JP2015098468A - ヤナギタデスプラウト抽出物及びその製造方法、酵素活性阻害剤及び抗老化剤、並びに化粧料組成物及び機能性食品 - Google Patents

ヤナギタデスプラウト抽出物及びその製造方法、酵素活性阻害剤及び抗老化剤、並びに化粧料組成物及び機能性食品 Download PDF

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Abstract

【課題】皮膚の老化の改善・防止する作用を有する新規な植物抽出物及びその応用品を提供する。【解決手段】ヤナギタデ(Persicaria hydropiper)のスプラウトと抽出溶媒とを接触させ、前記スプラウトに含有される成分を抽出して得られてなるヤナギタデスプラウト抽出物。ヤナギタデスプラウト由来成分を有効成分とする酵素活性阻害剤は、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する優れた阻害活性を示し、抗老化剤、化粧料組成物、機能性食品等へ好適に使用できる。【選択図】図4

Description

本発明は、皮膚の老化の改善・防止する作用を有する新規な植物抽出物及びその応用品に関する。
皮膚の水分保持性、柔軟性又は弾力性は、真皮に含まれるエラスチン、コラーゲン等の細胞外マトリックス成分に起因しているが、これらエラスチン、コラーゲンの減少又は分解が皮膚老化の原因の1つといわれている。
細胞外マトリックス成分のうち、エラスチン、コラーゲン及びゼラチン(変性コラーゲン)は、それぞれの分解酵素であるエラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼにより分解される。そのため、エラスチン、コラーゲン及びゼラチンの分解酵素に関する合成量抑制もしくは酵素活性を阻害することにより皮膚の抗老化作用が期待できる。そこで、皮膚の老化防止やしわ防止作用等の抗老化作用を期待して、エラスチン、コラーゲン、ゼラチンの分解酵素の活性阻害剤を配合した皮膚外用剤や各種化粧料組成物、機能性食品が開発されている。
エラスターゼ活性阻害剤として、例えば、特許文献1にはオオウメガサソウを有効成分とするエラスターゼ活性阻害剤及び該阻害剤を含む化粧料組成物が開示されている。また、コラゲナーゼ活性阻害剤として、例えば、特許文献2には、アセロラ種子の抽出物を有効成分とするコラゲナーゼ活性阻害剤及び該阻害剤を含む化粧料組成物が開示されている。また、ゼラチナーゼ活性阻害剤として、例えば、特許文献3にはリンゴの未熟果実の水・アルコール溶媒抽出物を有効成分とするゼラチナーゼ活性阻害剤及び該阻害剤を含む皮膚老化抑制剤が開示されている。
より効果的に皮膚の老化を改善・抑制するためには、エラスチン及びコラーゲン両方、並びにゼラチンの分解を抑制することが望ましい。
非特許文献1にはヤナギタデの全草抽出物に関して、エラスターゼ活性阻害作用があることが報告されている。また、非特許文献1ではヤナギタデの全草抽出物にはコラゲナーゼ遺伝子発現抑制作用を有していることも報告されている。一方、特許文献4では、ヤナギタデの全草抽出物は、エラスターゼ活性阻害作用を有するが、コラゲナーゼ活性阻害作用を有さないと報告されている。
特開2005−29556号公報 特開2007−314552号公報 特開2013−139392号公報 米国特許出願公開第2012/0082737号明細書
J Cosmet Sci. 2007 Jan-Feb;58(1):19-33
上記非特許文献1や特許文献4で報告されているように、ヤナギタデの全草抽出物には、エラスターゼ活性阻害作用及びコラゲナーゼ遺伝子発現抑制作用を有しているため、エラスターゼの酵素活性を阻害し、かつ、生成されるコラゲナーゼ量を減少させることができる。しかしながら、ヤナギタデの全草抽出物は、コラゲナーゼに対する酵素活性阻害作用を有さないため、新たに生成されるコラゲナーゼ量は減少するものの、既に存在しているコラゲナーゼに起因するコラーゲンの分解を抑制することができないという課題があった。また、上記文献を含め、ヤナギタデ由来成分のゼラチナーゼ活性阻害作用についての報告例はない。
かかる状況下、本発明の目的は、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する酵素活性阻害作用を併せ持つヤナギタデ由来の抽出物、及びヤナギタデ由来成分を有効成分として含有する酵素活性阻害剤及び抗老化剤、並びに当該酵素活性阻害剤を配合した化粧料組成物ないし機能性食品を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ヤナギタデのスプラウトにコラゲナーゼ活性阻害作用、エラスターゼ活性阻害作用及びゼラチナーゼ活性阻害作用を有する有効成分が含まれていることを見出した。そして、ヤナギタデスプラウトから活性の低下を抑制して、有効成分を抽出する方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> ヤナギタデ(Persicaria hydropiper)のスプラウトと抽出溶媒とを接触させ、前記ヤナギタデスプラウトに含有される成分を抽出して得られるヤナギタデスプラウト抽出物。
<2> 前記抽出溶媒が、必須成分として1,3−ブチレングリコールを含有し、さらに水及びエタノールの少なくとも1種を含有する混合溶媒である前記<1>に記載のヤナギタデスプラウト抽出物。
<3> 前記抽出溶媒における1,3−ブチレングリコールの割合が、20体積%以上80体積%以下である前記<2>に記載のヤナギタデスプラウト抽出物。
<4> 前記抽出溶媒が、水及びエタノールの少なくとも1種である前記<1>に記載のヤナギタデスプラウト抽出物。
<5> ヤナギタデスプラウト由来成分を有効成分として含有し、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼから選択される少なくとも1種の酵素に対する活性阻害作用を有する酵素活性阻害剤。
<6> エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼのすべての酵素に対する活性阻害作用を有する前記<5>に記載の酵素活性阻害剤。
<7> ヤナギタデスプラウト由来成分が、前記<1>から<4>のいずれかに記載のヤナギタデスプラウト抽出物である前記<5>または<6>に記載の酵素活性阻害剤。
<8> 前記<5>から<7>のいずれかに記載の酵素活性阻害剤を含有する抗老化剤。
<9> 前記<5>から<7>のいずれかに記載の酵素活性阻害剤を配合してなる化粧料組成物。
<10> 前記<5>から<7>のいずれかに記載の酵素活性阻害剤を配合してなる機能性食品。
<11> ヤナギタデ(Persicaria hydropiper)のスプラウトと、1,3−ブチレングリコールと水及びエタノールの少なくとも1種とを含有する抽出溶媒とを接触させ、前記スプラウトに含有される成分を抽出するヤナギタデスプラウト抽出物の製造方法。
<12> 前記抽出溶媒における1,3−ブチレングリコールの割合が、20体積%以上80体積%以下である前記<11>に記載のヤナギタデスプラウト抽出物の製造方法。
本発明によれば、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する酵素活性阻害作用を有するヤナギタデスプラウト抽出物、及びヤナギタデスプラウト由来成分を有効成分として含有する酵素活性阻害剤及び抗老化剤、並びにヤナギタデスプラウト由来成分を配合した化粧料組成物及び機能性食品が提供される。
エタノール/水系混合溶媒で抽出したヤナギタデスプラウト抽出物(5体積%)による、エタノール濃度とブタ膵臓由来エラスターゼ活性阻害率の関係を示す図である。 エタノール/水系混合溶媒で抽出したヤナギタデスプラウト抽出物(2体積%)による、エタノール濃度とコラゲナーゼ活性阻害率の関係を示す図である。 1,3−ブチレングリコール(BG)/水系混合溶媒で抽出したヤナギタデスプラウト抽出物(5体積%)による、BG濃度とブタ膵臓由来エラスターゼ活性阻害率の関係を示す図である。 1,3−ブチレングリコール(BG)/水系混合溶媒で抽出したヤナギタデスプラウト抽出物(0.2体積%)による、BG濃度とコラゲナーゼ活性阻害率の関係を示す図である。
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。なお、本明細書において、「〜」という表現を用いた場合、その前後の数値または物理値を含む意味で用いることとする。
<1.ヤナギタデスプラウト抽出物>
本発明のヤナギタデスプラウト抽出物(以下、「本発明の抽出物」と称す場合がある。)は、ヤナギタデ(Persicaria hydropiper)のスプラウトと抽出溶媒とを接触させ、前記スプラウトに含有される成分を抽出して得られる抽出物である。
本発明のヤナギタデスプラウト抽出物は、エラスターゼ、コラゲナーゼ、及びゼラチナーゼに対する酵素活性阻害作用を有することに特徴がある。そのため、エラスターゼによるエラスチンの分解、コラゲナーゼによるコラーゲンの分解、ゼラチナーゼによるゼラチンの分解を抑制することができる。また、上述の通り、特許文献4や非特許文献1で開示されたヤナギタデの全草抽出物では、エラスターゼの活性阻害作用を有すが、コラゲナーゼの活性阻害作用は有さない。
本発明の抽出物の原材料となるヤナギタデ(Persicaria hydropiper)はイヌタデ属植物であり、そのスプラウト(芽タデ)は、さしみのつま、タデ酢等として食用にされている。ヤナギタデスプラウトは、事前処理せずにそのまま溶媒抽出に使用することもできるが、通常、抽出効率を高めるため、スライス、粉砕、圧搾またはすりおろす等により、細粒物として使用する。
本発明において、「抽出物」とは、抽出対象となるヤナギタデスプラウト、又はこれを必要に応じて乾燥、細切したものを溶媒抽出して、有効成分の含有率を高めた形態のものを総括した概念である。具体的にはヤナギタデスプラウトを抽出原料として得られる抽出液、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。なお、抽出液を乾燥して得られる乾燥物も、抽出物に該当するものとする。
抽出溶媒としては、ヤナギタデスプラウトに含有されるコラゲナーゼ活性阻害作用、エラスターゼ活性阻害作用及びゼラチナーゼ活性阻害作用を発現する有効成分を抽出できるものであればよい。具体例としては、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられる。なお、抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
これらの抽出溶媒は単独又はこれら2種以上の混合物として使用することができ、2種以上の溶媒の混合液を抽出溶媒として使用する場合、その混合比は適宜調整することができる。
なお、抽出溶媒には、本発明の効果を損なわない範囲で添加剤を含んでいてもよい。例えば、pH調整剤、粘度調整剤などが挙げられる。
本発明のヤナギタデスプラウト抽出物において、抽出溶媒が1,3−ブチレングリコールを必須溶媒とし、さらに水及びエタノールの少なくとも1種を含有する混合溶媒であることが好ましい。ヤナギタデのスプラウトと、1,3−ブチレングリコールと水及びエタノールの少なくとも1種とを含有する抽出溶媒とを接触させ、前記スプラウトに含有される成分を抽出する製造方法により得られたヤナギタデスプラウト抽出物は、他の溶媒で抽出した場合と比較して、エラスターゼ及びコラゲナーゼ及びゼラチナーゼのすべての酵素に対する優れた活性阻害作用を示す。
なお、1,3−ブチレングリコールを単独で抽出溶媒として使用し、ヤナギタデスプラウト抽出物を得た場合、当該抽出物によるエラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する活性阻害作用は上記混合溶媒と比較して小さい。
このように抽出溶媒として1,3−ブチレングリコール単独でなく、水及びエタノールの少なくとも1種を含有する混合溶媒とすることにより、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する活性阻害作用が向上する理由については、現在のところ完全に明らかではないが、1,3−ブチレングリコールと、極性の異なる水やエタノールとの相乗作用により、ヤナギタデスプラウトから、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する活性阻害作用を有する成分が効率的に抽出されるものと推測される。
なお、水やエタノールは、ヤナギタデスプラウトと抽出溶媒とを接触させる際に、1,3−ブチレングリコールと共存する必要があり、1,3−ブチレングリコール単独で抽出したヤナギタデスプラウト抽出物に、水やエタノールを添加したり、水やエタノールにより抽出したヤナギタデスプラウト抽出物に、1,3−ブチレングリコールを添加しても優れたコラゲナーゼ活性阻害作用及びエラスターゼ活性阻害作用はほとんど示さない。
また、水、エタノール、1,3−ブチレングリコールは、皮膚外用剤、化粧料組成物として適用可能である溶媒である。上記混合溶媒を使用する場合、水、エタノールのみでは粘度が低すぎる場合があるが、適度な粘度を有する1,3−ブチレングリコールにより、保湿効果も加わるため、皮膚外用剤、化粧料組成物として好適である。
エラスターゼ及びコラゲナーゼに対する、より優れた活性阻害作用を得るためには、抽出溶媒における1,3−ブチレングリコールの割合が、20体積%以上80体積%以下であることが好適であり、より好適には40体積%以上80体積%以下である。
なお、水とエタノールの割合は任意であるが、水とエタノールの合計を100体積%としたときに、40体積%以上60体積%以下であることが好ましい。
また、同様にゼラチナーゼに対する活性阻害作用を得るためには、抽出溶媒における1,3−ブチレングリコールの割合が、20体積%以上80体積%以下であることが好適であり、より好適には40体積%以上80体積%以下である。
なお、水とエタノールの割合は任意であるが、水とエタノールの合計を100体積%としたときに、40体積%以上60体積%以下であることが好ましい。
また、本発明の酵素活性阻害剤の使用形態として、経口摂取を想定する場合には、抽出溶媒が水及びエタノールの少なくとも1種であることが好ましい。この場合、水及びエタノールの割合は任意であるが、水とエタノールの合計を100体積%としたときに、40体積%以上60体積%以下であることが好ましい。
ヤナギタデスプラウトから抽出物を抽出する方法は特に限定されず、常法に従って行なわれる。例えば、ヤナギタデスプラウトと、抽出溶媒とを互いに充分に攪拌し混合後、ヤナギタデスプラウトから溶媒中に、有効成分が十分に抽出されるまで一定期間静置する。抽出時間は、抽出溶媒の種類や、ヤナギタデスプラウトと抽出溶媒との割合によっても変化するが、0.5〜3時間程度である。
また、抽出物に含まれる残渣を取り除くため、濾過や遠心分離を行ってもよい。また、得られた抽出液はそのまま利用してもよいが、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施してもよい。
なお、この抽出操作は品質劣化を避けるために常温で行うのが好ましいが、抽出効率を上げるために加温状態にして行うことも可能である。また、必要に応じてヤナギタデスプラウト抽出物の割合を高めるため、減圧濃縮や凍結乾燥により溶媒除去してもよい。
抽出溶媒は上述の通り、ヤナギタデスプラウトに含有される、エラスターゼ活性阻害作用、コラゲナーゼ活性阻害作用及びゼラチナーゼ活性阻害作用を発現する有効成分を抽出できるものであればよい。
好適なヤナギタデスプラウト抽出物の製造方法を例示すると、ヤナギタデのスプラウトと、1,3−ブチレングリコールと水及びエタノールの少なくとも1種とを含有する抽出溶媒とを接触させ、前記スプラウトに含有される成分を抽出する方法が挙げられる。1,3−ブチレングリコールと水及びエタノールの少なくとも1種とを含有する抽出溶媒を使用することにより、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する、より優れた阻害活性を有する抽出物を得ることができる。この製造方法の場合、抽出溶媒におけるブチレングリコールの割合が、20体積%以上80体積%以下が好適であり、より好適には40体積%以上80体積%以下である。
ヤナギタデスプラウトに対する抽出溶媒の量は特に制限はないが、通常、ヤナギタデスプラウトに対して重量比で1〜100倍量程度である。抽出溶媒に、1,3−ブチレングリコールと水及びエタノールの少なくとも1種とを含有する抽出溶媒を使用する場合には、ヤナギタデスプラウトに対して重量比で5〜50倍量であることが好ましい。
本発明のヤナギタデスプラウト抽出物は、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する阻害作用を併せ持つと共に、人体に対する毒性や刺激性が少ない。そのため、各種外用剤、服用剤、化粧料組成物、機能性食品等の用途に使用することができる。なお、本発明のヤナギタデスプラウト抽出物の酵素活性阻害作用は、ヒト由来のエラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに限定されるわけではない。そのため、直接的にヒトに使用する応用品のみならず、ヒト由来以外のエラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼ阻害作用を利用した応用品にも使用できる。
<2.酵素活性阻害剤>
本発明の酵素活性阻害剤は、ヤナギタデスプラウト由来成分を有効成分として含有し、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼから選択される少なくとも1種の酵素に対する活性阻害作用を有する。すなわち、本発明の酵素活性阻害剤は、ヤナギタデスプラウト由来成分を有効成分として含有する、エラスターゼ活性阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤、ゼラチナーゼ活性阻害剤として使用することができる。また、本発明の酵素活性阻害剤は、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼのすべてに対する活性阻害作用を有する酵素活性阻害剤として使用することもできる。
ここで、本発明の酵素活性阻害剤が含有する「ヤナギタデスプラウト由来成分」は、ヤナギタデスプラウト未加工品、加工品に含まれる成分のうち、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼから選択される少なくとも1種の酵素に対する阻害作用を有する成分である。すなわち、本発明の酵素活性阻害剤に含有されるヤナギタデスプラウト由来成分は、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼから選択される少なくとも1種の酵素に対する阻害作用を有する限り、その態様には任意であり、上述したヤナギタデスプラウト抽出物のみならず、未処理のヤナギタデスプラウト及びその細断物、ヤナギタデスプラウトの搾り汁やヤナギタデスプラウト乾燥物等のヤナギタデスプラウト未加工品、加工品の形態でもよい。
但し、本発明の酵素活性阻害剤におけるヤナギタデスプラウト由来成分として、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する阻害作用を有する有効成分の含有率が高く、これらの酵素に対する阻害作用に優れる点で、ヤナギタデスプラウト抽出物がより好適である。そのため、本発明の酵素活性阻害剤は、有効成分としてヤナギタデスプラウト抽出物を含有することが好ましい。
また、上述の通り、ヤナギタデスプラウト抽出物は、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する阻害作用を併せ持つため、これを有効成分として含有する、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼのすべてに対する活性阻害作用を有する酵素活性阻害剤として好適に使用することができる。また、本発明の酵素活性阻害剤は、有効成分としてヤナギタデスプラウト抽出物を含有する場合でも、エラスターゼ活性阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤、ゼラチナーゼ活性阻害剤としても使用することができる。
本発明の酵素活性阻害剤におけるエラスターゼ活性阻害作用、コラゲナーゼ活性阻害作用及びゼラチナーゼ阻害作用は、有効成分であるヤナギタデスプラウト由来成分の量に依存し、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼのいずれかの酵素の活性阻害率が30%以上(好適には40%以上)となる範囲で決定される。より好適には、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼのすべての酵素に対する活性阻害率が40%以上となる範囲で決定される。
なお、本発明の酵素活性阻害剤は、上述の通り、エラスターゼ活性阻害剤、コラゲナーゼ活性阻害剤、又はゼラチナーゼ活性阻害剤として用いることもできる。
本発明の酵素活性阻害剤の有効成分として、ヤナギタデスプラウト抽出物を使用されている場合、ヤナギタデスプラウト抽出物は、コラゲナーゼ活性阻害作用が高いため、コラゲナーゼ活性阻害剤として好適である。また、ヤナギタデスプラウト抽出物は、ゼラチナーゼ活性阻害作用が高いため、ゼラチナーゼ活性阻害剤として好適である。
本発明の酵素活性阻害剤の有効成分として、ヤナギタデスプラウト抽出物を使用されている場合、ヤナギタデスプラウト抽出物を、原液をそのまま用いても、濃縮して濃縮液として用いてもよく、原液あるいは濃縮液を希釈溶媒に溶解して使用してもよい。この希釈溶媒としては、酵素活性阻害作用を著しく損なわないものであれば特に限定されるものではなく、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等を例示することができる。
本発明の酵素活性阻害剤の形態としては特に限定はないが、一般に皮膚に塗布する形の皮膚外用剤として用いられる場合には、液状やクリーム状である。この場合、酵素活性阻害剤は、必要に応じて、通常医薬品、医薬部外品に配合される、油性成分、可溶化剤、保湿剤、色素、乳化剤、増粘剤、香料等の任意の成分を含有することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の薬効植物抽出物を添加してもよい。
また、本発明の酵素活性阻害剤は、入浴剤、ボディーソープ、シャンプー等の入浴用組成物に配合して用いてもよい。剤型としては、一般に用いられる、水溶液、W/O型又はO/W型エマルション、適当な賦形剤等を用いて顆粒剤その他の粉末、錠剤等としてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の薬効植物抽出物を添加してもよい。
また、本発明の酵素活性阻害剤は経口用組成物とすることもできる。この場合、経口投与に利用される剤形としては、具体的には、固形製剤として、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ等が挙げられる。また、液状製剤として内用液剤、外用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等が例示され、これら剤形やその他の剤形が目的に応じて適宜選択される。また、必要に応じて、医薬品・医薬部外品・食品などに配合される任意の成分を含有することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の薬効植物抽出物を添加してもよい。
(抗老化剤)
また、本発明の抗老化剤は上記本発明の酵素阻害剤を含有してなり、エラスターゼ、コラゲナーゼ、及びゼラチナーゼの少なくとも一つの酵素に対する活性阻害作用(好適にはエラスターゼ、コラゲナーゼ、及びゼラチナーゼのすべての酵素に対する活性阻害作用)に起因して抗老化作用を有する。
ここで、本発明における「抗老化作用」とは、皮膚のしわ、たるみなどを有効に防止・改善などを含む概念である。
本発明の抗老化剤は、上記本発明の酵素阻害剤をそのまま使用してもよく、従来の公知の抗老化剤に使用される任意の成分を含有していてもよい。
本発明の抗老化剤の形態としては特に限定はないが、一般に皮膚に塗布する形の皮膚外用剤として用いられる場合には、液状やクリーム状である。この場合、抗老化剤は、必要に応じて、通常医薬品、医薬部外品に配合される、油性成分、可溶化剤、保湿剤、色素、乳化剤、増粘剤、香料等の任意の成分を含有することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の薬効植物抽出物を添加してもよい。
また、本発明の抗老化剤は、入浴剤、ボディーソープ、シャンプー等の入浴用組成物に配合して用いてもよい。剤型としては、一般に用いられる、水溶液、W/O型又はO/W型エマルション、適当な賦形剤等を用いて顆粒剤その他の粉末、錠剤等としてもよい。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の薬効植物抽出物を添加してもよい。
また、本発明の抗老化剤は経口用組成物とすることもできる。この場合、経口投与に利用される剤形としては、具体的には、固形製剤として、粉末剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ等が挙げられる。また、液状製剤として内用液剤、外用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等が例示され、これら剤形やその他の剤形が目的に応じて適宜選択される。また、必要に応じて、医薬品・医薬部外品・食品などに配合される任意の成分を含有することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の薬効植物抽出物を添加してもよい。
(化粧料組成物)
本発明の化粧料組成物は、上記本発明の酵素阻害剤を配合してなることを特徴とする。上述の通り、本発明の酵素阻害剤に含まれるヤナギタデスプラウト由来の有効成分(特にはヤナギタデスプラウト抽出物)は、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼに対する阻害作用を併せ持ち、これらの酵素に対する活性阻害作用に起因する抗老化作用を有し、かつ、各種化粧料基材及び化粧料添加物に対する安定性も高いため、化粧料組成物に好適に使用することができる。
化粧料組成物への本発明の酵素阻害剤の配合割合は任意であるが、化粧料組成物が抗老化作用を十分に発揮する範囲で適宜選択される。本発明の酵素阻害剤の有効成分として、ヤナギタデスプラウト抽出物を使用されている場合、ヤナギタデスプラウト抽出物の化粧料組成物に対する割合は、ヤナギタデスプラウト抽出物における溶媒の割合や溶媒の種類等にもよるが、例えば、化粧料組成物の形態がジェルの場合は1〜50重量%程度、形態が乳液の場合は1〜50重量%程度、形態がクリームの場合は1〜50重量%程度である。
本発明の化粧料組成物は、慣用の化粧料基材を適宜配合し、所望の剤型とすることができる。その形態は特に制限はないが、ジェル、乳液、クリーム等の形態が挙げられる。
化粧料基材としては、目的とする剤型に合わせて、水、水溶性有機溶媒、油脂、ロウ、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類等の従来公知の化粧料基材が適宜選択される。
また、本発明の化粧料組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料や皮膚外用医薬で使用される任意の成分を添加することができる。かかる任意成分の具体例としては、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素剤、金属封鎖剤、防腐剤、pH調整剤、香料、ミツロウ等が挙げられる。これら任意成分の配合割合は、その目的に応じて適宜選択して決定することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の薬効植物抽出物を添加してもよい。
(機能性食品)
一方、日常的に飲食することで、本発明の酵素阻害剤を摂取したい場合には、本発明の酵素阻害剤を食品、飲料に含有させて機能性食品としてもよい。
ここでいう「機能性食品」とは、一般食品に加えて、健康食品、栄養補助食品、栄養機能食品、栄養保険食品等、健康の維持の目的で摂取する食品および/又は飲料を意味している。なお、機能性食品として製品化する場合には、食品に用いられる様々な添加剤、具体的には、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤漂白剤、防菌防黴剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料等を添加していてもよい。
本発明の機能性食品の対象となる、食品、飲料は特に限定されるものではない。例えば、食品として、ソーセージ、ハム、魚介加工品、ゼリー、キャンディー、チューインガムなどの食品類が挙げられる。また、飲料としては、各種の茶類、清涼飲料水、酒類、栄養ドリンクなどが挙げられる。この中でも、茶、ゼリーであることが特に好ましい。
本発明の酵素阻害剤は、このような食品、飲料に添加することにより、簡易に経口摂取することができる。
本発明の機能性食品に対する本発明の酵素阻害剤の配合量は、その機能性食品の種類によって異なり、エラスターゼ、コラゲナーゼ、及びゼラチナーゼの少なくとも一つの酵素に対する活性阻害作用(好適にはエラスターゼ、コラゲナーゼ、及びゼラチナーゼのすべての酵素に対する活性阻害作用)が発現するように適宜調整される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「1,3−ブチレングリコール」を「BG」と記載する場合がある。
<1.ヤナギタデスプラウトの調製>
ヤナギタデ(「JA筑前あさくら」の紅たで部会から購入)のスプラウト(芽の部分)を乾燥して得られたヤナギタデスプラウトの乾燥物を、ミクロパウダー(ウェスト社製)で十分に粉砕し、ヤナギタデスプラウト乾燥粉砕物を得た。
<2.評価方法>
(1)エラスターゼ活性阻害率の評価
エラスターゼ活性阻害作用の評価は、ブタ膵臓由来エラスターゼ及びヒト白血球由来エラスターゼの2種類のエラスターゼを使用して行った。
(1−1)ブタ膵臓由来エラスターゼ活性阻害率の評価
ブタ膵臓由来エラスターゼ(SIGMA-ALDRICH社製)および合成基質スクシニル-L-アラニル-L-アラニル-L-アラニン-p-ニトロアニリド)(SIGMA-ALDRICH社製)を使用した。まず、基質をジメチルスルホキシドで0.05Mに調製し、使用時に、0.2M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)で10倍希釈した5mM溶液を使用した。酵素は0.2M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)で10μg/mLに調製した。基質50μLを酵素100μLおよび試料50μLとともに37℃で8分間反応させ、その後、吸光度405nmで測定した(A)。さらに酵素を添加せずに緩衝液を加えて同様の操作と測定を行った(B)。同様の測定を、試料を添加せずに抽出溶媒を加えて実施した(C、D)。上記方法で吸光度を求め、下記式(1)により、エラスターゼ活性阻害率を算出した。
(1−2)ヒト白血球由来エラスターゼ活性阻害率の評価
上記「(1−1)ブタ膵臓由来エラスターゼ活性阻害率の評価」において、ブタ膵臓由来エラスターゼに代えて、ヒト白血球由来エラスターゼ(SIGMA-ALDRICH社製)を使用し、ヒト白血球由来エラスターゼ活性阻害率を評価した。
まず、基質であるスクシニル-L-アラニル-L-アラニル-L-アラニン-p-ニトロアニリド)(SIGMA-ALDRICH社製)をジメチルスルホキシドで0.05Mに調製し、使用時に、0.2M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)で10倍希釈した5mM溶液を使用した。酵素は0.2M Tris-HCl緩衝液(pH8.0)で10μg/mLに調製した。
基質50μLを酵素100μLおよび試料50μLとともに37℃で60分間反応させ、その後、吸光度405nmで測定した(A)。さらに酵素を添加せずに緩衝液を加えて同様の操作と測定を行った(B)。同様の測定を、試料を添加せずに抽出溶媒を加えて実施した(C、D)。上記方法で吸光度を求め、下記式(1)により、阻害率を算出した。
エラスターゼ活性阻害率(%)=[1−(A−B)/(C−D)]×100・・・(1)
(但し、A:試料溶液の405nmにおける吸光度、B:試料溶液ブランクの405nmにおける吸光度、C:対照溶液の405nmにおける吸光度、D:対照溶液ブランクの405nmにおける吸光度である。)
(2)コラゲナーゼ活性阻害率の評価
〔試薬の調製〕
基質溶液:
Pzペプチド(BACHEM社製)3.9mgを、0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH7.1、含20mM塩化カルシウム)10mLに溶解して使用した(0.5mMに相当)。
酵素溶液:コラゲナーゼ(TYPE IV、SIGMA-ALDRICH社製)5mgを緩衝液1mLに溶解させ20μLずつ分注し、−80℃で保管した。使用時に緩衝液で50倍に希釈して反応に用いた。
〔コラゲナーゼ活性阻害作用測定法〕
これらの試料溶液50μL、コラゲナーゼ溶液50μL及び基質溶液400μLを混合し、37℃で30分間反応させた。次いで、25mMクエン酸溶液1mLで反応を停止し、酢酸エチル5mLで抽出した。遠心分離(1600g、10分間)後、酢酸エチルを対照として、酢酸エチル層の波長320nmにおける吸光度を測定した。対照には、試料溶液の代わりに各抽出溶媒を用い、また、それぞれのブランクとして、酵素溶液の代わりに超純水を加えて同様の操作を行った。これらの値からコラゲナーゼ活性阻害率を下記式(2)により算出した。
コラゲナーゼ活性阻害率(%)=〔1−(A−B)/(C−D)〕×100・・・(2)
(但し、A:試料溶液の320nmにおける吸光度、B:試料溶液ブランクの320nmにおける吸光度、C:対照溶液の320nmにおける吸光度、D:対照溶液ブランクの320nmにおける吸光度である。)
(3)ゼラチナーゼ活性阻害率の評価
ゼラチナーゼ活性阻害作用は、ヒト線維肉腫細胞HT-1080(Cell No. JCRB9113)由来ゼラチナーゼ(MMP−2、MMP−9)およびゼラチン含有SDS-PASEゲルを用いたゼラチンザイモグラフィにより評価した。HT-1080細胞を10%ウシ胎児血清(FBS)および1%非必須アミノ酸(NEAA)を含むMEM培地でサブコンフルエントになるまで培養した。MEM培地に交換し24時間インキュベート後、遠心分離により培養上清を回収した。培養上清に2×SDS-PAGEサンプル緩衝液を等量混和し、ゼラチナーゼ溶液とした。0.2%ゼラチン含有10% SDS-PASEゲルに、ゼラチナーゼ溶液を1レーンあたり10μL入れ、室温で電気泳動を行った。レーンごとに切断し、ゲル洗浄溶液(2.5% TritonX-100)で2回洗い、ゲル中のSDSを洗い流した。切断したゲルを、あらかじめ試料を添加した反応溶液(10mM Tris-HCl、40mM NaCl、2mM CaCl2)入りチューブに入れ、24時間37℃で反応を行った。対照には、試料のかわりに水を加えた。CBB染色後、脱染したゲル画像をスキャナで取り込み画像解析ソフトImageJにより定量化した。得られた各バンドのピーク面積から下記式(3)によりゼラチナーゼ活性阻害率を求めた。
ゼラチナーゼ活性阻害率(%)=1−A/B・・・(3)
(但し、A:試料溶液のピーク面積、B:対照溶液のピーク面積である。)
<3.酵素活性阻害作用の評価>
「評価1」:ブタ膵臓由来エラスターゼ及びコラゲナーゼ阻害作用の評価(単一溶媒)
抽出溶媒として、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール(BG)のそれぞれ単種の溶媒を用いてヤナギタデスプラウト抽出物を製造し、エラスターゼ及びコラゲナーゼそれぞれの活性阻害率を評価した。
実験例1(抽出溶媒:水)
ヤナギタデスプラウト1g(乾燥重量)を、水10mLに浸漬し、2時間攪拌した。遠心分離後、上澄みをろ過して得られた抽出液(原液)を実験例1の抽出物とした。
実験例1の抽出物(原液)に所定量の純水を加えて適当な濃度に希釈して、上述の方法でブタ膵臓由来エラスターゼ及びコラゲナーゼの活性阻害率を評価した。実験例1の抽出物におけるエラスターゼ活性阻害率は、原液濃度5体積%で11%であり、コラゲナーゼ活性阻害率は、原液濃度0.5体積%で32%であった。結果を表1に示す。
実験例2(抽出溶媒:エタノール)
ヤナギタデスプラウト1g(乾燥重量)を、エタノール10mLに浸漬し、2時間攪拌した。遠心分離後、上澄みをろ過して得られた抽出液(原液)を実験例2の抽出物とした。実験例2の抽出物(原液)に所定量の純水を加えて適当な濃度に希釈して、上述の方法でブタ膵臓由来エラスターゼ及びコラゲナーゼの活性阻害率を評価した。実験例2の抽出物におけるエラスターゼ活性阻害率は、原液濃度5体積%で0%であり、コラゲナーゼ活性阻害率は、原液濃度0.5体積%で4%であった。結果を表1に示す。
実験例3(抽出溶媒:BG)
ヤナギタデスプラウト1g(乾燥重量)を、BG10mLに浸漬し、2時間攪拌した。遠心分離後、上澄みをろ過して得られた抽出液(原液)を実験例3の抽出物とした。実験例3の抽出物(原液)に所定量の純水を加えて適当な濃度に希釈して、上述の方法でブタ膵臓由来エラスターゼ及びコラゲナーゼの活性阻害率を評価した。実験例3の抽出物におけるエラスターゼ活性阻害率は、原液濃度5体積%で0%であり、コラゲナーゼ活性阻害率は、原液濃度0.5体積%で29%であった。結果を表1に示す。
「評価2」:ブタ膵臓由来エラスターゼ及びコラゲナーゼ阻害作用の評価(混合溶媒)
抽出溶媒として、水、エタノール、1,3−ブチレングリコール(BG)の混合溶媒を用いてヤナギタデスプラウト抽出物を製造し、エラスターゼ(ブタ膵臓由来)、コラゲナーゼそれぞれの活性阻害率を評価した。
実験例4(エタノール/水 混合溶媒)
ヤナギタデスプラウト1g(乾燥重量)を、エタノールと水の混合溶媒10mL(エタノール:20〜80体積%、水:80〜20体積%)に浸漬し、2時間攪拌した。遠心分離後、上澄みをろ過して得られた抽出液(原液)を実験例4の抽出物とした。実験例4の抽出物(原液)に所定量の純水を加えて適当な濃度に希釈して、上述の方法でエラスターゼ(ブタ膵臓由来)及びコラゲナーゼの活性阻害率を評価した。
図1にエタノール濃度とエラスターゼ活性阻害率の関係、図2にエタノール濃度とコラゲナーゼ活性阻害率の関係を示す。なお、活性評価における抽出物濃度(原液濃度)は、エラスターゼ活性阻害では5体積%であり、コラゲナーゼ活性阻害では2体積%である。
実験例4の抽出物を使用したエラスターゼ活性阻害評価では、エタノール40〜80体積%でエラスターゼ活性阻害効果が認められた。また、コラゲナーゼ活性阻害評価では、20〜80体積%(特に20〜60体積%)で強いコラゲナーゼ活性阻害効果が認められた。
実験例5(BG/水 混合溶媒)
ヤナギタデスプラウト1g(乾燥重量)を、BGと水の混合溶媒10mL(BG:20〜80体積%、水:80〜20体積%)に浸漬し、2時間攪拌した。遠心分離後、上澄みをろ過して得られた抽出液(原液)を実験例5の抽出物とした。実験例5の抽出物(原液)に所定量の純水を加えて適当な濃度に希釈して、上述の方法でエラスターゼ(ブタ膵臓由来)及びコラゲナーゼの活性阻害率を評価した。
図3にBG濃度とエラスターゼ活性阻害率の関係、図4にBG濃度とコラゲナーゼ活性阻害率の関係を示す。なお、活性評価における抽出物濃度(原液濃度)は、エラスターゼ活性阻害では5体積%であり、コラゲナーゼ活性阻害では、0.2体積%である。
実験例5の抽出物を使用したエラスターゼ活性阻害評価では、BG40〜80体積%で強いエラスターゼ活性阻害効果が認められた。またコラゲナーゼ活性阻害では20〜80体積%で強いコラゲナーゼ活性阻害効果が認められた。
「評価3」:ヒト白血球由来エラスターゼ阻害作用の評価
実験例6(抽出溶媒:水)
上述の実験例1と同様の方法で得られたヤナギタデスプラウト水抽出物(原液)を実験例6の抽出物とした。実験例6の抽出物(原液)に所定量の純水を加えて適当な濃度(原液濃度:1〜50体積%)に希釈して得られた評価用の希釈溶液を使用し、上述の方法でヒト白血球由来エラスターゼの活性阻害率を評価した。表2に結果を示す。
実験例7(50% BG/水 混合溶媒)
ヤナギタデスプラウト1g(乾燥重量)を、BGと水の混合溶媒10mL(BG:50体積%、水:50体積%)に浸漬し、2時間攪拌した。遠心分離後、上澄みをろ過して得られた抽出液(原液)を実験例7の抽出物とした。実験例7の抽出物(原液)に所定量の純水を加えて適当な濃度(原液濃度:1〜50体積%)に希釈して得られた評価用の希釈溶液を使用し、上述の方法でヒト白血球由来エラスターゼの活性阻害率を評価した。表2に結果を示す。
表2の結果から、ヤナギタデスプラウト水抽出物(実験例6)、ヤナギタデスプラウト50%BG抽出物(実験例7)共に、ヒト白血球由来エラスターゼへの阻害活性を有していることが分かる。そして、表1、表2から、実験例1の抽出物(抽出溶媒:水)は、ブタ膵臓由来エラスターゼと比較して、ヒト白血球由来エラスターゼへの阻害活性に特に優れることが分かる。
「評価4」:ゼラチナーゼ阻害作用の評価
実験例8(抽出溶媒:水)
上述の実験例1と同様の方法で得られたヤナギタデスプラウト水抽出物(原液)を実験例8の抽出物とした。実験例8の抽出物(原液)に所定量の純水を加えて適当な濃度(原液濃度:1〜50体積%)に希釈して得られた評価用の希釈溶液を使用し、上述の方法でゼラチナーゼ(MMP−2,MMP−9)の活性阻害率を評価した。表3に結果を示す。
実験例9(50% BG/水 混合溶媒)
ヤナギタデスプラウト1g(乾燥重量)を、BGと水の混合溶媒10mL(BG:50体積%、水:50体積%)に浸漬し、2時間攪拌した。遠心分離後、上澄みをろ過して得られた抽出液(原液)を実験例9の抽出物とした。実験例9の抽出物(原液)に所定量の純水を加えて適当な濃度(原液濃度:1〜50体積%)に希釈して得られた評価用の希釈溶液を使用し、上述の方法でゼラチナーゼ(MMP−2,MMP−9)の活性阻害率を評価した。表3に結果を示す。
表3の結果から、ヤナギタデスプラウト水抽出物(実験例8)、ヤナギタデスプラウト50%BG抽出物(実験例9)共に、2種(MMP−2およびMMP−9)のゼラチナーゼへの、強い阻害活性を有していることがわかる。表1、図2、図3にしめすように、ゼラチナーゼと同様に活性中心に金属を配位するコラゲナーゼ(MMP-1)に対する阻害活性を有していることから、金属イオンをキレートすることにより、酵素活性を抑制していると考えられる。
本発明のヤナギタデスプラウト抽出物は、コラゲナーゼ及びエラスターゼに対する酵素活性阻害剤、並びに抗老化剤、化粧料組成物及び機能性食品として好適に適用することができる。

Claims (12)

  1. ヤナギタデ(Persicaria hydropiper)のスプラウトと抽出溶媒とを接触させ、前記スプラウトに含有される成分を抽出して得られてなることを特徴とするヤナギタデスプラウト抽出物。
  2. 前記抽出溶媒が、必須成分として1,3−ブチレングリコールを含有し、さらに水及びエタノールの少なくとも1種を含有する混合溶媒である請求項1に記載のヤナギタデスプラウト抽出物。
  3. 前記抽出溶媒における1,3−ブチレングリコールの割合が、20体積%以上80体積%以下である請求項2に記載のヤナギタデスプラウト抽出物。
  4. 前記抽出溶媒が、水及びエタノールの少なくとも1種である請求項1に記載のヤナギタデスプラウト抽出物。
  5. ヤナギタデスプラウト由来成分を有効成分として含有し、エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼから選択される少なくとも1種の酵素に対する活性阻害作用を有することを特徴とする酵素活性阻害剤。
  6. エラスターゼ、コラゲナーゼ及びゼラチナーゼのすべての酵素に対する活性阻害作用を有する請求項5に記載の酵素活性阻害剤。
  7. ヤナギタデスプラウト由来成分が、請求項1から4のいずれかに記載のヤナギタデスプラウト抽出物である請求項5または6に記載の酵素活性阻害剤。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載の酵素活性阻害剤を含有することを特徴とする抗老化剤。
  9. 請求項5から7のいずれかに記載の酵素活性阻害剤を配合してなることを特徴とする化粧料組成物。
  10. 請求項5から7のいずれかに記載の酵素活性阻害剤を配合してなることを特徴とする機能性食品。
  11. ヤナギタデ(Persicaria hydropiper)のスプラウトと、1,3−ブチレングリコールと水及びエタノールの少なくとも1種とを含有する抽出溶媒とを接触させ、前記スプラウトに含有される成分を抽出することを特徴とするヤナギタデスプラウト抽出物の製造方法。
  12. 前記抽出溶媒における1,3−ブチレングリコールの割合が、20体積%以上80体積%以下である請求項11に記載のヤナギタデスプラウト抽出物の製造方法。
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