JP2015101260A - サスペンション装置 - Google Patents

サスペンション装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015101260A
JP2015101260A JP2013244561A JP2013244561A JP2015101260A JP 2015101260 A JP2015101260 A JP 2015101260A JP 2013244561 A JP2013244561 A JP 2013244561A JP 2013244561 A JP2013244561 A JP 2013244561A JP 2015101260 A JP2015101260 A JP 2015101260A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
side chamber
expansion
pump
target
motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013244561A
Other languages
English (en)
Inventor
政村 辰也
Tatsuya Masamura
辰也 政村
敦 作田
Atsushi Sakuta
敦 作田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kayaba Industry Co Ltd filed Critical Kayaba Industry Co Ltd
Priority to JP2013244561A priority Critical patent/JP2015101260A/ja
Publication of JP2015101260A publication Critical patent/JP2015101260A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

【課題】アクティブサスペンションとして機能できるとともに、エネルギ消費が少なく、簡単な構成でコストも安価なサスペンション装置を提供することである。【解決手段】本発明におけるサスペンション装置S1は、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるロッド3とを備えた伸縮体D1と、伸縮体D1内に設けた伸側室R1および圧側室R2と、伸側室R1と圧側室R2とを並列して連通する減衰通路4とポンプ通路5と、減衰通路4の途中に設けられて通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗要素6と、ポンプ通路5の途中に設けた双方向吐出型のポンプ7と、ポンプ7を駆動するモータ8と、目標制御力Frefに基づいてモータ8の目標回転数Nrefを求めてモータ8を制御する制御装置Cとを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンション装置に関する。
この種のサスペンション装置としては、たとえば、車両の車体と車軸との間に介装されるアクティブサスペンションとして機能するものがあり、具体的には、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されてシリンダ内に圧力室を区画するピストンと、ピストンに連結されるロッドと、圧力室を連通する流路と、圧力室に圧油を供給する油圧ポンプとを備えて構成されるもの(たとえば、特許文献1参照)がある。
また、セミアクティブサスペンションとして機能するサスペンション装置としては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されてシリンダ内に伸側室と圧側室を区画するピストンと、ピストンに連結されるロッドと、伸側室と圧側室とを連通する流路と、流路の途中に設けた減衰力可変バルブとを備えて構成されるもの(たとえば、特許文献2参照)がある。
特開昭63−176710号公報 特開平5−155224号公報
上記したアクティブサスペンションとして機能するサスペンション装置にあっては、絶えず、油圧ポンプを駆動しておりエネルギ消費が大きく、システムが複雑で、コスト高となって不経済となるという問題がある。
他方、上記したセミアクティブサスペンションとして機能するサスペンション装置では、エネルギを大きく消費する油圧ポンプを備えていないことからエネルギ消費は少なく、システムは簡易で低コストであるものの、パッシブダンパであるため能動的な力、つまり、伸縮方向と同方向の力を積極的に発揮することができないので、車両の振動抑制効果の点でアクティブサスペンションに劣る面がある。
そこで、上記問題を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、アクティブサスペンションとして機能できるとともに、エネルギ消費が少なく、簡単な構成でコストも安価なサスペンション装置を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと上記シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンと上記シリンダ内に移動自在に挿入されて上記ピストンに連結されるロッドとを備えた伸縮体と、上記伸縮体内に設けた伸側室および圧側室と、上記伸側室と上記圧側室とを並列して連通する減衰通路とポンプ通路と、上記減衰通路の途中に設けられて通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗要素と、上記ポンプ通路の途中に設けた双方向吐出型のポンプと、上記ポンプを駆動するモータと、上記モータを制御する制御装置とを備えたサスペンション装置であって上記制御装置は、上記伸縮体の目標制御力に基づいて、上記モータの目標回転数を求め、上記目標回転数に基づいて上記モータを制御することを特徴とする。
本発明のサスペンション装置によれば、アクティブサスペンションとして機能することができるだけでなく、ポンプの駆動が必要なときにのみ駆動すればよいので、エネルギ消費が少なく、また、構成も簡単であるのでコストも安価となる。
一実施の形態におけるサスペンション装置を示した図である。 一実施の形態におけるサスペンション装置を車両のばね上部材とばね下部材との間に介装した状態を示した図である。 一実施の形態におけるサスペンション装置の発生力とピストン速度の関係を示した図である。 一実施の形態の一変形例におけるサスペンション装置を示した図である。 一実施の形態の他の変形例におけるサスペンション装置を示した図である。 他の実施の形態におけるサスペンション装置を示した図である。 別の実施の形態におけるサスペンション装置を示した図である。 別の実施の形態におけるサスペンション装置の発生力とピストン速度の関係を示した図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態におけるサスペンション装置S1は、図1に示すように、シリンダ1とシリンダ1内に移動自在に挿入されるピストン2とシリンダ1内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるロッド3とを備えた伸縮体D1と、伸縮体D1内に設けた伸側室R1および圧側室R2と、伸側室R1と圧側室R2とを並列して連通する減衰通路4とポンプ通路5と、減衰通路4の途中に設けられて通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗要素としての減衰バルブ6と、ポンプ通路5の途中に設けた双方向吐出型のポンプ7と、ポンプ7を駆動するモータ8と、モータ8を制御する制御装置Cとを備えて構成されている。
また、このサスペンション装置S1にあっては、伸縮体D1は、ロッド3が伸側室R1内のみに挿通されていて、所謂、片ロッド型の伸縮体とされているので、シリンダ1内に出入りするロッド3の体積を補償するためにアキュムレータAが圧側室R2に接続されている。アキュムレータAは、内部圧力でシリンダ1内を加圧している。
なお、伸縮体D1を車両に適用する場合、たとえば、図2に示すように、シリンダ1を車両のばね下部材Wに連結し、ロッド3をばね上部材Bに連結して、懸架ばねVSに並列させてばね上部材とばね下部材との間に介装すればよいが、シリンダ1をばね上部材Bに連結し、ロッド3をばね下部材Wに連結するようにしてもよい。また、サスペンション装置S1における伸縮体D1は、図示したところでは、片ロッド型に設定されているが、両ロッド型に設定されてもよい。伸縮体D1が両ロッド型に設定される場合、アキュムレータAを設けずともよい。
そして、伸側室R1および圧側室R2には流体として作動油等の液体が充満され、アキュムレータA内にも液体と気体が充填される。伸側室R1、圧側室R2およびアキュムレータA内に充填される液体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体を使用することもできる。本発明では、伸長行程時に圧縮される室を伸側室R1とし、収縮行程時に圧縮される室を圧側室R2としてある。
減衰通路4は、この場合、ピストン2に設けられていて、伸側室R1と圧側室R2とを連通しており、その途中に抵抗要素としての減衰バルブ6が設けられている。この減衰通路4の他に、伸側室R1と圧側室R2とを連通するポンプ通路5が設けられており、減衰通路4とポンプ通路5は、並列して伸側室R1と圧側室R2とを連通している。減衰バルブ6は、ポンプ通路5に設けたポンプ7に並列して設けられており、この場合、双方向通行を許容する絞りとされている。減衰バルブ6は、伸側室R1から圧側室R2へ向かう流体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える一方通行のバルブと、これに並列されて圧側室R2から伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える一方通行のバルブとで構成されてもよい。なお、減衰通路4は、ピストン2に設けられているが、設置個所はこれに限られず、シリンダ1外に設けることもできる。
転じて、ポンプ7は、双方向吐出型に設定され、たとえば、ピストンポンプ等とされており、さらに、ポンプ7の回転軸はモータ8に接続されており、モータ8によって駆動されるようになっている。また、このポンプ7は、モータ8によって駆動されるが、ポンプ通路5を通過しようとする流体の流れによって流体モータとして機能し、モータ8を発電機として作用させエネルギ回生を行うものであってもよい。モータ8には、直流、交流を問わず、種々の形式のモータ、たとえば、ブラシレスモータ、誘導モータ、同期モータ等を採用することができる。
ここで、モータ8に電力供給せずにポンプ7を停止させている際、伸縮体D1が外部入力によって強制的に伸縮させられる場合、減衰通路4を介して伸側室R1から圧側室R2へ、或いは、圧側室R2から伸側室R1へ移動する流体の流れに減衰バルブ6が抵抗を与えるので、伸縮体D1の伸縮を抑制する発生力を発揮することができる。
この場合の伸縮体D1が発生する力である発生力は、横軸にピストン2のシリンダ1に対する軸方向の移動速度であるピストン速度を採り、縦軸に発生力を採った図3のグラフの線aで示すように、ピストン速度に対して決まった値をとり、伸縮体D1は、パッシブなダンパと同様の発生力特性を発揮する。
他方、この伸縮体D1は、モータ8でポンプ7を駆動すると、流体を伸側室R1から圧側室R2へ、或いは、圧側室R2から伸側室R1へ送り込むことができ、減衰通路4に設けた減衰バルブ6を通過する流量を制御することができる。
ここで、伸縮体D1におけるピストン速度をVpとし、ピストン2の断面積をApとし、ロッド3の断面積をArとし、ポンプ7が吐出する流量をQpとし、減衰バルブ6が通過する流量に対して生じる圧力損失の関係である比例定数をCとし、伸縮体D1の発生力をFとする。また、ピストン速度Vpは、ピストン2がシリンダ1に対して図1中上方へ移動する方向である場合に正の値をとり、流量Qpは、ポンプ7が伸側室R1へ向けて流体を吐出する際(正転)に正の値をとるものとする。そうすると、発生力Fは、F=(Ap−Ar)・C・{(Ap−Ar)・Vp+Qp}となる。つまり、サスペンション装置S1の発生力Fは、ピストン速度Vpとポンプ7の吐出流量Qpで決定される。
伸縮体D1が縮み行程(Vp<0)にあるとき、ポンプ7を正転させ、Qpを−(Ap−Ar)・Vpより大きくすればFは正の値を採ることになり、サスペンション装置S1は、図3のグラフで第二象限の領域で正の発生力Fを発揮することができ、伸縮体D1が伸び行程(Vp>0)にあるとき、ポンプ7を逆転させ、Qpを−(Ap−Ar)・Vpより小さくすればFは負の値を採ることになり、サスペンション装置S1は、図3のグラフで第四象限の領域で負の発生力Fを発揮することができる。このように流量Qpを調節することで、伸縮体D1の発生力Fを変化させることができる。
つまり、このサスペンション装置S1にあっては、伸縮体D1にパッシブなダンパでは発生できなかった伸縮方向と同一方向の力を発生させることができ、自ら積極的に伸縮体D1を伸縮させることができ、その発生力を調節することができる。
そして、ポンプ7の流量を調整することによって、線aを図3のグラフ中左右方向へ平行移動させるように発生力Fを可変にすることができ、具体的には、ポンプ7の吐出流量を正側へ最大とした際の特性を示す線bからポンプ7の吐出流量を負側へ最大とした際の特性を示す線cまでの範囲で任意に発生力Fの特性を変更させることができる。たとえば、図3中で発生力Fをサスペンション装置S1に発揮させたい場合、その時のピストン速度Vpで発生力Fとなるようにポンプ7の吐出流量Qpを決定し、決定された流量をポンプ7から伸側室R1或いは圧側室R2へ吐出すればよい。
このように、本発明のサスペンション装置S1では、伸縮体D1を積極的に伸縮させてアクチュエータとして機能させてアクティブサスペンションとして機能することができるだけでなく、パッシブなダンパとして機能することができる。
伸側室R1の圧力と圧側室R2の圧力の偏差である差圧をΔPとすると、伸縮体D1が発生する発生力Fと差圧ΔPには、F=ΔP・(Ap−Ar)の関係にあり、ΔP=C・{(Ap−Ar)・Vp+Qp}と表現することができる。すなわち、差圧ΔPは、ピストン速度Vpと、ポンプ7の吐出流量Qpと、比例定数Cによって決定される。上記式をさらに書き換えると、ΔP=C・(Ap−Ar)・Vp+C・Qpとなる。上記式の右辺の第一項は、伸縮体D1がパッシブなダンパとして機能する際に発揮する減衰力Fpに対応する差圧ΔPpを意味しており、第二項は、ポンプ7を駆動して上記減衰力に付加する制御力Fcに対応する差圧ΔPcを意味している。両者の合計が伸縮体D1の発生力Fに対応する差圧ΔPとなるのである。
制御力Fcと差圧ΔPc、差圧ΔPcとポンプ7の吐出流量Qp、ポンプ7の吐出流量Qpとモータ8の回転数は、それぞれ比例関係にあるので、目標とする制御力Fcに比例してモータ8の回転数を制御することで、伸縮体D1の制御力Fcを制御することができる。したがって、図3中、線aで示した減衰力Fpの特性に、制御力Fcを重畳させることで、線aを制御力Fcの出力可能な範囲で図3のグラフ中左右方向へ平行移動させるように発生力Fを可変にすることができるのである。
そこで、制御装置Cは、基本的には、伸縮体D1に発生させたい目標制御力Frefから目標回転数Nrefを求め、目標回転数Nrefに基づいてモータ8を制御するようにしている。
以上を踏まえ、制御装置Cは、具体的には、図1および図2に示すように、伸縮体D1に発生させたい目標制御力Frefから目標回転数Nrefを求める目標回転数算出部10と、目標回転数Nrefに基づいてモータ8を制御するモータ制御部11とを備えている。
より詳細には、制御装置Cは、車両のばね上部材Bとばね下部材Wの上下方向加速度、上下方向速度等といった振動情報、伸縮体D1のピストン速度や変位等の伸縮情報を検出するセンサ手段12と、センサ手段12で検出した各種情報から伸縮体D1に発生させるべき制御力である目標制御力Frefを求める目標制御力演算部13と、目標制御力演算部13が求めた目標制御力Frefから目標回転数Nrefを求める目標回転数演算部14と、目標回転数演算部14で求めた目標回転数Nrefとモータ8から入力される実際の回転数Nの回転偏差εNを求める回転偏差演算部15と、偏差εNに基づいて比例積分微分補償を行って目標指令Irefを求める補償器16と、目標電流Irefを受けてモータ8へ目標電流Iref通りに電流Iを供給してモータ8を駆動するドライバ17とを備えて構成されている。
したがって、この実施の形態のサスペンション装置S1にあっては、制御装置Cを構成する目標回転数算出部10は、目標制御力演算部13および目標回転数演算部14とで構成されており、他方のモータ制御部11は、回転偏差演算部15、補償器16およびドライバ17とで構成されている。
センサ手段12は、モータ8の制御に必要な情報を検出するが、たとえば、サスペンション装置S1をスカイフック制御するのであれば、ばね上部材Bの上下方向速度を検出すればよく、サスペンション装置S1で採用する制御に必要な情報を検出すればよい。センサ手段12には、制御に必要な情報の検出に適したセンサを利用すればよい。
目標制御力演算部13は、センサ手段12で検出した各種情報から伸縮体D1に発生させるべき制御力である目標制御力Frefを求めるが、たとえば、スカイフック制御を実施する場合には、センサ手段12で検出するばね上部材Bの上下方向速度にスカイフックゲインを乗じて目標制御力Frefを求める。この目標制御力演算部13は、具体的には、制御で採用する制御理論に基づいて目標制御力Frefを求めればよい。
目標回転数演算部14は、目標制御力Frefから目標回転数Nrefを求める。上述したように、制御力Fcと差圧ΔPc、差圧ΔPcとポンプ7の吐出流量Qp、ポンプ7の吐出流量Qpとモータ8の回転数は、それぞれ比例関係にあること利用して、目標制御力Frefからモータ8の目標回転数Nrefを求めることができる。
回転偏差演算部15は、目標回転数演算部14が演算した目標回転数Nrefからモータ8から入力される実際の回転数Nを差し引きして回転偏差εNを求める。補償器16は、偏差εNに基づいて比例積分微分補償を行って目標電流Irefを求める。補償器16は、比例積分補償を行うPI補償器とされてもよいし、PD補償器等とされてもよい。このように、回転偏差演算部15および補償器16は、回転数フィードバックループを形成して、目標回転数Nrefからモータ8へ供給すべき目標電流Irefを求めるようになっている。
補償器16が求めた目標電流Irefは、ドライバ17へ入力される。ドライバ17は、モータ8をPWM駆動するべく図示しない巻線に対して通電する。具体的には、たとえば、ドライバ17は、モータ8と電流フィードバックループを形成して、入力される目標電流Irefに応じて、モータ8の図示しない巻線へ通電する電流Iを目標電流Iref通りに制御すべくデューティ比を決定して、モータMの巻線へ通電するようになっている。ドライバ17の構成については、モータ8の制御に適するように適宜設計変更することが可能である。
このように制御装置Cは構成されており、伸縮体D1の目標制御力Frefに基づいて、モータ8の目標回転数Nrefを求め、目標回転数Nrefに基づいてモータ8を制御するので、伸縮体D1の制御力Fcを目標制御力Fref通りに制御することができる。よって、本発明のサスペンション装置S1によれば、広範な制御力を伸縮体D1に発生させることができるため、車両における乗り心地を向上させることができる。
また、上記伸縮体D1に発生させるべき制御力は、スカイフック制御則に則って得られるものに限られるものではなく、制御力を得るための制御則はあらゆるものが採用可能である。具体的には、たとえば、車両のロール抑制制御や制駆動時のピッチングやスクォートを抑制する制御に最適な制御力を演算する制御則の採用も可能であるし、適宜に選択される制御則を用いて上記制御力を得ればよい。
また、上記した制御装置Cの各部におけるハードウェア資源としては、具体的にはたとえば、図示はしないが、センサ手段12が出力する信号を増幅するためのアンプと、アナログ信号をデジタル信号に変換する変換器と、CPU(Central Prossesing Unit)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置、RAM(Random Access Memory)、水晶発振子及びこれらを連絡するバスラインからなるコンピュータシステムとを備えた周知なシステムとして構成されればよく、各信号を処理し目標制御力Frefから目標電流Irefを求める過程で必要となる各種の演算を実行する制御処理手順は、プログラムとしてROMや他の記憶装置に予め格納されており、コンピュータが制御処理手順を実行することで各部が構成される。
上述のように構成されたサスペンション装置S1にあっては、パッシブなダンパとして発生力の発揮が期待される場面では、ポンプ7の駆動が必須ではなく、ポンプ7の駆動が必要なときにのみ駆動すればよいので、エネルギ消費が少なく、また、構成も簡単であるのでコストも安価となる。
よって、本発明のサスペンション装置S1によれば、アクティブサスペンションとして機能できるとともに、エネルギ消費が少なく、簡単な構成でコストも安価となる。
また、上記したアキュムレータAは、図4に示すように、シリンダ1の外周に外筒30を設けて、シリンダ1と外筒30との間に形成するようにしてもよい。この場合、ポンプ通路5は、アキュムレータAを介して圧側室R2へ連通するようにしてもよい。
なお、ロッド3がシリンダ1内に出入りする体積を補償するには、アキュムレータAの設置に代えて、たとえば、図5に示すように、シリンダ1内に摺動自在に摺動隔壁FPを挿入して、シリンダ1内に気室Gを形成し、気室Gの容積変化で上記ロッド3がシリンダ1内に出入りする体積を吸収するようにしてもよい。気室Gの形成に当たっては、図示はしないが、ブラダやベローズ等で形成することも可能である。
さらに、図6の他の実施の形態のサスペンション装置S2のように、一実施の形態のサスペンション装置S1の伸縮体D1と異なる伸縮体D2を採用することも可能である。この伸縮体D2は、ロッド33が筒状とされていて頂部が閉塞されており、このロッド33内にシリンダ31の底部から立ち上がるインナーロッド34を摺動自在に挿入してある。
また、ロッド31の図6中下端には、環状のピストン32が連結されていて、当該ピストン31がシリンダ31の内周に摺接して、シリンダ31内であってピストン32の上方側に伸側室R3が形成されている。
さらに、ロッド33内は、インナーロッド34が挿入されることで、このインナーロッド34によって圧側室R4が形成されている。そして、伸側室R3と圧側室R4とが減衰通路35によって連通されるとともに、ポンプ通路36によっても伸側室R3と圧側室R4とが連通されている。
減衰通路35の途中には、抵抗要素としての減衰バルブ37が設けられており、ポンプ通路36の途中にはモータ39によって駆動される双方向吐出型のポンプ38が設けられている。
よって、このサスペンション装置S2にあっても、サスペンション装置S1と同様に、制御装置Cによりポンプ38を駆動することでサスペンション装置S2が発生する制御力Fcを調節することができ、伸縮体D2を積極的に伸縮させてアクティブサスペンションとして機能することができるだけでなく、パッシブなダンパとして機能することができる。そして、サスペンション装置S2にあっても、パッシブなダンパとして減衰力の発揮が期待される場面ではポンプ38の駆動が必須ではなく、ポンプ38の駆動が必要なときにのみ駆動すればよいので、エネルギ消費が少なく、また、構成も簡単であるのでコストも安価となる。
そして、このサスペンション装置S1にあっては、伸側室R3の圧力を受けるピストン32の円環状の受圧面積Xと、圧側室R4の圧力を受けるロッド33の受圧面積Yを等しくすることができ、伸縮体D2が両ロッド型の伸縮体として機能することができ、体積補償用のアキュムレータを廃止することができる。また、この伸縮体D2では、アキュムレータが不要で、ストローク長の確保が容易なことから、サスペンション装置S2の取付長を短縮することができる。
さらに、別の実施の形態におけるサスペンション装置S3について説明する。このサスペンション装置S3は、図7に示すように、シリンダ41と、シリンダ41内に移動自在に挿入されてシリンダ41内を伸側室R5と圧側室R6とに区画するピストン42と、リザーバR7と、伸側室R5と圧側室R6と連通する減衰通路44と、圧側室R6からリザーバR7へ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブ45と、リザーバR7から圧側室R6へ向かう流体の流れのみを許容する吸込通路46と、減衰通路44の途中に設けられて通過する流体の流れに抵抗を与える減衰バルブ47とを備えた伸縮体D3と、減衰通路44に並列して伸側室R5と圧側室R6と連通するポンプ通路48と、ポンプ通路48の途中に設けた双方向吐出型のポンプ49と、リザーバR7から伸側室R5へ向かう流体の流れのみを許容する伸側吸込通路50とを備えて構成され、シリンダ41内には流体が充填され密閉されている。
また、このサスペンション装置S3にあっては、伸縮体D3は、シリンダ41内に移動自在に挿入されてピストン42に連結されるロッド43を備えており、このロッド43が伸側室R5内のみに挿通されていて、伸縮体D3は、所謂、片ロッド型のダンパとされている。伸縮体D3は、シリンダ41内に出入りするロッド43の体積を補償するためにリザーバR7を備えており、このリザーバR7が圧側室R6にベースバルブ45および吸込通路46を通じて接続されている。そして、伸側室R5および圧側室R6には流体として作動油等の液体が充満され、リザーバR7内にも液体と気体が充填される。
減衰通路44は、この場合、ピストン2に設けられていて、伸側室R5と圧側室R6とを連通しており、その途中に抵抗要素としての減衰バルブ47が設けられている。この減衰通路44の他に、伸側室R5と圧側室R6とを連通するポンプ通路48が設けられており、減衰通路44とポンプ通路48は、並列して伸側室R5と圧側室R6とを連通している。減衰バルブ47は、ポンプ通路48に設けたポンプ49に並列して設けられており、この場合、双方向通行を許容する絞りとされている。減衰バルブ47は、伸側室R5から圧側室R6へ向かう流体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える一方通行のバルブと、これに並列されて圧側室R6から伸側室R5へ向かう流体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える一方通行のバルブとで構成されてもよい。
ベースバルブ45は、圧側室R6とリザーバR7とを連通しており、通過する流体の流れに対して抵抗を与えるようになっている。この場合、ベースバルブ45は、圧側室R6からリザーバR7へ向かう流体の流れに抵抗を与えるだけでなく、反対方向の流れに抵抗を与えることも可能な絞りとされているが、圧側室R6からリザーバR7へ向かう流体の流れのみを許容しつつ当該流れに抵抗を与えるバルブとされてもよい。また、このベースバルブ45に並列してリザーバR7と圧側室R6とを連通する吸込通路46が設けられている。この吸込通路46は、リザーバR7と圧側室R6とを接続する通路46aと、通路46aの途中に設けられてリザーバR7から圧側室R6へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁46bとを備えており、吸込通路46をリザーバR7から圧側室R6へ向かう一方通行の通路に設定している。このように吸込通路46を設けることで、リザーバR7から圧側室R6へ向かう流体は、ベースバルブ45が双方向の流れを許容する絞りとされていても、通過しやすい吸込通路46を通過するので、ベースバルブ45を絞りとしても差し支えない。
転じて、ポンプ49は、双方向吐出型に設定され、たとえば、ピストンポンプ等とされており、さらに、ポンプ49の回転軸はモータ51に接続されており、モータ51によって駆動されるようになっている。
また、このサスペンション装置S3にあっては、リザーバR7から伸側室R5へ向かう流体の流れのみを許容する伸側吸込通路50が設けられている。この伸側吸込通路50は、リザーバR7と伸側室R5とを接続する通路50aと、通路50aの途中に設けられてリザーバR7から伸側室R5へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁50bとを備えており、伸側吸込通路50をリザーバR7から伸側室R5へ向かう一方通行の通路に設定している。このように伸側吸込通路50を設けることで、伸縮体D3を積極的に伸長させる際に、伸側室R5が大気圧以下の負圧となるバキューム現象を引き起してポンプ49による圧側室R2への流体供給不良を生じさせずに済む。
さて、このように構成されたサスペンション装置S3は、モータ51に電力供給せずにポンプ49を停止させている際、伸縮体D3が外部入力によって強制的に伸長させられる場合、伸側室R5から圧側室R6へ減衰通路44を介して移動する流体の流れに減衰バルブ47で抵抗を与えて、伸縮体D3の伸長を抑制する発生力を発揮する。そして、ロッド43がシリンダ41から退出する体積分の流体は、リザーバR7から吸込通路46を介してシリンダ41内に供給される。
この場合のサスペンション装置S3が発生する力である発生力は、横軸にピストン42のシリンダ41に対する軸方向の移動速度であるピストン速度を採り、縦軸に発生力を採った図8のグラフの線dで示すように、ピストン速度に対して決まった値をとり、サスペンション装置S3は、パッシブなダンパと同様の発生力特性を発揮する。
モータ51に電力供給せずにポンプ49を停止させている状態において、伸縮体D3が外部入力によって強制的に収縮させられる場合、圧側室R6から伸側室R5へ減衰通路44を介して移動する流体の流れに減衰バルブ47で抵抗を与えるとともに、ロッド43がシリンダ41内へ侵入する体積分の流体が圧側室R6からリザーバR7へ移動する流れにベースバルブ45で抵抗を与えて、シリンダ41内の圧力を上昇させることで、伸縮体D3の収縮を抑制する発生力を発揮する。
この場合のサスペンション装置S3が発生する力である発生力は、横軸にピストン速度を採り縦軸に発生力を採った図8のグラフの線eで示すように、ピストン速度に対して決まった値をとり、サスペンション装置S3は、パッシブなダンパと同様の発生力特性を発揮する。
他方、このサスペンション装置S3は、モータ51でポンプ49を駆動すると、流体を伸側室R5から圧側室R6へ、或いは、圧側室R6から伸側室R5へ送り込むことができ、減衰通路44に設けた減衰バルブ47を通過する流量を制御することができる。
ここで、伸縮体D3におけるピストン42のシリンダ41に対する速度であるピストン速度をVpとし、ピストン42の断面積をApとし、ロッド43の断面積をArとし、ポンプ49が吐出する流量をQpとし、減衰バルブ47が通過する流量に対して生じる圧力損失の関係である比例定数をCpとし、伸縮体D3が出力する力であるサスペンション装置S3の発生力をFとする。また、ピストン速度Vpは、ピストン42がシリンダ41に対して図7中上方へ移動する方向である場合に正の値をとり、流量Qpは、ポンプ49が伸側室R5へ向けて流体を吐出する際(正転)に正の値をとるものとする。
そうすると、伸縮体D3が伸長する際のサスペンション装置S3が発揮する発生力Fは、F=(Ap−Ar)・Cp・{(Ap−Ar)・Vp+Qp}となる。つまり、サスペンション装置S3の伸長時の発生力Fは、ピストン速度Vpとポンプ49の吐出流量Qpで決定される。
伸縮体D3が伸長行程(Vp>0)にあるとき、ポンプ49を正転、或いは、逆転させてQp>−(Ap−Ar)・Vpとすれば、図8中の第一象限において、発生力Fを正の範囲で変更することができる。他方、第四象限において、サスペンション装置S3に発生力Fを発揮させる場合、ポンプ49を逆転させ、Qp<−(Ap−Ar)・Vpとすればよい。この場合、伸側室R5内の圧力がリザーバR7内の圧力よりも低下すると、流体がリザーバR7からポンプ49へ供給されて圧側室R6へ流体を供給して圧側室R6内の圧力を上昇させて、伸縮体D3を安定的に伸長させることができる。
次に、伸縮体D3が収縮する際のサスペンション装置S3が発揮する発生力Fは、ベースバルブ45が通過する流量に対して生じる圧力損失の関係である比例定数をCbとし、減衰バルブ47を通過する流量をQppとし、ベースバルブ45を通過する流量をQpbすると、F=(Ap−Ar)・Cp・{(Ap−Ar)・Vp+Qpp}+Ar・Cb・(Ar・Vp+Qpb)となる。なお、ポンプ49の吐出流量Qpと流量Qpp,Qpbとの間には、Qp=Qpp+Qpbの関係がある。上記したことろから理解できるように、サスペンション装置S3の収縮時の発生力Fについてもピストン速度Vpとポンプ49の吐出流量Qpで決定される。
伸縮体D3が収縮行程(Vp<0)にあるとき、ポンプ49を正転、或いは、逆転させてQp<−Vp・{Ar・Cb−(Ap−Ar)・Cp}/{(Ap−Ar)・Cp}とすれば、図8中の第三象限において、発生力Fを負の範囲で変更することができる。他方、第二象限において、サスペンション装置S3に発生力Fを発揮させる場合、ポンプ49を正転させて、Qp>−Vp・{Ar・Cb−(Ap−Ar)・Cp}/{(Ap−Ar)・Cp}とすれば正の発生力が得られる。
つまり、このサスペンション装置S3にあっては、パッシブなダンパでは発生できなかった伸縮方向と同一方向の力を発生させることができ、自ら積極的に伸縮体D3を伸縮させることができ、その発生力を調節することができる。なお、伸縮体D3が停止状態(Vp=0)にあるときでも、ポンプ49の正逆転の流量に応じた力を発生させることができる。
そして、図8中の線d、eで示したポンプ49を停止状態として伸縮体D3をパッシブなダンパとして機能させる際の発生力Fのピストン速度Vpに対する特性を、ポンプ49の流量を調整することによって、図8のグラフ中左右方向へ平行移動させることができる。つまり、サスペンション装置S3の発生力Fを可変にすることができ、具体的には、ポンプ49の吐出流量を正側へ最大とした際の特性を示す線fからポンプ49の吐出流量を負側へ最大とした際の特性を示す線gでの範囲で任意に発生力Fの特性を変更させることができる。たとえば、図8中で発生力F1をサスペンション装置S3に発揮させたい場合、その時のピストン速度Vpで発生力F1となるようにポンプ9の吐出流量Qpを決定し、決定された流量をポンプ49から伸側室R5或いは圧側室R6へ吐出すればよい。
このように、本発明のサスペンション装置S3にあっても、伸縮体D3を積極的に伸縮させてアクチュエータとして機能させてアクティブサスペンションとして機能することができるだけでなく、パッシブなダンパとして機能することができる。
ところで、このサスペンション装置S3では、伸縮体D3が伸長作動を呈する場合に流体が減衰バルブ47のみを通過し、伸縮体D3が収縮作動を呈する場合に流体が減衰バルブ47とベースバルブ45を通過するため、伸長作動時と収縮作動時とで同じ大きさの発生力Fを伸縮体D3に出力させる場合でもポンプ49の吐出流量を異なる流量にしなくてはならない。つまり、伸縮体D3の伸長作動時と収縮作動時とでは、同じ大きさの発生力Fを出力させるには、モータ51の回転数を異なる回転数にしなくてはならない。
以上を踏まえ、制御装置C1は、具体的には、図7に示すように、伸縮体D1に発生させたい目標制御力Frefから目標回転数Nrefを求める目標回転数算出部60と、目標回転数Nrefに基づいてモータ51を制御するモータ制御部61とを備えている。
そして、別の実施の形態におけるサスペンション装置S3の制御装置C1では、目標回転数算出部60において、目標制御力Frefが伸縮体D3の伸長方向と収縮方向の制御力の何れの方向の制御力であるかを判断し、判断結果に基づいて、目標回転数Nrefを求めるようにしている。
より詳細には、制御装置C1は、車両のばね上部材Bとばね下部材Wの上下方向加速度、上下方向速度等といった振動情報、伸縮体D1のピストン速度や変位等の伸縮情報を検出するセンサ手段12と、センサ手段12で検出した各種情報から伸縮体D1に発生させるべき制御力である目標制御力Frefを求める目標制御力演算部13と、目標制御力演算部13が求めた目標制御力Frefが伸縮体D3の伸長方向の制御力であるか収縮方向の制御力であるかを判断する判断部62と、上記判断部62の判断の結果、目標制御力Frefが伸縮体D3の伸長方向の制御力である場合に目標制御力Frefから目標回転数Nrefを求める伸側目標回転数演算部63と、上記判断部62の判断の結果、目標制御力Frefが伸縮体D3の収縮方向の制御力である場合に目標制御力Frefから目標回転数Nrefを求める圧側目標回転数演算部64と、伸側目標回転数演算部63或いは圧側目標回転数演算部64で求めた目標回転数Nrefとモータ51から入力される実際の回転数Nの回転偏差εNを求める回転偏差演算部15と、偏差εNに基づいて比例積分微分補償を行って目標指令Irefを求める補償器16と、目標電流Irefを受けてモータ51へ目標電流Iref通りに電流Iを供給してモータ8を駆動するドライバ17とを備えて構成されている。なお、上記したサスペンション装置S1における制御装置Cと同じ構成については、説明の重複を避けるため、同じ符号を付すこととし、詳細な説明を省略する。
したがって、この実施の形態のサスペンション装置S3にあっては、制御装置C1を構成する目標回転数算出部60は、目標制御力演算部13、判断部62、伸側目標回転数演算部63および圧側目標回転数演算部64とで構成されており、他方のモータ制御部61は、回転偏差演算部15、補償器16およびドライバ17とで構成されている。
判断部62は、目標制御力演算部13が求めた目標制御力Frefから、目標制御力Frefの発生方向が伸縮体D3の伸長方向であるか収縮歩行であるかを判断する。具体的には、判断部62は、目標制御力Frefの符号から判断し、符号が負である場合には目標制御力Frefが伸縮体D3を伸長させる方向の制御力であると判断し、目標制御力Frefの符号が正である場合には目標制御力Frefが伸縮体D3を収縮させる方向の制御力であると判断する。
そして、上記判断部62の判断の結果、目標制御力Frefが伸縮体D3を伸長させる方向の制御力であると判断された場合、圧側目標回転数演算部64に目標回転数Nrefを演算させ、反対に、目標制御力Frefが伸縮体D3を収縮させる方向の制御力であると判断された場合、伸側目標回転数演算部63に目標回転数Nrefを演算させる。上記したように、伸縮体D3に収縮方向の制御力を発揮させる場合、流体は通過するバルブは減衰バルブ47のみとなるが、伸縮体D3に伸長方向の制御力を発揮させる場合、減衰バルブ47の他にベースバルブ45を通過するため、ベースバルブ45を通過する流量分をポンプ49で見込んで吐出する必要がある。したがって、伸縮体D3に伸長方向と収縮方向とで同じ制御力を発揮させる場合、ポンプ49は、伸長方向では収縮方向に対してベースバルブ45を通過する分の流量だけ多く吐出しなければならず、伸側目標回転数演算部63が求める目標回転数Nrefに対して圧側目標回転数演算部64が求める目標回転数Nrefは、ベースバルブ45を通過する流量分に見合ったモータ51の回転数だけ大きくなる。
このように目標回転数Nrefを求めた後は、制御装置C1にあっても、サスペンション装置S1における制御装置Cと同じ処理をする、つまり、回転偏差演算部15で、判断部62の判断結果に基づいて伸側目標回転数演算部63と圧側目標回転数演算部64のいずれかが演算した目標回転数Nrefからモータ8から入力される実際の回転数Nを差し引きして回転偏差εNを求め、引き続き、補償器16で偏差εNに基づいて比例積分微分補償を行って目標電流Irefを求め、目標電流Irefをドライバ17へ入力し、モータ51をPWM駆動するべく図示しない巻線に対して通電することになる。
このように制御装置C1は構成されており、伸縮体D3の目標制御力Frefに基づいて、目標制御力Frefが伸縮体D3の伸長方向の制御力であるか収縮方向の制御力であるかを判断して、モータ51の目標回転数Nrefを求め、目標回転数Nrefに基づいてモータ51を制御するので、伸縮体D3の制御力が伸長方向と収縮方向とでモータ51の回転数が異なる場合であっても、伸縮体D3に目標制御力Fref通りの制御力を発揮させることができ、車両における乗り心地を向上させることができる。
このように、別の実施の形態におけるサスペンション装置S3では、伸縮体D3を積極的に伸縮させてアクティブサスペンションとして機能することができるだけでなく、パッシブなダンパとして発生力の発揮が期待される場面では、ポンプ49の駆動が必須ではなく、ポンプ49の駆動が必要なときにのみ駆動すればよいので、エネルギ消費が少なく、また、構成も簡単であるのでコストも安価となる。
よって、本発明のサスペンション装置S3によれば、アクティブサスペンションとして機能できるとともに、エネルギ消費が少なく、簡単な構成でコストも安価となる。
なお、上記したところでは、伸縮体D3が減衰バルブ47の他にベースバルブ45を備える構成を採用しているが、サスペンション装置S1,S2の伸縮体D1,D2において減衰バルブ6,37が伸側室R1から圧側室R2へ向かう流体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える一方通行の伸側バルブと、これに並列されて圧側室R2から伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える一方通行の圧側バルブとで構成される場合であって、伸側バルブと圧側バルブが通過する流体の流れに与える抵抗が異なる場合には、伸縮体D1,D2の伸長方向と収縮方向とで発生力を同じにする場合ポンプ7,38の吐出流量が異なるから、伸縮体D1,D2に制御装置C1を採用してモータ8,39を制御するようにすればよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1,31,41 シリンダ
2,32,42 ピストン
3,33,43 ロッド
4,35,44 減衰通路
5,36,48 ポンプ通路
6,37,47 抵抗要素としての減衰バルブ
7,38,49 ポンプ
8,39,51 モータ
10,60 目標回転数算出部
11,61 モータ制御部
45 ベースバルブ
50 伸側吸込通路
46 吸込通路
62 判断部
63 伸側目標回転数演算部
64 圧側目標回転数演算部
C,C1 制御装置
D1,D2,D3 伸縮体
R,R7 リザーバ
R1,R3,R5 伸側室
R2,R4,R6 圧側室
S1,S2,S3 サスペンション装置

Claims (3)

  1. シリンダと上記シリンダ内に移動自在に挿入されるピストンと上記シリンダ内に移動自在に挿入されて上記ピストンに連結されるロッドとを備えた伸縮体と、
    上記伸縮体内に設けた伸側室および圧側室と、
    上記伸側室と上記圧側室とを並列して連通する減衰通路とポンプ通路と、
    上記減衰通路の途中に設けられて通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗要素と、
    上記ポンプ通路の途中に設けた双方向吐出型のポンプと、
    上記ポンプを駆動するモータと、
    上記モータを制御する制御装置とを備えたサスペンション装置であって
    上記制御装置は、上記伸縮体の目標制御力に基づいて、上記モータの目標回転数を求め、上記目標回転数に基づいて上記モータを制御する
    ことを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 上記制御装置は、上記伸縮体の目標制御力が上記伸縮体の収縮方向の制御力である場合に上記モータの目標回転数を求める伸側目標回転数演算部と、上記伸縮体の目標制御力が上記伸縮体の伸長方向の制御力である場合に上記モータの目標回転数を求める圧側目標回転数演算部とを備え、上記目標制御力に基づいて上記伸側目標回転数演算部と上記圧側目標回転数演算部のうち一方を選択して上記目標回転数を決定することを特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. リザーバと、
    上記圧側室から上記リザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、
    上記リザーバから上記圧側室へ向かう流体の流れのみを許容する吸込通路と、
    上記リザーバから上記伸側室へ向かう流体の流れのみを許容する伸側吸込通路と
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション装置。
JP2013244561A 2013-11-27 2013-11-27 サスペンション装置 Pending JP2015101260A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013244561A JP2015101260A (ja) 2013-11-27 2013-11-27 サスペンション装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013244561A JP2015101260A (ja) 2013-11-27 2013-11-27 サスペンション装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015101260A true JP2015101260A (ja) 2015-06-04

Family

ID=53377332

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013244561A Pending JP2015101260A (ja) 2013-11-27 2013-11-27 サスペンション装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015101260A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019124312A (ja) * 2018-01-18 2019-07-25 Kyb株式会社 液圧緩衝器

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019124312A (ja) * 2018-01-18 2019-07-25 Kyb株式会社 液圧緩衝器
JP7021959B2 (ja) 2018-01-18 2022-02-17 Kyb株式会社 液圧緩衝器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8776961B2 (en) Shock absorber and suspension apparatus
US8997950B2 (en) Vibration control device for railroad vehicle
CN104903128A (zh) 具有能量使用优化的被动和主动悬架
WO2016072512A1 (ja) サスペンション装置およびサスペンション制御装置
CA2898605C (en) Actuator unit
WO2017086014A1 (ja) サスペンション装置
JP5486367B2 (ja) アクチュエータユニット
JP2015102101A (ja) 緩衝器
JP6243205B2 (ja) サスペンション装置
JP6349182B2 (ja) ダンパ制御装置
JP5929628B2 (ja) アクティブダンパー
JP2015101260A (ja) サスペンション装置
JP2015101259A (ja) サスペンション装置
JP2015102100A (ja) 緩衝器
JP2015101261A (ja) サスペンション装置
WO2016024539A1 (ja) サスペンション装置
JP6675923B2 (ja) サスペンション装置
WO2013125638A1 (ja) アクティブダンパー
JP5910158B2 (ja) アクティブダンパー
WO2024062892A1 (ja) シリンダ装置
CN114559781B (zh) 一种刚度阻尼主动可调的油气悬架结构及其控制方法
JP6916591B2 (ja) サスペンション装置
WO2024070205A1 (ja) シリンダ装置
JP4419488B2 (ja) 車両用サスペンションシステム
JP2018122625A (ja) 鉄道車両用制振装置