JP2009261762A - X線撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 X線検出器がX線管装置と所定の位置関係を有して対向支持されていない装置において、被検者の背後にセットしたX線検出器の位置と被検者の前面とを検出し、それらの計測値を下に被検体厚を求め、X線撮影条件の設定又は補正を可能にする。
【解決手段】 X線撮影装置のX線管装置5の近傍へ、磁気センサのレシーバ11と超音波距離計21を配置するとともに、持ち運びができ任意の位置へセットできるX線検出器8には、X線受像領域を間に挟んだ所定の位置へ磁気センサのトランスミッタ12,13を取り付ける。そして、X線検出器8を被検者の背後へセットした後、CPU30により、磁気センサを動作させ被検者に接するX線検出器の前面位置を検出し、次いで、超音波距離計21により被検者の前面位置を検出し、それらの検出値から被検体厚を算出する。そして、算出された被検体厚は初期設定された標準体のX線撮影条件を補正するために用いられる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、X線装置に係り、特に被検体を透過したX線イメージ情報を収集するX線検出器がX線撮影装置本体へ固定されていないX線撮影装置に好適な技術に関するものである。
医療用X線装置により被検体をX線撮影するに際して、X線管電圧、X線管電流、撮影時間からなるX線撮影条件を設定することが必要である。X線装置には、このX線撮影条件を、X線装置がX線透視条件から自動的に設定するものと、X線装置を操作する医師や放射線技師が手動で設定するものとがある。
また、X線装置には、X線源とX線検出器とが特定の位置関係を持たせてそれらを対向させて装置本体へ一体的に取り付けられた装置と、装置本体にはX線源のみが保持され、X線検出器は入院患者用ベッドに置いてX線撮影を行うようにした装置、さらにはX線源を支持する支持器とX線検出器とを支持する支持器が個別に設けられ、X線源とX線検出器受像面間の距離(Source Image Distance:以下、「S.I.D」と記す。)が任意に設定可能な装置等がある。
前記X線撮影条件を決定する因子としては、S.I.Dと被検体の撮影部位の体厚(以下、「被検体厚」と記す。)が大きなものである。
このうち前記X線装置の後者のように、X線源とX線検出器が装置によって対向保持されていない装置では、X線装置におけるX線源の位置を固定しておいても、撮影場所、例えば被検者のベッドの高さの相違によって前記S.I.Dは変わり、また、被検体厚も被検者によって変わる。したがって、医師や放射線技師は、X線撮影条件を設定する必要がある。
この要望に答える技術として、S.I.Dに代わるものとしてのX線管焦点と天板間距離(Source Table Distance:以下S.T.Dと記す。)と、被検体厚とを計測する計測装置を備え、この計測装置の測定値を電気信号に変換し、この電気信号からX線撮影条件を自動設定できるようにしたX線装置が特許文献1に開示されている。
また、X線装置においては、標準の被検体厚や撮影部位に応じた複数のX線撮影条件がメーカから使用者に提供されるが、それらで全ての撮影に対応することはできない。したがって、医師や放射線技師は、被検者に応じて標準のX線撮影条件に補正を加える必要がある。このX線撮影条件の補正作業を自動化する技術が特許文献2に開示されている。
特開平6-277204号公報 特開昭63-232298号公報
特許文献1には、S.I.D及び被検体厚を計測する距離計測器の詳細な構成が開示されていないが、通常は距離計測器としては特許文献2に記載された超音波距離計が用いられる。
しかしながら、超音波を用いて距離を計測する場合、超音波が物体の表面、すなわち音響インピーダンスが急激に変化する面で反射することを利用するので、被検体厚は、先ず、X線焦点と被検体の背面位置、例えば寝台の天板面または病室内の患者用ベッド面までの距離を計測し、次いで、X線焦点と被検体前面位置との距離(Focus Skin Distance:以下、「F.S.D」と記す。)を計測し、それらの計測値の差分から間接的に計測しなければならない。しかし、寝台の天板や患者用ベッドは被検者の体重によって撓むので、その高さは被検者の有無によって異なるので、前記方法では被検体厚を正確に測定することは困難である。
また、患者用ベッドに寝ている被検者をX線撮影する場合には、被検者の撮影部位へX線源を位置合せし、かつX線源と被検者の背面にセットされたX線検出器の位置合せをすることになるが、X線検出器の中心位置は被検者によって覆われてしまうために、X線源とX線検出器の位置合せが困難となる。つまり、X線照射野の中心とX線検出器の中心とを合わせることが困難であり、またX線照射野とX線検出器のX線検出領域とを合わせることも困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、被検者の背後にX線検出器がセットされX線撮影開始直前にS.I.D計測を行うに好適なX線検出器、並びに被検者の背後にX線検出器がセットされた状態で被検体厚の計測を行ってX線撮影をすることができるX線撮影装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のX線検出器は、所定の平面的大きさを有したX線受像部と、このX線受像部の外縁部に設けられ前記X線受像部を保持する保持部材と、前記X線受像部の中心を挟んで、前記保持部材の部分に、各々が前記X線受像部の中心からそれぞれ所定距離だけ離れた位置へ設けられた少なくとも2個の磁気センサトランスミッタ又は磁気センサレシーバとを備えて構成される。
そして、本発明のX線撮影装置は、X線管を内蔵したX線管装置と、このX線管装置を支持する支持器と、前記X線管のX線焦点から所定距離だけ離れたX線焦点近傍へ配置された少なくとも1個の磁気センサレシーバ又は磁気センサトランスミッタと、X線受像部を有し、このX線受像部を間に挟んだ所定位置へ少なくとも2個の前記磁気センサトランスミッタ又は磁気センサレシーバが配置されたX線検出器と、前記X線管のX線焦点から所定位置だけ離れたX線焦点近傍へ配置された超音波距離計と、前記磁気センサトランスミッタと磁気センサレシーバとから成る磁気センサの出力を用いてS.I.Dを求める第1の演算手段と、前記超音波距離計の出力を用いてF.T.Dを求める第2の演算手段と、前記S.I.DとF.T.Dとから被検体厚を求める第2の演算手段とを備えて構成される。
本発明によれば、X線検出器とX線撮影装置のX線焦点近傍位置とへ磁気センサを設けるとともに、
X線管のX線焦点から所定位置だけ離れたX線焦点近傍位置へ超音波距離計を設けたので、被検体の背後へX線検出器をセットした状態でも、磁気センサの出力と超音波距離計の出力から被検体厚を測定することができる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1、図2は、本発明が適用されたX線撮影装置の第1の実施形態の構成、並びにこのX線撮影装置による被検者のX線撮影状態を示している。
図1、図2に示すX線撮影装置は、いわゆるX線回診車と呼ばれるもので、移動台車1の上にX線高電圧発生装置やX線制御装置並びに制御盤を備えたX線制御部2が搭載され、また移動台車1の上部前方に支柱3が台車1に対して旋回可能に、垂直に配置されている。この支柱3には支柱に沿って上下方向へ移動可能なX線管支持アーム4が設けられ、このX線管支持アーム4の先端へX線管装置5が取り付けられ、そしてX線管装置5の下部にコリメータ6が取り付けられている。コリメータ6の外周部にF.S.Dを計測する距離計測器としての超音波距離計21が取り付けられている。
以上の如く構成されたX線回診車は公知のもので、通常は病院内の所定場所に留め置かれる。そして、ベッド7に寝ている患者9についてX線画像診断が必要となった時に、このX線回診車は病室内へ移動され、ベッド7上の患者9のX線撮影に供される。
なお、X線回診車には、X線検出器8が固定支持されておらず、X線検出器8は撮影者によって台車に搭載され、病室へ搬送される。そして、X線検出器8は、X線撮影時に、ベッドに横たわった被検者9とベッド7の間へ挿入される。そして、X線検出器8は、台車1の移動によって被検者の撮影部位へ位置決めされたX線管装置5から放射されたX線を検出する。
X線撮影装置におけるX線検出器8としては、X線フィルム、イメージングプレート(蓄積性蛍光体を塗布されたシート)、平面センサ(多数のX線検出素子を2次元マトリクス状に配置したX線検出器)等が知られているが、本実施形態では、X線フィルム又はイメージングプレートが装填されたカセッテをX線検出器として用いられる例を説明する。
上述したように、X線撮影条件を決定する要因は、被検体厚が大きなウェイトを占める。そこで、本実施形態では、X線検出器8を被検者9の背後に置いた状態、すなわちX線撮影準備完了状態でもS.I.Dを計測できるように、X線管装置5とX線検出器8とに、一方に磁気センサのトランスミッタを、他方にトランスミッタが発生した磁気を検出する磁気センサのレシーバを設ける。具体的には、図1、図2に示すようにx-y-z軸を仮定した時に、X線管装置5のX線焦点Fを通るy軸上に所定距離だけ離れた位置へレシーバ11を取り付ける。このレシーバ11の計測点座標を実空間x-y-z軸上の基準点O(0,0,0)とする。
そして、図3に示すように、X線検出器8に2個のトランスミッタ12,13を設ける。X線検出器8がカセッテ8Bである場合は、カセッテは規格化されたサイズを有し、その内部にX線フィルム8C等が装填されるので、トランスミッタ12,13はX線フィルムを避けた位置へ配置される必要がある。本実施形態では、カセッテ保持枠8Aによりカセッテ8Bを保持することとし、トランスミッタ12,13は保持枠8Aに固定されている。トランスミッタ12,13は、後に説明する演算処理のために、カセッテ8BのX線受像領域の中心点を挟んで中心点から等距離に対角線上へ配置するのが好ましい。
このように、トランスミッタ12,13を保持枠8Aへ取り付けることにより、操作者がカセッテ8Bへのフィルム等の装填、及びその取り出しの操作時に電気配線に注意を払う必要がなくなる。
ここで、磁気センサ(トランスミッタ12,13とレシーバ11の組合せを「磁気センサ」と記す。)による計測動作が実行されると、トランスミッタ12,13の前記実空間上の座標は図3に示すように、それぞれA(x1,y1,z1)、B(x2,y2,z2)と計測され、それらの計測値は、S.I.Dの算出及びB.Tの算出に用いられる。
次に、本実施形態のX線撮影装置の主たる動作を行うユニットの電気的接続を、図4を用いて説明する。図4において、31はX線高電圧装置で、X線管装置5に内蔵されたX線管へ高電圧の管電圧、管電流を供給するもの、32は台車1に搭載されたX線制御部2の上部に配置され、X線撮影条件、すなわち管電圧、管電流、撮影時間を設定する操作器やX線撮影スイッチ等が設けられた操作ユニットである。33は操作ユニットに設けられたX線撮影条件表示器で、管電圧(kV)、管電流(mA)、撮影時間(sec)、管電流撮影時間積(mAs)等を表示するものである。これらのユニットはCPU30へ接続されている。
CPU30は操作ユニット32へ入力された指令に対応して前記各ユニットを制御するとともに、磁気センサ及び超音波距離計21の検出信号を用いて、S.I.DとB.Tの算出を行う。また、CPU30は、X線撮影条件を求められたS.I.D及びB.Tに合ったものへ補正を行うものである。
次に、上記の如く構成されたX線撮影装置の操作並びに装置の動作を説明する。患者のX線検査を行う場合には、前述のようにX線撮影装置を病院内の所定場所から被検者のいる病室内のベッドサイドへ移動する。そして、台車1の位置の微調整と支柱3の旋回の微調整等をおこなって、X線照射野の中心を被検者の撮影部位の中心へ合わせる。
次いで、操作者は台車1に搭載して運んできたX線検出器8を撮影部位の下側へセットした後に、X線制御部2の電源をオンする。X線制御部2の電源がオンされると、CPU30は、標準的な被検者の体格に合った標準X線撮影条件をCPU30に組み込まれたメモリ、例えばROMから読み出してX線高電圧発生装置へ設定する。ここで、操作者は、被検者の体格が標準であるか否かを観察し、標準であると判断した時には設定されたX線撮影条件のままで撮影を行う。標準ではないと判断した時には被検者のB.T計測とX線撮影条件の補正を装置に行わせる。
図5は、上記B.T計測とX線撮影条件の補正とを行うフローチャートである。このフローチャートは、X線制御部2の電源がオンされた時に開始され(ステップ101)、電源がオンされると、B.T計測とX線撮影条件の補正の要否判定を求める表示を操作ユニット32の表示器へ表示される(ステップ102)。この表示はCPU30へ予めインストールされたソフトウェアで行われる。
そして、この表示に対応して、操作者が「要」と入力すると、CPU30はX線検出器8の位置を計測するステップ(ステップ103)へ動作フローを進める。一方、操作者が「否」と入力すると、CPU30はフローチャートの進行を停止し、操作者がX線撮影ボタンを操作することでX線撮影が行われる。
ステップ103におけるX線検出器8の位置計測は、X線検出器8へ設けられたトランスミッタ12,13の計測点A,Bの実空間座標の計測値に基づいて行われる。計測点A,Bの座標計測は次のように行われる。例えば、先ずトランスミッタ12とレシーバ11へCPU30から計測指令が送られると、トランスミッタ12の磁石から磁場が発生する。この磁場がレシーバ11で電流として検出され、その検出電流値がトランスミッタ12とレシーバ11間のx、y、z方向の距離として検出されCPU30へ送られる。そして、CPU30において、レシーバ11の位置を基準としたA点の実空間座標(x1,y1,z1)が求められる。
次に、同様にしてトランスミッタ13とレシーバ11がCPU30によって動作させられ、結果として、レシーバ11の位置を基準としたB点の実空間座標(x2,y2,z2)が求められる。
A点及びB点の実空間座標が求められると、S.I.Dの算出が行われる(ステップ104)。
図6に示すように、上記2点A,Bの実空間座標が求められると、これらの2点を通る直線が決まる。そこで、この直線(A-B)が(y-z)平面と交差する点Cの実空間座標(x3,y3,z3)をCPU30により演算で求める。この求められたC点の実空間座標値はCPU30のメモリへ記憶される。なお、C点のz座標とy軸間の距離(C点の座標値そのものと等価である)がS.I.Dとされる。
次にCPU30は、超音波距離計21を動作させてF.S.Dの計測・算出を行う(ステップ105)。
ここで、超音波距離計21の取付位置について説明する。超音波は2つの媒体間で音響インピーダンスが異なると反射をしてしまうので、X線管装置5やコリメータ6の背後や内部に配置することはできない。しかしながら、X線照射野の中心から遠く離れた位置へ取り付けると、撮影部位の中心部の厚みを正確に計測することはできない。このような観点から、超音波距離計21は、コリメータ6の周囲側面が好ましいと考えられる。その場合、超音波距離計21の計測部がX線焦点からz軸方向へ所定距離L1だけずれることとなる。したがって、CPU30は、超音波距離計21の検出値L2へ上記ずれ量を加算して、すなわち式(1)によりF.S.Dを算出する。
Figure 2009261762
なお、超音波距離計21と同じZ座標にレシーバ11を取り付けることもできる。その場合、F.S.DはL1となり、上記数1の演算を省略することもできる。
S.I.DとF.S.Dが求まると、CPU30は、下記の式(2)を用いてB.Tを算出する(ステップ106)。
Figure 2009261762
次いで、CPU30は、上記B.Tを用いて、設定済みとなっている標準X線撮影条件を補正する(ステップ106)。CPU30は、X線撮影条件の補正が終了すると、その旨をX線撮影条件表示器33へ表示する。操作者は、それを確認して、X線撮影ボタンを操作し、被検者のX線撮影を行う。
以上説明した本発明の第1の実施形態によれば、S.I.Dの計測を磁気センサで行うようにしたために、被検体の背後にX線検出器をセットした状態でもB.Tを測定することができるので、操作者の作業効率が向上できるとともに、被検者も一度の移動で済むので、体の負担が軽減される。
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態は、X線検出器のX線照射野に対する位置合せを容易に行えるようにしたものである。
図7は、第2の実施形態で用いられるX線検出器80を示している。このX線検出器80と第1の実施形態のX線検出器8との相違は、このX線検出器80には磁気センサのトランスミッタ14が追加されている点にある。また、この第2の実施形態においても、X線検出器は、X線フィルム、イメージングプレート、平面センサのいずれでも使用可能であるが、以下の説明では、静止画用(撮影専用)平面センサを用いた例を説明する。
図7に示すX線検出器80において、80Aは検出器のケーシング、80Bは平面センサ部である。センサ部80Bは、多数のX線検出素子を2次元平面へマトリクス上に配列したものである。このセンサ部80Bは、ケーシング80Aに収納されている。そして、ケーシング80Aには3個の磁気センサ用トランスミッタ12,13,14が取り付けられている。これらの3個のトランスミッタ12,13,14は、平面センサ部80BのX線検出面と同一面上に、かつX線検出領域外の所定位置に配置されている。詳しくは、トランスミッタ12,13は第1の実施形態と同じ位置に配置され、14は、センサ部80Bの中心を通るx軸、y軸に対し、トランスミッタ12,13と対称の位置へ配置される。これによって、トランスミッタ12,13,14は面の検出と、傾きの検出を可能とする。
図8は、本実施形態のX線撮影装置の主たる動作を行うユニットの電気的接続を示す。図8において、X線検出器80は画像処理装置35を介してCPU30へ接続されている。画像処理装置35は、CPU30の制御の下に、X線検出器80の各X線検出素子が検出した被検体透過X線量を読出し、X線画像を構成するものである。なお、第1の実施形態と比較して、追加されたトランスミッタ14もCPU30へ接続される。
また、操作ユニット32には、検出器位置情報表示器34が設けられている。この検出器位置情報表示器34は、磁気センサによって検出されたトランスミッタ12,13,14の実空間座標を下にCPU30が演算によって求めたX線検出器80の位置ずれ、傾きの情報を表示して操作者へ提供するものである。
次に、この第2の実施形態のX線撮影装置の操作並びに装置の動作を説明する。本実施形態のX線撮影装置により身動きの困難な入院患者のX線検査を行う場合には、第1の実施形態と同様に、X線撮影装置を病院内の所定場所から被検者のいる病室内のベッドサイドへ移動する。そして、台車1の位置の微調整と支柱3の旋回の微調整等をおこなって、X線照射野の中心を被検者の撮影部位の中心へ合わせる。
そして、被検者の撮影部位の背後に目視で概略の位置合せをしてX線検出器80をセットする。X線検出器80をセットし終え、X線制御部2の電源がオンされると、図9のフローチャートが開始される(ステップ201)。
最初に、装置はX線検出器の位置計測と、被検者の標準的体格に対応して設定されたX線撮影条件の補正を行うか否かを操作者へ問い質す(ステップ202)。
この問いに対し、操作者がX線検出器の位置計測、X線撮影条件の補正も必要ないと判断した場合は、操作者は「不要」と指示し、X線撮影ボタン操作を行う。一方、「要」と判断した場合は、その旨を入力する。
すると、CPU30は、トランスミッタ12,13,14を順次起動させ、トランスミッタ12,13,14が発する磁気を実空間座標O(0,0,0)に位置するレシーバ11で計測し、X線検出器80の位置計測、すなわちトランスミッタ12,13,14の実空間座標を計測する(ステップ203)。
上記計測により、トランスミッタ12の座標がA(x1,y1,z1)、トランスミッタ13の座標がB(x2,y2,z2)、トランスミッタ14の座標がC(x3,y3,z3)と計測される。
これらの計測値を用いて、CPU30はX線検出器80の位置ずれ・傾きを算出し、その結果を検出器位置情報表示器34へ表示する(ステップ204)。
前記位置ずれと傾きのどちらを先に算出しても良いが、ここでは傾きを先に算出する例を説明する。その理由はX線検出器80の面の傾きは、A,B,Cの3点の座標の各z座標の比較演算だけで算出でき、その後の位置ずれの修正が容易にできるからである。
ステップ204において、先ず、X線検出器80の面の傾きを算出するために、CPU30は、以下の(3)式、(4)式の演算を行いA点のz座標に対するB点、C点の各z座標の差を算出する。
Figure 2009261762
Figure 2009261762
CPU30は、これらの演算結果の比較を行い、その結果を表示するとともに、再計測の要否、並びに他の計測(ここでは、X線検出器のX線照射野に対する位置ずれ計測に相当する。)を行うか否かを問い質す。操作者はその表示を見て、水平面に対するX線検出器の面の傾きを修正し、それが終わると位置ずれの計測を行う指令を入力する。
CPU30は、再度トランスミッタ12,13,14とレシーバ11を起動させ、A点、B点、C点の実空間座標を再計測し、それらの各座標の計測値をメモリへ記憶する。ここで、それぞれ計測された3点の座標は、A(x1',y1',z1')、B(x2',y2',z2')、C(x3',y3',z3')となるが、X線検出器80は水平に修正されているので、z1' = z2 '= z3'と近似することができる。したがって、CPU30は、A,B,C点のx-y平面上での位置ずれを算出する。この位置ずれは、
(1)X線検出器80のX線受像領域の中心点、すなわちA,B点の中心がX線管装置から放射されるX線錐の中心軸上に対しどれ位ずれているか。
(2)X線検出器80がx-y座標軸に対しどれ位回転ずれをしているか。
である。
図10は、上記中心ずれと回転ずれを求める方法を示す図である。前にも述べたとおり、トランスミッタ12,13,14のz座標は全て同じであるので、これを図10ではZと表すことにする。X線検出器80のX線受像領域の中心点をIcとすると、前記位置ずれは、点IcとX線管焦点FからX線検出器80へ下した垂線がX線検出器80と交わる交点Dとの座標ずれとなる。点Icの座標は((x1'+x2')/2,(y1'+y2')/2,Z)であり、また点Dの座標は(0,d,Z)で表されるので、これらの2点のx軸座標のずれと、y軸座標のずれが位置ずれとなる。
すなわち、x方向のずれδxは
Figure 2009261762
また、y方向のずれδyは
Figure 2009261762
で計算される。
また、回転ずれは、次のように算出することができる。すなわち、トランスミッタ13と14はX線検出器80の矩形状X線受像領域の1辺と平行を成して配置されているので、点Bと点Cを結ぶ直線とy軸との間の角度が回転ずれとなる。この角度をθとするとθは
Figure 2009261762
で計算される。
以上の計算はCPU30によって行われ、その結果がX線検出器80の位置修正情報として検出器位置情報表示器34へ表示される。操作者はそれらの表示情報を参照して、X線検出器80の位置の調整を行い、操作者はX線検出器80の位置合せが終了するとその旨を操作ユニット32へ入力する。
その入力を受けて、CPUはS.I.Dの計測を行う(ステップ06)。但し、この場合はステップ204で計測された水平なX線検出器のz座標がそのままS.I.Dとなるので、メモリからそれを読み出すこととなる。
以下は、第1の実施形態と同様に、F.S.Dの計測(ステップ207)、B.Tの算出(ステップ208)、X線撮影条件の設定又は補正(ステップ209)が順次行われる。ステップ209が完了すると、フローチャートは終了し(ステップ210)、操作者は設定又は補正されたX線撮影条件を確認して、X線撮影ボタンを操作して被検者のX線撮影を行う。
以上述べた本発明の第2の実施形態によれば、被検者の背後にセットされたX線検出器の位置ずれ、傾きを操作者が知ることができ、X線撮影前にそれらを修正することができる。また、本実施形態では、X線検出器の位置ずれと傾きを個別のステップで検出するようにしたので、操作者は容易にX線検出器の位置ずれと傾きを修正することができる。
以上、本発明を2つの実施形態を例に挙げて説明したが、本発明は要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、X線管装置側へ1個の磁気センサレシーバを、そしてX線検出器へ2個、または3個の磁気センサトランスミッタを設けているが、各々の個数はそのままにしてレシーバとトランスミッタとを置換してもよい。さらには、磁気センサを構成するトランスミッタとレシーバの数は上記実施形態と異なるようにすることもできる。
また、X線検出器として、X線フィルムカセッテやイメージングプレートカセッテのようにX線検出情報をシート状媒体で取り出すものにおいては、X線検出器へ設ける位置センサのコードが操作性を損ねることも考えられる。このような場合には、トランスミッタを電磁石ではなく強力な永久磁石に変えても良い。ただし、永久磁石のトランスミッタを用いる場合には計測に供しないものを磁気シールドする必要がある。このような磁気シールド手段としてはパーマロイのような強磁性体を永久磁石の前面へ開閉式に配置することが考えられる。
また、S.I.Dの計測を概算で行ってもB.Tに与える影響、すなわちX線撮影条件に与える影響はそれほど大きなものにはならないことから、第1の実施形態においは、計測されたA(x1,y1,z1),B(x2,y2,z2)点の座標からS.I.Dを以下の式(8)から簡略的に算出するようにしても良い。
Figure 2009261762
さらに、上記実施形態では、磁気センサのレシーバと超音波距離計とをX線照射野の中心からずれた位置へ取り付ける例を示したが、これらの取り付け位置は種々変更が可能である。例えば特にX線検査対象が四肢のような場合に上記実施形態の取付位置では超音波距離計の計測値に誤差が生ずる可能性があるので、超音波距離計はコリメータの前面に回転移動又は平行移動による挿入退避機構を設けてX線照射野の中心へ挿入退避可能とし、それに固定すると良い。
本発明はX線撮影装置として、回診車を例に挙げて説明したが、本発明は、それに限定されず、X線管装置とX線検出器が保持機構により一体として対向して支持されていないX線撮影装置に適用することが可能である。
本発明の第1の実施形態になるX線撮影装置の構成を示す側面図。 本発明の第1の実施形態になるX線撮影装置の構成を示す正面図。 本発明の第1の実施形態の磁気センサのトランスミッタの配置を示すX線検出器の平面図。 本発明の第1の実施形態の要部をなすユニットの接続を示すブロック図。 本発明の第1の実施形態の動作を示すフローチャート。 本発明の第1の実施形態におけるS.I.Dの計測・算出法を示す図。 本発明の第2の実施形態の磁気センサのトランスミッタの配置を示すX線検出器の平面図。 本発明の第2の実施形態の要部をなすユニットの接続を示すブロック図。 本発明の第2の実施形態の動作を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態におけるX線検出器の位置ずれ・傾きの計測・算出法を示す図。
符号の説明
1 台車、 2 X線制御部、 5 X線管装置、 6 コリメータ、 8,80 X線検出器、 9 被検体、 11 磁気センサのレシーバ、 12,13、14 磁気センサのトランスミッタ、 21 超音波距離計、 30 CPU、 32 操作ユニット、 33 X線撮影条件表示器、 34 検出器位置情報表示器

Claims (5)

  1. 所定の平面的大きさを有したX線受像部と、前記X線受像部の外縁部に設けられ前記X線受像部を保持する保持部材とを備え、前記保持部材は、各々が前記X線受像部の中心からそれぞれ所定距離だけ離れた位置に設けられた少なくとも2個の磁気センサトランスミッタ又は磁気センサレシーバとを有していることを特徴とするX線検出器。
  2. 前記磁気センサトランスミッタ又は磁気センサレシーバは、前記X線受像部の中心を挟んで設けられたことを特徴とする請求項1に記載のX線検出器。
  3. X線管を内蔵したX線管装置と、前記X線管装置を支持する支持器と、前記X線管のX線焦点から所定距離だけ離れたX線焦点近傍へ配置された少なくとも1個の磁気センサレシーバ又は磁気センサトランスミッタと、
    X線受像部を有し、前記X線受像部を間に挟んだ所定位置へ少なくとも2個の前記磁気センサトランスミッタ又は磁気センサレシーバが配置されたX線検出器と、X線管装置と被検体との距離を計測する超音波距離計と、前記磁気センサトランスミッタと磁気センサレシーバとから成る磁気センサの出力を用いてS.I.Dを求める第1の演算手段と、前記超音波距離計の出力を用いてF.T.Dを求める第2の演算手段と、前記S.I.DとF.T.Dとから被検体厚を求める第3の演算手段とを備えたことを特徴とするX線撮影装置。
  4. 前記X線検出器には、前記磁気センサレシーバ又は磁気センサトランスミッタがX線受像部の中心からそれぞれ所定距離だけ離れた位置へ3個設けられ、前記第1の演算手段には、前記磁気センサの出力を用いてX線検出器の位置ずれ又は面の傾きを算出する手段を含むことを特徴とする請求項3に記載のX線撮影装置。
  5. 初期設定された標準体のX線撮影条件を前記求められた被検体厚により補正する手段を備えたことを特徴とする請求項3に記載のX線撮影装置。
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