以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用空調装置1を示すものである。この車両用空調装置1は、例えば自動車等の車両の室内において前部に設けられるインストルメントパネル(図示せず)の内部に配設されている。車両用空調装置1は、図示しない送風ユニットを有している。送風ユニットは、車室内の空気と車室外の空気との一方を選択して空調用空気として送風することができるようになっている。
尚、この実施形態の説明では、車両前側を単に「前」といい、車両後側を単に「後」といい、車両左側を単に「左」といい、車両右側を単に「右」というものとする。
車両用空調装置1は、空調用空気を冷却する冷却用熱交換器10と、空調用空気を加熱する加熱用熱交換器11と、デフロスタダンパ12と、ベントダンパ13と、ヒートダンパ14と、エアミックスダンパ(空調装置用ダンパ)20と、これら機器10〜14、20を収容する空調ケーシング15とを備えている。
空調ケーシング15には、送風ユニットから送風される空気を導入する空気導入口15aと、デフロスタ吹出口15bと、ベント吹出口15cと、ヒート吹出口15dとが形成されている。空気導入口15aは、空調ケーシング15の側壁前部に開口しており、この実施形態では上下方向に長い形状である。
デフロスタ吹出口15bは、空調ケーシング15の上壁部において前後方向中央部近傍に開口しており、空調ケーシング15の左右両端部近傍に亘っている。デフロスタ吹出口15bは、デフロスタダクト(図示せず)を介してインストルメントパネルに形成されたデフロスタノズル(図示せず)に接続されており、主にフロントガラスの内面に空調風を供給するためのものである。
また、ベント吹出口15cは、空調ケーシング15の後壁部上側に開口している。ベント吹出口15cは、ベントダクト(図示せず)を介してインストルメントパネルに形成されたサイド及びセンターベントノズル(図示せず)に接続されており、主に前席乗員の上半身に空調風を供給するためのものである。
また、ヒート吹出口15dは、空調ケーシング15の後壁部下側に開口しており、主に前席乗員の足元近傍に空調風を供給するためのものである。ヒート吹出口15dには、後席乗員の足元近傍に空調風を供給するダクト(図示せず)を接続することもできる。
空調ケーシング15の内部には、空気導入口15aから導入された空気が流通する空気通路Rが形成されている。空気通路Rは、冷風通路R1と、温風通路R2と、エアミックス空間R3と、デフロスタ通路R4と、ベント通路R5と、ヒート通路R6とを有している。冷風通路R1の上流端は、空気導入口15aに連通している。冷風通路R1は、空調ケーシング15の内部を後側へ向かって前後方向中央部近傍まで延びている。冷風通路R1には、冷却用熱交換器10が配設されている。冷風通路R1内の空気は、全量が冷却用熱交換器10を通過するようになっている。そして、冷却用熱交換器10によって冷風通路R1内の空調用空気が冷却される。つまり、冷風通路R1は、冷風を生成する通路である。冷風通路R1の下流端は上下に2つに分岐している。
温風通路R2の上流端は、冷風通路R1の下流端の下側部分に連通している。温風通路R2の上流側には、加熱用熱交換器11が配設されている。温風通路R2内の空気は、全量が加熱用熱交換器11を通過するようになっている。そして、加熱用熱交換器11によって温風通路R2内の空調用空気が冷却される。つまり、温風通路R2は、温風を生成する通路である。温風通路R2の下流側は上方へ湾曲している。
エアミックス空間R3は、温風通路R2の上方に形成されている。エアミックス空間R3には、冷風通路R1の下流端の上側部分と、温風通路R2の下流端とが連通している。エアミックス空間R3は、冷風通路R1から流入した冷風と、温風通路R2から流入した温風とを混合させて所望温度の空調風を生成するための空間である。
デフロスタ通路R4の上流端は、エアミックス空間R3に連通している。デフロスタ通路R4の下流端は、デフロスタ吹出口15bに連通している。また、ベント通路R5の上流端は、エアミックス空間R3に連通している。ベント通路R5の下流端は、ベント吹出口15cに連通している。また、ヒート通路R6の上流端は、エアミックス空間R3に連通している。ヒート通路R6の下流端は、ヒート吹出口15dに連通している。
冷却用熱交換器10は、ヒートポンプ装置の冷媒蒸発器で構成されているが、これに限らず、空調用空気を冷却することができるものであれば各種熱交換器を使用することができる。冷却用熱交換器10は、その空気通過面10aが上下方向に延びる姿勢で配設されている。冷却用熱交換器10の上部及び下部には上側及び下側ヘッダタンク10b、10cがそれぞれ設けられている。これら上側及び下側ヘッダタンク10b、10c間には、冷媒が流通する複数の伝熱管と、フィン(共に図示せず)とが配設されている。空調用空気はフィンの配設部位を通過するので、冷却用熱交換器10の空気通過面10aは、上側ヘッダタンク10bと下側ヘッダタンク10cとの間の部分である。
加熱用熱交換器11は、エンジンの冷却水が循環するヒータコアで構成されているが、これに限らず、例えばヒートポンプ装置の冷媒凝縮器等の空調用空気を加熱することができるものであればよい。加熱用熱交換器11は、その空気通過面11aが上下方向に延びる姿勢で配設されている。加熱用熱交換器11の上部及び下部には上側及び下側ヘッダタンク11b、11cがそれぞれ設けられている。これら上側及び下側ヘッダタンク11b、11c間には、エンジン冷却水が流通する複数の伝熱管と、フィン(共に図示せず)とが配設されている。空調用空気はフィンの配設部位を通過するので、加熱用熱交換器11の空気通過面11aは、上側ヘッダタンク11bと下側ヘッダタンク11cとの間の部分である。
加熱用熱交換器11の空気通過面11aは、冷却用熱交換器10の空気通過面10aよりも小さく形成されている。具体的には、加熱用熱交換器11の空気通過面11aの上下寸法は、冷却用熱交換器10の空気通過面10aの上下寸法よりも短くなっている。そして、加熱用熱交換器11は、その空気通過面11aが冷却用熱交換器10の空気通過面10aの下側寄りの部分に対向するように配置されている。この実施形態では、冷却用熱交換器10の空気通過面10aと、加熱用熱交換器11の空気通過面11aとは略平行である。
デフロスタダンパ12は、デフロスタ通路R4を開閉するためのものである。また、ベントダンパ13は、ベント通路R5を開閉するためのものである。また、ヒートダンパ14は、ヒート通路R6を開閉するためのものである。デフロスタダンパ12、ベントダンパ13及びヒートダンパ14は、例えば片持ちタイプのダンパで構成することができるが、これに限られるものではなく、各種形状のダンパを使用することができる。
デフロスタダンパ12、ベントダンパ13及びヒートダンパ14は、図示しない吹出方向切替アクチュエータによって駆動される。デフロスタダンパ12、ベントダンパ13及びヒートダンパ14の開閉状態により、空調風がデフロスタノズルから吹き出すデフロスタモード、ベントノズルから吹き出すベントモード、ヒート吹出口15dから吹き出すヒートモード、ベントノズル及びヒート吹出口15dの両方から吹き出すバイレベルモード、デフロスタノズル及びヒート吹出口15dの両方から吹き出すデフ/ヒートモード等を含む複数の吹出モードに切り替えられる。
また、車両用空調装置1は、車室の運転席側(第1空調領域)と助手席側(第2空調領域)とにそれぞれ異なる温度の空調風を供給することができるように構成されている。車両用空調装置1の空調ケーシング15内には、エアミックスダンパ20よりも下流側の空気通路を左右(運転席側と助手席側)に仕切るための仕切板88(図4に仮想線で示す)が設けられている。仕切板88は、空気通路R内を上下方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の左右方向中央部から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。仕切板88よりも左側が車室の運転席側に空調風を送る第1空調風通路P1とされ、仕切板88よりも右側が車室の助手席側に空調風を送る第2空調風通路P2とされている。
エアミックスダンパ20は、第1空調風通路P1に流入する冷風量を調整する複数の第1冷風側帯状板材51と、第1空調風通路P1に流入する温風量を調整する複数の第1温風側帯状板材52と、第2空調風通路P2に流入する冷風量を調整する複数の第2冷風側帯状板材53と、第2空調風通路P2に流入する温風量を調整する複数の第2温風側帯状板材54と、第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を回動可能に支持する枠体93とを備えている。
さらに、図6に示すように、エアミックスダンパ20は、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52を連結する左側連結部材94と、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52が枠体93から離脱しないようにするための左側ストッパ部材95と、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を連結する右側連結部材96と、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54が枠体93から離脱しないようにするための右側ストッパ部材97とを備えている。
第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53、第2温風側帯状板材54、左側連結部材94、左側ストッパ部材95、右側連結部材96及び右側ストッパ部材97は樹脂製である。
第1冷風側帯状板材51は、冷風通路R1の下流端の第1空調風通路P1側に配設されており、この冷風通路R1を開閉するように構成されている。第1温風側帯状板材52は、温風通路R2の上流端の第1空調風通路P1側に配設されており、この温風通路R2を開閉するように構成されている。第2冷風側帯状板材53は、冷風通路R1の下流端の第2空調風通路P2側に配設されており、この冷風通路R1を開閉するように構成されている。第2温風側帯状板材54は、温風通路R2の上流端の第2空調風通路P2側に配設されており、この温風通路R2を開閉するように構成されている。
図1〜図4に示すように、第1冷風側帯状板材51は、冷風通路R1の空気流れ方向に対して交差するように、左右方向に延びており、上下方向に並設されている。全ての第1冷風側帯状板材51は同じ部材からなるものである。
図11〜図13に示すように、第1冷風側帯状板材51は、左右両側にそれぞれ設けられた左側回動軸40及び右側回動軸41と、径方向に延出する閉塞板部42とを備えており、左側回動軸40及び右側回動軸41周りに回動することによって閉塞板部42も回動し、これにより、冷風通路R1の開度を変更するように構成されている。図2及び図4は、第1冷風側帯状板材51が冷風通路R1を全開にした状態を示し、図1は、第1冷風側帯状板材51が冷風通路R1を全閉にした状態を示す。また、図3は、第1冷風側帯状板材51が冷風通路R1を半開にした状態を示す。
左側回動軸40は、第1冷風側帯状板材51の左側へ突出する略円柱状に形成されている。左側回動軸40の外周面には、一対の突起部40a、40aが左側回動軸40の軸方向に所定の間隔をあけて設けられている。突起部40aの間隔は、後述する枠体93の切欠部が形成された部位の肉厚寸法よりも若干広めに設定されている。突起部40aは、左側回動軸40の周方向に延びるリブ形状とされている。
左側回動軸40には、第1冷風側帯状板材51に回動力を付与する駆動手段100(図4にのみ仮想線で示す)が連結される連結部40bが設けられている。駆動手段100としては、例えば、電動アクチュエータ等であるが、乗員の操作力を伝達する操作ワイヤ等を使用することもできる。
連結部40bは、左側回動軸40の先端部から左側へ突出している。連結部40bは、左側回動軸40の左側へ延びる円柱をその軸線方向に沿って切断した略半円状の断面を持つ突起で構成されている。連結部40bの回動中心は左側回動軸40の回動中心と同心上に位置している。また、右側回動軸41は、第1冷風側帯状板材51の右側へ突出する略円柱状に形成されている。
閉塞板部42は、平面視で略長方形をなしている。閉塞板部42の左縁部及び右縁部にそれぞれ左側回動軸40及び右側回動軸41が一体成形されている。閉塞板部42の長手方向に延びる両縁部42a、42bのうち、一方の縁部42aは、左側回動軸40及び右側回動軸41の中心線X(図11及び図15に示す)と同一直線上に位置している。
また、図8に拡大して示すように、全閉状態で上下方向に隣接する閉塞板部42、42の縁部同士は厚み方向に重なるように配置される。すなわち、全閉状態では、各第1冷風側帯状板材51が上下に延びるように向くので、各第1冷風側帯状板材51の閉塞板部42の一方の縁部42aが、隣接する他の閉塞板部42における他方の縁部42bの下方に位置することになる。このとき、上下方向に隣接する閉塞板部42、42を見ると、上側に位置する閉塞板部42の他方の縁部42bは、下側に位置する閉塞板部42の一方の縁部42aに対して空気流れ方向上流側から当接する。
上下方向に隣接する閉塞板部42、42のうち、上側の閉塞板部42における下側の閉塞板部42が重なる部位、即ち、他方の縁部42bには、下側の閉塞板部42の一方の縁部42aが嵌まる段差42cが形成されている。段差42cの深さは、閉塞板部42の一方の縁部42aの肉厚と略等しく設定されている。これにより、全閉時には、上側の閉塞板部42の空気流れ方向下流側の面と、下側の閉塞板部42の空気流れ方向下流側の面とが略同一面上に位置するようになる。また、段差42cの深さを閉塞板部42の一方の縁部42aの肉厚と略等しくしたことで、段差42cが形成されている部分は、閉塞板部42の空気流れ方向上流側の面から上流側へ突出することになる。
閉塞板部42の段差42cが形成されている部分は、他の部分に比べて薄肉とされている。これにより、段差42cが形成されている部分が他の部分に比べて柔軟になるので、全閉状態で下側に隣接する閉塞板部42の一方の端部42aに沿うように変形して密着する。これにより、全閉時における帯状板材31、31間のシール性が高まる。
閉塞板部42には、複数の突起42dが形成されている。突起42dは、閉塞板部42において全閉時に空気流れ方向下流側に位置する面から下流側へ突出している。突起42dは、段差42cよりも閉塞板部42の一方の縁部42aに近い側に配置されている。また、突起42dは、互いに閉塞板部42の長手方向に間隔をあけて配置されている。
図12に示すように、閉塞板部42の左縁部には、突起42dとは反対方向に突出する側板部42eが設けられている。側板部42eは、閉塞板部42に対して略直角に突出していて、図14に示すように閉塞板部42の一方の縁部42aから閉塞板部42の短手方向中央部近傍に亘って形成されている。側板部42eの閉塞体部42からの突出高さは、閉塞板部42の短手方向中央部に近づくほど高くなるように設定されている。
図12に示すように、側板部42eには、回動軸方向に突出する突出部42fが形成されている。突出部42fは、側板部42eの左側の面から左側へ突出する円柱状をなしている。突出部42fの中心線は、左側回動軸40の回動中心から径方向に偏位している。
第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54は、第1冷風側帯状板材51と同様に構成された部材からなるものである。第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54は、第1冷風側帯状板材51と左右対称となるように配置されている。また、第2冷風側帯状板材53の任意の1つには、上記駆動手段100と同様な駆動手段101(図4に仮想線で示す)が連結されている。
図5等に示すように、枠体93は、空調ケーシング15の内面に保持されている。枠体93は、上部93a及び下部93bと、左側部93c及び右側部93dとが一体成形されたものである。上部93aは、冷風通路R1の上面に沿って左右方向に延びている。下部93bは、温風通路R2の下面に沿って左右方向に延びている。左側部93cは、冷風通路R1及び温風通路R2の左側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部93aの左端部に連続し、下端部は下部93bの左端部に連続している。右側部93dは、冷風通路R1及び温風通路R2の右側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部93aの右端部に連続し、下端部は下部93bの右端部に連続している。
枠体93には、シール板部93eが設けられている。このシール板部93eは、枠体93の内側において全周に亘って連続して形成されており、全体として上下方向に延びている。
枠体93には、冷風通路の下流端の上側部分と、温風通路の上流端との境界部分に対応するように区画部93mが設けられている。この区画部93mは、左右方向に延びている。また、枠体93には、仕切板88に対応するように区画部93nが設けられている。この区画部93nは、上下方向に延びている。枠体93の内部は、区画部93m及び区画部93nによって4つに区画されている。
枠体93の区画部93nには、帯状板材31の右側回動軸41が挿入される複数の軸受孔93fが左右方向に貫通するように形成されている。軸受孔93fは、帯状板材31の配設位置に対応するように上下方向に互いに間隔をあけて配置されている。また、右側部93dには、軸受孔93fの形成部位近傍に凹部93gが形成されている。
枠体93の左側部93cには、帯状板材31の左側回動軸40が径方向に挿入される複数の切欠部93hが形成されている。切欠部93hは、軸受孔93fと同様に間隔をあけて配置されている。各切欠部93hと、切欠部93hに対応する軸受孔93fとは、同じ高さに配置されている。切欠部93hは左側回動軸40の断面を略半分にした半円状であり、左側回動軸40の外周面のうち、周方向の略半分の領域を受けることができるようになっている。また、左側部93cには、切欠部93hの形成部位近傍に凹部93iが形成されている。
さらに、枠体93の左側部93cの外面には、上下両端部に係合突起93kがそれぞれ形成されている。係合突起93kには、後述する左側ストッパ部材95の上下両端部が係合するようになっている。
図9に示すように、左側回動軸40が切欠部93hに挿入された状態では、左側回動軸40の一対の突起部40a、40aの間に切欠部93hの縁部が嵌まるようになっている。この状態で、左側回動軸40の一対の突起部40a、40aが切欠部93hの縁部に両側から係合するので、帯状板材31が枠体93に対して軸方向に位置ずれすることはない。つまり、突起部40a、40aは、切欠部93hの縁部に係合して帯状板材31が回動軸方向へ移動するのを規制する軸方向ずれ防止部である。
図6等に示すように、左側連結部材94は、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52が並ぶ方向、即ち、上下方向に長い棒状部材で構成されており、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52の回動軸方向一端部(左端部)を連結するためのものである。左側連結部材94には、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52の突出部42fが挿入されて係合する複数の係合孔94aが左側連結部材94の長手方向に間隔をあけて形成されている。突出部42fは、係合孔94aに挿入された状態で回動可能となっている。
図6等に示すように、左側ストッパ部材95は、切欠部93hに挿入された左側回動軸40を切欠部93hの開放側から支持することによって切欠部93hからの抜けを阻止するためのものであり、左側連結部材94と同様に上下方向に長い棒状部材で構成されている。左側ストッパ部材95における左側回動軸40に接触する接触部95cは、上下方向に直線状に延びている。この接触部95cは、左側ストッパ部材95が枠体93に固定された状態で、左側回動軸40の外周面のうち、切欠部93hで支持されていない部分に軽く接触して該左側回動軸40を支持するように構成されている。従って、左側回動軸40の回動がスムーズに行われる。
図6等に示すように、左側ストッパ部材95の上端部及び下端部には、枠体93の左側部93cの外面に沿うように、該左側ストッパ部材95の本体部分から突出する突出片95aがそれぞれ形成されている。各突出片95aには、枠体93の係合突起93kが係合する孔部95bが形成されている。左側ストッパ部材95は、孔部95bに係合突起93kが係合することによって枠体93に固定される。
図10に示すように、左側ストッパ部材95が枠体93に固定された状態では、左側ストッパ部材95の本体部分の側面が左側連結部材94の側面に対向するように配置される。この状態では、左側ストッパ部材95の本体部分の側面と左側連結部材94の側面との離間寸法Aが、左側連結部材94の肉厚寸法Bよりも短くなるように設定されている。これにより、突出部42fが係合孔94aから抜ける方向(図10の左方向)に左側連結部材94が移動しようとしても、突出部42fが抜ける前に左側連結部材94が左側ストッパ部材95に接触する。よって、左側連結部材94の離脱を防止できる。つまり、係合孔94aから突出部42fが抜ける方向に左側連結部材94が移動するのを規制するように左側ストッパ部材95が配置されている。
第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54は、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52と同様にして枠体93に支持されている。また、右側連結部材96及び右側ストッパ部材97は、それぞれ左側連結部材94及び左側ストッパ部材95と同様に構成されている。
図8に示すように、上端部に位置する第1冷風側帯状板材51の閉塞板部42は、枠体93の上部のシール板部93eの空気流れ方向上流側に位置し、かつ、空気流れ方向に見たとき枠体93の上部のシール板部93eに重複するように位置づけられている。全閉時には、上端部に位置する第1冷風側帯状板材51の閉塞板部42の一方の縁部42a側が枠体93の上部のシール板部93eに重複する。このとき、閉塞板部42の空気流れ方向下流側の面が枠体93の上部のシール板部93eの空気流れ方向上流側の面に接触して高いシール性が確保される。
第1冷風側帯状板材51が、図4にのみ示す駆動手段100により駆動されると、駆動力が左側連結部材94を介して第1温風側帯状板材52にも伝達する。図2に示すように、第1冷風側帯状板材51が全開の状態のときに、第1温風側帯状板材52が全閉となるように第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52が連結されている。
また、第2冷風側帯状板材53が、図4にのみ示す駆動手段101により駆動されると、駆動力が右側連結部材96を介して第2温風側帯状板材54にも伝達する。図示しないが、第2冷風側帯状板材53が全開の状態のときに、第2温風側帯状板材54が全閉となるように第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54が連結されている。
次に、上記のように構成されたエアミックスダンパ20の組み立て要領について説明する。まず、第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を枠体93に組み付けていく。この場合、第1冷風側帯状板材51の右側回動軸41を枠体93の軸受孔93fに挿入し、その後、第1冷風側帯状板材51の左側回動軸40を径方向に移動させて枠体93の切欠部93hに挿入する。第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54も同様にして枠体93に組み付ける。
第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を枠体93に組み付けた後、左側連結部材94及び右側連結部材96を組み付ける。すなわち、左側連結部材94の係合孔94aに第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52の突出部42fを挿入する。このように、左側連結部材94の係合孔94aに第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52の突出部42fを挿入するだけで左側連結部材94の組み付けが完了するので、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52を容易に連結することが可能になる。同様にして右側連結部材96も枠体93に組み付ける。
しかる後、左側ストッパ部材95を組み付ける。左側ストッパ部材95を組み付ける際には、左側ストッパ部材95の孔部95bに枠体93の係合突起93kを係合させる。これにより、左側ストッパ部材95が枠体93に固定される。この状態で、図10に示すように左側ストッパ部材95の本体部分の側面と左側連結部材94の側面との離間寸法Aが、左側連結部材94の肉厚寸法Bよりも短くなるので、左側連結部材94が離脱してしまうのを回避できる。同様にして右側ストッパ部材97も枠体93に組み付ける。
第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を枠体93に組み付けるにあたり、第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を曲げる必要がなく、組み付け作業が簡単になるとともに、第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54に無理な力が作用することがない。
この実施形態では、一体成形品の枠体93としているので、枠体93の形状及び寸法が狙い通りに収まりやすくなり、高精度に成形された枠材93となっている。この高精度に成形された枠体93に第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を支持させることで、帯状板材51〜54同士の相対的な位置関係を設計通りに維持することが可能になる。
尚、枠体93は、複数の部材を組み合わせて構成したものであってもよい。
次に、上記のように構成された車両用空調装置1の動作について説明する。送風ユニットから送風された空調用空気は空調ケーシング15の空気導入口15aから冷風通路R1に導入される。冷風通路R1に導入された空気は後側へ向けて流れながら冷却用熱交換器10を通過する。冷却用熱交換器10を通過した空気は、エアミックスダンパ20の作動状態に応じて温風通路R2に流入する量が調整される。
図2に示すように第1冷風側帯状板材51が全開状態となるまで回動すると、第1温風側帯状板材52は全閉状態となる。この状態では、冷却用熱交換器10を通過した空気が温風通路R2に流入せずにエアミックス空間R3に直接流入するので、最も強い冷房能力が得られる。一方、図1に示すように第1冷風側帯状板材51が全閉状態となるまで回動すると、第1温風側帯状板材52は全開状態となる。この状態では、冷却用熱交換器10を通過した空気の全量が温風通路R2に流入して加熱用熱交換器11によって加熱されてからエアミックス空間R3に流入するので、最も強い暖房能力が得られる。
図3に示すように、第1冷風側帯状板材51の回動角度及び第1温風側帯状板材52の回動角度は駆動手段100によって任意の角度とすることができ、冷却用熱交換器10を通過した空気の一部のみを温風通路R2に流入させて残りをエアミックス空間R3に直接流入させることもできる。第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54も同様である。
図8に示すように第1冷風側帯状板材51が全閉状態のときには、風圧が空気流れ方向上流側から作用することになる。このとき、上下方向に隣接する第1冷風側帯状板材51の閉塞板部42の縁部42a、42bが重なり合う。そして、上側に位置する第1冷風側帯状板材51の閉塞板部42に形成されている段差42cに、下側に位置する第1冷風側帯状板材51の閉塞板部42の縁部42aが嵌まることになる。これにより、高い風圧が作用しても上側の閉塞板部42の縁部42bと下側の閉塞板部42の縁部42aとが離れにくくなり、両閉塞板部42、42の間に隙間ができにくくなる。
この実施形態では、上側に位置する閉塞板部42を下側に位置する閉塞板部42よりも空気流れ方向上流側に配置しているので、閉状態で風圧が作用した際、下側に位置する閉塞板部42の一方の縁部42aが上側に位置する閉塞板部42の段差42cに嵌まった状態を維持することができ、隣接する閉塞板部42、42同士を密着させることが可能になる。
また、第1冷風側帯状板材51の閉塞板部42における段差42cの形成されている部分が他の部分に比べて薄肉で変形しやすくなる。よって、全閉状態のときに、上側に位置する閉塞板部42における段差42cの形成されている部分が、下側に位置する閉塞板部42の縁部42aに沿うように変形しやすくなるので、隣接する閉塞板部42、42の間に隙間ができにくくなる。
また、図15に示すように第1冷風側帯状板材51の左側回動軸40及び右側回動軸41の中心線Xと、閉塞板部42の一方の縁部42aとが同一直線上に位置しているので、第1冷風側帯状板材51を左側回動軸40及び右側回動軸41の中心線X周りに回動させた際、閉塞板部42の縁部42aがその回動中心線X上から変位しない。従って、第1冷風側帯状板材51を枠体93に支持した状態で枠体93に対して閉塞板部42を近接させた状態で回動させることが可能になる。これにより、枠体93と閉塞板部42との間の隙間を極小化することが可能になり、シール性が向上する。また、閉塞板部42の一方の縁部42aが変位しないので、隣接する閉塞板部42、42を近接させた状態で回動させることが可能になる。これにより、隣接する閉塞板部42、42の隙間を極小化することが可能になる。
また、左側連結部材94を設けているので、複数の第1冷風側帯状板材51のうち、任意の1つに駆動力を与えることで他の第1冷風側帯状板材51を連動させることが可能になる。
また、第1冷風側帯状板材51の開閉状態によっては隣接する閉塞板部42、42間の隙間が狭い場合がある。この場合、閉塞板部42、42間を流れる空気の流速が速くなるが、この実施形態では、空気が閉塞板部42の突起42dに衝突することで空気の流速が低下するので、空気流が閉塞板部42を振動させるのを抑制することが可能になる。
また、この実施形態では、全ての第1冷風側帯状板材51を同じ部材からなるものとしているので、エアミックスダンパ20を構成する部品の種類を削減することが可能になる。
また、駆動手段100が第1冷風側帯状板材51の回動軸方向一端部(左端部)に連結されているので、駆動力は第1冷風側帯状板材51の左端部に作用することになる。そして、この駆動力が作用する第1冷風側帯状板材51の左端部を、左側連結部材94によって他の左側帯状板材94の左端部に連結しているので、駆動力が加わる部分と第1冷風側帯状板材51との間で変形する部分は殆どなく、駆動力を他の第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52に直接的に伝達することが可能になる。これにより、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52の回動量のバラつきがなくなる。
また、全ての第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52に連結部40bを設けているので、いずれの帯状板材51、52にも駆動手段100を連結することができる。これにより、駆動手段100のレイアウトが容易に行えるようになる。
以上説明したように、この実施形態1によれば、第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を枠体93に回動可能に支持するようにしている。これにより、車室の運転席側と助手席側とに別々に温度調整した空調風を供給する場合に、1つのエアミックスダンパ20で済むので組み付け工数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
また、エアミックスダンパ20の冷風量を調整する部分(第1冷風側帯状板材51、第2冷風側帯状板材53)と、温風量を調整する部分(第1温風側帯状板材52、第2温風側帯状板材54)とを別体にしているので、冷風量と温風量を個別に調整することも可能となり、より一層快適な空調を実現できる。
また、一体成形の枠体93に帯状板材51〜54を支持しているので、帯状板材51〜54同士の相対的な位置関係を設計通りに維持することができ、シール性をより一層向上させることができる。
また、帯状板材51〜54に駆動手段100、101の連結部40bを設けたので、いずれの帯状板材51〜54にも駆動手段100、101を連結することができ、駆動手段100、101のレイアウトを容易に行うことができる。
(実施形態2)
図16〜図18は、本発明の実施形態2に係るエアミックスダンパ20を示すものである。いわゆる前後独立温度コントロールタイプの車両用空調装置に配設されるようにエアミックスダンパ20を構成している点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
車両用空調装置は、図示しないが、車室の前席側(第1空調領域)と後席側(第2空調領域)とにそれぞれ異なる温度の空調風を供給することができるように構成されている。車両用空調装置の空調ケーシング15内には、エアミックスダンパ20よりも下流側の空気通路を上下(前席側と後席側)に仕切るための仕切板89(図16に仮想線で示す)が設けられている。仕切板89は、空調ケーシング15の空気通路内を水平方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の下側近傍から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。仕切板89よりも上側が前席用の第1空調風通路P3とされ、下側が後席用の第2空調風通路P4とされている。
エアミックスダンパ20は、前席用の第1空調風通路P3に流入する冷風量を調整する複数の第1冷風側帯状板材61と、前席用の第1空調風通路P3に流入する温風量を調整する複数の第1温風側帯状板材62と、後席用の第2空調風通路P4に流入する冷風量を調整する複数の第2冷風側帯状板材63と、後席用の第2空調風通路P4に流入する温風量を調整する複数の第2温風側帯状板材64と、第1冷風側帯状板材61、第1温風側帯状板材62、第2冷風側帯状板材63及び第2温風側帯状板材64を回動可能に支持する枠体93とを備えている。
さらに、エアミックスダンパ20は、第1冷風側帯状板材61及び第1温風側帯状板材62を連結する第1連結部材33Aと、第2冷風側帯状板材63及び第2温風側帯状板材64を連結する第2連結部材33Bと、第1冷風側帯状板材61、第1温風側帯状板材62、第2冷風側帯状板材63及び第2温風側帯状板材64が枠体93から離脱しないようにするためのストッパ部材34とを備えている。
第1冷風側帯状板材61、第1温風側帯状板材62、第2冷風側帯状板材63、第2温風側帯状板材64、第1連結部材33A、第2連結部材33B及びストッパ部材34は樹脂製である。
第1冷風側帯状板材61は、冷風通路R1の下流端の第1空調風通路P3側に配設されており、この冷風通路R1を開閉するように構成されている。第1温風側帯状板材62は、温風通路R2の上流端の第1空調風通路P3側に配設されており、この温風通路R2を開閉するように構成されている。第2冷風側帯状板材63は、後述するが冷風通路R1の下流端の第2空調風通路P4側に配設されており、この冷風通路R1を開閉するように構成されている。第2温風側帯状板材64は、温風通路R2の上流端の第2空調風通路P4側に配設されており、この温風通路R2を開閉するように構成されている。
第1冷風側帯状板材61、第1温風側帯状板材62、第2冷風側帯状板材63、第2温風側帯状板材64は、実施形態1の第1冷風側帯状板材51と同様な構造とされており、左右方向の長さが実施形態1の第1冷風側帯状板材51とは異なっている。
また、図17に示すように、枠体93の下側には、仕切板89に対応するように中間区画部93lが左右方向に延びるように設けられている。さらに、枠体93の中間区画部93lよりも下側には、下側区画部93pが左右方向に延びるように設けられている。中間区画部93lと下側区画部93pとの間の部分には、図示しないが温風通路の下流端の一部が連通するようになっている。また、下側区画部93pよりも下側の部分には、図示しないが冷風通路の下流端の一部が連通するようになっている。
第1冷風側帯状板材61は、枠体93の区画部93mよりも上側に設けられている。第1温風側帯状板材62は、枠体93の区画部93mと中間区画部93lとの間に設けられている。第2冷風側帯状板材63は、枠体93の下側区画部93pよりも下側に設けられている。第2温風側帯状板材64は、枠体93の中間区画部93lと下側区画部93pとの間に設けられている。
第1冷風側帯状板材61、第1温風側帯状板材62、第2冷風側帯状板材63、第2温風側帯状板材64は、実施形態1と同様に枠体93に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明は省略する。
全ての第1冷風側帯状板材61及び第1温風側帯状板材62は、第1連結部材33Aにより実施形態1と同様に連結されている。図18に示すように、第1連結部材33Aは、第1冷風側帯状板材61が全開状態にあるときに第1温風側帯状板材62が全閉状態となるように、第1冷風側帯状板材61及び第1温風側帯状板材62を連結する。
全ての第2冷風側帯状板材63及び第2温風側帯状板材64は、第2連結部材33Bにより実施形態1と同様に連結されている。第2連結部材33Bは、第2冷風側帯状板材63が全閉状態にあるときに、第2温風側帯状板材64が全開状態となるように、第2冷風側帯状板材63及び第2温風側帯状板材64を連結する。
この実施形態2では、第1冷風側帯状板材61及び第1温風側帯状板材62を回動させることによって第1空調風通路P3に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、第2冷風側帯状板材63及び第2温風側帯状板材64を回動させることによって第2空調風通路P4に流入する冷風量と温風量とが変更される。よって、車室の前席側領域及び後席側領域に別々に温度調整した空調風が供給される。そして、第1冷風側帯状板材61、第1温風側帯状板材62、第2冷風側帯状板材63、第2温風側帯状板材64が枠体93に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
以上説明したように、この実施形態2によれば、第1冷風側帯状板材61、第1温風側帯状板材62、第2冷風側帯状板材63、第2温風側帯状板材64を枠体93に回動可能に支持するようにしている。これにより、車室の前席側と後席側とに別々に温度調整した空調風を供給する場合に、1つのエアミックスダンパ20で済むので組み付け工数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
(実施形態3)
図19〜図21は、本発明の実施形態3に係るエアミックスダンパ20を示すものである。いわゆる前席左右及び後席左右独立温度コントロールタイプ(4ゾーン独立温度コントロールタイプ)の車両用空調装置に配設されるようにエアミックスダンパ20を構成している点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
車両用空調装置は、図示しないが、車室の前部運転席側(第1空調領域)と、前部助手席側(第2空調領域)と、後部運転席側(第3空調領域)と、後部助手席側(第4空調領域)とにそれぞれ異なる温度の空調風を供給することができるように構成されている。車両用空調装置の空調ケーシング15内には、エアミックスダンパ20よりも下流側の空気通路を左右(前部運転席と前部助手席側)に仕切るための仕切板88(図19に仮想線で示す)と、上下(前席側と後席側)に仕切るための仕切板89(図19に仮想線で示す)とが設けられている。
仕切板88は、空気通路内を上下方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の左右方向中央部から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。一方、仕切板89は、空気通路内を水平方向に延びており、かつ、エアミックスダンパ20の下側近傍から空気流れ方向下流側へ向けて延びている。
仕切板88よりも左側で、仕切板89よりも上側が前部運転席用の第1空調風通路P1とされている。仕切板88よりも右側で、仕切板89よりも上側が前部助手席用の第2空調風通路P2とされている。仕切板88よりも左側で、仕切板89よりも下側が後部運転席側用の第3空調風通路P5とされている。仕切板88よりも右側で、仕切板89よりも下側が後部助手席側用の第4空調風通路P6とされている。
エアミックスダンパ20は、第1空調風通路P1に流入する冷風量を調整する複数の第1冷風側帯状板材51と、第1空調風通路P1に流入する温風量を調整する複数の第1温風側帯状板材52と、第2空調風通路P2に流入する冷風量を調整する複数の第2冷風側帯状板材53と、第2空調風通路P2に流入する温風量を調整する複数の第2温風側帯状板材54と、第3空調風通路P5に流入する冷風量を調整する複数の第3冷風側帯状板材55と、第3空調風通路P5に流入する温風量を調整する複数の第3温風側帯状板材56と、第4空調風通路P6に流入する冷風量を調整する複数の第4冷風側帯状板材57と、第4空調風通路P6に流入する温風量を調整する複数の第4温風側帯状板材58とを備えている。さらに、エアミックスダンパ20は、第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53、第2温風側帯状板材54、第3冷風側帯状板材55、第3温風側帯状板材56、第4冷風側帯状板材57、第4温風側帯状板材58を回動可能に支持する枠体93を備えている。
また、図21に示すように、エアミックスダンパ20は、第1〜第4連結部材33A〜Dと、第1及び第2ストッパ部材34A、34Bとを備えている。
枠体93は、実施形態1と同様な区画部93m及び区画部93nとを備えており、さらに、実施形態2と同様な中間区画部93l及び下側区画部93pも備えている。
第1冷風側帯状板材51は、区画部93mと中間区画部93lとの間で、区画部93nよりも左側に設けられている。第1温風側帯状板材52は、区画部93mよりも下側で、区画部93nよりも左側に設けられている。第2冷風側帯状板材53は、区画部93mと中間区画部93lとの間で、区画部93nよりも右側に設けられている。第2温風側帯状板材54は、区画部93mよりも下側で、区画部93nよりも右側に設けられている。第3冷風側帯状板材55は、下側区画部93pよりも下側で、区画部93nよりも左側に設けられている。第3温風側帯状板材56は、中間区画部93lと下側区画部93pとの間で、区画部93nよりも左側に設けられている。第4冷風側帯状板材57は、下側区画部93pよりも下側で、区画部93nよりも右側に設けられている。第4温風側帯状板材58は、中間区画部93lと下側区画部93pとの間で、区画部93nよりも右側に設けられている。
第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53、第2温風側帯状板材54、第3冷風側帯状板材55、第3温風側帯状板材56、第4冷風側帯状板材57、第4温風側帯状板材58は、実施形態1のエアミックスダンパ20の帯状板材と同様に構成されているので、構造についての説明は省略する。また、第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53、第2温風側帯状板材54、第3冷風側帯状板材55、第3温風側帯状板材56、第4冷風側帯状板材57、第4温風側帯状板材58は、実施形態1と同様に枠体93に回動可能に支持されているので、支持構造についての説明も省略する。
全ての第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52は、第1連結部材33Aにより実施形態1と同様に連結されている。図21に示すように、第1連結部材33Aは、第1冷風側帯状板材51が全開状態にあるときに、第1温風側帯状板材52が全閉状態となるように、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52を連結する。また、実施形態1のような第1ストッパ部材34Aにより、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52が枠体93から脱落するのを阻止している。
全ての第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54は、第2連結部材33Bにより実施形態1と同様に連結されている。第2連結部材33Bは、第2冷風側帯状板材53が全開状態にあるときに、第2温風側帯状板材54が全閉状態となるように、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を連結する。また、第2ストッパ部材34Bにより、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54が枠体93から脱落するのを阻止している。
全ての第3冷風側帯状板材55及び第3温風側帯状板材56は、第3連結部材33Cにより実施形態1と同様に連結されている。第3連結部材33Cは、第3冷風側帯状板材55が全閉状態にあるときに、第3温風側帯状板材56が全開状態となるように、第3冷風側帯状板材55及び第3温風側帯状板材56を連結する。また、第1ストッパ部材34Aにより、第3冷風側帯状板材55及び第3温風側帯状板材56が枠体93から脱落するのを阻止している。
全ての第4冷風側帯状板材57及び第4温風側帯状板材58は、第4連結部材33Dにより実施形態1と同様に連結されている。第4連結部材33Dは、第4冷風側帯状板材57が全閉状態にあるときに、第4温風側帯状板材58が全開状態となるように、第4冷風側帯状板材57及び第4温風側帯状板材58を連結する。また、第2ストッパ部材34Bにより、第4冷風側帯状板材57及び第4温風側帯状板材58が枠体93から脱落するのを阻止している。
この実施形態3では、第1冷風側帯状板材51及び第1温風側帯状板材52を回動させることによって第1空調風通路P1に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、第2冷風側帯状板材53及び第2温風側帯状板材54を回動させることによって第2空調風通路P2に流入する冷風量と温風量とが変更される。また、第3冷風側帯状板材55及び第3温風側帯状板材56を回動させることによって第3空調風通路P5に流入する冷風量と温風量とがそれぞれ変更される。また、第4冷風側帯状板材57及び第4温風側帯状板材58を回動させることによって第4空調風通路P6に流入する冷風量と温風量とがそれぞれ変更される。よって、車室の前部運転席側と、前部助手席側と、後部運転席側と、後部助手席側とを個別に空調できる。
そして、第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53、第2温風側帯状板材54、第3冷風側帯状板材55、第3温風側帯状板材56、第4冷風側帯状板材57、第4温風側帯状板材58が枠体93に支持されていて1つのエアミックスダンパ20を構成しているので、エアミックスダンパ20の組み付け工数が削減される。
以上説明したように、この実施形態3によれば、第1冷風側帯状板材51、第1温風側帯状板材52、第2冷風側帯状板材53、第2温風側帯状板材54、第3冷風側帯状板材55、第3温風側帯状板材56、第4冷風側帯状板材57、第4温風側帯状板材58を枠体93に回動可能に支持するようにしている。これにより、車室の4つの領域に別々に温度調整した空調風を供給する場合に、1つのエアミックスダンパ20で済むので組み付け工数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
尚、図22に示す実施形態3の変形例のように仕切板88を枠体93に一体成形してもよい。仕切板88は、第1空調風通路P1と第2空調風通路P2を仕切るための仕切部である。これにより、部品点数が削減される。
(実施形態4)
図23〜図28は、本発明の実施形態4に係る車両用空調装置1、エアミックスダンパ20及び帯状板材71〜74を示すものである。実施形態4では、帯状板材71〜74が上下方向に延びている点で実施形態1のものと異なっている。以下、実施形態1と異なる部分について詳細に説明する。
エアミックスダンパ20は、複数の運転席側冷風用帯状板材71と、運転席側温風用帯状板材72と、助手席側冷風用帯状板材73と、助手席側温風用帯状板材74とを備えている。また、エアミックスダンパ20は、運転席側冷風用帯状板材71、運転席側温風用帯状板材72、助手席側冷風用帯状板材73及び助手席側温風用帯状板材74を回動可能に支持する枠体112と、運転席側冷風用帯状板材71を連結する第1連結部材33Aと、助手席側冷風用帯状板材73を連結する第2連結部材33Bと、帯状板材71〜74が枠体112から離脱しないようにするためのストッパ部材34、116とを備えている。
運転席側冷風用帯状板材71及び運転席側温風用帯状板材72は一体成形された部材で構成されており、これら部材は全て同じものである。尚、運転席側冷風用帯状板材71と、運転席側温風用帯状板材72は別々に成形したものを組み合わせて一体化してもよい。同様に、助手席側冷風用帯状板材73及び助手席側温風用帯状板材74も一体成形された部材で構成されている。
運転席側冷風用帯状板材71及び助手席側冷風用帯状板材73は、冷風通路R1の空気流れ方向に対して交差するように、上下方向に延びており、左右方向に並設されている。また、運転席側温風用帯状板材72及び助手席側温風用帯状板材74は、温風通路R2の空気流れ方向に対して交差するように、上下方向に延びており、左右方向に並設されている。
図26〜図28に示すように、運転席側冷風用帯状板材71は、上端部から上方へ突出する上側回動軸71dと、上側回動軸71dの径方向に延出する閉塞板部71Aとを備えている。運転席側温風用帯状板材72は、下端部から下方へ突出する下側回動軸72dと、下側回動軸72dの径方向に延出する閉塞板部72Aとを備えている。
運転席側冷風用帯状板材71及び運転席側温風用帯状板材72は、上側回動軸71d及び下側回動軸72d周りに回動する。これにより、閉塞板部71A、72Aが回動して冷風通路R1及び温風通路R2の開度を変更するように構成されている。
上側回動軸71dは略円柱状に形成されている。上側回動軸71Aの外周面には、一対の突起部71e、71eが上側回動軸71dの軸方向に所定の間隔をあけて設けられている。突起部71eの間隔は、後述する枠体112の切欠部が形成された部位の肉厚寸法よりも若干広めに設定されている。突起部71eは、上側回動軸71dの周方向に延びるリブ形状とされている。
上側回動軸71dには、運転席側冷風用帯状板材71に回動力を付与する駆動手段100(図23にのみ仮想線で示す)が連結される連結部71hが設けられている。
連結部71hは、上側回動軸71dの先端部から上側へ突出している。連結部71hは、上側回動軸71dの上側へ延びる円柱をその軸線方向に沿って切断した略半円状の断面を持つ突起で構成されている。連結部71hの回動中心は上側回動軸71dの回動中心と同心上に位置している。また、下側回動軸72dも略円柱状に形成されており、上側回動軸71dと同心上に位置している。
冷風側閉塞板部71Aは、平面視で略長方形をなしている。冷風側閉塞板部71Aの長手方向(上下方向)に延びる両縁部71a、71bのうち、一方の縁部71aは、上側回動軸71d及び下側回動軸72dの中心線X(図27に示す)と同一直線上に位置している。
温風側閉塞板部72Aも冷風側閉塞板部71Aと同様に構成されている。温風側閉塞板部72Aと冷風側閉塞板部71Aとは、回動中心線に沿ってみたとき、略直交するような位置関係となっている。
また、全閉状態で左右方向に隣接する冷風側閉塞板部71A、71Aの縁部同士は厚み方向に重なるように配置される。すなわち、全閉状態では、各冷風側閉塞板部71Aが左右に延びるように向くので、各冷風側閉塞板部71Aの一方の縁部71aが他方の縁部71bの側方に位置することになる。このとき、左右方向に隣接する冷風側閉塞板部71A、71Aを見ると、左側に位置する冷風側閉塞板部71Aの他方の縁部は、右側に位置する冷風側閉塞板部71Aの一方の縁部71aに対して空気流れ方向上流側から当接する。
左右方向に隣接する冷風側閉塞板部71A、71Aのうち、左側の冷風側閉塞板部71Aにおける右側の冷風側閉塞板部71Aが重なる部位、即ち、他方の縁部71bには、右側の冷風側閉塞板部71Aの一方の縁部71aが嵌まる段差71cが形成されている。段差71cの深さは、冷風側閉塞板部71Aの一方の縁部71aの肉厚と略等しく設定されている。これにより、全閉時には、左側の冷風側閉塞板部71Aの空気流れ方向下流側の面と、右側の冷風側閉塞板部71Aの空気流れ方向下流側の面とが略同一面上に位置するようになる。また、段差71cの深さを冷風側閉塞板部71Aの一方の縁部71aの肉厚と略等しくしたことで、段差71cが形成されている部分は、冷風側閉塞板部71Aの空気流れ方向上流側の面から上流側へ突出することになる。
冷風側閉塞板部71Aの段差71cが形成されている部分は、他の部分に比べて薄肉とされている。これにより、段差71cが形成されている部分が他の部分に比べて柔軟になるので、全閉状態で下側に隣接する冷風側閉塞板部71Aの一方の端部71aに沿うように変形して密着する。これにより、全閉時におけるシール性が高まる。
冷風側閉塞板部71Aの上縁部には、側板部71fが設けられている。側板部71fは、冷風側閉塞板部71Aに対して略直角に突出している。側板部71fには、回動軸方向に突出する突出部71gが形成されている。突出部71gは、側板部71fの上側の面から上方へ突出する円柱状をなしている。突出部71gの中心線は、上側回動軸71dの回動中心から径方向に偏位している。
温風側閉塞板部72Aの下縁部には、側板部72fが設けられている。側板部72fは、温風側閉塞板部72Aに対して略直角に突出している。側板部72fには、回動軸方向に突出する突出部72gが形成されている。突出部72gは、側板部72fの下側の面から下方へ突出する円柱状をなしている。突出部72gの中心線は、下側回動軸72dの回動中心から径方向に偏位している。
枠体112は、上部112a及び下部112bと、左側部112c及び右側部112dとが一体成形されたものである。上部112aは、冷風通路R1の上面に沿って左右方向に延びている。下部112bは、温風通路R2の下面に沿って左右方向に延びている。左側部112cは、冷風通路R1及び温風通路R2の左側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部112aの左端部に連続し、下端部は下部112bの左端部に連続している。右側部112dは、冷風通路R1及び温風通路R2の右側面に沿って上下方向に延びており、上端部は上部112aの右端部に連続し、下端部は下部112bの右端部に連続している。
枠体112は、仕切板88に対応するように区画部112fが設けられている。区画部112fは、枠体112の内部を左右に2つに区画するように上下方向に延びており、上部112a及び下部112bと一体成形されている。
また、枠体112には、冷風通路の下流端の上側部分と、温風通路の上流端との境界部分に対応するように区画部112mが設けられている。
運転席側冷風用帯状板材71は、枠体112の区画部112fよりも左側で、区画部112mよりも上側に設けられている。運転席側温風用帯状板材72は、枠体112の区画部112fよりも左側で、区画部112mよりも下側に設けられている。助手席側冷風用帯状板材73は、枠体112の区画部112fよりも右側で、区画部112mよりも上側に設けられている。助手席側温風用帯状板材74は、枠体112の区画部112fよりも右側で、区画部112mよりも下側に設けられている。
枠体112の下部112bには、運転席側温風用帯状板材72の下側回動軸72dが挿入される複数の軸受孔112sが上下方向に貫通するように形成されている。軸受孔112sは、運転席側温風用帯状板材72の配設位置に対応するように左右方向に互いに間隔をあけて配置されている。また、下部112dには、軸受孔112sの形成部位近傍に凹部112gが形成されている。
枠体112の上部112aには、運転席側冷風用帯状板材71の上側回動軸71dが径方向に挿入される複数の切欠部112hが形成されている。切欠部112hは、軸受孔112sと同様に間隔をあけて配置されている。各切欠部112hと、切欠部112hに対応する軸受孔112sとは、左右方向について同じ位置に配置されている。切欠部112hは上側回動軸71dの断面を略半分にした半円状であり、上側回動軸71dの外周面のうち、周方向の略半分の領域を受けることができるようになっている。また、上部112aには、切欠部112hの形成部位近傍に凹部112iが形成されている。
さらに、枠体112の上部112aの外面には、上下両端部に係合突起112kがそれぞれ形成されている。係合突起112kには、後述するストッパ部材34の上下両端部が係合するようになっている。
上側回動軸71dが切欠部112hに挿入された状態では、上側回動軸71dの一対の突起部71e、71eの間に切欠部112hの縁部が嵌まるようになっている。この状態で、上側回動軸71dの一対の突起部71e、71eが切欠部112hの縁部に両側から係合するので、運転席側冷風用帯状板材71及び運転席側温風用帯状板材72が枠体112に対して軸方向に位置ずれすることはない。つまり、突起部72e、72eは、切欠部112hの縁部に係合して運転席側冷風用帯状板材71及び運転席側温風用帯状板材72が回動軸方向へ移動するのを規制する軸方向ずれ防止部である。
助手席側冷風用帯状板材73及び助手席側温風用帯状板材74は、それぞれ運転席側冷風用帯状板材71及び運転席側温風用帯状板材72と同様に構成されて枠体112に回動可能に取り付けられている。
第1連結部材33A及び第2連結部材33Bは、運転席側冷風用帯状板材71及び助手席側冷風用帯状板材73が並ぶ方向、即ち、左右方向に長い棒状部材で構成されている。第1連結部材33Aは、複数の運転席側冷風用帯状板材71の回動軸方向一端部(上端部)を連結するためのものである。第2連結部材33Bは、複数の助手席側冷風用帯状板材73の回動軸方向一端部(上端部)を連結するためのものである。第1連結部材33A及び第2連結部材33Bには、図示しないが、運転席側冷風用帯状板材71及び助手席側冷風用帯状板材73の突出部71がそれぞれ挿入されて係合する複数の係合孔が形成されている。突出部71gは、係合孔に挿入された状態で回動可能となっている。
ストッパ部材34は、切欠部112hに挿入された上側回動軸71dを切欠部112hの開放側から支持することによって切欠部112hからの抜けを阻止するためのものであり、第1連結部材33A及び第2連結部材33Bと同様に左右方向に長い棒状部材で構成されている。ストッパ部材34における上側回動軸71dに接触する接触部34cは、左右方向に直線状に延びている。この接触部34cは、ストッパ部材34が枠体112に固定された状態で、上側回動軸71dの外周面のうち、切欠部112hで支持されていない部分に軽く接触して該上側回動軸71dを支持するように構成されている。従って、上側回動軸71dの回動がスムーズに行われる。
ストッパ部材34の左端部及び右端部には、枠体112の上部112cの外面に沿うように、該ストッパ部材34の本体部分から突出する突出片34aがそれぞれ形成されている。各突出片34aには、枠体112の係合突起112kが係合する孔部34bが形成されている。ストッパ部材34は、孔部34bに係合突起112kが係合することによって枠体112に固定される。
運転席側冷風用帯状板材71は第1連結部材33Aにより連結されている。また、助手席側冷風用帯状板材73は第2連結部材33Bにより連結されている。したがって、運転席側冷風用帯状板材71及び運転席側温風用帯状板材72と、助手席側冷風用帯状板材73及び助手席側温風用帯状板材74とを別々に回動させることができ、これにより、運転席側領域と助手席側領域とを個別に空調できる。
以上説明したように、この実施形態4によれば、運転席側冷風用帯状板材71と、運転席側温風用帯状板材72と、助手席側冷風用帯状板材73と、助手席側温風用帯状板材74とを枠体112に回動可能に支持するようにしている。これにより、車室の運転席側と助手席側とに別々に温度調整した空調風を供給する場合に、1つのエアミックスダンパ20で済むので組み付け工数を削減することができ、低コスト化を図ることができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。