JP2015099155A - 液体有機半導体材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも一つの芳香族共役π―電子系を構造に有する有機物質をTime-of-flight法による電荷輸輸送特性の評価と希釈剤を添加した際の希釈効果の評価から電子伝導性を確認することにより、有機物の液体相における有機半導体としての利用を可能にする方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一つの芳香族共役π―電子系を構造に有する有機物質を選択し、精製による純度の向上とTime-of-flight法による伝導機構の確認を行うことにより、有機物の液体相を有機半導体として利用可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子性伝導を示す有機材料に関する。本発明の液体有機半導体材料は、極めて広範囲の分野に適用が可能であり、例えば、光センサ、有機EL、有機トランジスタ、有機太陽電池や有機半導体メモリ等の有機電子デバイスの新しい製造方法や新しい形態の実現を可能とする。
有機半導体材料は、光センサ、有機感光、有機EL、有機トランジスタ、有機太陽電池、有機半導体メモリ等に使用可能な材料である。有機半導体材料としては、従来より、有機半導体物質を真空蒸着や溶液による塗布により基板の上に作製した非晶質薄膜や多結晶薄膜、高分子材料等に有機半導体物質を分散させ基板上に形成した薄膜材料、あるいは、有機半導体物質の単結晶等の材料(すなわち、デバイスの駆動温度領域において固体である材料)が用いられている。これは、有機電子デバイスを作成するためには、有機半導体の示す電子伝導性を利用して、素子としての機能を実現することが必要だからである。このような観点から、従来から電子伝導性が実現できると考えられて来た材料である、アモルファスや多結晶、あるいは、単結晶等を用いる必要があると考えられていた。
一方、近年において、一般の液体物質に比べて粘性の高い分子配向をもつ液晶物質のネマティック相、スメクティック相、あるいは、カラムナー相等において電子伝導が見出され、有機半導体材料として用いることができることが知られるようになり、有機電子デバイスへの応用が検討されるようになった。
他方、これまで、低分子の非液晶性の有機物の等方相(液体相)における伝導については、一般に粘性が低いため、イオン伝導性と考えられており、電子伝導を確認した例は、きわめて特殊な系でのみ報告されている。一つは、メタンやエタン等の炭化水素に高エネルギーの電子線、X線、短波長の光照射により生成した高エネルギー電子の伝導をtime-of-flight法等により確認した例(IEEE Transaction on Elecrical Insulation vol.EI−19,No.5 390−418)がある。
この伝導は、生成した高エネルギー電子そのものが分子に弱く拘束された自由電子に近い伝導であると考えられており、移動度も一般の有機固体中の移動度よりも極めて大きく、数十cm/Vsを超えるものも知られている。また、液晶物質の中でも、粘性の高いディスコティック液晶の一つであるフタロシアニン液晶の等方相においては、飛行時間(time-of-flight)法により、電子伝導性の伝導が確認されている。(第54回応用物理学関係連合講演会(2007年)講演予稿集、第1333頁)しかしながら、非高分子性の棒状液晶物質や非液晶性物質の液体相(等方相)においては、伝導は現在でもイオン伝導と考えられており、電子伝導を実験的に確認した例はない。したがって、これまで、これらの物質において電子伝導は確認されていない。
一般的に、いわゆる液体、つまり、等方相的な液体状態においては、従来、伝導はイオン伝導によるものと考えられていた。すなわち、有機物の液体状態では電子性伝導を利用した有機電子デバイスは実現できないと考えられてきた。換言すれば、従来技術においては、有機電子デバイスに用いる有機半導体材料は、電子伝導を利用して素子の機能を実現するため、デバイスの駆動温度領域において、従来、電子伝導が確認されているアモルファス固体あるいは結晶、あるいは、液晶物質の液晶相を用いる必要があった。
IEEE Transaction on Electrical Insulation vol.EI−19,No.5 390−418 第54回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集(2007年)、第1333頁
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消することができる新しいタイプの有機半導体材料を提供することにある。
本発明の他の目的は、液体で電子デバイスを実現できる、新しい有機半導体材料を提供することにある。
本発明者は鋭意研究の結果、等方相を示し、且つ、流動性を有する材料において、電子および/又はホール伝導を示す材料を見出した。
本発明の有機半導体材料は、上記知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、例えば、以下の態様を含むことができる。
[1] 一対の基板と、該一対の基板間に配置された有機半導体材料とを少なくとも含む有機半導体デバイスであって;
該有機半導体材料が、少なくとも一つの芳香族共役π−電子系を有し、260nm以上の波長領域に光吸収ピーク(εMax)を有し、且つ電子および/又はホール伝導を示す程度に精製された有機物質を含み、且つ、
該有機半導体材料が、−20℃〜+120℃にある温度において、等方相を示し、且つ、流動性を有することを特徴とする有機半導体デバイス。
[2] 前記等方相が、偏光顕微鏡によるクロスニコル下での薄層試料の観察によって確認される請求項1に記載の有機半導体デバイス。
[3] 10−7cm/Vs以上の電子および/又はホールの移動度を有する請求項1または2に記載の有機半導体デバイス。
[4] 作動温度領域において、実質的に保形性(shape-retaining property)を有しない請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機半導体デバイス。
[5] 前記有機半導体材料が、混合物の形態を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機半導体デバイス。
[6] 前記有機半導体材料が、溶液の形態を有する請求項5に記載の有機半導体デバイス。
上述したように本発明によれば、作動温度において液体状態を示す有機半導体材料が提供される。本発明の有機半導体材料は、従来より有機半導体材料が利用可能であった分野(例えば、光センサ、有機感光体、有機EL、有機トランジスタ、有機太陽電池、有機半導体メモリ等)に、特に制限なく適用することが可能である。
より具体的には、本発明によれば、従来技術においては困難であった液体状態における電子伝導を利用した有機電子デバイスを実現することができるため、従来の固体デバイスにとらわれない有機電子デバイスの新しい、素子構造、形態、機能が実現できる。また、デバイス作製においては、従来の方法にとらわれない作製プロセス技術の適用や選択を可能にし、大面積を必要とするデバイスには特に有効である。これはデバイスの応用範囲を拡大させ、また、デバイスの作製コストの低減に有効である。
一方、材料に注目すれば、本発明によれば、従来の有機半導体材料の概念にとらわれない材料の選択が可能となり、デバイスに要求される種々の特性に合わせた材料の材料選択の幅を大きく広げることになる。
本発明に使用可能な飛行時間(Time-of-flight)型測定の装置構成を示す模式断面図である。 上記図1の装置によって、測定される代表的な過渡光電流波形の模式図である。 実施例2で得られた、過渡光電流波形の変化の様子を示すグラフである。 実施例2で得られた、「二つの走行時間」(二つの肩)から求めた移動度を、n−octadecaneの濃度でプロットしたグラフである。 実施例3で得られた、二つの異なる走行時間に対応した「二つの肩」の他の例を示すグラフである。 実施例4で得られた、過渡光電流波形の一例を示すグラフである。 実施例5で得られた、過渡光電流波形の一例を示すグラフである。 実施例6で得られた、過渡光電流波形の一例を示すグラフである。 実施例7において、実施例2と同様のn−Hexaneによる希釈実験を行って得られた結果の一例を示すグラフである。 実施例8において、ポリスチレンをトルエンに加えて、過渡光電流の測定を行って得られた結果の一例を示すグラフである。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準とする(その他の場合は、例えば「モル%」のように明記する)。
(本発明のメカニズム)
本発明者らの知見によれば、本発明の有機半導体材料が電子および/又はホール伝導性を有するメカニズムは、以下のように推定されている。
本発明者らは、液晶物質において、しばしば観測されるイオン伝導が不純物として含まれるイオン性物質のみならず、電気的にトラップ準位を形成する不純物分子、つまり、一般には母体となる物質のHOMO準位とLUMO準位の間に、LUMO、あるいは、HOMO準位を持つ物質がイオン化することによって、イオン伝導が誘起されることを明らかにして来た。このような成果に基づき、従来より、有機物質の液体(等方的な液体)の電気伝導はイオン伝導であると考えられて来たような物質である「一般的な有機物質」においても、後述する要件を満たすような伝導機構を確認することができ、有機半導体として電子伝導性を活用できることを見出した。
本発明は基本的に、3つの側面を有する。これらは、物質の選択、物質の高純度化、伝導機構の確認である。
(物質の選択)
物質の選択では、デバイス機能、デバイスの駆動条件、電極材料の選択、デバイスの使用環境等の点から、材料中の電荷の輸送にかかわる準位のエネルギーレベルを選択することが必要となる。このため、本発明の半導体として用いる物質には、少なくとも一つの芳香族共役π―電子系を構造に有する有機物質を用いる必要がある。
(好適な有機物質)
本発明において使用可能な「少なくとも一つの芳香族共役π―電子系を構造に有する有機物質」は、特に制限されない。光学的特性の点からは、例えば、260nm以上の波長領域に光吸収ピーク(εMax)を有する物質が好適に使用可能である。
また、物質の化学的性質の点からは、いわゆるアプロティック(aprotic)な物質が好適に使用可能である。本発明の半導体材料が混合物の形態である場合には、通常は、該混合物を構成する各成分が、いずれもアプロティックであることが好ましい。本発明において、アプロティックとは、例えば、その化学構造式中に、金属Naと反応して水素ガスを発生させるような水素原子を有しない物質を言う。より実際的には、半導体材料の作動温度領域の下限温度で、その「乾燥状態」において金属Naに対して化学量論的な水素発生を与えない物質を言う(本発明においては、例えば、エタノールはアプロティックではない)。
(混合物)
本発明において、有機半導体材料は単一物質(例えば、化合物)であってもよく、また「混合物」の形態であっても良い。該混合物の形態は特に制限されないが、半導体材料の作動温度領域の下限温度で、均一で相分離をしないものであることが好ましい。この混合物は、例えば、溶液やゲルの形態であることができる。
(溶液)
有機半導体材料が「溶液」である態様においては、下記の溶質および溶媒が使用可能である。
(溶質)
半導体の性質を示す有機材料である限り、特に制限されない。例えば、電子写真分野において、従来より有機半導体(いわゆる「OPC」)感光体材料として使用されて来た種々の材料が使用可能である。このような有機半導体の例としては、以下のものを挙げることができる(該有機半導体の詳細に関しては、必要に応じて、文献:Paul M. Borsenberger & David S. Weiss "Organic Photorecepters for Xerography", Marcel Dekker Inc., New York, Basel, Hongkong, ISBN 0−8247−0173−9, 1998を参照することができる)。
(溶媒)
上記溶質との組合せにおいて、本発明の有機半導体材料を与える溶媒は、特に制限されない。このような「溶媒」としては、例えば、アプロティックな溶媒を用いることが好ましい。本発明において、アプロティックとは、その化学構造式中に、金属Naと反応して水素ガスを発生させるような水素原子を有しない物質を言う。より実際的には、半導体材料の作動温度領域の下限温度で、その「乾燥状態」において金属Naに対して化学量論的な水素発生を与えない物質を言う(本発明においては、例えば、エタノールはアプロティックではない)。
(半導体性の確認)
本発明の有機半導体材料が「半導体」の性質を示すことは、Time-of-flight法による評価によって、少なくとも正孔または電子のいずれか一方による伝導(電子性伝導)を観測することによって確認できる。
(作動温度領域)
本発明において、作動温度領域は特に制限されない。日常的な環境下における使用の点からは、この「作動温度領域」は−60℃〜+300℃程度が好ましく、更には−200℃〜+200℃程度(特に−20℃〜+120℃程度)が好ましい。
(等方相)
本発明の有機半導体材料が「等方相」であることは、以下の方法によって確認することができる。
一般に等方相、すなわち配向を示さない液体は、偏光顕微鏡によるテクスチャー観察を行うと、クロスニコル下では偏光性を示さないため、光が透過せず黒色になる。実際の観察では、試料をスライドガラスとカバーガラスに挟むか、液晶セルに注入し、必要に応じて加熱することにより、該試料の液体状態を偏光顕微鏡で観察し、クロスニコル下で光透過が遮断されること、すなわち、視野が黒色となることで確認すればよい。
(電子および/又はホール伝導)
本発明の有機半導体材料が「電子および/又はホール伝導」を示すことは、例えば、後述する「希釈法」による、移動度の測定によって確認することができる。
(好適な移動度)
本発明の有機半導体材料の「移動度」は、10−7cm/Vs以上であることが好ましく、更には10−6cm/Vs以上、特に10−5cm/Vs以上(とりわけ10−4cm/Vs以上)であることが好ましい。
(流動性)
本発明の有機半導体材料が「流動性」を有することは、以下の方法によって確認することができる。本発明において、この「流動性」は、完全な流動性でなくても良い(例えば、コールタールのように、ドロドロした材料でも使用可能である)。
よって、本発明において「流動性」を有するとは、以下のいずれかを満たすことを言う。
(a)保形性(shape−retaining property)を有しないこと;または
(b)被試験材料(例えば、一時的に保形性を有するように見える物質)を、底辺が1×1cm(w×d)、高さ(h)が10cmの直方体状に成形して、常温・常圧の状態で1週間放置する。この場合に、高さが9cm以下(すなわち、当初の高さとの相対比で0.9以下)になっていた場合に、「流動性あり」(すなわち、実質的に保形性を有しない)と判定する。この流動性は、作動温度領域の下限温度で測定する。
(保形性)
このように、本発明の有機半導体材料は、その作動温度領域において、実質的に保形性を有しないことによって、単なる固体と区別することができる。
(物質の高純度化)
物質の高純度化では、イオン性不純物の低減はもとより、当該物質に対して、電気的にトラップ準位を形成する不純物分子の低減を図ることが不可欠である。すなわち、一般には母体となる物質のHOMO準位とLUMO準位の間に、電子の輸送を目的とする場合はLUMO準位、正孔の輸送を目的とする場合はHOMO準位を有する物質(不純物分子)の低減を図ることが不可欠である。一般に、不純物分子の濃度は100ppm濃度以下にする必要があり、通常の機器分析を用いても構造決定はもとより、検出することすら困難な場合が多い。
この不純物については、応用の目的が有機半導体としての応用を目的としているため、前述の記載から明らかなように、問題となる不純物は、あくまで、イオン性不純物と当該物質に対して電気的にトラップ準位を形成する物質であることはいうまでもない。換言すれば、不純物が当該物質に対して電気的にトラップ準位を形成しない物質である場合は、希釈剤として作用するのみで、有機半導体としての基本的な特性を大きく損なうことにはならない。つまり、当該物質を有機半導体として用いる場合は、化学純度が問題となるのではなく、有機半導体としての機能を損なう「電気的に活性な不純物」の混入による電気的な純度が問題となる。本発明者らの、これまでの研究結果によると、電気的に活性な不純物の濃度は、100ppm以下に抑える必要があると考えられる。これは、このような不純物濃度が高い場合は、電子伝導は消失し、不純物のイオン化によるイオン伝導が誘起されてしまうためである。
目的とする物質の精製には、従来の有機化学的手法、たとえば、蒸留、再結晶、昇華、各種のクロマトグラフィー、あるいは、ゾーンメルト法、気相結晶成長法等を用いることができる。これらの方法を組み合わせて用いることは、特に有効である。
精製の度合いは、化学純度については高いほど良いのは確かであるが、前述のとおり、特に、半導体としての利用を考える場合は、化学純度そのものが問題となるのではなく、電気的に活性な不純物の濃度が問題となる。このため、後述するような、電気的に活性な不純物の評価方法に従って判断することが必要である。
(電気的に活性な不純物の評価)
次に、本発明に関わるもう一つの重要な柱となる有機液体中の電気的に活性な不純物の評価方法について述べる。
一般に、イオン伝導はイオン化した分子や原子(イオン)が媒質中を移動することによって起こる伝導である。このため、その移動度はイオン半径と媒質の粘性に支配され、イオン半径が大きければ移動度は小さくなり、粘性が高くなると移動度は小さくなる。この関係はWalden則として知られている。一般的な有機液体中のイオン伝導の移動度は10−5cm/Vs以下の値をとる。
(非結晶性物質における電子伝導)
一方、有機物の非結晶性物質における電子伝導は電荷が分子から分子へ渡り歩くホッピング伝導であるため、ホッピングのサイトとなる分子間距離とサイト間のエネルギー準位の違いが移動度を支配し、一般に純物質の場合、移動度は10−4cm/Vs以上の値となる場合が多い。この値は、大きなダイポールをもつ物質の構造や微量の浅いトラップ準位を形成する不純物が含まれる場合は、10−5cm/Vs以下の値となる場合もある。したがって、移動度の絶対値が10−4cm/Vs以下である場合はその値から伝導機構を判定することは一般に困難である。また、物質中に含まれる不純物の濃度によっては、電子伝導とイオン伝導の共存が見られる場合もある。いずれにしても、この伝導機構の違いはTime-of-flight法による過渡光電流測定と以下に述べる判定法によって確認することが不可欠となる。
(電子伝導とイオン伝導の区別)
有機物の液体の電子伝導とイオン伝導を区別するのに有効な方法の一つは、移動度の値とその電場、温度依存性から判断することである。移動度の測定温度が200℃以下の場合、10−3cm/Vs以上の移動度は電子伝導である可能性が極めて高い。移動度が10−4cm/Vsのオーダーの場合は電子伝導の可能性は高いと考えられるが、確認が必要となる。
また、液体相(等方相)の電子伝導による伝導では、一般に、電場依存性が見られる場合が多いのに対し、イオン伝導では一般に移動度の電場依存性が見られない。また、イオン伝導による伝導の活性化エネルギーは一般に粘性の温度依存性によると考えられており、電子伝導による活性化エネルギーと異なる。これを利用して、粘性の温度依存性と移動度の温度依存性を比較することも判断の参考となる。しかし、これらの特性の違いは目安を与えるだけで、厳密な確認方法とはならない。
(希釈剤の添加)
伝導機構が電子伝導であるか、イオン伝導であるかを判定する確実で簡便な方法は、電子的にトラップとならない物質(希釈剤)を添加し、希釈前後の移動度の変化を確認することである。
目的とする物質に比べて粘性の小さな希釈剤を用いて希釈を行った場合、希釈後の粘性は低下し、同時に希釈によって分子間距離は増大するため、観測された希釈前の伝導が電子伝導である場合は、移動度は低下し、逆に、希釈前の伝導がイオン伝導である場合は、粘性の低下によって希釈後の移動度は増加する。
ただし、トラップとなる不純物の濃度によっては、電子伝導とイオン伝導の共存を示す複数のシグナルが観測される場合がある。この場合は、希釈を行うと、前述のとおり、電子伝導の移動度は低下し、イオン伝導の移動度の増大が観測される。移動度の低下や増大の程度は、希釈剤の濃度と対象となる物質との粘性の違いの程度に依存するため、その選択によっては一方の移動度の変化が顕著には見られない場合がある。このような場合は、粘性に注意して希釈剤の選択を行うか、希釈剤の濃度を変えて移動度の変化を系統的に測定すれば、容易に伝導の機構を判定することができる。
また、対象とする物質の粘性が小さく、低い粘性を示す希釈剤が限られ、希釈によっても希釈後の粘性に大きな違いが見られない場合は、逆に粘性の高い物質を希釈剤として用いで、伝導機構を確認することもできる。この場合は、希釈によって電子伝導もイオン伝導も同時に移動度が低下する。この場合は、少量、たとえば10モル%以下の添加によって粘性を大きく増大できる高分子物質の添加が有効で、希釈剤を添加した場合の平均的な分子間距離の違いに比べて、粘性は大きく変化するため、伝導機構の違いを判定することが容易になる。
以上の方法と原理に基づいて、目的とする物質の液体相における伝導をTime-of-flight法により評価することにより、電子伝導性かイオン伝導性かを判定し、有機半導体としての利用の可否を判定できる。
(トラップとなる不純物の濃度)
一般に、対象とする物質の精製を進めていくと、トラップとなる不純物の濃度は逐次、減少して行く。Time-of-flight法により観測される過渡光電流波形は、不純物の濃度が高い場合、イオン伝導に基づくシグナルのみが観測され、精製が進むと電子伝導を示すシグナルが見え始め、イオン伝導によるシグナルとが同時に観測されるようになる。過渡光電流波形に電子伝導とイオン伝導の二つの伝導に基づくシグナルが観測される場合、電子伝導とイオン伝導の伝導に対する寄与は、過渡光電流の電子伝導と過渡光電流の波形分離を行い、それぞれの電流の時間による積分値から電荷量を求めることによって評価することができる(このような測定方法の詳細に関しては、必要に応じて、文献:Chemical Physics Letters 397(2004)319−323;Japanese Journal of Applied Physics Vol. 44, No. 6A, (2005),pp.3764−3768;J. Phys. Chem. B 2005,109,22120−22125;Physical Review B 72,193203(2005);Journal of Applied Physics,102,(2007)093718を参照することができる)。更に精製を進めると、最終的にはイオン伝導に基づくシグナルは消え、電子伝導を示すシグナルのみが観測されるようになる。
(移動度測定方法の一例)
本発明において使用可能な「移動度測定方法」を、以下に示す。
一般に、物質の示す移動度は、ホール効果の測定、time-of-flight法による過渡光電流の測定、トランジスタ等の素子特性の解析等によって決定することができる。しかしながら、本発明が係わる有機半導体材料の多くは、絶縁体の示す極めて小さな伝導率を示し、キャリア濃度が極めて小さく、電極との接触もオーミックとはならない場合が殆どである。このため、材料バルクの移動度を測定するためには、time-of-flight法による過渡光電流の測定ことが最も有力な手段となる。
(電子伝導の移動度)
一般に純物質の電子伝導の移動度は、物質移動を伴うイオン伝導の移動度より大きいため、精製に伴い、過渡光電流波形にこのような振る舞いが観測される場合は、走行時間の早い領域に精製に伴って現れるシグナルは電子伝導によるものと判断でき、遅い時間領域に見られるシグナルは不純物によるイオン伝導と判断することができる。
前述の方法を用いて、伝導機構を判定する場合、特に、粘性が小さい物質の場合はイオン伝導の移動度が大きくなり、電子伝導との区別がつきにくい場合がある、精製がすでに充分で純度が高く、time-of-flight法による過渡光電流波形に当初から一つの伝導によるシグナルのみが観測される場合は、移動度の絶対値、その温度・電場依存性、希釈剤による移動度の変化から総合的に伝導機構を判断する必要がある。この場合、希釈剤の添加による移動度の変化を評価する方法は有効で、対象とする物質の粘性に比べて、粘性の大きな物質を添加した場合と小さな物質を添加した場合の希釈前後の移動度の振る舞いを調べることが、特に、有効である。
対象とする物質の伝導機構を知るためには、精製を進め、Time-of-flight法による過渡光電流波形の測定を行うことにより、これまで述べた方法により伝導機構の判定が基本的に可能であるが、上述の希釈剤の添加による評価を行っても、伝導機構の判定が困難な場合が例外的にありうる。このような場合は、逆に、対象とする物質のHOMO、LUMO準位を参考にトラップとなる不純物を選択し、不純物を添加した試料のTime-of-flight法による過渡光電流の測定し、添加した不純物によるイオン伝導を観測することによって、不純物を添加する前の伝導機構を判定することができる。この場合、不純物として添加する物質は、対象とする物質とイオン半径が極端に違わないものを選択することが重要で、かつ、その濃度も希釈剤とならない程度、例えば、0.01〜1モル%程度の少量で、更に、添加後の粘性の変化も小さいものを選ぶ必要がある。このような条件で測定を行えば、イオン半径の違いはあるものの、対象とする物質中でのイオン伝導の値を知ることができ、伝導機構の判断に役立つ。
例えば、対象とした物質の過渡光電流の波形には一つの伝導によるシグナルのみが観測され、上述の不純物の添加によって、過渡光電流波形の遅い時間領域に新たな伝導を示すシグナルが現れる場合は、その移動度の値をイオン半径の違いを含めて判断することによって、不純物を添加する前の伝導機構が電子伝導であるか、イオン伝導であるかを判断することができる。
精製により不純物を低減し、電子伝導を確認できた有機物質の液体相(等方相)は、有機半導体として利用可能である。その応用の形態においては前述の希釈剤によって希釈して用いることも可能である。特に、高分子材料で希釈する場合は、少量の添加によって移動度の大きな低下を招くことなく大きく粘性を増加させることができるため応用によっては極めて有効で、また、イオン伝導の抑制に効果がある。
本発明では、有機物のイオン伝導の原因となる不純物を低減させ伝導がイオン伝導を抑制し、本来の電子伝導を実現することが基本的となる。このためには、イオン伝導の原因となる不純物の低減のために、物質の精製が重要で出るのは当然のことであるが、精製した物質の伝導機構がイオン伝導ではなく、電子伝導であることを確認することが不可欠である。この確認にはTime-of-flight法による過渡光電流の測定と、純物質の粘性に比べ、粘性を増加、あるいは、増加させることができる希釈剤の添加による電荷の走行時間の変化、あるいは、極微量の当該物質に対して電気的にトラップ準位を形成する物質をドープした際に見られるイオン伝導特性との比較を行うことによって、あるいは、これらを組み合わせ実施することにより可能である。
以下の実施例によって、本発明を詳細に説明するが、これらによって限定されるものではない。
測定例1
電子伝導とイオン伝導を区別するためのTime-of-flight法による過渡光電流の測定における注意点、測定に用いる試料の構造、実際に観測される過渡光電流の波形を示しながら本発明を説明する。
本発明で評価に用いるTime-of-flight法とは、測定試料に電界を印加し、電極近傍に偏在した電荷を生成させ、その電荷が対向電極へ到達する際の変位電流をオシロスコープ等により、時間の関数として測定する方法をさす。電荷が対向電極に向かって一定速度で移動することを前提として、試料を横切る電場が均一で、かつ、電荷の走行距離を試料の厚さとみなせる条件を設定できれば、電流波形から電荷が対向電極まで到達するのに要した時間、つまり、電荷の走行時間を見積もることにより、試料の厚さと電界強度、電荷の走行時間から、その試料における移動度を決定することができる。
この測定では、以上の原理に基づく移動度の測定を保証するために、一般に。試料厚の1/10以下の光の進入深さを有する吸収係数の大きな波長の光を励起光として電荷の走行時間に比べて1桁以上短いパルス光として照射することにより電極近傍に偏在した電荷を生成させる方法がとられる。また、この電荷生成手段として用いる光照射の条件(光波長、光強度、光照射時間)のほかに、試料の厚さ、ブロッキング接触を保証する電極の選択、電流測定に用いる外部抵抗の大きさ、測定系の時定数等を充分に考慮した測定条件の設定が不可欠となる。
図1に、上記測定に使用可能な試料の構造と測定系の例を示す。
測定に用いる液晶セル厚は移動度の決定に大きな影響を与えるため、電気容量の測定と光学特性の測定による干渉パターンの測定を併用し、正確に求める必要がある。同一のセルを用いて測定を行うことも有効である。また、高電界印加する場合は、セルの変形にも注意が必要である。
測定には、電極を設置した2枚のガラスあるいは石英製の基板をスペーサーを介して、一定の厚さになるように固定したセルに、試料となる液体を注入して用いる。この際、スペーサーやセルの作製に用いる部材から不純物の溶解し、試料に混入することがあるので注意が必要である。試料の厚さは照射光波長の試料への進入深さを考慮して、一般にはその10倍程度の厚さのセルを用いる。試料セルの電極は光照射を行うため、片側を半透明になるように蒸着やスパッタリング等により作製した半透明金属電極、あるいは、ITO等の透明電極を電極に用いる。この場合、電極から試料への電荷注入を抑制できるブロッキング接触となるように注意が必要である。過渡光電流の測定には、測定セルの電気容量、測定試料の抵抗値、接続する抵抗値、測定系の時定数に注意し、測定時間領域に応じた測定条件を選択することは言うまでもない。
この試料に電圧を印加し、窒素パルスレーザ、あるいは、YAGレーザの高調波等を利用して、パルス光照射を行い、電荷を光生成させる。この場合、光照射によって生成する電荷量は、試料の幾何学的容量と印加電圧によって決まる電荷量の10%以下に留め、空間電荷による影響を抑える必要がある。
光照射時間は、電荷の走行時間に比べて無視できる程度の短い時間でなければならない。光源には、窒素レーザやYAGレーザ等のパルス光(パルス幅が数十ns以下)を用いることができる。
図1にTime-of-flight測定の装置構成を示す。図2には測定される代表的な過渡光電流波形の模式図を示す。Time-of-flight法により測定される典型的な光電流波形においては、一般に、有機液体の測定波形は左側の示すようなノーマルスケールでプロットした場合に走行時間を示す肩が見られる。
電荷の走行時間の決定はノーマルスケールで図2のような肩が見え、かつ、電界強度によってこの位置が系統的に変化することを確認する必要がある。
一般に、純度の高い有機液体ではTime-of-flight法により測定される波形は、いわゆる、非分散型となり、リニアスケールで光電流を測定時間でプロットした場合、走行時間を示す明確な肩が観測される。この肩を走行時間、τとして、移動度μを、試料厚d、印加した電圧Vをもとに、μ=d/τVから求める。この場合、印加電圧を変え、電荷の移動速度を変化させた場合に、それに応じて走行時間が変わることを確認し、観測される肩が真に走行時間を表していることを確認する必要がある。
(液体有機半導体材料の用途)
有機半導体材料とは、一般に、Siなどの無機半導体材料と異なり、その定義は厳密ではなく、「その物質中を電流が流れることによって生じる機能を電子素子として利用することができる有機材料」を有機半導体と呼んでいる。
有機半導体材料の多くは、熱的に生成されるキャリア(正孔や電子)濃度は極めて小さく、そのため伝導度からみると絶縁体に分類されるもの多い。しかしながら、キャリア(正孔や電子)の輸送は可能であることから、光照射に伴うキャリアの生成や電極からのキャリアの注入などを利用して、有機半導体中にキャリアを導入して、その輸送や再結合に伴って発現する機能を用いて、光センサー、EL素子、トランジスタ、太陽電池などの種々の電子素子の作製に用いることができる。これは、基本的に、材料中で電子性伝導が起こる限り、固体、液体などの物質の形態によらない。
実際、液体性を示す液晶材料を用いて、光センサーや有機EL素子、太陽電池に利用した例数多く報告されている。例えば、Appl. Phys. Lett., 74, pp.2584−2586(1999)、Appl. Phys. Lett., 73, pp.1595−1597(1998)には、それぞれ、光センサや有機EL素子を作製した例が報告されている。また、非液晶性の液体を用いた例として、Appl. Phys. Lett., 95, pp053304(2009)には有機EL素子を作製した例が報告されている。
よって、本明細書に記載した方法によれば、液体物質における有機半導体としての特性を保証できることから、上記に記載した例に倣って、液体性有機半導体を用いた種々の電子素子が作製可能である。
実施例1
(移動度が10−3cm/Vs以上でイオン伝導を疑う必要のないもの)
液晶セルに精製したTPD(N,N'-diphenyl- N,N'-bis(3-methylphenyl)-[1,1'-diphenyl]-4,4'-diamine)を等方相温度で注入し、上記、Time-of-flight法で過渡光電流を測定し、電荷の走行時間から移動度を決定した。得られた移動度の値は、測定温度150℃において、正電荷、負電荷の値は、それぞれ、4×10−3cm/Vs、4×10−3cm/Vsであり、その値の大きさから、イオン伝導ではなく、正孔、電子による電子性の伝導と判断できる。
同様に、精製したTTA(Tritolylamine)では100℃において、正電荷、負電荷の移動度はそれぞれ、4×10−3cm/Vs、9×10−5cm/Vsで少なくとも正電荷については正孔による電子性の伝導であると判断できる。
実施例2
ITO電極(4mm角)を設置したガラスセルに6−(4’−octylphenyl)−2−dodecyloxynaphtalene(8−PNP−O12)を等方相(液体相:試料厚 15μm)において注入し、337nmの窒素レーザーパルス光(パルス幅:600ps、3μJ/パルス)の照射を行い、光照射側の電極に+150V、−150Vを印加し際に観測される過渡光電流をデジタルオシロスコープにより測定を行った。図5(左:正電荷の過渡光電流波形、右:負電荷による過渡光電流波形)に示す波形(黒色)には異なる時間領域に走行時間に対応する二つの肩が見られた。この伝導を明らかにするためn−octadecaneを用いた希釈実験を行った。n−octadecaneの濃度を16モル%から42モル%まで変えたときの過渡光電流波形の変化の様子を図5(緑:42モル%、赤;30モル%、青:16モル%)に示す。
正電荷、負電荷の過渡光電流波形に見られる二つの方のうち、短い時間領域に見られる肩はn−octadecaneの濃度を増加させるに従い、遅い時間領域にシフトし、遅い時間領域に見られるもうひとつの肩は早い時間領域にシフトが見られる。このことから、早い時間領域に見られる肩は電子性の伝導に、遅い時間領域に見られるもうひとつの肩はイオン伝導によるものと判断できる。また、図4には、その場合の二つの走行時間から求めた移動度をn−octadecaneの濃度でプロットしたものを示す。図4の8−PNP−O12の二つの移動度の希釈による変化(左:正電荷、右:負電荷)において、「黒」は早い電荷の走行時間から求めた移動度を表し、「赤」は遅い電荷の走行時間からの求めた移動度をあらわす。黒で示す電子伝導は希釈に伴い減少し、赤で示すイオン伝導による移動度は希釈に伴い増加している。
この結果より、130℃での正孔、電子の移動度はそれぞれ、1.1×10−4cm/Vs、1.1×10−4cm/Vs、正および負イオンの移動度はそれぞれ、2.7×10−5cm/Vs、4.6×10−5cm/Vsと決定された。
実施例3
実施例2と同様に、2−Phenylnaphthaleneを等方相(液体相:試料厚:16.31μm)においてITO電極(4mm角)を設置したガラスセルに注入し、105℃において、337nmの窒素レーザーパルス光(パルス幅:600ps、3μJ/パルス)の照射を行い、光照射側の電極に+10〜100V、−10V〜100Vを印加した際に観測される過渡光電流をデジタルオシロスコープにより測定を行ったおける過渡光電流波形を図5に示す。正電荷の波形には早いひとつ電荷の走行を示す肩が見られ、負の電荷の走行には二つの異なる走行時間に対応した「二つの肩」が見られる。
実施例2と同様に、希釈実験から正孔、電子の移動度としてそれぞれ、8.9×10−4cm/Vs、8.8×10−4cm/Vs、負イオンの移動度として、2.1×10−5cm/Vsと決定された。
実施例4
実施例2と同様に、ω,ω’−dioctylterthiopheneを等方相(液体相:試料厚:16.45μm)にITO電極(4mm角)を設置したガラスセルに注入し、100℃において、337nmの窒素レーザーパルス光(パルス幅:600ps、3μJ/パルス)の照射を行い、光照射側の電極に+15〜50V、−15V〜50Vを印加した際に観測される過渡光電流をデジタルオシロスコープにより測定を行ったところ、図6に示す過渡光電流波形が得られた。正電荷、および、負電荷の過渡光電流波形には、それぞれ二つの異なる走行時間に対応した二つの肩が見られた。
実施例2と同様に、希釈実験から正孔、電子の移動度としてそれぞれ、9.3×10−5cm/Vs、正および負イオンの移動度として、それぞれ、2.0×10−5cm/Vs 、2.9×10−5cm/Vsと決定された。
実施例5
実施例2と同様に、ω,ω’−dihexylcyquaterthiopheneを実施例2と同様に、等方相(液体相:試料厚:13.86μm)においてITO電極(4mm角)を設置したガラスセルに注入し、200℃において、337nmの窒素レーザーパルス光(パルス幅:600ps)の照射を行い、光照射側の電極に+15〜50V、−15V〜50Vを印加した際に観測される過渡光電流をデジタルオシロスコープにより測定を行ったところ、図7に示す過渡光電流波形が得られた。正電荷の波形には二つの異なる走行時間に対応した二つの肩が見られ、負電荷の走行には一つの肩が見られた。
実施例2と同様に、希釈実験(絶対値の大きさ)から正孔、電子の移動度としてそれぞれ、5.5×10−4cm/Vs、1.8×10−4cm/Vs正および負イオンの移動度として、それぞれ、8.0×10−5cm/Vs 、8.4×10−5cm/Vsと決定された。
実施例6
実施例2と同様に、ω,ω’−didodecyloxy-2-methylterphenyl (12O−TPMe−O12)を等方相(液体相:試料厚:10μm)においてITO電極(4mm角)を設置したガラスセルに注入し、170℃において、337nmの窒素レーザーパルス光(パルス幅:600ps)の照射を行い、光照射側の電極に+40〜100V、−40V〜100Vを印加した際に観測される過渡光電流をデジタルオシロスコープにより測定を行ったところ、図8に示す過渡光電流波形が得られた。正電荷の波形にはそれぞれひとつの走行時間に対応した肩が見られた。
実施例2と同様に、希釈実験から正孔、電子の移動度としてそれぞれ、9.7×10−5cm/Vs、1.0×10−4cm/Vsと決定された。
実施例7
実施例2と同様に、Tolueneを室温においてITO電極(4mm角)を設置した石英セル(液体相:試料厚:23.51μm)に注入し、23℃において、260nmのYAGレーザからのパルス光の照射を行い、光照射側の電極に+200V、−200Vを印加した際に観測される過渡光電流をデジタルオシロスコープにより測定を行ったところ、図9に示す過渡光電流波形が得られた。正、および、負電荷の波形にはそれぞれひとつの走行時間に対応した肩が見られた。実施例2と同様に、n−Hexaneによる希釈実験を行ったところ、わずかではあるが、図9に示すように、移動度の低下が見られた。
実施例8
上記実施例7における変化は明確ではないため、精製を充分に行ったスチレンモノマーを無触媒で熱重合し、得られたポリスチレンをトルエンに加え、同様に、過渡光電流の測定を行い、図10に示すように移動度を決定した。
この結果から、ポリスチレンを含むトルエンは粘性が大きく増加したにもかかわらず、移動度の大きな変化は見られなかった。この結果から、Tolueneの正孔、電子の移動度は、それぞれ8×10−4cm/Vs、8×10−4cm/Vsと決定された。
1 基板
2 電極
3 スペーサ
4 試料
5 電源(極性は正、負)
6 外部抵抗
7 デジタルオシロスコープ

Claims (14)

  1. 以下の工程を含む、有機物質の特性を測定する方法:
    (a)測定すべき有機物質を一対の電極間に配置し
    (b)前記有機物質に電荷を注入して、該有機物質の液体相における過渡電流をTime−of−flight法により測定し、
    (c)前記過渡電流を、電子伝導による電流とイオン伝導による電流に分離し、
    (d)前記分離された各電流に対応する電荷量を測定する。
  2. パルス状の電圧またはパルス状の光を前記有機物質に与えることにより、該有機物質に電荷を注入する請求項1に記載の方法。
  3. 前記有機物質が、電子および/又はホール伝導を示す程度に精製された有機物質である請求項1または2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記分離された各電流に対応する電荷量測定に基づき、前記有機物質の純度を評価する請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記有機物質が有機半導体材料であり、前記分離された各電流に対応する電荷量測定に基づき、該半導体材料の半導体特性を評価する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記半導体特性が、該半導体材料の電子材料としての純度(電子的なトラップとなりうる物質の相対的な濃度)である請求項5に記載の方法。
  7. 前記半導体特性が移動度であり、測定された移動度の値に基づき、該有機半導体材料における伝導が、電子伝導および/又はイオン伝導のいずれであるかを区別する請求項5に記載の方法。
  8. 前記移動度の測定値が10−3cm/Vsの場合に、該測定値に基づき、前記有機半導体材料における伝導を「電子伝導」として評価する請求項7に記載の方法。
  9. 前記移動度の値の希釈による粘性、または対象有機物質の平均分子間距離の希釈に伴う変化を利用して、電子伝導とイオン伝導を区別する請求項7または8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記有機物質におけるHOMO、LUMO準位に対して、電子的にトラップとならないHOMO、LUMO準位を有する物質を希釈剤に用いる請求項9に記載の方法。
  11. 前記有機物質が、混合物である請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記有機物質が、溶液の状態にある請求項11に記載の方法。
  13. 前記一対の電極が、それぞれ一対の基板上に配置され、且つ、前記有機物質に電荷を注入するための電荷注入手段が配置されている請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記一対の基板と、一対の電極と、電荷注入手段とが、電子伝導および/又はイオン伝導測定用のセルを形成する請求項13に記載の方法。
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