JP2015101394A - タンク及びタンクの補強方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のタンク形成部材が接合されることにより流体を収容可能な中空の収容部が内部に形成されたタンク本体の補強を容易に実現することができるタンク、及び、その補強方法を提供する。【解決手段】タンクの一種である燃料タンク11は、筒体16及び板体17からなる複数のタンク形成部材同士が接合されることにより燃料油等の流体を収容可能な中空の収容部18が内部に形成されたタンク本体15と、タンク本体15の外面のうち少なくとも筒体16と板体17との接合部19を被覆する被覆部20と、を備え、その被覆部20がポリウレア系樹脂を含んで構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、液体や気体等の流体を収容可能なタンク及びそのようなタンクの補強方法に関する。
従来から、例えば燃料油等の液体や燃料ガス等の気体を収容可能な中空の収容部を内部に有するタンクとして、自動車等の移動体に当該移動体の走行用燃料を収容した状態にて搭載される燃料タンク、備蓄基地等に設置される据置タイプの貯留タンク、及び人手等で運搬可能とされる可搬タンクなど、種々のタンクが知られている。また、こうしたタンクは鋼鉄製又は樹脂製のタンクであることが多く、その構造としては、例えば筒体の開口部に板体を接合することで内部に中空の収容部を形成したり、一対のシェル部材の凹面同士を対向させた状態にて互いの周縁同士を接合することで内部に中空の収容部を形成したりする構造が知られている(例えば特許文献1)。
特開2011−11571号公報
ところで、タンクを搭載した移動体が衝突事故を起こしたり、タンクを設置した地域が地震等の天災に巻き込まれたりした場合には、そのタンクに対して外部から大きな衝撃力が加わることがある。そして、その際の衝撃力によりタンクが変形した場合には、内部に収容されている液体や気体等の流体がタンク内で移動してタンクの内面に圧力を及ぼすため、そのタンクの一部が破断し、タンクの内部から液体や気体等の流体をタンク外に漏出させる虞があった。特に、タンクの一部が複数のタンク形成部材同士を溶接や巻き締め等により接合した接合部であって、当該タンクにおける他の部分よりも衝撃力に対して脆弱になっている場合には、そのような接合部において破断が生じ易いという問題があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数のタンク形成部材が接合されることにより流体を収容可能な中空の収容部が内部に形成されたタンク本体の補強を容易に実現することができるタンク、及び、その補強方法を提供することにある。
上記課題を解決するタンクは、複数のタンク形成部材同士が接合されることにより流体を収容可能な中空の収容部が内部に形成されたタンク本体と、前記タンク本体の外面のうち少なくとも前記タンク形成部材同士の接合部を被覆する被覆部と、を備え、前記被覆部がポリウレア系樹脂を含んで構成されている。
この構成によれば、例えばタンク本体に外部から衝撃力が加わった場合でも、タンク本体は、その外面のうち相対的に他の部分よりも脆弱となるタンク形成部材同士の接合部が柔軟性及び耐衝撃性に優れるポリウレア系樹脂を含んで構成された被覆部により被覆されているため、その強度が補強されて破断が抑制される。
また、上記タンクにおいて、前記被覆部は、前記タンク本体を包み込むように当該タンク本体の外面全体を被覆する樹脂層を含んでいることが好ましい。
この構成によれば、タンク本体は、相対的に脆弱部とされる接合部を含めた外面全体がポリウレア系樹脂の樹脂層により包み込まれた状態になる。そのため、例えば衝突事故時等において、あらゆる方向からタンクに対して物が衝突するような場合でも、タンク本体の外面全体を包み込んでいるポリウレア系樹脂の樹脂層により、タンク本体の保護を多面的に図ることができる。
また、上記タンクにおいて、前記被覆部は、前記タンク本体の外面における前記接合部を被覆する第1被覆部と前記接合部以外の面部位を被覆する第2被覆部とを有し、前記第1被覆部における樹脂層の厚さの方が前記第2被覆部における樹脂層の厚さよりも厚いことが好ましい。
この構成によれば、タンク本体は、相対的に脆弱部とされるタンク形成部材同士の接合部の補強が他の部分よりも強化されているので、タンク本体に外部から衝撃力が加わった場合にタンク形成部材同士の接合部において破断が生じる虞を更に低減できる。
また、上記タンクにおいて、前記樹脂層の厚さは、0.5mm〜10mmの範囲内であることが好ましい。
この構成によれば、ポリウレア系樹脂の樹脂層の厚さが0.5mm未満でないため、タンク本体が衝撃を受けて変形した際に樹脂層が破れる虞を低減できる一方、その樹脂層の厚さが10mmを越えないため、樹脂層を吹き付け等により形成するのに費やす時間が多大となって製造コストが増大する虞を低減できる。
さらに、上記課題を解決するタンクの補強方法は、複数のタンク形成部材同士が接合されることにより流体を収容可能な中空の収容部が内部に形成されたタンク本体の外面のうち少なくとも前記タンク形成部材同士の接合部を含む面部位に対して、当該面部位を被覆するようにポリウレア系樹脂を吹き付け又は塗布する工程と、その工程の後に前記ポリウレア系樹脂を乾燥させることにより、前記タンク本体を補強可能に被覆する被覆部を形成する工程とを備える。
この構成によれば、タンク本体の外面に対してポリウレア系樹脂を吹き付け又は塗布するという簡単な作業をするだけで、タンク本体の補強を図ることができる。
本発明によれば、複数のタンク形成部材が接合されることにより流体を収容可能な中空の収容部が内部に形成されたタンク本体の補強を容易に実現することができる。
(a)は第1実施形態のタンクである燃料タンクを車両の底部に取り付けた状態を示す模式正面図、(b)はその模式断面図。 (a)は比較例の燃料タンクの模式破断面図、(b)は本実施形態における樹脂層の厚さが3mmの場合の燃料タンクの模式破断面図、(c)は同じく樹脂層の厚さが5mmの場合の燃料タンクの模式破断面図。 タンクの試験体を落下させる落下衝撃試験設備の概要を示す模式図。 落下高さ3mの落下試験を経た各試験体を並べて示す写真であり、(a)は樹脂層の被覆無しの試験体の写真、(b)は厚さ3mmの樹脂層で外面が被覆された試験体の写真、(c)は厚さ5mmの樹脂層で外面が被覆された試験体の写真。 落下高さ5mの落下試験を経た各試験体を並べて示す写真であり、(a)は樹脂層の被覆無しの試験体の写真、(b)は厚さ3mmの樹脂層で外面が被覆された試験体の写真、(c)は厚さ5mmの樹脂層で外面が被覆された試験体の写真。 落下高さ8mの落下試験を経た各試験体を並べて示す写真であり、(a)は樹脂層の被覆無しの試験体の写真、(b)は厚さ3mmの樹脂層で外面が被覆された試験体の写真、(c)は厚さ5mmの樹脂層で外面が被覆された試験体の写真。 落下衝撃試験による各試験体の損傷比較を示す表。 (a)は第1実施形態での第1変形例の燃料タンクの模式破断面図、(b)は第1実施形態での第2変形例の模式破断面図。 (a)は第2実施形態のタンクである可搬タンクを示す模式斜視図、(b)はその模式破断面図。 (a)は第2実施形態での第1変形例の可搬タンクの模式破断面図、(b)は第2実施形態での第2変形例の可搬タンクの模式破断面図。 (a)は第3実施形態のタンクである貯留タンクを示す模式斜視図、(b)はその模式破断面図。 (a)は第3実施形態での第1変形例の貯留タンクの模式破断面図、(b)は第3実施形態での第2変形例の模式破断面図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態のタンクである燃料タンクについて、その燃料タンクの補強方法と共に、図を参照して説明する。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るタンクの一例としての燃料タンク11は、自動車やトラック等の移動体における車体12の底部12aに対して、金属製固定バンド等の固定部材13を用いて固定されている。すなわち、燃料タンク11は、トラック等の移動体の車体12に対して、その燃料タンク11の側面が車体12の外部に露出する状態で搭載されている。なお、燃料タンク11の側面には、その燃料タンク11内にガソリン等の燃料油(液体)を給油する際に用いるキャップ付き給油口14が設けられている。
図1(b)に示すように、燃料タンク11は、筒体形状をなすタンク本体15を備えている。このタンク本体15は、両端に開口を有する鋼鉄製の筒体16と、その筒体16の開口を閉塞可能な形状の同じく鋼鉄製の板体17とを備え、板体17の周縁部が筒体16の開口縁に接合されている。すなわち、本実施形態では、筒体16と板体17という複数のタンク形成部材同士が接合されることにより、タンク本体15の内部に液体や気体等の流体(本実施形態ではガソリン等の燃料油)を収容可能な収容部18が形成されている。
また、図1(b)に示すように、筒体16の開口縁と板体17の周縁部とは、二重巻き締め構造をなす接合態様で接合されている。その結果、タンク本体15の外面において、筒体16の開口縁と板体17の周縁部とが接合された箇所には、タンク本体15における他の部分よりも衝撃力に対して脆い脆弱部となる接合部19が形成される。なお、図示はしないが、タンク本体15内には、収容部18が収容している燃料油をエンジン等の内燃機関に供給する際に駆動されるポンプユニット等が配設されている。
また、図1(b)に示すように、燃料タンク11は、タンク本体15の外面全体がポリウレア系樹脂の樹脂層からなる被覆部20により被覆されている。この被覆部20は、タンク本体15の外面における筒体16と板体17との接合部19を被覆する第1被覆部20aと、接合部19以外の面部位を被覆する第2被覆部20bとを有し、タンク本体15のほぼ全体を包み込んでいる。なお、本実施形態における被覆部20を構成する樹脂層の厚さは、第1被覆部20aと第2被覆部20bとで略同一の厚さとなるように設定されている。
被覆部20の樹脂層の材料としては、イソシアネート成分とポリアミン成分とを含む超速硬化型のポリウレア系樹脂であって、例えば、LINE-X LLC(所在地:米国アラバマ州ハンツビル)製の「LINE-X・XS-100」や「LINE-X・XS-350」が好適に用いられる。勿論、ポリウレア系樹脂であれば、LINE-X LLC製の「LINE-X・XS-100」及び「LINE-X・XS-350」以外の他のポリウレア系樹脂を用いることも可能である。
因みに、「LINE-X・XS-100」は、イソシアネート混合物のLINE-X・XS-100・A剤(硬化剤)とポリオール・芳香族ジアミン混合物であるLINE-X・XS-100・B剤(樹脂)を加熱混合したポリウレア・ポリウレタン混成のエラストマー(ゴムのような高弾性を示す高分子物質)である。一方、「LINE-X・XS-350」は、イソシアネート混合物のLINE-X・XS-350・A剤(硬化剤)とポリオール・芳香族ジアミン混合物であるLINE-X・XS-350・B剤(樹脂)を加熱混合した100%ポリウレアのエラストマーである。
そして、これらのポリウレア系樹脂の物性(ASTM規格)について、例えば引っ張り強度(試験方法:ASTM D412)については、10〜50N/mm程度であることが好ましく、「LINE-X・XS-100」の場合が14.80N/mmである一方、「LINE-X・XS-350」の場合は23.7N/mmである。同様に、引き裂き強さ(試験方法:ASTM D624)については、30〜150N/mmであることが好ましく、「LINE-X・XS-100」の場合が51.7N/mmである一方、「LINE-X・XS-350」の場合は138.2N/mmである。つまり、被覆部20は、これらを材料とする樹脂層で構成されているため、燃料タンク11におけるタンク本体15を補強するのに十分な強度を有しているといえる。
なお、被覆部20として、これらのポリウレア系樹脂でタンク本体15の外面を被覆する樹脂層の厚みは0.5mm〜10mmの範囲内であることが好ましく、3mm〜5mmの範囲内であれば更に好ましい。その理由は、厚みが3mm未満であると、例えば衝突事故時など大きな衝撃力が加わった場合に生じるタンク本体15の内圧変化に伴う破断を抑制可能な強度が十分に得られなかったりするからであり、その厚みが0.5mm未満であると、タンク本体15が衝撃を受けて変形した際に樹脂層が破れる虞があるからである。その一方、厚みが5mmを超えると、タンク本体15の補強機能を有する樹脂層を形成するのに必要十分以上のポリウレア系樹脂を使用することになるからであり、その厚みが10mmを越えると、樹脂層を吹き付け等により形成するのに費やす時間も多大となって製造コストが増大するからである。
以上のように、燃料タンク11は、タンク本体15の外面がポリウレア系樹脂の樹脂層からなる被覆部20で被覆されることにより強度が補強されるが、そのような補強構造を形成する方法、すなわち、タンクの補強方法は以下のとおりである。
まず、筒体16と板体17など複数のタンク形成部材同士が接合されることにより流体(燃料油等の液体や燃料ガス等の気体)を収容可能な中空の収容部18が内部に形成されたタンク本体15を準備する。そして、そのタンク本体15の外面のうち少なくとも筒体16と板体17との接合部19などタンク形成部材同士の接合部を含む面部位(本実施形態では、外面全体)に対して、当該面部位を被覆するようにポリウレア系樹脂を吹き付けて被覆部20の樹脂層を形成する工程を実施する。
そして、その後にポリウレア系樹脂を乾燥させる工程を実施する。この場合、ポリウレア系樹脂は超速硬化するため、タンク本体15の外面に対する樹脂層からなる被覆部20の形成作業は迅速に完了する。なお、この場合における樹脂層の厚さは、前述したように0.5mm〜10mmの範囲内であることが好ましく、3mm〜5mmの範囲内であれば更に好ましい。そして、以上の作業が終了すると、タンク本体15の外面が補強機能を有する被覆部20としての樹脂層によって被覆された燃料タンク11が得られる。
次に、上記のように構成された本実施形態の燃料タンクの強度について、比較例の燃料タンクと比較をしながら説明する。
まず、図2(a)に示す比較例の燃料タンク11Aは、図2(b)(c)に示す本実施形態の燃料タンク11B,11Cの場合と同様に、筒体16の開口縁に板体17の周縁部が二重巻き締め構造の接合部19により接合されたタンク本体15を有している。但し、この比較例の燃料タンク11Aは、その外面がポリウレア系樹脂の樹脂層からなる被覆部20で被覆されていない。すなわち、比較例の燃料タンク11Aは、そのタンク本体15が被覆部20による被覆無しの燃料タンクである。
その一方、図2(b)(c)に示すように、本実施形態の二種類の燃料タンク11B,11Cは、タンク本体15の外面が接合部19の部分も含めて全体的に被覆部20により被覆されている。但し、図2(b)に示す燃料タンク11Bは、その外面を被覆する被覆部20の樹脂層の厚さが3mmのものであり、図2(c)に示す燃料タンク11Cは、その外面を被覆する被覆部20の樹脂層の厚さが5mmのものである。すなわち、本実施形態の二種類の燃料タンク11B,11Cは、タンク本体15の補強力に関係する樹脂層の厚さが異なる以外は互いに同一構成である。
そして、以上の各燃料タンク11A,11B,11Cの各強度を比較するに際しては、例えば図3に示すような落下衝撃試験設備30と、各燃料タンク11A,11B,11Cと同様の構成を有する試験体11a,11b,11cとが用いられる。落下衝撃試験設備30は、所定高さ(一例として10m程度)の位置に足場パイプ等からなる支持部31を有し、その支持部31から垂下された紐部材32により各試験体11a,11b,11cを所定の高さに吊り下げ保持可能とされている。また、支持部31の真下となる位置には基礎コンクリート版33aに山型鋼33bを格子状に配列して固定した衝突部33が設けられている。そして、試験体11a,11b,11cを吊り下げ保持した状態にある紐部材32を鋏等の切断部材34で切断することにより、各試験体11a,11b,11cを衝突部33に向けて落下させるようになっている。
なお、試験体11a,11b,11cは、市販の18リットルの缶体(通称:一斗缶、高さ350mm、断面240mm×240mmの直方体、UN仕様、JFE製缶株式会社製造)でタンク本体15を構成したものであり、その缶体の材質はティンフリースチール(JISG3315)、その板厚は0.32mmである。さらに、各試験体11a,11b,11cは、図2(a)(b)(c)に示す各燃料タンク11A,11B,11Cのように、予め缶体内を流体(例えば、水)でほぼ満タン状態とし、注水口蓋をエポキシ樹脂により接着固定したものである。
因みに、各試験体11a,11b,11cのうち、試験体11aは、図2(a)に示す比較例の燃料タンク11Aと同様の構成、すなわち、その外面がポリウレア系樹脂の樹脂層で被覆されていない被覆無しの試験体である。また、試験体11bは、図2(b)に示す燃料タンク11Bと同様の構成、すなわち、その外面が厚さ3mmの樹脂層で被覆された3mm被覆の試験体である。また、試験体11cは、図2(c)に示す燃料タンク11Cと同様の構成、すなわち、その外面が厚さ5mmの樹脂層で被覆された5mm被覆の試験体である。
そして、以上のような各試験体11a,11b,11cを用いた落下衝撃試験は、その落下高さが異なる複数回の試験を行った。すなわち、落下衝撃試験設備30の紐部材32に吊り下げ保持された各試験体11a,11b,11cと衝突部33との鉛直方向の距離を落下高さとした場合、その落下高さが3m、5m、8mの各々の場合について、紐部材32を切断して衝突部33上に各試験体11a,11b,11cを落下させる試験を各々実施した。
まず、図4(a)(b)(c)に示す各試験体11a,11b,11cは、落下高さが3mの落下衝撃試験を経たものである。この図4において各々の外観を比較してみると、一番右側の被覆無しの試験体11aには、衝突部33の山型鋼33bが局所的に食い込んだ跡が形成され、その食い込みによる部分的な変形が缶体に生じている。これに対して、3mm被覆の試験体11bと5mm被覆の試験体11cには、山型鋼33bの食い込みの跡は殆ど見られず、また缶体の変形も殆どない。また、全ての試験体11a,11b,11cにおいて、それぞれの缶体に破断(亀裂)は見当たらない。但し、被覆無しの試験体11aにおいては、エポキシ樹脂で接着固定していた注水口蓋が落下衝突時の缶体の変形により生じた缶体内の水圧変化で吹き飛ばされている。
次に、図5(a)(b)(c)に示す各試験体11a,11b,11cは、落下高さが5mの落下衝撃試験を経たものである。この図5において各々の外観を比較してみると、一番右側の被覆無しの試験体11aは、その缶体が山型鋼33bの食い込みにより大きく変形し、その缶体における他の部分よりも脆弱な接合部に大きな亀裂(破断)35を生じさせている。これに対して、3mm被覆の試験体11bと5mm被覆の試験体11cには、山型鋼33bの食い込みの跡が若干見られるものの、その食い込みは缶体に大きな亀裂(破断)を生じさせる程のものではなく、缶体の変形も僅かなものである。但し、3mm被覆の試験体11bにおいては、何回か落下衝撃試験を繰り返す中で、この図5等では視認できない程度の極小さな亀裂が生じることもあった。
更に、図6(a)(b)(c)に示す各試験体11a,11b,11cは、落下高さが8mの落下衝撃試験を経たものである。この図6において各々の外観を比較してみると、一番右側の被覆無しの試験体11aは、その缶体が山型鋼33bの食い込みにより原型を止めない程に押し潰され、その複数箇所に亀裂(破断)35を生じさせて大きく変形している。これに対して、3mm被覆の試験体11bには、山型鋼33bが局所的に食い込んだ跡が見られ、その缶体は相対的に脆弱部となる接合部において部分的な亀裂(破断)35を生じさせて変形している。また、一番左側の5mm被覆の試験体11bには、依然として、山型鋼33bの食い込みの跡は殆ど見られず、また缶体の変形も殆どない。
以上の各落下衝撃試験の試験結果について図7を参照して説明する。
図7に示すように、まず、落下高さが3mの場合は、各試験体11a,11b,11cにおいて目立った亀裂(破断)は視認されないものの、No.1の被覆無し(図7では塗膜厚なし)試験体11aでは、水漏れが発生している。これは、衝突部33との落下衝突時に缶体の注水口蓋が吹き飛ばされたことで、その開放された注水口から水が漏れたこともあるが、缶体が直接的に衝突部33の山型鋼33bと衝突することで目に見えないほどの微細なクラックが生じている可能性もある。なお、No.2とNo.3の被覆有り試験体11b,11cの場合は亀裂(破断)も水漏れも発生していない。
次に、落下高さが5mの場合は、No.4の被覆無し試験体11aとNo.5の3mm被覆の試験体11bにおいて、それぞれ亀裂(破断)と水漏れが認められるものの、その亀裂(破断)の程度は、被覆無しの方が630mmと遙かに大きく、その一方、3mm被覆の方は10mmという僅かなもので、その差は明確である。なお、No.6の5mm被覆の試験体11cの場合は亀裂(破断)も水漏れも発生していない。
また、落下高さが8mの場合は、No.7〜No.9の全ての試験体11a,11b,11cにおいて、それぞれ亀裂(破断)と水漏れが認められるものの、その亀裂(破断)の長さは、被覆無しの試験体11aの場合が970mmと断然大きく、3mm被覆の試験体11bでは360mm、そして5mm被覆の試験体11cでは更に小さな100mmとなっている。すなわち、被覆無しの場合よりは被覆有りの場合の方が、また、被覆の厚さが薄い場合よりは被覆の厚さが厚い場合の方が、亀裂(破断)は小さくなっている。
なお、図7の表には入れていないが、例えば被覆有りの試験体において、その樹脂層の厚さ(塗膜厚)を0.5mm未満(例えば0.4mm)にした場合には、落下高さが3mの場合において缶体の変形は僅かであったものの、その薄い樹脂層に破れが生じてしまうことがあった。その一方、樹脂層の厚さを10mm超(例えば15mm)にした場合には、落下高さが8mの場合でも缶体に亀裂(破断)が生じることは殆どなかった。但し、この場合は、そのような厚みのある樹脂層を形成するための時間が多大なものとなった。
また同様に、図7の表には入れていないが、被覆無しの試験体11aと、厚さ2mmの樹脂層で外面が被覆された2mm被覆の試験体と、3mm被覆の試験体11bとの各々について、落下高さが4mの落下衝撃試験を実施した。そして、この場合の各試験体での亀裂(破断)の発生状況等を比較してみると、被覆無しの試験体11aと2mm被覆の試験体において、それぞれ亀裂(破断)と水漏れが認められたものの、その亀裂(破断)の程度は被覆無しの方が360mmと遙かに大きく、その一方、2mm被覆の方は10mmという僅かなもので、その差は明確であった。なお、3mm被覆の試験体11bの場合は、亀裂(破断)も水漏れも発生していなかった。したがって、タンク本体15の外面を被覆する樹脂層の厚さに関しては、3mm以上であることが亀裂(破断)の発生を阻止する点では好ましいものの、2mm以上であれば、被覆無しの場合や0.5mm未満の場合との比較において、十分な強度を得ることができるということを確認できた。
以上の落下衝撃試験の結果に基づき、次のようなことが考察される。
すなわち、比較例の燃料タンク11A及び本実施形態の二種類の燃料タンク11B,11Cと各々対応した構成の各試験体11a,11b,11cは、その外面がポリウレア系樹脂の樹脂層で被覆されている場合の方が衝撃を受けたときの損傷の程度が軽減される。これは、樹脂層の被覆無し試験体11aの場合は、缶体が衝突時の衝撃力に抵抗できずに大きく塑性変形するのに対して、樹脂層の被覆有り試験体11b,11cの場合は、衝突時に缶体に伝達されるはずの衝撃力が被覆部20となる樹脂層で吸収されて緩和されることから、缶体の塑性変形が抑制されるものと推察される。
さらに、その場合の被覆部20の樹脂層の厚さに関しては、例えばハイスピードカメラ(撮影速度:1200コマ/秒)で撮影した落下衝撃試験時の各試験体11a,11b,11cの跳ね返り高さから、次のように考察される。
すなわち、ハイスピードカメラでの撮影結果より、樹脂層の被覆がある試験体11b,11cの場合は、樹脂層の被覆無し試験体11aの場合とは異なり、圧縮変形の最下点においてもポリウレア系樹脂の樹脂層が有する引っ張り強度や伸び特性により、落下して衝突部33に衝突した後の跳ね返りを確認することができた。そして、この場合の跳ね返り高さについては、樹脂層が3mm被覆の試験体11bよりも5mm被覆の試験体11cの方が大きかった。これは、樹脂層が5mm被覆の試験体11cの方が3mm被覆の試験体11bよりも引っ張り抵抗力が大きくなるので、衝撃力を受けて変形しようとする缶体に対する変形拘束力が強く働くからと推察される。したがって、被覆部20を構成する樹脂層の厚さは、使用する樹脂量が増えるという点はあるものの、一応、薄いよりは厚い方が衝撃を受けたときの損傷の程度を軽減できるものと考察される。
次に、以上のように構成された本実施形態の燃料タンク11の作用について、特に燃料タンク11に衝突などで衝撃力が加わった場合の作用に着目して以下説明する。
さて、図1に示すように移動体の車体12の底部12aに搭載された燃料タンク11に対して、移動体が衝突事故を起こした場合等において、そのタンク本体15を変形させるような衝撃力が加わったとする。この場合、その燃料タンク11が図2(a)に示す燃料タンク11Aのようにポリウレア系樹脂の樹脂層の被覆部20で被覆されていない場合には、そのタンク本体15に対して衝撃力が直接的に作用し、タンク本体15を大きく塑性変形させて破断させる虞がある。
これに対し、その燃料タンク11が図2(b)(c)に示す燃料タンク11B,11Cのようにポリウレア系樹脂の樹脂層の被覆部20で被覆されている場合には、そのタンク本体15に伝達される衝撃力が樹脂層の被覆部20で吸収される。すなわち、タンク本体15には減衰されて緩和された衝撃力が伝わることになり、燃料タンク11は、ポリウレア系樹脂の樹脂層からなる被覆部20で強度が補強される。そのため、そのタンク本体15に亀裂(破断)が生じることが抑制され、内部の収容部18に収容されている燃料油等の流体がタンク外に漏出する虞が低減される。
なお、図8(a)に示すように、燃料タンクは、タンク本体15において他の部分よりも脆弱部となる接合部19の部分だけがポリウレア系樹脂の樹脂層からなる被覆部20で被覆された燃料タンク111であってもよい。この場合も、タンク本体15の外面のうち衝撃力を受けた場合に破断しやすい脆弱部である接合部19が柔軟性及び耐衝撃性に優れるポリウレア系樹脂の樹脂層による被覆部20(20a)で被覆されているため、衝撃力に対する燃料タンク111の強度が補強されている。
また、図8(b)に示すように、燃料タンクは、相対的に脆弱な接合部19を被覆する第1被覆部20aにおける樹脂層の厚さの方が、他の部分を被覆する第2被覆部20bにおける樹脂層の厚さよりも厚く形成された燃料タンク211であってもよい。すなわち、この場合も、タンク本体15の外面のうち衝撃力を受けた場合に破断しやすい脆弱部である接合部19は柔軟性及び耐衝撃性に優れるポリウレア系樹脂の樹脂層による被覆部20(20a)で被覆されているため、衝撃力に対する燃料タンク111の強度が補強されている。
上記実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)例えば燃料タンク11のタンク本体15に外部から衝撃力が加わった場合でも、タンク本体15は、その外面のうち相対的に他の部分よりも脆弱部となる筒体16と板体17との接合部19が柔軟性及び耐衝撃性に優れるポリウレア系樹脂を含んで構成された被覆部により被覆されているため、その強度が補強されて破断が抑制される。
(2)燃料タンク11のタンク本体15は、相対的に脆弱部とされる接合部19を含めた外面全体が被覆部20を構成するポリウレア系樹脂の樹脂層により包み込まれた状態になる。そのため、例えば衝突事故時等において、あらゆる方向から燃料タンク11に対して外部から物が衝突するような場合でも、タンク本体15の外面全体を包み込んでいるポリウレア系樹脂の樹脂層により、タンク本体15の保護を多面的に図ることができる。
(3)例えば図8(b)に示す燃料タンク211のように、第1被覆部20aの樹脂層の厚さが第2被覆部20bの樹脂層よりも厚くされたタンク本体15の場合は、相対的に脆弱部とされるタンク形成部材同士の接合部19の補強が他の部分よりも強化されることになる。そのため、タンク本体15に外部から衝撃力が加わった場合に、筒体16と板体17というタンク形成部材同士の接合部19において破断が生じる虞を更に低減できる。
(4)燃料タンク11は、被覆部20となるポリウレア系樹脂の樹脂層の厚さが0.5mm未満でないため、タンク本体15が衝撃を受けて変形した際に樹脂層が破れる虞を低減できる一方、その樹脂層の厚さが10mmを越えないため、樹脂層を吹き付け等により形成するのに費やす時間が多大となって製造コストが増大する虞を低減できる。
(5)燃料タンク11の補強方法に関しては、タンク本体15の外面に対してポリウレア系樹脂を吹き付けるという簡単な作業をするだけで、タンク本体15の補強を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のタンクである可搬タンクについて、主として第1実施形態の燃料タンク11との相違点に着目して説明する。
図9(a)(b)に示すように、本実施形態に係るタンクの一例としての可搬タンク41は、タンク形成部材となる一対のシェル部材46,47の凹面同士を対向させた状態にて互いの周縁同士を接合することで内部に中空の収容部48を形成したタンク本体45を有している。なお、本実施形態では、一対のシェル部材46,47の周縁同士を溶接することにより、そのタンク本体45に接合部49が形成されている。また、その可搬タンク41の上面と側面が交差する角部には、その可搬タンク41内に燃料油(液体)等を給油する際に用いるキャップ付き給油口44が設けられると共に、その上面には、人手で運搬する際に手を掛けるための取手50が設けられている。
そして、この可搬タンク41においても、燃料タンク11の場合と同様に、タンク本体45の外面全体が当該タンク本体45のほぼ全体を包み込むポリウレア系樹脂の樹脂層からなる被覆部20により被覆されている。また、本実施形態における被覆部20を構成する樹脂層の厚さも、第1実施形態の燃料タンク11の場合と同様に、0.5mm〜10mmの範囲内であることが好ましく、3mm〜5mmの範囲内であれば更に好ましい。
なお、図10(a)に示すように、可搬タンクは、タンク本体45において他の部分よりも脆弱部となる接合部49の部分だけがポリウレア系樹脂の樹脂層からなる被覆部20で被覆された可搬タンク141であってもよい。この場合も、タンク本体45の外面のうち衝撃力を受けた場合に破断しやすい脆弱部である接合部49が柔軟性及び耐衝撃性に優れるポリウレア系樹脂の樹脂層による被覆部20(20a)で被覆されているため、衝撃力に対する可搬タンク141の強度が補強されている。
また、図10(b)に示すように、可搬タンクは、相対的に脆弱な接合部49を被覆する第1被覆部20aにおける樹脂層の厚さの方が、他の部分を被覆する第2被覆部20bにおける樹脂層の厚さよりも厚く形成された可搬タンク241であってもよい。すなわち、この場合も、タンク本体45の外面のうち衝撃力を受けた場合に破断しやすい脆弱部である接合部49は柔軟性及び耐衝撃性に優れるポリウレア系樹脂の樹脂層による被覆部20(20a)で被覆されているため、衝撃力に対する可搬タンク241の強度が補強されている。
この第2実施形態の可搬タンク41,141,241においても、第1実施形態の燃料タンク11,111,211の場合と同様の構成を有しているので、上記第1実施形態における(1)〜(5)と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のタンクである貯留タンクについて、主として第1実施形態の燃料タンク11との相違点に着目して説明する。
図11(a)(b)に示すように、本実施形態に係るタンクの一例としての貯留タンク61は、タンク形成部材となる複数のパネル部材66,67の端縁同士を接合することで内部に中空の収容部68を形成したタンク本体65を有している。この貯留タンク61は据置タイプのタンクであり、そのタンク本体65は例えばコンクリート製の基礎部62上に設置される。
なお、本実施形態では、タンク本体65の側壁を構成する複数のパネル部材67の端縁同士が溶接されると共に、その側壁の上下両端の各パネル部材67の端縁とタンク本体65の上壁及び底壁を構成する各パネル部材66の端縁とが巻き締め接合されることにより、脆弱部となる接合部69が形成されている。また、その貯留タンク61の側壁にはタンク本体65の収容部68内から燃料油等の流体を流出させたり、その収容部68内に外部から燃料油等の流体を流入させたりするためのパイプ63が設けられている。
そして、この貯留タンク61においても、燃料タンク11の場合と同様に、タンク本体65の外面全体が当該タンク本体65のほぼ全体を包み込むポリウレア系樹脂の樹脂層からなる被覆部20により被覆されている。また、本実施形態における被覆部20を構成する樹脂層の厚さも、第1実施形態の燃料タンク11の場合と同様に、0.5mm〜10mmの範囲内であることが好ましく、3mm〜5mmの範囲内であれば更に好ましい。
なお、図12(a)に示すように、貯留タンクは、タンク本体65において他の部分よりも脆弱部となる接合部69の部分だけがポリウレア系樹脂の樹脂層からなる被覆部20で被覆された貯留タンク161であってもよい。この場合も、タンク本体65の外面のうち衝撃力を受けた場合に破断しやすい脆弱部である接合部69が柔軟性及び耐衝撃性に優れるポリウレア系樹脂の樹脂層による被覆部20(20a)で被覆されているため、衝撃力に対する貯留タンク161の強度が補強されている。
また、図12(b)に示すように、貯留タンクは、相対的に脆弱な接合部69を被覆する第1被覆部20aにおける樹脂層の厚さの方が、他の部分を被覆する第2被覆部20bにおける樹脂層の厚さよりも厚く形成された貯留タンク261であってもよい。すなわち、この場合も、タンク本体65の外面のうち衝撃力を受けた場合に破断しやすい脆弱部である接合部69は柔軟性及び耐衝撃性に優れるポリウレア系樹脂の樹脂層による被覆部20(20a)で被覆されているため、衝撃力に対する貯留タンク261の強度が補強されている。
この第3実施形態の貯留タンク61,161,261においても、第1実施形態の燃料タンク11,111,211の場合と同様の構成を有しているので、上記第1実施形態における(1)〜(5)と同様の効果を得ることができる。
なお、上記各実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・ポリウレア系樹脂は、タンク本体15,45,65の外面に対して、吹き付けるのではなく、塗布することにより、被覆部20の樹脂層を形成するようにしてもよい。
・予めポリウレア系樹脂からなるシート状被覆部材を所定の膜厚(例えば3mm〜5mm)で形成しておき、そのシート状被覆部材をタンク本体15,45,65の外面に貼付して被覆部20を形成するようにしてもよい。
・タンク本体15,45,65を形成する複数のタンク形成部材同士の接合方法については、巻き締め接合や溶接による方法の他に、接着する方法やねじ締め結合による方法等でもよい。
・タンク本体15,45,65を形成するタンク形成部材の材質は鋼鉄製以外に例えば樹脂製であってもよい。
・タンク本体15,45,65の外面を被覆する被覆部20の構成要素としては、ポリウレア系樹脂の樹脂層に加えて、例えば炭素繊維やアラミド繊維などの強化繊維を樹脂層の内側又は外側に重ねて設けるようにしてもよい。このようにすれば、更に一層、タンク本体15,45,65の補強を図ることができる。
・ポリウレア系樹脂で構成された被覆部20は、タンク本体15,45,65の外面のうち脆弱部とされる接合部19,49,69の部分を被覆するものであれば、必ずしも、そのタンク本体15,45,65の外面全体を包み込むように被覆していなくてもよい。
・被覆部20において、接合部19,49,69を被覆する第1被覆部20aの厚さは他の部分を被覆する第2被覆部20bの厚さよりも薄くてもよい。但し、その場合も第1被覆部20aの厚さは0.5mm〜10mmであることが好ましく、3mm〜5mmであることが更に好ましい。
・ポリウレア系樹脂で構成された被覆部20の厚さは、10mmを越える厚さであってもよい。この場合、製造コストは嵩むものの、タンク本体15,45,65の強度を一層向上できる。
・タンク本体15,45,65の形状は、各実施形態の燃料タンク11、可搬タンク41、貯留タンク61の形状に限らず、例えばガスタンク等のように球体形状であったり、円筒形状であったり、任意である。また、可搬タイプのタンクとしては、ドラム缶や灯油缶などに適用することも可能である。
11,11A,11B,11C,111,211…燃料タンク(タンク)、15,45,65…タンク本体、16…筒体(タンク形成部材)、17…板体(タンク形成部材)、18,48,68…収容部、19,49,69…接合部、20…被覆部、20a…第1被覆部、20b…第2被覆部、41,141,241…可搬タンク(タンク)、46,47…シェル部材(タンク形成部材)、61,161,261…貯留タンク(タンク)。

Claims (5)

  1. 複数のタンク形成部材同士が接合されることにより流体を収容可能な中空の収容部が内部に形成されたタンク本体と、前記タンク本体の外面のうち少なくとも前記タンク形成部材同士の接合部を被覆する被覆部と、
    を備え、
    前記被覆部がポリウレア系樹脂を含んで構成されていることを特徴とするタンク。
  2. 前記被覆部は、前記タンク本体を包み込むように当該タンク本体の外面全体を被覆する前記ポリウレア系樹脂の樹脂層を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のタンク。
  3. 前記被覆部は、前記タンク本体の外面における前記接合部を被覆する第1被覆部と前記接合部以外の面部位を被覆する第2被覆部とを有し、前記第1被覆部における樹脂層の厚さの方が前記第2被覆部における樹脂層の厚さよりも厚いことを特徴とする請求項2に記載のタンク。
  4. 前記樹脂層の厚さは、0.5mm〜10mmの範囲内であることを特徴とする請求項2又は3に記載のタンク。
  5. 複数のタンク形成部材同士が接合されることにより流体を収容可能な中空の収容部が内部に形成されたタンク本体の外面のうち少なくとも前記タンク形成部材同士の接合部を含む面部位に対して、当該面部位を被覆するようにポリウレア系樹脂を吹き付け又は塗布する工程と、その工程の後に前記ポリウレア系樹脂を乾燥させることにより、前記タンク本体を補強可能に被覆する被覆部を形成する工程とを備えることを特徴とするタンクの補強方法。
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