JP2015106125A - 手振れ補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】揺動用コイルによる励磁場の影響を排除することにより、永久磁石の正確な位置情報を得ることができると共に、揺動力の低下を招くことのない手振れ補正装置を提供する。【解決手段】駆動回路22により生成された揺動信号をX側の揺動用コイル15xに揺動電流として通電すると共に、調整回路23に揺動信号を供給する。調整回路23により揺動信号の振幅及び位相が調整された調整出力は、X側ホール素子161のホール出力に加算されて、+X側の揺動用コイル151からの励磁場成分が打ち消されるようにした。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば携帯電話用のカメラ等に生じる手振れを補正する手振れ補正装置に関する。
手振れ補正装置は、オートフォーカス用レンズ駆動装置に保持されたレンズに生じる手揺れに応じてレンズ、もしくはレンズを保持するレンズ駆動装置をレンズの光軸方向と直交する方向に搖動させ、イメージセンサ上に結像させた像のブレや流れを抑制するものである。
例えば、特許文献1及び特許文献2において提案される手振れ補正装置は、光軸方向に延在するサスペンションワイヤによりオートフォーカス用レンズ駆動装置を光軸と直角な方向に搖動可能に懸架支持したものである。当該手振れ補正装置は、揺動用コイルと永久磁石とを用いた電磁駆動手段を備えることにより、オートフォーカス用レンズ駆動装置と共にレンズを揺動させて像のブレを抑制することが可能である。
例えば、特許文献1及び特許文献2において提案される手振れ補正装置は、光軸方向に延在するサスペンションワイヤによりオートフォーカス用レンズ駆動装置を光軸と直角な方向に搖動可能に懸架支持したものである。当該手振れ補正装置は、揺動用コイルと永久磁石とを用いた電磁駆動手段を備えることにより、オートフォーカス用レンズ駆動装置と共にレンズを揺動させて像のブレを抑制することが可能である。
図8(a),(b)及び図9に示すように、特許文献1における手振れ補正装置30は、機構部30A及び制御部30Bよりなる。なお、図8の説明において、図示しないレンズの光軸方向をZ(Z軸)方向とし、Z方向と直角な2方向をX(X軸)方向及びY(Y軸)方向とする。
機構部30Aは、中央部が開口してZ方向を向いた四角板状のベース基板31と、Z軸に延在する4本のサスペンションワイヤ32と、ベース基板31の+Z側において四角枠状のマグネットホルダ33の側面33bに保持され、磁極面をX方向及びY方向に向けてZ方向と平行な軸周りに90度の間隔でそれぞれ配設された板状をなす4個の永久磁石341,342,343,344と、Z方向に巻回されて永久磁石341,343の−Z側の側面と空隙を隔てて対向し、ベース基板31の+Z側の面に装着されるX側の揺動用コイル35xと、Z方向に巻回されて永久磁石342,344の−Z側の側面と空隙を隔てて対向し、ベース基板31の+Z側の面に装着されるY側の揺動用コイル35yと、ベース基板31の−Z側の面に装着されるホール素子36とにより構成される。
機構部30Aは、中央部が開口してZ方向を向いた四角板状のベース基板31と、Z軸に延在する4本のサスペンションワイヤ32と、ベース基板31の+Z側において四角枠状のマグネットホルダ33の側面33bに保持され、磁極面をX方向及びY方向に向けてZ方向と平行な軸周りに90度の間隔でそれぞれ配設された板状をなす4個の永久磁石341,342,343,344と、Z方向に巻回されて永久磁石341,343の−Z側の側面と空隙を隔てて対向し、ベース基板31の+Z側の面に装着されるX側の揺動用コイル35xと、Z方向に巻回されて永久磁石342,344の−Z側の側面と空隙を隔てて対向し、ベース基板31の+Z側の面に装着されるY側の揺動用コイル35yと、ベース基板31の−Z側の面に装着されるホール素子36とにより構成される。
4本のサスペンションワイヤ32の一端側はベース基板31の四隅に接続され、他端側はマグネットホルダ33のフランジ部33aに接続されている。
X側の揺動用コイル35xは、−X側に配設された−X側の揺動用コイル353と、+X側に配設されてY方向に隣接して設けられた2個の+X側の揺動用コイル351a,351bとよりなり、−X側の揺動用コイル353と+X側の揺動用コイル351a,351bとはそれぞれ直列に接続される。また、Y側の揺動用コイル35yは、−Y側に配設された−Y側の揺動用コイル354と、+Y側に配設されてX方向に隣接して設けられた2個の+Y側の揺動用コイル352a,352bとよりなり、−Y側の揺動用コイル354と+Y側の揺動用コイル352a,352bとはそれぞれ直列に接続される。
X側の揺動用コイル35xは、−X側に配設された−X側の揺動用コイル353と、+X側に配設されてY方向に隣接して設けられた2個の+X側の揺動用コイル351a,351bとよりなり、−X側の揺動用コイル353と+X側の揺動用コイル351a,351bとはそれぞれ直列に接続される。また、Y側の揺動用コイル35yは、−Y側に配設された−Y側の揺動用コイル354と、+Y側に配設されてX方向に隣接して設けられた2個の+Y側の揺動用コイル352a,352bとよりなり、−Y側の揺動用コイル354と+Y側の揺動用コイル352a,352bとはそれぞれ直列に接続される。
ホール素子36は、X側ホール素子361とY側ホール素子362とよりなり、ベース基板31に装着される。X側ホール素子361は、+X側の揺動用コイル351aと+X側の揺動用コイル351bとの中間付近に位置し、ベース基板31の−Z側の面に取付けられる。Y側ホール素子362は、+Y側の揺動用コイル352aと+Y側の揺動用コイル352bとの中間付近に位置し、ベース基板31の−Z側の面に取付けられる。X側ホール素子361,Y側ホール素子362は、+Z側に配設された永久磁石341,342による磁場を検出して、永久磁石341のX方向の位置及び永久磁石342のY方向の位置をそれぞれ測定する。マグネットホルダ33の内周側には、図示しないオートフォーカス用レンズ駆動装置が取付けられる。オートフォーカス用レンズ駆動装置は、サスペンションワイヤ32によりマグネットホルダ33と共にX方向及びY方向に揺動可能に懸架支持される。
図9の回路模式図に示すように、制御部30Bは、X側の制御部30x及び図示しないY側の制御部よりなる。なお、同図の説明においてY側の制御部は、X側の制御部30xと同一構成であるので省略している。X側の制御部30x及びY側の制御部は、いずれも制御回路41及び駆動回路42を備える。駆動回路42は、機構部30AのX側の揺動用コイル35x及びY側の揺動用コイル35yに接続される。X側ホール素子361及びY側ホール素子362は、X側の制御部30x及びY側の制御部のそれぞれの制御回路41に接続される。
以上のように構成された手振れ補正装置30は、手振れの発生によりX側の制御部30xが手振れ情報を受けると、制御回路41が動作して駆動回路42に手振れに応じた揺動信号を発生させ、X側の揺動用コイル35xに揺動用電流を通電する。X側の揺動用コイル35xに揺動用電流が通電されると、X側の揺動用コイル35xには、X方向のローレンツ力が生じる。そして、X側の揺動用コイル35xとZ方向に対向する永久磁石341,343とには、X方向のローレンツ力に対する反力が生じることとなる。そして、X側の揺動用コイル35xと永久磁石341,343とが、マグネットホルダ33に取付けられたオートフォーカス用レンズ駆動装置をX側ホール素子361の測定値に応じた振幅でX方向に揺動させる。また、Y側の制御部が手振れ情報を受けた場合もX側と同様に、Y側の揺動用コイル35yと永久磁石342,344とがオートフォーカス用レンズ駆動装置をY側ホール素子362の測定値に応じた振幅でY方向に揺動させる。
このようにして、カメラに手振れが生じたときには、図示しない手振れセンサの手振れ信号に基づいて制御部30Bが作動し、X側の揺動用コイル35x及びY側の揺動用コイル35y、あるいはX側の揺動用コイル35xまたはY側の揺動用コイル35yに揺動用電流が通電される。これに伴い手振れ補正装置30は、オートフォーカス用レンズ駆動装置をX方向及びY方向、あるいはX方向またはY方向に揺動させて、図示しないイメージセンサ上に生じた撮影画像の流れを静止させ、手振れにより生じる像のブレを補正することができる。
また、特許文献3に示されるように、永久磁石と揺動用コイルとがX方向及びY方向に空隙を隔てて対向し、オートフォーカス用レンズ駆動装置をX方向及びY方向、あるいはX方向またはY方向に揺動させる方式のものもある。
また、特許文献3に示されるように、永久磁石と揺動用コイルとがX方向及びY方向に空隙を隔てて対向し、オートフォーカス用レンズ駆動装置をX方向及びY方向、あるいはX方向またはY方向に揺動させる方式のものもある。
X側ホール素子361,Y側ホール素子362が永久磁石341,342からの磁場を検出して位置情報を得るためには、検出の障害となるX側の揺動用コイル35x,Y側の揺動用コイル35yが励磁されたときに発生する励磁場の影響を少なくする必要がある。一般的に、励磁されたコイル巻線の磁束密度の分布はコイル巻線の内径側において高く、外径側において低い。このことから、上述したように、X側ホール素子361は、+X側の揺動用コイル351aと+X側の揺動用コイル351bとの中間付近に位置し、Y側ホール素子362は、+Y側の揺動用コイル352aと+Y側の揺動用コイル352bとの中間付近に位置するようにベース基板31の−Z側の面に取付けられる。
しかしながら、X側ホール素子361,Y側ホール素子362は、各巻回コイルの外径側となる+X側の揺動用コイル351a,351bの中間付近,+Y側の揺動用コイル352a,352bの中間付近に取り付けられることにより磁場の強度をある程度低減できるものの、確実に排除することはできない。そのため、X側ホール素子361,Y側ホール素子362は、永久磁石341,342からの磁場に加えて、+X側の揺動用コイル351a,351b,+Y側の揺動用コイル352a,352bによる励磁場の影響を受ける。その結果、X側ホール素子361,Y側ホール素子362は、当該+X側の揺動用コイル351a,351b,+Y側の揺動用コイル352a,352bの磁場を重畳して検出してしまうことになり、永久磁石341,342のX方向,Y方向に関する位置情報を正確に得ることができない。
加えて、+X側の揺動用コイル351a,351bや+Y側の揺動用コイル352a,352bは、X側ホール素子361,Y側ホール素子362が取付けられる位置を避けるために、−X側の揺動用コイル353や−Y側の揺動用コイル354が2分割されたような大きさとなっている。そのため、ローレンツ力を生じさせる有効コイル長が短くなり、マグネットホルダ33に取付けられたオートフォーカス用レンズ駆動装置を揺動させるための推力が低下してしまう問題があった。
また、図10には特許文献2の手振れ補正装置を示すが、特許文献1と同様のことが言える。なお、同図の揺動用永久磁石441,442,443,444は、X側の揺動用コイル35x、Y側の揺動用コイル35y、X側ホール素子361及びY側ホール素子362を視認しやすくするために、破線にて示している。
図10に示すように、Z方向に2極着磁された揺動用永久磁石441,442,443,444がZ軸と平行な軸周りに90°回転した状態でベース基板31上に配置される。揺動用永久磁石441,442,443,444の−Z側には、X側の揺動用コイル35x及びY側の揺動用コイル35yと、X側ホール素子361及びY側ホール素子362とがベース基板31の+Z側の面に取付けられる。電磁駆動手段は、X側の揺動用コイル35x、Y側の揺動用コイル35y及び揺動用永久磁石441,442,443,444から構成される。X側の揺動用コイル35x及びY側の揺動用コイル35yは、Z方向に空隙を隔てて対向し、サスペンションワイヤ32により懸架支持される揺動用永久磁石441,442,443,444をX方向及びY方向に揺動させる。また、X側の揺動用コイル35xは+X側の揺動用コイル351と−X側の揺動用コイル353とよりなり、Y側の揺動用コイル35yは+Y側の揺動用コイル352と−Y側の揺動用コイル354とよりなる。
このように特許文献2に示される場合においても、X側ホール素子361及びY側ホール素子362が、それぞれ+X側の揺動用コイル351及び+Y側の揺動用コイル352の巻回側面の外側に配設されているので、X側の揺動用コイル35x,Y側の揺動用コイル35yが励磁されたときに発生する励磁場の影響をある程度低減させることができるが、確実に排除することはできない。また、特許文献3のように、ホール素子が揺動用コイルからやや離れた位置に配置されたとしても、揺動用コイルが励磁されたときに発生する励磁場の影響を確実に排除することは困難である。
本発明は、揺動用コイルによる励磁場の影響を排除することにより、永久磁石の正確な位置情報を得ることができると共に、揺動力の低下を招くことのない手振れ補正装置を提供することを目的とする。
本願発明は、レンズ駆動装置をレンズの光軸と直角な方向に揺動させる手振れ補正装置であって、手振れ補正装置は、レンズ駆動装置の周囲に配設される永久磁石と、永久磁石と空隙を隔てて対向する揺動用コイルと、永久磁石により生じる磁場を検出するホール素子とを備え、ホール素子には揺動用コイルを励磁する揺動信号が供給されることを特徴とする。
これにより、本発明による手振れ補正装置は、ホール素子が励磁された揺動用コイルによる励磁場に曝されても、揺動用コイルによる励磁場に相当するホール素子の出力成分は揺動信号によって相殺され、永久磁石からの磁場に相当する成分だけを抽出できるので、永久磁石の位置を正確に検出することができる。また、ホール素子の配設された位置から揺動用コイルを避ける必要がないので揺動用コイルを小さくする必要性がなく、揺動用コイルにおけるローレンツ力を生じさせるための有効コイル長が短くならないため、揺動力の低下を招くことがない。
これにより、本発明による手振れ補正装置は、ホール素子が励磁された揺動用コイルによる励磁場に曝されても、揺動用コイルによる励磁場に相当するホール素子の出力成分は揺動信号によって相殺され、永久磁石からの磁場に相当する成分だけを抽出できるので、永久磁石の位置を正確に検出することができる。また、ホール素子の配設された位置から揺動用コイルを避ける必要がないので揺動用コイルを小さくする必要性がなく、揺動用コイルにおけるローレンツ力を生じさせるための有効コイル長が短くならないため、揺動力の低下を招くことがない。
また、本願発明は、レンズ駆動装置をレンズの光軸と直角な方向に揺動させる手振れ補正装置であって、手振れ補正装置は、レンズ駆動装置の周囲に配設される永久磁石と、永久磁石と空隙を隔てて対向する揺動用コイルと、永久磁石により生じる磁場を検出するホール素子と、ホール素子における検出面の中心法線の周りに巻回された補償用コイルとを備え、揺動用コイルを励磁する揺動信号が前記補償用コイルに通電され、ホール素子には補償用コイルによる補償励磁場が生じることを特徴とする。
これにより、本発明による手振れ補正装置は、ホール素子が励磁された揺動用コイルによる励磁場に曝されても、揺動用コイルによる励磁場は補償用コイルによる補償励磁場によって相殺され、ホール素子は永久磁石からの磁場に相当する成分だけを出力できるので、永久磁石の位置を正確に検出することができるようになる。さらに、ホール素子の配設された位置から揺動用コイルを避ける必要がないので揺動用コイルを小さくする必要性がなく、揺動用コイルにおけるローレンツ力を生じさせるための有効コイル長が短くならないため、揺動力の低下を招くことがない。
これにより、本発明による手振れ補正装置は、ホール素子が励磁された揺動用コイルによる励磁場に曝されても、揺動用コイルによる励磁場は補償用コイルによる補償励磁場によって相殺され、ホール素子は永久磁石からの磁場に相当する成分だけを出力できるので、永久磁石の位置を正確に検出することができるようになる。さらに、ホール素子の配設された位置から揺動用コイルを避ける必要がないので揺動用コイルを小さくする必要性がなく、揺動用コイルにおけるローレンツ力を生じさせるための有効コイル長が短くならないため、揺動力の低下を招くことがない。
また、本願発明は、補償用コイルがホール素子と共に同一のパッケージ内に内蔵されることを特徴とする。
これにより、補償用コイルが小型化され、手振れ補正装置における揺動の精度を高めるために補償用コイルを取付けても手振れ補正装置が大型化せず、永久磁石の正確な位置を検出すると共に揺動力の低下を招くことのない手振れ補正装置を提供することができるようになる。
これにより、補償用コイルが小型化され、手振れ補正装置における揺動の精度を高めるために補償用コイルを取付けても手振れ補正装置が大型化せず、永久磁石の正確な位置を検出すると共に揺動力の低下を招くことのない手振れ補正装置を提供することができるようになる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
実施の形態1
図1は、本実施の形態1に係る手振れ補正装置10の機能を説明する斜視模式図である。図2は本実施の形態1に係る手振れ補正装置10の機構部10Aを示す分解斜視図であり、図3は実施の形態1に係る手振れ補正装置10の制御部10Bにおける動作を説明する回路模式図である。以下、図示しないレンズの光軸方向をZ(Z軸)方向、被写体側をZ方向前方(+Z側)、Z軸と直角な2方向をX(X軸)方向及びY(Y軸)方向とする。
図1は、本実施の形態1に係る手振れ補正装置10の機能を説明する斜視模式図である。図2は本実施の形態1に係る手振れ補正装置10の機構部10Aを示す分解斜視図であり、図3は実施の形態1に係る手振れ補正装置10の制御部10Bにおける動作を説明する回路模式図である。以下、図示しないレンズの光軸方向をZ(Z軸)方向、被写体側をZ方向前方(+Z側)、Z軸と直角な2方向をX(X軸)方向及びY(Y軸)方向とする。
図2に分解斜視図として示すように、機構部10Aは、中央部が開口してZ方向を向いた四角板状のベース基板11と、Z方向に延在する4本のサスペンションワイヤ12と、ベース基板11の+Z側において四角枠状のマグネットホルダ13の側面13bに保持され、後述するオートフォーカス用レンズ駆動装置29の外周側に位置し、磁極面をX方向及びY方向に向けてZ軸と平行な軸周りに90度の間隔で配設された板状をなす4個の永久磁石141,142,143,144と、Z方向に巻回されて永久磁石141,143の−Z側の側面と空隙を隔てて対向し、ベース基板11の+Z側の面に装着されるX側の揺動用コイル15xと、Z方向に巻回されて永久磁石142,144の−Z側の側面と空隙を隔てて対向し、ベース基板11の+Z側の面に装着されるY側の揺動用コイル15yと、ベース基板11の−Z側の面に装着されるホール素子16とにより構成されている。
4本のサスペンションワイヤ12の一端側はベース基板11の四隅に接続され、他端側はマグネットホルダ13のフランジ部13aに接続されている。
X側の揺動用コイル15xは、+X側に配設された+X側の揺動用コイル151と、−X側に配設された−X側の揺動用コイル153とよりなり、+X側の揺動用コイル151と−X側の揺動用コイル153とはそれぞれ直列に接続される。また、Y側の揺動用コイル15yは、+Y側に配設された+Y側の揺動用コイル152と、−Y側に配設された−Y側の揺動用コイル154とよりなり、+Y側の揺動用コイル152と−Y側の揺動用コイル154とはそれぞれ直列に接続される。
X側の揺動用コイル15xは、+X側に配設された+X側の揺動用コイル151と、−X側に配設された−X側の揺動用コイル153とよりなり、+X側の揺動用コイル151と−X側の揺動用コイル153とはそれぞれ直列に接続される。また、Y側の揺動用コイル15yは、+Y側に配設された+Y側の揺動用コイル152と、−Y側に配設された−Y側の揺動用コイル154とよりなり、+Y側の揺動用コイル152と−Y側の揺動用コイル154とはそれぞれ直列に接続される。
ホール素子16は、X側ホール素子161とY側ホール素子162とよりなり、それぞれベース基板11に装着される。X側ホール素子161は、+X側の揺動用コイル151の巻回中央部近傍においてベース基板11の−Z側の面に取付けられる。Y側ホール素子162は、+Y側の揺動用コイル152の巻回中央部近傍においてベース基板11の−Z側の面に取付けられる。X側ホール素子161及びY側ホール素子162は、それぞれ+Z側に配設された永久磁石141,142により生じる磁場を検出して、永久磁石141のX方向の位置と永久磁石142のY方向の位置とをそれぞれ測定する。
図2に示すように、マグネットホルダ13の内周側には、オートフォーカス用レンズ駆動装置29が取付けられる。オートフォーカス用レンズ駆動装置29は、サスペンションワイヤ12によりマグネットホルダ13と共に、X方向及びY方向に揺動可能に懸架支持される。オートフォーカス用レンズ駆動装置29は、例えばフォーカス用コイル19が巻回されたレンズホルダー18を保持する前側バネ部材17Aの内周部及び後側バネ部材17Bの内周部により、Z方向の前側及び後側から挟持される。前側バネ部材17Aの外周部はマグネットホルダ13のフランジ部13aに接続され、後側バネ部材17Bの外周部はマグネットホルダ13における底面の縁部13cに接続される。オートフォーカス用レンズ駆動装置29は、前側バネ部材17A及び後側バネ部材17Bを介して、機構部10Aに取付けられる。
図1に示すように、制御部10Bは、X側の制御部10x及びY側の制御部10yよりなる。なお、本実施形態におけるY側の制御部10yは、X側の制御部10xと同一構成であるので、図3(a)において図示を省略し、以下の説明においてX側の制御部10xを中心に説明する。
X側の制御部10xは、制御回路21と、駆動回路22と、調整回路23と、加算回路24とを備える。制御回路21の出力側は、駆動回路22の入力側に接続される。駆動回路22の出力側は、機構部10AにおけるX側の揺動用コイル15xの入力端と、調整回路23の入力側とに接続される。X側ホール素子161の出力側と調整回路23の出力側は、加算回路24の入力側に接続される。加算回路24の出力側は、制御回路21の入力側に接続される。
X側の制御部10xは、制御回路21と、駆動回路22と、調整回路23と、加算回路24とを備える。制御回路21の出力側は、駆動回路22の入力側に接続される。駆動回路22の出力側は、機構部10AにおけるX側の揺動用コイル15xの入力端と、調整回路23の入力側とに接続される。X側ホール素子161の出力側と調整回路23の出力側は、加算回路24の入力側に接続される。加算回路24の出力側は、制御回路21の入力側に接続される。
図3(a)に示すように、駆動回路22は、制御回路21の制御信号によって揺動信号P1を生成して、X側の揺動用コイル15xに揺動電流を通電する。調整回路23には、揺動電流への通電に基づいて、揺動信号P1(観察点C1)が供給される。
また、揺動電流の通電に伴い+X側の揺動用コイル151に生じた励磁場は、永久磁石141により生じる磁場と共に、X側ホール素子161に入力される。調整回路23に送られた揺動信号P1は、振幅及び位相が調整されて調整出力P3(観察点C3)とされる。調整出力P3は、+X側の揺動用コイル151から入力された励磁場を磁電変換したX側ホール素子161のホール出力P2(観察点C2)を反転させた信号と同等レベルとされる。X側ホール素子161のホール出力と調整回路23の調整出力とは、共に加算回路24に入力されて加算され、+X側の揺動用コイル151から入力された励磁場成分と調整回路23の調整出力とが相殺され、励磁場成分が打ち消されて加算出力P4(観察点C4)とされる。そして、加算出力P4は制御回路21に出力される。
また、揺動電流の通電に伴い+X側の揺動用コイル151に生じた励磁場は、永久磁石141により生じる磁場と共に、X側ホール素子161に入力される。調整回路23に送られた揺動信号P1は、振幅及び位相が調整されて調整出力P3(観察点C3)とされる。調整出力P3は、+X側の揺動用コイル151から入力された励磁場を磁電変換したX側ホール素子161のホール出力P2(観察点C2)を反転させた信号と同等レベルとされる。X側ホール素子161のホール出力と調整回路23の調整出力とは、共に加算回路24に入力されて加算され、+X側の揺動用コイル151から入力された励磁場成分と調整回路23の調整出力とが相殺され、励磁場成分が打ち消されて加算出力P4(観察点C4)とされる。そして、加算出力P4は制御回路21に出力される。
図3(b)は、ホール出力P2に調整出力P3を加算する構成の他の例を示す回路図である。ここで、ハーフブリッジ234は、調整回路23と加算回路24とを合体させた装置である。
X側ホール素子161の電源端子H1,H3には、電力が供給され、出力端子H2,H4からホール出力が出力される。具体的には、電源端子H1に所定の電圧の電力が供給され、電源端子H3にオペアンプQの出力側が接続される。オペアンプQの非反転入力端子は接地される。
また、出力端子H4には、オペアンプQの反転入力端子が接続され、出力端子H2からは接地レベルに対するホール出力P2が出力される。そして、直列接続された抵抗R1及び抵抗R2よりなるハーフブリッジ234の中間点C8が、X側ホール素子161の出力端子H2に接続される。駆動回路22の出力側はハーフブリッジ234の抵抗R1側の端子に接続されて揺動信号P1が供給され、ハーフブリッジ234の抵抗R2側の端子は接地されている。X側ホール素子161は、励磁場成分に関する出力端子H2からのホール出力P2の極性が揺動信号P1に対して反転するように、取付ける向きまたは供給される電源の極性が設定される。また、抵抗R1及び抵抗R2の抵抗値は、中間点C8における分圧された調整出力P3の振幅が励磁場成分に関する出力端子H2からのホール出力P2の振幅と同一となるように設定される。その結果、中間点C8においてホール出力P2と分圧された調整出力P3とが加算されて+X側の揺動用コイル151による励磁場成分が打ち消される。
X側ホール素子161の電源端子H1,H3には、電力が供給され、出力端子H2,H4からホール出力が出力される。具体的には、電源端子H1に所定の電圧の電力が供給され、電源端子H3にオペアンプQの出力側が接続される。オペアンプQの非反転入力端子は接地される。
また、出力端子H4には、オペアンプQの反転入力端子が接続され、出力端子H2からは接地レベルに対するホール出力P2が出力される。そして、直列接続された抵抗R1及び抵抗R2よりなるハーフブリッジ234の中間点C8が、X側ホール素子161の出力端子H2に接続される。駆動回路22の出力側はハーフブリッジ234の抵抗R1側の端子に接続されて揺動信号P1が供給され、ハーフブリッジ234の抵抗R2側の端子は接地されている。X側ホール素子161は、励磁場成分に関する出力端子H2からのホール出力P2の極性が揺動信号P1に対して反転するように、取付ける向きまたは供給される電源の極性が設定される。また、抵抗R1及び抵抗R2の抵抗値は、中間点C8における分圧された調整出力P3の振幅が励磁場成分に関する出力端子H2からのホール出力P2の振幅と同一となるように設定される。その結果、中間点C8においてホール出力P2と分圧された調整出力P3とが加算されて+X側の揺動用コイル151による励磁場成分が打ち消される。
このようにして、加算出力P4には、永久磁石141からの磁場だけが選別,抽出される。制御回路21には、永久磁石141からX側ホール素子161に生じる磁場に基づいた出力成分だけが加算回路24から出力され、永久磁石141の正確な位置を検出することができる。この時、X側の揺動用コイル15xにおける+X側の揺動用コイル151は分割されておらず、−X側の揺動用コイル153と同じ大きさに形成されるので、有効コイル長が短くなることがなく、揺動力の低下を招くことがない。
このように構成された手振れ補正装置10において、X側の揺動用コイル15xに揺動用電流が通電されると、X側の揺動用コイル15xには揺動力の低下していないX方向のローレンツ力が生じる。このため、X側の揺動用コイル15xとZ方向に対向する永久磁石141,143とには、ローレンツ力に対する強力な反力が生じることとなる。これにより手振れ補正装置10は、X側ホール素子161によって測定され、加算出力P4によって選別,抽出された永久磁石141からの正確な磁場による正確な振幅に基づいて、マグネットホルダ13に取付けられたオートフォーカス用レンズ駆動装置29をX方向に揺動させることができる。
また、Y側の揺動用コイル15yに揺動用電流が通電されると、Y側の揺動用コイル15yには揺動力の低下していないY方向のローレンツ力が生じる。このため、Y側の揺動用コイル15yとZ方向に対向する永久磁石142,144とには、ローレンツ力に対する強力な反力が生じることとなる。これにより手振れ補正装置10は、Y側ホール素子162によって測定され、加算出力P4により選別,抽出された永久磁石142からの正確な磁場による正確な振幅に基づいて、マグネットホルダ13に取付けられたオートフォーカス用レンズ駆動装置29をY方向に揺動させることができる。
また、Y側の揺動用コイル15yに揺動用電流が通電されると、Y側の揺動用コイル15yには揺動力の低下していないY方向のローレンツ力が生じる。このため、Y側の揺動用コイル15yとZ方向に対向する永久磁石142,144とには、ローレンツ力に対する強力な反力が生じることとなる。これにより手振れ補正装置10は、Y側ホール素子162によって測定され、加算出力P4により選別,抽出された永久磁石142からの正確な磁場による正確な振幅に基づいて、マグネットホルダ13に取付けられたオートフォーカス用レンズ駆動装置29をY方向に揺動させることができる。
以上、手振れ補正装置10は、撮影中に手振れが生じたときには、図示しない手振れセンサの手振れ信号に基づいて、X側の揺動用コイル15x及びY側の揺動用コイル15y、X側の揺動用コイル15xまたはY側の揺動用コイル15yに揺動用電流が通電されて、オートフォーカス用レンズ駆動装置29をX方向及びY方向、X方向またはY方向に揺動させ、図示しないイメージセンサ上に生じた撮影画像の流れを静止させて手振れによる像のブレを正確に補正することができる。
なお、本実施形態1に係る調整回路23の調整出力は、X側ホール素子161のホール出力を反転させた信号と同等となるように加算回路24において加算するようにしたが、これに限定されない。例えば、加算回路24に替えて差動回路を設け、調整回路23の調整出力をX側ホール素子161のホール出力P2と同相となるようにし、X側ホール素子161のホール出力P2と差動させるようにしてもよい。
また、上記実施の形態1において制御部10Bは、X側の制御部10xとY側の制御部10yとがそれぞれ独立し、X側の揺動とY側の揺動とを個別に制御する例を示したが、これに制約されることなく、X側の制御部10xとY側の制御部10yとを統合して、X側の揺動とY側の揺動とを一括制御する形態としてもよい。
さらに、X側の揺動用コイル15xのうち−X側及び+X側のいずれか一方をY方向に2個に分割することや、Y側の揺動用コイル15yのうち−Y側及び+Y側のいずれか一方をX方向に2個に分割してもよい。この場合においては、分割された揺動用コイル35x,35yの中間部近傍にホール素子16を配設した構成が好ましい。
また、X側ホール素子161及びY側ホール素子162をそれぞれ+X側の揺動用コイル151及び+Y側の揺動用コイル152の巻回側面の外側に配設した構成とした場合であっても、ホール素子16の出力に揺動信号を供給すれば励磁場の影響を効果的に排除することができる。
また、上記実施の形態1において制御部10Bは、X側の制御部10xとY側の制御部10yとがそれぞれ独立し、X側の揺動とY側の揺動とを個別に制御する例を示したが、これに制約されることなく、X側の制御部10xとY側の制御部10yとを統合して、X側の揺動とY側の揺動とを一括制御する形態としてもよい。
さらに、X側の揺動用コイル15xのうち−X側及び+X側のいずれか一方をY方向に2個に分割することや、Y側の揺動用コイル15yのうち−Y側及び+Y側のいずれか一方をX方向に2個に分割してもよい。この場合においては、分割された揺動用コイル35x,35yの中間部近傍にホール素子16を配設した構成が好ましい。
また、X側ホール素子161及びY側ホール素子162をそれぞれ+X側の揺動用コイル151及び+Y側の揺動用コイル152の巻回側面の外側に配設した構成とした場合であっても、ホール素子16の出力に揺動信号を供給すれば励磁場の影響を効果的に排除することができる。
実施の形態2
図4は、本実施の形態2に係る手振れ補正装置10の機能を説明する斜視模式図である。図5は本実施の形態2に係る手振れ補正装置10の機構部10Aを示す分解斜視図であり、図6は実施の形態2に係る手振れ補正装置10の制御部10Bにおける動作を説明する回路模式図である。なお、実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4は、本実施の形態2に係る手振れ補正装置10の機能を説明する斜視模式図である。図5は本実施の形態2に係る手振れ補正装置10の機構部10Aを示す分解斜視図であり、図6は実施の形態2に係る手振れ補正装置10の制御部10Bにおける動作を説明する回路模式図である。なお、実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、本実施形態2において機構部10Aは、実施形態1の各構成に加え、ホール素子16に隣接してベース基板11に対して取付けられ、ホール素子16における検出面の中心法線の周りに巻回された補償用コイル25を備える。
補償用コイル25は、X側ホール素子161と隣接するX側の補償用コイル251と、Y側ホール素子162と隣接するY側の補償用コイル252とよりなる。X側の補償用コイル251は、X側ホール素子161の検出面の中心法線n1と同軸上にあり、Z軸と平行な軸周りに巻回される。Y側の補償用コイル252は、Y側ホール素子162の検出面の中心法線n2と同軸上にあり、Z軸と平行な軸周りに巻回される。なお、補償用コイル25は、ホール素子16の+Z側及び−Z側のいずれの側に隣接するように形成させてもよく、検出面と同一面上に形成させてもよい。
補償用コイル25は、X側ホール素子161と隣接するX側の補償用コイル251と、Y側ホール素子162と隣接するY側の補償用コイル252とよりなる。X側の補償用コイル251は、X側ホール素子161の検出面の中心法線n1と同軸上にあり、Z軸と平行な軸周りに巻回される。Y側の補償用コイル252は、Y側ホール素子162の検出面の中心法線n2と同軸上にあり、Z軸と平行な軸周りに巻回される。なお、補償用コイル25は、ホール素子16の+Z側及び−Z側のいずれの側に隣接するように形成させてもよく、検出面と同一面上に形成させてもよい。
図4に示すように、制御部10Bは、X側の制御部10x及びY側の制御部10yよりなる。なお、本実施形態におけるY側の制御部10yは、X側の制御部10xと同一構成であるので、図6において図示を省略し、以下の説明においてX側の制御部10xを中心に説明する。
X側の制御部10xは、制御回路21と、駆動回路22と、調整回路23とを備える。制御回路21の出力側は、駆動回路22の入力側に接続される。駆動回路22の出力側は、機構部10AにおけるX側の揺動用コイル15xの入力端と、調整回路23の入力側とに接続される。調整回路23の出力側は、X側の補償用コイル251の入力端に接続される。X側ホール素子161の出力側は、制御回路21の入力側に接続される。
X側の制御部10xは、制御回路21と、駆動回路22と、調整回路23とを備える。制御回路21の出力側は、駆動回路22の入力側に接続される。駆動回路22の出力側は、機構部10AにおけるX側の揺動用コイル15xの入力端と、調整回路23の入力側とに接続される。調整回路23の出力側は、X側の補償用コイル251の入力端に接続される。X側ホール素子161の出力側は、制御回路21の入力側に接続される。
図6に示すように、駆動回路22は、制御回路21の制御信号によって揺動信号P5を生成して、X側の揺動用コイル15xに揺動電流を通電する。調整回路23には、揺動電流への通電に基づいて、揺動信号P5(観察点C5)が供給される。
また、揺動電流の通電に伴い+X側の揺動用コイル151に生じた励磁場は、永久磁石141により生じる磁場と共に、X側ホール素子161に入力される。調整回路23に送られた揺動信号P5は、振幅及び位相が調整されて調整出力P6(観察点C6)となる。調整出力P6が供給されたX側の補償用コイル251は、+X側の揺動用コイル151からX側ホール素子161に生じる励磁場と同等レベルであり、極性が反転した補償励磁場がX側ホール素子161に生じる。X側ホール素子161に生じるX側の揺動用コイル151からの励磁場は、補償用コイル251からの補償励磁場と相殺され、永久磁石141により生じる磁場に基づいた成分だけがX側ホール素子161からホール出力P7(観察点C7)として出力される。そして、ホール出力P7は制御回路21に出力される。
また、揺動電流の通電に伴い+X側の揺動用コイル151に生じた励磁場は、永久磁石141により生じる磁場と共に、X側ホール素子161に入力される。調整回路23に送られた揺動信号P5は、振幅及び位相が調整されて調整出力P6(観察点C6)となる。調整出力P6が供給されたX側の補償用コイル251は、+X側の揺動用コイル151からX側ホール素子161に生じる励磁場と同等レベルであり、極性が反転した補償励磁場がX側ホール素子161に生じる。X側ホール素子161に生じるX側の揺動用コイル151からの励磁場は、補償用コイル251からの補償励磁場と相殺され、永久磁石141により生じる磁場に基づいた成分だけがX側ホール素子161からホール出力P7(観察点C7)として出力される。そして、ホール出力P7は制御回路21に出力される。
その結果、制御回路21には、永久磁石141からX側ホール素子161に生じる磁場に基づいた出力成分だけがX側ホール素子161から出力され、永久磁石141の正確な位置を検出することができる。この時、X側の揺動用コイル15xにおける+X側の揺動用コイル151は分割されておらず、−X側の揺動用コイル153と同じ大きさに形成できるので、有効コイル長が短くなることがなく、揺動力の低下を招くことがない。
このように構成された手振れ補正装置10において、X側の揺動用コイル15xに揺動用電流が通電されると、X側の揺動用コイル15xには揺動力の低下していないX方向のローレンツ力が生じる。このため、永久磁石141,143には、ローレンツ力に対する強力な反力が生じることとなる。これにより手振れ補正装置10は、X側ホール素子161により測定され、ホール出力P7によって選別,抽出された永久磁石141からの正確な磁場による正確な振幅に基づいて、マグネットホルダ13に取付けられたオートフォーカス用レンズ駆動装置29をX方向に揺動させることができる。
また、Y側の揺動用コイル15yに揺動用電流が通電されると、Y側の揺動用コイル15yには揺動力の低下していないY方向のローレンツ力が生じる。このため、永久磁石142,144には、ローレンツ力に対する強力な反力が生じることとなる。これにより手振れ補正装置10は、Y側ホール素子162によって測定され、ホール出力P7により選別,抽出された永久磁石142からの正確な磁場による正確な振幅に基づいて、マグネットホルダ13に取付けられたオートフォーカス用レンズ駆動装置29をY方向に揺動させることができる。
また、Y側の揺動用コイル15yに揺動用電流が通電されると、Y側の揺動用コイル15yには揺動力の低下していないY方向のローレンツ力が生じる。このため、永久磁石142,144には、ローレンツ力に対する強力な反力が生じることとなる。これにより手振れ補正装置10は、Y側ホール素子162によって測定され、ホール出力P7により選別,抽出された永久磁石142からの正確な磁場による正確な振幅に基づいて、マグネットホルダ13に取付けられたオートフォーカス用レンズ駆動装置29をY方向に揺動させることができる。
以上、手振れ補正装置10は、撮影中に手振れが生じたときには、図示しない手振れセンサの手振れ信号に基づいて、X側の揺動用コイル15x及びY側の揺動用コイル15y、X側の揺動用コイル15xまたはY側の揺動用コイル15yに揺動用電流が通電されて、オートフォーカス用レンズ駆動装置29をX方向及びY方向、X方向またはY方向に揺動させ、図示しないイメージセンサ上に生じた撮影画像の流れを静止させて手振れによる像のブレを正確に補正することができる。
図7は、実施の形態2における補償用コイル25の変形例を示す斜視図である。
同図に示すように、補償用コイル25は、ホール素子16と共にパッケージとしてのレジンモールド26の中に一体的にパッケージングされる。補償用コイル25は、ホール素子16の周りで検出面の中心法線nと同軸上に巻回されて、ほぼ同一平面上に形成される。レジンモールド26は、樹脂製の箱体であって、補償用コイル25及びホール素子16を収容する。補償用コイル25及びホール素子16が収容されたレジンモールド26は、ホールセンサ27として機能する。
これにより、手振れ補正装置10における揺動の精度を高めるために補償用コイル25を設けた場合でも、補償用コイル25が小型化され、手振れ補正装置10が大型化することない。よって、永久磁石141,142,143,144の正確な位置を検出することができ、揺動力の低下を招くことのない小型の手振れ補正装置10を提供できる。
同図に示すように、補償用コイル25は、ホール素子16と共にパッケージとしてのレジンモールド26の中に一体的にパッケージングされる。補償用コイル25は、ホール素子16の周りで検出面の中心法線nと同軸上に巻回されて、ほぼ同一平面上に形成される。レジンモールド26は、樹脂製の箱体であって、補償用コイル25及びホール素子16を収容する。補償用コイル25及びホール素子16が収容されたレジンモールド26は、ホールセンサ27として機能する。
これにより、手振れ補正装置10における揺動の精度を高めるために補償用コイル25を設けた場合でも、補償用コイル25が小型化され、手振れ補正装置10が大型化することない。よって、永久磁石141,142,143,144の正確な位置を検出することができ、揺動力の低下を招くことのない小型の手振れ補正装置10を提供できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
上記実施の形態1及び2においては、X側の揺動用コイル15x及びY側の揺動用コイル15yと永久磁石141,142,143,144とがZ方向に対向する構成のものを示したが、これに限らず、X方向やY方向に対向するように構成された手振れ補正装置であっても励磁場の影響を効果的に排除することができる。
上記実施の形態1及び2においては、X側の揺動用コイル15x及びY側の揺動用コイル15yと永久磁石141,142,143,144とがZ方向に対向する構成のものを示したが、これに限らず、X方向やY方向に対向するように構成された手振れ補正装置であっても励磁場の影響を効果的に排除することができる。
10 手振れ補正装置、10A 機構部、10B 制御部、11 ベース基板、
12 サスペンションワイヤ、13 マグネットホルダ、
141,142,143,144 永久磁石、15x X側の揺動用コイル、
15y Y側の揺動用コイル、16 ホール素子、25 補償用コイル。
12 サスペンションワイヤ、13 マグネットホルダ、
141,142,143,144 永久磁石、15x X側の揺動用コイル、
15y Y側の揺動用コイル、16 ホール素子、25 補償用コイル。
Claims (3)
- レンズ駆動装置をレンズの光軸と直角な方向に揺動させる手振れ補正装置であって、
前記手振れ補正装置は、
前記レンズ駆動装置の周囲に配設される永久磁石と、
前記永久磁石と空隙を隔てて対向する揺動用コイルと、
前記永久磁石により生じる磁場を検出するホール素子と、を備え、
前記ホール素子には、前記揺動用コイルを励磁する揺動信号が供給されることを特徴とする手振れ補正装置。 - レンズ駆動装置をレンズの光軸と直角な方向に揺動させる手振れ補正装置であって、
前記手振れ補正装置は、
前記レンズ駆動装置の周囲に配設される永久磁石と、
前記永久磁石と空隙を隔てて対向する揺動用コイルと、
前記永久磁石により生じる磁場を検出するホール素子と、
前記ホール素子における検出面の中心法線の周りに巻回された補償用コイルと、を備え、
前記揺動用コイルを励磁する揺動信号が前記補償用コイルに通電され、
前記ホール素子には、前記補償用コイルによる補償励磁場が生じることを特徴とする手振れ補正装置。 - 前記補償用コイルが、前記ホール素子と共に同一のパッケージ内に内蔵されることを特徴とする請求項2に記載の手振れ補正装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018205585A (ja) * | 2017-06-07 | 2018-12-27 | 日本電産サンキョー株式会社 | 振れ補正機能付き光学ユニット |
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2013
- 2013-12-02 JP JP2013249307A patent/JP2015106125A/ja active Pending
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