウスからの主要な器官の組織学的分析は、明らかな異常を示さなかった。全てのマウスからの血液検査は、肝臓機能、腎臓機能、および血液細胞数において異常を示さなかった。しかし、IF7−GAによって処置された腫瘍を有するマウスは、対照のマウスよりも長く生存しなかった。
同様の結果を、BL6マウスにLewis肺癌腫(LLC)細胞を皮下注射することによって生じさせた肺癌腫の腫瘍モデルを用いて(図6A−b、図6B−b)、および免疫不全マウスに、ヒト前立腺がん(prostate cancer)PC3細胞および乳がんMDA−MB−231細胞を、それぞれ同所注射することによって生じさせたヒト前立腺がんマウスモデルおよび乳がんマウスモデルにおいて(図6A−c、6A−d、6B−c、および6B−d)得た。
本明細書中で使用されたIF7−GAの投与量は、漸増する用量が腫瘍を有するマウスの生存を改善または腫瘍サイズを低減しなかったので、最適であると考えられ得る。IF7−GA−処置マウスをレスキューし損なったことは、Hsp−90を阻害することによりアポトーシスを誘導するGAの控えめな活性に起因する(Clarke et al.,Oncogene 2000;19:4125−33;Panaretou et al,Mol Cell 2002;10:1307−18)。従って、IF7を、高度に効力のある抗がん薬物SN−38(Meyer−Losic et al.,Clin Cancer Res 2008;14:2145−53)(図7)に、エステラーゼでの切断可能なクロスリンカー(cross−linker)を用いて、結合体化させた。注目すべきことに、IF7−SN38を、大きなB16固形腫瘍を有するマウスに静脈内注射したとき、それらのマウスはレスキューされ(図8A):腫瘍を有するマウスは、IF7−SN38の注射が続く限り生存した(図8A)。従って、IF7−SN38は、末期に近いマウスをレスキューすることにおいて有効であるが、IF7−GAは、有効でなかった。IF7−SN38は、投与後すぐに腫瘍細胞の増殖を遅くさせたが、腫瘍サイズは、徐々に増加した(図8B)。大きな腫瘍サイズに関わらず、マウスは、IF7−SN38によってもたらされた、延長された日数の生存の間、衰弱の兆候を示さなかった。IF7−SN38−注射マウスからの腫瘍は、時折、浮腫を示したが、対照のマウスからの腫瘍は示さなかった。これらの観測は、流体の蓄積が、IF7−SN38注射マウスにおいて見られる増加した腫瘍サイズの一因となることを示している。腫瘍の早期におけるIF7−SN38の効果を決定するために、IF7−SN38を8日目に注射し、2日後に腫瘍を単離した。IF7−SN38−注射マウスからの腫瘍は、対照のマウスからの腫瘍と比較して、より小さく、より多くの壊死を含んでいる(図8C)。この研究において使用されたIF7−SN38の投与量は、7.5mg/kgであったが、腫瘍血管系標的化活性のないペプチドと結合体化されたSN−38は、以前の研究において、95mg/kgで使用された(Meyer−Losic et al.,Clin Cancer Res 2008;14:2145−53)。
IF7−SN38の効果をさらに分析するために、腹膜に注射したB16腫瘍を有するマウスを試験した。腹膜のB16腫瘍において、がん細胞はすばやく成長し、マウスの生存は、制限された。これらの実験において、IF7−SN38は、B16腫瘍を有するマウスの生存時間を延ばした(図8D)。IF7−GAはまた、B16腫瘍を有するマウスの生存を延ばすことにおいて、有効であった。IF7−GA処置マウスおよびIF7−SN38処置マウスから単離された腫瘍は、対照のマウスからの腫瘍よりも小さかった(図8E)。対照の腫瘍を有するマウスにおいて、微小転移巣からもたらされる多くの小さい病巣が腹膜壁に見られたが、IF7−GA−処置マウスおよびIF7−SN38−処置マウスにおいては、微小転移巣を検出しなかった。組織学は、IF7−GA処置マウスおよびIF7−SN38処置マウスからの腫瘍が、対照のマウスからの腫瘍よりも多くの脂肪細胞を示すことを示し(図8F)、このことは、IF7−GAおよびIF7−SN38の両方が、がん細胞の増殖を抑制したことを示した。図8Eおよび8Fにおいて示されたIF7−SN38の効果は、IF7−GAの効果よりも優れていることに留意のこと。血液検査は、肝臓機能、腎臓機能、および血液細胞数において異常を示さなかった。
上に記載した実験において、腫瘍のサイズを、カリパスを用いて測定した。しかし、この方法は、特に、壊死が腫瘍における浮腫またはリンパ流体(lymphatic fluid)の蓄積を引き起こす場合、最も正確なものというわけではない。マウスにおいてインビボでIF7−SN38の効果をモニターするために、ルシフェラーゼを発現する安定した細胞系、HCT116−lucを生産し、生きているHCT116−luc細胞によって生じる光子数を測定した。IF7−SN38(0.68μモル)をHCT116−luc腫瘍を有するマウスに注射したとき、生きているHCT116−luc細胞の数は次の日に低減したが、IF7−SN38の注射なしでは、これらの細胞は、2日後に増加した(図10)。これは、IF7−SN38を、腫瘍の成長を抑制するために毎日投与するべきであることを示した。IF7−SN38を、HCT116−luc腫瘍を有するマウスに毎日、静脈内注射したとき、腫瘍の成長が完全に抑制され、このことを、光子数およびカリパス測定の両方によって実証した(図11)。
v.腫瘍血管系に対するIF7C(RR)ペプチドの標的化および浸透
IF7−SN38は、高度に疎水性であるので、静脈内注射後にIF7−SN38が不溶性になるという可能性に関する懸念があった。このようなことは、インビボでの、IF7−SN38の活性を低減し得る。水性の環境において、IF7−SN38の可溶性を増加させるために、2個のアルギニン残基を、システイン残基の後に、IF7に付加した。従って、IFLLWQR−C−RR(配列番号17)すなわちIF7C(RR)を合成した。IF7C(RR)をFITC−ポリ−L−リジンに結合体化させたとき、IF7C(RR)−結合体化FITC−ポリ−L−リジンは、Anxa1発現マウス内皮F−2細胞の表面に結合した(図12A)。その細胞質および核のFITCシグナルは、上記細胞質および核におけるAnxa1の局在と合致する(Gerke、2005 #5299)。IF7C(RR)のないFITC−ポリ−L−リジンは、F−2細胞に結合しなかった(データ示さず)。IF7C(RR)−結合体化FITC−ポリ−L−リジンを、トランスウェルチャンバーのインサートのフィルター(filter of the insert for trans well chamber)上に成長させたF−2細胞に加え、洗浄し、次に、培地中で37℃または4℃にてインキュベートしたとき、蛍光は、37℃でインキュベートされた細胞から、より下のチャンバーへと移動したが、4℃でインキュベートされた細胞からは、移動しなかった(図12B)。これは、IF7C(RR)の結合および輸送が、細胞を介した能動輸送メカニズムによって媒介されることを示す。IF7C(RR)の結合および輸送が、腫瘍血管系においてインビボで起こるかどうかを決定するために、IF7C(RR)−結合体化FITC−ポリ−L−リジンを、B16腫瘍を有するマウスに静脈内注射した。腫瘍組織切片は、血管系の反管腔側(abluminal)領域の周りに緑色蛍光シグナルを示した(図12C)。このことは、腫瘍血管系に対するIF7C(RR)の結合、および内皮細胞を介した管腔側(luminal)から反管腔側表面へのこのペプチドの輸送を示している。低分子(例えば、IF7C(RR)と結合体化されたSN−38)は、大きい分子(例えば、ポリ−L−リジン)よりも深く、そしてより速く腫瘍に浸透し得る。
vi.HCT116−luc腫瘍に対するIF7C(RR)結合体化SN−38の効果
IF7C(RR)−SN38の活性を、上に記載されるHCT116−luc腫瘍を用いて試験した。大きいHCT116−luc腫瘍を有するヌードマウスに、毎日の注射によって、IF7C(RR)−SN38を注射し、腫瘍サイズをルシフェラーゼベースの化学発光によってモニターした(図13)。IF7C(RR)−SN38は、図11に示されるIF7−SN38よりも強い抗腫瘍活性を有したようである。IF7C(RR)−SN38は、その成長を抑制しただけではなく、そのサイズを顕著に低減したが、IF7−SN38は、上記腫瘍サイズを、実質的に、薬物注射前のレベルより低くに、低減することはなかった。
IF7C(RR)−SN38のさらなる抗腫瘍活性を決定するために、この薬物の効果を低用量で試験した。投与量を低減した実験は、IF7C(RR)−SN38が、HCT116−luc腫瘍の成長を、わずか0.81μmol/kgという低投与量で、有効に抑制することを示した(図14)。本発明者らは、これらの投与量で注射されたIF7C(RR)−SN38は、副作用を有さないことを予想した。これを、一連の血液検査によって確認した(図15)。
3.考察
Anxa1は、内皮カベオラ(caveola)における腫瘍内皮細胞表面に局在し、エンドサイトーシスを介して内部移行する(Schnitzer et al.,J Biol Chem 1995;270:14399−404)。最近の研究は、頂端細胞表面で内皮カベオリ(caveoli)タンパク質に結合するリガンドが、基底表面へと効率的に輸送され、下方の間質に放出されることを示す。(Schnitzer Adv Drug Deliv Rev 2001;49:265−80)。従って、管腔側表面で内皮細胞によって捕捉されるIF7−結合体化薬物は、がん細胞が、高濃度で薬物に曝され得る間質に放出され得る。これらのプロセスの間、抗がん薬物結合体のペプチド成分は、プロテアーゼによっておそらく消化され、薬物が腫瘍細胞に浸透するのを可能にする。この仮説は、血管系の周りに位置するがん細胞が、IF7−結合体化アポトーシス誘導薬物IF7−GAを注射された、腫瘍を有するマウスにおいて、アポトーシスを経験することを示している組織学的観測に合致する(図6B)。遊離の(free)SN−38は、血清または組織エステラーゼの作用を介して生産され得る。このことは、SN−38が細胞に入り、その効果を有することを可能にする。
IF7−結合体化抗がん薬物は、Anxa1に対するIF7の結合を介して(図1F〜H)、および腫瘍血管系上のAnxa1の発現によって(図1F、5A−C)、化学療法の効力を改善する(P.Oh et al.Subtractive proteomic mapping of the endothelial surface in lung and solid tumours for tissue−specific therapy.Nature 429:629−635(2004))。これらの特徴は、IF7−結合体化化合物を腫瘍に送達することにおいて極めて高い特異性および効力をもたらす(図5)。抗体がその抗原に結合するのに少なくとも15〜30分間かかり得ることを考慮すると、腫瘍血管系に結合するIF7の効力は、今までのところ公知である、あらゆる腫瘍標的化試薬のレベルを超える。それは、7マーペプチドであるので、IF7の生産および品質管理は、臨床試験のためのヒト化モノクローナル抗体を生産するために使用されるものよりも、大いに簡単である(S.Izumoto et al.Phase II clinical trial of Wilms tumor 1 peptide vaccination for patients with recurrent glioblastoma multiforme.J Neurosurg 108:963−971(2008))。さらに、ペプチドは容易に分解可能であり、従って、ヒトおよび環境上の毒性に関する懸念は、最小限であるはずである。短い7マーペプチド(例えば、IF7)は、抗原としておそらく機能せず、従って、IF7によって注射される患者における免疫反応に関する懸念は、最小限であるはずである。
一般に、ペプチドベースの薬物は、それらが、インビボでプロテアーゼに対して感受性であるので、不安定であると考えられている(L.Otvos,Jr.Peptide−based drug design:here and now.Methods Mol Biol 494:1−8(2008),L.A.Landon et al.Is phage display technology on target for developing peptide−based cancer drugs? Curr Drug Discov Technol 1:113−132(2004))。しかし、IF7によって達成される極めて高い腫瘍血管系標的化は、タンパク質分解によって引き起こされる潜在的な問題を克服し得:IF7は、抗がん薬物のためのビヒクルとして機能し、そしてほとんどのIF7−結合体化薬物は、IF7がタンパク質分解を受ける前に送達され得る。短いペプチドは、腫瘍血管系標的化について、マウスにおいてインビボで、首尾よく試験されている(W.Arap et al.Cancer treatment by targeted drug delivery to tumor vasculature in a mouse model.Science 279:377−380 (1998);E.A. Murphy et al.Nanoparticle−mediated drug delivery to tumor vasculature suppresses metastasis.Proc Natl Acad Sci U S A 105:9343−9348(2008);N.Oku et al.Anti−neovascular therapy using novel peptides homing to angiogenic vessels.Oncogene 21:2662−2669(2002);F.Donate et al.Pharmacology of the novel antiangiogenic peptide ATN−161(Ac−PHSCN−NH2):observation of a U−shaped dose−response curve in several preclinical models of angiogenesis and tumor growth.Clin Cancer Res 14:2137−2144(2008))。しかし、臨床試験は、将来有望な成果を、まだもたらしていない。IF7は、正常血管系と腫瘍血管系との厳密な比較後に同定されたAnxa1を標的にするので、以前に公知の腫瘍血管系標的化ペプチドを凌駕する利点を有し得る(P.Oh et al.Subtractive proteomic mapping of the endothelial surface in lung and solid tumours for tissue−specific therapy.Nature 429:629−635(2004))。
腫瘍血管系への薬物送達の成功した標的化は、ヒトにおいて達成されていない(Ruoslahti E.et al.Annu Rev Immunol 2000;18:813−27;Neri,D.et al.Nat Rev Cancer 2005;5:436−46;Bellone,M.et al.Trends Immunol 2008;29:235−41)。炭水化物模擬ペプチドIF7は、IF7が、腫瘍血管系上に特異的に発現するAnxa1を標的にするので、このような送達のためのビヒクルとして役立ち得る(Oh et al.Nature 2004;429:629−35)。ペプチドベースの治療物質は、大量の短く、高度に精製されたペプチドが、臨床試験のために低コストで合成され得るので、有利である(Izumoto et al.,J Neurosurg 2008;108:963−71)。さらに、ペプチドは、容易に分解可能であり、ヒトおよび環境上の毒性に関する懸念は、最小限であるはずである。ペプチドベースの抗がん薬物は、確立されていない(Arap et al.,.Science 1998;279:377−80;Murphy,E.et al.,Proc Natl Acad Sci 2008;105:9343−8;Oku,N.et al.,Oncogene 2002;21:2662−9;Donate,F.,et al.,Clin Cancer Res 2008;14:2137−44)が、IF7−GAおよびIF7−SN38による、はっきりした抗がん活性は、IF7−結合体化薬物のすばやい送達が、IF7のタンパク質分解性分解の潜在的な問題を克服することを示している。
有効な化学療法は、早期だけではなく進行した病期における悪性腫瘍を有する患者を救い、がん幹細胞を根絶することによって悪性度の回帰(recurrence)をさらに抑制するはずである。IF7による高度に効率的な標的化薬物送達は、それぞれ明瞭な活性を有する異なる抗がん薬物によって、複数の化学療法を可能にする。それにもかかわらず、IF7−結合体化抗がん薬物の効力は、がん患者において、まだ臨床的に評価されないでいる。
4.材料および方法
i.材料
ペプチドをGenScript(Piscataway,NJ)によって合成した。ウサギ抗アネキシン1抗体(H−65)は、Santa Cruz Biotechnologies(Santa Cruz,CA)由来である。それぞれI−ペプチドおよびIF7を表面に表しているファージクローンは、記載されている(Fukuda,M.et al.,Cancer Res 2000;60:450−6)。
ii.脊椎動物の使用
マウスのプロトコルは、Burnham Institute for Medical ResearchにおけるInstitutional Review Committeesによって承認された。
iii.インビボでのファージ標的化
マウス黒色腫B16F1細胞(2×l0細胞/100μlのPBS)を、C57BL/6雌性マウス(8〜10週齢)の背側側腹(dorsal flank)に皮下注射した。10日後、100μlのPBS中にI−ペプチドを表面に表しているファージクローン、またはI−ペプチド関連配列を表面に表している各クローン(1×l0pfu)を静脈内注射した。実験の別個の組において、ウサギ抗Anxa1抗体(H−65,Santa Cruz)、またはウサギIgG(20μgのIgG)を、ファージ注射の15分前に注射した。そのマウスを、1mMのCaClを含むTBS(TBSC)で灌流し、腫瘍および肺の組織を単離した。組織ホモジェネート(100mgのタンパク質)を、コンピテント(competent)K91細菌とともにインキュベートし、テトラサイクリン(10μg/ml)およびカナマイシン(100μg/ml)を含むLB寒天に蒔いた。37℃で20時間培養した後に、寒天プレート上に現れるコロニーを数えた。
iv.IF7−Hisタンパク質に対するIF7−A488の結合
Anxa1をコードする全長のcDNAを、Invitrogen(Carlsbad,CA)から得て、pET29aベクター(Novagen)にサブクローニングして、IF7−His融合タンパク質を生産した。組換えタンパク質を、Niアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。黒色の384ウェルプレート(Greiner bio−one)のウェルを、組換えIF7−Hisタンパク質(10μg/ウェル)でコーティングした。1mMのCaClおよび0.05%のTween 20を含む10mMのTris−HClバッファー(pH7.4)に溶解させたIF7−A488(4μg/ml)を加えた。そのプレートを洗浄後、Molecular Devices Analyst HTプレートリーダーによって蛍光を測定した。IF7および対照RQ7ペプチドによる、Anxa1−Hisに対するLewis Aオリゴ糖の結合の阻害の分析を、上に記載されるようにFITC−結合体化ポリアクリルアミド−LeA(Glycotech)を用いて実施した。
v.背側皮脂層チャンバーウインドーにおけるIF7−A488のインビボでの画像化
記載されるように、Lewis肺癌腫(LLC)腫瘍を、皮下注射によってドナーのヌードマウスにおいて生じさせ、腫瘍の小さい断片(1mm未満)を、レシピエントのヌードマウス(8〜10週齢の雌性Balb/cヌード)における背側皮脂層チャンバーに移植した(Lehr et al.,Am J Pathol 1993;143:1055−62;Oh et al.,Nat Biotechnol 2007;25:327−37)。3日後、そのマウスに、1.25%の2,2,2−トリブロモエタノール(25μl/g)の腹膜注射によって麻酔をかけた。IF7−A488またはRQ7−A488(100μl;5%のグルコース溶液中50mM)を、尾静脈を介して注射した。腫瘍における生体内(intravital)Alexa 488シグナルを、Zeiss Axioplan蛍光顕微鏡およびデジタルカメラシステム(DP70およびDPコントローラー,Olympus)によって検出および記録した。阻害アッセイについて、ウサギ抗Anxa1抗体(H−65,Santa Cruz)、またはウサギIgG(20μgのIgG)を、IF7−A488注射の15分前に注射した。腫瘍における0分〜40分のシグナル強度をImage J(NIH,Maryland)によって測定した。10分後、UVランプによる標本の照射を、写真を撮る回数(times)にのみ限定して、蛍光退色(bleaching)を避けた。その腫瘍を背側皮脂層チャンバーから単離して、4%のパラホルムアルデヒドで室温にて15分間固定し、O.C.T化合物中に埋め、凍結切片(cryosection)を作製した。凍結切片(frozen section)をDAPI含有Vectashield(Vector laboratories)で覆い、Zeiss Axioplan蛍光顕微鏡下で調査した。
vi.腫瘍モデル、およびIF7−GAまたはIF7−SN38処置
マウス黒色腫B16F1細胞(2×10細胞/100μlの血清を含まないDMEM)を、C57BL/6雌性マウス(8〜10週齢)の背側側腹に皮下注射した。10日後、マウスを無作為に4つの群に分け、それらは、10日目、12日目、および14日目に、(1)100μlの5%グルコース、またはそれぞれ1.3mMの(2)IF7、(3)GA、もしくは(4)IF7−GAを含む同じ量の5%グルコースを受けた。15日目に、マウスを犠牲にし、腫瘍重量を決定した。マウスLewis肺癌腫(LLC)細胞(4×l0細胞/100μlの血清を含まないDMEM)を、C57BL/6雌性マウス(8〜10週齢)の背側側腹に皮下注射した。7日後、マウスを無作為に4つの群に分け、それらは、7日目、9日目、および11日目に、(1)100μlの5%グルコース、または1.3mMの(2)IF7、(3)GA、もしくは(4)IF7−GAを含む5%グルコースを受けた。13日目に、マウスを犠牲にし、腫瘍重量を決定した。前立腺がん(prostate cancer)モデルについて、SCID/C.B−17雄性マウス(6〜8週齢)に、1.25%の2,2,2−トリブロモエタノールの腹膜注射によって麻酔をかけた。ヒト前立腺がん(prostate cancer)PC3細胞(l×l0細胞/20μlの血清を含まないDMEM)を、マウスの前立腺に同所注射した。7日目に、マウスを4つの群に分け、上記のように7日目、12日目、17日目、および22日目に処置した。28日目に、マウスを犠牲にし、前立腺腫瘍重量を決定した。乳がんモデルについて、SCID/C.B−17雌性マウス(8〜10週齢)に、ヒト乳がんMDA−MB−231細胞(ハンクス平衡塩溶液50μl中1×10細胞)を50μlのマトリゲル(Becton Dickinson,San Jose,CA)とともに、乳房の脂肪へと注射した。IF7−GAおよび対照の試薬の静脈内注射は、前立腺がん(prostate cancer)モデルについて記載されたスケジュールに従った。
図9に示される結果について、マウス黒色腫B16F1細胞(2×10細胞/100μlの血清を含まないDMEM)を、C57BL/6雌性マウス(8〜10週齢)の背側側腹に皮下注射した。10日後、マウスを無作為に3つの群に分け、それらは、10日目、12日目、14日目、および16日目に、それぞれ0.082μモルのIF7−DoxまたはIF7−SN38を含む100μlの5%グルコースを受けた。腫瘍のサイズを、カリパスを用いて測定した。
vii.統計解析
統計解析を、SPSS(Chicago,IL)、およびMicrosoft Excel(Redmond,WA)プログラムを用いて行った。図およびテキストにおける全ての値は、n実測値(observation)の平均値±標準偏差(SD)として表現され、ここで、nは、分析された動物の数である。データセットを、スチューデントの対応のないt検定(両側)、またはMann−WhitneyのU検定を用いて比較した。p値≦0.05を有意であると考えた。

Claims (1)

  1. 明細書に記載された発明。
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