JP2015101672A - 粘着シートおよび積層体 - Google Patents

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【課題】低極性表面を有する被着体に対してであっても、優れた粘着力を発揮することができる粘着シートおよびそのような粘着シートと被着体とを強固に密着させてなる積層体を提供する。【解決手段】基材の片面または両面上に、(A)成分である末端シリル基ポリマーと、(B)成分である粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物を粘着剤層として備えた粘着シート等であって、(A)成分である末端シリル基ポリマーが、主鎖の両末端に下記一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する所定の末端シリル基ポリマーであり、(B)成分である粘着付与樹脂が、所定のロジン系粘着付与樹脂であり、(B)成分である粘着付与樹脂の配合量を、(A)成分である末端シリル基ポリマー100重量部に対して80〜160重量部とする粘着シート。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着シートおよび積層体に関する。
特に、低極性表面を有する被着体に対してであっても、優れた粘着力を発揮することができる粘着シートおよびそのような粘着シートと被着体とを強固に密着させてなる積層体に関する。
従来、感圧接着剤(粘着剤)を基材に塗布した粘着シートは、押圧によって容易に被着体に貼り付けることができることから、多くの分野において幅広く使用されている。
また、粘着シートにおける粘着剤としては、アクリル系粘着剤が広く使用されているが、かかるアクリル系粘着剤を用いた粘着シートは、例えば、フッ素系樹脂等の低極性表面を有する被着体に対して貼合した場合、粘着力を殆ど発現しないという問題が見られた。
このような状況下、一般には、低極性表面を有する被着体に対しては、シリコーン系粘着剤を用いた粘着シートが使用されている。
しかしながら、シリコーン系粘着剤はアクリル系粘着剤と比較して非常に高価であり、加えて、シリコーン系粘着剤に適用できるフッ素系やフッ素化シリコーン系の剥離剤も高価であるため、汎用材料としての使用が難しいという実情があった。
そこで、アクリル系粘着剤を用いつつも、フッ素系樹脂に対する粘着力に優れる粘着テープが開示されている(例えば、特許文献1)。
すなわち、特許文献1には、支持体に架橋アクリル系感圧接着剤層が設けられてなる粘着テープであって、架橋アクリル系感圧接着剤は、炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが80重量%以上を占める(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体と、同単量体と共重合可能な官能基を有する不飽和単量体0.1〜6重量%とを共重合してなるアクリル系共重合体100重量部に対し、これと相溶可能な粘着付与樹脂3〜25重量部を配合し、その後架橋が施されてなるものであり、該接着剤層の層厚が25〜100μmであり、かつ、層厚(単位:μm)とゲル分率(単位:%)の間に下式で表わされる関係が成立することを特徴とするフッ素系樹脂固定用粘着テープが開示されている。
0.05×層厚≦ゲル分率≦0.4×層厚
他方、所定の末端シリル基ポリマーを主剤として含む粘着剤組成物を用いることを特徴とした、優れた粘着力を有する粘着シートが開示されている(例えば、特許文献2)。
すなわち、特許文献2には、主鎖または側鎖にウレタン結合および/または尿素結合を持ち、末端に下記一般式(A)で表わされる加水分解性シリル基を含有する末端シリル基ポリマー100質量部と、粘着付与樹脂10〜150質量部と、三フッ化ホウ素および/またはその錯体、フッ素化剤およびフッ素系無機酸のアルカリ金属塩よりなる群から選ばれたフッ素系化合物0.001〜10質量部とを均一に混合した粘着剤前駆体を、テープ基材またはシート基材の表面に塗布した後、該末端シリル基ポリマーを硬化させることにより、該粘着剤前駆体を粘着剤層とすることを特徴とする粘着シートが開示されている。
(一般式(A)中、Xはヒドロキシ基またはアルコキシ基を表わし、Rは炭素数1〜20のアルキル基を表わし、nは0、1または2を表わす。)
特開2005−154474号公報(特許請求の範囲) WO2010/038715号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1に記載の粘着テープは、フッ素系樹脂に対し、ある程度の粘着力を発揮することができるものの、粘着剤層をある程度厚くし、かつ、ゲル分率を低くする必要があることから、粘着テープをロール状に巻いた際に粘着剤がシートの外にはみ出し易く、長尺ロール(ロール ツー ロール)での大量生産には問題が見られた。
他方、特許文献2の粘着シートの場合、ポリカーボネート樹脂等の被着体に対する粘着力には優れるものの、フッ素系樹脂等の低極性表面を有する被着体への適用を考慮しているものではないため、実際に、十分な粘着力が得られないという問題が見られた。
そこで、本発明者等は、以上のような事情に鑑み、鋭意努力したところ、所定の末端シリル基ポリマーに対し、所定の粘着付与樹脂を所定の配合割合にて加えることにより、低極性表面を有する被着体に対してであっても、優れた粘着力を発揮することができる粘着剤組成物、ひいては、かかる粘着剤組成物からなる粘着剤層が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、低極性表面を有する被着体に対してであっても、優れた粘着力を発揮することができる粘着シートおよびそのような粘着シートと被着体とを強固に密着させてなる積層体を提供することにある。
本発明によれば、基材の片面または両面上に、(A)成分である末端シリル基ポリマーと、(B)成分である粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物を粘着剤層として備えた粘着シートであって、(A)成分である末端シリル基ポリマーが、主鎖または側鎖にウレタン結合および尿素結合、あるいはいずれか一方を有するとともに、主鎖の両末端に下記一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する末端シリル基ポリマーであり、(B)成分である粘着付与樹脂が、酸価が0〜200KOHmg/gの範囲内の値であるロジン系粘着付与樹脂(但し、ロジンフェノール系粘着付与樹脂を含まない。)であるとともに、(B)成分である粘着付与樹脂の配合量を、(A)成分である末端シリル基ポリマー100重量部に対して、80〜160重量部の範囲内の値とすることを特徴とする粘着シートが提供され、上述した問題を解決することができる。
(一般式(1)中、X1〜X2はヒドロキシ基またはアルコキシ基であり、R1は炭素数1〜20のアルキル基である。)
すなわち、本発明の粘着シートにおける粘着剤層であれば、粘着剤層を構成する粘着剤組成物が、主剤として所定の末端シリル基ポリマーを含むとともに、粘着付与樹脂として所定の粘着付与樹脂を含むことから、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性を好適な範囲に調節することができる。
その結果、従来の粘着剤層では十分な粘着力を発揮することが困難であった低極性表面を有する被着体に対してであっても、優れた粘着力を発揮することができる。
なお、本発明における「粘着剤組成物」とは、例えば、未硬化の粘着剤組成物であっても、硬化後の粘着剤組成物であっても、上述した組成を有する粘着剤組成物であれば、全て含まれる広い意味である。
また、本発明における「低極性表面」とは、例えば、それに対する水の接触角(測定温度:25℃)が72〜120°の範囲内の値である表面を意味する。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、(A)成分である末端シリル基ポリマーにおける主鎖の骨格がポリオキシアルキレンであることが好ましい。
このように構成することにより、粘着剤層に対し、適度な柔軟性を付与することができ、低極性表面を有する被着体に対する粘着力をさらに向上させることができる。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、(A)成分である末端シリル基ポリマーの重量平均分子量を1000〜200,000の範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、(A)成分同士の架橋密度が好適な範囲に調節され、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性を、より好適な範囲に調節することができる。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、(A)成分である末端シリル基ポリマーが、側鎖に一般式(1)で表される加水分解性シリル基を有さず、主鎖の両末端のみに一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する両末端シリル基ポリマーであることが好ましい。
このように構成することにより、(A)成分同士の架橋密度が好適な範囲に調節され、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性を、より好適な範囲に調節することができる。
なお、以下において、上述した主鎖の両末端のみに所定の加水分解性シリル基を有する末端シリル基ポリマーを、「両末端シリル基ポリマー」と呼ぶものとする。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、(B)成分であるロジン系粘着付与樹脂が、ロジンエステル系粘着付与樹脂であることが好ましい。
このように構成することにより、所定の末端シリル基ポリマーに対する粘着付与樹脂の相溶性をより好適な範囲に調節することができる。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、(C)成分として、(A)成分である末端シリル基ポリマーの硬化を促進するための触媒を含むとともに、当該触媒が、アルミ系触媒、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒および三フッ化ホウ素系触媒からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
このように構成することにより、(A)成分同士の架橋密度がより好適な範囲に調節され、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性を、さらに好適な範囲に調節することができる。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、粘着剤層のゲル分率が30〜90%の範囲内の値であることが好ましい。
このように構成することにより、(A)成分同士の架橋密度がさらに好適な範囲に調節され、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性を、より一段と好適な範囲に調節することができる。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、基材がフッ素系化合物を含むことが好ましい。
このように構成することにより、通常の粘着剤層を用いた場合には、基材と粘着剤層との間における層間剥離が生じ易くなるが、本発明の粘着シートであればかかる層間剥離の発生を安定的に防止することができる。
また、本発明の粘着シートを構成するにあたり、基材がプライマー層を有するとともに、当該プライマー層がフッ素系化合物を含むことが好ましい。
このように構成することにより、通常の粘着剤層を用いた場合には、基材と粘着剤層との間における層間剥離が生じ易くなるが、本発明の粘着シートであればかかる層間剥離の発生を安定的に防止することができる。
また、本発明の別の態様は、被着体上に粘着シートを積層してなる積層体であって、粘着シートが、基材の片面または両面上に、(A)成分である末端シリル基ポリマーと、(B)成分である粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物を粘着剤層として備えており、(A)成分である末端シリル基ポリマーが、主鎖または側鎖にウレタン結合および尿素結合、あるいはいずれか一方を有するとともに、主鎖の両末端に下記一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する末端シリル基ポリマーであり、(B)成分である粘着付与樹脂が、酸価が0〜200KOHmg/gの範囲内の値であるロジン系粘着付与樹脂(但し、ロジンフェノール系粘着付与樹脂を含まない。)であるとともに、(B)成分である粘着付与樹脂の配合量を、(A)成分である末端シリル基ポリマー100重量部に対して、80〜160重量部の範囲内の値とし、かつ、被着体の表面に対する水の接触角(測定温度:25℃)を72〜120°の範囲内の値とすることを特徴とする積層体である。
(一般式(1)中、X1〜X2はヒドロキシ基またはアルコキシ基であり、R1は炭素数1〜20のアルキル基である。)
図1(a)〜(b)は、所定の末端シリル基ポリマーの製法および反応性について説明するために供する図である。 図2は、所定の粘着付与樹脂の配合量と、ポリテトラフルオロエチレン板に対する粘着力との関係について説明するために供する図である。 図3(a)〜(c)は、本発明の粘着シートの具体的な態様について説明するために供する図である。 図4(a)〜(d)は、粘着剤層の形成方法を説明するために供する図である。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、基材の片面または両面上に、(A)成分である末端シリル基ポリマーと、(B)成分である粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物を粘着剤層として備えた粘着シートであって、(A)成分である末端シリル基ポリマーが、主鎖または側鎖にウレタン結合および尿素結合、あるいはいずれか一方を有するとともに、主鎖の両末端に一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する末端シリル基ポリマーであり、(B)成分である粘着付与樹脂が、酸価が0〜200KOHmg/gの範囲内の値であるロジン系粘着付与樹脂(但し、ロジンフェノール系粘着付与樹脂を含まない。)であるとともに、(B)成分である粘着付与樹脂の配合量を、(A)成分である末端シリル基ポリマー100重量部に対して、80〜160重量部の範囲内の値とすることを特徴とする粘着シートである。
以下、本発明の第1の実施形態を、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
1.粘着剤層
(1)(A)成分:末端シリル基ポリマー
(1)−1 種類
(A)成分としての末端シリル基ポリマーは、主鎖または側鎖にウレタン結合および尿素結合、あるいはいずれか一方を有するとともに、主鎖の両末端に下記一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有することを特徴とする。
(一般式(1)中、X1〜X2はヒドロキシ基またはアルコキシ基であり、R1は炭素数1〜20のアルキル基である。)
この理由は、このような(A)成分であれば、一般式(1)で表わされる2官能の加水分解性末端シリル基を有することから、(A)成分同士の加水分解脱水縮合により効果的に三次元網目構造を形成することができるためである。
したがって、所定の粘着付与樹脂との相溶性を好適な範囲に調節することができ、その結果、従来の粘着剤層では十分な粘着力を発揮することが困難であった低極性表面を有する被着体に対してであっても、優れた粘着力を発揮することができる。
より具体的には、所定の粘着付与樹脂との相溶性を過度に高めることなく、かつ、過度に低下させることもない絶妙な範囲に調節することで、低極性表面を有する被着体に対する優れた粘着力を発揮しているものと推定される。
この点、主剤に対する粘着付与樹脂の相溶性と、粘着力との関係としては、一般に相溶性が高すぎず、低すぎず、ちょうど良い相溶性を維持することで良好な粘着物性を得られることが知られている。
なお、一般式(1)中、R1で表わされるアルキル基の炭素数は、加水分解脱水縮合反応性の観点から、1〜12であることが好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。
また、一般式(1)中、X1またはX2がアルコキシ基である場合、当該アルコキシ基における炭素数は、加水分解脱水縮合反応性の観点から、1〜12であることが好ましく、1〜3であることがさらに好ましい。
(i)基本的構成
次いで、図1を用いて、(A)成分としての所定の末端シリル基ポリマーの基本的構成を説明する。
すなわち、図1(a)には、所定の末端シリル基ポリマー30の合成例が示してある。
まず、分子の主鎖12または側鎖(図示せず)の末端にイソシアネート基14(14a、14b)を有するポリマー骨格10を用意する。
次いで、分子の片末端にイソシアネート基14(14a、14b)と反応可能な活性水素基22を有するとともに、分子の別の末端に一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基24を有するシリル化剤20を用意する。
次いで、ポリマー骨格10およびシリル化剤20を混合した後、例えば、窒素雰囲気下、80℃で1時間反応させることで、所定の末端シリル基ポリマー30を得ることができる。
また、図1(b)に示すように、かかる所定の末端シリル基ポリマー30は、一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基の加水分解物(30´)を経由した架橋反応により硬化して3次元網目構造(30´´)をとる、所謂、湿気硬化型のポリマーである。
なお、図1(a)においては、主鎖の両末端のみに所定のシリル基を有する両末端シリル基ポリマーを例に挙げて説明したが、本発明の末端シリル基ポリマーには、側鎖の末端に加水分解性シリル基を有する末端シリル基ポリマーも含まれる。
また、末端シリル基ポリマーを合成する際には、図1(a)の場合とは逆に、シリル化剤20がイソシアネート基14を有し、ポリマー骨格10が活性水素基22を有していてもよい。
また、所定の末端シリル基ポリマーの主鎖または側鎖に導入されているウレタン結合あるいは尿素結合における活性水素は、以下に例を示すように有機基で置換されていてもよい。
したがって、アロファネート結合もウレタン結合の範疇に含まれ、ビュレット結合も尿素結合の範疇に含まれることになる。
(ii)末端部分
また、図1(a)に示す所定の末端シリル基ポリマー30の末端部分32(32a、32b)の具体的な構造を下記一般式(2)〜(8)(末端部分−A〜G)に示す。
(一般式(2)中、R2およびR3は炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、R1、X1およびX2は一般式(1)の場合と同様であり、下記一般式(3)〜(8)においても同様であり、一般式(8)中、Aはアルキレン基であり、Bは炭素数1〜20の有機基を示す。)
(iii)骨格部分
また、図1(a)に示す所定の末端シリル基ポリマーの主鎖12または側鎖(図示せず)の骨格としては、特に制限されるものではないが、ポリオキシアルキレンであることが好ましい。
この理由は、ポリオキシアルキレンであれば、得られる粘着剤層に対し、適度な柔軟性を付与することができ、被着体に対する粘着力をさらに向上させることができるためである。
また、かかるポリオキシアルキレンの具体例としては、ポリオキシプロピレンやポリオキシエチレン等が挙げられる。
(iv)加水分解性シリル基の配置
また、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマーが、図1(a)に示すように、側鎖に一般式(1)で表される加水分解性シリル基を有さず、主鎖の両末端のみに一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する両末端シリル基ポリマーであることが好ましい。
この理由は、かかる両末端シリル基ポリマーであれば、(A)成分同士の架橋密度が好適な範囲に調節され、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性を、より好適な範囲に調節することができるためである。
また、(A´)成分として、さらに主鎖の片末端のみに一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する片末端シリル基ポリマーを含むとともに、その配合量を、両末端シリル基ポリマー100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、両末端シリル基ポリマーに対して、所定の範囲で片末端シリル基ポリマーを混合することで、(A)成分同士の架橋密度がより好適な範囲に調節され、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性の調節をさらに容易にすることができるためである。
すなわち、片末端シリル基ポリマーの配合量が0.1重量部未満の値となると、その添加効果を十分に得られない場合があるためである。一方、片末端シリル基ポリマーの配合量が30重量部を超えた値となると、(A)成分同士の架橋密度が過度に低下して、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性の調節が困難になる場合があるためである。
したがって、片末端シリル基ポリマーの配合量を、両末端シリル基ポリマー100重量部に対して、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
但し、両末端シリル基ポリマーのみを用いた場合であっても、フッ素系化合物を含む被着体に対し、優れた粘着力を発揮する粘着剤層を得られることが確認されているため、特に必要のない場合には、片末端シリル基ポリマーを混合することなく、両末端シリル基ポリマーのみを用いることも、製造工程の簡略化の観点からは好ましい。
なお、以下において、上述した主鎖の片末端のみに所定の加水分解性シリル基を有する末端シリル基ポリマーを、「片末端シリル基ポリマー」と呼ぶものとする。
(1)−2 重量平均分子量
また、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマーの重量平均分子量を1000〜200,000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる重量平均分子量が1000未満の値となると、分子構造が密になり十分な粘着力が得られず、また粘度が低くなり過ぎ、溶液塗布によるシート化時に加工性が悪くなる場合があるためである。一方、かかる重量平均分子量が200,000を超えた値となると、粘度増大等による加工適性の低下が顕著になったり、架橋密度が過度に低下して、所定の粘着付与樹脂との相溶性の調節が困難になったりする場合があるためである。
したがって、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマーの重量平均分子量を1000〜150000の範囲内の値とすることがより好ましく、10000〜100000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、(A´)成分を配合する場合には、(A´)成分の重量平均分子量についても、(A)成分と同様にすることができる。
(1)−3 配合量
また、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマーの配合量を、粘着剤層の全体量100重量%に対して、20〜90重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる配合量が20重量%未満の値となると、粘着剤層全体に対する(A)成分の絶対量が過度に少なくなって、十分な粘着特性を得ることが困難になる場合があるためである。一方、かかる配合量が90重量%を超えた値となると、粘着剤層全体に対する(A)成分の絶対量が過度に多くなって、所定の粘着付与樹脂との相溶性の調節が困難になる場合があるためである。
したがって、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマーの配合量を、粘着剤層の全体量100重量%に対して、25〜85重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、30〜80重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)(B)成分:粘着付与樹脂
(2)−1 種類
(B)成分である粘着付与樹脂を、ロジン系粘着付与樹脂(但し、ロジンフェノール系粘着付与樹脂を含まない。)とすることを特徴とする。
この理由は、ロジン系粘着付与樹脂であれば、後述するように、その酸価を所定の範囲内の値とすることにより、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマーに対する相溶性を好適な範囲に調節することができるためである。
すなわち、ロジン系粘着付与樹脂であれば、所定の末端シリル基ポリマーに対する相溶性を過度に高めることなく、かつ、過度に低下させることもない絶妙な範囲に調節することができ、これにより、低極性表面を有する被着体に対する優れた粘着力を発揮しているものと推定される。
但し、ロジンフェノール系粘着剤の場合、その酸価を所定の範囲内の値とした場合であっても、低極性表面を有する被着体に対する優れた粘着力を発揮することができないことが確認されている。
これは、フェノールの極性が高いためと推察される。
また、ロジン系粘着付与樹脂が、ロジンエステル系粘着付与樹脂であることが好ましい。
この理由は、ロジンエステル系粘着付与樹脂であれば、所定の末端シリル基ポリマーに対する粘着付与樹脂の相溶性をより好適な範囲に調節することができるためである。
ここで、本発明において、ロジンエステル系粘着付与樹脂とは、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、デヒドロアビエチン酸等の樹脂酸を主成分とするガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジン系粘着付与樹脂と、各種アルコールとのエステルであるロジンエステル系粘着付与樹脂を意味し、ロジンフェノール系粘着付与樹脂およびテルペンフェノール系粘着樹脂は含まれない。
(2)−2 酸価
また、(B)成分である粘着付与樹脂の酸価を0〜200KOHmg/gの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、粘着付与樹脂としてのロジン系粘着付与樹脂(但し、ロジンフェノール系粘着付与樹脂を含まない。)の酸価をかかる範囲内の値とすることにより、粘着剤組成物全体の極性が高くなり過ぎることを抑制できるからである。
すなわち、かかる酸価の値が200KOHmg/gを超えた値となると、低極性表面に対する粘着力が得られなくなる。
したがって、(B)成分である粘着付与樹脂の酸価を1〜150KOHmg/gの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜100KOHmg/gの範囲内の値とすることがさらに好ましく、3〜50KOHmg/gの範囲内の値とすることが特に好ましい。
なお、粘着付与樹脂の酸価とは、試料としての粘着付与樹脂1g中に含まれる遊離脂肪酸や樹脂酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数であり、JIS K 5407に準じて測定される値を、下記式(1)に代入することにより算出される値を意味する。
また、下記式(10)中、Aは0.1mol/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の使用量(ミリリットル)、fは0.1mol/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液のファクター、Sは試料の使用量(g)を示す。
酸価(KOHmg/g)=(A×f×5.611)/S (10)
(2)−3 配合量
また、(B)成分である所定の粘着付与樹脂の配合量を、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマー100重量部に対して、80〜160重量部の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、(B)成分の配合量をかかる範囲内の値とすることにより、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性を好適な範囲に調節することができるためである。
すなわち、かかる配合量が80重量部未満の値となると、基本的な粘着力を十分に向上させることが困難になる場合があるためである。一方、かかる配合量が160重量部を超えた値となると、所定の末端シリル基ポリマーに対する相溶性が過度に低下して、低極性表面を有する被着体に対する粘着力を十分に向上させることが困難になる場合があるためである。
したがって、(B)成分である所定の粘着付与樹脂の配合量を、(A)成分である末端シリル基ポリマー100重量部に対して、85〜150重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、90〜140重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
次いで、図2を用いて、所定の粘着付与樹脂の配合量と、ポリテトラフルオロエチレン板(PTFE板)に対する粘着剤層の粘着力との関係について説明する。
すなわち、図2には、横軸に(A)成分である末端シリル基ポリマー100重量部に対する(B)成分であるロジン系粘着付与樹脂(但し、ロジンフェノール系粘着付与剤を含まない。)の配合量(重量部)を採り、縦軸に、PTFE板に対する粘着剤層の粘着力(N/25mm)を採った特性曲線が示してある。
なお、粘着剤層の組成や粘着力の測定条件等については、実施例1に準じる。
かかる特性曲線からは、PTFE板に対する粘着力を向上させるに際し、(B)成分の配合量には最適範囲が存在していることが理解される。
すなわち、(B)成分の配合量が増加するのに伴って、PTFE板に対する粘着力は一旦増加した後、低下することが理解される。
より具体的には、(B)成分の配合量が80〜160重量部の範囲内の値であれば、PTFE板に対する粘着力を1.0N/25mm以上の優れた値とすることができる一方、それ以外の数値範囲では、PTFE板に対する粘着力を安定的に1.0N/25mm以上の値に維持することが困難になることが理解される。
よって、図2に示す特性曲線からは、(B)成分の配合量を、(A)成分100重量部に対して80〜160重量部の範囲内の値とすることで、低極性表面を有する被着体に対する粘着力を効果的に向上させられることが理解される。
(3)(C)成分:触媒
(3)−1 種類
また、本発明における粘着剤層を構成するにあたり、(C)成分として、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマーの硬化を促進するための触媒を含むとともに、当該触媒が、アルミ系触媒、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒および三フッ化ホウ素系触媒からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
この理由は、これらの触媒であれば、(A)成分同士の架橋密度の制御が容易になり、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性を、さらに好適な範囲に調節することができるためである。
また、アルミ系触媒としては、アルミニウムのアルコキシド、アルミニウムキレート、塩化アルミニウム(III)が好ましく、チタン系触媒としては、チタンのアルコキシド、チタンキレート、塩化チタン(IV)が好ましく、ジルコニウム系触媒としては、ジルコニウムのアルコキシド、ジルコニウムキレート、塩化ジルコニウム(IV)が好ましく、三フッ化ホウ素系触媒としては、三フッ化ホウ素のアミン錯体やアルコール錯体が特に好ましく使用される。
(3)−2 配合量
また、(C)成分である触媒の配合量を、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマー100重量部に対して、0.001〜10重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる配合量が0.001重量部未満の値となると、触媒作用が不十分となって、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性が過度に大きくなり、フッ素系化合物を含む被着体に対する粘着力が過度に低下する場合があるためである。一方、かかる配合量が10重量部を超えた値となると、触媒作用が過剰となって、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性が過度に小さくなり、低極性表面を有する被着体に対する粘着力が過度に低下する場合があるためである。
したがって、(C)成分である触媒の配合量を、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマー100重量部に対して、0.01〜8重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)(D)成分:アミノ基含有アルコキシシラン
また、(D)成分として、アミノ基含有アルコキシシランを、(C)成分1モルに対して、1モル以上含有することが好ましい。
この理由は、アミノ基含有アルコキシシランをかかる範囲で配合することにより、所定の末端シリル基ポリマーの架橋助剤としての効果を発揮し、粘着剤組成物の凝集力を、より好適な範囲に調節することができるためである。
したがって、(D)成分であるアミノ基含有アルコキシシランの配合量を、(C)成分1モルに対して1〜30モルの範囲内の値とすることがより好ましく、2〜10モルの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、アミノ基含有アルコキシシランとしては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。
(5)添加剤
また、本発明における粘着剤層には、上述した以外の成分として、例えば、(D)成分以外のシランカップリング剤、老化防止剤、ビニルシラン化合物や酸化カルシウム等の脱水剤、充填剤、導電性材料、熱伝導性材料、可塑剤、無水シリカ、アマイドワックス等の揺変剤、イソパラフィン等の希釈剤、水酸化アルミニウム、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤等の難燃剤、シリコーンアルコキシオリゴマー、アクリルオリゴマー等の機能性オリゴマー、顔料、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、乾性油等を添加混合してもよい。
また、これらの添加剤を加える場合には、添加剤の種類にもよるが、本発明の効果を損なわない程度に配合することが好ましく、その配合量を、(A)成分である所定の末端シリル基ポリマー100重量部に対して、0.01〜100重量部の範囲内の値とすることが好ましく、0.01〜70重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜40重量部の範囲内の値とすることが特に好ましい。
(6)ゲル分率
また、本発明における粘着剤層のゲル分率を30〜90%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、粘着剤層のゲル分率をかかる範囲内の値とすることにより、(A)成分同士の架橋密度がさらに好適な範囲に調節され、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性を、より一段と好適な範囲に調節することができるためである。
すなわち、粘着剤層のゲル分率が30%未満の値となると、(A)成分同士の架橋密度が過度に小さくなって、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性が過度に大きくなり、低極性表面を有する被着体に対する粘着力が過度に低下する場合があるためである。一方、粘着剤層のゲル分率が90%を超えた値となると、(A)成分同士の架橋密度が過度に大きくなって、所定の末端シリル基ポリマーに対する所定の粘着付与樹脂の相溶性が過度に小さくなり、低極性表面を有する被着体に対する粘着力が過度に低下する場合があるためである。
したがって、粘着剤層のゲル分率を32〜80%の範囲内の値とすることがより好ましく、35〜70%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、「粘着剤層のゲル分率」とは、硬化前の粘着剤組成物を基材に対して塗布した後、23℃、50%RH環境下にて14日間シーズニングした後、当該シーズニング後の粘着剤組成物(粘着剤層)を測定資料として浸漬法によって測定されるゲル分率を意味する。
また、ゲル分率の具体的な測定方法については、実施例に記載する。
(7)粘着力
また、本発明における粘着剤層のPTFE板に対する粘着力を1.0N/25mm以上の値とすることが好ましい。
この理由は、PTFE板に対する粘着力がかかる範囲内の値であれば、従来の粘着剤層では十分な粘着力を発揮することが困難であったフッ素系化合物を含む被着体に対してであっても、優れた粘着力を発揮することができるためである。
すなわち、かかる粘着力が1.0N/25mm未満の値となると、粘着剤層と、フッ素系化合物を含む被着体とを強固に密着させてなる積層体を得ることが困難になるためである。
したがって、粘着剤層のPTFE板に対する粘着力を1.0N/25mm以上の値とすることがより好ましく、3.0〜20.0N/25mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる粘着力の値は、実施例に記載の測定条件により測定される値を意味する。
(8)厚さ
また、粘着剤層の厚さを、1〜100μmの範囲内の値とすることが好ましく、5〜50μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、粘着剤層の厚さが薄すぎると、十分な粘着特性等が得られない場合があり、逆に、厚すぎると、残留溶剤が問題となる場合があるためである。
2.基材
また、本発明の粘着シートは、粘着剤層を基材の片面または両面上に備えることを特徴とする。
かかる基材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセチルセルロース、ポリノルボルネン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、塩化ビニル、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルエーテルサルフォンなどの樹脂からなる樹脂フィルムが好ましく挙げられる。
また、図3(a)に示すように、基材2がフッ素系化合物を含むことが好ましい。
この理由は、基材がフッ素系化合物を含んでいると、通常の粘着剤層を用いた場合には、基材と粘着剤層との間における層間剥離が生じ易くなるが、本発明の粘着シートであればかかる層間剥離の発生を安定的に防止することができるためである。
また、同様の観点から、図3(b)に示すように、基材2がプライマー層60を有するとともに、当該プライマー層60がフッ素系化合物を含むことが好ましい。
さらに、同様の観点から、図3(c)に示すように、フッ素系化合物を含む基材が、剥離シート8´であることも好ましい。
また、具体的なフッ素系化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)等のフッ素系樹脂が挙げられる。
また、基材2の厚さとしては、特に制限されるものではないが、通常1〜1000μmの範囲内の値とすることが好ましく、10〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
3.製造方法
本発明の粘着シートは、下記工程(1)〜(3)を経て構成することができる。
(1)(A)〜(B)成分を含む所定の粘着剤組成物を準備する工程
(2)粘着剤組成物を、基材に対して塗布して、塗布層を形成する工程
(3)粘着剤組成物を硬化させて、塗布層を粘着剤層とする工程
以下、粘着剤層を構成する工程につき、図面を適宜参照して、具体的に説明する。
(1)工程(1)(粘着剤組成物の準備工程)
工程(1)は、(A)〜(B)成分を含む所定の粘着剤組成物を準備する工程である。
より具体的には、例えば、(A)成分を所望により希釈溶剤で希釈し、撹拌下、(B)成分を添加して、均一な混合液とすることが好ましい。
続いて、得られた混合液に対し、(C)成分やその他の添加剤を添加した後、均一になるまで撹拌しつつ、所望の粘度になるように、必要に応じて希釈溶剤をさらに加えることにより、粘着剤組成物の溶液を得ることが好ましい。
なお、各成分の詳細および配合量等は、既に記載した通りであるため、省略する。
(2)工程(2)(粘着剤組成物の塗布工程)
工程(2)は、図4(a)に示すように、粘着剤組成物を、基材2に対して塗布して塗布層4を形成する工程である。
また、基材2上に粘着剤組成物を塗布する方法としては、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等を用いて、溶剤を加えた粘着剤組成物を塗布して塗布層4(塗膜)を形成した後、乾燥させることが好ましい。
このとき、塗布層4の厚さを、1〜100μmの範囲内の値とすることが好ましく、5〜50μmの範囲内の値とすることがより好ましい。
この理由は、塗布層4の厚さが薄すぎると、十分な粘着特性等が得られない場合があり、逆に、厚すぎると、乾燥が不十分となり残留溶剤が問題となる場合があるためである。
また、乾燥条件としては、通常、50〜150℃で、10秒〜10分の範囲内とすることが好ましい。
なお、基材の詳細については、既に記載した通りであるため、省略する。
(3)工程(3)(塗布層の硬化工程)
工程(3)は、粘着剤組成物の塗布層4を硬化させて、塗布層4を粘着剤層40とする工程である。
すなわち、図4(b)〜(c)に示すように、基材2上で乾燥させた状態の塗布層4の表面に対し、剥離フィルム8を積層させた状態で硬化させて、粘着剤層40とすることが好ましい。
あるいは、基材2上に塗布した粘着剤組成物の塗布層4を、先に硬化させ、粘着剤層40としたのち、剥離フィルム8に対して積層させてもよい。
若しくは、剥離フィルム8を最後まで積層させなくてもよい。
なお、粘着剤組成物の塗布層4における硬化は、上述した乾燥工程と、シーズニング工程とを通して行われる。
かかるシーズニング工程の条件としては、粘着剤組成物の塗布層4や基材2にダメージを与えることなく、かつ、粘着剤組成物の塗布層4を均一に硬化する観点から、温度を20〜50℃とすることが好ましく、23〜30℃とすることがより好ましい。
また、湿度としては、30〜75%RHとすることが好ましく、45〜65%RHとすることがより好ましい。
なお、最終的に得られた粘着シート100を被着体200に貼合する方法としては、図4(c)〜(d)に示すように、まず、粘着剤層40に積層してある剥離フィルム8を剥離し、次いで、表れた粘着剤層40の表面を、被着体200に対して密着させることによって貼合し、積層体を得ることが好ましい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、被着体上に粘着シートを積層してなる積層体であって、粘着シートが、基材の片面または両面上に、(A)成分である末端シリル基ポリマーと、(B)成分である粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物を粘着剤層として備えており、(A)成分である末端シリル基ポリマーが、主鎖または側鎖にウレタン結合および尿素結合、あるいはいずれか一方を有するとともに、主鎖の両末端に一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する末端シリル基ポリマーであり、(B)成分である粘着付与樹脂が、酸価が0〜200KOHmg/gの範囲内の値であるロジン系粘着付与樹脂(但し、ロジンフェノール系粘着付与樹脂を含まない。)であるとともに、(B)成分である粘着付与樹脂の配合量を、(A)成分である末端シリル基ポリマー100重量部に対して、80〜160重量部の範囲内の値とし、かつ、被着体の表面に対する水の接触角(測定温度:25℃)を72〜120°の範囲内の値とすることを特徴とする積層体である。
以下、第1の実施形態と重複する内容については省略しつつ、第2の実施形態の特徴的構成である被着体について具体的に説明する。
本発明は、図4(d)に示すように、被着体200の上に第1の実施形態において説明した粘着シート100を積層してなる積層体であって、被着体100の表面に対する水の接触角(測定温度:25℃)を72〜120°の範囲内の値とすることを特徴とする。
すなわち、本発明の積層体であれば、粘着シートとして所定の粘着シートを使用していることから、粘着シートと低極性表面を有する被着体とを強固に密着させてなる積層体を容易に得ることができる。
なお、被着体の表面に対する水の接触角(測定温度:25℃)を72〜120°の範囲内の値としたのは、かかる表面特性により「低極性表面」を定量的に規定するためである。
かかる表面特性を有する被着体の材料としては、第1の実施形態において例示したフッ素系樹脂等が挙げられるが、具体的には以下のような材料を例示することができる。
すなわち、ポリテトラフルオロエチレン(108〜113°)、ポリプロピレン(95〜98°)、ポリエチレン(92〜96°)、ポリトリフルオロエチレン(92°)、ポリトリフロロクロロエチレン(90°)、ポリスチレン(83〜87°)、ポリ塩化ビニル(83〜87°)、ポリ塩化ビニリデン(80°)、ポリエチレンテレフタレート(71〜81°)、ポリメチルメタクリレート(67〜74°)等が挙げられる。
また、被着体の態様としては、何ら限定されるものではなく、フィルム状であっても、立体的な成形品であってもよい。
また、被着体の本体が、例えば、金属のように低極性表面を有さない材料で構成されている場合であっても、粘着剤層が積層される界面に低極性表面を有するコーティング層を備えていれば、本発明における被着体に該当する。
すなわち、粘着剤層との界面が低極性表面となっているような被着体であれば、それらは全て本発明における被着体に該当する。
[実施例1]
1.粘着剤組成物の調製
(1)シリル化剤の準備
反応容器に、N−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン100重量部、アクリル酸メチル83.5重量部を仕込み、窒素雰囲気下にて80℃で10時間撹拌し、シリル化剤となるシラン化合物を得た。
(2)ウレタンプレポリマーの準備
別の反応容器に、ポリオキシプロピレンジオール(旭硝子(株)製、PML S4015、重量平均分子量15,000)100重量部、イソホロンジイソシアネート2.46重量部(NCO/OH比=1.7)、ジブチルスズジラウレート0.005重量部を仕込み、窒素雰囲気下にて85℃で7時間反応させ、ウレタンプレポリマーを得た。
(3)末端シリル基ポリマーの合成
次いで、得られたウレタンプレポリマー100重量部に対し、得られたシリル化剤としてのシラン化合物4.21重量部を添加し、窒素雰囲気下にて80℃で1時間反応させ、末端シリル基ポリマーを得た。
このとき、IRにてイソシアネート基の吸収(2265cm-1)の消失具合により反応の進行を確認した。
なお、得られた末端シリル基ポリマーは、主鎖であるポリオキシプロピレンの両末端に、下記式(9)で表わされる末端部分を有する、重量平均分子量40,000の両末端シリル基ポリマーであった。
また、シリル化剤の原材料をN−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランとしたことにより、得られた末端シリル基ポリマーには、2官能の末端シリル基が導入された。
(4)混合
次いで、得られた末端シリル基ポリマー100重量部に対し、溶媒としての酢酸エチル100重量部、粘着付与樹脂としてのロジンエステル系樹脂(荒川化学工業(株)製、パインクリスタルKE−311、酸価:6KOHmg/g)100重量部を添加し、均一になるまで撹拌して混合物を得た。
次いで、得られた混合物に含まれる末端シリル基ポリマー100重量部に対し、触媒としての三フッ化ホウ素モノエチルアミン錯体0.1重量部と、架橋助剤としての3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.6重量部を添加し、均一になるまで撹拌して硬化前の粘着剤組成物を得た。
なお、以下において、上述した粘着付与樹脂を「パインクリスタルKE−311」と略記する場合がある。
2.粘着剤組成物の塗布
次いで、得られた硬化前の粘着剤組成物を、厚さ50μmのポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラーT60)に対しナイフコーター法にて塗布した後、100℃で1分間乾燥させ、厚さが23μmの塗布層を形成した。
3.粘着剤組成物のシーズニング
次いで、得られた硬化前の粘着剤組成物の塗布層と、基材とからなる積層体を、23℃、50%RHの環境下に14日間放置(シーズニング)し、硬化前の粘着剤組成物を十分に硬化させ、塗布層を粘着剤層とし、実施例1の粘着シートを得た。
4.評価
(1)ゲル分率の評価
得られた粘着シートにおける粘着剤、すなわち、シーズニング工程を経た硬化後の粘着剤組成物のゲル分率を測定した。
すなわち、粘着剤を23℃、50%RHの環境下で、酢酸エチルに3日間浸漬させた後、100℃、30分間乾燥し、浸漬前後の重量を下記式(11)に代入し、ゲル分率を算出した。得られた結果を表1に示す。
ゲル分率(%)=(浸漬後の重量/浸漬前の重量)×100 (11)
(2)粘着力の評価
(2)−1 ポリテトラフルオロエチレン板(PTFE板)
得られた粘着シートにおける粘着力を測定した。
すなわち、得られた粘着シートから25mm×250mmの試験片を切り出し、2kgのゴムローラを用いて、切り出した粘着シートをPTFE板(ニチアス(株)製、TOMBO No.9000)に対して貼合し、貼合直後から24時間、23℃、59%RHの標準環境下に放置した。
次いで、引っ張り試験機(オリエンテック(株)製、テンシロン)を用いて、放置後の粘着シートを、PTFE板から、剥離速度300mm/分、剥離角度180°にて剥離し、このとき測定された剥離荷重を粘着力(N/25mm)とした。得られた結果を表1に示す。
また、用いたPTFE板の表面に対する水の接触角を測定した。
すなわち、PTFE板の表面に対する純水の接触角(測定温度25℃)を、接触角計(共和界面化学(株)製、FACE−CONTACT−ANGLE METER)を用いて液滴法にて測定したところ、103°であった。
(2)−2 ポリプロピレン板(PP板)
また、PTFE板の代わりに、PP板(ユーコウ商会(株)製、PE(コウベポリシート)EL−N−AN)を用いて、PTFE板の場合と同様に粘着力の測定を行った。得られた結果を表1に示す。
また、PP板の表面に対する水の接触角(測定温度:25℃)は97°であった。
(2)−3 ステンレス板(SUS板)
また、PTFE板の代わりに、ステンレス板(SUS304#360)を用いて、PTFE板の場合と同様に粘着力の測定を行った。得られた結果を表1に示す。
また、SUS板の表面に対する水の接触角(測定温度:25℃)は99°であった。
[実施例2]
実施例2では、粘着剤組成物を調製する際に、粘着付与樹脂としてのロジンエステル系樹脂を、別のロジンエステル系樹脂(荒川化学工業(株)製、パインクリスタルKE−359、酸価:15KOHmg/g)に変えたほかは、実施例1と同様に粘着シートを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、以下において、上述した粘着付与樹脂を「パインクリスタルKE−359」と略記する場合がある。
[実施例3]
実施例3では、粘着剤組成物を調製する際に、粘着付与樹脂としてのロジンエステル系樹脂を、別のロジンエステル系樹脂(荒川化学工業(株)製、パインクリスタルKE−100、酸価:6KOHmg/g)に変えるとともに、その配合量を140重量部としたほかは、実施例1と同様に粘着シートを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、以下において、上述した粘着付与樹脂を「パインクリスタルKE−100」と略記する場合がある。
[比較例1]
比較例1では、粘着剤組成物を調製する際に、粘着付与樹脂を加えなかったほかは、実施例1と同様に粘着シートを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例2では、粘着剤組成物を調製する際に、粘着付与樹脂を、テルペンフェノール系樹脂(ヤスハラケミカル(株)製、G125)に変えたほかは、実施例1と同様に粘着シートを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、以下において、上述した粘着付与樹脂を「G125」と略記する場合がある。
[比較例3]
比較例3では、粘着剤組成物を調製する際に、粘着付与樹脂を、石油系樹脂(α−メチルスチレン系樹脂)(イーストマンケミカル(株)製、クリスタレックス3100)に変えたほかは、実施例1と同様に粘着シートを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、以下において、上述した粘着付与樹脂を「クリスタレックス3100」と略記する場合がある。
[比較例4]
比較例4では、粘着剤組成物を調製する際に、粘着付与樹脂を、アクリル酸変性ロジン系樹脂(荒川化学工業(株)製、パインクリスタルKE−604、酸価:235KOHmg/g)に変えたほかは、実施例1と同様に粘着シートを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、以下において、上述した粘着付与樹脂を「パインクリスタルKE−604」と略記する場合がある。
[比較例5]
比較例5では、粘着剤組成物を調製する際に、粘着付与樹脂をパインクリスタルKE−100に変えるとともに、その配合量を180重量部としたほかは、実施例1と同様に粘着シートを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例6]
比較例6では、粘着剤組成物を調製する際に、粘着付与樹脂の配合量を60重量部に変えたほかは、実施例1と同様に粘着シートを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
[比較例7]
比較例7では、粘着剤組成物を調製する際に、粘着付与樹脂を、ロジンフェノール系樹脂(荒川化学工業(株)製、タマノル803L、酸価:55KOHmg/g)に変えたほかは、実施例1と同様に粘着シートを製造し、評価した。得られた結果を表1に示す。
なお、以下において、上述した粘着付与樹脂を「タマノル803L」と略記する場合がある。
*1:剥離過程で、数値範囲内の粘着力が不規則かつ断続的に測定される現象である「ジッピング」が発生したことを示す。
*2:PTFE板に対する粘着力が過度に低かったため、それ以上の測定をしなかったことを示す。
以上、詳述したように、本発明であれば、所定の末端シリル基ポリマーに対し、所定の粘着付与樹脂を所定の配合割合にて加えることにより、低極性表面を有する被着体に対してであっても、優れた粘着力を発揮することができる粘着剤組成物、ひいては、かかる粘着剤組成物からなる粘着剤層が得られるようになった。
その結果、低極性表面を有する被着体に対してであっても、優れた粘着力を発揮することができる粘着シートおよびそのような粘着シートと被着体とを強固に密着させてなる積層体を容易に得ることができるようになった。
したがって、本発明の粘着シートおよび積層体は、粘着シート等における品質の向上、特に、粘着シート等の適用対象の拡大に、著しく寄与することが期待される。
2:基材、4:塗布層、8、8´:剥離シート、10:ポリマー骨格、12:分子の主鎖、14(14a、14b):イソシアネート基、20:シリル化剤、22:活性水素基、24:加水分解性シリル基、30、30´、30´´:末端シリル基ポリマー、32(32a、32b):末端シリル基ポリマー末端部分、40:粘着剤層、60:プライマー層、100:粘着シート、100a:剥離シート付き粘着シート、200:被着体

Claims (10)

  1. 基材の片面または両面上に、(A)成分である末端シリル基ポリマーと、(B)成分である粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物を粘着剤層として備えた粘着シートであって、
    前記(A)成分である末端シリル基ポリマーが、主鎖または側鎖にウレタン結合および尿素結合、あるいはいずれか一方を有するとともに、主鎖の両末端に下記一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する末端シリル基ポリマーであり、
    前記(B)成分である粘着付与樹脂が、酸価が0〜200KOHmg/gの範囲内の値であるロジン系粘着付与樹脂(但し、ロジンフェノール系粘着付与樹脂を含まない。)であるとともに、
    前記(B)成分である粘着付与樹脂の配合量を、前記(A)成分である末端シリル基ポリマー100重量部に対して、80〜160重量部の範囲内の値とすることを特徴とする粘着シート。

    (一般式(1)中、X1〜X2はヒドロキシ基またはアルコキシ基であり、R1は炭素数1〜20のアルキル基である。)
  2. 前記(A)成分である末端シリル基ポリマーにおける主鎖の骨格がポリオキシアルキレンであることを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記(A)成分である末端シリル基ポリマーの重量平均分子量を1000〜200,000の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記(A)成分である末端シリル基ポリマーが、側鎖に一般式(1)で表される加水分解性シリル基を有さず、主鎖の両末端のみに一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する両末端シリル基ポリマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着シート。
  5. 前記(B)成分であるロジン系粘着付与樹脂が、ロジンエステル系粘着付与樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着シート。
  6. (C)成分として、(A)成分である末端シリル基ポリマーの硬化を促進するための触媒を含むとともに、当該触媒が、アルミ系触媒、チタン系触媒、ジルコニウム系触媒および三フッ化ホウ素系触媒からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着シート。
  7. 前記粘着剤層のゲル分率が30〜90%の範囲内の値であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着シート。
  8. 前記基材がフッ素系化合物を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着シート。
  9. 前記基材がプライマー層を有するとともに、当該プライマー層がフッ素系化合物を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の粘着シート。
  10. 被着体上に粘着シートを積層してなる積層体であって、
    前記粘着シートが、基材の片面または両面上に、(A)成分である末端シリル基ポリマーと、(B)成分である粘着付与樹脂とを含む粘着剤組成物を粘着剤層として備えており、
    前記(A)成分である末端シリル基ポリマーが、主鎖または側鎖にウレタン結合および尿素結合、あるいはいずれか一方を有するとともに、主鎖の両末端に下記一般式(1)で表わされる加水分解性シリル基を有する末端シリル基ポリマーであり、
    前記(B)成分である粘着付与樹脂が、酸価が0〜200KOHmg/gの範囲内の値であるロジン系粘着付与樹脂(但し、ロジンフェノール系粘着付与樹脂を含まない。)であるとともに、
    前記(B)成分である粘着付与樹脂の配合量を、前記(A)成分である末端シリル基ポリマー100重量部に対して、80〜160重量部の範囲内の値とし、かつ、
    前記被着体の表面に対する水の接触角(測定温度:25℃)を72〜120°の範囲内の値とすることを特徴とする積層体。

    (一般式(1)中、X1〜X2はヒドロキシ基またはアルコキシ基であり、R1は炭素数1〜20のアルキル基である。)
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