JP6046508B2 - 米香気強化組成物又は米香気強化剤、及びこれらを用いた米飯 - Google Patents

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本発明は、酢酸を添加しているにもかかわらず、ご飯特有の好ましい香りを有する米飯が得られる米香気強化組成物又は米香気強化剤、及びこれらを用いた米飯に関する。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等では、様々な米飯類が販売されている。これらの米飯類は、市販弁当の主食として容器詰めして販売されるほか、購入後そのまま食したり、家庭でチャーハンや雑炊に調理したりと様々な用途に使用できることから、消費者から好まれている。これらは一般的に、スーパーマーケット等のバックヤードや、惣菜工場等で調理された後、チルド温度帯又は常温の状態で、店頭で販売される。
なお、バックヤードや惣菜工場等で調理された米飯は、店頭保管中のチルド温度帯又は常温保存において、食味の劣化や細菌数の増加といった問題がある。そこで、このような問題に対し、酢酸を0.1%程度含有する米飯改良剤を添加して品質を改善する方法(特許文献1)などが検討されている。
しかしながら、酢酸を添加して品質を改善した場合には、細菌数の面では良好なものの、ご飯特有の好ましい香りが消失してしまうという問題があった。このことから、酢酸を添加した場合にも、ご飯特有の好ましい香りを有する米飯が得られる米香気強化組成物が強く要望されていた。
特開2001−238617号公報
そこで、本発明の目的は、酢酸を添加しているにもかかわらず、ご飯特有の好ましい香りを有する米飯が得られる米香気強化組成物又は米香気強化剤、及びこれらを用いた米飯を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく米香気強化組成物又は米香気強化剤の配合原料等について鋭意研究を重ねた結果、特定の豆の煮汁の酢酸発酵物を含有する米香気強化組成物又は米香気強化剤を添加し炊飯、あるいは炊飯したものに添加したところ、意外にも、細菌の増殖を良好に抑えられ、ご飯特有の好ましい香りを有する米飯が得られることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ひよこ豆、えんどう豆、小豆から選ばれる少なくとも1種の豆煮汁の酢酸発酵物を含有する、
米香気強化組成物、
(2)(1)記載の米香気強化組成物において、
前記酢酸発酵物の酢酸及び水以外の可溶性固形分であるエキス分が0.5〜5g/100mL、全窒素含有量が1〜100mg/100mLである、
米香気強化組成物、
(3)(1)又は(2)記載の米香気強化組成物において、
前記酢酸発酵物の含有量が、米香気強化組成物に対し、酢酸酸度5%換算で5〜80%である、
米香気強化組成物、
(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載の米香気強化組成物を用いた、
米飯、
(5)ひよこ豆、えんどう豆、小豆から選ばれる少なくとも1種の豆煮汁の酢酸発酵物を含有する米香気強化剤、
(6)(5)記載の米香気強化剤を用いた米飯、
である。
本発明によれば、酢酸を添加しているにもかかわらず、ご飯特有の好ましい香りを有する米飯が得られる米香気強化組成物又は米香気強化剤、及びこれらを用いた米飯を提供することができる。したがって、コンビニエンスストア、スーパーマーケット等での米飯食品の販売において、更なる需要の拡大が期待される。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本願発明における米飯>
本発明において米飯とは、米を主原料とした食品であって、具体的には、例えば、洗米した米や無洗米を水や出汁、具材と共に炊飯又は加熱調理したものや、お粥、また、白飯を用いて調理するチャーハン、雑炊等が挙げられ、これらのレトルト品でも良い。なかでも、調味付けが少ない米飯か、もしくは調味していない、つまり水で炊飯した白飯は、酢酸を添加した際にご飯特有の好ましい香りが消失しやすいが、本発明によれば、このような米飯、特に白飯であっても、ご飯特有の好ましい香りが得られる。したがって、本発明は、このような米飯、特に白飯において、好適に実施できる。
<米香気強化組成物又は米香気強化剤>
本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤とは、前記米飯の製造工程中に添加混合する、あるいは出来上がった米飯食品に添加混合する添加剤であって、本発明の米香気強化組成物又は米飯用香気強化剤は、ひよこ豆、えんどう豆、小豆から選ばれる少なくとも1種の豆の煮汁の酢酸発酵物を含有する必要がある。
<米香気強化組成物又は米香気強化剤に用いる酢酸発酵物>
本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤に含有する酢酸発酵物としては、ひよこ豆、えんどう豆、小豆から選ばれる少なくとも1種の豆の煮汁を酢酸発酵させたものを用いる。酢酸発酵の手法としては、常法の発酵処理を施せば良いが、例えば、前記豆の煮汁を必要に応じ濾過し、この清澄液に対してアルコール(エタノール)、必要に応じて醸造酢あるいは清水を添加し、さらに酢酸産生能を有する酢酸菌を添加して、常法により温度25〜35℃で1〜7日間程度酢酸発酵させることによって、前記豆の煮汁の酢酸発酵物を得ることができる。このようにして得られる酢酸発酵物は、必要に応じて適宜濾過処理、殺菌処理を施して用いても良い。なお、得られる酢酸発酵物の酸度は、酢酸換算で3〜15%とすることができる。
また、酢酸発酵の方法としては、常法の酢酸発酵処理方法を用いることができるが、例えば、静置発酵法、通気発酵法(深部発酵法)などを挙げることができる。
一方、本発明とは異なるが米香気強化組成物又は米香気強化剤において、豆の煮汁の酢酸発酵物ではなく、豆の煮汁に醸造酢を添加した場合、豆の煮汁ではなく豆摩砕物の酢酸発酵物を添加した場合、あるいは、ひよこ豆、えんどう豆、小豆以外の、大豆などの煮汁の酢酸発酵物を添加した場合には、本願発明と同様の効果が得られない。この理由は定かではないが、本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤はおそらく製造段階の発酵工程等により何らかの成分が産生され、それらがご飯特有の好ましい香りに関与しているものと考えられる。
<豆の煮汁>
前記酢酸発酵物に用いる豆の煮汁としては、ひよこ豆、えんどう豆、小豆から選ばれる少なくとも1種の豆の煮汁を用いる必要がある。特にご飯特有の好ましい香りを得られやすいことから、小豆の煮汁を用いると良い。豆の煮汁は、常法の処理を施して製すれば良い。例えば、豆を十分な量の清水に浸漬させた後に加熱し、必要に応じて渋切りを施し、再度水煮して得られる豆煮汁を用いることができる。なお、本発明で原料とする前記豆の煮汁は、豆を煮た後、その豆を濾過処理等により取り除く処理を施した豆煮汁を用いると良い。豆を濾過せず用いた場合、豆から溶出する色素等のエキス分が多くなりすぎて、米飯本来の色調や風味を損なってしまうためである。
<酢酸発酵物のエキス分>
米香気強化組成物又は米香気強化剤に含有する酢酸発酵物は、酢酸及び水以外の可溶性固形分であるエキス分を0.5〜5g/100mLとすることができ、0.5〜4g/100mLとすることができ、さらに0.5〜3g/100mLとすることができる。エキス分が前記範囲であることにより、ご飯特有の好ましい香りを有する米飯が得られやすくなる。
なお、本発明の酢酸発酵物のエキス分としては、例えば、ぶどう糖、果糖、砂糖、乳糖、麦芽糖などの糖類や、タンパク質、ミネラル分等が挙げられる。前述したエキス分の測定方法は、常法により行えば良いが、例えば、一般的に用いられる食酢のJAS法記載の分析方法等に準じて測定することができる。
<豆煮汁の酢酸発酵物の全窒素含有量>
米香気強化組成物又は米香気強化剤に含有する前記酢酸発酵物は、全窒素含有量が1〜100mg/100mLとすることができ、10〜75mg/100mL、さらに25〜60mg/100mLとすることができる。全窒素含有量が前記範囲であることにより、ご飯特有の好ましい香りを有する米飯が得られやすくなる。
ここで、酢酸発酵物中の全窒素含有量とは、酢酸発酵物に含有するすべての窒素であり、タンパク質、アミノ酸、アミン、核酸等多くの化合物の窒素のことである。測定方法としては、例えばケルダール法を用いることにより測定することができる。
<米香気強化組成物又は米香気強化剤中の酢酸発酵物の含有量>
本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤における前記酢酸発酵物の含有量は、酢酸酸度5%で換算すると、米香気強化組成物又は米香気強化剤に対して5〜80%含むことができ、さらに10〜70%含むことができ、さらに20〜60%含むことができる。米香気強化組成物又は米香気強化剤に対する酢酸発酵物の含有量が前記範囲であることにより、ご飯特有の好ましい香りを有する米飯が得られやすくなる。
<米香気強化組成物又は米香気強化剤の酢酸含有量>
本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤の酢酸含有量は、0.25〜12%含有させることができ、さらに5〜10%含有させることができる。酢酸含有量が前記範囲より低い場合は添加量が多くなり使用しづらく、また作業効率も低下するため好ましくない。
また、酢酸含有量が前記範囲より高い場合は、米飯の食味に影響を与えるため好ましくない。なお、酢酸含有量を前述した範囲に調整する方法としては、豆の煮汁の酢酸発酵物の配合量を適宜調整する方法のほか、食酢等の酢酸含有原料を別途添加して調整する方法を用いても良い。
<その他の原料>
本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤には、前記豆煮汁の酢酸発酵物のほかに、本願発明の効果を損なわない範囲で種々の原料を含有させることができる。このような原料としては、例えば、食塩、食酢、ダシ類などの原料が挙げられ、これらを適宜加熱混合することにより製することができる。なお、前述した原料の他に、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、動植物エキス、水飴、デキストリン、キサンタンガム、ゼラチン等の増粘剤、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化材、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、着色料、香料、甘味料、保存料等の原料等を適宜含有させることができる。
<米香気強化組成物又は米香気強化剤の製造方法>
本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤の製造方法としては、各原料を常法により混合することによって得られる。まず、豆の煮汁に前述した酢酸発酵処理を施し、エキス分が0.5〜5g/100mL、全窒素含有量が1〜100mg/100mLである酢酸発酵物を得る。次いで、必要に応じて、得られた酢酸発酵物に対し、食酢、食塩、清水等の原料を添加混合することにより、米香気強化組成物又は米香気強化剤を製する。以上のようにして得られた米香気強化組成物又は米香気強化剤は、ボトルやパウチ、袋等の容器包装に充填・密封することで容器入りの製品とすることができる。また、必要に応じて冷凍処理等を行っても良い。
このようにして得られた本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤は、米飯の炊飯時に配合水と共に生米に添加する方法や、炊飯後の米飯と混合する方法等、米飯と混合することによって添加することができる。
<米飯に対する、米香気強化組成物又は米香気強化剤の添加量>
本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤の米飯に対する添加量は、上述した豆の煮汁の酢酸発酵物の濃度が生米に対して特定量となるようにすることができる。つまり、炊飯前の生米100部に対し、豆の煮汁の酢酸発酵物を、酢酸酸度5%換算で0.01〜3部添加することができ、さらに0.01〜1.8部添加することができる。前述した配合量を米飯に添加することにより、細菌数の増殖抑制等の品質改善などを行うために酢酸を添加しているにも拘らず、ご飯特有の好ましい香りを有する米飯を得ることができる。
以下、本発明の米香気強化組成物又は米香気強化剤、及びこれを用いた米飯について、実施例、及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
<小豆煮汁の酢酸発酵物の製造>
小豆2kgを鍋に投入し、8kgの清水に浸漬させた後、加熱して小豆をボイルした。次いで、渋切りを行い、再度同量の清水で小豆をボイルした後、ボイル処理後の小豆をザルで濾すことにより小豆煮汁を得た。得られた小豆煮汁のエキス分は2.0g/100mL、全窒素含有量は50mg/100mLであった。
続いて、得られた小豆煮汁を濾過し、得られた清澄液に対して醸造酢、アルコール、及び酢酸産生能を有する酢酸菌を添加し、常法により温度30℃で7日間酢酸発酵させることにより、小豆煮汁の酢酸発酵物を得た。
なお、得られた酢酸発酵物のエキス分は1.5g/100mL、全窒素含有量は40mg/100mLであり、酸度は酢酸換算で5%であった。
次に、前記小豆煮汁の酢酸発酵物45kg、醸造酢52kg、食塩3kgを調合タンクに投入して均一に混合することによって、米香気強化組成物又は米香気強化剤を製した。米香気強化組成物又は米香気強化剤の酢酸含有量は7%であった。
<炊飯時米飯への米香気強化組成物又は米香気強化剤の添加>
精米済みの生米10kgを水に約1.5時間浸漬した後、水切りし、清水13kg、米香気強化組成物又は米香気強化剤0.16kgと共に炊飯機に投入し、98℃で40分の炊飯処理を施すことにより炊飯米(白飯)を得た。なお、炊飯前の生米100部に対する小豆煮汁の酢酸発酵物の添加量は、酢酸酸度5%換算で0.7部であった。
[実施例2]
実施例1において、小豆煮汁ではなく、ひよこ豆煮汁を用いる以外は同様の方法で、ひよこ豆煮汁の酢酸発酵物を製造した。得られた酢酸発酵物のエキス分は0.77g/100mL、全窒素含有量は34mg/100mLであり、酸度は酢酸換算で5%であった。
次に、得られた酢酸発酵物を用いて、実施例1と同様の方法で実施例2の米飯用香気強化剤又は米香気強化剤を製造した。
得られた米香気強化組成物又は米香気強化剤の酢酸含有量は7%であった。
次いで、得られた米香気強化組成物又は米香気強化剤を用いて、実施例1と同様の方法で白飯を製造した。炊飯前の生米100部に対するひよこ豆煮汁の酢酸発酵物の添加量は、酢酸酸度5%換算で0.7部であった。
[実施例3]
実施例1において、小豆煮汁ではなく、えんどう豆煮汁を用いる以外は同様の方法で、えんどう豆煮汁の酢酸発酵物を製造した。得られた酢酸発酵物のエキス分は0.92g/100mL、全窒素含有量は41mg/100mLであり、酸度は酢酸換算で5%であった。
次に、得られた酢酸発酵物を用いて、実施例1と同様の方法で実施例3の米香気強化組成物又は米香気強化剤を製造した。
米香気強化組成物又は米香気強化剤の酢酸含有量は7%であった。
次いで、得られた米香気強化組成物又は米香気強化剤を用いて実施例1と同様に白飯を製造した。炊飯前の生米100部に対するえんどう豆煮汁の酢酸発酵物の添加量は、酢酸酸度5%換算で0.7部であった。
[比較例1]
小豆煮汁の酢酸発酵物の代わりに、大豆煮汁の酢酸発酵物を用いる以外は実施例1と同様の方法で、米香気強化組成物又は米香気強化剤を製造した。米香気強化組成物又は米香気強化剤の酢酸含有量は7%であった。
次いで、得られた米香気強化組成物又は米香気強化剤を用いて、実施例1と同様の方法で白飯を製造した。
[比較例2]
小豆煮汁の酢酸発酵物の代わりに、小豆煮汁に醸造酢を添加したものを用いる以外は実施例1と同様の方法で、米香気強化組成物又は米香気強化剤を製造した。米香気強化組成物又は米香気強化剤の酢酸含有量は7%であった。
次いで、得られた米香気強化組成物又は米香気強化剤を用いて、実施例1と同様の方法で白飯を製造した。
[比較例3]
小豆煮汁の酢酸発酵物の代わりに、醸造酢を用いた以外は実施例1と同様の方法で、米香気強化組成物又は米香気強化剤を製造した。米香気強化組成物の酢酸含有量は7%であった。
次いで、得られた米香気強化組成物又は米香気強化剤を用いて、実施例1と同様の方法で白飯を製造した。
[試験例1]
実施例1〜3、並びに比較例1〜3により得られた米飯の食味について、パネラー10名で評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006046508
[米飯の評価基準]
A:ご飯特有の香りが強く感じられ、大変好ましい。
B:ご飯特有の香りが感じられ、好ましい。
C:ご飯特有の香りがやや消失しているが、米飯として問題のない程度である。
D:ご飯特有の香りが消失しており、好ましくない。
表1より、実施例1〜3の白飯は、酢酸を添加しているにもかかわらず、ご飯特有の香りを有しており、好ましいことが理解される。特に、小豆煮汁の酢酸発酵物を用いた実施例1の白飯は、ご飯特有の香りを有しており、大変好ましかった。これに対して、米香気強化組成物又は米香気強化剤の原料として、大豆煮汁の酢酸発酵物を用いた場合(比較例1)、小豆煮汁の酢酸発酵物ではなく小豆煮汁に醸造酢を添加した場合(比較例2)、小豆煮汁の含まれない醸造酢を用いた場合(比較例3)には、ご飯特有の香りが消失しており、好ましくなかった。
[試験例2]
実施例1の小豆煮汁の酢酸発酵物の製造方法において、酢酸発酵物の原料である小豆煮汁の濃度を調整することにより、エキス分、全窒素含有量が異なる表2記載の4種類の小豆煮汁酢酸発酵物を製造した。次いで、これらの各酢酸発酵物を用いたほかは、実施例1と同様に米香気強化組成物又は米香気強化剤、及これらを用いた白飯を製した(実施例4〜6)。続いて、得られた各白飯について、試験例1の評価基準により食味の評価を行った。
Figure 0006046508
表2より、米香気強化組成物に含有する酢酸発酵物のエキス分が1.0〜3.0g/100mL、全窒素含有量が25〜60mg/100mLである場合には、ご飯特有の香りをとても有しており、大変好ましかった(実施例1、5、6)。また、実施例4においては、ご飯特有の香りがやや消失していたものの、問題のない範囲であり好ましかった。
[実施例7]
実施例1において、米香気強化組成物又は米香気強化剤に用いる小豆煮汁の酢酸発酵物の配合量を60%に、醸造酢の配合量を37%に変更し、米香気強化組成物又は米香気強化剤の添加量を0.3kgに変更する以外は、実施例1と同様の方法で米飯を製造した。なお、米香気強化組成物又は米香気強化剤の酢酸含有量は7%であり、炊飯前の生米100部に対する小豆煮汁の酢酸発酵物の添加量は、酢酸酸度5%換算で1.8部であった。
[実施例8]
実施例1において、米香気強化組成物又は米香気強化剤に用いる小豆煮汁の酢酸発酵物の配合量を20%に、醸造酢の配合量を60%に変更し、米香気強化組成物又は米香気強化剤の添加量を0.08kgに変更する以外は、実施例1と同様の方法で米飯を製造した。なお、米香気強化組成物又は米香気強化剤の酢酸含有量は7%であり、炊飯前の生米100部に対する小豆煮汁の酢酸発酵物の添加量は、酢酸酸度5%換算で0.02部であった。
実施例7、8の結果から、米香気強化組成物又は米香気強化剤に用いる小豆煮汁酢酸発酵物の配合量が酢酸酸度5%換算で20〜80%、炊飯前の生米100部に対する小豆煮汁酢酸発酵物の添加量が酢酸酸度5%換算で0.01〜1.8部である場合には、ご飯特有の香りを有する米飯が得られ、大変好ましかった。
[実施例9]
実施例1において、生米に米香気強化組成物又は米香気強化剤を添加した後に炊飯する代わりに、炊飯した白飯に米香気強化組成物又は米香気強化剤を添加した以外は、実施例1と同様の方法で米飯を製造した。なお、炊飯前の生米100部に対する小豆煮汁の酢酸発酵物の添加量は、酢酸酸度5%換算で0.01部であった。得られた米飯は、ご飯特有の香りが強く感じられ、大変好ましかった。


Claims (6)

  1. ひよこ豆、えんどう豆、小豆から選ばれる少なくとも1種の豆(豆磨砕物を除く)煮汁の酢酸発酵物を含有する、
    米香気強化組成物。
  2. 請求項1記載の米香気強化組成物において、
    前記酢酸発酵物の酢酸及び水以外の可溶性固形分であるエキス分が0.5〜5g/100mL、全窒素含有量が1〜100mg/100mLである、
    米香気強化組成物。
  3. 請求項1又は2記載の米香気強化組成物において、
    前記酢酸発酵物の含有量が、米香気強化組成物に対し、酢酸酸度5%換算で5〜80%である、
    米香気強化組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の米香気強化組成物を用いた、
    米飯。
  5. ひよこ豆、えんどう豆、小豆から選ばれる少なくとも1種の豆(豆磨砕物を除く)煮汁の酢酸発酵物を含有する、
    米香気強化剤。
  6. 請求項5記載の米香気強化剤を用いた、
    米飯。
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