JP2015109127A - 光学部品の角度調整機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学部品の角度調整機構において、光学部品が発熱を伴う場合であっても、簡単な構造で角度調整機能と放熱機能の両者を実現すること。
【解決手段】角度調整機構1は、球体の一部を切り出した形状で平面側に光学部品2を保持する球面筐体5と、球面筐体5の球面側に設置した放熱部材6と、球面筐体5を取り付けるベース7とを備える。ベース7には球面筐体5の球面部と接触する円筒状の貫通したベース穴8を有する。球面筐体5をベース穴8に接触して回転させることで光学部品2の傾き角度を調整する。また、光学部品2で発生した熱を放熱部材6からベース穴8を通しベース7の裏面側に放出する。
【選択図】図2B
【解決手段】角度調整機構1は、球体の一部を切り出した形状で平面側に光学部品2を保持する球面筐体5と、球面筐体5の球面側に設置した放熱部材6と、球面筐体5を取り付けるベース7とを備える。ベース7には球面筐体5の球面部と接触する円筒状の貫通したベース穴8を有する。球面筐体5をベース穴8に接触して回転させることで光学部品2の傾き角度を調整する。また、光学部品2で発生した熱を放熱部材6からベース穴8を通しベース7の裏面側に放出する。
【選択図】図2B
Description
本発明は、ホログラム記録再生装置等の光記録再生装置に好適な光学部品の角度調整機構に関する。
本件技術分野において、光記録再生装置における光学部品の角度ずれの調整技術が種々提案されてきた。例えば、特許文献1には、光磁気ディスク装置の光ヘッドの小型化と軽量化を目的とし、片面がミラー面で片面が球面のミラー部材と、ほぼ中央に貫通穴が形成されたミラー保持面を有し、上記ミラー部材を支持する支持部材とを備えた光ヘッドの構造が開示されている。この構造により、貫通穴およびミラー保持面のエツジがミラー部材の球面と接触するようにミラー部材を支持すれば、ミラー面の傾きの調整中に簡単にミラー部材を支持し得、調整作業を簡略化すると共に必要に応じて全体形状を小型化することが述べられている。
次世代の光ストレージ技術として、ホログラフィを利用してデジタル情報を記録するホログラム記録方式が注目されている。ホログラム記録とは、空間光変調器により2次元的に変調されたページデータの情報を有する信号光と、参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、その時に生じる干渉縞パターンによって記録媒体内に屈折率変調を生じさせることで情報を記録する方式である。また情報の再生時には、記録時に用いた参照光を同じ配置で記録媒体に照射すると、記録媒体中に記録されているホログラムが回折格子のように作用して回折光を生じる。この回折光が記録した信号光と位相情報を含めて同一の光として再生される。再生された信号光は、CMOSやCCDなどの光検出器を用いて2次元的に高速に検出される。ホログラム記録方式では、1つのホログラムで2次元的な情報を同時に記録/再生され、また同じ場所に複数のページデータを重ね書きすることができるため、大容量かつ高速な情報の記録再生が可能となる。
ホログラム記録再生装置では、記録時において、レーザダイオード(以下、LDと略す)からの出射光を各種レンズ及びプリズム、反射ミラー等を介して、空間光変調器に入射することで2次元的に変調されたページデータの情報を有する信号光を形成し、対物レンズを通して光ディスク上で収束させる必要がある。また、再生時での検出光においても対物レンズから各種レンズ等を介してCMOSやCCDなどの光検出器に結像する必要がある。
ここで、光学部品の実装時に角度ずれが起こると、信号光や参照光などの情報を伝達する光(以下、信号光と呼ぶ)のSN比の劣化がおこり、記録再生時の装置性能に大きく影響を及ぼすことになる。そのため、各光学部品は、角度ずれを正確に調整して実装する必要がある。また、角度調整の必要な光学部品が、空間光変調器や光検出器のように発熱を伴う能動部品の場合、角度調整機能の他に新たに放熱機能を設ける必要がある。一方、装置サイズにはコンパクト化の要求がなされることから、限られたスペースで光学部品を実装し、角度調整機能とともに放熱機能を実現する角度調整機構が要求される。
特許文献1においては、ミラー部材のように発熱を伴なわない光学部品を対象としている。よって、空間光変調器や光検出器のように発熱を伴う光学部品の放熱機能については、特に考慮されていない。この場合、仮に角度調整機構の他に放熱機構を新たに設けようとすると、装置サイズの大型化は避けられない。
本発明の目的は、光学部品の角度調整機構において、光学部品が発熱を伴う場合であっても、簡単な構造で角度調整機能と放熱機能の両者を実現することである。
本発明は、発熱を伴う光学部品の角度調整機構であって、球体の一部を切り出した形状で平面側に光学部品を保持する球面筐体と、球面筐体の球面側に設置した放熱部材と、球面筐体を取り付けるベースとを備え、ベースには球面筐体の球面部と接触する円筒状の貫通したベース穴を有し、球面筐体をベース穴に接触して回転させることで光学部品の傾き角度を調整し、光学部品で発生した熱を放熱部材からベース穴を通しベースの裏面側に放出する構成とする。
また本発明は、発熱を伴う光学部品の角度調整機構であって、光学部品を保持し底面に突起を有する基板ホルダと、円柱体の一部を軸方向に切り出した形状であって平面側に基板ホルダの突起と嵌合する穴を設けて基板ホルダを保持する円筒面筐体と、円筒面筐体の円筒面側に設置した放熱部材と、円筒面筐体を取り付けるベースとを備え、ベースには円筒面筐体の円筒面部と接触する四角形の貫通したベース穴を有し、円筒面筐体をベース穴に接触して回転させることで光学部品の第1の傾き角度を調整し、基板ホルダを突起の周りに回転させることで光学部品の第2の傾き角度を調整し、光学部品で発生した熱を基板ホルダを介して放熱部材に伝達し、ベース穴を通しベースの裏面側に放出する構成とする。
本発明によれば、発熱を伴う光学部品の角度調整機構において、簡単な構造でありながら、角度調整機能と放熱機能の両者を実現することができる。
以下、本発明の各種実施形態を説明する。各実施例では、ホログラム記録再生装置の光学部品の中で発熱を伴う空間光変調器と受光素子を例にその角度調整機構を説明する。
図1Aと図1Bは、本発明を適用するホログラム記録再生装置の一例を示す概略図であり、図1Aは記録時の様子、図1Bは再生時の様子を示したものである。
まず、図1Aの記録時の動作から説明する。ホログラム記録再生装置100において、光源201を出射した光ビームはコリメートレンズ202を通過し、シャッター203に入射する。シャッター203が開いている時は、光ビームはシャッター203を通過した後、例えば、1/2波長板などで構成される偏光方向変換素子204によってP偏光とS偏光の光量比が所望の比になるように偏光方向を制御された後、偏光ビームスプリッタ205に入射する。
まず、図1Aの記録時の動作から説明する。ホログラム記録再生装置100において、光源201を出射した光ビームはコリメートレンズ202を通過し、シャッター203に入射する。シャッター203が開いている時は、光ビームはシャッター203を通過した後、例えば、1/2波長板などで構成される偏光方向変換素子204によってP偏光とS偏光の光量比が所望の比になるように偏光方向を制御された後、偏光ビームスプリッタ205に入射する。
偏光ビームスプリッタ205を透光した光ビームは、ビームエキスパンダ208によって光ビームを拡大させた後、偏光方向変換素子209、偏光ビームスプリッタ210、および、偏光ビームスプリッタ211を経由して空間光変調器212に入射し、空間光変調器212によって、画素毎に例えば位相情報が付加されたページデータとなる。空間光変調器212によってページデータとなった信号光206は偏光ビームスプリッタ211を反射し、リレーレンズ213ならびに空間フィルタ214を伝播する。その後、信号光206は無偏光ビームスプリッタ229を透光後、対物レンズ215によってホログラム記録媒体200に集光する。
一方、偏光ビームスプリッタ205を反射した光ビームは参照光207として働き、偏光方向変換素子216によって記録時または再生時に応じて所定の偏光方向に設定された後、ミラー217ならびにミラー218を経由して、ミラー219に入射する。なおミラー219はアクチュエータ220によって角度を調整可能であり、レンズ221とレンズ222を通過した後にホログラム記録媒体200に入射する。
このように信号光206と参照光207をホログラム記録媒体200において、互いに重ね合うように入射させることで、記録媒体内には干渉縞パターンが形成され、このパターンを記録媒体に書き込むことで情報を記録する。またミラー219によってホログラム記録媒体200に入射する参照光207の入射角度を変化させることができるため、角度多重による記録が可能である。
上記した記録時の構成において、空間光変調器212は、例えば、反射型強誘電性液晶などを用いた振幅変調型の2次元光変調を行う光学素子である。空間光変調器212は、偏光ビームスプリッタ211からの光ビームを反射するため、両者の対向面を正確に平行に保つ必要があり、後述する角度調整機構を設けている。一方で、空間光変調器212は能動素子のために発熱が起こり、これを放熱する必要がある。
次に、図1Bの再生時の動作を説明する。記録時と同様の光路をたどって、参照光207がホログラム記録媒体200に入射する。本例では位相共役光を用いた再生方式であり、アクチュエータ223によって駆動されるミラー224を反射して、再度ホログラム記録媒体200に入射する参照光207を用いて情報を再生する。ホログラム記録媒体200から回折された回折光231は、対物レンズ215、無偏光ビームスプリッタ229、リレーレンズ213、空間フィルタ214、偏光ビームスプリッタ211を介して受光素子225に入射し、情報が再生される。
再生時の構成において、受光素子225は偏光ビームスプリッタ211からの光ビームを受光するため、両者の対向面を正確に平行に保つ必要があり、後述する角度調整機構を設けている。一方で、受光素子225は能動素子のために発熱が起こり、これを放熱する必要がある。
図2Aと図2Bは、実施例1に係る角度調整機構の構造を示す図で、図2Aは組立斜視図、図2Bは断面図(XZ断面図)である。この例では、光学部品2として図1Aで示した空間光変調器212の角度調整機構を示す。空間光変調器212は2次元光変調素子であり、液晶各ピクセルを制御する電気回路とともに回路基板3上に実装されている。
角度調整機構1は、回路基板3を保持し、光学部品2(空間光変調器212)の反射面2aの角度を調整する球面筐体5と、光学部品2で発生する熱を放出するための放熱部材6を有する。球面筐体5は、ベース7に貫通して形成された円筒状のベース穴8に回転可能に接触している。
球面筐体5は、半径Rの球体の一部をYZ面で切り出した形状で、その切り出し面である平面側に回路基板3を保持している。なお、球面筐体5と回路基板3の間には放熱シート4を挿入している。球面筐体5の球中心12(断面が破線円11の中心12)のX方向位置は、光学部品2の光学面(反射面2a)上に置かれており、また球中心12のYZ方向位置は、光学面(反射面2a)のYZ方向中心位置に一致させることが最良である。このように配置すれば、球面筐体5をベース穴8上で回転調整させるときに、球面筐体5の中心12を基点(不動点)として回転することができる。
球面筐体5は、装置のケースの一部であるベース7上に形成された半径r、中心線13の円筒状のベース穴8の接触縁8aと、円周状に接触している。ここで、ベース穴8の半径rと球面筐体5の半径Rをr<Rの関係とすることで、球面筐体5の球面部をベース穴8の接触縁8aと接触させ、Y軸周り、及びZ軸周りの回転を可能にし、これより光学部品2の反射面2aの傾き角度調整を行う。
光学部品2(空間光変調器212)の反射面2aは、偏光ビームスプリッタ211の対向する面211aと正確に平行を保つ必要がある。光学部品2の反射面2aの角度を調整する際は、球面筐体5をベース穴8に押し付けて球面筐体5の外周面をベース穴8の接触縁8aに接触させながら、Y軸周り及びZ軸周りに球面筐体5を回転させる。その際、光学部品2の反射面2aは球中心12を中心に回転するが、球中心12は反射面2a上に一致させているので、光学部品2の反射面2aのYZ方向の位置ずれは生じない。上記した角度調整は2軸の角度調整治具を使用し、光学部品2の反射面2aが偏光ビームスプリッタ211の対向面211aと平行になったことは、光学部品2からの反射光の光強度を測定することで確認できる。
角度調整を行った後、UV接着剤もしくは嫌気性接着剤などの接着剤14をベース7の外側から供給し、球面筐体5をベース穴8の内側に固定する。
本実施例の光学部品2(空間光変調器212)は、能動素子のために発熱が生じる。そこで、球面筐体5の球面側(回路基板3と反対側)には、放熱機能を有した例えばフィン構造の放熱部材6を設置している。光学部品2で発生した熱は、回路基板3と放熱シート4を介して球面筐体5に伝達され、球面筐体5上に設置した放熱部材6より大気中に放出される。その際、放熱部材6は貫通したベース穴8aに配置されているので、光学部品2からの熱は放熱部材6からベース7の反対側の大気中に放出され、放熱特性が向上する。
さらに本実施例では、放熱部材6を球面筐体5上に一体的に形成しており、球面筐体5と放熱部材6との間での熱抵抗をなくして放熱特性を向上させている。球面筐体5の材料は、アルミ、銅などの熱伝導性の高い金属材料を用いており、これに複数のスリットを刻むことで、放熱部材6のフィン構造を実現できる。
なお、放熱部材6の形状はこれに限るものではなく、角度調整の妨げない範囲で放熱面積を拡大することで放熱特性を向上させることができる。また、球面筐体5と放熱部材6を別体とし、放熱部材6を取り外し可能な構造としても良い。
本実施例によれば、光学部品の傾き角度調整を行う際に、傾きを変化させても光学部品の中心が常に固定位置にあり位置ずれを起こすことがない。すなわち、光学素子の位置ずれ調整用の機構が不要であるので、角度調整機構の小型化と低コスト化が可能である。
また、球面筐体に設置された放熱機構は、光学部品が実装された回路基板の直下に配置されているので効率の良い放熱が可能である。
また、球面筐体に設置された放熱機構は、光学部品が実装された回路基板の直下に配置されているので効率の良い放熱が可能である。
実施例2では、角度調整する光学部品が2個存在し、それらの光軸方向が互いに直交して配置された場合に好適な構造について述べる。これに伴い2個の角度調整機構1,1’を用いている。
図3は、実施例2に係る角度調整機構を示す断面図である。2個の光学部品2,2’として、図1A,1Bで示した空間光変調器212と受光素子225を例に取り上げる。これらの光学部品2,2’は、偏光ビームスプリッタ211に関して光軸方向が互いに直交する方向(X方向とY方向)に配置されている。また本実施例では、それぞれの角度調整機構1,1’を、ホログラム記録再生装置の全体ケースの外壁20の一隅に直交させて設置した場合である。
図3は、実施例2に係る角度調整機構を示す断面図である。2個の光学部品2,2’として、図1A,1Bで示した空間光変調器212と受光素子225を例に取り上げる。これらの光学部品2,2’は、偏光ビームスプリッタ211に関して光軸方向が互いに直交する方向(X方向とY方向)に配置されている。また本実施例では、それぞれの角度調整機構1,1’を、ホログラム記録再生装置の全体ケースの外壁20の一隅に直交させて設置した場合である。
装置ケースの外壁20内側には、光学部品2(空間光変調器212)と光学部品2’(受光素子225)が、偏光ビームスプリッタ211に対して互いに直交する方向に配置されている。これらの光学部品2,2’は、それぞれ回路基板3,3’に実装され、2つの角度調整機構1,1’で保持されている。各角度調整機構1,1’は実施例1で述べた構造と同様であり、それぞれ球面筐体5,5’、放熱部材6,6’を有する。外壁20には球面筐体5,5’を取り付けるための2個の貫通したベース穴8,8’が設けられている。
本実施例では、光学部品2の光学面(反射面2a)は、偏光ビームスプリッタ211の対向する面211aと、また光学部品2’の光学面(入射面2’b)は、偏光ビームスプリッタ211の対向する面211bと、それぞれ正確に平行を保つ必要がある。そこで、実施例1と同様に、2つの角度調整機構1,1’において、球面筐体5,5’をベース穴8,8’に接触し回転させることで、それぞれ独立に角度調整を行う。角度調整機構1では、Z軸周りとY軸周りの角度調整を、角度調整機構1’では、Z軸周りとX軸周りの角度調整を行う。
また、ベース穴8,8’を装置ケースの外壁20に設置しているので、光学部品212にて発生した熱は、球面筐体5,5’を通して放熱部材6,6’に伝達され、さらに放熱部材6,6’からベース穴8,8’を通して装置外部の大気中に放出される。よって、装置内部に熱がこもることがなく、装置外部に効率良く放出することができる。
このように本実施例では、直交して配置する2つの光学部品を、装置ケースの外壁20の一隅に配置することで、少ないスペース内で角度調整と放熱動作を行うことができる。光学部品の数が2個以上の場合も同様である。
実施例3では、角度調整する光学部品の光軸方向が、ベースと平行に配置された場合に好適な構造について述べる。
図4は、実施例3に係る角度調整機構を示す断面図である。光学部品2(空間光変調器212)の光軸方向(X方向)はベース7の面(XY面)に平行に配置され、言い換えれば、光学部品2の光学面(反射面2a)を球面筐体5の保持面(XY面)に対し垂直方向に保持している。
図4は、実施例3に係る角度調整機構を示す断面図である。光学部品2(空間光変調器212)の光軸方向(X方向)はベース7の面(XY面)に平行に配置され、言い換えれば、光学部品2の光学面(反射面2a)を球面筐体5の保持面(XY面)に対し垂直方向に保持している。
光学部品2は回路基板3に実装され、さらに基板ホルダ9で支えたあと球面筐体5で垂直方向に保持している。基板ホルダ9には、熱伝導に優れた銅もしくはアルミなどの金属材料を用いている。回路基板3と基板ホルダ9の間には、放熱シート4や熱伝導グリースを挟み込むことで熱伝導性を向上させている。球面筐体5と放熱部材6は、実施例1と同様である。光学部品2で発生した熱は、回路基板3と基板ホルダ9を通して球面筐体5に伝達し、その後、放熱部材6を通して大気に放出される。本実施例の角度調整は、球中心12を中心として球面筐体5をY軸の周りとZ軸の周りに回転させれば良い。
本実施例によれば、光学部品2の光軸方向がベース7と平行となった場合においても、ベース穴8を装置ケースの底面に設置することが可能となる。これにより、光学部品2(空間光変調器212)を外壁の近くに配置する必要がなく、部品配置の自由度が増すので、装置の小型化が可能となる。
なお、放熱に関しては、実施例2(図3)のようにベース穴8を装置ケースの外壁20に設けるようにすれば、放熱部材6を装置外部に向けて配置することができるために、光学部品2で発生して熱を装置外部に効率良く放出することが可能となる。
実施例4では、前記実施例1−3における球面筐体に代えて円筒面筐体を用いた構造について述べる。
図5A,図5B,及び図5Cは、実施例4に係る角度調整機構の構造を示す図で、図5Aは組立斜視図、図5Bは断面図(XZ断面図)、図5Cは上面図(XY面図)である。本実施例では、光学部品を保持するために円柱体の一部を軸方向(Y方向)に切り出した形状の円筒面筐体15を用いている。円筒面筐体15での回転はY軸方向に限定されるので、基板ホルダ19により他軸(Z軸)方向での回転を可能とさせている。
図5A,図5B,及び図5Cは、実施例4に係る角度調整機構の構造を示す図で、図5Aは組立斜視図、図5Bは断面図(XZ断面図)、図5Cは上面図(XY面図)である。本実施例では、光学部品を保持するために円柱体の一部を軸方向(Y方向)に切り出した形状の円筒面筐体15を用いている。円筒面筐体15での回転はY軸方向に限定されるので、基板ホルダ19により他軸(Z軸)方向での回転を可能とさせている。
角度調整機構10において、光学部品2(空間光変調器212)は回路基板3に実装され、さらに基板ホルダ19で支えたあと円筒面筐体15で垂直方向に保持している。円筒面筐体15は、XZ断面形状が円弧状であり、基板ホルダ19を保持する平面側(XY面)は四角形となっている。基板ホルダ19の底面には円柱状もしくは円錐形状の突起19aを有し、円筒面筐体15の保持面に設けた穴15aに嵌合し回転可能な構造となっている。なお、基板ホルダ19に穴を、円筒面筐体15に突起を設けても良い。円筒面筐体15の円筒面側には放熱部材16を設置し、ベース17に貫通して形成された四角形のベース穴18に回転可能に接触している。円筒面筐体15の半径Rはベース穴18の幅wよりも大きくする(ここでは図示するように半値幅wと比較する)。
円筒面筐体15はY軸周りに回転し、その回転中心12のX方向位置は、光学部品2の反射面2a上に置かれており、また回転中心12のZ方向位置は、反射面2aのZ方向中心位置に一致させることが最良である。一方、光学部品2のZ軸周りの角度調整については、基板ホルダ19を突起19aの周りに回転させて行う。これにより、光学部品2をY軸とZ軸の周りに角度調整を行うことができる。これらの角度調整の後、円筒面筐体15とベース17間、及び基板ホルダ19と円筒面筐体15間を、接着剤にて固定する。
円筒面筐体15の裏面側には放熱部材16を設置している。光学部品2で発生した熱は、回路基板3と基板ホルダ19を介して円筒面筐体15に伝達され、円筒面筐体15に設置した放熱部材16よりベース17裏面の大気中に放出される。
本実施例においても、光学部品2をY軸とZ軸の周りに角度調整を行うことができるが、その際、Y軸回転とZ軸回転が別機構で行われるので、2軸の調整が互いに干渉することがない。
本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、光学部品は角度調整が必要で発熱を生じる能動素子であればいずれも適用対象となり、また適用装置はホログラム記録再生装置に限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることや、ある実施例の構成に他の実施例の構成を追加することも可能である。
1,10:角度調整機構、
2:光学部品、
3:回路基板、
4:放熱シート、
5:球面筐体、
6,16:放熱部材、
7,17:ベース、
8,18:ベース穴、
8a:接触縁、
9,19:基板ホルダ、
14:接着剤、
15:円筒面筐体、
15a:穴、
19a:突起、
20:外壁、
100:ホログラム記録再生装置、
200:ホログラム記録媒体、
211:偏光ビームスプリッタ、
212:空間光変調器、
225:受光素子。
2:光学部品、
3:回路基板、
4:放熱シート、
5:球面筐体、
6,16:放熱部材、
7,17:ベース、
8,18:ベース穴、
8a:接触縁、
9,19:基板ホルダ、
14:接着剤、
15:円筒面筐体、
15a:穴、
19a:突起、
20:外壁、
100:ホログラム記録再生装置、
200:ホログラム記録媒体、
211:偏光ビームスプリッタ、
212:空間光変調器、
225:受光素子。
Claims (8)
- 発熱を伴う光学部品の角度調整機構であって、
球体の一部を切り出した形状で平面側に前記光学部品を保持する球面筐体と、
前記球面筐体の球面側に設置した放熱部材と、
前記球面筐体を取り付けるベースとを備え、
前記ベースには前記球面筐体の球面部と接触する円筒状の貫通したベース穴を有し、
前記球面筐体を前記ベース穴に接触して回転させることで前記光学部品の傾き角度を調整し、
前記光学部品で発生した熱を前記放熱部材から前記ベース穴を通し前記ベースの裏面側に放出することを特徴とする光学部品の角度調整機構。 - 請求項1に記載の光学部品の角度調整機構であって
前記球面筐体の半径Rは前記ベース穴の半径rよりも大きく、
前記球面筐体の球中心は前記光学部品の光学面上に位置していることを特徴とする光学部品の角度調整機構。 - 請求項1または2に記載の光学部品の角度調整機構であって
前記光学部品を前記球面筐体で保持する際、基板ホルダを介在させ、前記光学部品の光学面を前記球面筐体の保持面に対し垂直方向に保持することを特徴とする光学部品の角度調整機構。 - 発熱を伴う光学部品の角度調整機構であって、
前記光学部品を保持し底面に突起を有する基板ホルダと、
円柱体の一部を軸方向に切り出した形状であって、平面側に前記基板ホルダの突起と嵌合する穴を設けて前記基板ホルダを保持する円筒面筐体と、
前記円筒面筐体の円筒面側に設置した放熱部材と、
前記円筒面筐体を取り付けるベースとを備え、
前記ベースには前記円筒面筐体の円筒面部と接触する四角形の貫通したベース穴を有し、
前記円筒面筐体を前記ベース穴に接触して回転させることで前記光学部品の第1の傾き角度を調整し、
前記基板ホルダを前記突起の周りに回転させることで前記光学部品の第2の傾き角度を調整し、
前記光学部品で発生した熱を前記基板ホルダを介して前記放熱部材に伝達し、前記ベース穴を通し前記ベースの裏面側に放出することを特徴とする光学部品の角度調整機構。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の光学部品の角度調整機構であって、
前記放熱部材はフィン構造とし、前記球面筐体または前記円筒面筐体上に一体的に形成したことを特徴とする光学部品の角度調整機構。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の光学部品の角度調整機構であって、
前記ベースは装置の外周ケースであり、前記ベース穴は装置の外壁に形成されていることを特徴とする光学部品の角度調整機構。 - 請求項6に記載の光学部品の角度調整機構を複数個有し、
少なくとも2個の角度調整機構は装置ケースの直交する外壁の一隅に互いに直交させて配置し、
各角度調整機構の調整する前記光学部品の光軸方向は互いに直交していることを特徴とする光学部品の角度調整機構。 - 参照光と信号光とを干渉させた干渉縞をページデータとしてホログラム記録媒体に記録し、記録した該ページデータを再生するホログラム記録再生装置において、
記録時に前記信号光の各画素に情報を付加してページデータを生成するため空間光変調器と、
再生時にホログラム記録媒体からの再生光を受光する受光素子を備え、
前記空間光変調器と前記受光素子の少なくとも1つは、請求項1乃至7のいずれかに記載の光学部品の角度調整機構により角度調整を行うことを特徴とするホログラム記録再生装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013251954A JP2015109127A (ja) | 2013-12-05 | 2013-12-05 | 光学部品の角度調整機構 |
PCT/JP2014/080662 WO2015083549A1 (ja) | 2013-12-05 | 2014-11-19 | 光学部品の角度調整機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013251954A JP2015109127A (ja) | 2013-12-05 | 2013-12-05 | 光学部品の角度調整機構 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2015109127A true JP2015109127A (ja) | 2015-06-11 |
Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2013251954A Pending JP2015109127A (ja) | 2013-12-05 | 2013-12-05 | 光学部品の角度調整機構 |
Country Status (2)
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JP (1) | JP2015109127A (ja) |
WO (1) | WO2015083549A1 (ja) |
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JPH06250073A (ja) * | 1993-02-26 | 1994-09-09 | Opt Mihara:Kk | ミラーの位置調節取付機構 |
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JP2010186090A (ja) * | 2009-02-13 | 2010-08-26 | Hitachi Ltd | 光送受信モジュール |
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2013
- 2013-12-05 JP JP2013251954A patent/JP2015109127A/ja active Pending
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2014
- 2014-11-19 WO PCT/JP2014/080662 patent/WO2015083549A1/ja active Application Filing
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WO2015083549A1 (ja) | 2015-06-11 |
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