JP2015102101A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクティブサスペンションとして機能できるとともに、エネルギ消費が少なく、簡単な構成でコストも安価なサスペンション装置を提供する。【解決手段】本発明のサスペンション装置S1は、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、リザーバRと、伸側室R1と圧側室R2と連通する減衰通路4と、圧側室R2からリザーバRへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブ5と、リザーバRから圧側室R2へ向かう流体の流れのみを許容する吸込通路6と、減衰通路4の途中に設けられて通過する流体の流れに抵抗を与える減衰バルブ7とを備えたダンパDと、減衰通路4に並列して伸側室R1と圧側室R2と連通するポンプ通路8と、ポンプ通路8の途中に設けた双方向吐出型のポンプ9と、リザーバRから伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容する伸側吸込通路10とを備えた。【選択図】図1

Description

本発明は、サスペンション装置に関する。
この種のサスペンション装置としては、たとえば、車両の車体と車軸との間に介装されるアクティブサスペンションとして機能するものがあり、具体的には、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されてシリンダ内に圧力室を区画するピストンと、ピストンに連結されるロッドと、圧力室を連通する流路と、圧力室に圧油を供給する油圧ポンプとを備えて構成されるもの(たとえば、特許文献1参照)がある。
また、セミアクティブサスペンションとして機能するサスペンション装置としては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に移動自在に挿入されてシリンダ内に伸側室と圧側室を区画するピストンと、ピストンに連結されるロッドと、伸側室と圧側室とを連通する流路と、流路の途中に設けた減衰力可変バルブとを備えて構成されるもの(たとえば、特許文献2参照)がある。
特開昭63−176710号公報 特開平5−155224号公報
上記したアクティブサスペンションとして機能するサスペンション装置にあっては、絶えず、油圧ポンプを駆動しておりエネルギ消費が大きく、システムが複雑で、コスト高となって不経済となるという問題がある。
他方、上記したセミアクティブサスペンションとして機能するサスペンション装置では、エネルギを大きく消費する油圧ポンプを備えていないことからエネルギ消費は少なく、システムは簡易で低コストであるものの、パッシブダンパであるため能動的な力、つまり、伸縮方向と同方向の力を積極的に発揮することができないので、車両の振動抑制効果の点でアクティブサスペンションに劣る面がある。
そこで、上記問題を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、アクティブサスペンションとして機能できるとともに、エネルギ消費が少なく、簡単な構成でコストも安価なサスペンション装置を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段におけるサスペンション装置は、シリンダと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて上記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、リザーバと、上記伸側室と上記圧側室とを連通する減衰通路と、上記圧側室から上記リザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、上記リザーバから上記圧側室へ向かう流体の流れのみを許容する吸込通路と、上記減衰通路の途中に設けられて通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗要素とを備えたダンパと、上記減衰通路に並列して上記伸側室と上記圧側室とを連通するポンプ通路と、上記ポンプ通路の途中に設けた双方向吐出型のポンプと、上記リザーバから上記伸側室へ向かう流体の流れのみを許容する伸側吸込通路とを備えたことを特徴とする。
本発明のサスペンション装置によれば、アクティブサスペンションとして機能することができるだけでなく、ポンプの駆動が必要なときにのみ駆動すればよいので、エネルギ消費が少なく、また、構成も簡単であるのでコストも安価となる。
一実施の形態におけるサスペンション装置を示した図である。 一実施の形態におけるサスペンション装置の発生力とピストン速度の関係を示した図である。 他の実施の形態におけるサスペンション装置を示した図である。 他の実施の形態におけるサスペンション装置の発生力の周波数特性図である。 別の実施の形態におけるサスペンション装置を示した図である。 別の実施の形態におけるサスペンション装置の発生力とポンプの吐出流量の関係図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態におけるサスペンション装置S1は、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン2と、リザーバRと、伸側室R1と圧側室R2と連通する減衰通路4と、圧側室R2からリザーバRへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブ5と、リザーバRから圧側室R2へ向かう流体の流れのみを許容する吸込通路6と、減衰通路4の途中に設けられて通過する流体の流れに抵抗を与える減衰バルブ7とを備えたダンパD1と、減衰通路4に並列して伸側室R1と圧側室R2と連通するポンプ通路8と、ポンプ通路8の途中に設けた双方向吐出型のポンプ9と、リザーバRから伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容する伸側吸込通路10とを備えて構成され、シリンダ1内には流体が充填され密閉されている。
また、このサスペンション装置S1にあっては、ダンパD1は、シリンダ1内に移動自在に挿入されてピストン2に連結されるロッド3を備えており、このロッド3が伸側室R1内のみに挿通されていて、ダンパD1は、所謂、片ロッド型のダンパとされている。ダンパD1は、シリンダ1内に出入りするロッド3の体積を補償するためにリザーバRを備えており、このリザーバRが圧側室R2にベースバルブ5および吸込通路6を通じて接続されている。リザーバRは、シリンダ1とシリンダ1の外周を覆う外筒12との間に形成されるが、他所に形成されてもよい。
なお、サスペンション装置S1を車両に適用する場合、シリンダ1を車両のばね上部材およびばね下部材のうち一方に連結し、ロッド3をばね上部材およびばね下部材のうち他方に連結して、ばね上部材とばね下部材との間に介装すればよい。
そして、伸側室R1および圧側室R2には流体として作動油等の液体が充満され、リザーバR内にも液体と気体が充填される。伸側室R1、圧側室R2およびリザーバR内に充填される液体は、作動油以外にも、たとえば、水、水溶液といった液体を使用することもできる。また、本発明では、伸長行程時に圧縮される室を伸側室R1とし、収縮行程時に圧縮される室を圧側室R2としてある。
減衰通路4は、この場合、ピストン2に設けられていて、伸側室R1と圧側室R2とを連通しており、その途中に抵抗要素としての減衰バルブ7が設けられている。この減衰通路4の他に、伸側室R1と圧側室R2とを連通するポンプ通路8が設けられており、減衰通路4とポンプ通路8は、並列して伸側室R1と圧側室R2とを連通している。減衰バルブ7は、ポンプ通路8に設けたポンプ9に並列して設けられており、この場合、双方向通行を許容する絞りとされている。減衰バルブ7は、伸側室R1から圧側室R2へ向かう流体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える一方通行のバルブと、これに並列されて圧側室R2から伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容して当該流れに抵抗を与える一方通行のバルブとで構成されてもよい。
ベースバルブ5は、圧側室R2とリザーバRとを連通しており、通過する流体の流れに対して抵抗を与えるようになっている。この場合、ベースバルブ5は、圧側室R2からリザーバRへ向かう流体の流れに抵抗を与えるだけでなく、反対方向の流れに抵抗を与えることも可能な絞りとされているが、圧側室R2からリザーバRへ向かう流体の流れのみを許容しつつ当該流れに抵抗を与えるバルブとされてもよい。また、このベースバルブ5に並列してリザーバRと圧側室R2とを連通する吸込通路6が設けられている。この吸込通路6は、リザーバRと圧側室R2とを接続する通路6aと、通路6aの途中に設けられてリザーバRから圧側室R2へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁6bとを備えており、吸込通路6をリザーバRから圧側室R2へ向かう一方通行の通路に設定している。このように吸込通路6を設けることで、リザーバRから圧側室R2へ向かう流体は、ベースバルブ5が双方向の流れを許容する絞りとされていても、通過しやすい吸込通路6を通過するので、ベースバルブ5を絞りとしても差し支えない。
転じて、ポンプ9は、双方向吐出型に設定され、たとえば、ピストンポンプ等とされており、さらに、ポンプ9の回転軸はモータ11に接続されており、モータ11によって駆動されるようになっている。また、このポンプ9は、モータ11によって駆動されるが、ポンプ通路8を通過しようとする流体の流れによって流体モータとしても機能し、モータ11を発電機として作用させエネルギ回生を行うのもであってもよい。モータ11には、直流、交流を問わず、種々の形式のモータ、たとえば、ブラシレスモータ、誘導モータ、同期モータ等を採用することができる。
また、このサスペンション装置S1にあっては、リザーバRから伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容する伸側吸込通路10が設けられている。この伸側吸込通路10は、リザーバRと伸側室R1とを接続する通路10aと、通路10aの途中に設けられてリザーバRから伸側室R1へ向かう流体の流れのみを許容する逆止弁10bとを備えており、伸側吸込通路10をリザーバRから伸側室R1へ向かう一方通行の通路に設定している。このように伸側吸込通路10を設けることで、ダンパD1を積極的に伸長させる際に、伸側室R1が大気圧以下の負圧となるバキューム現象を引き起してポンプ9による圧側室R2への流体供給不良を生じさせずに済む。
さて、このように構成されたサスペンション装置S1は、モータ11に電力供給せずにポンプ9を停止させている際、ダンパD1が外部入力によって強制的に伸長させられる場合、伸側室R1から圧側室R2へ減衰通路4を介して移動する流体の流れに減衰バルブ7で抵抗を与えて、ダンパD1の伸長を抑制する発生力を発揮する。そして、ロッド3がシリンダ1から退出する体積分の流体は、リザーバRから吸込通路6を介してシリンダ1内に供給される。
この場合のサスペンション装置S1が発生する力である発生力は、横軸にピストン2のシリンダ1に対する軸方向の移動速度であるピストン速度を採り、縦軸に発生力を採った図2のグラフの線aで示すように、ピストン速度に対して決まった値をとり、サスペンション装置S1は、パッシブなダンパと同様の発生力特性を発揮する。
モータ11に電力供給せずにポンプ9を停止させている状態において、ダンパD1が外部入力によって強制的に収縮させられる場合、圧側室R2から伸側室R1へ減衰通路4を介して移動する流体の流れに減衰バルブ7で抵抗を与えるとともに、ロッド3がシリンダ1内へ侵入する体積分の流体が圧側室R2からリザーバRへ移動する流れにベースバルブ5で抵抗を与えて、シリンダ1内の圧力を上昇させることで、ダンパD1の収縮を抑制する発生力を発揮する。
この場合のサスペンション装置S1が発生する力である発生力は、横軸にピストン速度を採り縦軸に発生力を採った図2のグラフの線bで示すように、ピストン速度に対して決まった値をとり、サスペンション装置S1は、パッシブなダンパと同様の発生力特性を発揮する。
他方、このサスペンション装置S1は、モータ11でポンプ9を駆動すると、流体を伸側室R1から圧側室R2へ、或いは、圧側室R2から伸側室R1へ送り込むことができ、減衰通路4に設けた減衰バルブ7を通過する流量を制御することができる。
ここで、ダンパD1におけるピストン2のシリンダ1に対する速度であるピストン速度をVpとし、ピストン2の断面積をApとし、ロッド3の断面積をArとし、ポンプ9が吐出する流量をQpとし、減衰バルブ7が通過する流量に対して生じる圧力損失の関係である比例定数をCpとし、ダンパD1が出力する力であるサスペンション装置S1の発生力をFとする。また、ピストン速度Vpは、ピストン2がシリンダ1に対して図1中上方へ移動する方向である場合に正の値をとり、流量Qpは、ポンプ9が伸側室R1へ向けて流体を吐出する際(正転)に正の値をとるものとする。
そうすると、ダンパD1が伸長する際のサスペンション装置S1が発揮する発生力Fは、F=(Ap−Ar)・Cp・{(Ap−Ar)・Vp+Qp}となる。つまり、サスペンション装置S1の伸長時の発生力Fは、ピストン速度Vpとポンプ9の吐出流量Qpで決定される。
ダンパD1が伸長行程(Vp>0)にあるとき、ポンプ9を正転、或いは、逆転させてQp>−(Ap−Ar)・Vpとすれば、図2中の第一象限において、発生力Fを正の範囲で変更することができる。他方、第四象限において、サスペンション装置S1に負の発生力Fを発揮させる場合、ポンプ9を逆転させ、Qp<−(Ap−Ar)・Vpとすればよい。この場合、伸側室R1内の圧力がリザーバR内の圧力よりも低下すると、流体がリザーバRからポンプ9へ供給されて圧側室R2へ流体を供給して圧側室R2内の圧力を上昇させて、ダンパD1を安定的に伸長させることができる。
次に、ダンパD1が収縮する際のサスペンション装置S1が発揮する発生力Fは、ベースバルブ5が通過する流量に対して生じる圧力損失の関係である比例定数をCbとし、減衰バルブ7を通過する流量をQppとし、ベースバルブ5を通過する流量をQpbすると、F=(Ap−Ar)・Cp・{(Ap−Ar)・Vp+Qpp}+Ar・Cb・(Ar・Vp+Qpb)となる。なお、ポンプ9の吐出流量Qpと流量Qpp,Qpbとの間には、Qp=Qpp+Qpbの関係がある。上記したことろから理解できるように、サスペンション装置S1の収縮時の発生力Fについてもピストン速度Vpとポンプ9の吐出流量Qpで決定される。
ダンパD1が収縮行程(Vp<0)にあるとき、ポンプ9を正転、或いは、逆転させてQp<−Vp・{Ar・Cb−(Ap−Ar)・Cp}/{(Ap−Ar)・Cp}とすれば、図2中の第三象限において、発生力Fを負の範囲で変更することができる。他方、第二象限において、サスペンション装置S1に発生力Fを発揮させる場合、ポンプ9を正転させて、Qp>−Vp・{Ar・Cb−(Ap−Ar)・Cp}/{(Ap−Ar)・Cp}とすれば正の発生力が得られる。
つまり、このサスペンション装置S1にあっては、パッシブなダンパでは発生できなかった伸縮方向と同一方向の力を発生させることができ、自ら積極的にダンパD1を伸縮させることができ、その発生力を調節することができる。なお、ダンパD1が停止状態(Vp=0)にあるときでも、ポンプ9の正逆転の流量に応じた力を発生させることができる。
そして、図2中の線a、bで示したポンプ9を停止状態としてダンパD1をパッシブなダンパとして機能させる際の発生力Fのピストン速度Vpに対する特性を、ポンプ9の流量を調整することによって、図2のグラフ中左右方向へ平行移動させることができる。つまり、サスペンション装置S1の発生力Fを可変にすることができ、具体的には、ポンプ9の吐出流量を正側へ最大とした際の特性を示す線cからポンプ9の吐出流量を負側へ最大とした際の特性を示す線dでの範囲で任意に発生力Fの特性を変更させることができる。たとえば、図2中で発生力F1をサスペンション装置S1に発揮させたい場合、その時のピストン速度Vpで発生力F1となるようにポンプ9の吐出流量Qpを決定し、決定された流量をポンプ9から伸側室R1或いは圧側室R2へ吐出すればよい。
このように、本発明のサスペンション装置S1では、ダンパD1を積極的に伸縮させてアクティブサスペンションとして機能することができるだけでなく、パッシブなダンパとして発生力の発揮が期待される場面では、ポンプ9の駆動が必須ではなく、ポンプ9の駆動が必要なときにのみ駆動すればよいので、エネルギ消費が少なく、また、構成も簡単であるのでコストも安価となる。
よって、本発明のサスペンション装置S1によれば、アクティブサスペンションとして機能できるとともに、エネルギ消費が少なく、簡単な構成でコストも安価となる。
さらに、図3の他の実施の形態のサスペンション装置S2について説明する。このサスペンション装置S2は、ダンパD2の構成が、一実施の形態のサスペンション装置S1とは異なっており、ダンパD2は、ダンパD1に、圧力室Pcと、圧力室Pc内に摺動自在に挿入されて圧力室Pc内を伸側室R1に連通される伸側圧力室20と圧側室R2に連通される圧側圧力室21とに区画するフリーピストン22と、フリーピストン22を圧力室Pc内で中立位置に位置決めるとともにフリーピストン22の中立位置からの変位を抑制する附勢力を発揮するばね要素23を設けた構成となっている。
圧力室Pcは、この実施の形態の場合、ロッド3の先端であってピストン2の下方に連結されて圧側室R2へ臨むハウジング24内に設けた中空部24aによって形成されており、当該中空部24aの側壁に摺接して中空部24a内を図3中上下方向に移動可能とされるフリーピストン22で中空部24aを図3中上方の伸側圧力室20と図3中下方の圧側圧力室21とに仕切っている。すなわち、フリーピストン22は、ハウジング24内に摺動自在に挿入されており、ハウジング24に対して図3中では上下方向に変位することができるようになっている。
また、フリーピストン22は、圧力室Pcを形成する中空部24aの下端部に一端が連結されて圧側圧力室21内に収容されるばね要素23における他端に連結され、これにより、フリーピストン22はハウジング24内の所定位置に位置決めされた中立位置から変位するとばね要素23からその変位量に比例した附勢力が作用することになる。上記した中立位置は、フリーピストン22が圧力室Pcに対してばね要素23によって位置決められる位置であって、必ずしも中空部24aの上下方向における中間点に設定されなくともよい。ばね要素23は、伸側圧力室20に収容されてもよく、ばね要素23を伸側圧力室20と圧側圧力室21のそれぞれに収容される二つのばねで構成して、これらばねでフリーピストン22を挟持して中立位置へ位置決めしてもよい。
なお、ハウジング24内は、図示したところでは、フリーピストン22によって上下に伸側圧力室20と圧側圧力室21に区画され、ダンパD2が伸縮して抑制する振動方向とフリーピストン22の移動方向が一致しており、ダンパD2の全体が図3中上下方向に振動することによって、フリーピストン22のハウジング24に対する上下方向の振動が励起されることを避けたい場合には、フリーピストン22の移動方向をダンパD2の伸縮方向と直交する方向、すなわち、図3中左右方向に設定し、伸側圧力室20と圧側圧力室21を図3中横方向に配置するようにすることもできる。
さらに、伸側室R1と伸側圧力室20は、ロッド3の伸側室R1に臨む側部から開口して圧力室Pcに通じる伸側流路25を介して連通されている。また、当該ハウジング24には、圧側室R2と圧側圧力室21とを連通する圧側流路26が設けられている。なお、圧側流路26には絞り26aが設けられており、これを通過する液体の流れに抵抗を与えるようにしている。なお、絞り26aには、固定オリフィスやチョーク等といった種々の構造を採用することができ、さらには、絞り26aは、フリーピストン22が圧力室Pc内でストロークエンド付近まで達すると流路面積が減少するか閉塞される可変絞りとされてもよい。なお、絞り26aは、伸側流路25にも設けることもできるが、後述する発生力低減効果を得たい周波数の設定によって不要の場合には、伸側流路25および圧側流路26に設けずにおくことも可能である。
このように、伸側室R1と伸側圧力室20とが伸側流路25によって連通され、圧側室R2と圧側圧力室21とが圧側流路26によって連通され、伸側圧力室20と圧側圧力室21の容積はフリーピストン22がハウジング24内で変位することによって変化するので、このダンパD2にあっては、上記した伸側流路25、伸側圧力室20、圧側圧力室21および圧側流路26が、見掛け上、伸側室R1と圧側室R2を連通する流路として機能し、伸側室R1と圧側室R2は、減衰通路4およびポンプ通路8の他にこの見掛け上の流路によっても連通されることになる。なお、圧力室Pcは、シリンダ1内に設けたハウジング24によって形成されているが、シリンダ1外にハウジング24を設けることも可能である。
つづいて、このサスペンション装置S2の作動について説明する。上記したダンパD2に入力される振動の周波数、すなわち、ダンパD2の伸縮振動の周波数が低周波であっても高周波であっても、ダンパD2におけるピストン速度が同じである場合、低周波振動入力時のダンパD2の振幅は、高周波振動入力時のダンパD2の振幅よりも大きくなる。このようにダンパD2に入力される振動の周波数が低い場合、振幅が大きいため、伸縮1周期で伸側室R1と圧側室R2を行き交う液体の体積は大きくなる。この体積に略比例して、フリーピストン22が動く変位も大きくなるが、フリーピストン22がばね要素23で附勢されているため、フリーピストン22の変位が大きくなると、フリーピストン22が受けるばね要素23からの附勢力も大きくなり、その分、伸側圧力室20の圧力と圧側圧力室21の圧力に差圧が生じて、圧側室R2と圧側圧力室21の差圧が小さくなり、上記の見掛け上の流路を通過する流量は小さくなる。この見掛け上の流路を通過する流量が小さい分、減衰通路4或いはポンプ通路8を通過する流量は大きくなり、サスペンション装置S2が発生する発生力は、ピストン速度Vpとポンプ9の吐出流量Qpによって狙い通りに制御される。
逆に、ダンパD2に高周波振動が入力される場合、振幅が低周波振動入力時よりも小さいため、伸縮1周期で伸側室R1と圧側室R2を行き交う液体の体積は小さく、フリーピストン22の動く変位も小さくなる。すると、フリーピストン22が受けるばね要素23からの附勢力も小さくなる。その分、伸側圧力室20の圧力と圧側圧力室21の圧力がほぼ同等圧となり、圧側室R2と圧側圧力室21の差圧は低周波振動入力時よりも大きくなって、減衰通路4或いはポンプ通路8を迂回して見掛け上の流路を通過する流量が低周波振動入力時よりも多くなる。このように見掛け上の流路を通過する流量が増大するため、減衰通路4或いはポンプ通路8を通過する流量が減少することになって、サスペンション装置S2が発生する発生力は、ピストン速度Vpとポンプ9の吐出流量Qpで制御しようと狙った発生力よりも小さくなることになる。
よって、このサスペンション装置S2の発生力の特性を、図4に示すように、低周波数域の振動に対しては大きく、高周波数域の振動に対しては発生力を小さくすることができ、サスペンション装置S2の発生力を入力振動周波数に依存させて変化させることができる。また、図4に示すように、サスペンション装置S2の発生力の特性は、折れ点周波数fa,fbで変化するため、小さい値を採る折れ点周波数faの値を車両のばね上共振周波数の値以上であって車両のばね下共振周波数の値以下に設定し、大きい値を採る折れ点周波数fbを車両のばね下共振周波数以下に設定することで、サスペンション装置S2は、ばね上共振周波数の振動の入力に対しては高い発生力を発生することができ、車両の姿勢を安定させて、車両旋回時に、搭乗者に不安を感じさせることを防止できるとともに、ばね下共振周波数の振動が入力されると必ず低い発生力を発生することになるので、車軸側の振動の車体側への伝達を絶縁して、車両における乗り心地を良好なものとすることができる。
よって、このサスペンション装置S2にあっても、サスペンション装置S1と同様に、ポンプ9を駆動することでサスペンション装置S2が発生する発生力Fを調節することができ、エネルギ消費が少なく、また、構成も簡単であるのでコストも安価となる。これに加えて、サスペンション装置S2によれば、ダンパD2への入力周波数が高周波数となると発生力を低減することができるから、車軸側の振動の車体側への伝達を絶縁して、車両における乗り心地を良好なものとすることができる。
つづいて、図5に示した、別の実施の形態のサスペンション装置S3について説明する。このサスペンション装置S3は、一実施の形態のサスペンション装置S1の構成に対して、ダンパD3の構成が異なっており、ダンパD3は、ダンパD1に、減衰通路4に設けた減衰バルブ7に並列して、開口面積が変化する可変減衰バルブとしての可変オリフィス30を設けて構成されている。つまり、この実施の形態の場合、抵抗要素は、減衰バルブ7と可変オリフィス30とで構成されている。
可変オリフィス30は、伸側室R1に臨むロッド3の側方から開口して圧側室R2に臨む先端へ通じて、減衰通路4に並列される第二減衰通路31の途中に設けられ、減衰バルブ7に対して並列に配置されている。なお、可変オリフィス30は、詳しくは図示しないが、ソレノイド等の直動型のアクチュエータと、アクチュエータによって駆動されてオリフィスを開閉する弁体とで構成される他、ステッピングモータ等の回転型のアクチュエータとオリフィスを開閉する筒状のロータリバルブとで構成されてもよい。また、この場合、可変減衰バルブとしての可変オリフィス30を第二減衰通路31に設けているが、減衰バルブ7を設けずに、減衰通路4に設けた抵抗要素を流路面積或いは開弁圧を変更可能な可変減衰バルブのみで構成させてもよい。さらに、可変オリフィス30は、流路面積を段階的に変更可能であってもよいし、無段階に変更することができるものであってもよい。
このように構成されたサスペンション装置S3にあっては、可変オリフィス30における流路面積を変更することで、ポンプ9の吐出流量Qpに対するサスペンション装置S4の発生力の特性を、図6の線Yで示すように、可変オリフィス30の流路面積を最大とした場合の特性から図6の破線Xで示すように、可変オリフィス30の流路面積を最小とした場合の特性まで変化させることが可能である。
ここで、車両における乗り心地は、ポンプ9の吐出流量Qpに対する発生力の勾配を小さくすると発生力の急変が回避されて良好なものとなるが、その反面、ポンプ9の最大吐出流量には限界があるので、大きな発生力を発揮できなくなってしまう。しかしながら、このサスペンション装置S3にあっては、可変オリフィス30によって発生力を高低させることができるから、発生力の制御幅を確保しつつも、可変オリフィス30が通過する流体の流れに与える抵抗を最小とすることで車両における乗り心地をより向上させることができる。
よって、このサスペンション装置S3にあっても、サスペンション装置S1と同様に、ポンプ9を駆動することでサスペンション装置S3が発生する発生力Fを調節することができ、エネルギ消費が少なく、また、構成も簡単であるのでコストも安価となる。これに加えて、サスペンション装置S3によれば、発生力の制御幅を確保しつつも、車両における乗り心地をより向上させることができる。
なお、上記したところでは、ポンプ9がモータ11の回転数に依存して吐出流量が決まるポンプとされているが、ポンプ9に吐出流量可変ポンプを使用することができる。ポンプ9を吐出流量可変ポンプとすることで、流量を広範な範囲で可変にすることができ、モータ11の応答が目標流量に追従しないような場合に、吐出流量を変更することで追従させることができる等の利点を各実施の形態で享受することができる。また、モータ11のロータの慣性によって速度変化の応答が遅れてしまうような場合に、ポンプ9側で吐出流量を可変にすることで、応答遅れを低減させて、各サスペンション装置S1,S2,S3の発生力Fの発生応答性を向上させることができる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
1 シリンダ
2 ピストン
3 ロッド
4 減衰通路
5 ベースバルブ
6 吸込通路
7 抵抗要素としての減衰バルブ
8 ポンプ通路
9 ポンプ
10 伸側吸込通路
20 伸側圧力室
21 圧側圧力室
22 フリーピストン
23 ばね要素
D1,D2,D3 ダンパ
Pc 圧力室
R リザーバ
R1 伸側室
R2 圧側室
S1,S2,S3 サスペンション装置

Claims (4)

  1. シリンダと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて上記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、リザーバと、上記伸側室と上記圧側室とを連通する減衰通路と、上記圧側室から上記リザーバへ向かう流体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、上記リザーバから上記圧側室へ向かう流体の流れのみを許容する吸込通路と、上記減衰通路の途中に設けられて通過する流体の流れに抵抗を与える抵抗要素とを備えたダンパと、
    上記減衰通路に並列して上記伸側室と上記圧側室とを連通するポンプ通路と、
    上記ポンプ通路の途中に設けた双方向吐出型のポンプと、
    上記リザーバから上記伸側室へ向かう流体の流れのみを許容する伸側吸込通路と
    を備えたことを特徴とするサスペンション装置。
  2. 上記抵抗要素は、流路面積或いは開弁圧を可変にする可変減衰バルブとを備えたことを特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. 圧力室と、
    上記圧力室内に摺動自在に挿入されて上記圧力室内を上記伸側室に連通される伸側圧力室と上記圧側室に連通される圧側圧力室とに区画するフリーピストンと、
    上記フリーピストンを上記圧力室内で中立位置に位置決めるとともに上記フリーピストンの上記中立位置からの変位を抑制する附勢力を発揮するばね要素と
    を備えた請求項1または2に記載のサスペンション装置。
  4. 上記ポンプは、吐出流量可変ポンプであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のサスペンション装置。
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