JP2015101364A - ガラス基板梱包システム、及びガラス基板梱包方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】梱包ケースにガラス基板を容易に、正確に、且つ効率的に収納することを可能とするガラス基板梱包システムを提供する。
【解決手段】梱包対象のガラス基板Gを保持する保持手段11と、保持手段11を移動させることにより、ガラス基板Gを搬送する搬送手段12と、ガラス基板Gが一対の溝部5,6の夫々の長手方向の略延長上に位置するよう、保持手段11の位置決めを行う位置決め手段13とを備え、位置決め手段13は、保持手段11を一対の溝部5,6の対向方向であるX方向で位置決めするX方向規制部18と、保持手段11を一対の溝部5,6の夫々の幅方向であるY方向で位置決めするY方向規制部19と、保持手段11に一体に設けられ、X方向規制部18及びY方向規制部19に当接可能に構成された当接部16とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】梱包対象のガラス基板Gを保持する保持手段11と、保持手段11を移動させることにより、ガラス基板Gを搬送する搬送手段12と、ガラス基板Gが一対の溝部5,6の夫々の長手方向の略延長上に位置するよう、保持手段11の位置決めを行う位置決め手段13とを備え、位置決め手段13は、保持手段11を一対の溝部5,6の対向方向であるX方向で位置決めするX方向規制部18と、保持手段11を一対の溝部5,6の夫々の幅方向であるY方向で位置決めするY方向規制部19と、保持手段11に一体に設けられ、X方向規制部18及びY方向規制部19に当接可能に構成された当接部16とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、ガラス基板を梱包するガラス基板梱包システムに関する。さらに、本発明は、前記ガラス基板梱包システムを用いてガラス基板を梱包するガラス基板梱包方法に関する。
ガラス基板は、梱包ケースに収納して梱包したガラス基板梱包体として取り扱われることがある。例えば、ガラス基板を製造工程間で搬送したり、所定の荷姿に詰め替えたり、製品として出荷する場合において、ガラス基板の収納効率を高め、さらに搬送時等の安全性を確保するため、ガラス基板は梱包ケースに収納した状態とされる。
例えば、従来公知のガラス基板の梱包ケースとして、ボックス内に複数の支持溝を備えた側板を設け、当該側板の支持溝にガラス基板の一側端部を挿入することで、複数のガラス基板を梱包ケース内で固定するガラス基板輸送用ボックスがあった(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1によれば、このガラス基板輸送用ボックスを用いると、高い作業空間を要することなくガラス基板の収納作業を容易に行うことができ、さらにサイズの異なるガラス基板にも対応可能であることが記載されている。
また、板状物の梱包体として、板状物を基台に収納するに際し、板状物の板厚方向に所定間隔で複数の保持溝を有する保持パッドを使用し、板状物を略立直状態で基台上に配列配置させて収納するものがあった(例えば、特許文献2を参照)。特許文献2によれば、板状物の上下及び両側端部を上下の保持パッドの内壁面に設けた複数の保持溝に嵌め込むことによって、各板状物がその板厚方向に所定間隔で保持され、板状物は幅方向及び上下方向で位置決めされることが記載されている。
梱包ケースへのガラス基板の収納方法は、例えば、以下の工程(1)〜(3)によって行われる。(1)前工程を終えて待機しているガラス基板又は所定の形態で積層されているガラス基板を一枚ずつ保持する工程。(2)ガラス基板を梱包ケース付近まで移動させる工程。(3)ガラス基板を梱包ケースに挿入する工程。これら一連の工程を繰り返すことにより、梱包ケースに複数のガラス基板が収納されたガラス基板梱包体が完成する。従って、ガラス基板の梱包作業を行うにあたっては、梱包ケースの収納位置にガラス基板を正確に位置決めして収納することが求められる。特に、近年、大型化しているフラットパネルディスプレイ用のガラス基板や太陽電池モジュール用のガラス基板について梱包作業を行う場合は、より慎重且つ正確な作業が求められる。
この点に関し、特許文献1の梱包ケースは、ボックス本体内に設けられる側板の支持溝にガラス基板を位置合わせする機構を備えていない。特許文献1の梱包ケースには、側板を任意の位置で位置決め保持する「突っ張り支持装置」が備わっているが、これは、ボックス本体内における側板の位置を決定する機構であり、収納するガラス基板に合わせて収納スペースの大きさを調整するために設けられたものである。特許文献2の板状物の梱包体においても、基台に設けた保持パッドに対して板状物を位置合わせする機構を備えていない。このように、特許文献1及び特許文献2を初めとする従来の技術では、梱包ケースの収納位置にガラス基板を正確に合わせることができないため、梱包作業を効率的に行えるものではなかった。特に、大型のガラス基板を取り扱う場合においては、梱包ケースに対するガラス基板の相対的なサイズが大きくなるため、ガラス基板の位置合わせ精度が要求されることとなり、梱包装置や梱包方法に改善が求められる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、梱包ケースにガラス基板を容易に、正確に、且つ効率的に収納することを可能とするガラス基板梱包システム、及びガラス基板梱包方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係るガラス基板梱包システムの特徴構成は、矩形のガラス基板の対向する端辺部が夫々挿入される一対の溝部が両側面の内側に対向して設けられた梱包ケースにガラス基板を梱包するものであって、梱包対象のガラス基板を保持する保持手段と、前記保持手段を移動させることにより、前記ガラス基板を搬送する搬送手段と、前記ガラス基板が前記一対の溝部の夫々の長手方向の略延長上に位置するよう、前記保持手段の位置決めを行う位置決め手段とを備え、前記位置決め手段は、前記保持手段を前記一対の溝部の対向方向であるX方向で位置決めするX方向規制部と、前記保持手段を前記一対の溝部の夫々の幅方向であるY方向で位置決めするY方向規制部と、前記保持手段に一体に設けられ、前記X方向規制部及び前記Y方向規制部に当接可能に構成された当接部とを備えることにある。
本構成のガラス基板梱包システムによれば、ガラス基板を一対の溝部が両側面の内側に対向して設けられた梱包ケースに収納するにあたり、位置決め手段を利用することで、ガラス基板を保持する保持手段を梱包ケースに対して正確に配置することができる。ここで、位置決め手段は、保持手段を一対の溝部の対向方向であるX方向で位置決めするX方向規制部と、保持手段を一対の溝部の夫々の幅方向であるY方向で位置決めするY方向規制部とを備えており、保持手段には、X方向規制部及びY方向規制部に当接可能に構成された当接部が一体に設けられているため、保持手段の当接部をX方向規制部及びY方向規制部に当接させることで、保持手段の正確な位置決めが可能となる。その結果、保持手段で保持しているガラス基板を、梱包ケースの両側面の内側に対向して設けられている一対の溝部の夫々の長手方向の略延長上に位置させることができ、その後の梱包ケースへのガラス基板の収納作業を正確且つ効率的に行うことができる。また、本構成のガラス基板梱包システムを用いれば、特に取扱いに慎重を要する大型のガラス基板についても、梱包ケースへの収納作業を容易に行うことができる。
本発明に係るガラス基板梱包システムにおいて、前記X方向規制部は、所定間隔を空けて対向配置された第一X方向規制部及び第二X方向規制部を備え、前記第一X方向規制部は、前記当接部が当接して前記保持手段を前記X方向で位置決めし、前記第二X方向規制部は、前記当接部が当接して前記一対の溝部の一方の長手方向の略延長上に前記ガラス基板の端辺部が位置するよう、前記保持手段を前記X方向で位置決めすることが好ましい。
本構成のガラス基板梱包システムによれば、所定間隔を空けて対向配置された第一X方向規制部及び第二X方向規制部を利用することで、X方向における保持手段の位置決めを確実に行うことができる。すなわち、第一X方向規制部に当接部を当接させると、保持手段はX方向における任意の位置で位置決めされ、第二X方向規制部に当接部を当接させると、保持手段が保持しているガラス基板の端辺部を一対の溝部の一方の長手方向の略延長上に近づけることができる。このとき、ガラス基板の対向する端辺部の一部が、梱包ケースの両側面の内側に対向して設けられている一対の溝部に挿入された状態となり得るため、その後の梱包ケースへのガラス基板の収納作業をより正確且つ効率的に行うことができる。また、本構成のガラス基板梱包システムを用いれば、特に取扱いに慎重を要する大型のガラス基板についても、梱包ケースへの収納作業を容易に行うことができる。
本発明に係るガラス基板梱包システムにおいて、前記Y方向規制部は、所定間隔を空けて並列配置された第一Y方向規制部及び第二Y方向規制部を備え、前記第一Y方向規制部は、前記当接部が当接して前記保持手段を前記Y方向で位置決めし、前記第二Y方向規制部は、前記当接部が当接して前記一対の溝部の一方の長手方向の略延長上に前記ガラス基板の端辺部が位置するよう、前記保持手段を前記Y方向で位置決めすることが好ましい。
本構成のガラス基板梱包システムによれば、所定間隔を空けて並列配置された第一Y方向規制部及び第二Y方向規制部を利用することで、Y方向における保持手段の位置決めを確実に行うことができる。すなわち、第一Y方向規制部に当接部を当接させると、保持手段はY方向における任意の位置で位置決めされ、第二Y方向規制部に当接部を当接させると、保持手段が保持しているガラス基板の端辺部を一対の溝部の一方の長手方向の略延長上に近づけることができる。このとき、梱包ケースの両側面の内側に対向して設けられている一対の溝部と、ガラス基板の対向する端辺部とが接近するため、その後の梱包ケースへのガラス基板の収納作業をより正確且つ効率的に行うことができる。また、本構成のガラス基板梱包システムを用いれば、特に取扱いに慎重を要する大型のガラス基板についても、梱包ケースへの収納作業を容易に行うことができる。
本発明に係るガラス基板梱包システムにおいて、前記一対の溝部が前記梱包ケースの前記両側面の内側に沿って並列して複数設けられ、前記X方向規制部及び前記Y方向規制部を前記一対の溝部の並列方向に移動させる規制部移動手段をさらに備えることが好ましい。
本構成のガラス基板梱包システムによれば、一対の溝部が両側面の内側に沿って並列して複数設けられた梱包ケースにガラス基板を収納する場合、その収納作業を連続的に行うことができる。すなわち、一対の溝部へのガラス基板の挿入が完了したら、規制部移動手段がX方向規制部及びY方向規制部を一対の溝部の並列方向に移動させることで、次の一対の溝部にガラス基板を挿入する準備が整う。この作業を繰り返すことで、梱包ケースに複数のガラス基板を迅速に収納することができる。
上記課題を解決するための本発明に係るガラス基板梱包方法の特徴構成は、上記の何れか一つに記載のガラス基板梱包システムを用いて矩形のガラス基板を梱包するものであって、梱包対象のガラス基板を前記保持手段で保持する保持工程と、前記保持手段を移動させることにより、保持した前記ガラス基板を前記梱包ケースの近傍に向けて搬送する搬送工程と、前記当接部が前記X方向規制部に当接するまで前記保持手段を移動させることにより、前記保持手段を前記X方向で位置決めするX方向位置決め工程と、前記当接部が前記Y方向規制部に当接するまで前記保持手段を移動させることにより、前記保持手段を前記Y方向で位置決めするY方向位置決め工程と、前記X方向位置決め工程及び前記Y方向位置決め工程の後、前記保持手段を前記一対の溝部の夫々の長手方向に移動させて、前記ガラス基板を前記梱包ケースの前記溝部に挿入する収納工程と、を包含することにある。
本構成のガラス基板梱包方法によれば、上述したガラス基板梱包システムと同様の作用効果が得られる。すなわち、X方向及びY方向における保持手段の正確な位置決めが可能となるため、保持手段で保持しているガラス基板を、梱包ケースの両側面の内側に対向して設けられている一対の溝部の夫々の長手方向の略延長上に位置させた状態で、保持手段を一対の溝部の夫々の長手方向に移動させると、ガラス基板の収納作業を正確且つ効率的に行うことができる。また、本構成のガラス基板梱包方法を実行すれば、特に取扱いに慎重を要する大型のガラス基板についても、梱包ケースへの収納作業を容易に行うことができる。
本発明に係るガラス基板梱包方法において、前記一対の溝部は、溝の長さが互いに異なる長溝部及び短溝部から構成され、前記長溝部及び短溝部は、夫々の開口が対向し、且つ前記長溝部の端部が前記短溝部の端部より突出するように設けられ、前記Y方向位置決め工程で前記保持手段の前記Y方向の位置決めをした後、前記保持手段の前記当接部を前記Y方向規制部に当接させた状態で前記保持手段を前記X方向にスライドさせて前記ガラス基板の一方の端辺部を前記長溝部に挿入し、その状態で前記収納工程を実行することが好ましい。
本構成のガラス基板梱包方法によれば、梱包ケースの両側面の内側に対向して設けられた一対の溝部を、溝の長さが互いに異なる長溝部及び短溝部で構成することで、梱包ケースへのガラス基板の収納作業がより容易なものとなる。すなわち、一対の溝部は、長溝部の端部が短溝部の端部より突出するように設けられているため、Y方向位置決め工程において、ガラス基板の一方の端辺部を短溝部の端部に接近させると、ガラス基板のもう一方の端辺部が長溝部の開口に隣接するように位置する。この状態で、保持手段をX方向にスライドさせると、ガラス基板の端辺部が長溝部の開口に挿入され、ガラス基板の姿勢が安定する。そして、そのまま保持手段を一対の溝部の夫々の長手方向に移動させると、ガラス基板を容易に収納することができる。
本発明に係るガラス基板梱包方法において、前記X方向規制部は、所定間隔を空けて対向配置された第一X方向規制部及び第二X方向規制部を備え、前記Y方向規制部は、所定間隔を空けて並列配置された第一Y方向規制部及び第二Y方向規制部を備え、前記X方向位置決め工程及び前記Y方向位置決め工程において、前記保持手段の前記当接部を前記第一X方向規制部に当接させ、前記X方向において前記保持手段の当接部を前記長溝部から離間するように位置決めする離間工程と、前記保持手段の前記当接部を前記第一Y方向規制部に当接させ、前記Y方向において前記保持手段の当接部を前記短溝部の長手方向の略延長上に位置するように位置決めする短溝部位置決め工程と、前記保持手段の前記当接部を前記第二Y方向規制部に当接させることにより、前記保持手段で保持している前記ガラス基板を前記長溝部の開口に隣接するように待機させる待機工程と、前記保持手段の前記当接部を前記第二X方向規制部に当接させるとともに、前記保持手段で保持している前記ガラス基板を前記長溝部に開口側から挿入する挿入工程とを実行することが好ましい。
本構成のガラス基板梱包方法によれば、所定間隔を空けて対向配置された第一X方向規制部及び第二X方向規制部、並びに所定間隔を空けて並列配置された第一Y方向規制部及び第二Y方向規制部を利用することで、X方向及びY方向における保持手段の位置決めを確実に行うことができる。すなわち、第一X方向規制部に当接部を当接させると保持手段はX方向において長溝部から離間するように位置決めされ、第一Y方向規制部に当接部を当接させると保持手段はY方向において短溝部の長手方向の略延長上に位置するように位置決めされ、第二Y方向規制部に当接部を当接させると保持手段で保持しているガラス基板が長溝部の開口に隣接するように待機し、第二X方向規制部に当接部を当接させると保持手段で保持しているガラス基板が長溝部に開口側から挿入される。この一連の工程により、梱包ケースへのガラス基板の収納作業をより正確且つ効率的に行うことができる。また、本構成のガラス基板梱包方法を実行すれば、特に取扱いに慎重を要する大型のガラス基板についても、梱包ケースへの収納作業を容易に行うことができる。
本発明に係るガラス基板梱包方法において、前記一対の溝部が前記梱包ケースの前記両側面の内側に沿って並列して複数設けられ、前記一対の溝部への前記ガラス基板の挿入が完了後、前記X方向規制部及び前記Y方向規制部を前記一対の溝部の並列方向に移動させる規制部移動工程を包含することが好ましい。
本構成のガラス基板梱包方法によれば、上述したガラス基板梱包システムと同様の作用効果が得られる。すなわち、梱包ケースに複数のガラス基板を迅速に収納することができる。
以下、本発明のガラス基板梱包システム、及びガラス基板梱包方法に関する実施形態について、図1〜図4を参照しながら説明する。なお、説明の便宜上、初めに本発明のガラス基板梱包システムにおいて使用する梱包ケースについて説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
<ガラス基板梱包システム>
図1は、本発明のガラス基板梱包システムにおいて使用する梱包ケース1の概略斜視図である。梱包ケース1は、ガラス製品の移送等に使用されるものであり、本実施形態では、矩形のガラス基板Gを梱包する直方体形状の梱包ケース1を例示する。梱包ケース1は、その上面2及び前面3を梱包ケース1に対して着脱可能な面部材で構成し、これにより梱包ケース1の上方から前方にかけて開口領域を形成することができる。また、必要に応じて、後述する側面4の上方部も開口可能に構成することができる。図1では、梱包ケース1の上面2及び前面3を取り外した状態を示してある。梱包ケース1にガラス基板Gを梱包するにあたっては、梱包ケース1の開口領域からガラス基板Gを侵入させ、梱包ケース1の内部に設けられた一対の溝部5,6にガラス基板Gの対向する端辺部G1,G2を夫々挿入する。一対の溝部5,6は、図1に示すように、梱包ケース1の側面4,7の内側に沿って並列するように複数組設けられる。従って、本発明で使用する梱包ケース1は、複数のガラス基板Gを整然と且つ効率よく収納し、梱包することが可能である。なお、梱包ケース1内におけるガラス基板Gの収納姿勢をより安定させるため、一対の溝部5,6の間の梱包ケース1の底面上に、追加の溝部8,9を設けることも可能である。
図1は、本発明のガラス基板梱包システムにおいて使用する梱包ケース1の概略斜視図である。梱包ケース1は、ガラス製品の移送等に使用されるものであり、本実施形態では、矩形のガラス基板Gを梱包する直方体形状の梱包ケース1を例示する。梱包ケース1は、その上面2及び前面3を梱包ケース1に対して着脱可能な面部材で構成し、これにより梱包ケース1の上方から前方にかけて開口領域を形成することができる。また、必要に応じて、後述する側面4の上方部も開口可能に構成することができる。図1では、梱包ケース1の上面2及び前面3を取り外した状態を示してある。梱包ケース1にガラス基板Gを梱包するにあたっては、梱包ケース1の開口領域からガラス基板Gを侵入させ、梱包ケース1の内部に設けられた一対の溝部5,6にガラス基板Gの対向する端辺部G1,G2を夫々挿入する。一対の溝部5,6は、図1に示すように、梱包ケース1の側面4,7の内側に沿って並列するように複数組設けられる。従って、本発明で使用する梱包ケース1は、複数のガラス基板Gを整然と且つ効率よく収納し、梱包することが可能である。なお、梱包ケース1内におけるガラス基板Gの収納姿勢をより安定させるため、一対の溝部5,6の間の梱包ケース1の底面上に、追加の溝部8,9を設けることも可能である。
図2は、本発明のガラス基板梱包システム10の概略斜視図である。ガラス基板梱包システム10は、上述の梱包ケース1にガラス基板Gを収納し、梱包するために使用される。なお、図2では、梱包ケース1の内部構成を理解し易くするため、破線により梱包ケース1の内側の輪郭を示すとともに、図1に示してある複数組の一対の溝部5,6のうち、一組のみを示してある。
一対の溝部5,6は、溝の長さが互いに異なる長溝部5及び短溝部6として構成される。長溝部5は側面7の内側に沿うように設けられ、短溝部6は側面4の内側に沿うように設けられる。長溝部5には断面がV字型の溝5aが形成され、溝5aの長さ方向に開口5bが延在している。短溝部6には断面がV字型の溝6aが形成され、溝6aの長さ方向に開口6bが延在している。なお、溝5a及び溝6aの断面形状は、V字型の他に、例えば凹型やU字型に構成することも可能である。長溝部5の溝5aの開口5bと短溝部6の溝6aの開口6bとは互いに対向している。本明細書では、長溝部5と短溝部6との対向方向、より詳細には、同一水平面上における長溝部5の開口5bから臨むV字型の溝5aの最奥部と、短溝部6の開口6bから臨むV字型の溝6aの最奥部とを結ぶ線分の方向を「X方向」と規定する。また、長溝部5又は短溝部6の幅方向、より詳細には、同一水平面上における長溝部5の開口5bの両端を結ぶ線分、又は短溝部6の開口6bの両端を結ぶ線分の方向を「Y方向」と規定する。さらに、X方向及びY方向に直交する方向を「Z方向」と規定する。本実施形態においては、Z方向が鉛直上下方向である場合を例として説明する。梱包ケース1へのガラス基板Gの収納は、後述するX方向位置決め工程及びY方向位置決め工程を行った後、長溝部5の溝5aにガラス基板Gの端辺部G1を挿入し、短溝部6の溝6aにガラス基板Gの端辺部G2を挿入して行われる。長溝部5及び短溝部6は、図2に示すように、長溝部5の端部5cが短溝部6の端部6cより突出するように設けられる。ここで、長溝部5の端部5cの高さ位置と、短溝部6の端部6cの高さ位置との差を、ガラス基板Gの端辺部G1,G2の長さの1/4以上、好ましくは1/2以上に設定すると、後述の「ガラス基板梱包方法」において説明する長溝部5にガラス基板Gを挿入する挿入工程を行ったとき、ガラス基板Gの姿勢が安定する。その結果、その後に続くガラス基板Gを梱包ケース1の長溝部5及び短溝部6に挿入する収納工程を容易に行うことができる。
本発明のガラス基板梱包システム10は、上記の梱包ケース1にガラス基板Gを収納し、梱包するために、ガラス基板Gを保持する保持手段11、ガラス基板Gを搬送する搬送手段12、及び保持手段11の位置決めを行う位置決め手段13を備えている。さらに、ガラス基板梱包システム10は、上記各手段に追加可能な構成として、規制部移動手段14を備えている。
本発明において梱包対象となるガラス基板Gは、前工程(ガラス板を所定のサイズに切断する切断工程等)を終えて待機状態とされているガラス基板や、載置台に積層された状態にあるガラス基板等である。保持手段11は、このような状態のガラス基板Gを一枚ずつ保持することができる。図2では、ガラス基板Gの表面に対して4つの吸盤15を吸着させ、ガラス基板Gを立直状態で保持するタイプの保持手段11が例示されている。この場合、保持手段11の吸盤15には図示しない負圧源が接続される。負圧源の圧力を調整することで、保持手段11によるガラス基板Gの保持又は解除が行われる。また、保持手段11には、後述する位置決め手段13の構成部材の一つである当接部16が、保持手段11と一体に設けられている。当接部16の詳細については後述する。
搬送手段12は、ガラス基板Gを保持している保持手段11を梱包ケース1付近まで移動させ、梱包ケース1内の所定位置にガラス基板Gを収納する。図2では、下方に保持手段11を懸架しながら搬送可能な搬送手段12が例示されている。搬送手段12には、例えば、電動モータ、電気式アクチュエータ等の動力源を備えた駆動機構を採用することができる。搬送手段12はXYZ方向に移動可能に構成されているため、保持手段11は搬送手段12の動作に応じて三次元的に移動することができる。搬送手段12の移動は、手動による操作で行うことも可能である。搬送手段12を手動で移動させる場合、作業者は搬送手段12に設けられた操作ハンドル17を把持して所望の方向に付勢又は牽引する。このとき、搬送手段に作業者の力を補助するアシスト機構を設けておくことが好ましい。この場合、作業者による保持手段11の微妙な位置調整を可能としながら、作業者の負担を低減することができる。アシスト機構としては、例えば、作業者の操作力を増強させる油圧式アクチュエータ等を採用することができる。
位置決め手段13は、保持手段11の位置を適切に決定することで、長溝部5及び短溝部6の夫々の長手方向の略延長上に、保持手段11によって保持されているガラス基板Gを配置させることができる。位置決め手段13は、X方向において保持手段11の位置決めを行うX方向規制部18、Y方向において保持手段11の位置決めを行うY方向規制部19、及び保持手段11に一体に設けられている当接部16から構成されている。当接部16は、例えば、図2に示すような棒状の部材で構成され、その両端に当接端16a,16bが形成されている。当接部16の当接端16a,16bを、X方向規制部18及びY方向規制部19に夫々当接させることで、保持手段11をX方向及びY方向において位置決めすることができる。X方向規制部18及びY方向規制部19、並びに当接部16は、当接による衝撃に耐え得るように、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の硬質の材料で構成することが好ましい。
X方向規制部18は、所定間隔を空けて対向配置された第一X方向規制部18a及び第二X方向規制部18bから構成されている。Y方向規制部19は、所定間隔を空けて並列配置された第一Y方向規制部19a及び第二Y方向規制部19bから構成されている。第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19bは、例えば、夫々が当接部16と当接可能な平面を有する板状部材で構成される。本実施形態では、第一X方向規制部18aと第一Y方向規制部19aとが直角を成すように接続され、第二X方向規制部18bと第二Y方向規制部19bとが直角を成すように接続され、夫々断面がL字型の一体部材として構成されている。ただし、第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19bは、4つの独立した板状部材として構成することも可能である。また、当接部16を、第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19bに当接させたときに、当接部16の摺動抵抗を低減させるため、当接部16の当接端16a,16bにフッ素樹脂加工等の表面処理を施したり、滑車等の抵抗低減手段(図示せず)を設けることも可能である。
第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19bは、ガラス基板Gを挿入する長溝部5及び短溝部6の位置に応じて配置される。具体的には、第一X方向規制部18aは、当接部16を当接して位置決めした際に、ガラス基板Gの端辺部G1が長溝部5と干渉しないよう短溝部6の近傍に配置される。第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19bは、双方に当接部16を当接して位置決めした際に、ガラス基板Gの主面が長溝部5及び短溝部6を通るXZ平面上に位置するよう配置される。第二X方向規制部18bは、当接部16を当接して位置決めした際に、ガラス基板Gの端辺部G1が長溝部5の長手方向の略延長上に位置するよう配置される。
位置決め手段13(第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19b)に当接部16を当接して、X方向及びY方向における保持手段11の位置決めが完了したら、搬送手段12を鉛直下方(Z方向)に移動させる。これにより、保持手段11が下降し、ガラス基板Gの端辺部G2が短溝部6に挿入されるとともに、ガラス基板Gの端辺部G1が長溝部5の略全体に挿入され、梱包ケース1にガラス基板Gが収納される。その後、保持手段11によるガラス基板Gの保持を解除する。
次に、規制部移動手段14を操作し、X方向規制部18及びY方向規制部19を長溝部5及び短溝部6の並列方向に移動させる。規制部移動手段14は、例えば、図2に示すようなX方向規制部18及びY方向規制部19を直線移動させるラック・アンド・ピニオンを用いることができる。この場合、規制部移動手段14のピニオンギア20を回転させることで、ラックギア21側に固定されているX方向規制部18及びY方向規制部19を、次のガラス基板Gを挿入する隣接する長溝部5及び短溝部6の近傍に移動させる。これにより、次の長溝部5及び短溝部6にガラス基板Gを挿入する準備が整う。その後、上記と同様に保持手段11及び搬送手段12を操作し、長溝部5及び短溝部6にガラス基板Gを挿入する。この一連の工程を、梱包ケース1に設けられたすべての長溝部5及び短溝部6にガラス基板Gが挿入されるまで繰り返す。梱包ケース1へのガラス基板Gの収納作業がすべて完了したら、梱包ケース1の上面2及び前面3を閉鎖し、必要に応じて梱包ケース1をシール等で密閉すると、ガラス基板梱包体が完成する。
<ガラス基板梱包方法>
ガラス基板梱包システム10は、位置決め手段13(第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、第二Y方向規制部19b、及び当接部16)を備え、梱包ケース1へのガラス基板Gの収納作業を容易に、正確に、且つ効率的に実行可能とするものである。そこで、ガラス基板梱包システム10を用いて行う本発明のガラス基板梱包方法について、詳細に説明する。なお、ガラス基板梱包方法を実施するにあたっては、ガラス基板Gを保持している保持手段11を梱包ケース1に対して正確に位置決めする必要がある。このとき、保持手段11の位置決め手順には種々のパターンがあるが、以下の実施形態では、代表的な位置決め手順について説明する。
ガラス基板梱包システム10は、位置決め手段13(第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、第二Y方向規制部19b、及び当接部16)を備え、梱包ケース1へのガラス基板Gの収納作業を容易に、正確に、且つ効率的に実行可能とするものである。そこで、ガラス基板梱包システム10を用いて行う本発明のガラス基板梱包方法について、詳細に説明する。なお、ガラス基板梱包方法を実施するにあたっては、ガラス基板Gを保持している保持手段11を梱包ケース1に対して正確に位置決めする必要がある。このとき、保持手段11の位置決め手順には種々のパターンがあるが、以下の実施形態では、代表的な位置決め手順について説明する。
図3は、本発明のガラス基板梱包方法による保持手段11の位置決め手順を例示した簡略説明図である。図3は、第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、第二Y方向規制部19b、及び当接部16を線分として簡略表示することで、各部材の相対的な位置関係の理解を容易化したものである。当接部16については、当接端16aを黒塗りの丸で示し、当接端16bを白抜きの丸で示すことで、当接部16の姿勢変化を分かり易く示してある。また、保持手段11が保持するガラス基板Gについても、一点鎖線による線分で簡略表示してある。さらに、図4は、保持手段11の位置決め手順の要部を説明するガラス基板梱包システム10の概略正面図である。
先ず、梱包対象のガラス基板Gを保持手段11で保持する保持工程を実行する。ここで、図3(a)に示すように、保持手段11に一体に設けられている当接部16を、保持前のガラス基板Gの近傍に設けてある基準22に当接させる。保持前のガラス基板Gは、例えば、専用のパレットに積層され、当該パレットに基準22が固定されている。このため、基準22に対するパレット内のガラス基板Gの相対位置は常に一定に確保されている。従って、保持手段11の当接部16を基準22に当接させた状態でパレットからガラス基板Gを保持すると、保持手段11は常にガラス基板Gの表面の同じ位置を保持し、同じ姿勢でガラス基板Gを連続的に搬送することができる。
次に、搬送手段12を操作してガラス基板Gを保持している保持手段11を回転させ、ガラス基板Gを梱包ケース1の近傍に向けて搬送する搬送工程を実行する。このとき、図3(b)に示すように、当接部16は、梱包ケース1の上方の所定位置に設置された位置決め手段13(第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19b)に向かって移動する。
次に、保持手段11をX方向で位置決めするX方向位置決め工程、及び保持手段11をY方向で位置決めするY方向位置決め工程を実行する。先ずは、搬送手段12を操作してガラス基板Gを保持している保持手段11の当接部16を第一X方向規制部18aに当接させる。具体的には、図3(c)に示すように、当接部16の当接端16aを第一X方向規制部18aに当接させることで、X方向において保持手段11の当接部16の当接端16aを長溝部5から離間するように位置決めする離間工程を実行する。
次に、搬送手段12を操作してガラス基板Gを保持している保持手段11の当接部16を第一Y方向規制部19aに当接させる。具体的には、図3(d)に示すように、当接部16の当接端16aを第一X方向規制部18aに当接させた状態で第一Y方向規制部19aに当接するまでスライドさせ、Y方向において保持手段11の当接部16の当接端16aを短溝部6の長手方向の略延長上に位置するように位置決めする短溝部位置決め工程を実行する。
次に、搬送手段12を操作してガラス基板Gを保持している保持手段11の当接部16を第二Y方向規制部19bに当接させる。具体的には、図3(e)及び図4(a)に示すように、保持手段11を回転させて当接部16の当接端16bを第二Y方向規制部19bに当接させることで、保持手段11で保持しているガラス基板Gの端辺部G1を長溝部5の開口5bに隣接するように待機させる待機工程を実行する。
次に、搬送手段12を操作してガラス基板Gを保持している保持手段11の当接部16を第二X方向規制部18bに当接させる。具体的には、図3(f)及び図4(b)に示すように、当接部16の当接端16bを第二Y方向規制部19bに当接させた状態で第二X方向規制部18bに当接するまでスライドさせる。このとき、保持手段11で保持しているガラス基板Gの端辺部G1は、長溝部5の開口5bに側方から挿入されることとなり、ガラス基板Gの挿入工程が実行される。
以上の工程を実行すると、保持手段11によって保持されているガラス基板Gは、X方向及びY方向における位置決めが完了し、さらにガラス基板Gの端辺部G1の一部が長溝部5に挿入されて安定した状態となる。この状態から、図4(c)に示すように、搬送手段12を操作してガラス基板Gを保持している保持手段11を長溝部5及び短溝部6の夫々の長手方向(Z方向)に移動させると、ガラス基板Gの端辺部G1,G2が夫々梱包ケース1の長溝部5及び短溝部6の略全体に挿入され、収納工程が完了する。その後、保持手段11によるガラス基板Gの保持を解除する。
上記収納工程の後、梱包ケース1に次のガラス基板Gを収納するため、第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19bを、長溝部5及び短溝部6の並列方向に移動させる規制部移動工程を実行する。すなわち、第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19bに取り付けられた規制部移動手段(図1に例示するラック・アンド・ピニオン)14を操作し、第一X方向規制部18a、第二X方向規制部18b、第一Y方向規制部19a、及び第二Y方向規制部19bを、すでにガラス基板Gが挿入されている長溝部5及び短溝部6に隣接するガラス基板Gが挿入されていない空の長溝部5及び短溝部6(図示省略)の位置に並列方向に移動させる。これにより、次の長溝部5及び短溝部6にガラス基板Gを挿入する準備が整う。上記の一連の工程は、梱包ケース1に設けられたすべての長溝部5及び短溝部6にガラス基板Gが挿入されるまで繰り返される。
なお、上記の保持手段11の位置決め手順は一例であり、上記とは異なる手順によって保持手段11の位置決めを行うことも可能である。例えば、第一X方向規制部18aへの当接を省略して、当接部16の当接端16aを最初に第一Y方向規制部19aに当接させることも可能である。また、第二Y方向規制部19bのうち第二X方向規制部18bから離れている側に当接部16の当接端16bを当接させた後に、当接部16の当接端16aを第一Y方向規制部19aへ当接させて、当接部16の当接端16a及び当接端16bが各規制部に当接する順を逆にすることも可能である。さらに、当接部16の当接端16a及び当接端16bを夫々第一Y方向規制部19a及び第二Y方向規制部19bに略同時に当接させることも可能である。
<別実施形態>
(1)上記実施形態のガラス基板梱包システム10は、梱包ケース1の上面2及び前面3を開放し、ガラス基板Gを梱包ケース1の前後方向(Y方向)に搬送し、ガラス基板Gを梱包ケース1の上方から下降させて長溝部5及び短溝部6に収納するものであるが、例えば、梱包ケース1の上面2及び側面4を開放し、ガラス基板Gを梱包ケース1の側方から侵入させて収納することも可能である。この場合、長溝部5及び短溝部6は、梱包ケース1の前面3及び後面23の内部に沿って設けられる。また、保持手段11によってガラス基板Gを略水平状態に保持し、梱包ケース1の高さ方向にガラス基板Gを収納する形態とすることも可能である。
(1)上記実施形態のガラス基板梱包システム10は、梱包ケース1の上面2及び前面3を開放し、ガラス基板Gを梱包ケース1の前後方向(Y方向)に搬送し、ガラス基板Gを梱包ケース1の上方から下降させて長溝部5及び短溝部6に収納するものであるが、例えば、梱包ケース1の上面2及び側面4を開放し、ガラス基板Gを梱包ケース1の側方から侵入させて収納することも可能である。この場合、長溝部5及び短溝部6は、梱包ケース1の前面3及び後面23の内部に沿って設けられる。また、保持手段11によってガラス基板Gを略水平状態に保持し、梱包ケース1の高さ方向にガラス基板Gを収納する形態とすることも可能である。
(2)上記実施形態のガラス基板梱包システム10は、位置決め手段13として、X方向において保持手段11の位置決めを行うX方向規制部18を第一X方向規制部18a及び第二X方向規制部18bから構成し、Y方向において保持手段11の位置決めを行うY方向規制部19を第一Y方向規制部19a及び第二Y方向規制部19bから構成するものであるが、Y方向規制部19については、第一Y方向規制部19aと第二Y方向規制部19bとに分割せず、一体の平板で構成することも可能である。この場合、長溝部5側から短溝部6側にかけてY方向規制部19が同一平面を形成し、この平面に当接部16が当接することになるため、Y方向における位置決め誤差を極めて小さくすることができる。
(3)上記実施形態のガラス基板梱包システム10は、梱包ケース1に複数のガラス基板Gを収納する場合、長溝部5及び短溝部6が梱包ケース1の側面4,7の内部に沿って並列して複数設けられ、長溝部5及び短溝部6へのガラス基板Gの収納が完了した後、規制部移動手段14を用いてX方向規制部18及びY方向規制部19を次の長溝部5及び短溝部6の位置まで並列方向に移動させるものであるが、X方向規制部18及びY方向規制部19を固定し、梱包ケース1の方を移動させることにより、次の長溝部5及び短溝部6の夫々の長手方向の略延長上にX方向規制部18及びY方向規制部19を位置させることも可能である。
本発明のガラス基板梱包システム、及びガラス基板梱包方法は、フラットパネルディスプレイ用のガラス基板や太陽電池用のガラス基板等の各種ガラス板を梱包する用途において利用されるものであるが、ガラス以外の素材からなる板状体の梱包にも適用可能である。例えば、金属板、樹脂板、セラミック板、木板等を梱包する場合にも応用することができる。
1 梱包ケース
4,7 梱包ケースの側面
5 長溝部
6 短溝部
10 ガラス基板梱包システム
11 保持手段
12 搬送手段
13 位置決め手段
14 規制部移動手段
16 当接部
18 X方向規制部
18a 第一X方向規制部
18b 第二X方向規制部
19 Y方向規制部
19a 第一Y方向規制部
19b 第二Y方向規制部
G ガラス基板
G1,G2 ガラス基板の端辺部
4,7 梱包ケースの側面
5 長溝部
6 短溝部
10 ガラス基板梱包システム
11 保持手段
12 搬送手段
13 位置決め手段
14 規制部移動手段
16 当接部
18 X方向規制部
18a 第一X方向規制部
18b 第二X方向規制部
19 Y方向規制部
19a 第一Y方向規制部
19b 第二Y方向規制部
G ガラス基板
G1,G2 ガラス基板の端辺部
Claims (8)
- 矩形のガラス基板の対向する端辺部が夫々挿入される一対の溝部が両側面の内側に対向して設けられた梱包ケースにガラス基板を梱包するガラス基板梱包システムであって、
梱包対象のガラス基板を保持する保持手段と、
前記保持手段を移動させることにより、前記ガラス基板を搬送する搬送手段と、
前記ガラス基板が前記一対の溝部の夫々の長手方向の略延長上に位置するよう、前記保持手段の位置決めを行う位置決め手段とを備え、
前記位置決め手段は、
前記保持手段を前記一対の溝部の対向方向であるX方向で位置決めするX方向規制部と、
前記保持手段を前記一対の溝部の夫々の幅方向であるY方向で位置決めするY方向規制部と、
前記保持手段に一体に設けられ、前記X方向規制部及び前記Y方向規制部に当接可能に構成された当接部とを備えるガラス基板梱包システム。 - 前記X方向規制部は、所定間隔を空けて対向配置された第一X方向規制部及び第二X方向規制部を備え、
前記第一X方向規制部は、前記当接部が当接して前記保持手段を前記X方向で位置決めし、
前記第二X方向規制部は、前記当接部が当接して前記一対の溝部の一方の長手方向の略延長上に前記ガラス基板の端辺部が位置するよう、前記保持手段を前記X方向で位置決めする請求項1に記載のガラス基板梱包システム。 - 前記Y方向規制部は、所定間隔を空けて並列配置された第一Y方向規制部及び第二Y方向規制部を備え、
前記第一Y方向規制部は、前記当接部が当接して前記保持手段を前記Y方向で位置決めし、
前記第二Y方向規制部は、前記当接部が当接して前記一対の溝部の一方の長手方向の略延長上に前記ガラス基板の端辺部が位置するよう、前記保持手段を前記Y方向で位置決めする請求項1又は2に記載のガラス基板梱包システム。 - 前記一対の溝部が前記梱包ケースの前記両側面の内側に沿って並列して複数設けられ、前記X方向規制部及び前記Y方向規制部を前記一対の溝部の並列方向に移動させる規制部移動手段をさらに備える請求項1〜3の何れか一項に記載のガラス基板梱包システム。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載のガラス基板梱包システムを用いて矩形のガラス基板を梱包するガラス基板梱包方法であって、
梱包対象のガラス基板を前記保持手段で保持する保持工程と、
前記保持手段を移動させることにより、保持した前記ガラス基板を前記梱包ケースの近傍に向けて搬送する搬送工程と、
前記当接部が前記X方向規制部に当接するまで前記保持手段を移動させることにより、前記保持手段を前記X方向で位置決めするX方向位置決め工程と、
前記当接部が前記Y方向規制部に当接するまで前記保持手段を移動させることにより、前記保持手段を前記Y方向で位置決めするY方向位置決め工程と、
前記X方向位置決め工程及び前記Y方向位置決め工程の後、前記保持手段を前記一対の溝部の夫々の長手方向に移動させて、前記ガラス基板を前記梱包ケースの前記溝部に挿入する収納工程と、
を包含するガラス基板梱包方法。 - 前記一対の溝部は、溝の長さが互いに異なる長溝部及び短溝部から構成され、前記長溝部及び短溝部は、夫々の開口が対向し、且つ前記長溝部の端部が前記短溝部の端部より突出するように設けられ、
前記Y方向位置決め工程で前記保持手段の前記Y方向の位置決めをした後、前記保持手段の前記当接部を前記Y方向規制部に当接させた状態で前記保持手段を前記X方向にスライドさせて前記ガラス基板の一方の端辺部を前記長溝部に挿入し、その状態で前記収納工程を実行する請求項5に記載のガラス基板梱包方法。 - 前記X方向規制部は、所定間隔を空けて対向配置された第一X方向規制部及び第二X方向規制部を備え、
前記Y方向規制部は、所定間隔を空けて並列配置された第一Y方向規制部及び第二Y方向規制部を備え、
前記X方向位置決め工程及び前記Y方向位置決め工程において、
前記保持手段の前記当接部を前記第一X方向規制部に当接させ、前記X方向において前記保持手段の当接部を前記長溝部から離間するように位置決めする離間工程と、
前記保持手段の前記当接部を前記第一Y方向規制部に当接させ、前記Y方向において前記保持手段の当接部を前記短溝部の長手方向の略延長上に位置するように位置決めする短溝部位置決め工程と、
前記保持手段の前記当接部を前記第二Y方向規制部に当接させることにより、前記保持手段で保持している前記ガラス基板を前記長溝部の開口に隣接するように待機させる待機工程と、
前記保持手段の前記当接部を前記第二X方向規制部に当接させるとともに、前記保持手段で保持している前記ガラス基板を前記長溝部に開口側から挿入する挿入工程とを実行する請求項5又は6に記載のガラス基板梱包方法。 - 前記一対の溝部が前記梱包ケースの前記両側面の内側に沿って並列して複数設けられ、
前記一対の溝部への前記ガラス基板の挿入が完了後、前記X方向規制部及び前記Y方向規制部を前記一対の溝部の並列方向に移動させる規制部移動工程を包含する請求項5〜7の何れか一項に記載のガラス基板梱包方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013242381A JP2015101364A (ja) | 2013-11-22 | 2013-11-22 | ガラス基板梱包システム、及びガラス基板梱包方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013242381A JP2015101364A (ja) | 2013-11-22 | 2013-11-22 | ガラス基板梱包システム、及びガラス基板梱包方法 |
Publications (1)
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JP2013242381A Pending JP2015101364A (ja) | 2013-11-22 | 2013-11-22 | ガラス基板梱包システム、及びガラス基板梱包方法 |
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JP (1) | JP2015101364A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109625391A (zh) * | 2019-01-23 | 2019-04-16 | 广东北玻电子玻璃有限公司 | 可三维动作的插玻璃片机构 |
-
2013
- 2013-11-22 JP JP2013242381A patent/JP2015101364A/ja active Pending
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