JP2015099056A - 管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストが安価で、しかも、管路内側に配置した止水継手を覆った状態で確実に水密試験を行うことができるようにする。【解決手段】水密試験装置1は、止水継手を覆う円筒状に形成された可とう性止水シート10と、拡張セグメント20とを備えている。可とう性止水シート10には、剛性板11、12が固定されている。拡張セグメント20は、剛性板11、12を押圧する押圧用突出部21、22と、耐圧部23とを備えている。【選択図】図5
Description
本発明は、管路接続部に設けられる止水継手の水密性を試験するための水密試験装置に関するものである。
一般に、例えば地中等に埋設されたコンクリート製管路の接続部には、漏水や外部からの水浸入を防止するための止水継手が設けられる。このため、管路の敷設工事では、止水継手による止水性が確保できているか否かを試験する水密試験が実施される。水密試験装置として例えば特許文献1〜3に開示されているものが知られている。
特許文献1の水密試験装置は、管路接続部の管内側に宛がわれるパッキンリングと、パッキンリングの内周面に配設される複数に分割された分割バックアップ板と、分割バックアップ板の内周面に配設される複数の支持枠とを備えている。パッキンリングの外周面には、内圧が加わると拡張するように形成された襞を有する環状凹部が形成されている。複数の分割バックアップ板は、組み合わされることでパッキンリングの内周側を覆う円筒状をなすように構成されている。支持枠は、分割バックアップ板の形状に沿うように円弧状に延びており、分割バックアップ板に沿って円を形作るように配置されて、隣接する支持枠の端部には、それぞれ連結板が設けられている。これら隣接する連結板の間隔が広がるように一対のネジで連結板を押すことにより、分割バックアップ板を介してパッキンリングを管路内面に圧着して水密試験を行うことができるようになっている。
特許文献2の水密試験装置は、管路接続部の管内側に配置されるゴムスリーブと、ゴムスリーブの内周面に幅方向に並んで配設される2条のバンド状部材と、各バンド状部材の内周面に沿うように設置される構造チェンとを備えている。構造チェンをピストンシリンダー装置によって押し拡げることにより、2条のバンド状部材を拡径してゴムスリーブを管路内面に圧着して水密試験を行うことができるようになっている。
特許文献3の水密試験装置は、管路接続部の管内側に配置されるパッキング材と、パッキング材の内周面に配設される複数の押さえ板と、押さえ板を管路内側から支持して径方向外向きに押圧する作用軸とを備えている。作用軸によって押さえ板を径方向外向きに押圧することでパッキング材を管路内面に圧着して水密試験を行うことができるようになっている。
上述したように管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置としては種々のものが知られているが、いずれのものも次に述べるような問題点を有している。
特許文献1の水密試験装置では、パッキンリングの断面が凹溝を有し、かつ、外周面に襞を有する形状である。このような断面形状を持ったものを押し出し成形した場合を想定すると、押し出し成形後の直線状のものを管路内面に沿うように円筒状に湾曲させることになるが、このような方法では内側と外側の周長差の影響によって凹溝を持った円筒状部材とすることはできない。そこで、管路の断面形状に合致するような大型の一体成形の金型を用意するか、分割した形状の複数の部材を金型でそれぞれ成形した後、繋ぎ合わせて円筒状にする必要がある。さらに、管路の径が様々であるので、各管路に合わせてパッキンリングを成形するための金型を用意しなければならず、製造コストが高騰するとともに、手間がかかる。
また、特許文献1では、支持枠の端部にある連結板を一対のネジで押すことによってパッキンリングを管路内面に圧着するようにしているが、これら一対のネジは支持枠の幅方向に並んでいるので、力のバランスが均等になるようにねじ込むのが困難であり、パッキンリングを管路内面に十分に圧着させる効果が期待できない。また、水密試験時の水圧が高くなる場合、分割バックアップ板はパッキンリングの全面を覆う形状にしてパッキンリングが分割バックアップ板の隙間から膨出しないようにしなければならない。
特許文献2の水密試験装置では、ゴムスリーブの断面が平坦に近い形状であるため、管路内側に配置した際、止水継手を収容する空間を形成することができず、水密試験を行うこと自体が難しい場合がある。また、2条のバンド状部材と、各バンド状部材を押し拡げるための2つの構造チェンと、構造チェンを押し拡げるピストンシリンダー装置とを備えているので、部品点数が多く構造が複雑で製造コストが高騰する。さらに、構造チェンはリンク部分が直線状であるため、部分的には2点でバンド状部材を押圧することになり、均一な押圧力を作用させることができず、水密試験中に試験水が漏れてしまう恐れがある。
特許文献3の水密試験装置では、パッキング材の断面がコ字状であるため、特許文献1のパッキンリングの成形と同様に成形が困難である。また、押さえ板のパッキング材押圧面が平板状であり、この押さえ板によってパッキング材の幅方向両端部を押圧しているが、水密試験時の水圧が高くなる場合、パッキング材が抜けてしまう恐れがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製造コストが安価で、しかも、管路内側に配置した止水継手を覆った状態で止水が安定で、かつ、確実に水密試験を行うことができるようにすることにある。
上記目的を達成するために、第1の発明は、
管路の接続部の管内側に漏水防止のために設けられる止水継手の止水性を試験する止水継手の水密試験装置において、
可とう性及び止水性を有するとともに、上記止水継手を覆う円筒状に形成された可とう性止水シートと、
上記可とう性止水シートの内周面側に配置されて上記可とう性止水シートを径方向外向きに押圧する拡張セグメントとを備え、
上記可とう性止水シートは、上記止水継手の幅よりも広い幅を有するとともに、注水部及び排水部を有しており、
上記可とう性止水シートの内周面における幅方向両端部には、上記止水継手の幅方向両端部よりも外側に位置するように、該可とう性止水シートよりも高剛性な剛性板がそれぞれ接合固定され、
上記拡張セグメントは、上記剛性板を上記可とう性止水シートの径方向外向きにそれぞれ押圧するように上記剛性板側へ突出する押圧用突出部と、該両押圧用突出部間に設けられる耐圧部とを備え、
上記止水継手を上記可とう性止水シートで覆い、上記拡張セグメントの押圧用突出部により上記可とう性止水シートの剛性板をそれぞれ押圧した状態で上記注水部から試験水を上記可とう性止水シートと上記止水継手との間に注入し、試験水の水圧によって上記可とう性止水シートを上記拡張セグメントの耐圧部に密着させた状態で所定の水圧の水密試験を行えるように構成されていることを特徴とする。
管路の接続部の管内側に漏水防止のために設けられる止水継手の止水性を試験する止水継手の水密試験装置において、
可とう性及び止水性を有するとともに、上記止水継手を覆う円筒状に形成された可とう性止水シートと、
上記可とう性止水シートの内周面側に配置されて上記可とう性止水シートを径方向外向きに押圧する拡張セグメントとを備え、
上記可とう性止水シートは、上記止水継手の幅よりも広い幅を有するとともに、注水部及び排水部を有しており、
上記可とう性止水シートの内周面における幅方向両端部には、上記止水継手の幅方向両端部よりも外側に位置するように、該可とう性止水シートよりも高剛性な剛性板がそれぞれ接合固定され、
上記拡張セグメントは、上記剛性板を上記可とう性止水シートの径方向外向きにそれぞれ押圧するように上記剛性板側へ突出する押圧用突出部と、該両押圧用突出部間に設けられる耐圧部とを備え、
上記止水継手を上記可とう性止水シートで覆い、上記拡張セグメントの押圧用突出部により上記可とう性止水シートの剛性板をそれぞれ押圧した状態で上記注水部から試験水を上記可とう性止水シートと上記止水継手との間に注入し、試験水の水圧によって上記可とう性止水シートを上記拡張セグメントの耐圧部に密着させた状態で所定の水圧の水密試験を行えるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、可とう性止水シートの形状を、止水継手を覆うことができる円筒状に形成するようにしているので、管路の径が異なっても、その径に対応する長さに切断したシート状の部材を円筒状に接合すれば可とう性止水シートが得られる。従って、金型のような高価な製造設備は不要で製造コストが安価になる。
また、拡張セグメントの押圧用突出部は拡張セグメントの本体部分となる耐圧部から突出しているので、拡張セグメントの耐圧部と管路内面との間には、押圧用突出部の突出量に対応した空間が形成されることになり、この空間に止水継手を収めることが可能になる。これにより、止水継手を覆うように水密試験装置を設置することが可能になる。
さらに、拡張セグメントの押圧用突出部によって可とう性止水シートよりも高剛性な剛性板をそれぞれ押圧するようにしているので、従来例のような複雑な機構を用いることなく、可とう性止水シートの幅方向両側を管路内面に確実に、かつ、安定して押し付けることが可能になり、試験水の漏れが抑制される。しかも、試験水の水圧によって可とう性止水シートを拡張セグメントの耐圧部に密着させているので、可とう性止水シートが膨張し過ぎることはない。よって、試験水の水圧が高くても正確な止水試験結果が得られる。
第2の発明は、第1の発明において、
第1及び第2拡張セグメントが上記可とう性止水シートの周方向に並ぶように配設され、
上記第1拡張セグメントの周方向一縁部近傍には、該第1拡張セグメントの幅方向中央部を通る中心線を対称の中心として線対称となるように配置されて該中心線に近づくに従って該第1拡張セグメントの周方向他縁部側に位置するように傾斜して延びる一対の第1拡張ガイドが設けられ、
上記第2拡張セグメントにおける上記第1拡張セグメントの周方向一縁部に対向する縁部近傍には、上記第1及び第2拡張セグメントの縁部間を幅方向に延びる線を対称の中心として上記第1拡張ガイドと線対称となるように配置された一対の第2拡張ガイドが設けられ、
上記第1拡張ガイド及び上記第2拡張ガイドの間に挿入される拡張装置によって上記第1及び第2拡張セグメントの縁部間を拡大させるように構成されていることを特徴とする。
第1及び第2拡張セグメントが上記可とう性止水シートの周方向に並ぶように配設され、
上記第1拡張セグメントの周方向一縁部近傍には、該第1拡張セグメントの幅方向中央部を通る中心線を対称の中心として線対称となるように配置されて該中心線に近づくに従って該第1拡張セグメントの周方向他縁部側に位置するように傾斜して延びる一対の第1拡張ガイドが設けられ、
上記第2拡張セグメントにおける上記第1拡張セグメントの周方向一縁部に対向する縁部近傍には、上記第1及び第2拡張セグメントの縁部間を幅方向に延びる線を対称の中心として上記第1拡張ガイドと線対称となるように配置された一対の第2拡張ガイドが設けられ、
上記第1拡張ガイド及び上記第2拡張ガイドの間に挿入される拡張装置によって上記第1及び第2拡張セグメントの縁部間を拡大させるように構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1拡張セグメントの第1拡張ガイドと、第2拡張セグメントの第2拡張ガイドとの間に拡張装置を挿入して拡張装置によって拡張力を作用させることで第1及び第2拡張セグメントの縁部間を拡大し、これにより、第1及び第2拡張セグメントの押圧用突出部を可とう性止水シートの剛性板に押し付けることが可能になる。
このとき、第1拡張ガイドは、第1拡張セグメントの幅方向の中心線を対称の中心として線対称に配置されて該中心線に対して傾斜しているので、拡張力が幅方向一方に偏ることはなく、第1及び第2拡張セグメントに対して安定して作用する。第2拡張ガイドも同様に配置されているので、第1及び第2拡張セグメントに対して拡張力がより一層安定して作用する。
第3の発明は、第1または2の発明において、
上記可とう性止水シートの外周面には、上記拡張セグメントの押圧用突出部に対応する部位に、管路内面に接触してシールするシール部材が設けられていることを特徴とする。
上記可とう性止水シートの外周面には、上記拡張セグメントの押圧用突出部に対応する部位に、管路内面に接触してシールするシール部材が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、可とう性止水シートと管路内面との間にシール部材が配設されるので、試験水の漏れがさらに抑制される。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、
上記可とう性止水シートの剛性板には、幅方向の少なくとも外側に、上記拡張セグメントの押圧用突出部に係合する係合突起が設けられていることを特徴とする。
上記可とう性止水シートの剛性板には、幅方向の少なくとも外側に、上記拡張セグメントの押圧用突出部に係合する係合突起が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、水密試験時、可とう性止水シートの剛性板の係合突起が拡張セグメントの押圧用突出部に係合し、この拡張セグメントの耐圧部が高い剛性を持っているので、試験水の水圧が作用した際に可とう性止水シートの縁部が水圧によって移動してしまうのが拡張セグメントによって阻止される。
第5の発明は、第2の発明において、
上記拡張装置を備えており、
上記拡張装置は、
流体圧シリンダ装置と、
上記第1拡張ガイドの傾斜部分に沿って延びる傾斜部を有する第1拡張板と、
上記第2拡張ガイドの傾斜部分に沿って延びる傾斜部を有する第2拡張板とを備え、
上記流体圧シリンダ装置の伸縮方向の一端部が上記第1拡張板に対して第1支軸を介して回動可能に連結され、
上記流体圧シリンダ装置の伸縮方向の他端部が上記第2拡張板に対して第2支軸を介して回動可能に連結されていることを特徴とする。
上記拡張装置を備えており、
上記拡張装置は、
流体圧シリンダ装置と、
上記第1拡張ガイドの傾斜部分に沿って延びる傾斜部を有する第1拡張板と、
上記第2拡張ガイドの傾斜部分に沿って延びる傾斜部を有する第2拡張板とを備え、
上記流体圧シリンダ装置の伸縮方向の一端部が上記第1拡張板に対して第1支軸を介して回動可能に連結され、
上記流体圧シリンダ装置の伸縮方向の他端部が上記第2拡張板に対して第2支軸を介して回動可能に連結されていることを特徴とする。
この構成によれば、流体圧シリンダ装置の伸び方向の動作によって第1拡張板及び第2拡張板をそれぞれ第1拡張ガイド及び第2拡張ガイドの傾斜部分に沿って移動させて拡張力を安定して作用させることが可能になる。このとき、第1拡張板及び第2拡張板の角度変化が第1支軸及び第2支軸によって許容されているので、第1拡張板及び第2拡張板を管内周面に沿った第1及び第2拡張セグメントの形状に沿うように変位させることが可能になる。
第1の発明によれば、止水継手を可とう性止水シートで覆い、拡張セグメントの押圧用突出部により可とう性止水シートの剛性板をそれぞれ押圧した状態で注水部から試験水を可とう性止水シートと止水継手との間に注入し、その試験水の水圧によって可とう性止水シートを拡張セグメントの耐圧部に密着させた状態で所定の水圧の水密試験を行えるようにしている。これにより、製造コストが安価で、しかも、管路内側に配置した止水継手を覆った状態で止水が安定で、かつ、確実に水密試験を行うことができる。
第2の発明によれば、第1拡張セグメントに幅方向の中心線を対称の中心として対称配置した一対の第1拡張ガイドを設け、第2拡張セグメントにも同様に第2拡張ガイドを設け、第1拡張ガイド及び第2拡張ガイドの間に拡張装置を挿入して第1及び第2拡張セグメントの縁部間を拡大させるようにしている。これにより、拡張力が第1及び第2拡張セグメントの幅方向一方に偏ることはなく、安定して作用するので、試験水が漏れるのを抑制できる。
第3の発明によれば、可とう性止水シートの外面に管路内面に接触するシール部材を設けたので、試験水が漏れるのを抑制できる。
第4の発明によれば、可とう性止水シートの剛性板に拡張セグメントの押圧用突出部に係合する係合突起を設けたので、試験水の水圧が作用した際に可とう性止水シートの縁部が水圧によって移動するのを阻止でき、試験水が漏れるのを抑制できる。
第5の発明によれば、流体圧シリンダ装置に対して第1支軸を介して第1拡張板を連結し、第2支軸を介して第2拡張板を連結するようにしているので、第1拡張板及び第2拡張板を拡張セグメントの形状に沿うように変位させて拡張力を確実に作用させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る止水継手の水密試験装置1の設置状態を管路100の軸線方向に沿って見た正面図である。尚、管路100は断面として表している。この実施形態の説明では、水密試験装置1の構成を説明する前に、管路100及び止水継手200の構成について説明する。
管路100は円管コンクリート部材で構成されており、この実施形態では地中に埋設されている場合を示す。複数の管路100が略水平に延びるように配置されて接続されることで例えば下水道等の水路が形成される。
図2及び図3に示すように、止水継手200は、隣接する管路100、100の間の接続部300からの漏水及び外部からの水浸入を防止しながら、管路100、100を接続するためのものである。止水継手200は、管路100の接続部300の管内側に設けられており、ゴム製の円筒状止水継手本体201と、2本の金属製拡張バンド202、202とで構成されている。止水継手本体201は、管路100の内周面に接触するように成形されている。拡張バント202、202は、隣接する管路100、100の目地を挟むように配置されており、止水継手本体201の外周面を管路100、100の内周面に密着させるためのものである。
次に水密試験装置1について説明する。図4〜図6に示すように、水密試験装置1は、止水継手200の止水性を試験するための装置であり、止水継手200を覆う可とう性止水シート10と、第1拡張セグメント20と、第2拡張セグメント30と、第3拡張セグメント40(図10に示す)とを備えている。第1〜第3拡張セグメント20、30、40により可とう性止水シート10を管路100の内面に押圧することができるようになっている。
可とう性止水シート10の材料としては、可とう性を有し、かつ、水を通さない水不透過性(止水性)を有するシートであれば使用することができる。例えば、ゴムや熱可塑性エラストマー等を使用したシートや、これらのシートの厚み方向中間部に織布や金属メッシュを挟んだ構造のシート等を使用することができる。可とう性止水シート10をゴム製とする場合には、例えば、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム等の加硫系ゴム製シートを使用することができる。可とう性止水シート10を熱可塑性エラストマー製とする場合には、軟質塩化ビニル、塩化ビニル樹脂系エラストマー、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、EVA系エラストマー等を使用することができる。
可とう性止水シート10は止水継手200の管内側に臨む部分全体を覆うことができるように寸法設定されており、具体的には、可とう性止水シート10の幅方向の寸法は、止水継手200の幅寸法よりも十分に長く設定されている。
また、図7や図8に示すように、可とう性止水シート10は、長尺シートを円筒状に丸めて突き当てた縁部同士をジョイントシート10aによって貼り合わせることで止水継手200の形状に対応した円筒状に成形される。ジョイントシート10aは、可とう性止水シート10の材料と同じ材料からなるものであり、可とう性止水シート10の幅方向に延びる形状となっている。ジョイントシート10aは、可とう性止水シート10の水路内(内周面)側に設けるのが好ましい。これにより、可とう性止水シート10の外面には凹凸がなく、平滑な面が形成されるので管路100の内面との間のシール性が高まる。
このように可とう性止水シート10を長尺シートから構成することで、管路100の内径が異なる場合に、管路100の内側の周長に合うように長尺シート部材を切断すれば、各管路100の内径に合うように丸めて可とう性止水シート10を容易に得ることができる。可とう性止水シート10は、拡張セグメント20の押圧用突出部21、22の間で余裕を持たせているので、試験水圧が作用しない状態ではシワが発生するが、試験水圧を作用させることで可とう性止水シート10が拡張セグメント20の内面に当たり、シワがなくなる。
図9に示すように、可とう性止水シート10における幅方向両端部には、第1剛性板11及び第2剛性板12がそれぞれ接合固定されている。図5に示すように、第1剛性板11は、止水継手200の幅方向の一端部(図5における左端部)よりも外側に位置するように配置されている。また、第2剛性板12は、止水継手200の幅方向の他端部(図5における右端部)よりも外側に位置するように配置されている。すなわち、第1剛性板11及び第2剛性板12の間に止水継手200が位置している。
第1剛性板11は、可とう性止水シート10よりも高剛性な材料からなるものであり、例えばステンレス鋼、アルミニウム合金、防錆メッキ鋼、防錆被覆鋼材等より選ばれる鋼鈑、又はこれら鋼鈑に前記熱可塑性エラストマーを被覆した熱可塑性エラストマー被覆鋼鈑、又は硬質塩化ビニル樹脂、ABS樹脂、PET等の硬質プラスチック、FRP等の繊維補強プラスチック等よりなる板状体を用いることができる。熱可塑性エラストマー被覆鋼鈑は、可とう性止水シート10が熱可塑性エラストマーシートである場合に熱融着による接着が可能であり望ましい。
可とう性止水シート10と第1剛性板11との接合固定方法としては、通常のゴム系、ウレタン系、アクリル系及びエポキシ系等の接着剤を用いた接着方法や、熱融着、溶剤溶着、加硫接着等の中から方法から選ぶことができるが、これらに限定されるものではなく、リベット等の機械的な結合方法であってもよい。特に第1剛性板11を軟質塩化ビニル被覆鋼鈑とし、可とう性止水シート10を軟質塩化ビニルとした場合には、軟質塩化ビニルの可とう性止水シート10を円筒状に接合するときの接合部の接着や、軟質塩化ビニルの可とう性止水シート10と第1剛性板11との接着の際に溶剤溶着や熱融着が容易となるので特に望ましい。
図8に示すように、複数の第1剛性板11が、可とう性止水シート10の周方向に隙間17ができるように設けられている。隙間17を設けることで、可とう性止水シート10を第1剛性板11、11の間で折ることができ、管路100内に容易に搬入することが可能になる。
各第1剛性板11は、円弧状に成形されている。図9に示すように、第1剛性板11は、可とう性止水シート10に接着される接着板部11aと、接着板部11aの幅方向両側から管内側へ突出する係合突起11b、11bとを有している例を示している。係合突起11b、11bも可とう性止水シート10の周方向に連続して延びている。係合突起11b、11bは、後述する拡張セグメント20の押圧用突出部21に対して幅方向両側からそれぞれ係合することにより、可とう性止水シート10が拡張セグメント20に対して幅方向両側にずれないようにするためのズレ防止用突起である。第2剛性板12も第1剛性板11と同様に構成されており、接着板部12aと係合突起12b、12bとを有している。
第1剛性板11及び第2剛性板12は、熱可塑性エラストマー被覆鋼鈑を上述した形状となるように折り曲げて成形すれば低コストで作製できるので好ましい。
可とう性止水シート10の外面において、後述する拡張セグメント20の押圧用突出部21、22に対応する部位には、管路100内面に接触するシール部材14がそれぞれ一対設けられている。一対のシール部材14、14は、可とう性止水シート10の幅方向に間隔をあけて配置されている。これらシール部材14は、可とう性止水シート10と同じ材料からなるものであってもよいし、軟質ゴムや軟質プラスチック、ゴムやプラスチックの発泡体材料、あるいはブチルゴム系粘着材等を使用することもできる。
図8に示すように、可とう性止水シート10には、注水部である注水管15と、排水部である排水管16とが設けられている。注水管15には、図示しない高圧水供給装置から試験水が導入されるようになっている。高圧水供給装置は、従来から周知の構造のものを用いることができ、試験を行うのに必要な高圧水を供給するポンプや注水管15に接続される配管、圧力ゲージ等を備えている。
図9に示すように、注水管15及び排水管16は可とう性止水シート10を貫通するように該可とう性止水シート10に取り付けられている。注水管15と排水管16とは、互いに可とう性止水シート10の周方向に離れている。また、注水管15と排水管16とは、熱可塑性エラストマーとしての軟質塩化ビニルシートを用いて、例えば熱融着または溶剤溶着によってシール性を確保しながら取り付けることができる。
図5に示すように、第1拡張セグメント20は、第1剛性板11及び第2剛性板12を可とう性止水シート10の径方向外向きにそれぞれ押圧するように剛性板11、12側へそれぞれ突出する突出する第1押圧用突出部21及び第2押圧用突出部22と、両押圧用突出部21、22間に設けられる耐圧部23とを備えている。耐圧部23は、試験時の水圧と同等の荷重が加わった際に殆ど撓み変形しない程度の高い剛性を有する鋼鈑等で構成することができる。耐圧部23の材料は例えば第1剛性板11及び第2剛性板12と同様な材料を用いることができる。
この実施形態では、図10に示すように、拡張セグメントの数を第1〜第3拡張セグメント20、30、40の3つとしている。これら第1〜第3拡張セグメント20、30、40を組み合わせると、管路100の内径に対応する略円環形状をなすようになっている。従って、第1〜第3拡張セグメント20、30、40の各々は、円を略3等分した円弧状となっている。
尚、拡張セグメントの数は、3つに限られるものではなく、2つであってもよいし、4つ以上であってもよいが、管路100内に搬入するのが容易な数が好ましい。
第1拡張セグメント20の耐圧部23は、上述した円弧状に湾曲した板で構成されている。図5に示すように、耐圧部23の幅は、可とう性止水シート10の幅と同程度に設定されている。耐圧部23の幅方向両側の管路100側に、上記第1押圧用突出部21及び第2押圧用突出部22が配置されている。
第1押圧用突出部21及び第2押圧用突出部22は、断面が耐圧部23の幅方向に長い四角形状の角管部材で構成されており、耐圧部23における周方向の両端に亘って延びている。第1押圧用突出部21及び第2押圧用突出部22を構成する材料は例えば第1剛性板11及び第2剛性板12と同様な材料を用いることができる。第1押圧用突出部21及び第2押圧用突出部22は、例えば溶接等の固定方法によって耐圧部23に固定することができる。
第1押圧用突出部21の幅は、第1剛性板11の係合突起11b、11bの離間寸法よりも若干狭く設定されている。第1押圧用突出部21が第1剛性板11の係合突起11b、11bの間に、第2押圧用突出部22が第2剛性板12の係合突起12b、12bの間にそれぞれ挿入可能となっている。
図10及び図13に示すように、第1拡張セグメント20と第3拡張セグメント40とは固定部60により固定されている。第1拡張セグメント20と第2拡張セグメント30とは、後述する方法によって両セグメント20、30間の隙間を広げることができるように非固定状態とされている。同様に、第2拡張セグメント30と第3拡張セグメント40とも非固定状態とされている。固定部60は、第1〜第3セグメント20、30、40を円形に管路100内に取り付ける際に、長さ調整の役割を持っている。
固定部60は、第1拡張セグメント20を第3拡張セグメント40に対して着脱可能に構成されている。これにより、第1〜第3拡張セグメント20、30、40を分解した状態で管路100内に搬入、管路100内から搬出できるので、搬入及び搬出の作業性が良好である。
固定部60は、第3拡張セグメント40の耐圧部43側から管路100内へ向けて突出するように設けられたネジ軸60a、60aと、ネジ軸60a、60aに螺合するナット60b、60b(図14に示す)とを備えている。ネジ軸60a、60aは、第1拡張セグメント20の耐圧部23側に形成された長穴60c、60c(図13に示す)にそれぞれ挿入されている。長穴60c、60cは、管路100の周方向に長くなっている。長穴60c、60cに挿入したネジ軸60a、60aにナット60b、60bを螺合させて締め込むことで第1拡張セグメント20と第3拡張セグメント40とが結合する。このとき、第1拡張セグメント20と第3拡張セグメント40の隙間が広くなるように拡張力を作用させた状態でナット60b、60bを締め込むことにより、高い拡張力を維持することもできる。
図6に示すように、第1拡張セグメント20の第1押圧用突出部21及び第2押圧用突出部22には、第1ガイド棒61及び第2ガイド棒62がそれぞれ挿入されて溶接等で固定されるようになっている。第1ガイド棒61及び第2ガイド棒62は、第1押圧用突出部21及び第2押圧用突出部22内から周方向に、第2拡張セグメント30側へ突出しており、全体として、第2拡張セグメント30の円弧形状と同様に円弧状に湾曲している。
第2拡張セグメント30は、基本構造が第1拡張セグメント20と同様であり、第1押圧用突出部31、第2押圧用突出部32及び耐圧部33を備えている。第2拡張セグメント30における第1拡張セグメント20側の第1押圧用突出部31及び第2押圧用突出部32には、第1拡張セグメント20の第1ガイド棒61及び第2ガイド棒62が挿入されるようになっている。第1押圧用突出部31及び第2押圧用突出部32に第1ガイド棒61及び第2ガイド棒62が挿入された状態で、第1拡張セグメント20と第2拡張セグメント30とが周方向に相対変位可能に結合される。
第2拡張セグメント30の第1押圧用突出部31及び第2押圧用突出部32に第1ガイド棒61及び第2ガイド棒62を挿入することで、第2拡張セグメント30が第1拡張セグメント20に対して幅方向及び管路100内側方向へ動かなくなり、周方向にのみ移動可能となり、かつ、その移動方向は第2拡張セグメント30の円弧(管路100の周方向)に沿う方向となる。
第2拡張セグメント30には、第1スペーサー64及び第2スペーサー65がそれぞれ挿入される第1挿入口30a及び第2挿入口30bが形成されている。第1挿入口30aは、第1押圧用突出部31の外側面における第1拡張セグメント20側の端部近傍において該端部から周方向に離れた部位に開口している。第1スペーサー64は、第1挿入口30aから挿入された状態で、第1押圧用突出部31に挿入された第1ガイド棒61の先端部と、第1挿入口30a内に配置された第1ストッパー部材66とに当接することで、第1ガイド棒61に対する第2拡張セグメント30の位置決めが行われる。同様に、第2挿入口30bは、第2押圧用突出部32の外側面における第1拡張セグメント20側の端部近傍において該端部から周方向に離れた部位に開口している。第2スペーサー65は、第2挿入口30bから挿入された状態で、第2押圧用突出部32に挿入された第2ガイド棒62の先端部と、第2挿入口30b内に配置された第2ストッパー部材67とに当接することで、第2ガイド棒62に対する第2拡張セグメント30の位置決めが行われる。
上記第1挿入口30a及び第2挿入口30b、第1スペーサー64及び第2スペーサー65、第1ストッパー部材66及び第2ストッパー部材67からなる構造は、後述するように第1拡張セグメント20及び第2拡張セグメント30に拡張力を作用させて両セグメント20、30間の隙間を拡大させることによって拡径させた際に、その拡径量を維持するための構造である。この構造は、第3拡張セグメント40と第2拡張セグメント30とが結合される部分にも設けられている。
第1拡張セグメント20における第2拡張セグメント30側の縁部(周方向一縁部)近傍には、一対の第1拡張ガイド24、25が設けられている。第1拡張ガイド24、25は、第1拡張セグメント20の幅方向中央部を通る中心線X1を対称の中心として線対称となるように配置されている。第1拡張ガイド24は、第1拡張セグメント20の幅方向一側(図6の左側)寄りに配置されており、中心線X1に近づくに従って第1拡張セグメント20における第3拡張セグメント40が連結される側の縁部(周方向他縁部)側に位置するように傾斜して延びている。
また、第1拡張ガイド25は、第1拡張セグメント20の幅方向他側(図6の右側)寄りに配置されており、中心線X1に近づくに従って第1拡張セグメント20における第3拡張セグメント40が連結される側の縁部(周方向他縁部)側に位置するように傾斜して延びている。つまり、第1拡張ガイド24、25は、第1拡張セグメント20における第2拡張セグメント30側の縁部に近づくに従って両ガイド24、25間が広くなるように配置されている。第1拡張ガイド24、25は、例えば耐圧部23と同様な材料で構成することができる。
また、第2拡張セグメント30における第1拡張セグメント20の周方向一縁部に対向する縁部近傍には、一対の第2拡張ガイド34、35が設けられている。第2拡張ガイド34、35は、第1及び第2拡張セグメント20、30の縁部間を幅方向に延びる直線X3を対称の中心として第1拡張ガイド24、25と線対称となるように配置されている。
すなわち、第2拡張ガイド34、35は、第2拡張セグメント30の幅方向中央部を通る中心線X2を対称の中心として線対称となるように配置されている。第2拡張ガイド34は、第2拡張セグメント30の幅方向一側(図6の左側)寄りに配置されている。また、第2拡張ガイド35は、第2拡張セグメント30の幅方向他側(図6の右側)寄りに配置されている。第2拡張ガイド34、35は、第2拡張セグメント30における第1拡張セグメント20側の縁部に近づくに従って両ガイド34、35間が広くなるように配置されている。第2拡張ガイド34、35は、例えば耐圧部33と同様な材料で構成することができる。
図10、図11、図13に示すように、第2拡張セグメント30と第3拡張セグメント40にも同様なガイド70〜73が設けられている。
図13に示すように、第3拡張セグメント40は、基本構造が第1拡張セグメント20と同様であり、第1押圧用突出部41、第2押圧用突出部42及び耐圧部43を備えている。
次に、図14〜図16に基づいて拡張装置80の構成について説明する。拡張装置80は、流体圧シリンダとしての油圧シリンダ装置81による推進力を利用して第1拡張セグメント20及び第2拡張セグメント30間の隙間を広げ、また、第2拡張セグメント30及び第3拡張セグメント40間の隙間を広げるように構成されている。これにより、第1〜第3拡張セグメント20、30、40が可とう性止水シート10を管路100の内面に押圧することができるようになる。
すなわち、拡張装置80は、上記油圧シリンダ装置81と、第1拡張ガイド24、25の傾斜部分に沿って延びる傾斜部82a、82aを有する第1拡張板82と、第2拡張ガイド34、35の傾斜部分に沿って延びる傾斜部83a、83aを有する第2拡張板83とを備えている。第1拡張板82は、第1拡張セグメント20の耐圧部23に沿うように形成され、また、第2拡張板83は、第2拡張セグメント30の耐圧部33に沿うように形成されている。第1拡張板82には、支軸板82b、82bが設けられている。また、第2拡張板83には、支軸板83b、83bが設けられている。
さらに、拡張装置80は、油圧シリンダ装置81のシリンダ側(油圧シリンダ装置81の伸縮方向の一端部)を第1拡張板82の支軸板82b、82bに対して回動可能に連結するための第1支軸84を有している。第1拡張板82は、第1支軸84周りに回動することで、第1拡張セグメント20の耐圧部23に常に沿うように角度調整される。
また、拡張装置80は、油圧シリンダ装置81のロッド側(油圧シリンダ装置81の伸縮方向の他端部)を第2拡張板83の支軸板83b、83bに対して回動可能に連結するための第2支軸85を有している。第2拡張板83は、第2支軸85周りに回動することで、第2拡張セグメント30の耐圧部33に常に沿うように角度調整される。
油圧シリンダ装置81には、ポンプ86が油圧ホース87を介して接続されている。ポンプ86には操作ハンドル86aが設けられている。ポンプ86を操作することで、油圧シリンダ装置81に油を供給して伸長させることができるとともに、供給した油を抜いて縮めることもできるようになっている。
次に、上記のように構成された水密試験装置1を用いて水密試験を行う要領について説明する。
管路100内に可とう性止水シート10及び第1〜第3拡張セグメント20、30、40を搬入する。このとき可とう性止水シート10は、第1剛性板11、11の隙間17及び第2剛性板12、12の隙間17で折りたたんだ状態で搬入することができ、搬入作業性が良好である。また、第1〜第3拡張セグメント20、30、40は、管路100の内径よりも大幅に短くなっているので、これらも搬入作業性が良好である。
搬入後、止水継手200を可とう性止水シート10で覆う。このとき、図5に示すように、止水継手200の全体を覆うように可とう性止水シート10を配置し、止水継手200の幅方向両側方に可とう性止水シート10の第1剛性板11及び第2剛性板12をそれぞれ配置する。これにより、シール部材14が管路100の内面に接触するように配置される。このとき、ジョイントシート10aが可とう性止水シート10の内周面側に設けられているので、可とう性止水シート10の外面には凹凸がなく、管路100の内面との間のシール性が高まる。
その後、図1に示すように、第1〜第3拡張セグメント20、30、40を可とう性止水シート10の内周面に沿うように配置して組み立てる。
すなわち、図6に示すように、第1拡張セグメント20の第1ガイド棒61及び第2ガイド棒62を、第2拡張セグメント30の第1押圧用突出部31及び第2押圧用突出部32に挿入する。また、図示しないが、同様に第2拡張セグメント30のガイド棒を第3拡張セグメント40の第1押圧用突出部41及び第2押圧用突出部42に挿入する。また、第3拡張セグメント40と第1拡張セグメント20とは、固定部60により固定する。このとき、ネジ軸60a、60aを長穴60c、60cに挿入した後、ナット60b、60bをネジ軸60a、60aに螺合させて締め付ける。これにより、第1〜第3拡張セグメント20、30、40が環状に形成される。
この状態で、第1拡張セグメント20の第1押圧用突出部21及び第2押圧用突出部22を可とう性止水シート10の第1剛性板11の係合突起11b、11bの間及び第2剛性板12の係合突起12b、12bの間にそれぞれ挿入して係合させておく。
しかる後、図14や図15に示すように拡張装置80をセットする。拡張装置80の第1拡張板82を第1拡張ガイド24、25間に挿入し、さらに、第2拡張板83を第2拡張ガイド34、35間に挿入する。そして、ポンプ86を作動させて油を油圧シリンダ装置81に送り込むと油圧シリンダ装置81が伸長して第1拡張板82及び第2拡張板83の間隔が広がる。これにより、第1拡張板82は第1拡張ガイド24、25により、第1拡張板82の中心線が第1拡張セグメント20の中心線X1と一致するように自動的に案内される。第2拡張板83も同様に、第2拡張板83の中心線が第2拡張セグメント30の中心線X2と一致するように自動的に案内される。そして、第1拡張セグメント20と第2拡張セグメント30との隙間が広がる方向に拡張力が作用する。このとき、第1拡張板82の中心線が第1拡張セグメント20の中心線X1と一致し、第2拡張板83の中心線が第2拡張セグメント30の中心線X2と一致しているので、拡張力が第1拡張セグメント20と第2拡張セグメント30の中心部に確実に作用する。これにより、拡張力を安定して作用させることができる。
その後、第1スペーサー64及び第2スペーサー65を第1挿入口30a及び第2挿入口30bにそれぞれ挿入する。第1スペーサー64及び第2スペーサー65は、寸法の異なるものを予め複数種用意しておき、拡張後の第1拡張セグメント20と第2拡張セグメント30との隙間の大きさに合わせて選択すればよい。
第2拡張セグメント30及び第3拡張セグメント40に対しても同様に拡張力を作用させることができる。
以上のようにして水密試験装置1が設置された後、注水管15から試験水を注入し、内部の残存エアーが抜けた状態で排水管16を閉塞する。試験水は、可とう性止水シート10と止水継手200との間に注入される。試験水が注入されると、可とう性止水シート10が管路100内方へ向けて膨張しようとするが、第1〜第3拡張セグメント20、30、40の耐圧部23、33、43により可とう性止水シート10を覆っているので、可とう性止水シート10は耐圧部23、33、43に密着するだけでそれ以上の膨張が抑制される。さらに、第1拡張セグメント20の第1押圧用突出部21及び第2押圧用突出部22を可とう性止水シート10の第1剛性板11の係合突起11b、11b及び第2剛性板12の係合突起12b、12bにそれぞれ係合させているので、試験水注入による膨張時の可とう性止水シート10の幅方向両側が変位することを抑制でき、試験水の漏れを防止できる。また、可とう性止水シート10のシール部材14、14が管路100の内面に押し付けられているので、このことによっても試験水の漏れを防止できる。
試験水の注入後、所定時間内に圧力が所定未満とならなければ止水継手200の止水性が良好であると判断でき、一方、所定時間内に圧力が所定未満となれば止水継手200の止水性が不十分であると判断できる。
試験終了後は、排水管16から試験水を排水すればよい。
以上説明したように、この実施形態によれば、止水継手200を可とう性止水シート10で覆い、拡張セグメント20、30、40の押圧用突出部21、22、31、32、41、42により可とう性止水シート10の剛性板11、12をそれぞれ押圧した状態で注水管15から試験水を可とう性止水シート10と止水継手200との間に注入し、その試験水の水圧によって可とう性止水シート10を拡張セグメント20、30、40の耐圧部23、33、43に密着させた状態で所定の水圧の水密試験を行うことができる。
また、可とう性止水シート10の形状を、止水継手200を覆うことができる円筒状に形成するようにしているので、管路100の径が異なっても、その径に対応する長さ切断したシート部材を円筒に成形すればよい。これにより、金型のような高価な製造設備は不要で製造コストが安価になる。
また、拡張セグメント20、30、40の押圧用突出部21、22、31、32、41、42は拡張セグメント20、30、40の本体部分から突出しているので、拡張セグメント20、30、40の耐圧部23、33、43と管路100内面との間には、押圧用突出部21、22、31、32、41、42の突出量に対応した空間が形成されることになる。これにより、止水継手200を覆うように水密試験装置1を配置することが可能になる。
さらに、拡張セグメント20、30、40の押圧用突出部21、22、31、32、41、42により可とう性止水シート10よりも高剛性な剛性板11、12をそれぞれ押圧するようにしているので、従来例のような複雑な機構を用いることなく、可とう性止水シート10の幅方向両側を管路100内面に確実に、かつ、安定して押し付けることが可能になり、試験水の漏れが抑制される。しかも、試験水の水圧によって可とう性止水シート10を拡張セグメント20、30、40の耐圧部23、33、43に密着させているので、可とう性止水シート10が膨張し過ぎることはない。よって、試験水の水圧が高くても正確な止水試験結果が得られる。
これにより、製造コストが安価で、しかも、管路100内側に配置した止水継手200を覆った状態で確実に水密試験を行うことができる。
尚、図17に示す変形例のように、第1拡張セグメント20の耐圧部23と、押圧用突出部27、28とを一体成形してもよい。耐圧部23の構成する板材の幅方向両側から突出するように押圧用突出部27、28を成形する。また、可とう性止水シート10の剛性板11、12は平板状に成形した例を示している。この変形例によれば、耐圧部23と押圧用突出部27、28とを一体成形することで部品点数が少なくなるが、板材の成形には特殊な機械が必要であり、また、拡張の仕方には工夫が必要である。第2拡張セグメント30及び第3拡張セグメント40も同様である。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明は、管路に設けられる止水継手の止水性を試験する際に使用することができる。
1 水密試験装置
10 可とう性止水シート
11 第1剛性板
11b 係合突起
12 第2剛性板
12b 係合突起
15 注水管(注水部)
16 排水管(排水部)
20 第1拡張セグメント
21 第1押圧用突出部
22 第2押圧用突出部
23 耐圧部
24、25 第1拡張ガイド
30 第2拡張セグメント
34、35 第2拡張ガイド
40 第3拡張セグメント
80 拡張装置
81 油圧シリンダ装置(流体圧シリンダ装置)
82 第1拡張板
83 第2拡張板
84 第1支軸
85 第2支軸
100 管路
200 止水継手
300 接続部
10 可とう性止水シート
11 第1剛性板
11b 係合突起
12 第2剛性板
12b 係合突起
15 注水管(注水部)
16 排水管(排水部)
20 第1拡張セグメント
21 第1押圧用突出部
22 第2押圧用突出部
23 耐圧部
24、25 第1拡張ガイド
30 第2拡張セグメント
34、35 第2拡張ガイド
40 第3拡張セグメント
80 拡張装置
81 油圧シリンダ装置(流体圧シリンダ装置)
82 第1拡張板
83 第2拡張板
84 第1支軸
85 第2支軸
100 管路
200 止水継手
300 接続部
Claims (5)
- 管路の接続部の管内側に漏水防止のために設けられる止水継手の止水性を試験する止水継手の水密試験装置において、
可とう性及び止水性を有するとともに、上記止水継手を覆う円筒状に形成された可とう性止水シートと、
上記可とう性止水シートの内周面側に配置されて上記可とう性止水シートを径方向外向きに押圧する拡張セグメントとを備え、
上記可とう性止水シートは、上記止水継手の幅よりも広い幅を有するとともに、注水部及び排水部を有しており、
上記可とう性止水シートの内周面における幅方向両端部には、上記止水継手の幅方向両端部よりも外側に位置するように、該可とう性止水シートよりも高剛性な剛性板がそれぞれ接合固定され、
上記拡張セグメントは、上記剛性板を上記可とう性止水シートの径方向外向きにそれぞれ押圧するように上記剛性板側へ突出する押圧用突出部と、該両押圧用突出部間に設けられる耐圧部とを備え、
上記止水継手を上記可とう性止水シートで覆い、上記拡張セグメントの押圧用突出部により上記可とう性止水シートの剛性板をそれぞれ押圧した状態で上記注水部から試験水を上記可とう性止水シートと上記止水継手との間に注入し、試験水の水圧によって上記可とう性止水シートを上記拡張セグメントの耐圧部に密着させた状態で所定の水圧の水密試験を行えるように構成されていることを特徴とする管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置。 - 請求項1に記載の管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置において、
第1及び第2拡張セグメントが上記可とう性止水シートの周方向に並ぶように配設され、
上記第1拡張セグメントの周方向一縁部近傍には、該第1拡張セグメントの幅方向中央部を通る中心線を対称の中心として線対称となるように配置されて該中心線に近づくに従って該第1拡張セグメントの周方向他縁部側に位置するように傾斜して延びる一対の第1拡張ガイドが設けられ、
上記第2拡張セグメントにおける上記第1拡張セグメントの周方向一縁部に対向する縁部近傍には、上記第1及び第2拡張セグメントの縁部間を幅方向に延びる線を対称の中心として上記第1拡張ガイドと線対称となるように配置された一対の第2拡張ガイドが設けられ、
上記第1拡張ガイド及び上記第2拡張ガイドの間に挿入される拡張装置によって上記第1及び第2拡張セグメントの縁部間を拡大させるように構成されていることを特徴とする管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置。 - 請求項1または2に記載の管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置において、
上記可とう性止水シートの外周面には、上記拡張セグメントの押圧用突出部に対応する部位に、管路内面に接触してシールするシール部材が設けられていることを特徴とする管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置。 - 請求項1から3のいずれか1つに記載の管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置において、
上記可とう性止水シートの剛性板には、幅方向の少なくとも外側に、上記拡張セグメントの押圧用突出部に係合する係合突起が設けられていることを特徴とする管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置。 - 請求項2に記載の管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置において、
上記拡張装置を備えており、
上記拡張装置は、
流体圧シリンダ装置と、
上記第1拡張ガイドの傾斜部分に沿って延びる傾斜部を有する第1拡張板と、
上記第2拡張ガイドの傾斜部分に沿って延びる傾斜部を有する第2拡張板とを備え、
上記流体圧シリンダ装置の伸縮方向の一端部が上記第1拡張板に対して第1支軸を介して回動可能に連結され、
上記流体圧シリンダ装置の伸縮方向の他端部が上記第2拡張板に対して第2支軸を介して回動可能に連結されていることを特徴とする管路接続部に設けられる止水継手の水密試験装置。
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