JP2015100351A - 卵及び乳を含有する調味料 - Google Patents
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Abstract
【課題】卵及び乳の風味が抑えられることなく、濃厚でコクが強い、卵及び乳を含有する調味料を提供する。【解決手段】卵及び乳を含有する調味料を調製するにあたって、4−ヒドロキシ−2(又は5)エチル−5(又は2)メチル−3(2H)フラノン(HEMF)濃度が0.3〜0.9ppm、イソアミルアルコール濃度が0.4〜1.6ppmとなるように調整することで、卵及び乳の風味が抑えられることなく、濃厚でコクが強い、卵及び乳を含有する調味料を得、また、全窒素1.5w/v%以上で全窒素1.0w/v%当たりのHEMF濃度が15.0ppm以下の本醸造醤油を使用することで、卵及び乳を含有する調味料を得る。【選択図】なし
Description
本発明は、卵及び乳を含有する調味料に関する。
コクとは、調味料の旨味に複雑さと深みを与える味の要素である。卵及び乳を含有する調味料としては、カルボナーラソースやシーザーサラダドレッシングなどが挙げられる。近年、食の多様化により様々な風味が求められており、素材の風味を残しながら全体的な風味の濃厚さやコクの増強が求められている。
卵又は卵製品の風味を引き立たせる成分としては、卵香気に極めて類似した香気を有する特定の種類の酵母エキスに含まれる香気成分、3−(メチルチオ)1−プロパノール、ベンズアルデヒド、4−ヘプタノール、トリメチルピラジン、及び、2,5−ジメチルピラジンが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、乳又は乳製品の風味を向上させる成分としては、焙煎コーヒーの抽出物から得られる分画分子量10000以上の成分(例えば、特許文献2参照)や、酵母エキスとデキストリンを混合溶解して加熱した後に乾燥して得られる成分(例えば、特許文献3参照)が知られている。
醤油は、伝統的に調味料として広く根付いている調味料である。一般的に醤油は、食品の風味を増強することが知られており、様々な食品の調味に使用されている。醤油には約300種類の香り成分が含まれており、醤油特有の醸造香を持っている。具体的には、醤油の特徴香として、甘いカラメル香を有する4−ヒドロキシ−2(又は5)エチル−5(又は2)メチル−3(2H)フラノン(以下、HEMFともいう)や、日本酒の香りを有するイソアミルアルコールなどの成分が挙げられる。これらの香気バランスにより醤油の特徴的な香りが生み出されている。
醤油は、旨味やコクを食品に付与できる調味料であるが、上記醤油特有の醸造香を持っているため、卵及び乳を含有する調味料に醤油でコクを付けようとすると醤油の醸造香により、卵及び乳の風味が抑えられるという問題があった。
本発明は、卵及び乳の風味が抑えられることなく、濃厚でコクが強い、卵及び乳を含有する調味料を得ることを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、卵及び乳を含有する調味料のHEMF濃度を0.3〜0.9ppm、イソアミルアルコール濃度を0.4〜1.6ppmとすることで、卵及び乳の風味が抑えられず、濃厚でコクが強い、卵及び乳を含有する調味料が得られることを知り、この知見に基づいて本発明を完成した。
(1)卵及び乳を含有する調味料であって、4−ヒドロキシ−2(又は5)エチル−5(又は2)メチル−3(2H)フラノンの濃度が0.3〜0.9ppm、イソアミルアルコール濃度が0.4〜1.6ppmである調味料。
(2)全窒素1.5w/v%以上、醤油の標準色18番以上、全窒素1.0w/v%当たりの4−ヒドロキシ−2(又は5)エチル−5(又は2)メチル−3(2H)フラノン濃度が15.0ppm以下である本醸造醤油を含有する、上記(1)に記載の調味料。
(3)本醸造醤油が、醤油麹の調製に用いられた生種子換算での植物種子の容積に対して170〜450v/v%となる量の食塩水で仕込んだ醤油諸味を発酵熟成させ、発酵熟成途中の醤油諸味に醤油麹、又は醤油麹及び食塩水を添加して、更に発酵熟成させる醸造方法により製造された本醸造醤油である上記(2)に記載の調味料。
(2)全窒素1.5w/v%以上、醤油の標準色18番以上、全窒素1.0w/v%当たりの4−ヒドロキシ−2(又は5)エチル−5(又は2)メチル−3(2H)フラノン濃度が15.0ppm以下である本醸造醤油を含有する、上記(1)に記載の調味料。
(3)本醸造醤油が、醤油麹の調製に用いられた生種子換算での植物種子の容積に対して170〜450v/v%となる量の食塩水で仕込んだ醤油諸味を発酵熟成させ、発酵熟成途中の醤油諸味に醤油麹、又は醤油麹及び食塩水を添加して、更に発酵熟成させる醸造方法により製造された本醸造醤油である上記(2)に記載の調味料。
本発明によれば、卵及び乳の風味が抑えられず、濃厚でコクが強い、卵及び乳を含有する調味料が得られる。
本発明の卵及び乳を含有する調味料は、卵及び乳を含有する調味料のHEMF濃度を0.3〜0.9ppm、イソアミルアルコール濃度を0.4〜1.6ppmになるように調整することにより得られる。
本醸造醤油を配合する場合の本醸造醤油の配合量は、卵及び乳を含有する調味料中に1.0w/v%以上配合することが望ましく、1.5〜4.5w/v%配合することが更に望ましく、1.5〜4.0w/v%配合することが、風味と効果の面からことさら望ましい。
本発明における卵は、鶏卵で食用に用いられるものであれば特に制限はない。また用いる卵は、生卵及び卵を加工して得られる茹で卵やペースト状、粉末状の卵のいずれを用いてもかまわない。また、卵を原料として調製した調味料、例えば、マヨネーズなどを用いた調味料も卵として使用できる。
本発明における乳とは、動物由来で食用に用いられるものであれば特に制限はない。牛乳、山羊乳、羊乳、水牛乳、ロバ乳等が挙げられるが特に牛乳が好ましい。乳を加工した乳製品でもよく、クリーム、チーズ、バター、ヨーグルト、脱脂粉乳、全粉乳、脱脂濃縮乳、濃縮乳、練乳、バターミルク、濃縮バターミルク、バターミルクパウダー、ホエイパウダー、ホエイたんぱく、ミルクたんぱく、酸カゼイン、カゼイネートなどが挙げられるが、特にクリーム、チーズが好ましい。
本発明の卵及び乳を含有する調味料には、本醸造醤油、卵及び乳のほかに、用途に合わせて、食酢や柑橘果汁などの酸味料、糖類などの甘味料、食塩、香辛料、蛋白加水分解物、グルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸、核酸、増粘剤など通常の調味料に使用する原料を添加してもよい。更に、野菜や畜肉のミンチなどの具材を加えてもよい。
本発明における本醸造醤油とは、しょうゆの日本農林規格における本醸造方式による醤油をいう。すなわち、本醸造方式による醤油とは、大豆、又は大豆及び麦、米等の穀類を蒸煮その他の方法で処理し、麹菌を接種培養して得られる醤油麹、若しくは、米を蒸煮、膨化又は麹菌により糖化して該醤油麹に加えたものに、食塩水又は生揚げを加えて発酵熟成させて得られる清澄な液体調味料である。また、本醸造方式による醤油を火入れ(加熱殺菌)して、本発明における本醸造醤油として使用してもよい。
本発明の卵及び乳を含有する調味料に添加する本醸造醤油として、全窒素1.5w/v%以上、全窒素1.0w/v%当たりのHEMF濃度が15.0ppm以下の本醸造醤油を使用することで、卵及び乳の風味が抑えられず、濃厚でコクが強い、卵及び乳を含有する調味料が得られる。また、卵及び乳を含有する調味料の卵及び乳由来の色合いを活かすために、本発明で使用する本醸造醤油の色は淡色であることが望ましく、具体的には、醤油の標準色18番以上が好ましく、22番以上がより好ましい。
上記の成分を持つ本醸造醤油は、醤油麹の調製に用いられた生種子換算での植物種子の容積に対して170〜450v/v%となる量の食塩水で仕込んだ醤油諸味を発酵熟成させ、発酵熟成途中の醤油諸味に醤油麹、又は醤油麹及び食塩水を添加して、更に発酵熟成させる。酵母発酵を抑制せずにHEMFの生成蓄積を抑制する醸造方法により、前記の成分を持つ本醸造醤油を製造することができる。
卵及び乳を含有する調味料のHEMF濃度及びイソアミルアルコール濃度を調整することにより、卵及び乳製品の風味が抑えられず、濃厚でコクが強い、卵及び乳を含有する調味料を得ることができる。本発明の卵及び乳を含有する調味料のHEMF濃度及びイソアミルアルコール濃度は、本醸造醤油を添加することで調整できる。
卵及び乳を含有する調味料の濃厚さとコクを強くするためには、卵及び乳を含有する調味料のHEMF濃度が0.3ppm以上、イソアミルアルコール濃度が0.4ppm以上であることが好ましい。しかし、卵及び乳を含有する調味料のHEMF濃度が0.9ppmを超え、イソアミルアルコール濃度が1.6ppmを超えると卵及び乳を含有する調味料の卵及び乳の風味は抑制されてしまう。そのため、素材である卵及び乳の風味を抑えずに、濃厚さとコクを強くするためには、卵及び乳を含有する調味料のHEMF濃度は0.3〜0.9ppm、イソアミルアルコール濃度は0.4〜1.6ppmであることが好ましい。更に、素材である卵及び乳の風味を抑えずに、濃厚さとコクを強くするためには、n−ブチルアルコール濃度は0.02〜0.06ppmであることが好ましい。
卵及び乳の配合量に関しては、卵及び乳の風味を感じられる配合量であれば効果を有する。また、片方の原料のみ使用されていても効果を有するが、両方の原料を使用している調味料の方が更に効果的である。
以下、実施例を示して本発明の効果をより具体的に説明する。
(醤油麹の調製)
脱脂加工大豆10kg(生種子容積換算で17L)に80℃の温水を13L加え、蒸煮圧力2kg/cm2(ゲージ圧力)で20分間加圧加熱蒸煮したものに、生小麦10kg(生種子容積換算で13L)を炒熬した後割砕した炒熬割砕小麦を混合して水分約40w/w%の製麹用原料を調製した。この製麹用原料に、アスペルギルス・オリーゼ(ATCCD14895)のフスマ種麹を約0.1w/w%接種して麹蓋に盛り込み、30℃で42時間製麹して醤油麹24kg(生種子容積換算で30L)を得た。
脱脂加工大豆10kg(生種子容積換算で17L)に80℃の温水を13L加え、蒸煮圧力2kg/cm2(ゲージ圧力)で20分間加圧加熱蒸煮したものに、生小麦10kg(生種子容積換算で13L)を炒熬した後割砕した炒熬割砕小麦を混合して水分約40w/w%の製麹用原料を調製した。この製麹用原料に、アスペルギルス・オリーゼ(ATCCD14895)のフスマ種麹を約0.1w/w%接種して麹蓋に盛り込み、30℃で42時間製麹して醤油麹24kg(生種子容積換算で30L)を得た。
(酵母高含有諸味の調製)
上記醤油麹0.8kg(生種子容積換算で1L)を仕込みタンクにとり、諸味の発酵熟成後の食塩濃度が16.0w/v%になるように食塩水2.1Lを混和して醤油諸味を調製した。該食塩水の量は、醤油麹の調製に用いられた生種子換算での植物種子の容積に対して210v/v%であった。上記醤油諸味に醤油乳酸菌を1×105個/g諸味となるように添加し、諸味品温を15℃に保持して乳酸発酵を約1カ月間行い、次に、醤油酵母を5×105個/g諸味となるように添加した後、諸味品温20℃で通気撹拌を7日間行い、酵母高含有諸味を得た。
上記醤油麹0.8kg(生種子容積換算で1L)を仕込みタンクにとり、諸味の発酵熟成後の食塩濃度が16.0w/v%になるように食塩水2.1Lを混和して醤油諸味を調製した。該食塩水の量は、醤油麹の調製に用いられた生種子換算での植物種子の容積に対して210v/v%であった。上記醤油諸味に醤油乳酸菌を1×105個/g諸味となるように添加し、諸味品温を15℃に保持して乳酸発酵を約1カ月間行い、次に、醤油酵母を5×105個/g諸味となるように添加した後、諸味品温20℃で通気撹拌を7日間行い、酵母高含有諸味を得た。
(低HEMF本醸造醤油の調製)
上記酵母高含有諸味全部に、前記醤油麹の調製に従って製造した醤油麹1.6kg及び食塩水2.1Lを加えて醤油諸味を調製した。該醤油諸味に使用した食塩水の合計は4.2Lであり、醤油麹の合計2.4kgに用いられた生種子換算での植物種子の容積3Lに対して140v/v%であった。次に、該醤油諸味を品温15〜25℃で2カ月間発酵、熟成を行い、常法により圧搾濾過して得られた生醤油を、食塩水で成分調整し、火入れして、醤油香の穏やかな低HEMF本醸造醤油を調製した。
なお、当該低HEMF本醸造醤油の成分分析値は、全窒素濃度1.6w/v%、食塩濃度15w/v%、エタノール濃度3.2v/v%、pH5.3、還元糖1.0w/v%、醤油の標準色31番、全窒素1.0w/v%当たりのHEMF濃度13.8ppm、全窒素1.0w/v%当たりのイソアミルアルコール濃度22.5ppm、全窒素1.0w/v%当たりのn−ブチルアルコール濃度1.0ppmであった。
上記酵母高含有諸味全部に、前記醤油麹の調製に従って製造した醤油麹1.6kg及び食塩水2.1Lを加えて醤油諸味を調製した。該醤油諸味に使用した食塩水の合計は4.2Lであり、醤油麹の合計2.4kgに用いられた生種子換算での植物種子の容積3Lに対して140v/v%であった。次に、該醤油諸味を品温15〜25℃で2カ月間発酵、熟成を行い、常法により圧搾濾過して得られた生醤油を、食塩水で成分調整し、火入れして、醤油香の穏やかな低HEMF本醸造醤油を調製した。
なお、当該低HEMF本醸造醤油の成分分析値は、全窒素濃度1.6w/v%、食塩濃度15w/v%、エタノール濃度3.2v/v%、pH5.3、還元糖1.0w/v%、醤油の標準色31番、全窒素1.0w/v%当たりのHEMF濃度13.8ppm、全窒素1.0w/v%当たりのイソアミルアルコール濃度22.5ppm、全窒素1.0w/v%当たりのn−ブチルアルコール濃度1.0ppmであった。
(カルボナーラソースの調製)
表1に示した原材料を混合し、卵及び乳を含有する調味料として、カルボナーラソースを調製した。調製したカルボナーラソースは、50gずつフィルムパックに充填密封し、60℃で10分間湯煎による加熱処理を行った後、常温まで冷却した。フィルムパックを開封して試食し、官能評価を行った。また、カルボナーラソースの成分分析を行った。表2に分析値と官能評価結果を示した。表1の原材料は、前記低HEMF本醸造醤油、濃口醤油(キッコーマン食品社製)、生クリーム(タカナシ乳業社製)、粉チーズ(森永乳業社製)、黒コショウ(エスビー社製)、市販の鶏卵及び食塩である。表1の数値の単位はグラムである。
表1に示した原材料を混合し、卵及び乳を含有する調味料として、カルボナーラソースを調製した。調製したカルボナーラソースは、50gずつフィルムパックに充填密封し、60℃で10分間湯煎による加熱処理を行った後、常温まで冷却した。フィルムパックを開封して試食し、官能評価を行った。また、カルボナーラソースの成分分析を行った。表2に分析値と官能評価結果を示した。表1の原材料は、前記低HEMF本醸造醤油、濃口醤油(キッコーマン食品社製)、生クリーム(タカナシ乳業社製)、粉チーズ(森永乳業社製)、黒コショウ(エスビー社製)、市販の鶏卵及び食塩である。表1の数値の単位はグラムである。
(成分分析)
成分分析は、しょうゆ試験法(財団法人日本醤油研究所編(1985))に記載されている方法に従って行った。
HEMF、イソアミルアルコール及びn−ブチルアルコールの濃度は、ガスクロマトグラフィーを用いて分析定量した(Journal of Agricultural and Food Chemistry Vol.39,934(1991)参照)。なお、抽出は固相マイクロ抽出法(SPME)により、SPMEファイバーとしてDivinylbenzen/Caboxen/Polydimethylsiloxaneを使用し、平衡条件を40℃、15分間、吸着条件を40℃、30分間の条件で行った。
可溶性固形分は、Brix計(アタゴ社製、α5000型)を用いて、スクロース換算として測定を行った。食塩分は、塩濃度測定計(METTLER TOLEDO社製、G20型)を用いて測定した。
成分分析は、しょうゆ試験法(財団法人日本醤油研究所編(1985))に記載されている方法に従って行った。
HEMF、イソアミルアルコール及びn−ブチルアルコールの濃度は、ガスクロマトグラフィーを用いて分析定量した(Journal of Agricultural and Food Chemistry Vol.39,934(1991)参照)。なお、抽出は固相マイクロ抽出法(SPME)により、SPMEファイバーとしてDivinylbenzen/Caboxen/Polydimethylsiloxaneを使用し、平衡条件を40℃、15分間、吸着条件を40℃、30分間の条件で行った。
可溶性固形分は、Brix計(アタゴ社製、α5000型)を用いて、スクロース換算として測定を行った。食塩分は、塩濃度測定計(METTLER TOLEDO社製、G20型)を用いて測定した。
(官能検査)
試料を5名のパネルに供し、全体のコク、濃厚さ及び素材の風味(チーズの風味、卵の風味、生クリームの風味)について官能評価した。全体のコク、濃厚さについては、対照例を基準として「同じ」を1、「やや強い」を2、「強い」を3、「かなり強い」を4、「非常に強い」を5として5段階で評価した。また、素材の風味(チーズの風味、卵の風味、生クリームの風味)については、対照例に比較して「非常に弱い」を1、「かなり弱い」を2、「弱い」を3、「やや弱い」を4、「同じ」を5として5段階で評価した。
試料を5名のパネルに供し、全体のコク、濃厚さ及び素材の風味(チーズの風味、卵の風味、生クリームの風味)について官能評価した。全体のコク、濃厚さについては、対照例を基準として「同じ」を1、「やや強い」を2、「強い」を3、「かなり強い」を4、「非常に強い」を5として5段階で評価した。また、素材の風味(チーズの風味、卵の風味、生クリームの風味)については、対照例に比較して「非常に弱い」を1、「かなり弱い」を2、「弱い」を3、「やや弱い」を4、「同じ」を5として5段階で評価した。
官能評価において、全体のコク及び濃厚さの評点が3.0以上であり、素材の風味(チーズの風味、卵の風味、生クリームの風味)の評点が4.0以上のものを、本発明の卵及び乳の風味が抑えられず、濃厚でコクが強い、卵及び乳を含有する調味料とした。表2に示したように、HEMF濃度が0.3〜0.9ppm、イソアミルアルコール濃度が0.4〜1.6ppmであれば、素材の風味(チーズの風味、卵の風味、生クリームの風味)が抑えられずに、全体のコク及び濃厚さが十分に強くなることがわかる。
(シーザーサラダドレッシングの調製)
表3に示した原材料を混合し、卵及び乳を含有する調味料として、シーザーサラダドレッシングを調製した。調製したシーザーサラダドレッシングは、50gずつアルミラミネート袋に充填密封し、80℃で5分間湯煎による加熱処理を行った後、常温まで冷却した。アルミラミネート袋を開封して試食し、全体のコク、濃厚さ及び素材の風味(チーズの風味、卵の風味)について官能評価を行った。また、成分分析を行い、分析値を表4に示した。表3の原材料は、前記低HEMF本醸造醤油、濃口醤油(キッコーマン食品社製)、上白糖(三井製糖社製)、クリームチーズ(森永乳業社製)、マヨネーズ(キューピー社製)、ニンニク(エスビー社製)、レモン果汁(ミツカン社製)、オリーブ油(味の素社製)市販の卵及び食塩を使用した。表3の数値の単位はグラムである。
表3に示した原材料を混合し、卵及び乳を含有する調味料として、シーザーサラダドレッシングを調製した。調製したシーザーサラダドレッシングは、50gずつアルミラミネート袋に充填密封し、80℃で5分間湯煎による加熱処理を行った後、常温まで冷却した。アルミラミネート袋を開封して試食し、全体のコク、濃厚さ及び素材の風味(チーズの風味、卵の風味)について官能評価を行った。また、成分分析を行い、分析値を表4に示した。表3の原材料は、前記低HEMF本醸造醤油、濃口醤油(キッコーマン食品社製)、上白糖(三井製糖社製)、クリームチーズ(森永乳業社製)、マヨネーズ(キューピー社製)、ニンニク(エスビー社製)、レモン果汁(ミツカン社製)、オリーブ油(味の素社製)市販の卵及び食塩を使用した。表3の数値の単位はグラムである。
実施例1と同様に官能評価において、全体のコク及び濃厚さの評点が3.0以上であり、素材の風味(チーズの風味、卵の風味)の評点が4.0以上のものを、本発明の卵及び乳の風味が抑えられず、コクと濃厚さが強い、卵及び乳を含有する調味料とした。表4に示したように、HEMF濃度が0.3〜0.9ppm、イソアミルアルコール濃度が0.4〜1.6ppmであれば、素材の風味(チーズの風味、卵の風味)が抑えられずに、コク、濃厚さが十分に強くなることがわかる。
Claims (3)
- 卵及び乳を含有する調味料であって、4−ヒドロキシ−2(又は5)エチル−5(又は2)メチル−3(2H)フラノンの濃度が0.3〜0.9ppm、イソアミルアルコール濃度が0.4〜1.6ppmである調味料。
- 全窒素1.5w/v%以上、醤油の標準色18番以上、全窒素1.0w/v%当たりの4−ヒドロキシ−2(又は5)エチル−5(又は2)メチル−3(2H)フラノン濃度が15.0ppm以下である本醸造醤油を含有する、請求項1に記載の調味料。
- 本醸造醤油が、醤油麹の調製に用いられた生種子換算での植物種子の容積に対して170〜450v/v%となる量の食塩水で仕込んだ醤油諸味を発酵熟成させ、発酵熟成途中の醤油諸味に醤油麹、又は醤油麹及び食塩水を添加して、更に発酵熟成させる醸造方法により製造された本醸造醤油である請求項2に記載の調味料。
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