JP2015103461A - ワイヤハーネス - Google Patents

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Kosuke Hasui
宏介 蓮井
能章 山野
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能章 山野
幸康 坂本
Yukiyasu Sakamoto
幸康 坂本
貴章 伊藤
Takaaki Ito
貴章 伊藤
孝幸 寺内
Takayuki Terauchi
孝幸 寺内
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Naoya Nishimura
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大地 芦田
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Abstract

【課題】ワイヤハーネスが使用されている環境下において、端子付電線の腐食の進行状況をその兆候の段階で早期に検知できること。
【解決手段】腐食助長端子付電線10及び機器用端子付電線12において、圧着端子8の基材は芯線の材料よりもイオン化傾向が大きく、基材の両主面のメッキは基材よりもイオン化傾向が小さい。腐食助長端子付電線12は、機器用端子付電線12と比較して、芯線の裸線部における被覆圧着部と芯線圧着部との間で圧着端子8から露出した中間露出部の表面積に対する圧着端子8における中間露出部を臨む部分の端面の面積の比が大きい。
【選択図】図3

Description

本発明は、電線の異種金属接触腐食の兆候を早期に検知することに適したワイヤハーネスに関する。
自動車などの車両に搭載されるワイヤハーネスにおいて、電線の端部には金属製の端子が取り付けられる。端子は、電線の芯線における絶縁被覆から延び出た裸線部に接続される。以下、端部に圧着端子などの端子が取り付けられた電線のことを端子付電線と称する。なお、本明細書において、電線とは絶縁電線を意味する。
一般に、端子は、銅又は銅の合金などの銅を主成分とする金属の基材と、その基材の表面に形成された錫を主成分とするメッキとを含む金属の部材である。
電線の芯線がアルミニウム線である場合、電線の芯線と端子との間の異種金属接触腐食の防止のため、合成樹脂の被覆によって電線における芯線の裸線部を覆うことが有効である。
例えば、特許文献1に示される端子付電線は、芯線の裸線部における端子から露出した部分を覆う止水樹脂部を備える。この止水樹脂部は、芯線の裸線部と端子とが接触する部分への液体の浸入を防ぎ、ひいては異種金属接触腐食を防ぐ。
例えば、止水樹脂部は、電線の芯線と端子との接続部分に滴下された流動状の合成樹脂が固化することによって形成される。また、止水樹脂部が、端子付電線における電線の芯線と端子との接続部分をインサート部とするインサート成形によって形成される場合もある。
特開2010−108798号公報
ところで、車両に搭載されたワイヤハーネスの使用環境は、海浜に近い地域又は高温多湿な地域など多様である。そのため、端子付電線の腐食速度が、ワイヤハーネスの使用環境によって大幅に変わり得る。また、ワイヤハーネスが想定外の環境下で使用された場合、端子付電線の腐食が想定以上の速さで進行する恐れも否定できない。
従って、ワイヤハーネスが使用されている環境下において、端子付電線の腐食の進行状況をその兆候の段階で早期に検知できることが望ましい。端子付電線の腐食の進行状況をその兆候の段階で早期に検知できれば、大事に至る前にワイヤハーネスの交換などの適切な対処が可能となる。
本発明は、ワイヤハーネスが使用されている環境下において、端子付電線の腐食の進行状況をその兆候の段階で早期に検知できることを目的とする。
第1態様に係るワイヤハーネスは、芯線及び絶縁被覆を有する電線と圧着端子とをそれぞれ有する複数の異種金属端子付電線を備える。上記圧着端子各々は、上記芯線の材料よりもイオン化傾向が大きな金属材料の基材及びその基材の両主面に形成され上記基材の材料よりもイオン化傾向が小さな金属材料のメッキを含む板材で形成されている。さらに、上記圧着端子各々は、上記電線における上記絶縁被覆の端部に圧着された被覆圧着部及び上記絶縁被覆の端から延び出た上記芯線の裸線部の一部に圧着された芯線圧着部を含む。上記異種金属端子付電線のうちの少なくとも1つは腐食助長端子付電線である。上記腐食助長端子付電線は、他の上記異種金属端子付電線と比較して、上記芯線の裸線部における上記被覆圧着部と上記芯線圧着部との間で上記圧着端子から露出した中間露出部の表面積に対する上記圧着端子における上記芯線の上記中間露出部を臨む部分の端面の面積の比が大きい。
第2態様に係るワイヤハーネスは、第1態様に係るワイヤハーネスの一態様である。第2態様に係るワイヤハーネスは、腐食検知回路をさらに備える。上記腐食検知回路は、上記異種金属端子付電線の1つもしくはそれ以外である給電用端子付電線と上記腐食助長端子付電線とを電気的に接続し、上記給電用端子付電線及び上記腐食助長端子付電線とともに、上記腐食助長端子付電線の電気抵抗の増大に応じて変化する信号を生成する。
第3態様に係るワイヤハーネスは、第1態様又は第2態様に係るワイヤハーネスの一態様である。第3態様に係るワイヤハーネスにおいて、上記異種金属端子付電線各々は、端子付アルミニウム電線である。上記端子付アルミニウム電線は、アルミニウムを含むアルミニウム芯線を有するアルミニウム電線と、銅を含む上記基材及び錫を含む上記メッキを含む板材で形成された上記圧着端子と、を有する。
一般に、近くに位置する2つの金属部材における異種金属接触腐食の進行速度は、それら2つの金属部材の表面積の比によって大きく異なることが知られている。即ち、イオン化傾向が小さい第1の金属部材(例えば銅を含む部材)の表面積が、その近傍に位置するイオン化傾向が大きい第2の金属部材(例えばアルミニウムを含む部材)の表面積に対してより大きな比の面積になるほど、第2の金属部材の腐食の進行速度が速くなる。
上記の各態様において、腐食助長端子付電線における芯線の中間露出部の表面積に対する圧着端子における中間露出部を臨む部分の端面の面積の比は、他の異種金属端子付電線のそれに比べて大きい。また、圧着端子の端面は、メッキが形成されていない面、即ち、電線の芯線よりもイオン化傾向が小さな基材が露出した面である。そのような腐食助長端子付電線は、他の異種金属端子付電線端子付電線に比べて異種金属接触腐食を引き起こしやすい。また、腐食助長端子付電線の腐食の進行速度は、腐食助長端子付電線を含むワイヤハーネスが使用されている環境によって異なる。
また、端子付電線において、電線の芯線における端子と接触する部分が腐食すると、端子付電線の電気抵抗が増大する。そのため、腐食助長端子付電線が、当該腐食助長端子付電線の電気抵抗の増大に応じて変化する信号を生成する回路(腐食検知回路)に接続されれば、腐食助長端子付電線に腐食が生じたことを検知することができる。
また、上記の各態様によれば、特に腐食しやすい腐食助長端子付電線とその他の異種金属端子付電線とが同等の環境下で使用される。この場合、使用環境に応じて変化する腐食助長端子付電線の腐食の進行速度と、その他の異種金属端子付電線の腐食の進行速度とは正の相関がある。例えば、腐食助長端子付電線の腐食の進行が速い環境下では、他の異種金属通常の端子付電線の腐食の進行も速くなる傾向がある。
従って、上記の各態様によれば、ワイヤハーネスが使用されている環境下において、腐食助長端子付電線の電気抵抗の増大を検知することにより、他の異種金属端子付電線の腐食の進行状況をその兆候の段階で早期に検知することができる。
なお、上記の各態様において、腐食助長端子付電線における芯線の中間露出部の表面積に対する圧着端子における中間露出部を臨む部分の端面の面積の比は、腐食の進行速度を調節するパラメータとなる。即ち、上記の面積の比は、腐食助長端子付電線の電気抵抗が増大するタイミングとその他の異種金属端子付電線の腐食の兆候が現れるタイミングとを一致させるための調節パラメータとなる。
また、第2態様においては、ワイヤハーネス自体が腐食検知回路を備えている。この場合、腐食助長端子付電線の特性に応じた腐食検知回路をワイヤハーネスの一部として提供することができ、異種金属端子付電線の腐食の兆候を検知する機能を含むワイヤハーネスの品質保証が容易となる。
また、第3態様においては、異種金属端子付電線各々が、端子付アルミニウム電線である。端子付アルミニウム電線においては、イオン化傾向が低い銅を含む圧着端子の端面の近傍に位置する芯線の中間露出部が特に腐食しやすい。そのため、第3態様によれば、異種金属端子付電線の腐食の進行状況を兆候段階で早期に検知できるという効果がより顕著となる。
実施形態に係るワイヤハーネス100が備える腐食助長端子付電線10の主要部の平面図である。 ワイヤハーネス100が備える機器用端子付電線12の主要部の平面図である。 実施形態に係るワイヤハーネス100の概略平面図である。 ワイヤハーネス100が備えるコネクタ及び腐食検知モジュールの内部の図である。 圧着端子の一部の断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら、実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
実施形態に係るワイヤハーネス100は、複数の端子付電線1を備えている。それら端子付電線1は、複数の異種金属端子付電線10,12を含む。さらに、それら異種金属端子付電線10,12は、腐食助長端子付電線10と機器用端子付電線12とを含む。
図3が示す例では、ワイヤハーネス100を備える複数の異種金属端子付電線10,12は、1本の腐食助長端子付電線10と2本の機器用端子付電線12とを含む。さらに、ワイヤハーネス100において、複数の端子付電線1は、腐食助長端子付電線10に対応して設けられた給電用端子付電線11を含む。ワイヤハーネス100は、機器用端子付電線12の腐食の進行状況をその兆候の段階で早期に検知することに適している。
<端子付電線>
まず、図1,2,5を参照しつつ、異種金属端子付電線10,12について説明する。腐食助長端子付電線10及び機器用端子付電線12は、自動車などの車両に搭載されるワイヤハーネス100を構成する部品の一つである。
異種金属端子付電線10,12は、電線9及び圧着端子8を備えている。但し、腐食助長端子付電線10は、機器用端子付電線12と比較して、電線9の芯線が腐食することをある程度助長する構造を有している。その詳細については後述する。
<電線>
電線9は、長尺な導体である芯線と芯線の周囲を覆う絶縁体である絶縁被覆とを有する絶縁電線である。通常、芯線は、細い導体からなる複数の素線が撚り合わされた撚り線である。しかしながら、芯線が単線であることも考えられる。
圧着端子8が取り付けられる電線9の端部は、予め一定の長さの分の芯線の周囲から絶縁被覆が剥がれた状態、即ち、一定の長さ分の芯線が絶縁被覆の端から伸び出た状態に加工されている。
以下、電線9の芯線における絶縁被覆の端から伸び出た部分のことを裸線部91と称する。また、電線9の絶縁被覆における端部の一定の範囲(数ミリメートルから十数ミリメートル程度の長さの範囲)の部分を被覆端部92と称する。
腐食助長端子付電線10において、電線9の芯線は、例えば、アルミニウムを主成分とする金属の線材である。一方、電線9の絶縁被覆は、例えば、ポリエチレン、塩化ビニル又はポリアミド系ナイロンなどを主成分とする合成樹脂の部材である。
<圧着端子>
図1,2が示すように、圧着端子8は、電線9の端部に圧着された端子である。圧着端子8は、直線方向に沿って一列に並んで形成された、被覆圧着部81、第一連結部82、芯線圧着部83、第二連結部84及び接点部85を備えている。
圧着端子8は、金属の板材の折り曲げ加工によって得られる。また、圧着端子8を構成する金属の板材は、メッキが形成された板状の金属の母材に対する打ち抜き加工によって得られる。
図5は、圧着端子8の一部の断面を示す。図5が示すように、圧着端子8を構成する金属の板材は、基材801とその基材801の両主面に形成されたメッキ802とを含む。但し、圧着端子8の端面80は、母材の打ち抜き加工により形成される切断面であるため、基材801が露出した面である。
被覆圧着部81は、曲がって形成された板状の部分であり、電線9に圧着される前の状態において、電線9の被覆端部92が挿入される溝を形成している。腐食助長端子付電線10において、被覆圧着部81は、被覆圧着部81が形成する溝の内側に挿入された被覆端部92の周囲に沿って曲げられることにより、被覆端部92に対して圧着されている。
被覆端部92は、圧着端子8の被覆圧着部81の圧力によって圧縮されている。これにより、被覆端部92の外周面は、被覆圧着部81の内側面に密接している。
本実施形態に示される被覆圧着部81は、一対のかしめ片の先端部が突き合わさる状態で圧着された突き合わせタイプである。しかしながら、被覆圧着部81が、一対のかしめ片が重なった状態で被覆端部92にかしめられたオーバーラップタイプであること、或いは、筒状に形成されたクローズドバレルタイプであることも考えられる。
芯線圧着部83は、電線9に圧着される前の状態において、曲がって形成された板状の部分であり、電線9の裸線部91が挿入される溝を形成している。そして、芯線圧着部83は、芯線圧着部83が形成する溝の内側に挿入された裸線部91の一部に圧着される。
本実施形態に示される芯線圧着部83は、一対のかしめ片の先端部が付き合わさる状態で圧着された突き合わせタイプである。しかしながら、芯線圧着部83が、一対のかしめ片が重なった状態で裸線部91にかしめられたオーバーラップタイプであること、或いは、筒状に形成されたクローズドバレルタイプであることも考えられる。
第一連結部82は、被覆圧着部81と芯線圧着部83とを繋ぐ部分である。第一連結部82は、曲がって形成された板状の部分であり、被覆端部92及び裸線部91の境界部分が挿入される溝を形成している。
図1,2が示すように、電線9の裸線部91の一部は、被覆圧着部81と芯線圧着部83との間で圧着端子8から露出している。
接点部85は、圧着端子8の接続相手となる不図示の相手側端子と嵌り合うことによって相手側端子と接続可能な部分である。例えば、接点部85は、相手側端子が嵌め入れられる孔である端子挿入孔が形成された筒状の部分である。或いは、接点部85が、相手側端子の端子挿入孔に嵌め入れられる棒状の導体である場合もある。
第二連結部84は、芯線圧着部83と接点部85を繋ぐ部分である。第二連結部84は、曲がって形成された板状の部分であり、溝を形成している。裸線部91の先端が、芯線圧着部83から第二連結部84が形成する溝へはみ出す場合もあるが、そうでない場合もある。
異種金属端子付電線10,12において、電線9の芯線と圧着端子8とは、それぞれ異種の金属で構成されている。より具体的には、異種金属端子付電線10,12の圧着端子8を形成する板材において、基材801は、電線9の芯線の材料よりもイオン化傾向が大きな金属材料の部材である。また、基材801の両主面に形成されたメッキ802は、基材801の材料よりもイオン化傾向が小さな金属材料の被覆である。
異種金属端子付電線10,12各々において、電線9の芯線が、例えば、アルミニウム線、即ち、アルミニウムを主成分とする金属(アルミニウムまたはアルミニウム合金)の線材であることが考えられる。なお、端子付電線1が、アルミニウムを含む芯線(アルミニウム芯線)及び絶縁被覆により構成された電線9と銅を含む圧着端子8とを有する場合、その端子付電線1は端子付アルミニウム電線である。
さらに、異種金属端子付電線10,12の圧着端子8において、基材801が、銅を主成分とする金属の部材、例えば、銅もしくは黄銅などの銅合金の部材であることが考えられる。また、圧着端子8のメッキ802が、例えば、錫(Sn)もしくは錫に銀(Ag)、銅(Cu)、ビスマス(Bi)などが添加された錫合金の被覆であることが考えられる。
以下の説明において、腐食助長端子付電線10及び機器用端子付電線12の各々の圧着端子8を区別して説明する場合がある。その場合、腐食助長端子付電線10の圧着端子8のことを腐食助長圧着端子8xと称し、機器用端子付電線12の圧着端子8のことを機器用圧着端子8yと称する。
また、圧着端子8を腐食助長圧着端子8xと機器用圧着端子8yとに区別して説明する場合、腐食助長圧着端子8xの被覆圧着部81及び第一連結部82のことをそれぞれ被覆圧着部81x及び第一連結部82xと記載する。同様に、機器用圧着端子8yの被覆圧着部81及び第一連結部82のことをそれぞれ被覆圧着部81y及び第一連結部82yと記載する。
また、腐食助長端子付電線10において、電線9の裸線部91における被覆圧着部81xと芯線圧着部83との間で腐食助長圧着端子8xから露出している部分のことを中間露出部91xと称する。同様に、機器用端子付電線12において、電線9の裸線部91における被覆圧着部81yと芯線圧着部83との間で機器用圧着端子8yから露出している部分のことを中間露出部91yと称する。
また、腐食助長端子付電線10において、腐食助長圧着端子8xにおける中間露出部91xを臨む部分の端面80のことを中間端面80xと称する。同様に、機器用端子付電線12において、機器用圧着端子8yにおける中間露出部91yを臨む部分の端面80のことを中間端面80yと称する。
腐食助長圧着端子8xにおいて、中間端面80xは、被覆圧着部81x及び芯線圧着部83各々における相互に対向する側の端面と第一連結部82xの端面とを含む。同様に、機器用圧着端子8yにおいて、中間端面80yは、被覆圧着部81y及び芯線圧着部83各々における相互に対向する側の端面と第一連結部82yの端面とを含む。
図1,2が示すように、腐食助長端子付電線10における中間露出部91xの表面積に対する中間端面80xの面積の比は、機器用端子付電線12における中間露出部91yの表面積に対する中間端面80yの面積の比よりも大きい。
ところで、端子付電線1において、芯線圧着部83の形状は、電線9の裸線部91を圧着端子8に固着する力と、電線9の裸線部91との電気抵抗(接触抵抗)とに大きく影響する。そのため、芯線圧着部83の形状を実績のない新たな形状とすると、その新たな形状について、電線9の固着力及び接触抵抗を確認するための煩雑な試験が必要となる。
図1,2が示す例では、腐食助長圧着端子8xにおける芯線圧着部83の形状は、機器用圧着端子8yにおける芯線圧着部83の形状と同じである。これにより、腐食助長圧着端子8x及び機器用圧着端子8yにおいて、実績のある芯線圧着部83の形状を採用することができ、上記の煩雑な試験を回避することができる。
さらに、腐食助長圧着端子8xにおける被覆圧着部81xと芯線圧着部83との間隔が、機器用圧着端子8yにおける被覆圧着部81yと芯線圧着部83との間隔よりも小さい。また、腐食助長圧着端子8xにおける被覆圧着部81x及び芯線圧着部83の幅は、機器用圧着端子8yにおける被覆圧着部81y及び芯線圧着部83の幅と同等である。
さらに、腐食助長端子付電線10及び機器用端子付電線12のいずれにおいても、電線9における絶縁被覆の端は、第一連結部82x,82yにおける被覆圧着部81x,81yの近傍に位置している。
従って、図1,2が示す例においては、腐食助長端子付電線10における中間露出部91xの表面積が機器用端子付電線12における中間露出部91yの表面積よりも小さい。さらに、腐食助長圧着端子8xにおける第一連結部82xの端面の面積と機器用圧着端子8yにおける第一連結部82yの端面の面積との比は、中間露出部91xの表面積と中間露出部91yの表面積との比と概ね同等である。さらに、腐食助長圧着端子8xにおける被覆圧着部81x及び芯線圧着部83各々の相互に対向する側の端面の面積と、機器用圧着端子8yにおける被覆圧着部81y及び芯線圧着部83各々の相互に対向する側の端面の面積とは同等である。
前述したように、イオン化傾向が小さい金属材料を含む中間端面80x,80yの表面積が、その近傍に位置するとともにイオン化傾向が大きい金属材料を含む中間露出部91x,91yの表面積に対してより大きな比の面積になるほど、中間露出部91x,91yの異種金属接触腐食の進行速度が速くなる。
従って、腐食助長端子付電線10及び機器用端子付電線12が同等の環境下に存在する場合、腐食助長端子付電線10の中間露出部91xは、機器用端子付電線12の中間露出部91yよりも速い進行速度で腐食する。
<ワイヤハーネス>
次に、図3,4を参照しつつ、実施形態に係るワイヤハーネス100について説明する。図3は、ワイヤハーネス100の概略平面図である。図4は、ワイヤハーネス100が備える第一コネクタ21及び腐食検知モジュール3の内部の図である。
ワイヤハーネス100は、複数の端子付電線1を備え、それら端子付電線1は、少なくとも1本の腐食助長端子付電線10と少なくとも1本の機器用端子付電線12とを含む。本実施形態では、ワイヤハーネス100における複数の端子付電線1は、1本の腐食助長端子付電線10と、1本の給電用端子付電線11と、2本の機器用端子付電線12とを含む。
給電用端子付電線11は、少なくとも腐食助長端子付電線10よりも腐食の進行が遅い構造を有している。例えば、給電用端子付電線11が機器用端子付電線12と同じ構造を有する異種金属端子付電線であることが考えられる。また、給電用端子付電線11において、電線9が銅を主成分とする芯線を有する絶縁電線であり、圧着端子8が銅を主成分とする基材801及び錫を含むメッキ802を含む部材であることが考えられる。
また、給電用端子付電線11が、電線9と、電線9の端部に圧着された圧着端子8と、電線9の裸線部91を密封する止水樹脂部とを有することも考えられる。例えば、止水樹脂部は、流動状の合成樹脂が電線9の裸線部91を密封する状態で硬化して形成された部材である。
ワイヤハーネス100は、複数のコネクタ2と腐食検知モジュール3とをさらに備えている。コネクタ2は、端子付電線1各々の圧着端子8を電気的に絶縁しつつ保持する端子保持部材である。コネクタ2は、例えば合成樹脂の部材である。
図3が示す例では、ワイヤハーネス100は、第一コネクタ21、第二コネクタ22及び第三コネクタ23を含む。第一コネクタ21は、腐食助長端子付電線10及び給電用端子付電線11各々の第一端の圧着端子8を一括して保持している。また、第二コネクタ22は、2本の機器用端子付電線12各々の第一端の圧着端子8を一括して保持している。
一方、第三コネクタ23は、腐食助長端子付電線10、給電用端子付電線11及び2本の機器用端子付電線12の各々の第二端の圧着端子8を一括して保持している。
例えば、第三コネクタ23は、車両に搭載されたECU(Electronic Control Unit)などの制御部6に接続される。また、第二コネクタ22は、制御部6によって制御される車両の電装機器5に接続される。これにより、制御部6と電装機器5とが2本の機器用端子付電線12を通じて電気的に接続される。
制御部6は、2本の機器用端子付電線12を通じて電装機器5に対して電力を供給するとともに、電装機器5を制御する。
また、第一コネクタ21は、腐食検知モジュール3に接続される。これにより、制御部6と腐食検知モジュール3とが給電用端子付電線11及び腐食助長端子付電線10を通じて電気的に接続される。
給電用端子付電線11は、制御部6から腐食検知モジュール3への電力の供給ラインである。腐食助長端子付電線10は、給電用端子付電線11及び腐食検知モジュール3が備える回路とともに、腐食助長端子付電線10の電気抵抗の増大に応じて変化する信号を生成する回路を構成している。その詳細については後述する。
<腐食検知モジュール>
腐食検知モジュール3は、第一コネクタ21と嵌り合って第一コネクタ21に留まる絶縁筐体34を備えている。さらに、腐食検知モジュール3は、絶縁筐体34に収容された腐食検知回路30を備えている。
腐食検知回路30は、給電用端子付電線11と腐食助長端子付電線10とを電気的に接続し、給電用端子付電線11及び腐食助長端子付電線10とともに、腐食助長端子付電線10の電気抵抗の増大に応じて変化する信号を生成する回路である。
図3,4が示す例では、腐食検知回路30は、一対のバスバー31と、それら一対のバスバー31を電気的に接続する抵抗素子32とを備えている。絶縁筐体34が第一コネクタ21に留められることにより、一対のバスバー31は、一対のバスバー31は、給電用端子付電線11の圧着端子8の接点部85及び腐食助長端子付電線10の圧着端子8の接点部85の各々に接触する。
例えば、一対のバスバー31及び抵抗素子32は、基板33に実装された状態で、絶縁筐体34内に固定されている。
制御部6は、給電用端子付電線11を通じて腐食検知回路30に対して一定の微弱電流を供給する。さらに、制御部6は、給電用端子付電線11及び腐食助長端子付電線10の各々との接続端の間の電位差を監視する。以下、その電位差のことを監視電位差と称する。
腐食助長端子付電線10において腐食が生じていない場合、給電用端子付電線11から腐食助長端子付電線10に至る回路の電気抵抗においては、抵抗素子32の電気抵抗が支配的である。
一方、腐食助長端子付電線10における裸線部91の腐食が進行するにつれ、腐食助長端子付電線10における裸線部91と圧着端子8との間の接続抵抗が増大する。そして、腐食助長端子付電線10の腐食がさらに進行すると、給電用端子付電線11から腐食助長端子付電線10に至る回路の電気抵抗において、抵抗素子32の電気抵抗よりも腐食助長端子付電線10の電気抵抗が支配的となる。
従って、腐食助長端子付電線10における裸線部91の腐食が進行するにつれ、監視電位差が増大する。即ち、この監視電位差の信号は、腐食助長端子付電線10の電気抵抗の増大に応じて変化する信号の一例である。
腐食助長端子付電線10、給電用端子付電線11及び機器用端子付電線12は、同等の環境下で使用される。この場合、給電用端子付電線11及び機器用端子付電線12に腐食の兆候が生じる程度の段階で、腐食助長端子付電線10は、腐食の進行によって電気抵抗が増大する。
制御部6は、監視電位差が予め定められた上限を超えたときに不図示の警報出力部を通じて警報を出力する。警報出力部は、例えば警報ランプ又は警報音出力装置などである。
<効果>
ワイヤハーネス100において、腐食助長端子付電線10は、給電用端子付電線11及び機器用端子付電線12に比べ、異種金属接触腐食を引き起こしやすい。また、腐食助長端子付電線10の腐食の進行速度は、腐食助長端子付電線10を含むワイヤハーネス100が使用されている環境によって異なる。
また、端子付電線1において、芯線における圧着端子8と接触する部分が腐食すると、端子付電線1の電気抵抗が増大する。そのため、腐食助長端子付電線10が腐食検知回路30に接続されれば、腐食助長端子付電線10に腐食が生じたことを検知することができる。
なお、本実施形態における腐食検知回路30の構成はごく簡易な一例である。腐食検知回路30は、腐食助長端子付電線10の電気抵抗の増大に応じて変化する信号を生成できる回路であれば他の回路であってもかまわない。
また、ワイヤハーネス100が採用されれば、腐食しやすい腐食助長端子付電線10とその他の通常の端子付電線である機器用端子付電線12とが同等の環境下で使用される。この場合、使用環境に応じて変化する腐食助長端子付電線10の腐食の進行速度と、機器用端子付電線12の腐食の進行速度とは正の相関がある。例えば、腐食助長端子付電線10の腐食の進行が速い環境下では、機器用端子付電線12の腐食の進行も速くなる傾向がある。
また、ワイヤハーネス100において、腐食助長端子付電線10における裸線部91の中間露出部91xの表面積に対する腐食助長圧着端子8xの中間端面80xの面積の比は、腐食の進行速度を調節するパラメータとなる。即ち、上記の面積の比は、腐食助長端子付電線10の電気抵抗が増大するタイミングと機器用端子付電線12の腐食の兆候が現れるタイミングとを一致させるための調節パラメータとなる。
従って、ワイヤハーネス100が使用されている環境下において、腐食助長端子付電線10の電気抵抗の増大を検知することにより、機器用端子付電線12の腐食の進行状況をその兆候の段階で早期に検知することができる。
また、ワイヤハーネス100は、それ自体が腐食検知回路30を備えている。この場合、腐食助長端子付電線10の特性に応じた腐食検知回路30をワイヤハーネス100の一部として提供することができ、機器用端子付電線12の腐食の兆候を検知する機能を含むワイヤハーネス100の品質保証が容易となる。
また、腐食助長端子付電線10及び機器用端子付電線12は、端子付アルミニウム電線であるため異種金属接触腐食を特に引き起こしやすい。そのため、ワイヤハーネス100の効果、即ち、機器用端子付電線12の腐食の進行状況を兆候段階で早期に検知できるという効果がより顕著となる。
<応用例>
ワイヤハーネス100において、腐食検知回路30が第一コネクタ21に内蔵されていること、或いはワイヤハーネス100とは別に用意されることも考えられる。
また、ワイヤハーネス100において、腐食助長端子付電線10の中間露出部91xを外部に露出させる開口が、第一コネクタ21に形成されていることも考えられる。これにより、腐食助長端子付電線10の腐食が機器用端子付電線12の腐食よりも先行して進行する状況をより確実に作ることができる。
なお、本発明に係るワイヤハーネスは、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
100 ワイヤハーネス
1 端子付電線
10 腐食助長端子付電線(異種金属端子付電線)
11 給電用端子付電線
12 機器用端子付電線(異種金属端子付電線)
2 コネクタ
21 第一コネクタ
22 第二コネクタ
23 第三コネクタ
3 腐食検知モジュール
30 腐食検知回路
31 バスバー
32 抵抗素子
33 基板
34 絶縁筐体
5 電装機器
6 制御部
8 圧着端子
80 圧着端子の端面
801 基材
802 メッキ
80x 腐食助長圧着端子の中間端面
80y 機器用圧着端子の中間端面
81 被覆圧着部
81x 腐食助長圧着端子の被覆圧着部
81y 機器用圧着端子の被覆圧着部
82 第一連結部
82x 腐食助長圧着端子の第一連結部
82y 機器用圧着端子の第一連結部
83 芯線圧着部
84 第二連結部
85 接点部
8x 腐食助長圧着端子
8y 機器用圧着端子
9 電線
91 裸線部
91x 腐食助長端子付電線の中間露出部
91y 機器用端子付電線の中間露出部
92 被覆端部

Claims (3)

  1. 芯線及び絶縁被覆を有する電線と前記芯線の材料よりもイオン化傾向が大きな金属材料の基材及び前記基材の両主面に形成され前記基材の材料よりもイオン化傾向が小さな金属材料のメッキを含む板材で形成され前記電線における前記絶縁被覆の端部に圧着された被覆圧着部及び前記絶縁被覆の端から延び出た前記芯線の裸線部の一部に圧着された芯線圧着部を含む圧着端子とをそれぞれ有する複数の異種金属端子付電線を備え、
    前記異種金属端子付電線の一部は、他の前記異種金属端子付電線と比較して、前記芯線の裸線部における前記被覆圧着部と前記芯線圧着部との間で前記圧着端子から露出した中間露出部の表面積に対する前記圧着端子における前記芯線の前記中間露出部を臨む部分の端面の面積の比が大きい腐食助長端子付電線である、ワイヤハーネス。
  2. 請求項1に記載のワイヤハーネスであって、
    前記異種金属端子付電線の1つもしくはそれ以外である給電用端子付電線と前記腐食助長端子付電線とを電気的に接続し、前記給電用端子付電線及び前記腐食助長端子付電線とともに、前記腐食助長端子付電線の電気抵抗の増大に応じて変化する信号を生成する腐食検知回路と、をさらに備えるワイヤハーネス。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のワイヤハーネスであって、
    前記異種金属端子付電線各々は、
    アルミニウムを含むアルミニウム芯線を有するアルミニウム電線と、
    銅を含む前記基材及び錫を含む前記メッキを含む板材で形成された前記圧着端子と、をそれぞれ有する端子付アルミニウム電線である、ワイヤハーネス。
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