本発明の一実施例を、移動型のX線撮影装置の例で説明するが、本発明は移動型X線撮影装置以外のX線撮影装置においても同様に適用可能であり、一実施例を用いて説明する基本的な効果をほぼ同様に移動型以外のX線撮影装置においても奏することができる。以下で説明するX線検出装置は、接続線を介してあるいは無線により、本体からアクティブ信号を受信することにより、受けたX線の強度を電気信号に変換するアクティブモードに遷移し、また非アクティブ信号を外部から受信することにより、受けたX線強度に基づく電気信号を発生しない非アクティブモードに遷移する。X線検出装置は上述のようにアクティブモードと非アクティブモードの少なくとも2つの動作モードを有する。以下、本発明に係るX線撮影装置の一実施例について図面を用いて説明する。以下の場面で同じ符号は、同様の構成や同様の処理手順を示す。同様の構成や同様の処理手順について説明の繰り返しを省略する場合がある。以下に説明する実施例は、発明が解決しようとする課題の欄に記載した課題だけでなく、それ以外の課題をも解決することができる。また同様に発明の効果の欄に記載した効果だけでなく、それ以外の効果をも奏することができる。実施例が解決する課題や奏する効果に付いて、実施例の説明の中で述べる。
図1は一実施例であるX線撮影装置10の外観を示す斜視図であり、図2は一実施例であるX線撮影装置10の構成を示すブロック図である。X線撮影装置10は、被検体2のX線画像を撮影する撮影装置であり、移動用の台車20と、台車20に設けられた本体200と、台車20に設けられてX線発生部36を支持する支持機構34と、複数のX線検出装置102とX線検出装置104とX線検出装置106を収納する収納ボックス150とを備える。なお、X線撮影装置10において、複数のX線検出装置102は他のX線撮影装置との間で共用可能であり、必要に応じ簡単に取り外して他のX線撮影装置に簡単に取り付けることが可能である。
X線撮影装置10による撮影では、台車20を備えたX線撮影装置10を被検体2の所まで移動させ、収納ボックス150に収納された複数のX線検出装置102やX線検出装置104やX線検出装置106の中から使用するX線検出装置102を取り出し、被検体2がX線発生部36とX線検出装置102との間に位置する関係となるようにX線検出装置102を配置する。収納ボックス150には、例えばX線を検出する面積の異なる複数個のX線検出装置102やX線検出装置104やX線検出装置106が収納されており、ユーザは適切な大きさのX線検出装置102を選択して図2に記載の如く、被検体2のX線発生部36に対する反対の位置にX線検出装置102を配置する。X線検出装置102の選択は一例であり、撮影部位の大きさなどの関係で適切な大きさのX線検出装置を選択することができる。
X線を照射するX線発生部36は、支持機構34によって被検体2の上側に支持され、被検体2を挟んで一方側にX線発生部36が配置され、他方側にX線検出装置102が配置される。支持機構34がX線発生部36を支持する高さや、支持機構34とX線発生部36との間の距離や、支持機構34を中心としたX線発生部36の回転角度、等を調整することができ、被検体2に対するX線6の照射位置や照射範囲を調整することができる。X線発生部36から被検体2に対してX線6が照射されると、被検体2を透過したX線6は、X線検出装置102のX線検出回路に照射され、X線検出装置102のX線検出回路が受けたX線6の強度に応じた値を表す電気信号であるX線検出情報に変換され、画像情報としてX線検出装置102の内部に保持される。本体200からの指示によりX線検出装置102は、無線により本体200の送受信部202へ上記X線検出情報によって構成された上記画像情報を送信する。X線検出装置102から本体200に取り込まれた上記画像情報は、本体制御部230の画像処理部236によってX線画像に生成され、生成された上記X線画像が表示部206により表示される。また上記X線画像は記憶装置に記憶することができる。
X線発生部36から照射されるX線6の照射条件は、表示部206に表示された表示内容に基づいて操作部204から入力し設定することができる。またX線の撮影指示を操作部204から行うことができる。その他撮影されたX線画像の表示やX線画像の保持を操作部204から指示することができる。上述の如きX線撮影に関する指示だけでなく、以下で説明する走行系30の走行に関する指示や、その他X線撮影装置10の色々な内容に関する指示や入力を行うことができる。X線撮影装置10は、電源装置210を備えている。電源装置210は本体200で使用される電力を供給するだけでなく、X線発生部36に対して図示しない高電圧発生装置を介してX線を発生するために必要な高電圧を供給する。また電源装置210は電力供給ライン16を介して、収納ボックス150で消費する電力を供給するための電源部166に対して必要な電力を供給し、また収納ボックス150に収納されているX線検出装置102〜106の充電が必要なX線検出装置102〜106に対して充電用の電力を供給する。さらに電源装置210はX線撮影装置10の走行系30に対して走行用や台車制御部26が必要とする電力を供給する。なお、電源装置210は図示しない2次電池を備えており、外部電源から電力の供給を受けて前記2次電池に直流電力の状態で電力を蓄積し、蓄積した電力から上述した各部へ必要な電力を供給する。
X線撮影装置10は走行するための台車20を備えており、台車20には、自由に回転すると共に自由に方向が変わる左右の前輪22と、駆動用モータ28により駆動される左右の後輪32が設けられている。前輪22および後輪32は左右の内の右側に設けられたもののみを図示している。台車制御部26により制御される走行系30は、ブレーキ制御や走行速度あるいは走行方向を指示するハンドル24と、左右に設けられた2つの後輪32と、左右の後輪32にそれぞれ独立して駆動力を与える駆動用モータ28と、ハンドル24の指示に基づいて駆動用モータ28を制御する台車制御部26とを有している。例えば駆動用モータ28および後輪32は左右独立して駆動するために2組設けられており、ハンドル24に加えられた左右の力に応じて左右の後輪32に加わる駆動力がそれぞれ別々に制御され、直進だけでなく、走行方向の変更もスムーズに行うことができる。また、左右の後輪32にはそれぞれブレーキ機構が設けられており、人がハンドル24を握る操作が図示しない検出器で検出され、上記図示しないブレーキ機構が解除され、走行モードとなる。一方ハンドル24から手を離すと、左右の後輪32にはブレーキ機構により制動力が作用し、X線撮影装置10は例えば人がぶつかったとしても簡単には動かない状態となる。
走行系30の台車制御部26と本体200は伝送ライン14を介して接続され、駆動用モータ28と電源装置210は電力供給ライン16で接続されている。図示を省略するが後輪32に設けられたブレーキ機構も電力供給ライン16を介して電源装置210と接続されている。台車制御部26はハンドル24からの操作内容に基づいて駆動用モータ28やブレーキ機構を制御するが、さらに操作部204を介してユーザにより指示された指示内容を本体制御部230を介して台車制御部26が受け取り、操作部204からの指示に従い、台車制御部26は駆動用モータ28や図示を省略したブレーキ機構を制御する。
なお、走行系30に対する上記説明は、一例であり、これに限るものではない。また以上の説明は、移動型X線撮影装置に本発明を適用した場合の台車20の構造であるが、本発明が適用可能なX線撮影装置10は、移動型X線撮影装置に限るものではない。例えば、X線発生部36は移動しない固定された支持機構34に保持されていても良い。またX線発生部36は天井などから吊り下げられる構造により固定され、天井などに沿って移動可能な構成であっても良い。
一部上述したが図1に記載のように本体200は台車20に設置されていて、本体200はX線撮影装置10の走行に関する制御や、X線画像の撮影に関する制御や、さらに被検体2に照射されたX線を電気信号であるX線検出情報に変換するX線検出装置102〜106の動作モードや充電状態を含めて色々な状態の制御や、X線検出装置102〜106が出力したX線検出情報からX線画像を生成する処理、を行う。このような制御や処理のために、本体200は、本体制御部230や、電源装置210、記憶装置208、表示部206、操作部204、送受信部202、などを備える。これらの各構成は、データの伝送や、少電力の供給や、タイミング調整のための信号伝送のために、伝送ライン14によって繋がっている。
本体200の本体制御部230は、本体200の制御や処理を行うと共に、本体200を含めたX線撮影装置10を総合的に制御する機能を有し、中央処理装置(以下CPU:Central Processing Unitと記す)を備えている。CPUを備える本体制御部230は色々な制御や処理を行うが、その一部に関する一例を図2に機能ブロックの形で記載する。本体制御部230は、X線検出装置を制御するためのX線検出装置制御部240や、X線撮影のための制御を行う撮影制御部234や、上記X線検出装置画の検出結果に基づいてX線画像を生成する像処理部236、などを備える。これらについて次にその概要を説明する。
X線検出装置制御部240は、X線検出装置の配置を含めた状態を検知する状態検知部242やX線撮影に使用するX線検出装置を特定する判定部244やX線検出装置の動作モードを制御するモード制御部246を有している。X線検出装置制御部240は、制御あるいは処理のために次に記載する動作(1)〜(5)を行う。動作(1)では、ユーザが本体200に取り付けた収納ボックス150や、収納ボックス150に収納したX線検出装置102〜106が、X線撮影装置10に対して使用可能な方式あるいは性能であるかどうか、また予めX線撮影装置10に対して事前に登録され、X線撮影装置10における使用が許可されているかどうかか、判断される。また収納された各X線検出装置102〜106が動作するのに十分な充電状態であるかどうか、その他異常がないかどうかが判断される。動作(2)では、状態検知部242により、収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106のそれぞれが、収納ボックス150から取り出されたかどうかなど、X線検出装置102〜106が置かれている配置状態の検知が行われる。X線検出装置制御部240状態検知部242が直接、X線検出装置102〜106の収納ボックス150からの取り出しを検知しても良いし、この実施例で記載のように、例えば収納ボックス150に設けられた取り出し検出器154などの検出器からの情報から、あるいは接続部174あるいは送受信部202の送受信状態から、収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106が収納ボックス150から取り出されたかどうかを表す配置状態を検知しても良い。
動作(3)では、各X線検出装置102〜106に対する配置状態の検知情報から、X線撮影に使用されるX線検出装置がどれかを特定するための判定が、判定部244により行われる。もし使用されるX線検出装置がどれかを明確に特定できない場合には、使用されるX線検出装置がどれかについて可能な範囲で絞込みを行い、絞り込まれたX線検出装置に関して、表示部206を介して問い合わせの指示を行い、ユーザの指示を一部利用して特定することも可能である。動作(4)では、使用されると判定したX線検出装置について、X線発生部36から照射されたX線6を検出して、X線6の強度に応じた電気信号をX線検出情報として発生するアクティブモードにX線検出装置の動作モードが遷移するように、モード制御部246により、X線検出装置の動作モードの制御を行う。例えば動作(3)の処理で、X線画像のためのX線検出にX線検出装置102が使用されると判定すると、動作(4)の処理で、本体制御部240のモード制御部246は判定したX線検出装置102に対してアクティブ信号を送信する処理を行い、X線検出装置102の動作モードを、X線を検出する動作を行うアクティブモードに変更する。さらに動作(3)の処理で、他のX線検出装置104やX線検出装置106がX線検出に使用されないと判定すると、動作(4)の処理において、X線検出装置104やX線検出装置106が非アクティブモードであるかを調べ、非アクティブモードでない場合には、モード制御部246によって、非アクティブ信号を送信して、非アクティブモードでなかったX線検出装置を非アクティブモードの状態に変更する。もし動作(3)の処理で、X線検出装置102とX線検出装置104の2つのX線検出装置を使用するとの指示が、ユーザから行われると、X線検出装置102とX線検出装置104の2つのX線検出装置を使用すると動作(3)において判定し、動作(4)の処理で、X線検出装置102とX線検出装置104の2つに対してアクティブ信号を送信してX線検出装置102とX線検出装置104をアクティブモードに変更し、X線検出装置106を非アクティブモードに維持する。
X線検出装置制御部240はさらに、次に説明する撮影制御部234と連携し、動作(5)を行う。動作(5)では、同一X線検出装置を繰り返しX線撮影に使用する場合のX線検出装置の動作モードを制御する。例えば上述した如くX線撮影にX線検出装置102を使用し、さらに次のX線撮影においても連続してX線検出装置102を使用する場合に、動作(5)では、次のようなに動作する。X線撮影において、一X線画像の撮影が終了すると、X線検出装置102のモードはアクティブモードから非アクティブモードに変わる。この場合に、X線検出装置102〜106自身が、アクティブモードから非アクティブモードに変わるように作られていても良いし、X線検出装置制御部240から使用したX線検出装置に対して非アクティブ信号を送信して、使用されたX線検出装置の動作モードをアクティブモードから非アクティブモードに変わるようにしても良い。
撮影のための色々な制御を行う撮影制御部234からの一画像の撮影終了を表す情報をX線検出装置制御部240が受け取るとこれに基づき、あるいは撮影制御部234からのX線検出情報の取り込み依頼に基づき、使用したX線検出装置102から無線LAN18を介して、X線検出情報が本体200に取り込まれる。取り込まれたX線検出情報は画像処理部236によってX線画像に生成され、生成されX線画像が表示部206により表示される。これによりユーザは、目的とするX線画像を撮影することができたかどうかを確認することができる。これに続いて同じX線検出装置102が使用されてX線画像の撮影が行われる場合に、動作(5)では、撮影制御部234の動作と連携して、X線検出装置102の動作モードをアクティブモードに変更するためのアクティブ信号を送受信部202から無線LAN18介して送信する。これによりX線検出装置102の動作モードを再びアクティブモードに変更する。同じX線検出装置が連続してX線画像の撮影に使用される場合に、使用するX線検出装置の動作モードを制御することが必要となる。動作(5)は、このような制御を行う。
本実施例では、一例としてX線検出装置制御部240は、収納ボックス150への収納状態を利用して使用対象となったX線検出装置を判断する手法を使用するので、簡単でしかも正確に使用対象の判定を行うことができる。さらに収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106が、X線撮影装置10の使用条件を満足するものであるかどうか、あるいは本X線撮影装置10に使用することが予め認められたX線検出装置であるかどうか、などの判断をおこなうことができる。このことにより色々な人的なミスを低減でき信頼性の向上に繋がる。さらに医療情報の漏えいを防止でき、医療情報の保護が容易となる。また収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106に対して、それぞれのX線検出装置102〜106の充電状態を含め、色々な異常の診断を行うことができ、信頼性をより向上させることができる。このことは無効被曝の低減にも繋がる。さらに積極的に、異常があると判断したX線検出装置に対して予め使用禁止の情報をX線撮影装置10に送ってX線撮影装置10でこの情報を保持することにより、この情報を使用するX線検出装置の選択に利用でき、高い信頼性が維持できる。具体的な例を記載すると、異常診断において異常や特性劣化が検知されたあるいはユーザが不具合を感じたX線検出装置に対して、異常が発生し易いとの評価を記憶しておけば、ユーザは前記異常が発生し易いX線検出装置を仮に収納ボックス150に収納したとしても、前記異常が発生し易いX線検出装置の使用を避けることができる。一度異常が検知された場合に、修理済などにより積極的に使用可能となった指示を入力しない限り、異常が発生し易いX線検出装置として、評価を下げることができ、この評価を保持して色々利用することが可能となる。前記検出装置の評価情報は、不具合を生じ易いX線検出装置の使用を避けることに利用することができ、あるいは修理対象の選択に利用することが可能となる。
X線検出装置制御部240における上述した動作(3)により、X線検出装置102〜106に対する配置状態から、X線撮影に使用されるX線検出装置を特定し、特定したX線検出装置102に対してアクティブ信号送ることにより、ユーザの操作の煩わしさを低減でき、さらに人的ミスも低減できる。このことは無効被曝の低減につながる。例えば、使用するX線検出装置をユーザが判断して、使用するX線検出装置にアクティブ信号を送信し、アクティブモードに変更する場合に、一定の割合で人的ミスが発生する。本実施例では、X線検出装置102〜106を収納ボックス150から取り出したことを表す配置状態の情報から、動作(3)により使用されるX線検出装置を特定する判定を行う。このようにすることで、本実施例では使用するX線検出装置の特定をより高い精度で行うことができる。また判断のための処理もたいへん簡単であり、誤判断が生じ難い。なお収納ボックス150から収納されたX線検出装置102〜106が取り出されたかどうかの判断は、収納ボックス150に設けられた取り出し検出器154を使用して検知しても良いし、X線検出装置102〜106との接続が収納ボックス150の接続部174を介して行うことができるかどうかなどの状態を基にして、ソフトウエア的な処理により行っても良い。
撮影制御部234は、X線6を発生させて被検体2のX線画像を撮影する制御を行う。具体的には次に説明する動作(1)〜動作(5)を行う。これらについて順に説明する。動作(1)において、被検体2に関する諸入力の処理を行い、動作(2)において撮影対象の部位や撮影する画像の種類、使用するX線検出装置、等に基づき、撮影条件を設定する。本体200とX線発生部36とが伝送ライン14を介して接続されており、また電源装置210がX線発生部36と電力供給ライン16を介して接続されている。動作(3)において、設定された撮影条件に従ってX線発生部36に電源装置210からX線を発生するための高電圧が電力供給ライン16を介して供給されると共に、X線発生部36へ伝送ライン14を介して、撮影条件に基づいた制御情報が送られ、X線撮影が行われる。X線検出装置制御部240により使用されるX線検出装置102が既にアクティブモードになっているので、撮影に基づくX線検出情報がX線検出装置102により発生されて、その内部に保持される。なお、撮影制御部234から撮影開始指令やX線発生指令を送信するときに、X線検出装置制御部240から使用するX線検出装置102に対して、アクティブ信号が送信されたかを確認することができ、もしX線検出装置制御部240からアクティブ信号が送信されていない場合には、先にX線検出装置制御部240から使用するX線検出装置にアクティブ信号を送信し、使用するX線検出装置の動作モードをアクティブモードに変更してから、X線発生指令や撮影開始指令をX線検出装置制御部240から送信する。このようにすることで、X線6が照射されたにも拘わらずX線撮影がなされなかったなどの誤操作を防止できる。このことは無効被曝の低減にも繋がる。
動作(4)において、撮影制御部234からX線検出装置制御部240を介してX線検出装置102へ、X線検出情報の伝送指令を送ることにより、X線検出装置102から撮影されたX線検出情報が無線LAN18を介して送受信部202に送られ、本体制御部230は送受信部202を介してX線検出情報を受け取る。動作(5)において、撮影制御部234は画像処理部236に設定された撮影条件に従ったX線画像生成の指示信号を送り、設定された撮影条件に従ったX線画像を画像処理部236により生成し、生成したX線画像を表示部206に表示する。また送受信部202を介して受け取ったX線検出情報や画像処理部236によって生成したX線画像は、必要に応じ記憶装置208に記憶して保存する。
撮影制御部234の制御に基づくX線撮影が行われると、使用されたX線検出装置102はアクティブモードから非アクティブモードに遷移する。上述したようにX線撮影の動作に基づいて既に検出したX線検出情報を、無線LAN18を介して本体200に送信すると、X線検出装置102を次の撮影に使用することが可能となる。撮影制御部234が検出したX線検出情報を送信した状態で、あるいは撮影制御部234が次の撮影の処理を行う状態で、あるいは撮影制御部234が次の撮影の撮影条件の設定を行った状態で、X線検出装置制御部240からアクティブ信号をX線検出装置102に送信し、X線検出装置102を再びアクティブモードに遷移する。
本実施例では、X線検出装置102〜106から使用するX線検出装置を判定して判定したX線検出装置の動作モードを制御するX線検出装置制御部240と、X線発生部36を制御しX線6の発生を制御する撮影制御部234とが連携して、撮影制御部234の動作に対応して撮影に使用するX線検出装置の動作モードを制御するので、高い信頼性でX線検出装置の動作モードを制御することができる効果がある。同じX線検出装置を繰り返し使用する場合に、X線検出装置が検出したX線検出情報やX線検出情報に基づき生成したX線画像を確実に記憶装置208に記憶して保持することができ、さらにX線撮影動作に対応して確実に使用するX線検出装置の動作モードを制御することができるので、X線撮影作業を高い信頼性で行うことができる。このことは無効被曝の防止に繋がる。
図1に記載のように、本体200の側面には、X線検出装置102〜106を収納するための収納ボックス150が本体200へ着脱可能に設置される。図1には進行方向に対して右側面に収納ボックス150が装着されているが、これは一例であり左側面に収納ボックス150が装着されるようにしても良いし、装着する面を状況に応じ変更できるようにしても良い。図2に記載のように、収納ボックス150は、収納ボックス150の色々な機能を果たすための制御部152と、収納ボックス150へのX線検出装置102〜106の収納の有無を検出し収納されたX線検出装置がユーザによって取り出されたかどうかを検出する取り出し検出器154と、本体200との間でデータの送受信を行う送受信部180と、操作部162と、表示部164と、収納ボックス150内部の各部の動作に必要な電力を供給する電源部166と、収納したX線検出装置102〜106と接続するための接続部174と、接続されたX線検出装置102〜106に必要な充電用電力を供給して充電を行う充電器172と、を備えている。
収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106とのデータの送受信は、互いに非接触状態で行うことができるので、接続部174は非接触でデータの送受信を行う方式であっても良い。非接触の状態でデータ伝送を行う方法の方が腐食などに強く、高い信頼性を維持できる利点がある。しかし収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106に充電用の電力を供給する場合には、非接触の方式で電力を供給するより、接続端子で接続した接触状態で電力を供給する方が、単位時間において大きな電力を供給できるメリットがある。電源装置210から充電器172への電力の供給も接触状態で行うことが望ましく、本体200の側部に電力供給ライン16の端部が、コネクタ17の状態で設けられており、図1に記載のように、コネクタ17を接続することにより、電源装置210と充電器172が電力供給ライン16を介して接続される。
図1に記載のように、収納ボックス150の表示部164や操作部162が収納ボックス150の走行方向に対して後方の面に設けられている。走行中に何かと接触する等の事故が生じても、収納ボックス150の表示部164や操作部162の破損を低減できる。例えば病院のX線撮影を行う被検体2のそばに移動する場合に、患者のベッドやその他の医療機器があり、収納ボックス150がこれらと接触する可能性が考えられる。本実施例では、破損し易い表示部164や操作部162が、X線撮影装置10の走行方向の後方側にあり、他の機器等との接触の可能性がたいへん低い部分に表示部164や操作部162が設けられている。また、後方であってもハンドル24より前方側に位置しているので、他の機器等との接触の可能性がこの点からも低く、破損の可能性が少ない。さらに表示部164の表示方向や操作部162の操作方向が、本体200の表示部206や操作部204の方向と一致しているので、見易いあるいは操作し易い利点がある。
図3は、図1に記載の収納ボックス150のA−A断面の概要を示す断面図である。ユーザがX線検出装置を収納ボックス150に収納すると、収納ボックス150には、支持体188により支持された状態でX線検出装置102〜106が収納される。この実施例では、X線検出装置102から106はそれぞれ、収納ボックス150の接続部174に各X線検出装置の接続端子がそれぞれ直接接触するようにして、接続されている。この接続部174を介して各X線検出装置102〜106は、収納ボックス150に設けられた制御部152と情報の送受信を行うことができる。収納ボックス150には固定部192が設けられており、固定部192により収納ボックス150は、着脱可能に本体200の側面の外壁201に固定されている。なお、図3に記載の固定部192は一例であり、この構造に限るものではない。
本実施例では、収納ボックス150には大きさの異なるX線検出装置102〜106を複数個収納することができる。被検体2の撮影対象部位に従って必要となるX線検出部の大きさが異なるため、大きさが異なるX線検出装置を複数個収納し、撮影対象部位に合わせて望ましい大きさのX線検出装置を選択することができる。X線撮影作業に先立ちユーザが、例えば、X線検出装置102〜106を選択して収納ボックス150に収納すると、収納ボックス150は収納されたX線検出装置102〜106を検知して、検知したX線検出装置102〜106の情報を本体200の本体制御部230に送信する。またユーザが収納ボックス150から撮影に使用するX線検出装置を選択して取り出すと、図2に記載する収納ボックス150の取り出し検出器154により、あるいは各X線検出装置102〜106の接続部174あるいは送受信部202との接続状態を検知することにより、収納ボックス150あるいは本体200のX線検出装置制御部240により、ユーザによって取り出されたX線検出装置を検知することができる。
取り出されたX線検出装置の情報は最終的に本体200により管理され、予めユーザにより収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106の状態が常時本体200により管理される。本体200により管理されているX線検出装置102〜106の状態情報に従って、特に収納ボックス150に収納されているかどうかに関するX線検出装置102〜106の配置情報を利用して、X線検出装置制御部240はX線撮影に使用するX線検出装置を特定することができる。X線撮影に使用すると判定したX線検出装置、例えば本実施例に記載のようにX線検出装置102に対して、X線発生部36から照射されたX線6を電気信号に変換するアクティブモードに遷移するためのアクティブ信号を送信する。収納ボックス150に収納された状態のX線検出装置104、106は非アクティブモードであり、被検体2のX線画像の撮影が開始される前に使用されるX線検出装置102の動作モードをアクティブモードに変更することが必要である。この変更が行われないと、撮影のために照射されたX線6により無効被曝が発生する。
本実施例では、本体200でX線画像の撮影に使用されるX線検出装置102を正確に特定することができ、さらに特定したX線検出装置102に対して確実にアクティブ信号を送信してX線検出装置102の動作モードをアクティブモードに遷移することができる。このことにより操作ミスなどに基づくX線検出装置102のモード変更の誤りを低減できる。さらに以下で上述する如く、本実施例では使用されるX線検出装置102に関して故障診断の実施結果も合わせて使用することができ、X線撮影の信頼性の向上あるいはX線の無効被曝の低減に関して効果がある。
次にX線検出装置102〜106の構成を説明する。X線検出装置102〜106の構成は、基本的には同じであり、これらを代表してX線検出装置102によりX線検出装置の構成を説明する。図4はX線検出装置102の構成を示すブロック図である。X線検出装置102は、アクティブモードにおいて、X線6の強さに応じた電気信号を発生してX線検出情報として記憶回路114に保持する。本体200からの指令に従い、発生した電気信号をX線検出情報として本体200に送信する。X線検出装置102は、X線の強さに応じた電気信号を発生するX線検出部112と、X線検出部112が発生した電気信号をX線検出情報として記憶し保持する記憶回路114と、CPUなどで構成されX線検出装置102の動作を制御する制御部116と、収納ボックス150や本体200との間でデータを含む情報の送受信を行うための送受信回路138と、収納ボックス150や本体200との間で情報の送受信を行うための接続端子144と、前記情報の送受信をためのアンテナ142と、X線検出装置102を動作させるための電力を供給する電源装置132と、電源装置132の充放電状態やX線検出装置102の主要部の異常の有無を診断する診断部134と、制御部116や上記各部との間で情報などの送受信を行うための伝送ライン110と、を有している。X線検出部112は例えば2次元の面におけてX線6の強度を検出するための2次元の状態に配置された集積回路を有していて、前記2次元の面を構成する各点におけるX線6の強度を電気信号に変換し、前記2次元の面におけるX線6の強度をX線検出情報として出力する。
制御部116は、X線検出装置102の動作モードを制御するモード制御部122や、X線検出部112が受けたX線6の変化を検知して、X線撮影の状態を判断する撮影状態判断部124や、送受信回路138が各種データを含む情報の送受信を行う接続状態、例えば収納ボックス150との間で送受信を行う接続状態か、直接本体200と送受信を行う接続状態かを検出する接続状態検出部126、を機能として有している。なお、X線検出装置102は、接続端子144と収納ボックス150の接続部174とが接続することにより、収納ボックス150との間で情報の送受信が可能となるが、さらに接続端子144が図示しない本体200に設けられた接続端子と接続されることにより、X線検出装置102は無線LAN18を介さない状態で本体200との間で送受信部202を介してデータを含む情報の送受信を行うことができる。さらにX線検出装置102が有するアンテナ142を使用して無線LAN18を介して、X線検出装置102と本体200との間でデータを含む情報の送受信を行うことができる。診断部134は上述したように電源装置132の充電状態を診断し、蓄電された電力が少なくなると、送受信回路138から充電要の情報を送信する。充電用の電力は接続端子144を介して電源装置132に供給される。さらに診断部134は、X線検出装置102の各部が正しく動作するかどうかを自己診断し、自己診断結果は接続状態検出部126の接続状態に従って収納ボックス150や本体200に送信される。
図5は被検体2に対するX線撮影作業の前に行う事前作業を示すフローチャートである。ステップS50で事前作業が開始されると対象となるX線撮影装置10を使用するユーザの登録を行う。X線撮影装置10を複数のユーザが使用できるようにすることは、業務の効率化などの点で望ましいが、信頼性の高い撮影作業を維持するためには、対象となるX線撮影装置10を使用するユーザを事前に定め、X線撮影装置10に対して登録しておくことが望ましい。また、X線撮影装置10が使用する収納ボックス150や収納ボックス150に収納するX線検出装置を予め登録しておくことが望ましい。X線撮影装置10が使用するX線検出装置は、方式や性能などの観点で、X線撮影装置10の基準に対応していることが必要である。将来、色々な用途に対応した色々な特性を有するX線検出装置が使用されることが考えられる。このような場合に、ユーザが誤ってX線撮影装置10の基準に適していないX線検出装置を使用する、誤使用が起こり易くなる。使用するX線検出装置の方式や性能などが、対象のX線撮影装置10の基準に対応していない場合には、撮影されたX線画像の質が低下したりあるいは使用できなかったりする可能性がある。X線撮影装置10に適するX線検出装置を事前にX線撮影装置10に登録することにより、上記誤使用を防止することが可能となる。収納ボックス150についても同様である。ステップS64で、X線撮影装置10が使用するX線検出装置を予め登録し、ステップS66でX線撮影装置10が使用する収納ボックス150を予め登録する。ステップS70で事前作業を終了する。担当ユーザ変更やX線撮影装置10の使用対象となる収納ボックス150やX線検出装置の変更を行う場合には、図5のフローチャートを実行して新しい収納ボックス150やX線検出装置を登録することにより、上記変更の処理を行うことができる。
図6はX線撮影作業の概要を示すフローチャートであり、主に本体制御部230によって処理される処理内容を示す。ステップS100でX線撮影作業が開始されると、ステップS102でX線撮影作業の準備として、収納ボックス150をX線撮影装置10に取り付け、さらに収納ボックス150にX線撮影作業に使用するX線検出装置を複数個収納する。なお、同一のX線検出装置を繰り返しX線撮影に使用できるので、収納ボックス150に1つのX線検出装置を収納すれば事足りる場合がある。しかし例えば大きさの異なるX線検出装置を複数個用意し、撮影対象部位に応じて使用するX線検出装置を変えた方が良い場合がある。また撮影方法として被検体2に関する撮影予定範囲をカバーするように先に複数のX線検出装置を配置し、次にX線発生部36を前記複数のX線検出装置によりカバーする範囲を順に移動しながら、撮影予定部位を順に撮影する方法もある。その他の事情も考えられるが、X線撮影作業において複数のX線検出装置を準備する場合が多々ある。ユーザはX線撮影を考慮して複数のX線検出装置を収納ボックス150に収納する。なお破線で示す作業はユーザが行う作業を示し、実線は主に本体200の本体制御部230が行う処理を示す。例えば図1に記載の如く、X線撮影装置10の本体200に収納ボックス150が取り付けられ、収納ボックス150にX線検出装置、例えばX線検出装置102〜106が、収納されると、ステップS104で、本体200に取り付けられた収納ボックス150や収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106が、本体制御部230によって検知される。図1から図3に記載の実施例では、収納ボックス150は3個のX線検出装置102〜106を収納するが、これは一例である。収納数の異なるすなわち容積が異なる複数の収納ボックスから、ユーザが適切な容積の収納ボックス150を選択して使用することができる。
ステップS104で検知した結果に基づき、本体制御部230は、取り付けられた収納ボックス150や収納ボックス150に収納されたX線検出装置が、予め図5に記載のフローチャートの実行で登録された収納ボックスやX線検出装置であるかどうかが、ステップS106により判断される。収納ボックス150やX線検出装置102〜106が予め登録されたものでない場合には、これらを変更するための警告表示をステップS108によって行い、再びユーザが収納ボックス150やX線検出装置102〜106を選択する作業であるステップS102に戻る。このステップS102においてユーザは登録されていない収納ボックス150やX線検出装置102〜106を取り換えることができる。ユーザが選択した収納ボックス150やX線検出装置102〜106が全て事前に登録されたものである場合に、ステップS106からステップS110へ、本体制御部230の実行が移る。
ステップS110で、ユーザが選択した収納ボックス150やX線検出装置について異常の有無を診断する診断指示や充電状態の検査を行う指示を、あるいは診断結果の報告要求や充電状態の検査結果の報告要求の指示を、収納ボックス150や収納ボックス150に収納された各X線検出装置へ、送受信部202を介して送る。収納ボックス150は制御部152が収納ボックス150の主要構成の異常診断作業を行い、その結果を本体制御部230に報告する。またX線検出装置102〜106は、それぞれが有する診断部134で異常診断や充電状態の検査を行い、その結果が収納ボックス150を介して本体制御部230へ報告する。事前に各X線検出装置が異常診断や充電状態の検査を独自に行い、ステップS110による指示に従って、事前に行った結果を本体200に報告するようにしても良いし、ステップS112の実行に基づく本体制御部230の指示により、上記検査を開始するようにしても良い。ステップS112により異常診断に基づく異常の有無が判断され、異常がある場合には、ステップS114で本体制御部230の処理により警告表示が行われ、ステップS102に戻り、異常が検知されたX線検出装置を交換する作業が行われる。
ステップS112において収納ボックス150および収納ボックス150に収納されたX線検出装置が全て正常と判断されると、本体制御部230の実行がステップS116へ移り、各X線検出装置の充電の必要性が判断される。ステップS110の検査結果に基づき、充電が必要なX線検出装置の有無が判断され、充電が必要なX線検出装置があれば、充電が必要なX線検出装置に対して充電用電力が本体200の電源装置210から電力供給ライン16や収納ボックス150の充電器172を介して供給され、本体制御部230からの指令に基づき充電が行われる。この充電動作には時間が掛かるので、充電動作はステップS118の実行後も続けられる。図6および図7に記載のフローチャートは、例えば短い一定時間毎に繰り返し実行されステップS116が繰り返し実行されるので、収納ボックス150に収納された各X線検出装置に対する充電の必要性の判断が、上記一定時間毎に繰り返し行われる。従ってステップS118によるX線検出装置の充電が完了すると、ステップS116により充電の終了が判断され、ステップS120において充電中のX線検出装置があればその充電動作の終了処理が行われる。以上の説明で充電の実行と終了の基本的な考え方を述べたが、ステップS116の判断やステップS118の動作、ステップS120の実行をX線検出装置毎にきめ細かく行うことで、複数のX線検出装置に対して充電の実行および終了を制御することができる。ステップS116で、各X線検出装置102〜106に関して充電の必要性が判断される。充電の必要性が無いと判断された場合に、その対象X線検出装置が充電中であったかどうかが判断され、充電中であった場合にはステップS120において、充電の終了処理が行われる。例えば以下で図8を用いて説明する管理表300の欄316に充電作業に関する記憶を行う。充電作業中の場合には、管理表300の欄316に充電中の記憶を行う。充電作業が完了すると、ステップS120の処理により、欄316に充電完了(省略して完と記す場合がある)が記憶される。
収納ボックス150に収納された各X線検出装置102〜106を制御するために図8に記載の管理表300を作成して利用する。この管理表300の作成は、図6に記載のフローチャートの初めの状態で作成しても良いが、一例としてこの実施例では、ステップS122で管理表300を作成する。上述のように例えば図6および図7に記載のフローチャートは短時間毎に繰り返し実行されるので、ステップS122は短時間毎に繰り返し実行され、図8の管理表300が短時間毎に繰り返し更新される。
管理表300の一例を図8に示す。この管理表300は、例えば記憶装置208に保持され、本体制御部230から自由に書き込みおよび読出しを行うことができる。図8は、記憶装置208に保持された内容を表示部206に表示した状態を示し、ユーザは図8の表示を見ることにより、X線検出装置102〜106の状態を知ることができる。図8の表示内容と記憶装置208における管理表300の記憶内容は、この実施例では一致している。ただし、表示部206の表示内容と管理表300の記憶内容は完全に一致させる必要はなく、本実施例は一例である。また図2に記載の実施例では記憶装置208は本体制御部230の外に設けられているが、記憶装置208を本体制御部230の中に設けて本体制御部230の位置構成としても良いし、本体制御部230の外に設け、本体制御部230の外部構成としても良い。この実施例は一例であり、本体制御部230の外部構成としている。例えば記憶装置208に、本体制御部230の制御に必要なデータを記憶するだけでなく、撮影したX線画像のデータを保存する場合は、記憶装置208の記憶容量が大きくなり、記憶装置208は本体制御部230の外に設けられることになる。管理表300は、X線検出装置を記憶する欄312と、事前に登録されているかどうかを示す情報を記憶する欄314と、充電状態を表す情報を記憶する欄316と、異常診断結果を表す情報を記憶する欄318と、収納ボックス150からの取り出しの有無を表わす情報を記憶する欄322と、X線撮影への使用の特定を表す情報を記憶する欄324と、動作モードを表す情報を記憶する欄326と、を有している。図8は管理表300を表示部206に表示した状態を示している。ステップS104で収納ボックス150に収納されたことが検出されたX線検出装置102〜106が、欄312に表示される。図5に記載のフローチャートで事前に登録されたものであるかどうかが、欄314に表示される。もし登録されていないX線検出装置が含まれていると、警告が出されるだけでなく、登録されていないX線検出装置を使用しようとした場合には、撮影動作が自動的に停止状態となる。
欄316には、各X線検出装置の充電状態が表示され、充電量が不足し使用できない場合には、不良と表示され、更に充電状態がパーセント表示される。ステップS102でユーザによって収納ボックス150からX線検出装置が取り出されると、欄322に取り出しと表示される。すなわち欄322には各X線検出装置102〜106の配置状態が保持され、表示される。さらに収納ボックス150からの取り出し状態に基づき、撮影に使用されるかどうかが、以下で説明の図7に記載のステップS140で特定されると、その特定結果が欄324に表示される。各X線検出装置102〜106のモード状態が欄326に表示される。このように、収納ボックス150に収納された各X線検出装置102〜106の状態を示す管理表300が本体200の例えば記憶装置208に記憶され、この管理表300を使用して以下で説明する動作モードの制御や、充電動作の制御を行うことができる。このように管理表300を本体200に記憶し、この管理表300を用いて、事前に収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106の動作モードを制御するので、信頼性の高い制御が確保される。
次に被検体2のX線撮影のために、ステップS124が本体制御部230によって実行され、例えば本体制御部230の動作に基づき表示部206に表示された入力用表示に従って、被検体2に関する諸情報や撮影対象部位に関する諸情報が入力される。この後、図7に記載のフローチャートが本体制御部230によって続けて実行される。
破線で囲ったステップS130において、ユーザがX線撮影のために収納ボックス150から撮影に使用するX線検出装置、例えばX線検出装置102を取り出すと、本体制御部230はX線検出装置102が取り出されたことを検知する。X線検出装置102の収納ボックス150からの取り出しを検知する1つの方法は、図2に記載の取り出し検出器154により、機械的にX線検出装置102が収納ボックス150の内部の収納枠から取り出されたことを機械的に検知し、取り出し検出器154から制御部152にX線検出装置102の取り出しを表す電気信号が送られ、制御部152から送受信部180や送受信部202を介してX線検出装置102の取り出しを表す情報が本体制御部230に送られる方法である。他の方法は、本体制御部230がX線検出装置102〜106の配置を確認するための信号を定期的に送信し、本体制御部230とX線検出装置102〜106とが送受信部202および送受信部180を介して接続されるかどうか、により判断する方法である。送受信部202および送受信部180を介して接続可能なX線検出装置は収納ボックス150に収納された配置状態にあり、送受信部202および送受信部180を介して接続することができないが無線LAN18を介して接続できるX線検出装置は、収納ボックス150から取り出された状態にあることが、本体制御部230によって検知できる。このようにしてX線検出装置102〜106に関する取り出しの有無を検知することができる。
ステップS132で収納ボックス150から取り出されたX線検出装置102が充電済かどうか、すなわち取り出されたX線検出装置102が撮影動作を行うに十分な充電が為された状態にあるかどうかが判断される。仮に充電中のX線検出装置を誤ってユーザが取り出した場合など、充電が不十分なX線検出装置が収納ボックス150から取り出された場合には、ステップS134が本体制御部230によって実行され、警告が出される。警告は表示部206や表示部164を用いた表示でも良いし、図示しない音響装置を利用して音声で行っても良い。ステップS134の後、再びステップS130によりユーザが撮影に使用する新たなX線検出装置を改めて取り出すこととなる。なお、誤って取り出された充電中のX線検出装置は、収納ボックス150に戻されることにより、再び充電が行われることとなる。
ステップS136において、収納ボックス150から取り出されたX線検出装置が検知され、図8に記載の管理表300の欄322に記憶される。本実施例では、X線検出装置102に対して収納ボックス150から取り出されたことが欄322に記憶される。ステップS140において、欄322の記憶状態に基づき、収納ボックス150から取り出されたX線検出装置102がX線撮影に使用されるX線検出装置として特定され、欄324に記憶される。すなわちX線検出装置102〜106について欄322の記憶内容によれば、X線検出装置104と106は、収納ボックス150に収納されており、X線検出装置102のみが収納ボックス150から取り出され、収納ボックス150の外に置かれていることが分かる。このように欄322に記憶された情報は各X線検出装置102〜106の配置状態を表している。この欄322に記憶されたX線検出装置102〜106の配置状態を基に、X線撮影に使用されるX線検出装置が特定され、収納ボックス150から取り出されたX線検出装置102が使用されるX線検出装置であると判断される。このように本実施例では、予め使用候補として選択され収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106の配置状態に基づき、使用されるX線検出装置を特定するので、非常に高い精度で、使用されるX線検出装置を検知することができる。このように使用されるX線検出装置を検知することができ、ユーザの誤操作などの影響を抑制することができる。
ステップS150で、諸々の撮影の準備が完了すると、使用X線検出装置として特定されたX線検出装置102に対して、X線撮影を行うために、ステップS152においてアクティブ信号が、本体制御部230から送受信部202および無線LAN18を介して送信される。これに基づきX線検出装置102の動作モードがアクティブモードに変えられる。なお、アクティブ信号を送信するためのステップS152は、ステップS140の後であれば、いつでも可能であり、ステップS150の前であっても良い。アクティブ信号の送信に基づき、使用X線検出装置102の動作モードが非アクティブモードからアクティブモードに変更されたことをステップS154において確認し、ステップS160でX線発生部36からX線6が照射され、X線撮影が実行される。このように本実施例ではステップS154において、使用されるX線検出装置102がアクティブモードであることを確認して、X線6が照射され、X線撮影が実行される。このことにより無効被曝の発生を防ぐことができる。無線LAN18による本体制御部230からのアクティブ信号の送信によりX線検出装置102は非常に高い確率で非アクティブモードからアクティブモードに遷移すると思われるが、無線LAN18は色々な影響を受け易く、完ぺきとは言えない。従ってアクティブモードへの遷移を確認してから、X線発生部36を動作させてX線6を発生することが望ましい。
ステップS160でX線撮影が実行されると、X線検出装置102の動作モードがアクティブモードから非アクティブモードへ遷移する。この場合にX線検出装置102自身がアクティブモードから非アクティブモードへ遷移するように、構成されていても良いし、ステップS162でX線検出装置102に対して本体制御部230から非アクティブモード信号を送信して、X線検出装置102の動作モードを非アクティブモードへ遷移しても良い。ステップS164でX線検出装置102が非アクティブモードへ遷移したことを確認し、ステップS166において、X線検出装置102が検出したX線検出情報を、本体制御部230が取り込み、画像処理部236により、X線画像を生成して表示部206により表示する。ユーザはこの表示を見て、撮影された内容を確認し、必要に応じて記憶装置208に記憶し、保存する。このように収納ボックス150からの取り出しの状態を本体制御部230が検知し、収納ボックス150からの取り出しの状態から使用するX線検出装置を本体制御部230が特定し、特定したX線検出装置に対してアクティブ信号を本体制御部230が送信するので、高い精度で使用するX線検出装置を特定できる。また人的ミスで間違って使用しないX線検出装置をアクティブモードにする、操作ミスを防ぐことができる。これらのミスを防ぐことで、人的ミスに起因する無効被曝を防止できる。
ステップS162で当初計画したX線撮影作業が全て終了したかを判断する。もしさらにX線撮影を継続する場合には、ステップS162からステップS130へ、本体制御部230の実行が移る。X線検出装置102〜106は、内蔵した2次電池に蓄積された電力が不足しない範囲で繰り返し使用することが可能である。同じX線検出装置102が続けてX線撮影に使用される場合は、ステップS130で新たなX線検出装置が収納ボックス150から取れ出されるのでは無く、既に収納ボックス150から取り出されているX線検出装置102が使用される。従って本体制御部230は、X線検出装置102が収納ボックス150から取り出された状態であることを、例えば上述した方法で検知し、ステップS132でX線検出装置102の充電状態を検知し、X線撮影に使用するのに十分な電力が蓄えられているかどうかを判断する。X線検出装置の充電状態は、各X線検出装置が内蔵する診断部134により診断し、各X線検出装置の制御部116から無線LAN18を介してあるいは収納ボックス150を介して本体制御部230に報告される。各X線検出装置が内蔵する電源部166には二次電池が設けられており、該二次電池の充電状態は二次電池の端子電圧を計測することにより検出することができる。通常無負荷状態の二次電池の端子電圧は二次電池の充電状態に依存した値となる。蓄電量が低下するに従って二次電池の端子電圧が低下してくる。従って二次電池の端子電圧を検出して予め計測されている端子電圧と充電割合との特性から充電割合を求めることができる。各X線検出装置が内蔵する診断部134で充電割合を求め、充電割合を充電状態として各X線検出装置の制御部116から本体制御部230へ報告される。
同じX線検出装置102が連続してX線撮影に使用される場合に、X線検出装置102が蓄積する電力が続けて使用されることとなる。先の撮影での電力消費で、もしX線検出装置102が蓄電している電力が不足する状態になると、ステップS132で電力不足を確認することができる。ステップS132で蓄電電力の不足状態と判断されると、ステップS134が実行されて警告表示が行われ、本体制御部230の実行がステップS130へ戻り、X線検出装置102を交換することになる。ステップS132において、X線検出装置102の蓄電電力が十分であると判断されると、本体制御部230の実行がステップS132からステップS136に移り、以下上述した動作を行う。このように本実施例では、同一のX線検出装置を繰り返しても電力不足による撮影障害が生じるのを防止できる。すなわち、同一のX線検出装置102をX線撮影に繰り返し使用する内にX線検出装置102が有する二次電池の蓄電電力が低下しても、ステップS132で本体制御部230が電力不足を検知し、ステップS134で警告を発するので、ユーザはX線検出装置102を、収納ボックス150に収納されている他のX線検出装置に変更するなどの対応処置を取ることができる。また、図8に記載の管理表300の欄316に各X線検出装置の充電状態が表示されるので、管理表300を表示部206に表示することにより、充電状態の良好なX線検出装置を選択的に使用することができる。なお、管理表300の欄316に表示される充電状態として、各X線検出装置が内蔵する診断部134により二次電池の端子状態から検出される充電率を使用することができる。
図2に記載した本体制御部230は図6や図7に記載の各処理手順を実行する機能を有し、X線検出装置制御部240が有する状態検知部242は、図6や図7に記載のステップS104やステップS106やステップS110やステップS112やステップS116やステップS122やステップS132やステップS136を実行する機能を有する。状態検知部242の機能により図8に記載の管理表300が作成され、記憶装置208に記憶される。またX線検出装置制御部240が有する判定部244は、図7に記載のステップS140を実行する機能を有する。さらにX線検出装置制御部240が有するモード制御部246は、図7に記載のステップS152やステップS154やステップS162やステップS164を実行する機能を有する。X線検出装置制御部240が有する状態検知部242や判定部244やモード制御部246はそれぞれ、本体制御部230のCPUがプログラムを実行することにより、作られる。
図7に記載したステップS140に関する処理の一例を含む、収納ボックス150からのX線検出装置102の取り出しに伴う処理の流れを示すフローチャートを、図9に示す。図9に示すフローチャートは、収納ボックス150や本体200やX線検出装置102の各処理におけるお互いの関係を示しており、一連の流れでフローチャートを記載している。しかし実際には収納ボックス150における処理やX線検出装置102における処理、本体200における本体制御部230の処理は、それぞれ独自の実行条件で実行され、それぞれの処理の中で互いに必要な情報をやり取りしている。X線検出装置102や収納ボックス150や本体制御部230の間での情報のやり取り、さらにこれら全体としての処理内容を説明するために、図9に示すフローチャートは、一連の流れとして記載する。なお、図6や図7のフローチャートの処理に対応する処理は、同じ符号を付している。
図7のステップS130で説明した如く、ユーザがX線撮影を行うためにX線検出装置102を収納ボックス150から搬出し、被検体2の部位を撮影するのに適した位置に移動する。あるいは図7のステップS162で説明した如く、さらに次のX線撮影のために既に搬出しているX線検出装置102を使用するため、X線検出装置102を収納ボックス150から搬出した状態のままにし、収納ボックス150に戻さない。このような状態で、図9に示すステップS302では、収納ボックス150の取り出し検出器154により、X線検出装置102が搬出された状態にあることが検出される。もちろん上述した如く取り出し検出器154を使用してX線検出装置102の搬出状態を検出する方法に限るものではなく、これ以外の例えばX線検出装置102と通信を行うための伝送ラインの接続状態からX線検出装置102が搬出状態にあることを検出しても良い。ステップS304で、収納ボックス150から本体200の本体制御部230へ、X線検出装置102が搬出状態にあることを表す情報が伝達される。なおステップS302やステップS304の処理は、収納ボックス150が有する制御部152によって行われる。
ステップS312において、本体200の本体制御部230は、X線検出装置102が搬出状態であることを表すX線検出装置102の配置情報を収納ボックス150の制御部152から送受信部180と送受信部202を介して受け取る。ステップS314で、受け取った情報に基づき、図8に記載の管理表300の内容を更新する。ステップS312やステップS314の処理は、図2に記載の状態検知部242の処理に対応しており、さらに図7に記載のステップS136の処理に対応している。ステップS314で管理表300を更新することにより、収納ボックス150から搬出された状態にあるX線検出装置を常に正確に把握することができる。このことにより以下で述べるアクティブ信号の送信先を自動的に設定することが可能となる。また収納ボックス150に収納されているX線検出装置104やX線検出装置106と、収納ボックス150から搬出された状態にあるX線検出装置102とは、データ等の伝送ラインが異なる。管理表300に記憶されている各X線検出装置102〜106の配置状態を参照することにより、ユーザを煩わせることなく、本体制御部230は適正な伝送ラインを自動的に選択して送受信することが可能となる。このことは動作の信頼性の向上にも寄与する。
ステップS316とステップS318は、次のX線撮影に使用するX線検出装置を特定する処理の一例であり、図2に記載の判定部244の処理や図7に記載のステップS140の処理に対応する。ステップS316において、収納ボックス150から搬出された状態にあるX線検出装置の数を計数する。この計数処理を行うために管理表300のデータを使用しても良いし、管理表300のデータを使用しないで、先のステップS312で受け取った情報から計数処理を行っても良い。管理表300のデータを使用する場合には、管理表300の欄322の内容に基づいて、取り出し状態にあるX線検出装置の数を計数すれば良い。また管理表300の欄322の内容を使用しないで先のステップS312で受け取った情報から計数処理を行う方法では、初期状態をゼロとし、X線検出装置が1枚搬出される毎に計数を1つ増加し、X線検出装置が収納ボックス150に戻される毎に計数を1つ減らすようにすれば良い。ステップS318で計数結果が1であるか2以上であるかを判断する。ステップS318で計数結果が1である場合は、収納ボックス150から搬出されているX線検出装置が特定されるので、搬出されているX線検出装置をX線撮影に使用するX線検出装置として特定する(ステップS322)。特定したX線検出装置102に関して、図8に記載の管理表300の欄324に、使用されるX線検出装置として特定したことを示す記憶を行う。
図8に記載の管理表300の例では、欄322に記載のとおり、収納ボックス150から搬出されたX線検出装置は、X線検出装置102のみであり、このデータの内容に基づきX線検出装置制御部240の判定部244によってステップS140において、搬出されたX線検出装置102が撮影に使用されるX線検出装置として特定される。本体制御部230はステップS152で、無線LAN18を介して、特定されたX線検出装置102に対してアクティブ信号を送信する。ステップS152の処理は、X線検出装置制御部240のモード制御部246によって行われる。
本体200の本体制御部230が行う図9に記載のフローチャートの実行は、短い周期で繰り返し行われる。従って、ユーザが複数のX線検出装置を搬出する場合に、1枚のX線検出装置を搬出してさらに次のX線検出装置を搬出するに要する時間に比べて非常に短い時間周期で、図9に記載のフローチャートが繰り返し実行される。このため、ユーザが先ず1枚目のX線検出装置を搬出した時点で、1枚目のX線検出装置がステップS322において、使用するX線検出装置として特定され、ステップS152により特定された1枚目のX線検出装置に対してアクティブ信号が送られる。以下で説明の如く、アクティブ信号が送られたことにより、1枚目のX線検出装置の動作モードがアクティブモードに遷移する。その後2枚目のX線検出装置が搬出される。この時点では1枚目のX線検出装置が既に使用されるX線検出装置として特定され(ステップS322)、さらにアクティブ信号が送られて(ステップS152)、1枚目のX線検出装置がアクティブモードになっている。ステップS318において、搬出されたX線検出装置が複数、すなわち2枚以上である場合に、最初に搬出されたX線検出装置102は既にアクティブモードに遷移していることから、この実施例では、その後に搬出されたX線検出装置に対して、特に処理を行うことなく、ステップS318から終了状態に本体制御部230の実行が遷移し、図9に記載の処理が終了する。
ステップS152において使用が特定されたX線検出装置102に対してアクティブ信号が本体制御部230から無線LAN18を介して送信されると、X線検出装置102はステップS372においてアクティブ信号を受信し、X線検出装置102はアクティブモードに遷移する。X線検出装置102がアクティブモードに遷移する動作は、先ずX線検出装置102の制御部116によって受信した情報を解析して動作モードの変更指令であると判断する。次にモード制御部122によって、X線検出装置102の動作モードを非アクティブモードからアクティブモードに変更される(ステップS374)。ステップS374において、X線検出装置102の動作モードがアクティブモードの状態になると、X線検出装置102は、X線発生部36から照射されたX線6を2次元の領域でX線検出部112によって検出し、X線6の強度に応じた2次元の領域に関する情報で構成されたX線検出情報を発生し、該X線検出情報を記憶回路114に保持する。この後本体制御部230からX線検出情報の送信要求をX線検出装置102が受け取ると該送信要求に応じ、記憶回路114に保持していたX線検出情報を、無線LAN18を介して本体制御部230に送信する。上述したように本体制御部230は、X線検出情報を受信すると画像処理部236によってX線画像を生成し、表示部206によって生成されたX線画像を表示する。
収納ボックス150に収納されているX線検出装置102をユーザがX線撮影のために搬出すると、本体制御部230はX線検出装置102〜106の配置状態に関する情報からX線撮影に使用するX線検出装置102を特定する。このことにより、ユーザが誤判断や誤操作により使用しないX線検出装置を使用すると誤って指示するのを防ぐことができる。本実施例において、本体制御部230が特定したX線検出装置102をユーザに対して確認の表示を行っても良い。この場合であっても、本体制御部230が正しい判断に基づいて特定したX線検出装置102を使用対象として表示するので、ユーザの誤判断や誤操作による誤指示が生じ難い。正しく特定されたX線検出装置102にアクティブ信号を送信することができるので、誤指示に基づく無効被曝を防止できる。ユーザの誤判断や誤操作による指示が行われるとユーザの思い込みが生じ易く、一度思い込むとなかなか誤りに気付かない。本実施例では、ユーザに確認する表示を行う場合に、正しい特定に基づいて表示を行うので、ユーザの誤った思い込みが生じ難い効果がある。
図10は、図9に記載の実施例の他の実施例の処理を示すフローチャートであり、図9の実施例に対して、一点鎖線で囲ったステップS360の処理や、一点鎖線で囲ったX線検出装置102から106の操作に関する部分が異なっている。なお、収納ボックス150から取り出されたX線検出装置の枚数が1つである場合は、図9に記載の処理と同じである。複数のX線検出装置が収納ボックス150から取り出された場合に、図10の実施例では、どのX線検出装置を使用するかをユーザに問い合わせて判断する。ただし、図10の実施例では収納ボックス150から取り出されている、すなわち本体制御部230がX線検出装置の配置状態を表す情報に基づいて収納ボックス150の外に置かれているX線検出装置に絞り込み、絞込みを行ったX線検出装置に対してユーザの判断を求める。単にユーザの指示を求めたのでは、ユーザが勘違いを起こし易く、あるいは誤操作を起こし易い。本実施例では、ユーザに対して絞込みを行った上で、その情報を提供し、絞り込まれたX線検出装置の中から、使用するX線検出装置をユーザが選択するので、ユーザの勘違いが生じ難くまた誤操作の発生割合も低減される。
例えば1つの部位のX線撮影を行った後、撮影対象部位を変えてさらに新たなX線撮影を行う場合に撮影対象部位に合うX線検出装置に取り換える場合がある。また他の場合として、被検体2に対して一度に複数枚のX線検出装置を配置し、X線発生部36を移動しながらX線撮影を繰り返し行い、X線撮影の繰り返しの途中で使用するX線検出装置を切り替える場合がある。このような場合に、最初に搬出したX線検出装置が常に使用されるX線検出装置であるとは限らない。ステップS318で複数のX線検出装置が収納ボックス150から搬出されたことが検知された場合に、本体制御部230の実行がステップS318からステップS332に移り、本体制御部230は当初収納ボックス150に収納されたX線検出装置102〜106から、現在収納ボックス150から搬出された状態にあるX線検出装置の情報に基づいて問い合わせ対象の絞込みを行い、絞り込まれたX線検出装置に関してユーザにどれを使用するのかの問い合わせが、ステップS334において行われる。
上述のとおり本実施例では、ステップS334において、絞り込まれたX線検出装置、すなわち収納ボックス150から搬出された状態にあるX線検出装置を表示部206に表示し、搬出された状態にあるX線検出装置の内から使用するX線検出装置を特定する入力をユーザに求める。ステップS334における依頼に対して、ステップS336でユーザからの入力が行われたかどうかの有無を調べ(ステップS336)、ユーザからの入力があると判断すると(ステップS336)、ステップS338でユーザの指示に従って、使用するX線検出装置を特定する。また特定した内容に従って図8に記載の管理表300を更新する。
ステップS342で、使用するX線検出装置に対してアクティブ信号を送信し、ステップS344で、使用しないX線検出装置に対して非アクティブ信号を送信する。X線撮影が終わると使用されたX線検出装置は非アクティブモードとなるので、非アクティブ信号を送信しなくても既に非アクティブモードと成っている場合があるか、念のため使用しないX線検出装置に対して非アクティブ信号を送信する。複数枚のX線検出装置が収納ボックス150から取り出された状態で、最初に取り出した1枚目のX線検出装置にアクティブ信号を送信し1枚目のX線検出装置102が既にアクティブモードに遷移している可能性がある。ステップS342で1枚目以外のX線検出装置に対してアクティブ信号を送信すると、2つのX線検出装置がアクティブモードの状態となる可能性がある。ステップS344で使用しないX線検出装置に対して非アクティブ信号を送信することにより、1枚目のX線検出装置を確実に非アクティブモードに変えることができる。このことにより搬出された1枚目のX線検出装置が使用されないのにアクティブモードに維持されたままとなるのを防ぐことができる。本実施例では、ステップS334で、収納ボックス150から搬出された状態にあるX線検出装置に絞込みを行って問い合わせの表示を行い、収納ボックス150の外にあるX線検出装置の中からユーザが使用するX線検出装置を特定する。収納ボックス150に収納されているX線検出装置を含めた全てのX線検出装置の中から使用するX線検出装置を選択するのに比べ、本実施例では、収納ボックス150から搬出された状態にあるものから選択するので、ユーザの負担を軽減できる。また絞り込まれた対象からユーザが使用するX線検出装置を選択するので、誤りの発生を低減できる。さらに図7のステップS132の処理を合わせて行えば、充電状態が不十分なX線検出装置を、使用するX線検出装置としてユーザが特定することを防止でき、さらに信頼性を向上することができる。このことはさらに無効被曝の低減にも繋がる。図10に記載のステップS382で、使用するとして特定されたX線検出装置は、アクティブ信号を受信し、他の使用されないX線検出装置は非アクティブ信号を受信し、各X線検出装置は受信したアクティブ信号あるいは非アクティブ信号に基づいた、動作モードをアクティブモードあるいは非アクティブモードに維持される。具体的には上記アクティブ信号あるいは非アクティブ信号の受信前の動作モードの状態が受信した信号と異なる場合に、各X線検出装置102〜106が内蔵する制御部116のモード制御部122が、受信したアクティブ信号あるいは非アクティブ信号に従って動作モードを変更する処理を行い、受信した信号と動作モードが一致しているX線検出装置では、動作モードをそのままの状態に維持する。
ユーザが、X線撮影装置10においてX線撮影作業を終了し、使用したX線検出装置102を収納ボックス150に収納する場合の処理の一例を図11に記載のフローチャートを用いて説明する。この処理は、例えば図7に記載のステップS162において全てのX線撮影作業が終了したと判断し、X線検出装置102を収納ボックス150に収納する場合、あるいは全てのX線撮影作業の終了ではないと判断してステップS162からステップS130に戻った状態で、次のX線撮影を行うために今まで使用していたX線検出装置102を収納ボックス150に収納する場合、に関係する処理である。なお図11に記載のフローチャートの処理には、上記ケース以外に収納ボックス150からユーザがX線検出装置102を一旦外に取り出し、その後X線撮影を行わないで取り出したX線検出装置102を収納ボックス150に戻す場合の処理も含まれる。一例として図1に記載の如く、収納ボックス150は本体200に取り付けられ、また図2に記載のごとく、収納ボックス150と本体200とは送受信部202と送受信部180とを介する伝送路により互いに接続されており、送受信部202と送受信部180とを介する伝送路を介して指令を含む情報の伝送を行う。さらに収納ボックス150に収納されているX線検出装置102〜106を充電するための充電用電力は、電力供給ライン16を介して本体200から収納ボックス150の充電器172に供給される。
収納ボックス150から取り出されていたX線検出装置102が収納ボックス150に戻されると、X線検出装置102の接続端子が収納ボックス150の接続部174に接続される。図3に記載の如く、X線検出装置102が収納ボックス150に収納されると、X線検出装置102の接続端子は自動的に接続部174に接続される。収納されたX線検出装置102は、その記憶回路114にX線撮影されたX線検出情報が記憶されている。X線検出装置102が複数回撮影に使用された場合には、複数回のX線撮影で得られたX線検出情報がそれぞれ記憶回路114に保持されている。消去命令が外部の装置である本体200からX線検出装置102に送られるまでは、X線検出装置102の記憶回路114はX線検出で得たX線検出情報の記憶を維持する。
X線検出装置102が収納ボックス150に収納されると、収納ボックス150は、X線検出装置102が収納されたことを取り出し検出器154によって検出し(ステップS402)、さらに収納されたX線検出装置であるX線検出装置102の識別情報などの情報を取得(ステップS404)し、収納ボックス150から、収納ボックス150にX線検出装置102が収納されたことが、本体200に報告される(ステップS406)。収納ボックス150からのX線検出装置の搬出や収納ボックス150へのX線検出装置の収納は、取り出し検出器154により検出されるがこれは一例である。取り出し検出器154による検出の代わりに、本体200と各X線検出装置102〜106との間で行われる使用回線に基づいて収納ボックス150への収納の状態を検出しても良い。例えば、無線LAN18経由して伝送ラインが構築されるか、収納ボックス150を経由した伝送路が構築されるかによって判断しても良い。
ステップS422で本体200が、X線検出装置102が収納ボックス150に収納されたことの報告を受信すると、ステップS424において収納されたX線検出装置102に対して非アクティブ信号を送信する。ステップS424における非アクティブ信号の送信の前に、X線検出装置102に対して動作モードの確認の送信を本体200から収納ボックス150を経由して行い、X線検出装置102の動作モードがアクティブモードである場合に、非アクティブ信号をX線検出装置102に送信するようにしても良い。ステップS424により収納ボックス150に収納されたX線検出装置を非アクティブモードの状態に維持することができる。より具体的に説明すると、本体200から送信された非アクティブ信号は、収納ボックス150を介してX線検出装置102に送られ、X線検出装置102の動作モードがアクティブモードであった場合には、X線検出装置102の制御部116が有するモード制御部122によって、アクティブモードから非アクティブモードに変えられる。収納ボックス150から搬出されてX線撮影に使用されたX線検出装置は、X線撮影が行われた後に非アクティブモードに変えられる。この場合はステップS424の処理を行わなくても収納されたX線検出装置102は非アクティブモードに維持される。しかし、収納ボックス150から搬出されてX線検出装置102がアクティブモードに変えられた後、X線撮影が行われない状態で収納ボックス150に戻される可能性がある。この場合は、アクティブモードの状態でX線検出装置が収納ボックス150に戻されることになる。この場合にステップS424により、収納ボックス150に戻されたX線検出装置102を確実に非アクティブモードに変えることができる。このようにステップS424を実行することで、より信頼性を向上することができる。
収納ボックス150に収納されたX線検出装置102が、撮影したX線検出情報を記憶している場合には、ステップS426でX線検出情報を取得するためのX線検出情報の送信依頼を、本体200から収納ボックス150を介してX線検出装置102へ送信する。X線検出装置102は記憶回路114に記憶していたX線検出情報を収納ボックス150に送信し、ステップS432において収納ボックス150から本体200にX線検出情報が送信される。本体200はステップS442で、収納ボックス150を経由して送られてきたX線検出装置102の記憶回路114に記憶されていたX線検出情報を受信し、本体200の記憶装置208に保存する。もしX線検出装置102が繰り返しX線撮影に使用され、複数のX線検出情報を記憶回路114に記憶している場合には、X線撮影毎に記憶回路114に記憶されていたX線検出情報が、収納ボックス150を介して本体200に送信され(ステップS432)、本体200はX線撮影単位で送られてきたX線検出情報を受信し、X線撮影単位で記憶装置208に記憶する。そして図11では記載を省略しているが、X線検出装置102の撮影に基づくX線検出情報を全て受信すると、必要に応じて、本体200は収納ボックス150を経由してX線検出装置102に対してX線検出装置102の記憶回路114に保持されているX線検出情報の消去命令を送り、記憶回路114に保持されたX線検出情報を消去する。
使用の役目が終わり収納ボックス150に戻されたX線検出装置は、次のX線撮影の準備のためには、使用したX線検出装置であるX線検出装置102の電源装置132が有する二次電池の充電状態をできるだけ100%充電状態(以下フル充電状態と記す)に近い状態にして保持することが望ましい。各X線検出装置の充電状態は各X線検出装置自身が検出することが考えられる。本体200はステップS444において、収納ボックス150を経由して収納されたX線検出装置102に充電状態の報告を依頼する。ステップS452で本体200からの依頼に基づき、収納ボックス150は収納されたX線検出装置102に対して充電状態の報告を依頼し、この依頼に対するX線検出装置102から充電状態の報告を収納ボックス150が受けると(ステップS452)、X線検出装置102の充電状態を収納ボックス150の充電器172に記憶すると共に、収納ボックス150は本体200に充電状態を報告する(ステップS454)。収納ボックス150の充電器172は、収納ボックス150に収納されているX線検出装置102〜106に対して、必要に応じて充電動作を行うので、充電器172自身が収納されている各X線検出装置102〜106に関する充電状態を記憶し、充電状態の管理を行うことが望ましい。
ステップS462で、本体200は充電状態の報告を受け、ステップS464で充電の要否を判断する。各X線検出装置102〜106は、X線撮影への使用に直ぐに対応できるとの観点からフル充電状態が望ましいが、無水系電解液を使用した二次電池、例えばリチウム二次電池は、単位体積当たりの充電量が多い利点を有するが、過充電になることを避けなければならない。このような観点に基づいてステップS464で充電の要否を判断する。フル充電状態に近い場合には、充電作業が不要であるとして処理を終了する。ステップS464で、充電が必要と判断されると、ステップS466で本体200は充電の指令を収納ボックス150およびX線検出装置102に対して送信する。この指令を受け、収納ボックス150の充電器172はX線検出装置102に対して充電作業を行う(ステップS472)。なお充電に必要な電力の供給は本体200から電力供給ライン16を介して行わる。X線検出装置102の充電時間が長くかかる場合には、X線撮影作業が完全に終了しても、X線検出装置102の充電動作が終了しない場合がある。この場合には、充電動作が撮影作業の処理後も、X線検出装置102と収納ボックス150との間で情報の授受が行われ、充電動作が続けられる。X線検出装置102の充電状態がフル充電に近い状態になると、収納ボックス150の充電器172は充電作業を停止し(ステップS474)、本体200に充電の終了報告がなされる(ステップS476)。本体200は充電要電力の供給を停止する(ステップS468)。本実施例で、ステップS464の判断である充電の必要性の判断を本体200が行うが、収納ボックス150の充電器172で行っても良いし、信頼性の向上のために両方で行っても良い。同様に充電終了の判断(ステップS474)を収納ボックス150の充電器172の代わりに本体200で行っても良いし、両方で行っても良い。無水系電解液を使用した二次電池では、過充電や規定値を超えた充電電流の供給を絶対に避けなければならないので、収納ボックス150の充電器172と本体200の両方でこれらの監視を行うことが望ましい。仮に充電器172が異常状態になったとしても、本体200が充電用電流の供給を停止するなどの対応処理が可能となり、安全性が向上する。
図12は、ユーザが収納ボックス150から取り出したX線検出装置に対してあるいはこれから取り出すX線検出装置に対して、ユーザが非アクティブ指示を行った場合の処理の流れを示すフローチャートである。収納ボックス150には図2に記載の如く表示部164や操作部162が設けられており、操作部162がタッチパネルの構成を有している場合には、表示部164に表示されたX線検出装置102〜106に対応してタッチパネルから、アクティブや非アクティブの指示を行うことが可能となる。もちろんタッチパネル形式でなくてもX線検出装置102〜106に対応してアクティブや非アクティブの指示を行うことができる。表示部164や操作部162は例えば図1に記載の如く、収納ボックス150の後方側に設けられていて、この操作部162を操作することで、X線検出装置102〜106に対応してアクティブや非アクティブの指示を行うことができる。図12では、収納ボックス150に対して操作を行うとして説明するが、図1に記載の本体200の操作部204を操作して、X線検出装置102〜106に対応したアクティブや非アクティブの指示を入力しても良い。
ステップS502で、取り出したX線検出装置や取り出そうとするX線検出装置に対する非アクティブモードの指示を、ユーザが収納ボックス150の操作部204に入力すると、収納ボックス150は上記非アクティブモードの指示(以下非アクティブ指示と記す)を検知し、さらに指示対象となるX線検出装置を特定する情報を取得する(ステップS506)。非アクティブ指示の対象となるX線検出装置の特定は、ユーザの操作に基づいて行っても良いし、例えば非アクティブ指示を入力する操作タイミングに対して最も近い時間に搬出されたX線検出装置を対象とするようにしても良い。この対象X線検出装置を特定する処理を収納ボックス150の処理で行っても良いし、本体200の処理で行っても良い。この場合は例えば、非アクティブ指示の操作の直前あるいは直後に搬出されたX線検出装置が対象X線検出装置として特定される。収納ボックス150からユーザによる非アクティブ指示の情報と、対象となるX線検出装置に関する情報とが本体200に送られる(ステップS506)。なお、対象となるX線検出装置の特定を本体200が行う場合には、非アクティブ指示が本体200に送られ、本体200は非アクティブ指示の操作に対して最も近いタイミングで搬出されたX線検出装置を対象X線検出装置として特定する。
収納ボックス150からの非アクティブ指示の情報を受け取ると(ステップS512)、図8に記載の管理表300の欄325に記憶し(ステップS514)、対象のX線検出装置に対して非アクティブ信号を送信する(ステップS516)。今非アクティブ指示の対象のX線検出装置がX線検出装置102であるとすると、非アクティブ信号をX線検出装置102に送信する(ステップS516)。X線検出装置102は、非アクティブ信号を受信する(ステップS552)と、制御部116のモード制御部122によって動作モードを非アクティブモードに変更する(ステップS554)。もしX線検出装置102が既に非アクティブモードである場合には、制御部116のモード制御部122は非アクティブモードを維持する。
ステップS514において、図8に示す管理表300の欄325におけるX線検出装置102の項目に非アクティブ指示が記憶されるので、欄325の記憶内容を参照して、X線撮影に使用する対象からX線検出装置102が外され(ステップS522)、収納ボックス150から外に搬出されているにもかかわらず、搬出されたX線検出装置の計数の対象から外される(ステップS524)。上記説明では、非アクティブ指示の対象をX線検出装置102と仮定したが、図8に記載の管理表300の欄325は、ステップS514が反映されていないし、ステップS522の処理も反映されていない。ステップS514が実行されると管理表300の欄325のX線検出装置102に対応する項目の記憶内容は、「非アクティブの指示有」に変わり、ステップS522の実行により、欄324に記載の使用対象からX線検出装置102が外される。なお、その後ユーザの指示により、非アクティブの指示が取り消されると、管理表300の欄325の「非アクティブの指示有」の記憶が消去され、非アクティブの指示がなされていなかった状態に戻る。
ステップS524で、収納ボックス150から搬出された状態にあるX線検出装置の数を計数する際に、非アクティブ指示の対象となっているX線検出装置102を外して計数する。ステップS532で収納ボックス150から搬出されたX線検出装置の内ステップS524に基づいて計数した数が「1」である場合は、この計数「1」の対象となっているX線検出装置を使用するX線検出装置として特定する(ステップS534)。使用するX線検出装置に特定されると、図9に記載のステップS322や図7に記載のステップS152で説明した如く、特定されたX線検出装置に対してアクティブ信号を本体200が送信し、特定されたX線検出装置をアクティブ状態とする。非アクティブの指示の対象を外して収納ボックス150から搬出されたX線検出装置を計数した結果が、「1」以外である場合は、ステップS542において、計数した結果が複数かどうかを判断する。計数した結果が複数の場合には、図10を用いて説明したステップS360の処理が行われる。このステップS360の処理は、図10で既に説明済であり、ここでの説明を省略する。ステップS542において、計数結果が複数ではないと判断した場合は、搬出されたX線検出装置が、非アクティブの指示がなされたX線検出装置のみで、他に搬出されたX線検出装置が無い状態である。この場合は、ステップS546で全てのX線検出装置であるX線検出装置102〜106が全て非アクティブとなる指示を発する。具体的には、全てのX線検出装置102〜106が非アクティブモードになっているかを判断して、アクティブモードの状態のX線検出装置が存在すると、そのX線検出装置に対して非アクティブ信号を送信する。非アクティブ信号が送られたX線検出装置は、ステップS552やステップS554で説明した如く、非アクティブ信号を受信し(S552)、受信したX線検出装置のモード制御部122は動作モードを非アクティブモードに変える。このことにより非アクティブ信号が送られたX線検出装置は非アクティブモードに維持される。
このようにすることで、ユーザが取り出したX線検出装置の動作モードに対して、ユーザが積極的に非アクティブモードに維持したいと考えた場合に、非アクティブ指示を操作部162や操作部204から行うことにより、非アクティブモードに維持することができる。ユーザがX線撮影を行う場合に、非アクティブ指示を行ったX線検出装置は使用されないこととなるので、本体200は非アクティブ指示の対象となったX線検出装置を除外し、他のX線検出装置の中からX線撮影に使用するX線検出装置を特定する処理を行う。なお、非アクティブ指示の対象となったX線検出装置をX線撮影に使用するX線検出装置としたい場合には、ユーザは、非アクティブ指示を取り消す操作を行えばよい。この操作は収納ボックス150の操作部162や本体200の操作部204から行うことができる。