JP2015108562A - 耐候性鋼材の腐食診断方法及び腐食診断装置 - Google Patents

耐候性鋼材の腐食診断方法及び腐食診断装置 Download PDF

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麻里 福岡
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Abstract

【課題】耐候性鋼材の腐食状態を診断する。【解決手段】耐候性鋼材の錆の錆厚と耐候性鋼材のイオン透過抵抗値とが入力されると、予め設定された単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の所定の関数Kを閾値として用いて、入力されたイオン透過抵抗値が入力された錆厚から関数Kを用いて求められた閾値よりも小さい場合、耐候性鋼材の錆が将来的に補修が必要な錆となると診断し、大きい場合、耐候性鋼材の錆が将来的にも補修が不要な錆となると診断する。【選択図】図1

Description

本発明は、錆厚とイオン透過抵抗値とを用いて耐候性鋼材の腐食状態を診断する耐候性鋼材の腐食診断方法及び腐食診断装置に関する。
橋梁等の鋼構造物に用いられる耐候性鋼材の腐食診断方法としては、従来から、外観評点法が用いられている。この外観評点法は、耐候性鋼材に形成された錆に対して例示された錆状態の記述と外観写真とを参考に評点した目視観察の結果と、錆厚測定装置による耐候性鋼材の錆厚の測定結果とを用いて、耐候性鋼材の腐食状態を診断する。例えば、外観評点法は、耐候性鋼材の腐食を、正常状態、要観察状態及び異常状態の何れかであるかを診断する。また、外観評点法は、正常状態の腐食を、さらに3段階に診断する。すなわち、外観評点法では、目視観察の結果と錆厚の測定結果とを用いて、耐候性鋼材の腐食状態を5段階に診断する。
しかしながら、この外観評点法では、目視観察の際に耐候性鋼材の錆に対して例示された錆状態の記述と外観写真とを参考に評点するので、検査官によって目視観察の結果にバラツキが生じやすい。
そこで、第2の腐食診断方法としては、錆厚測定装置によって耐候性鋼材の錆厚を測定すると共に、特許文献1のようなイオン透過抵抗測定装置によってイオン透過抵抗値を測定して、装置によって測定された客観的な値である錆厚の測定結果とイオン透過抵抗値の測定結果とを用いて耐候性鋼材の腐食状態を診断する腐食診断方法がある。
例えば、この第2の腐食診断方法において、図6に示すように、耐候性鋼材の錆厚が800μm以上(第1の領域(1))の場合には、その耐候性鋼材の錆が異常を示す錆であると診断する。そして、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態は、補修が必要な異常状態であると診断する。更に、耐候性鋼材の錆厚が400μm以上800μm未満(第2の領域(2))の場合には、その耐候性鋼材の錆が要観察状態を示す錆であると診断する。そして、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態は、要観察状態であると診断する。更に、耐候性鋼材の錆厚が400μm未満でイオン透過抵抗値が1kΩ以上(第4の領域(4))の場合には、耐候性鋼材の錆が腐食速度の低下をもたらす環境遮断性錆(保護性錆)であると診断する。そして、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態は、補修が不要の正常状態であると診断する。更に、錆厚が200μm以上400μm未満でイオン透過抵抗値が1kΩ未満(第3の領域(3))の場合には、耐候性鋼材の錆が未成長の第1の初期錆であると診断する。そして、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態は、補修が不要な正常状態であると診断する。更に、耐候性鋼材の錆厚が200μm未満でイオン透過抵抗値が1kΩ未満(第5の領域(5))の場合には、耐候性鋼材の錆が未成長の第2の初期錆であると診断する。そして、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態は、補修が不要な正常状態であると診断する。
すなわち、第2の腐食診断方法では、錆厚の測定結果とイオン透過抵抗値の測定とを用いて、耐候性鋼材の錆が5段階で診断され、耐候性鋼材の腐食状態が3段階で診断される。
そして、耐候性鋼材は、上述したようにして診断された後、例えば、耐候性鋼材の腐食状態が異常状態(第1の領域(1))であると診断された箇所が補修される。
ここで、錆厚とイオン透過抵抗値との関係は、図6に示すように、錆厚が大きくなるに連れてイオン透過抵抗値が小さくなるようなL字状又は円弧状の曲線をなして分布されることが分かっている。更に、初期錆と評価された錆は、将来的に、経年してもイオン透過抵抗値があまり変化せずに錆厚が経年と共に増加して異常を示す錆等となり、将来的に補修が必要な錆となるか、経年しても錆厚があまり変化せずにイオン透過抵抗値が経年と共に増加して環境遮断性錆(保護性錆)となり、将来的にも補修が不要な錆となるか、大きく2つに分かれることが分かっている。
しかしながら、上述した従来の腐食診断方法では、耐候性鋼材の錆が初期錆であることしか診断することができず、この初期錆が、将来的に補修が必要な錆(異常を示す錆)となるか、将来的にも補修が不要な錆(環境遮断性錆)となるかまで診断することはできない。
特許第4338562号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、錆厚とイオン透過抵抗値とを用いて耐候性鋼材の腐食状態を診断すると共に、耐候性鋼材の初期錆が、将来的に補修が必要な錆となるか、将来的にも補修が不要な錆となるか診断可能な腐食診断方法及び腐食診断装置を提供することを目的とする。
本発明に係る腐食診断方法は、耐候性鋼材の錆の錆厚と耐候性鋼材のイオン透過抵抗値とが入力されると、予め設定された単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の所定の関数を閾値として用いて、該入力されたイオン透過抵抗値が該入力された錆厚から該関数を用いて求められた閾値よりも小さい場合、該耐候性鋼材の錆が将来的に補修が必要な錆となると診断し、大きい場合、該耐候性鋼材の錆が将来的にも補修が不要な錆となると診断する。
更に、上記関数Kは、K=(logR)/t+C(R:イオン透過抵抗値[kΩ]、t:錆厚[μm]、C:切片(任意))で示されるようにしても良い。
更に、上記関数Kは、K=R/t+C(R:イオン透過抵抗値[kΩ]、t:錆厚[μm]、C:切片(任意))で示されるようにしても良い。
本発明に係る腐食診断装置は、耐候性鋼材の錆の錆厚と耐候性鋼材のイオン透過抵抗値とが入力されると、予め設定された単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の所定の関数を閾値として用いて、該入力されたイオン透過抵抗値が該入力された錆厚から該関数を用いて求められた閾値よりも小さい場合、該耐候性鋼材の錆が将来的に補修が必要な錆となると診断し、大きい場合、該耐候性鋼材の錆が将来的にも補修が不要な錆となると診断する判定部を備える。
本発明は、錆厚とイオン透過抵抗値とを用いることに加え、単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の関数を判定の閾値に用いることで、耐候性鋼材の腐食状態を診断することができると共に、耐候性鋼材の初期錆が、将来的に補修が必要な錆となるか、将来的にも補修が不要な錆となるかを診断することができる。
耐候性鋼材の錆厚とイオン透過抵抗値との関係を示したグラフである。 本発明を適用した腐食診断装置を示したブロック図である。 イオン透過抵抗測定部を示した平面図である。 イオン透過抵抗測定部の使用状態を示した図である。 耐候性鋼材の腐食状態を示したコンタ図である。 従来の耐候性鋼材の錆厚とイオン透過抵抗値との関係を示したグラフである。
以下、本発明を適用した腐食診断方法及び腐食診断装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
<1.腐食診断方法の説明>
先ず、本発明を適用した腐食診断方法について説明する。
本発明を適用した腐食診断方法は、従来公知の何れかの錆厚測定装置によって耐候性鋼材に形成された錆の錆厚を測定すると共に、従来公知の何れかのイオン透過抵抗測定装置によって耐候性鋼材のイオン透過抵抗値を測定して、錆厚の測定結果とイオン透過抵抗値の測定結果とを用いて耐候性鋼材の腐食状態を診断する腐食診断方法である。
先ず、橋梁等の鋼構造物に用いられる耐候性鋼材の複数個所について、従来公知の何れかの錆厚測定装置によって耐候性鋼材に形成された錆の錆厚を測定すると共に、従来公知の何れかのイオン透過抵抗測定装置によって耐候性鋼材のイオン透過抵抗値を測定する。
その結果をまとめたものを図1に示す。なお、図1のグラフは、横軸に錆厚(μm)を示し、縦軸にイオン透過抵抗値(kΩ)を示し、耐候性鋼材の錆厚(μm)とイオン透過抵抗値(kΩ)との関係を示したものである。
更に、図1中の関数Kは、単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の関数であり、例えば、K=(logR)/t+C(R:イオン透過抵抗値[kΩ]、t:錆厚[μm]、C:切片(任意))等で示される。この関数Kは、錆厚及びイオン透過抵抗値がまだ小さな初期錆が、将来的に、補修が必要な異常を示す錆となるか、腐食速度の低下をもたらし補修が不要の環境遮断性錆(保護性錆)となるかの境界線であり、判定する際の閾値として用いられ、例えば診断者等によって耐候性鋼材から予め算出されて設定される。
ここで、耐候性鋼材等に形成される錆は、一般的に、水の供給の有無、乾燥状態、塩分の付着、風、気温等、おかれた環境によってどのような錆となるのか決まる。しかしながら、橋梁等の鋼構造物は、周囲の環境が変わり難く、同じような状況の錆が年数と共に増えていく。したがって、周囲の環境が同じならば、最初にできた初期錆の厚みが数年後に増えた時にどのようにイオン透過抵抗値が増えるのか同じ法則に従って増える。よって、耐候性鋼材から、将来的に初期錆が補修が必要な異常を示す錆となるか補修が不要な環境遮断性錆となるかの閾値となる単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の関数Kを予め算出して、この関数Kを診断の際に閾値として用いることで、初期錆が、将来的に、補修が必要な異常を示す錆となるか、補修が不要の環境遮断性錆となるかを診断することができる。
次いで、上述した考えを踏まえ、錆厚の測定結果とイオン透過抵抗値の測定結果とを用いて耐候性鋼材の腐食状態を診断する。具体的には、図1に示すように、耐候性鋼材の錆厚が800μm以上(第1の領域(1))の場合には、その耐候性鋼材の錆が異常を示す錆であると診断する。そして、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態は、補修が必要な異常状態であると診断する。
更に、耐候性鋼材の錆厚が400μm以上800μm未満(第2の領域(2))の場合には、その耐候性鋼材の錆が要観察状態を示す錆であると診断する。そして、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態は、要観察状態であると診断する。
更に、耐候性鋼材の錆厚が400μm未満で、イオン透過抵抗値が図1中の関数K未満(第3の領域(3))の場合には、その耐候性鋼材の錆が、将来的にイオン透過抵抗値があまり変化せずに錆厚が増加して異常を示す錆等となる第1の初期錆であると診断する。そして、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態は、現状では補修が不要な正常状態であるが、将来的に補修が必要となる異常状態となる第1の正常状態と診断する。
更に、耐候性鋼材の錆厚が400μm未満で、イオン透過抵抗値が関数K以上(第4の領域(4)及び第5の領域(5))の場合には、経年しても錆厚があまり変化せずにイオン透過抵抗値が経年と共に増加する環境遮断性錆となる第2の初期錆を含む環境遮断性錆であると診断する。そして、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態は、現状も経年しても、補修が不要な正常状態のままである第2の正常状態と診断する。更に、環境遮断性錆と診断され、耐候性鋼材の錆厚が200μm以上400未満(第4の領域(4))の場合には、第1の環境遮断性錆であると診断し、錆厚が200μm未満(第5の領域(5))の場合には、第2の環境遮断性錆であると診断する。
すなわち、本発明を適用した腐食診断方法は、錆厚の測定結果とイオン透過抵抗値の測定結果とを用いて、耐候性鋼材の錆を、異常を示す錆、要観察状態を示す錆、第1の初期錆、第1の環境遮断性錆、第2の環境遮断性錆の5段階に診断し、耐候性鋼材の腐食状態が、異常状態、要観察状態、第1の正常状態、第2の正常状態の4段階に診断する。
なお、耐候性鋼材の錆を診断する際の上述した錆厚の値及び区切りはあくまで一例であり、これら以外の所定の錆厚の値及び区切りを設定して、耐候性鋼材の錆を診断するようにしても良い。
更に、関数Kは、K=R/t+C(R:イオン透過抵抗値[kΩ]、t:錆厚[μm]、C:切片(任意))で示されるようにしても良い。
以上のようにして、本発明を適用した腐食診断方法は、錆厚の測定結果とイオン透過抵抗値の測定結果とを用いることに加え、単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の関数Kを判定の閾値に用いることで、耐候性鋼材の腐食状態を診断することができると共に、錆厚及びイオン透過抵抗値が小さな初期錆が、将来的に、補修が必要な錆となるか、補修が不要な錆となるかを診断することができる。
<2.腐食診断装置の構成の説明>
次に、本発明を適用した腐食診断方法を行う本発明を適用した腐食診断装置について説明する。
図2に示すように、本発明を適用した腐食診断装置10は、耐候性鋼材のイオン透過抵抗値を測定するイオン透過抵抗測定部20と、単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の関数Kを判定の閾値に用いて、耐候性鋼材の腐食状態を診断する診断部30とを備えている。
図2及び図3に示すように、イオン透過抵抗測定部20は、耐候性鋼材に取り付けられる一つ以上のプローブ21と、プローブ21と電気的に接続され、イオン透過抵抗値を算出する本体部22とを備えている。
プローブ21は、従来のイオン透過抵抗測定装置のプローブと略同じ構成を有するものである。例えば、プローブ21は、耐候性鋼材に接する開口部と、シリンダ−等の電解液の保持空間と、電解液を開口部から浸み出すためのピストンと、電解液保持空間内部に配置された電解電極とで構成されている。更に、プローブ21は、接続ケーブル23を介して本体部22と電気的に接続されている。
本体部22は、図2に示すように、プローブ21の電解電極に電気信号を印加する電源24と、電気信号の測定値から電気化学的交流インピーダンス法を用いてイオン透過抵抗値を算出する算出部25とを有している。更に、本体部22は、接続ケーブル40を介して診断部30と電気的に接続されている。
診断部30は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等で構成され、本発明を適用した腐食診断方法を行うアプリケーションプログラム等が実装されている。具体的に、診断部30は、所定の錆厚と所定のイオン透過抵抗値と所定の関数Kと所定の腐食状態とを関連付けたデータベース31と、入力された錆厚とイオン透過抵抗値と所定の関数Kとに基づいて耐候性鋼材の腐食状態を診断する判定部32と、判定部32によって診断された腐食状態を表示する表示部33とを有している。
例えば、診断部30は、図1に示すように、耐候性鋼材の錆厚が800μm以上(第1の領域(1))の場合、その耐候性鋼材の錆が異常を示す錆であると特定する。更に、診断部30は、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態が異常状態であると特定する。
また、診断部30は、耐候性鋼材の錆厚が400μm以上800μm未満(第2の領域(2))の場合、その耐候性鋼材の錆が要観察状態を示す錆であると特定する。更に、診断部30は、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態が要観察状態であると特定する。
また、診断部30は、耐候性鋼材の錆厚が400μm未満で、イオン透過抵抗値が関数K未満(第3の領域(3))の場合、その耐候性鋼材の錆が第1の初期錆であると特定する。更に、診断部30は、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態が第1の正常状態であると特定する。
また、診断部30は、耐候性鋼材の錆厚が400μm未満で、イオン透過抵抗値が関数K以上(第4の領域(4)及び第5の領域(5))の場合、その耐候性鋼材の錆が第2の初期錆を含む環境遮断性錆であると特定する。更に、診断部30は、この箇所の耐候性鋼材の腐食状態が第2の正常状態であると特定する。更に、診断部30は、環境遮断性錆と診断され、耐候性鋼材の錆厚が200μm以上400未満(第4の領域(4))の場合、その耐候性鋼材の錆が第1の環境遮断性錆であると特定し、錆厚が200μm未満(第5の領域(5))の場合、その耐候性鋼材の錆が第2の環境遮断性錆であると特定する。
以上のような構成を有する腐食診断装置10には、図4に示すように、イオン透過抵抗測定部20のプローブ21を耐候性鋼材に取り付けた後に、電源24からプローブ21の電解電極に電気信号が印加されて、算出部26によって電気信号の測定値からイオン透過抵抗値が算出されると共に、錆厚測定装置によって錆厚が測定されて、錆厚及びイオン透過抵抗値が診断部30に入力される。すると、診断部30は、錆厚及びイオン透過抵抗値がデータベース31に順次格納され、単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の関数Kを判定の閾値として用いて、判定部32によって耐候性鋼材の腐食状態が診断されて、その結果がデータベース31に格納されると共に表示部33に表示される。
なお、腐食診断装置10は、表示部33に、例えば、「異常状態」、「第1の正常状態」、「第2の正常状態」のように、耐候性鋼材の腐食状態を文字で表示するようにしても良く、各腐食状態に対応する色や記号等の表示物を表示するようにしても良い。更に、腐食診断装置10は、診断部30にスピーカを設けて、耐候性鋼材の腐食状態を診断者に音声で知らせるようにしても良い。
更に、腐食診断装置10は、例えば、「異常を示す錆」や「第1の初期錆」、「環境遮断性錆」というように、耐候性鋼材の錆の診断結果を文字や音声等で告知することで、耐候性鋼材の腐食状態を告知するようにしても良い。
<3.腐食診断装置の作用効果の説明>
以上のように、本発明を適用した腐食診断装置10は、錆厚とイオン透過抵抗値とを用いることで、耐候性鋼材の腐食状態を診断することができる。更に、本発明を適用した腐食診断装置10は、単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の関数Kを判定の閾値に用いることで、将来的に、耐候性鋼材の初期錆が、異常を示す錆となり、将来的に補修が必要な錆となるか、環境遮断性錆となり、将来的にも補修が不要な錆となるかを診断することができる。
<4.腐食診断装置の変形例の説明>
なお、腐食診断装置10は、耐候性鋼材の各測定箇所の腐食状態と測定箇所の位置情報から、図5に示すようなコンタ図で表示部33に表示するようにしても良い。このとき、位置情報は基準点からの距離計測により入手する方法、光学測量機等により座標を入手する方法、測定面を走査する機械の移動量により入手する方法などがある。この場合、診断者は、耐候性鋼材の腐食状態がどのように分布されているのかを一目で把握することができ、その後の補修作業を容易に行うことができる。また、一定期間ごとに腐食状態の測定値と位置情報を取得しDBに蓄積することで、同じ測定点での経年劣化傾向を把握することができる。
更に、腐食診断装置10は、イオン透過抵抗測定部20を省略して、診断部30だけで構成されるようにしても良い。この際、診断部30だけで構成される腐食診断装置10には、例えば、腐食診断装置10(診断部30)とは別体の従来公知のイオン透過抵抗測定装置で測定されたイオン透過抵抗値が入力されるようにする。これにより、腐食診断装置10は、イオン透過抵抗測定部20を省略した分、小型化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
更に、腐食診断装置10は、耐候性鋼材の錆厚を測定する錆厚測定部を、イオン透過抵抗測定部20又は診断部30に一体的に設けるようにしても良い。これにより、腐食診断装置10は、錆厚を診断者が入力する手間が省け、作業性の向上を図ることができる。
更に、腐食診断装置10は、図1に示すように、関数K1を設定する等、関数Kを複数個設定して、第1の初期錆をさらに細かく区分けして、耐候性鋼材の腐食状態をさらに細かく特定するようにしても良い。これにより、腐食診断装置10は、より正確に腐食状態を診断することができる。
更に、腐食診断装置10は、錆厚とイオン透過抵抗値とを用いることで、耐候性鋼材の腐食状態を診断することに加え、さらに、水の供給の有無、乾燥状態、付着塩分量や暴露年数等のパラメータを用いて、耐候性鋼材の腐食状態を診断するようにしても良い。これにより、腐食診断装置10は、より正確に腐食状態を診断することができる。
更に、腐食診断装置10は、表示部に耐候性鋼材の腐食状態を表示することに加え、腐食状況に応じた最適な補修工法を表示するようにしても良い。これにより、診断者は、その後の補修作業を容易に行うことができる。
10 腐食診断装置、20 イオン透過抵抗測定部、21 プローブ、22 本体部、23 接続ケーブル、24 電源、25 算出部、30 診断部、31 データベース、32 判定部、33 表示部、40 接続ケーブル

Claims (4)

  1. 耐候性鋼材の錆の錆厚と耐候性鋼材のイオン透過抵抗値とが入力されると、予め設定された単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の所定の関数を閾値として用いて、該入力されたイオン透過抵抗値が該入力された錆厚から該関数を用いて求められた閾値よりも小さい場合、該耐候性鋼材の錆が将来的に補修が必要な錆となると診断し、大きい場合、該耐候性鋼材の錆が将来的にも補修が不要な錆となると診断することを特徴とする腐食診断方法。
  2. 上記関数Kは、K=(logR)/t+C(R:イオン透過抵抗値[kΩ]、t:錆厚[μm]、C:切片(任意))で示されることを特徴とする請求項1に記載の腐食診断方法。
  3. 上記関数Kは、K=R/t+C(R:イオン透過抵抗値[kΩ]、t:錆厚[μm]、C:切片(任意))で示されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の腐食診断方法。
  4. 耐候性鋼材の錆の錆厚と耐候性鋼材のイオン透過抵抗値とが入力されると、予め設定された単位錆厚当たりのイオン透過抵抗値の所定の関数を閾値として用いて、該入力されたイオン透過抵抗値が該入力された錆厚から該関数を用いて求められた閾値よりも小さい場合、該耐候性鋼材の錆が将来的に補修が必要な錆となると診断し、大きい場合、該耐候性鋼材の錆が将来的にも補修が不要な錆となると診断する診断部を備えることを特徴とする腐食診断装置。
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