JP2015104148A - 鳥害防止具及び鳥害防止装置 - Google Patents

鳥害防止具及び鳥害防止装置 Download PDF

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Abstract

【課題】架空線と鳥害防止線との間に鳥類が進入し架空線に停留することを簡易な構成で防止する。【解決手段】鳥害防止具1は、架空線Wの上方で架空線Wに沿って保持された鳥害防止線Lに取り付けられる鳥害防止具1であって、架空線Wに対する鳥類の停留を防止する鳥害防止部30を更に備える。【選択図】図3

Description

本開示は、鳥害防止具及び鳥害防止装置に関する。
特許文献1には、簡易な装置で鳥害を防止するために、電柱間や鉄塔間等に架け渡された架空線の上方向にテグスやワイヤ等の鳥害防止線を張る鳥害防止具が開示されている。
特開2013−141452号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、ムクドリ等の比較的小さな鳥類が架空線と鳥害防止線との間に進入し、架空線に停留し得る。このため、特許文献1に開示された技術では、上記鳥類による鳥害を防止することが困難であった。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、上記のような問題点を解決することを課題の一例とするものである。すなわち、本開示は、架空線と鳥害防止線との間に鳥類が進入し架空線に停留することを簡易な構成で防止し得る鳥害防止具及び鳥害防止装置を提供することを目的の一つとする。
本開示の第1の観点に係る鳥害防止具は、架空線の上方で該架空線に沿って保持された鳥害防止線に取り付けられる鳥害防止具であって、前記架空線に対する鳥類の停留を防止する鳥害防止部を更に備える。
好適には、前記鳥害防止部は、前記鳥害防止線に対する鳥類の停留を更に防止する。
好適には、前記鳥害防止部は、前記鳥害防止線から少なくとも上方及び下方に向かって突出する突出板にて形成されている。
本開示の第2の観点に係る鳥害防止装置は、架空線に取り付けられる鳥害防止装置であって、前記架空線に対する鳥類の停留を防止する鳥害防止部を備え、前記鳥害防止部は、前記架空線から少なくとも上方に向かって突出する突出板にて形成され、複数の前記突出板は、前記架空線が延びる方向に沿って互いに連結されている。
好適には、前記突出板は、前記架空線を回動軸として回動可能に形成されている。
本開示によれば、架空線と鳥害防止線との間に鳥類が進入し架空線に停留することを簡易な構成で防止し得る鳥害防止具及び鳥害防止装置を提供することができる。
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。
図1は、第1実施形態の鳥害防止具の正面図を示す。 図2は、図1のA−A断面図を示す。 図3は、第1実施形態の鳥害防止具を複数連結させ鳥害防止線に取り付けた状態の斜視図を示す。 図4は、第1実施形態の鳥害防止具を複数連結させた場合の正面図を示す。 図5は、第1実施形態の鳥害防止具を複数連結させた場合の上面図を示す。 図6は、第1実施形態の変形例1に係る鳥害防止具を複数連結させ鳥害防止線に取り付けた状態の斜視図を示す。 図7は、第1実施形態の変形例1に係る鳥害防止具を複数連結させ鳥害防止線に取り付けた状態の側面図を示す。 図8は、第1実施形態の変形例2に係る鳥害防止具の正面図を示す。 図9は、第1実施形態の変形例3に係る鳥害防止具の概略図を示す。 図10は、第2実施形態の鳥害防止装置を複数連結させ架空線に取り付けた状態の斜視図を示す。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。以下に説明される実施形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施形態で説明される構成及び動作の全てが本開示の構成及び動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1及び図2を用いて、本開示の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の鳥害防止具1の正面図を示す。図2は、図1のA−A断面図を示す。
本実施形態では、架空線Wに対して鳥害防止線Lが位置する方向を上方とし、その逆方向を下方向とする。例えば、図1では、紙面の上方向が「上方」であり紙面の下方向が「下方」である。以降の実施形態でも同様とする。
鳥害防止具1は、鳥害防止線Lに取り付けられる器具である。
鳥害防止具1は、基体部10と、連結部20と、鳥害防止部30とを備えている。
基体部10は、連結部20及び鳥害防止部30を支持する。
基体部10は、鳥害防止具1を鳥害防止線Lに取り付ける際の取り付け部の機能を有する。
基体部10の中央には、貫通孔11が設けられている。
貫通孔11の直径は、鳥害防止線Lの直径よりもやや大きく形成されている。貫通孔11には、鳥害防止線Lが遊びをもって挿通され得る。鳥害防止具1は、鳥害防止線Lを回動軸として回動可能な状態で取り付けられ得る。
連結部20は、当該連結部20を含む鳥害防止具1と、他の鳥害防止具とを連結する。
連結部20は、基体部10から左右方向にそれぞれ突出するように形成されている。連結部20は、予め他の鳥害防止具の連結部と連結した状態で形成されていてもよい。或いは、連結部20は、予め他の鳥害防止具の連結部と連結した状態で形成されておらず、ビス止めや蝶番等を用いて他の鳥害防止具の連結部と連結されてもよい。
鳥害防止部30は、鳥害防止具1が鳥害防止線Lに取り付けられた状態において、架空線Wに対する鳥類の停留を防止する。
第1実施形態の鳥害防止具1において、鳥害防止部30は、突出板300にて形成されている。基体部10、連結部20、及び鳥害防止部30は、突出板300にて一体的に形成されていてもよい。
突出板300は、鳥害防止具1が鳥害防止線Lに取り付けられた状態において、鳥害防止線Lから少なくとも上方及び下方に向かって突出するように形成されている。
突出板300は、上方突出部301と、下方突出部302とを少なくとも含んでいる。
上方突出部301は、基体部10から上方向に突出するように形成されている。上方突出部301の先端は、鳥類が停留することが困難な形状に形成されている。例えば、図1では、上に凸の放物線形状に形成されている。
上方突出部301は、鳥害防止線Lに対する鳥類の停留を防止し得る。
下方突出部302は、基体部10から下方向に突出するように形成されている。下方突出部302は、鳥害防止線Lと架空線Wとの間に鳥類が進入することが困難な程度に突出するように形成されている。下方突出部302の先端は、上方突出部301と同様に、鳥類が停留することが困難な形状に形成されている。例えば、図1では、下に凸の放物線形状に形成されている。
下方突出部302は、架空線Wに対する鳥類の停留を防止し得る。
なお、上方突出部301及び下方突出部302の形状は、図1ではそれぞれ異なる寸法の放物線形状であるが、同じ寸法の放物線形状であってもよい。また、突出板300の形状は、上方及び下方にそれぞれ放物線形状で突出するような形状に限定されない。例えば、突出板300の形状は、上方及び下方にそれぞれ三角形形状等の多角形形状で突出するような形状であってもよいし、半円形形状で突出するような形状であってもよい。
上記構成によって、鳥害防止具1は、鳥類が架空線Wと鳥害防止線Lとの間に進入し架空線Wに停留することを防止し得る。更に、鳥害防止具1は、鳥類が鳥害防止線L自体に停留することを防止し得る。
鳥害防止具1は、他の鳥害防止具と連結させて鳥害防止線Lに取り付けることが可能である。
図3〜図5を用いて、鳥害防止具1を複数連結させて鳥害防止線Lに取り付ける場合を説明する。
図3は、第1実施形態の鳥害防止具1を複数連結させ鳥害防止線Lに取り付けた状態の斜視図を示す。図4は、第1実施形態の鳥害防止具1を複数連結させた場合の正面図を示す。図5は、第1実施形態の鳥害防止具1を複数連結させた場合の上面図を示す。図5(a)は、複数連結された鳥害防止具1を鳥害防止線Lに取り付けた状態での上面図を示す。図5(b)は、複数連結された鳥害防止具1を鳥害防止線Lに取り付ける前の状態であって、折り畳んだ状態での上面図を示す。
複数の鳥害防止具1は、隣り合う鳥害防止具1の各連結部20同士を接続させることによって連結されている。複数の鳥害防止具1は、鳥害防止線Lに取り付けた状態において、鳥害防止線Lが延びる方向に沿って連なるように連結されている。
本実施形態では、複数の鳥害防止具1は、隣り合う鳥害防止具1が予め連結された状態で一体的に形成されている。そして、本実施形態では、複数の鳥害防止具1は、隣り合う鳥害防止具1で互いに接続された各連結部20の境界に、折り目21が設けられている(図4及び図5参照)。複数の鳥害防止具1は、折り目21に沿って容易に折り曲げることができる。複数の鳥害防止具1は、折り目21に沿って折り曲げることにより、複数の鳥害防止具1を積層させた状態に折り畳むことができる。折り畳んだ状態の複数の鳥害防止具1は、嵩張ることなく取り扱い易くなる。
特に、本実施形態の折り目21は、図4及び図5に示すように、複数の鳥害防止具1が蛇腹折りで折り畳むことができるように設けられている。言い換えると、本実施形態では、複数の鳥害防止具1は、図3〜図5に示すように、蛇腹折りで折り畳み可能に連結されている。すなわち、複数の鳥害防止具1は、鳥害防止線Lに沿って伸縮自在に連結されている。
このため、本実施形態では、複数の鳥害防止具1は、図5(b)に示すように、折り畳んだ状態を、蛇腹折りで積層された状態とし得る。
よって、複数の鳥害防止具1は、折り畳んだ状態において、一層嵩張ることなく取扱い易くなる。
更に、本実施形態では、蛇腹折りで積層された状態であれば、複数の鳥害防止具1の各貫通孔11は、折り畳んだ状態においても中心軸が一致し得る。
このため、本実施形態では、複数の鳥害防止具1を鳥害防止線Lに取り付ける際、それぞれの中心軸が一致した各貫通孔11に、鳥害防止線Lを挿通し易くなる。加えて、鳥害防止線Lを挿通後、折り畳んだ状態の複数の鳥害防止具1を、鳥害防止線Lが延びる方向に沿って展開し易くなる。
よって、複数の鳥害防止具1は、鳥害防止線Lに取り付ける際において、取り付け作業の作業性を向上させ得る。
また、本実施形態では、複数の鳥害防止具1は、蛇腹折りで折り畳み可能に連結されており、且つ、鳥害防止線Lを回動軸として回動し得る。このため、複数の鳥害防止具1は、仮に鳥類が鳥害防止具1自体に停留しようとしても鳥害防止線Lを回動軸として下方に回動し不安定な足場となり得る。
加えて、蛇腹折りで折り畳み可能に連結された複数の鳥害防止具1には、鳥類が鳥害防止具1自体に停留しようとしたことによって上方へ回動しようとする付勢力が働き得る。このため、複数の鳥害防止具1は、鳥類が鳥害防止具1から離脱した際に、当該付勢力によって元の状態に戻り得る。
よって、複数の鳥害防止具1は、鳥害防止具1自体に対する鳥類の停留を防止し得る。加えて、複数の鳥害防止具1は、架空線W、鳥害防止線L、及び鳥害防止具1自体に対する鳥類の停留を防止する機能を持続的に発揮し得る。
なお、図4及び図5に示す複数の鳥害防止具1は、図1に示した鳥害防止具1を4つ連結させた場合を示しているが、鳥害防止具1の連結数は適宜定めてよい。
[第1実施形態の変形例1]
図6及び図7を用いて、第1実施形態の変形例1について説明する。
図6は、第1実施形態の変形例1に係る鳥害防止具1を複数連結させ鳥害防止線Lに取り付けた状態の斜視図を示す。図7は、第1実施形態の変形例1に係る鳥害防止具1を複数連結させ鳥害防止線Lに取り付けた状態の側面図を示す。
図6及び図7に示す変形例1の鳥害防止具1の構成において、図1〜図5に示した第1実施形態の鳥害防止具1と同様の構成については説明を省略する。
図6及び図7に示す変形例1の鳥害防止具1では、鳥害防止部30を構成する突出板300の形状が、図1〜図5に示した突出板300の形状と異なる。
変形例1では、突出板300の形状は、上方及び下方にそれぞれ半楕円形状で突出するような形状に形成されている。すなわち、変形例1の突出板300の形状は、上方突出部301及び下方突出部302を含めた全体の外形が楕円形状に形成されている。
また、変形例1では、複数の鳥害防止具1において異なる大きさの突出板300で鳥害防止部30を形成してもよい。
変形例1では、図6及び図7に示すように、複数の鳥害防止具1は、複数の鳥害防止具1ごとの鳥害防止部30が、大きさの異なる2種類の突出板300にてそれぞれ形成されている。そして、大きさの異なる2種類の突出板300で構成された2種類の鳥害防止具1が、鳥害防止線Lに沿ってそれぞれ交互に連結されている。
なお、複数の鳥害防止具1は、大きさの異なる2種類の突出板300で構成されることに限定されず、大きさの異なる3種類以上の突出板300で構成されてもよい。加えて、突出板300の種類は、大きさが異なることにより分類される種類に限定されない。例えば、突出板300の種類は、形状自体が異なることにより分類される種類等であってもよい。
また、複数の鳥害防止具1の連結のやり方も、2種類の鳥害防止具1を鳥害防止線Lに沿ってそれぞれ交互に連結するやり方に限定されない。例えば、複数の鳥害防止具1の連結のやり方は、鳥害防止線Lの或る区間だけ或る種類の鳥害防止具1を続けて連結し、他の区間は別の種類の鳥害防止具1を連結するやり方であってもよい。
また、図6及び図7に示す変形例1の鳥害防止具1では、連結部20の構成が、図1〜図5に示した連結部20の構成と異なる。
変形例1では、連結部20は、円筒形状に形成されている。円筒形状の連結部20の内径は、鳥害防止線Lが遊びをもって挿通可能な大きさに形成されている。
連結部20は、基体部10の貫通孔11の周縁を基端として、先端が突出板300の表面及び裏面に垂直な方向に向かって延びている。他の鳥害防止具1と連結する際には、円筒形状の連結部20の中心軸が一致するように、連結部20の先端同士を接続する。円筒形状の連結部20及び貫通孔11は、同一の中心軸をもって連通している。
よって、変形例1の鳥害防止具1は、鳥害防止線Lを回動軸として回動可能な状態で取り付けられ得る。鳥害防止線Lに取り付け及び取り外す際においては、連結部20及び貫通孔11に鳥害防止線Lを挿入及び抜出す作業が行い易く、作業性を向上させ得る。
変形例1の鳥害防止具1において、基体部10、連結部20、及び鳥害防止部30は、突出板300にて一体的に形成されている。
変形例1に係る複数の鳥害防止具1は、隣り合う鳥害防止具1が予め連結された状態で一体的に形成されている。
この場合、変形例1に係る複数の鳥害防止具1は、ある程度の剛性をもって一体的に形成されていてもよい。それにより、当該複数の鳥害防止具1は、仮に鳥類が鳥害防止具1自体に停留しようとしたとき、複数の鳥害防止具1全体が一体的且つ円滑に回動し得る。一体的且つ円滑に回動する複数の鳥害防止具1は、鳥類が鳥害防止具1から離脱した際、慣性力により回転して元の状態に戻り得る。
よって、変形例1に係る複数の鳥害防止具1は、鳥害防止具1自体に対する鳥類の停留を防止し得る。加えて、複数の鳥害防止具1は、架空線W、鳥害防止線L、及び鳥害防止具1自体に対する鳥類の停留を防止する機能を持続的に発揮し得る。
なお、変形例1の鳥害防止具1における他の構成については、図1〜図5に示した第1実施形態の鳥害防止具1と同様の構成であってよく、同様の作用効果を奏し得る。
[第1実施形態の変形例2]
図8を用いて、第1実施形態の変形例2について説明する。
図8は、第1実施形態の変形例2に係る鳥害防止具の正面図を示す。
図8に示す変形例2の鳥害防止具1の構成において、図1〜図7に示した第1実施形態の鳥害防止具1又は変形例1に係る鳥害防止具1と同様の構成については説明を省略する。
図8に示す変形例2の鳥害防止具1では、鳥害防止部30を構成する突出板300の形状が、図1〜図7に示した突出板300の形状と異なる。
変形例2では、突出板300の形状は、上方及び下方にそれぞれ複数の三角形形状が突出するような形状に形成されている。すなわち、変形例2の突出板300の形状は、上方突出部301及び下方突出部302を含めた全体の外形が星形状に形成されている。
よって、変形例2の鳥害防止具1に含まれる突出板300には、鳥類が着地し得る場所が極力無くなり得る。このため、変形例2の鳥害防止具1は、架空線W、鳥害防止線L、及び鳥害防止具1自体に対する鳥類の停留を一層防止し得る。
なお、変形例2の鳥害防止具1における他の構成については、図1〜図7に示した第1実施形態の鳥害防止具1又は変形例1に係る鳥害防止具1と同様の構成であってよく、同様の作用効果を奏し得る。
[第1実施形態の変形例3]
図9を用いて、第1実施形態の変形例3について説明する。
図9は、第1実施形態の変形例3に係る鳥害防止具の概略図を示す。
図9に示す変形例3の鳥害防止具1の構成において、図1〜図8に示した第1実施形態の鳥害防止具1又は変形例1若しくは2に係る鳥害防止具1と同様の構成については説明を省略する。
図9に示す変形例3の鳥害防止具1では、鳥害防止部30が突出板300ではなく針状体350にて形成されている。
変形例3では、針状体350は、基体部10を基端として、先端が少なくとも上方及び下方にそれぞれ突出するような形状に形成されている。
よって、変形例3の鳥害防止具1に含まれる針状体350には、鳥類が着地し得る場所が極力無くなり得る。このため、変形例3の鳥害防止具1は、架空線W、鳥害防止線L、及び鳥害防止具1自体に対する鳥類の停留を一層防止し得る。
なお、変形例3の鳥害防止具1における他の構成については、図1〜図8に示した第1実施形態の鳥害防止具1又は変形例1若しくは2に係る鳥害防止具1と同様の構成あってよく、同様の作用効果を奏し得る。
[第2実施形態]
図10を用いて、本開示の第2実施形態について説明する。
図10は、第2実施形態の鳥害防止装置2を複数連結させ架空線Wに取り付けた状態の斜視図を示す。
図10に示す第2実施形態の鳥害防止装置2の構成において、図1〜図9に示した第1実施形態の鳥害防止具1又は変形例1〜3に係る鳥害防止具1と同様の構成については説明を省略する。
鳥害防止装置2は、架空線Wに取り付けられる装置である。
鳥害防止装置2は、第1実施形態の鳥害防止具1が、架空線Wに沿って複数連結されている。複数の鳥害防止具1同士の連結は、第1実施形態の鳥害防止具1と同様、当該複数の鳥害防止具1の各連結部20が接続されることによって行われている。
このとき、鳥害防止装置2を構成する複数の鳥害防止具1において、各基体部10は、当該複数の鳥害防止具1を架空線Wに取り付ける際の取り付け部の機能を有する。
各基体部10の貫通孔11の直径は、架空線Wの直径よりもやや大きく形成されている。各貫通孔11には、架空線Wが遊びをもって挿通され得る。鳥害防止装置2を構成する複数の鳥害防止具1は、架空線Wを回動軸として回動可能な状態で取り付けられ得る。
鳥害防止装置2を構成する複数の鳥害防止具1の各鳥害防止部30は、図1〜図5に示した第1実施形態と同様に、それぞれが突出板300にて形成されている。言い換えると、鳥害防止装置2は、複数の鳥害防止具1に含まれる複数の突出板300が架空線Wの延びる方向に沿って互いに連結されている。
鳥害防止装置2の各突出板300は、鳥害防止装置2が架空線Wに取り付けられた状態において、架空線Wから少なくとも上方に向かって突出するようにそれぞれ形成されている。
本実施形態の各突出板300は、図1〜図5に示した第1実施形態の突出板300と同様に、上方突出部301及び下方突出部302を含む突出板300で構成されていてもよい。
上記構成によって、鳥害防止装置2は、鳥類が架空線Wと鳥害防止線Lとの間に進入し架空線Wに停留することを防止し得る。
また、第2実施形態の鳥害防止装置2も、図10に示すように、図1〜図5に示した第1実施形態と同様、複数の鳥害防止具1が蛇腹折りで折り畳み可能に連結されている。すなわち、複数の鳥害防止装置2は、架空線Wに沿って伸縮自在に連結されている。
なお、第2実施形態の鳥害防止装置2における他の構成については、図1〜図9に示した第1実施形態の鳥害防止具1又は変形例1〜3係る鳥害防止具1と同様の構成あってよく、同様の作用効果を奏し得る。
[その他の変形例]
上記実施形態では、鳥害防止部30を突出板300又は針状体350にて形成することによって、架空線Wに対して鳥類が停留することを物理的に防止していたが、これに限定されない。
鳥害防止部30は、反射体で形成されていてもよい。当該反射体は、太陽光や照明灯の光などを反射する部材で構成され、鳥類が忌避する光を反射により発する部材であればよい。
更に、鳥害防止部30は、磁性体で形成されていてもよい。当該磁性体は、磁石等で構成され、鳥類が忌避する磁気を発する部材であればよい。
また、鳥害防止部30は、突出板300、針状体350、上記反射体、及び上記磁性体を組み合わせてもよい。例えば、上記反射体をフィルム状に形成し、突出板300の表裏面に貼り付けてもよい。
また、上記実施形態では、鳥害防止具1又は鳥害防止装置2を鳥害防止線L又は架空線Wに取り付ける際、貫通孔11に鳥害防止線L又は架空線Wを挿通した後に、当該鳥害防止線L又は架空線Wを保持具H等に架け渡す。
しかしながら、本実施形態の鳥害防止具1又は鳥害防止装置2は、保持具H等に予め架け渡された状態の鳥害防止線L又は架空線Wに対して、鳥害防止具1又は鳥害防止装置2を取り付け得るように構成することができる。
例えば、鳥害防止具1又は鳥害防止装置2には、貫通孔11から突出板300の周縁に向かって延びる切れ込みを設ける。そして、予め架け渡された状態の鳥害防止線L又は架空線Wに鳥害防止具1又は鳥害防止装置2を取り付ける際には、次のような方法で取り付ければよい。まず、鳥害防止具1又は鳥害防止装置2の上記切れ込みを開く。そして、開かれた切れ込みを通って貫通孔11内に鳥害防止線L又は架空線Wが位置するように、当該鳥害防止具1又は鳥害防止装置2を鳥害防止線L又は架空線Wの径方向から移動させればよい。
これにより、本実施形態の鳥害防止具1又は鳥害防止装置2は、保持具H等に予め架け渡された状態の鳥害防止線L又は架空線Wに取り付ける際、わざわざ鳥害防止線L又は架空線Wを一旦保持具H等から外すことなく取り付け作業を行い得る。鳥害防止線L又は架空線Wから取り外す際にも、わざわざ鳥害防止線L又は架空線Wを一旦保持具H等から外すことなく取り外し作業を行い得る。
なお、鳥害防止具1又は鳥害防止装置2の上記切れ込みは、切れ込みだけが単に設けられている場合の他、ヒンジ等で切れ込みが開閉自在となるように設けられていてもよい。
上記で説明した実施形態は、変形例を含めて各実施形態同士で互いの技術を適用し得ることは、当業者には明らかであろう。
例えば、第1実施形態の変形例2に係る鳥害防止具1の連結部20を、変形例3に係る鳥害防止具1の連結部20に適用してもよい。
また、第1実施形態の変形例1〜3に係る鳥害防止具1の構成を、第2実施形態の鳥害防止装置2に適用してもよい。
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、「限定的でない」用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」又は「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書、及び添付の特許請求の範囲に記載される不定冠詞「1つの」は、「少なくとも1つ」又は「1又はそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
[実施形態の構成及び効果]
第1実施形態の鳥害防止具1は、架空線Wの上方で架空線Wに沿って保持された鳥害防止線Lに取り付けられる鳥害防止具1であって、架空線Wに対する鳥類の停留を防止する鳥害防止部30を更に備える。
このような構成を有することから、鳥害防止具1は、架空線Wと鳥害防止線Lとの間に鳥類が進入し架空線Wに停留することを簡易な構成で防止し得る。
鳥害防止部30は、鳥害防止線Lに対する鳥類の停留を更に防止する。
このような構成を有することから、鳥害防止具1は、架空線Wだけでなく、鳥害防止線Lに鳥類が停留することを防止し得る。
鳥害防止部30は、鳥害防止線Lから少なくとも上方及び下方に向かって突出する突出板300にて形成されている。
このような構成を有することから、鳥害防止具1は、架空線W、鳥害防止線L、及び鳥害防止具1自体に対して鳥類が停留することを防止し得る。
第2実施形態の鳥害防止装置2は、架空線Wに取り付けられる鳥害防止装置2であって、架空線Wに対する鳥類の停留を防止する鳥害防止部30を備え、鳥害防止部30は、架空線Wから少なくとも上方に向かって突出する突出板300にて形成され、複数の突出板300は、架空線Wが延びる方向に沿って互いに連結されている。
このような構成を有することから、鳥害防止装置2は、架空線Wと鳥害防止線Lとの間に鳥類が進入し架空線Wに停留することを簡易な構成で防止し得る。
突出板300は、架空線Wを回動軸として回動可能に形成されている。
このような構成を有することから、鳥害防止装置2は、架空線Wに取り付け及び取り外す際においては、連結部20及び貫通孔11に架空線Wを挿入及び抜出す作業が行い易く、作業性を向上させ得る。
また、このような構成を有することから、鳥害防止装置2は、仮に鳥類が鳥害防止装置2自体に停留しようとしても架空線Wを回動軸として下方に回動し得る。このため、鳥害防止装置2は、鳥類が架空線Wだけでなく、鳥害防止装置2自体に停留することを防止し得る。
1 …鳥害防止具
2 …鳥害防止装置
30 …鳥害防止部
300 …突出板
301 …上方突出部
302 …下方突出部
L …鳥害防止線
H …保持具
W …架空線

Claims (5)

  1. 架空線の上方で該架空線に沿って保持された鳥害防止線に取り付けられる鳥害防止具であって、
    前記架空線に対する鳥類の停留を防止する鳥害防止部を更に備える
    鳥害防止具。
  2. 前記鳥害防止部は、前記鳥害防止線に対する鳥類の停留を更に防止する
    請求項1に記載の鳥害防止具。
  3. 前記鳥害防止部は、前記鳥害防止線から少なくとも上方及び下方に向かって突出する突出板にて形成されている
    請求項2に記載の鳥害防止具。
  4. 架空線に取り付けられる鳥害防止装置であって、
    前記架空線に対する鳥類の停留を防止する鳥害防止部を備え、
    前記鳥害防止部は、前記架空線から少なくとも上方に向かって突出する突出板にて形成され、
    複数の前記突出板は、前記架空線が延びる方向に沿って互いに連結されている
    鳥害防止装置。
  5. 前記複数の突出板は、前記架空線を回動軸として回動可能に形成されている
    請求項4に記載の鳥害防止装置。
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