JP2015108209A - 前身頃開放式つなぎ型衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】履物を履いたままズボンの筒に足を通すことなく、上着の袖を通してファスナーを閉じるだけで簡単に着用出来、さらに上半身と下半身を降雨や外気から防ぎ、可動範囲を制限されず、作業がし易く着脱が容易な、前身頃開放式つなぎ型衣服を提供する。
【解決手段】ズボン部分の右ズボン筒と左ズボン筒の其々の前身頃の裾縁から、上着部分の前身頃を経由して襟刳り開口部の右側と左側の其々の縁にかけて縦に結ぶ2本の線上を切り割って開放し、該開放部位にオープンファスナー19,20や面ファスナー等の開閉自在であり、且つ開放可能な留め具23,18を其々設けるつなぎ型衣服である。
【選択図】図6

Description

本発明は、つなぎ型衣服であっても、履物を履いたままズボン筒に足を通すことなく、コートのように上着の袖に腕を通してファスナーを閉じるだけで着用でき、またつなぎ型であることで上半身と下半身を降雨や外気から防ぎ、可動範囲を制限されず作業や自転車の運転がし易く着脱が容易な、前身頃開放式つなぎ型衣服に関するものである。
従来、つなぎ型衣服は身体に障害を持つ方や傷病によって膝の屈曲が困難な方にとって、片足立ちで他方の足をズボン筒に通すことが困難なうえ、上着とズボンが繋がっている分、着脱はより面倒であり、健常者であっても、例えば急な雨に見舞われての道端や現場での、つなぎ服型レインスーツの咄嗟の着用は、容易とは言えなかった。
それ故、雨天時に着用する雨具と言えば、上着とズボンに分かれた雨合羽が主流であるが、やはり着用する際には両足を片方ずつ、其々のズボン筒に差し入れる必要があり、靴をわざわざ脱ぐ面倒や、履物を履いたままであっても、ズボン筒の内部への汚れの付着を気にしながらズボンを着けた後、上着を着けて着装完了とする等、長靴や安全靴を履いての作業中や、自転車通勤中の道中での咄嗟の着用は決して容易ではなかった。
レインコートであれば上着の袖を通した後、ファスナーを閉じて簡単に着用できるが、自転車等の運転や作業する場合では、下半身の可動範囲は制限され、降雨にも晒されてしまうが、つなぎ服型のレインスーツであれば可動範囲も制限されず、上半身から下半身までを降雨に晒されること無く作業または行動できるが、着脱時に両ズボン筒に其々の足を出し入れする必要があり、上着とズボンが繋がっている分、より面倒であった。
つなぎ服型のレインコートとしては、上着部分に上から下へスライドさせるオープンファスナーを取り付け、さらにズボン部分の両ズボン筒の内側に下から上へとスライドさせるオープンファスナーを取り付けたものがある。(特許文献1参照)
また、レインスーツでは無いが介護用つなぎ服として、ズボン部分の両ズボン筒の脇側の裾からファスナーを取り付け、ズボン筒を前パンツと後ろパンツに分けつつ、上着前身頃裏面を通って襟元までを開口したものがある。(特許文献2参照)
特開2002−88528 登録実用新案第3067451号
通勤時等に、小雨だからと長靴を履き、傘をさして行動している場合に降雨が強まり、雨合羽の着用が必要となった時、ズボンを着用する際に長靴をわざわざ脱ぐのは非常に面倒であり、長靴を履いたままであっても、濡れ汚れた長靴をズボン筒に差し入れることに抵抗があった。さらに作業現場や農場、田畑等での作業中における急な降雨による雨合羽の着用は、前記事由がより顕著である。
レインコートやポンチョであれば、羽織って袖に腕を通して開口部を閉じるだけ、または頭を襟刳りに通す、若しくは襟刳りを留めるだけと、咄嗟の着用が容易であるが、下半身、特に足元は降雨に晒され、自転車運転や現場作業において非常に不便である。
全身を包むつなぎ服型の雨合羽であれば、降雨を防ぎ動き易いが、咄嗟に着用する場面においては、ズボンが上着とつながっているため、清潔な着用はより困難である。
また雨具に限らず、つなぎ型衣服は身体に障害を持つ方や傷病によって膝の屈曲が困難な方にとって、片足立ちで他方の足をズボン筒に通すことが難しく、防寒着や作業着、防護服や防塵服または介護服やウエットスーツ、スキーウェア、ライダースーツなど様々な場面や用途においても、着脱容易なつなぎ型衣服が望まれる。
特許文献1、特許文献2は、共にファスナー開口時はズボン筒が開口しているので、足を筒に通すことなく着用できるが、上着部前身頃の裏側にファスナーが設けてあり、ズボン部の前身頃から繋げた胸当てと、上着部前身頃の裏側に設けたファスナーによって閉じることや、胴廻りにペプラムを一体化させてあり、計3本のファスナーを其々閉じるなど、着用や形状がよりシンプルとは言い難い。
雨の降る中、道端や作業現場等で雨合羽を汚さず咄嗟に着用するには、レインコートの様に筒に足を通さず、容易に着用できるものが良く、さらに作業するにあたっては可動範囲を制限されず、全身を降雨から防ぐつなぎ服型の雨合羽が最適であり、付属する余計な部材を要さないシンプルな構造が望ましい。
本発明は以上の問題点を解決するものである。
つなぎ型衣服のズボン部分の右ズボン筒と左ズボン筒の其々の前身頃の裾縁から、上着部分の前身頃を経由して襟刳り開口部の右側と左側の其々の縁にかけて縦に結ぶ2本の線上を切り割って開放し、該開放部位にオープンファスナーや面ファスナー等の開閉自在であり、且つ開放可能な留め具を其々設ける。
上記2本其々のオープンファスナー等を全開することで、つなぎ服は正面から見て前身頃が三分割され、分割された上着部分の前身頃中央部位は、ズボン部分の両ズボン筒の分割された内側部位の間に股下から裏返って垂れ下がり、上着部分とズボン部分の前身頃が開放され、真中から左右に見開くベンチコートの様な形体を成す。
以上の構成よりなる、前身頃開放式つなぎ型衣服。
2本のファスナーを全開するだけでつなぎ服はコートの様な形体になり、咄嗟の状況においても、コートを羽織って袖に腕を通し、2本のファスナーをズボンの裾縁より閉じ上げる、或いは襟縁より閉じ下げるだけでつなぎ服に形体が戻るため、通勤中や作業中の急な降雨による雨合羽の着用が容易であり、ズボン部分も開口され、筒が存在しないため、長靴や安全靴など履物を履いたまま清潔で簡単に着用を完了することが出来る。
また身体に障害を持つ方や傷病によって膝の屈曲が困難な方、片足立ちで他方の足をズボン筒に通すことが困難な方などにも容易に着脱することが出来、さらに雨具に限らず、用途に応じて全てのつなぎ型衣服に対応し、前身頃開放式つなぎ型衣服の防寒着や作業着、防護服や防塵服や介護服、さらにウエットスーツやスキーウェアなど、素材を替えることで様々な場面や用途に応用可能な構造である。
本発明の襟無しつなぎ服のファスナーを閉じた状態の正面図 本発明の襟無しつなぎ服のファスナーを全開にした状態の正面図 本発明のフード取り外し式つなぎ服のファスナーを閉じた状態の正面図 本発明のフード付つなぎ服の上着部分の正面図 本発明の立ち襟付つなぎ服のファスナーを閉じた状態の正面図 本発明の立ち襟付つなぎ服のファスナーを全開した状態の正面図 本発明のファスナーを全開した状態のズボン部分の正面図 本発明のファスナーを全開した状態の上着前身頃中央部とズボン筒内側とをファスナーで繋いだ状態の正面図
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)図1は襟の無いタイプのつなぎ型衣服の、ファスナーを閉じた状態を正面から見た図であるが、ズボン部分の右ズボン筒(1)と左ズボン筒(2)の其々の前身頃の裾縁(3)から、ズボン部分及び上着部分の前見頃の表面を経由して、襟刳り開口部(4)の真中より右側と左側の其々の縁に縦に結ぶ線上を切り割って開放し、該開放部位にオープンファスナー(5)等の、開閉自在であり且つ開放可能な留め具を設ける。
(ロ)オープンファスナー(5)を設ける右側と左側の其々に縦に結ぶ線の、右ズボン筒(1)の裾縁(3)の下端点を右ズボン筒端点(W)、左ズボン筒(2)の裾縁(3)の下端点を左ズボン筒端点(Y)とし、襟刳り開口部(4)の真中より右側の上端点を右襟刳り端点(X)、襟刳り開口部(4)真中より左側の上端点を左襟刳り端点(Z)として以後説明する。
(ハ)右襟刳り端点(X)は襟刳り開口部(4)真中から右側の開口部内の前面であれば何処に位置しても良く、左襟刳り端点(Z)は襟刳り開口部(4)の真中から左側の開口部内の前面であれば何処に位置しても良い。また右ズボン筒端点(W)左ズボン筒端点(Y)は其々のズボン筒の前身頃の裾縁(3)にあれば何処に位置しても良く、各図のように必ずしもズボン筒の真中に位置することを限定しない。
(ニ)右襟刳り端点(X)、左襟刳り端点(Z)が、襟刳り開口部(4)の真中に近いほど、上着部分の前身頃真中部(9)の幅は狭くなり、遠いほど広くなる。
(ホ)右襟刳り端点(X)と右ズボン筒端点(W)を結ぶ縦の線、および左襟刳り端点(Z)と左ズボン筒端点(Y)を結ぶ縦の線は、オープンファスナー(5)を設ける線であり、限りなく直線に近いことが望ましいが、両ズボン筒端点(W)(Y)の位置により、多少の湾曲が生じても、オープンファスナー(5)の開閉に困難を来すことの無い範囲ならば構わず、開口方向も上下どちらでも構わない。
(ヘ)図5に示すようにオープンファスナー(5)は一本のファスナーにスライダーを二つ付け、相方向に可動可能なダブルファスナーでもよく、右側オープンファスナー(19)左側オープンファスナー(20)其々に付属する計四つのスライダー(A)(B)(C)(D)を操作することで、より機能的になる。
(ト)オープンファスナー(5)は、ズボン部分及び上着部分の前見頃の表面に設けるが、必ずしも務歯やスライダーを剥き出しにする訳ではなく、比翼や重なりフラップによってオープンファスナー(5)を被うこともできる。
(チ)図2は、襟の無いタイプのつなぎ型衣服の、オープンファスナー(5)を全開にして開放した状態を正面から見た図であり、ここでは前身頃表面の縦方向に左右其々設けたオープンファスナー(5)を、右オープンファスナー(19)、左オープンファスナー(20)に表記を分けて説明する。
(リ)右オープンファスナー(19)を全開することで右襟刳り端点(X)と右ズボン筒端点(W)を結ぶ縦の線上が開放し、左オープンファスナー(20)を全開することで左襟刳り端点(Z)と左ズボン筒端点(Y)を結ぶ縦の線上を開放している。
(ヌ)上着部分は右腕筒(6)を含む右側と、左腕筒(14)を含む左側に、上着部分の前身頃真中部(9)を切り割られて分かれ、ズボン部分は右ズボン筒外側(7)と右ズボン筒内側(10)、左ズボン筒外側(15)と左ズボン筒内側(11)に其々分かれ、準じて端点Wの片割れ(W1)と端点Yの片割れ(Y1)が両ズボン筒内側(10)(11)に分かれる。上着部分に存在していた前身頃真中部(9)は、両ズボン筒内側(10)(11)の間に股部(12)から裏返って垂れ下がり、この際、分割された端点Xの片割れ(X1)は、股部(12)から垂れ下がった上着部分の前身頃真中部(9)の右角に有り、端点Zの片割れ(Z1)は左角にある。
(ル)図3は、襟部分にホックや面ファスナー等のフード取付け留め具(22)が付いたつなぎ服型レインスーツの、オープンファスナー(5)を閉じた状態の正面図であるが、ここでも左右其々に設けたオープンファスナー(5)を右オープンファスナー(19)左オープンファスナー(20)に分けて説明する。またフード取付け留め具(22)はボタンでもオープンファスナーでもよい。
(ヲ)レインスーツに限らず一般的なつなぎ型衣服には立ち襟が付いているものが多いが、この場合の襟刳り開口部(4)は首周りの立ち襟であるため、襟縁に右襟刳り端点(X)、左襟刳り端点(Z)は存在する。
(ワ)背面は繋がっているが、左右のオープンファスナー(19)(20)の2本の線上で前面は縦に三分割され、右腕筒(6)と右ズボン筒外側(7)を含む右オープンファスナー(19)より右を右側部(8)、左腕筒(14)と左ズボン筒外側(15)を含む左オープンファスナー(20)より左を左側部(16)とし、前身頃真中部(9)と両ズボン筒内側(10)(11)、さらに股部(12)を含む右オープンファスナー(19)と左オープンファスナー(20)との間を中央部(13)とする。
(カ)左右のオープンファスナー(19)(20)を全開することで其々が開放し、図2や図6の状態となり、上着部分前身頃真中部(9)と両ズボン筒内側(10)(11)さらに股部(12)からなる中央部(13)は大きく開放される。このことによりつなぎ型衣服は右側部(8)と左側部(16)がコートのように左右に見開く形態になり、左右のオープンファスナー(19)(20)を閉じることで、つなぎ型衣服の形体に戻すことが出来る。
(ヨ)図4はフード付つなぎ服型レインスーツの上着部分の正面図であるが、この場合の襟刳り開口部(4)とはフード(21)部分の開口部であり、右襟刳り端点(X)、左襟刳り端点(Z)はフード(21)部分の開口部に存在することになる。
(タ)また、ここでは上着部分の前身頃真中部(9)の襟元辺りと上腹部辺りに、ホックや面ファスナー等の余剰部折り返し留め具(18)を設けている。さらに左右のオープンファスナー(19)(20)開放時においても上着部分の前身頃真中部(9)を垂れ下げることなく、右側部(8)と左側部(16)に繋ぎ留めるための、前身頃保持留め具(23)を設けた場合を示しているが、余剰部折り返し留め具(18)と前身頃保持留め具(23)に関しては追って説明する。
(レ)図5は、立ち襟付つなぎ服のファスナーを閉じた状態の正面図であるが、ここでは左右オープンファスナー(19)(20)をスライダーが其々に二つ付いたダブルオープンファスナーにし、図4に示した余剰部折り返し留め具(18)を面ファスナーにして表面に設けた場合で説明する。右オープンファスナー(19)は右側上方向スライダー(A)を右襟刳り端点(X)に向かい上方向に、右側下方向スライダー(B)を右ズボン筒端点(W)に向かって下方向にスライドさせて開放する。左オープンファスナー(20)は左側上方向スライダー(C)を左襟刳り端点(Z)に向かい上方向に、左側下方向スライダー(D)を左ズボン筒端点(Y)に向かって下方向にスライドさせて開放する。
(ソ)右襟刳り端点(X)左襟刳り端点(Z)は、図3のように襟縁に有っても良いが、このように立ち襟自体が前合わせで開閉可能であり、前身頃真中部(9)の上辺と、その上辺部分に接する立ち襟下辺とが繋がっていない限り、図5の位置でも、立ち襟の前合わせを開けることで、襟刳り開口部(4)の縁として機能し、図6のように中央部(13)は上端から下端まで大きく開放される。
(ツ)つなぎ型衣服の場合、通常はズボン部分より上着部分の方が長くなるため、左右オープンファスナー(19)(20)を全開にした時には、裏返って垂れ下がった上着部分の前身頃真中部(9)の襟元側が地面に接地してしまう。これを防ぐために余剰部折り返し留め具(18)を、上着部分の前身頃真中部(9)の襟元辺りと上腹部辺りに設け、開放時に折り返して、上下二か所に設けた余剰部折り返し留め具(18)を合わせることで地面への接地を防ぐ。
(ネ)図6は立ち襟付つなぎ型衣服のファスナーを全開にして中央部(13)を開放した状態の正面図であるが、ここでは図5に示した余剰部折り返し留め具(18)を上着部分の前身頃真中部(9)の裏面に設けた場合の図である。
(ナ)左右のオープンファスナー(19)(20)を開放することで大きく開かれた中央部(13)には、上着部分に存在していた前身頃真中部(9)が、右ズボン筒内側(10)と左ズボン筒内側(11)との間に股部(12)から裏返って垂れ下がるが、この垂れ下がった上着部分前身頃真中部(9)は通常股下より長くなるので、ズボン筒の裾縁(3)よりも下に食み出る余剰部分(17)が生じてしまい、この余剰部分(17)を解消するために設けるのが、図4にも示した余剰部折り返し留め具(18)であり、着脱時における地面への余剰部分(17)接地を防ぐことが出来るため、安全で清潔な着脱を可能とする。また余剰部折り返し留め具(18)は上着部分前身頃真中部(9)の表裏どちらに設けても構わず、表裏共に設けても構わない。
(ラ)また右側部(8)と左側部(16)の其々の襟元に、上着部分前身頃真中部(9)を保持する、前身頃保持留め具(23)を設けている。これは左右のオープンファスナー(19)(20)の開口方向を襟刳り開口部(4)の縁側から裾縁(3)側へ向かって開け下げるように設けた場合、開放していくと、前身頃真中部(9)は裏返りながら垂れ下がっていくため、また左右のオープンファスナー(19)(20)を裾縁(3)より襟刳り開口部(4)の縁側へ閉じ上げていく過程では、前身頃真中部(9)は裏返って垂れ下がっているため、ファスナーのスムーズな開閉に少なからず影響を及ぼすことを解消するためのものである。
(ム)この図6では余剰部折り返し留め具(18)を面ファスナーにして前身頃真中部(9)の裏面に設けた場合の図であるので、前身頃保持留め具(23)も面ファスナーとし、右側部(8)と左側部(16)の其々の襟元の裏面に設け、開放部位より突出させて設けたことで、前身頃真中部(9)を立ち上げた状態において、オープンファスナー(19)(20)を跨いで、前身頃真中部(9)の裏面に設けた余剰部折り返し留め具(18)の襟元側の面ファスナーに届いて保持できるようになる。
(ウ)上下二か所に設けた余剰部折り返し留め具(18)の、襟元側の面ファスナーと前身頃保持留め具(23)とを合わせることで、左右のオープンファスナー(19)(20)を全開にした状況であっても、上着部分前身頃真中部(9)は開放されずに保持され、裏返って垂れ下がることなく留まり、着衣時は先ず上着部分前身頃真中部(9)を立ち上げて、前身頃保持留め具(23)によって保持した状態で、左右のオープンファスナー(19)(20)を両ズボン筒端点(W)(Y)より閉じ上げていくことでよりスムーズに着衣でき、脱衣時も前身頃保持留め具(23)によって上着部分前身頃真中部(9)が、保持された状態のまま両襟刳り端点(X)(Z)より左右のオープンファスナー(19)(20)を開け下げていくことでよりスムーズに脱衣できる。
(ヰ)前身頃保持留め具(23)は、右側部(8)と左側部(16)の其々の襟元の表裏どちらに設けても良く、余剰部折り返し留め具(18)が裏面に設けてあれば裏面に、表面に設けてあれば表面に設け、余剰部折り返し留め具(18)がホックであればホックで、ボタンや鍵爪であればスリットや孔、環等でよく、余剰部折り返し留め具(18)の部材に応じた部材を用いることで、上下二か所に設けた余剰部折り返し留め具(18)の襟元側を活用することができ、余分な部材を省き余剰部分(17)の地面への接地の解消と、上着部分前身頃真中部(9)の保持によるスムーズな開閉を可能にする。
(ノ)図6のように前身頃保持留め具(23)は、余剰部折り返し留め具(18)の襟元側に応じた部材を右側部(8)と左側部(16)の其々の襟元に、開放部より延出させて設けても良いが、図4のように上着部分前身頃真中部(9)の襟元側の左右両辺に、余剰部折り返し留め具(18)とは別に、オープンファスナー(19)(20)を跨いで右側部(8)と左側部(16)に留めるよう表面に設けても良い。
(オ)この前身頃保持留め具(23)は、開放時に上着部分前身頃真中部(9)が保持されることを目的とし、その部材や個所を特定する必要はなく、つなぎ型衣服の上着部分の上方である襟元辺りに前身頃保持留め具(23)を設けることで良いが、余剰部折り返し留め具(18)の襟元側に応じた部材と個所に設けることで、無駄なく、よりシンプルに目的を果たすことが出来る。
(ク)またこの前身頃保持留め具(23)は、左右のオープンファスナー(19)(20)の開口方向を両襟刳り端点(X)(Z)より両ズボン筒端点(W)(Y)に向かって開け下げる向きで設けた場合において利便性を発揮するものであり、左右のオープンファスナー(19)(20)の開口方向を両ズボン筒端点(W)(Y)より両襟刳り端点(X)(Z)に向かって開け上げる向きで設けた場合は、上着部分前身頃真中部(9)は両襟刳り端点(X)(Z)で保持されているので、開放の過程で裏返って垂れ下がってしまうことは無く、襟刳り開口部(4)の縁まで開け上げて、両襟刳り端点(X)(Z)を其々分離して初めて垂れ下がって中央部(13)が開放されるため、前身頃保持留め具(23)を設けずともファスナーのスムーズな開閉は可能である。
(ヤ)この図6において、開放状態を詳しく説明すると、右オープンファスナー(19)の上方向の端点は右襟刳り端点(X)であり、開放することで右襟刳り端点(X)は分離され、端点Xの片割れ(X1)は垂れ下がった前身頃真中部(9)の角に有るため、右襟刳り端点(X)は右側部(8)と中央部(13)とに分かれて位置することになる。下方向の端点は右ズボン筒端点(W)であり、開放することで右ズボン筒端点(W)は分離され、端点Wの片割れ(W1)は右ズボン筒内側(10)に有るため、右ズボン筒端点(W)は、右ズボン筒外側(7)の右側部(8)と右ズボン筒内側(10)の中央部(13)とに分かれて位置することになる。また左オープンファスナー(20)の上方向の端点は左襟刳り端点(Z)であり、開放すると左襟刳り端点(Z)は、左側部(16)と端点Zの片割れ(Z1)が有る中央部(13)とに分かれて位置する。下方向の端点は左ズボン筒端点(Y)であり、開放すると左ズボン筒端点(Y)は、左ズボン筒外側(15)の左側部(16)と端点Yの片割れ(Y1)が有る左ズボン筒内側(11)の中央部(13)とに分かれて位置する。
(マ)つなぎ服の前面の、上下両方の末端開口部の縁を結ぶ二本の縦線上を左右に切り割ることで前身頃は縦に三分割されるので、両襟刳り端点(X)(Z)は襟刳り開口部(4)の前面の縁にあれば良く、襟付きの場合は末端開口部の縁となる襟縁に有れば良い。また両ズボン筒端点(W)(Y)は其々のズボン筒の前面の裾縁(3)にあれば何処に位置しても良いが、ズボン筒を前面から内側と外側に左右に分割することが大事であり、側面から前側と後ろ側に前後に分割する位置ではオープンファスナー(5)に捩れが生じ、スムーズな開閉と着脱に困難を来す。
(ケ)図7はファスナーを全開した状態のズボン部分の正面図であり、ここでは左右其々のオープンファスナーをダブルファスナーにした場合で説明する。右オープンファスナー(19)左オープンファスナー(20)其々を全開すると、右側上方向スライダー(A)、左側上方向スライダー(C)は其々、垂れ下がった上着部分の前身頃真中部(9)の角に位置する端点Xの片割れ(X1)および端点Zの片割れ(Z1)に有り、右側下方向スライダー(B)、左側下方向スライダー(D)は其々、ファスナーによって分離された右ズボン筒外側(7)の右ズボン筒端点(W)と、左ズボン筒外側(15)の左ズボン筒端点(Y)に有る。
(フ)図8は、図7の状態において、股部(12)から裏返って垂れ下がる前身頃真中部(9)とズボン筒内側とをファスナーで繋いだ状態の正面図であり、中央部(13)に垂れ下がった前身頃真中部(9)の角に位置する端点Xの片割れ(X1)と、右ズボン筒内側(10)に位置する端点Wの片割れ(W1)を接合し、右側上方向スライダー(A)によって股部(12)までを閉じ上げ、端点Zの片割れ(Z1)と左ズボン筒内側(11)に位置する端点Yの片割れ(Y1)を接合し、左側上方向スライダー(C)によって股部(12)までを閉じ上げた状態である。
(コ)右オープンファスナー(19)、左オープンファスナー(20)其々をオープン型ダブルファスナーにすることによって、図8の状態にすることが可能であり、リバーシブル型のファスナーであれば尚良く、予め図8の状態にしておくことで、着用時には垂れ下がった前身頃真中部(9)の余剰部分(17)の地面への接地を防ぐことができると共に、裏返って垂れ下がる上着部分の前身頃真中部(9)を両ズボン筒内側(10)(11)に繋ぎ合せたことでレインコート形体により近いものとなる。
本発明は以上のような構造である。
本発明を使用するときは、二本其々のオープンファスナー(5)を全開にして中央部(13)を開放したコート形態から、左右両腕筒(6)(14)に腕を通し、開放された中央部(13)に身体全体を入れてから着衣する。
左右のオープンファスナー(19)(20)の開口方向を両襟刳り端点(X)(Z)より両ズボン筒端点(W)(Y)に向かって閉じ下げる向きで設けた場合では、股部(12)から裏返って垂れ下がった上着部分の前身頃真中部(9)の余剰部折り返し留め具(18)を外して上辺を襟元に立ち戻し、端点Xの片割れ(X1)と端点Zの片割れ(Z1)を両襟刳り端点(X)(Z)に接合させて上着部分の前身頃真中部(9)を保持し、裾縁(3)に向かって左右のオープンファスナー(19)(20)を閉じ下げていき、上着部分の前身頃真中部(9)を右側部(8)と左側部(16)に繋ぎつつ、股部(12)を通過して両ズボン筒外側(7)(15)と両ズボン筒内側(10)(11)を繋ぎながら両ズボン筒(1)(2)を形成しつつ、裾縁(3)まで達して、端点Wの片割れ(W1)と端点Yの片割れ(Y1)が両ズボン筒端点(W)(Y)に接合して着用を完了する。
脱衣するときは、裾縁(3)から襟刳り開口部(4)の縁に向かって左右のオープンファスナー(19)(20)を開け上げていき、両ズボン筒外側(7)(15)と両ズボン筒内側(10)(11)を分離させながら股部(12)を通過して、上着部分の前身頃真中部(9)を右側部(8)と左側部(16)から分離させつつ襟刳り開口部(4)の縁に達し、両襟刳り端点(X)(Z)を其々分離させ、上着部分の前身頃真中部(9)の余剰部折り返し留め具(18)の上下を留めて余剰部分(17)を解消し、股部(12)から裏返して垂れ下げ、中央部(13)を開放させたコート形態にして、左右両腕筒(6)(14)から腕を抜いて完了する。
また左右のオープンファスナー(19)(20)の開口方向を両襟刳り端点(X)(Z)より両ズボン筒端点(W)(Y)に向かって開け下げる向きで設けた場合で着衣するときは、両ズボン筒外側(7)(15)と両ズボン筒内側(10)(11)を裾縁(3)から襟刳り開口部(4)の縁に向かって、左右のオープンファスナー(19)(20)を閉じ上げて両ズボン筒(1)(2)を形成しつつ、上着部分の前身頃真中部(9)の角に位置する端点Xの片割れ(X1)と端点Zの片割れ(Z1)が両襟刳り端点(X)(Z)に達して着用を完了する。
裏返って垂れ下がった上着部分の前身頃真中部(9)は何れか一本のオープンファスナー(5)を閉じ上げていくことで裏返りを戻しつつ立ち上がり、余剰部折り返し留め具(18)の上下を留めていた状態であれば、オープンファスナー(5)を閉め上げる過程で留め具を外し、両端点の片割れ(X1)(Z1)が両襟刳り端点(X)(Z)に達して、襟刳り開口部(4)を形成する。
脱衣するときは両襟刳り端点(X)(Z)から左右のオープンファスナー(19)(20)を其々開け下げつつ、余剰部折り返し留め具(18)の上下を留めて前身頃真中部(9)の余剰部分(17)を解消し、両ズボン筒(1)(2)を開口しつつ、裾縁(3)までを開け下げ、両ズボン筒外側(7)(15)と両ズボン筒内側(10)(11)に開け分けて、中央部(13)を開放し脱衣する。
さらにこの開口方向にて、前身頃保持留め具(23)を設けた場合で着衣するときは、余剰部折り返し留め具(18)を外し、上着部分の前身頃真中部(9)を立ち上げ、上着部分上方の襟元辺りに設けた前身頃保持留め具(23)にて保持し、両ズボン筒外側(7)(15)と両ズボン筒内側(10)(11)を裾縁(3)から左右のオープンファスナー(19)(20)で閉じ上げて両ズボン筒(1)(2)を形成しつつ、立ち上げて保持された上着部分の前身頃真中部(9)の両サイドを両襟刳り端点(X)(Z)まで閉じ上げて着衣を完了する。
脱衣するときは、前身頃保持留め具(23)を外す前に左右のオープンファスナー(19)(20)を襟刳り開口部(4)から裾縁(3)まで開け下げ、上着部分の前身頃真中部(9)の両サイドおよび右ズボン筒(1)と左ズボン筒(2)を両ズボン筒外側(7)(15)と両ズボン筒内側(10)(11)に開け分けて全開にして、前身頃保持留め具(23)を外し、余剰部折り返し留め具(18)の上下を留めて余剰部分(17)を解消してから前身頃真中部(9)を垂れ下げることで、中央部(13)が開放され脱衣できる。
また右オープンファスナー(19)、左オープンファスナー(20)其々をオープン型ダブルファスナーにして、図8の状態から着衣するときは、左右上方向スライダー(A)(C)を下げ開き、両ズボン筒内側(10)(11)と上着部分の前身頃真中部(9)とを開け分けた図7の状態から、右ズボン筒端点(W)と、その片割れ(W1)とを接合させ、左ズボン筒端点(Y)と、その片割れ(Y1)とを接合させて、右側下方向スライダー(B)左側下方向スライダー(D)にて其々を閉じ上げて着衣する。
またこの場合、上着部分の前身頃真中部(9)を立ち上げ、端点Xの片割れ(X1)端点Zの片割れ(Z1)を両襟刳り端点(X)(Z)に接合し、両上方向スライダー(A)(C)を閉じ下げることでも着用でき、両襟刳り端点(X)(Z)にて上着部分の前身頃真中部(9)は保持されるので、裏返って垂れ下がる上着部分の前身頃真中部(9)がファスナーの開閉に少なからず影響を及ぼすことを解消するための前身頃保持留め具(23)を設けずとも、スライダーのスムーズな操作が可能である。
このように右オープンファスナー(19)、左オープンファスナー(20)其々をオープン型ダブルファスナーにした場合は、襟刳り側と裾側の両方向から4つのスライダーを操作しての着脱も可能であり、トイレで用を足す時においても、股部(12)に相応の開口部を設けずとも、股部(12)辺りで4つのスライダーを操作して適当な幅だけを開口させることで、用を足すことができ、より機能性を増す。
1 ズボン筒
2 左ズボン筒
3 裾縁
4 襟刳り開口部
5 オープンファスナー
6 右腕筒
7 右ズボン筒外側
8 右側部
9 上着部分前身頃真中部
10 右ズボン筒内側
11 左ズボン筒内側
12 股部
13 中央部
14 左腕筒
15 左ズボン筒外側
16 左側部
17 余剰部分
18 余剰部折り返し留め具
19 右オープンファスナー
20 左オープンファスナー
21 フード
22 フード取付け留め具
23 前身頃保持留め具
A 右側上方向スライダー
B 右側下方向スライダー
C 左側上方向スライダー
D 左側下方向スライダー
W 右ズボン筒端点
X 右襟刳り端点
Y 左ズボン筒端点
Z 左襟刳り端点
W1 端点Wの片割れ
X1 端点X片割れ
Y1 端点Y片割れ
Z1 端点Z片割れ

Claims (1)

  1. つなぎ型衣服のズボン部分の右ズボン筒と左ズボン筒の其々の前身頃の裾縁から、上着部分の前身頃を経由して襟刳り開口部の右側と左側の其々の縁にかけて縦に結ぶ2本の線上を切り割って開放し、該開放部位にオープンファスナーや面ファスナー等の開閉自在であり、且つ開放可能な留め具を其々設ける。
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