JP2015098232A - 車両用システム - Google Patents
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Abstract
【課題】衝突後に確実に車両を減速させることができる車両用システムを提供することを目的とする。
【解決手段】車両用システム1は、車両2の衝突が検出された場合にブレーキによる制動力を発生させる制動力発生手段6と、車両2の衝突が検出された場合にブレーキにより今後の衝突を回避できるか否かを判定する回避判定手段5と、車両2の側方に存在する側方物体が、平坦な摩擦可能側壁であるか否かを判定する側壁判定手段5と、ブレーキにより今後の衝突を回避できないと判定された場合、側方物体が摩擦可能側壁であると判定されたときには、車両2を制御して側方に移動させ、当該車両2の側面を摩擦可能側壁に接触させて車両2に対する減速度を発生させる一方、側方物体として、摩擦可能側壁以外の物体が存在すると判定されたときには、車両2を側方に移動させる制御を禁止する側方移動手段7とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】車両用システム1は、車両2の衝突が検出された場合にブレーキによる制動力を発生させる制動力発生手段6と、車両2の衝突が検出された場合にブレーキにより今後の衝突を回避できるか否かを判定する回避判定手段5と、車両2の側方に存在する側方物体が、平坦な摩擦可能側壁であるか否かを判定する側壁判定手段5と、ブレーキにより今後の衝突を回避できないと判定された場合、側方物体が摩擦可能側壁であると判定されたときには、車両2を制御して側方に移動させ、当該車両2の側面を摩擦可能側壁に接触させて車両2に対する減速度を発生させる一方、側方物体として、摩擦可能側壁以外の物体が存在すると判定されたときには、車両2を側方に移動させる制御を禁止する側方移動手段7とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用システムに関する。
従来の車両用システムとして、例えば、特許文献1には、自車両が障害物に衝突するまでの衝突時間が所定値以下となったときに衝突警報装置を作動させると共にブレーキを作動させ、その後、自車両が1次衝突を起こし、エアバッグが作動した場合には当該ブレーキ作動状態を所定時間又は停車するまで保持する衝突被害軽減装置が開示されている。これにより、この衝突被害軽減装置は、2次衝突による被害を抑制すると共に後続車両による追突を抑制することができる。
ところで、上述の特許文献1に記載の衝突被害軽減装置は、例えば、1次衝突後、高車速である場合、障害物が自車両近傍にある場合、あるいは、衝突によってブレーキ機能が失陥してしまったような場合等、2次衝突までにより確実に自車両を減速させることが望まれている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、衝突後に確実に車両を減速させることができる車両用システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用システムは、車両が当該車両の外部の物体に衝突したことを検出する衝突検出手段と、前記衝突検出手段によって前記車両の衝突が検出された場合に前記車両に搭載されるブレーキを制御し当該ブレーキによる制動力を発生させる制動力発生手段と、前記衝突検出手段によって前記車両の衝突が検出された場合に前記ブレーキにより今後の衝突を回避できるか否かを判定する回避判定手段と、前記車両の側方に存在する側方物体が、前記車両の進行すべき方向に沿い、かつ、平坦な摩擦可能側壁であるか否かを判定する側壁判定手段と、前記回避判定手段によって前記ブレーキにより今後の衝突を回避できないと判定された場合、前記側壁判定手段によって前記側方物体が前記摩擦可能側壁であると判定されたときには、前記車両を制御して側方に移動させ、当該車両の側面を前記摩擦可能側壁に接触させて、当該車両と当該摩擦可能側壁との間に当該車両の進行方向と逆側に作用する摩擦力により当該車両の進行方向に対する減速度を発生させる一方、前記側壁判定手段によって前記側方物体として、前記摩擦可能側壁以外の物体が存在すると判定されたときには、前記車両を側方に移動させる制御を禁止する側方移動手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る車両用システムは、衝突後に確実に車両を減速させることができる、という効果を奏する。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る車両用システムを表す概略構成図である。図2は、実施形態に係る車両用システムの対象物検知センサによる検出結果の一例を表す模式図である。図3、図4、図5、図6は、実施形態に係る車両用システムにおける制御フローの一例を表すフローチャートである。
図1は、実施形態に係る車両用システムを表す概略構成図である。図2は、実施形態に係る車両用システムの対象物検知センサによる検出結果の一例を表す模式図である。図3、図4、図5、図6は、実施形態に係る車両用システムにおける制御フローの一例を表すフローチャートである。
図1に示す本実施形態に係る車両用システム1は、車両2に搭載され、典型的には、当該車両2おいて1次衝突が起こった際に当該1次衝突後の車両2の前方向からの2次衝突にそなえて車両2の運動エネルギーを低減し乗員を安全に導くための衝突被害軽減装置である。そして、本実施形態の車両用システム1は、車両2の運動エネルギーを低減する手段として、車両2が搭載するブレーキ(制動装置)に加えて、車両2を路外に逸脱させて当該車両2の側面摩擦を用いることで、衝突後に確実に車両2を減速させるものである。本実施形態の車両用システム1は、図1に示す構成要素を車両2に搭載することで実現させる。
具体的には、本実施形態の車両用システム1は、図1に示すように、側方物体検出手段としての対象物検知センサ3と、衝突検出手段としての衝突センサ4と、DSSECU5と、ECBECU6と、EPSECU7とを備える。
対象物検知センサ3は、車両2の側方に存在する側方物体を検出する車載センサである。ここで、車両2の側方とは、車両2が直進する際の走行方向(前後方向)に直交する車幅方向(左右方向)の両側である。対象物検知センサ3は、例えば、周辺監視CCDカメラ(撮像装置)及びその画像認識装置、ミリ波レーダ、赤外線などを用いたレーダ、レーザ光を用いたレーザレーダ、UWB(Ultra Wide Band)レーダ等の近距離用レーダ、可聴域の音波又は超音波を用いたソナー等のいずれかを用いることができる。ここでは、対象物検知センサ3は、車両周辺監視用のセンサであり、車両2の側方に存在する側方物体を含む車両2の周囲の物体を検出することで、白線検出や物標検出を行う。対象物検知センサ3は、白線検出として、車両2が走行する走行路に設けられた白線を検出する。また、対象物検知センサ3は、物標検出として、例えば、車両2の周囲の歩行者/自転車、他車両、電柱、ポール、ガードレール、壁面等の立体物体を検出する。対象物検知センサ3が検出する側方物体は、これら車両2の周囲の立体物体のうち車両2の側方に存在する物体である。また、対象物検知センサ3は、車両2の周囲の物体を検出すると共に、当該検出した物体と車両2との相対関係を示す相対物理量を検出することができる。対象物検知センサ3は、例えば、上記相対物理量として、車両2と物体との相対位置(座標系)、相対速度(m/s)、相対距離(m)、TTC(Time−To−Collision:接触余裕時間)(s)等のうちの少なくとも1つを検出する。ここで、TTC(以下、「相対時間」という場合がある。)とは、車両2が物体に至るまでの時間に相当し、車両2と物体との相対距離を相対速度に応じて変換した時間に相当する。対象物検知センサ3は、DSSECU5に電気的に接続されており、白線検出に基づいた白線情報や物標検出に基づいた物標情報(相対物理量等を含む)を当該DSSECU5に出力する。
衝突センサ4は、衝突検出として、車両2が当該車両2の外部の物体に衝突したことを検出する車載センサである。衝突センサ4は、例えば、車両2の前部に取り付けられたサテライトセンサ、車両2の車体に取り付けられたGセンサ、あるいは、これらの組み合わせ等を用いることができる。この衝突センサ4は、車両2の衝突を検出した際には、当該衝突の強さ(衝突の厳しさ)を検出することができる。ここで、衝突の強さとは、典型的には、衝突の厳しさを表す種々の物理量を用いることができ、当該衝突の強さが相対的に大きいほど衝突時の衝撃が相対的に大きいことを表す。衝突センサ4は、衝突の強さを表すパラメータとして、例えば、車両2の前後方向加速度(前後G)、横方向加速度(横G)等を検出することができる。衝突センサ4は、DSSECU5に電気的に接続されており、衝突検出に基づいた衝突情報(前後G、横G等を含む)を当該DSSECU5に出力する。
DSSECU5、ECBECU6、及び、EPSECU7は、車両2の各部の駆動を制御するものであり、CPU、ROM、RAM及びインターフェースを含む周知のマイクロコンピュータを主体とする電子回路を含んで構成される。DSSECU5は、上述のように対象物検知センサ3、衝突センサ4等の種々のセンサ、検出器類が電気的に接続され、検出結果に対応した電気信号が入力される。DSSECU5、ECBECU6、及び、EPSECU7は、相互に検出信号や駆動信号、制御指令等の情報の授受を行うことができる。
DSSECU5は、車両2の各部を制御しDSS(Driver Support System)機能を実現するECU(Electronic Control Unit)である。DSSECU5は、DSS機能として、例えば、対象物検知センサ3からの物標情報に基づいて、車両2と当該車両2の周辺の物体との接触の予測を行い、これに応じて運転者に対して警告したりブレーキ(制動装置)を制御したりするプリクラッシュセーフティ(Pre−Crash Safety)制御を実行することができる。また、DSSECU5は、DSS機能として、例えば、対象物検知センサ3からの白線情報に基づいて、車両2が車線から逸脱しないようにステア(操舵装置)等を制御するLKA(Lane Keeping Assist)制御を実行することができる。
ECBECU6は、車両2に搭載されるブレーキを制御するECUである。ECBECU6は、例えば、DSSECU5からの指示にしたがってブレーキを制御する。ここで、当該ブレーキは、典型的には、電子制御式ブレーキ装置(Electronically Controlled Brake)であるが、車両2の車輪に制動力を発生させるものであればよく、例えば、パーキングブレーキやエンジンブレーキによって車両2の車輪に制動力を発生させる装置を含んでもよい。
EPSECU7は、車両2に搭載されるステアを制御するECUである。EPSECU7は、例えば、DSSECU5からの指示にしたがってステアを制御する。ここで、当該ステアは、車両2の操舵輪を自動で操舵可能であるものであり、車両2の操舵力を電動機等の動力により補助するいわゆる電動パワーステアリング装置(Electronic Power Steering)等を含んで構成される。
そして、本実施形態のECBECU6は、衝突センサ4によって車両2の衝突が検出された場合に車両2に搭載されるブレーキを制御し当該ブレーキによる制動力を発生させる制動力発生手段して機能する。つまりこの場合、ECBECU6は、車両2の1次衝突後に、車両2の運動エネルギーを低減する手段として、車両2が搭載するブレーキを適用し、当該ブレーキが発生させる制動力によって車両2の進行方向に対する減速度を発生させるブレーキ制御を実行する。
より詳細には、DSSECU5は、衝突センサ4からの衝突情報に含まれる前後G、横G等に基づいて車両2の衝突判定を行い、車両2が1次衝突したと判定した場合に、上記ブレーキ制御における目標G(目標減速度)を演算する。DSSECU5は、例えば、対象物検知センサ3からの物標情報に含まれる相対物理量等に基づいて、減速度の上限値等を演算し、これに基づいて目標の減速度である目標Gを演算する。そして、DSSECU5は、演算した目標GをECBECU6に出力する。ECBECU6は、DSSECU5から入力された目標Gに基づいて車両2が搭載するブレーキを制御してブレーキ制御を実行し、車両2に対して、当該目標Gに応じた減速度を発生させる。
そしてさらに、本実施形態のDSSECU5は、衝突センサ4によって車両2の衝突が検出された場合に車両2の上記ブレーキにより今後の衝突(典型的には、車両2の前方向からの2次衝突)を回避できるか否かを判定する回避判定手段としても機能する。DSSECU5は、例えば、ECBECU6や他のECUからの信号、車両2の各部に設けられたセンサ(車速センサ等)からの信号に基づいて、ブレーキにより今後の衝突を回避できるか否かを判定する。DSSECU5は、例えば、車両2のブレーキが失陥し制動力を発生させることができない場合、運転席のエアバッグが展開し前方視認性が悪化することで運転者が操作をしにくくなった場合、1次衝突後にブレーキをかけても減速が間に合わないほど高車速で運動エネルギーが高い場合等に、1次衝突後に車両2の上記ブレーキにより今後の衝突を回避できないおそれがあると判定することができる。
またさらに、本実施形態のDSSECU5は、車両2の側方に存在する側方物体が、車両2の進行すべき方向に沿い、かつ、平坦な摩擦可能側壁であるか否かを判定する側壁判定手段としても機能する。すなわち、DSSECU5は、車両2の側方に存在する側方物体が、車両2の側面を接触させても安全な物体、ここでは、車両2の進行すべき方向に対して略平行で、かつ、平坦な摩擦可能側壁であるか否かを判定する。
より詳細には、DSSECU5は、対象物検知センサ3による検出結果に基づいて、車両2の側方に存在する側方物体の特徴量を解析し、当該側方物体が摩擦可能側壁か否かを判定する。ここで、摩擦可能側壁とは、車両2の進行方向に沿って延在する静止物体であり、例えば、ガードレールやフラット壁等である。
図2は、対象物検知センサ3による検出結果の一例であり、ここでは、レーザレーダによる壁凹凸度合(出っ張り度合)の計測結果を表している。図2は、車両2の進行方向(X)に向って左側の壁において、当該左側の壁の進行方向位置(X_Left)を縦軸、左側の壁の出っ張り度合(Y_Left)を横軸とし、各進行方向位置(X_Left)における左側の壁の出っ張り度合(Y_Left)を表している。同様に、図2は、車両2の進行方向(X)に向って右側の壁において、当該右側の壁の進行方向位置(X_Right)を縦軸、右側の壁の出っ張り度合(Y_Right)を横軸とし、各進行方向位置(X_Right)における右側の壁の出っ張り度合(Y_Right)を表している。当該出っ張り度合(Y_Left、Y_Right)は、上記側方物体の特徴量に相当する。
DSSECU5は、例えば、出っ張り度合(Y_Left、Y_Right)が予め設定される所定の出っ張り度合以下であると判定できる場合に、車両2の側面接触が可能な平坦なフラット壁(あるいはガードレール等)であるものと判定する。一方、DSSECU5は、例えば、出っ張り度合(Y_Left、Y_Right)が予め設定される所定の出っ張り度合より大きいと判定できる場合に、車両2の側面接触が不能な凹凸壁であるものと判定する。図2の例では、左側の壁が車両2の側面接触が可能な摩擦可能側壁となりうるフラット壁であり、右側の壁が車両2の側面接触が不能な凹凸壁であることを表している。
そして、本実施形態のEPSECU7は、DSSECU5によって、ブレーキにより今後の衝突を回避できないと判定された場合に、側方移動手段として機能する。この場合、EPSECU7は、車両2を制御して側方に移動させ(以下、「路外逸脱」という場合がある。)、当該車両2の側面を、上記摩擦可能側壁(ガードレールやフラット壁等)に接触させて、当該車両2と当該摩擦可能側壁との間に当該車両2の進行方向と逆側に作用する摩擦力により当該車両2の進行方向に対する減速度を発生させる。つまりこの場合、EPSECU7は、車両2の1次衝突後に、車両2の運動エネルギーを低減する手段として、車両2の側面による側面摩擦を適用し、当該車両2と摩擦可能側壁との間に発生する摩擦力によって車両2の進行方向に対する減速度を発生させる路外逸脱制御を実行する。
より詳細には、DSSECU5は、対象物検知センサ3からの物標情報に含まれる相対物理量等に基づいて車両2の上記ブレーキにより今後の衝突(例えば、2次衝突)を回避できるか否かの回避判定を行い、ブレーキにより今後の衝突を回避できないと判定した場合に、車両2の側方に存在する側方物体に関する判定を行う。DSSECU5は、上記のように車両2の側方に存在する側方物体が摩擦可能側壁(ガードレールやフラット壁等)であると判定し、かつ、当該摩擦可能側壁と車両2との間に、歩行者/自転車、他車両、電柱、ポール等の障害物がないと判定できる場合に、路外逸脱制御を実行可能と判定する。この場合、DSSECU5は、上記路外逸脱制御における目標ステアトルクを演算する。DSSECU5は、例えば、対象物検知センサ3からの物標情報に含まれる相対物理量等に基づいて、車両2が摩擦可能側壁に安全に側面を接触させるために必要な目標の操舵トルクである目標ステアトルクを演算する。そして、DSSECU5は、演算した目標ステアトルクをEPSECU7に出力する。EPSECU7は、DSSECU5から入力された目標ステアトルクに基づいて車両2が搭載するステアを制御して路外逸脱制御を実行し、車両2の側面を摩擦可能側壁に接触させて、車両2に減速度を発生させる。つまり、EPSECU7は、DSSECU5によってブレーキにより今後の衝突を回避できないと判定された場合、DSSECU5によって側方物体が摩擦可能側壁であると判定されたときには、車両2を制御して側方に移動させ、当該車両2の側面を摩擦可能側壁に接触させて、当該車両2と当該摩擦可能側壁との間に当該車両2の進行方向と逆側に作用する摩擦力により当該車両2の進行方向に対する減速度を発生させる。
一方、DSSECU5は、車両2の側方に存在する側方物体が摩擦可能側壁でない(例えば、凹凸壁)と判定した場合、あるいは、当該摩擦可能側壁と車両2との間に、歩行者/自転車、他車両、電柱、ポール等の障害物があると判定できる場合に、路外逸脱制御を実行不能と判定する。つまりこの場合、EPSECU7は、DSSECU5によって側方物体として、摩擦可能側壁以外の物体が存在すると判定されたときには、車両2を側方に移動させる路外逸脱制御を禁止する。
次に、図3から図6のフローチャートを参照して車両用システム1における制御フローの一例を説明する。なお、これらの制御ルーチンは、数msないし数十ms毎の制御周期で繰り返し実行される。
図3では、まず、DSSECU5は、対象物検知センサ3等の車載センサで、周辺障害物情報の収集を行う(ステップST1)。DSSECU5は、例えば、対象物検知センサ3からの物標情報に基づいて、車両2の周辺の障害物に関する情報を収集する。
次に、DSSECU5は、第1次衝突が発生し、且つ、エアバッグが展開済みか否かを判定する(ステップST2)。DSSECU5は、例えば、衝突センサ4からの衝突情報に含まれる前後G、横G等に基づいて、第1次衝突が発生し、且つ、エアバッグが展開済みか否かを判定することができる。エアバッグは、例えば、前後G、又は、横Gが予め設定される所定の閾値以上となった場合に展開されるものである。なお、DSSECU5は、例えば、エアバッグスイッチの状態に応じてエアバッグの展開の有無を判定するようにしてもよい。DSSECU5は、第1次衝突が発生していない、あるいは、エアバッグが展開済みでないと判定した場合(ステップST2:No)、ステップST1に戻って以降の処理を繰り返し行う。
次に、DSSECU5は、第1次衝突が発生し、且つ、エアバッグが展開済みであると判定した場合(ステップST2:Yes)、ブレーキ機能が不能であるか否かを判定する(ステップST3)。DSSECU5は、例えば、ECBECU6からの信号等に基づいてブレーキ機能が不能であるか否かを判定する。
次に、DSSECU5は、ブレーキ機能が不能でないと判定した場合(ステップST3:No)、制動回避の制御を行う(ステップST4)。すなわちこの場合、DSSECU5は、車両2に搭載されるブレーキを制御し、当該ブレーキが発生させる制動力によって車両2の進行方向に対する減速度を発生させるブレーキ制御を実行し、ブレーキによる減速を行って、本制御フローを終了する。
DSSECU5は、ブレーキ機能が不能であると判定した場合(ステップST3:Yes)、すなわち、車両2のブレーキにより今後の衝突を回避できないおそれがあると判定した場合、路外逸脱制御における逸脱方向の判定処理を行った後(ステップST5)、当該逸脱方向の決定処理を行う(ステップST6)。なお、ステップST5の逸脱方向の判定処理については、後述の図4、図5で詳細に説明する。また、ステップST6の逸脱方向の決定処理については、後述の図6で詳細に説明する。
EPSECU7は、ステップST6にてDSSECU5によって決定された逸脱方向に応じて、操舵回避の制御を行う(ステップST7)。すなわちこの場合、EPSECU7は、車両2に搭載されるステアを制御し、当該車両2の側面を路外の目標物体である摩擦可能側壁に接触させて、当該車両2と当該摩擦可能側壁との間に発生する摩擦力により当該車両2の進行方向に対する減速度を発生させる路外逸脱制御を実行し、側面摩擦による減速を行い、本制御フローを終了する。
次に、図4、図5を参照してステップST5の逸脱方向の判定処理について説明する。
図4の自車左側に対する逸脱方向の判定処理では、DSSECU5は、対象物検知センサ3の検出結果に基づいて、自車(車両2)左側に目標物体があるか否かを判定する(ステップST201)。ここでは、DSSECU5は、車両2の左側方に存在する側方物体が、車両2の進行すべき方向に沿い、かつ、平坦な摩擦可能側壁(ガードレール、若しくは、フラット壁)であるか否かを判定することで、自車左側に目標物体としての摩擦可能側壁があるか否かを判定する。
DSSECU5は、自車左側に目標物体があると判定した場合(ステップST201:Yes)、対象物検知センサ3の検出結果に基づいて、自車と上記の左側の目標物体(摩擦可能側壁)との間に、歩行者/自転車、他車両、電柱、ポール等の障害物がないか否かを判定する(ステップST202)。
DSSECU5は、自車と上記の左側の目標物体との間に障害物がないと判定した場合(ステップST202:Yes)、左側逸脱可能フラグをON(ステップST203)とし、本処理フローを終了する。
DSSECU5は、ステップST201にて自車左側に目標物体がないと判定した場合(ステップST201:No)、ステップST202にて自車と上記の左側の目標物体との間に障害物があると判定した場合(ステップST202:No)、左側逸脱可能フラグをOFF(ステップST204)とし、本処理フローを終了する。
図5の自車右側に対する逸脱方向の判定処理では、DSSECU5は、対象物検知センサ3の検出結果に基づいて、自車(車両2)右側に目標物体があるか否かを判定する(ステップST301)。ここでは、DSSECU5は、車両2の右側方に存在する側方物体が、車両2の進行すべき方向に沿い、かつ、平坦な摩擦可能側壁(ガードレール、若しくは、フラット壁)であるか否かを判定することで、自車右側に目標物体としての摩擦可能側壁があるか否かを判定する。
DSSECU5は、自車右側に目標物体があると判定した場合(ステップST301:Yes)、対象物検知センサ3の検出結果に基づいて、自車と上記の右側の目標物体(摩擦可能側壁)との間に、歩行者/自転車、他車両、電柱、ポール等の障害物がないか否かを判定する(ステップST302)。
DSSECU5は、自車と上記の右側の目標物体との間に障害物がないと判定した場合(ステップST302:Yes)、右側逸脱可能フラグをON(ステップST303)とし、本処理フローを終了する。
DSSECU5は、ステップST301にて自車右側に目標物体がないと判定した場合(ステップST301:No)、ステップST302にて自車と上記の右側の目標物体との間に障害物があると判定した場合(ステップST302:No)、右側逸脱可能フラグをOFF(ステップST304)とし、本処理フローを終了する。
次に、図6を参照してステップST6の逸脱方向の決定処理について説明する。
図6では、まず、DSSECU5は、左側逸脱可能フラグがONであり、且つ、右側逸脱可能フラグがONであるか否かを判定する(ステップST401)。
DSSECU5は、左側逸脱可能フラグがONであり、且つ、右側逸脱可能フラグがONであると判定した場合(ステップST401:Yes)、左側の目標物体(摩擦可能側壁)までの到達時間が右側の目標物体までの到達時間より比較的に短いか否かを判定する(ステップST402)。DSSECU5は、例えば、対象物検知センサ3からの物標情報に含まれる相対物理量(例えば、TTC)に基づいて、上記比較判定を行えばよい。
DSSECU5は、左側の目標物体までの到達時間が右側の目標物体までの到達時間より比較的に短いと判定した場合(ステップST402:Yes)、左逸脱フラグをON、右逸脱フラグをOFFとし(ステップST403)、本処理フローを終了する。これにより、EPSECU7は、上述のステップST7において、車両2を左側の路外に逸脱させて、当該車両2の左側面を、左側の目標物体(摩擦可能側壁)に接触させて車両2を減速させる路外逸脱制御を実行する。
DSSECU5は、ステップST402にて右側の目標物体までの到達時間が左側の目標物体までの到達時間より比較的に短いと判定した場合(ステップST402:No)、右逸脱フラグをON、左逸脱フラグをOFFとし(ステップST404)、本処理フローを終了する。これにより、EPSECU7は、上述のステップST7において、車両2を右側の路外に逸脱させて、当該車両2の右側面を、右側の目標物体(摩擦可能側壁)に接触させて車両2を減速させる路外逸脱制御を実行する。
DSSECU5は、ステップST401にて左側逸脱可能フラグがOFF、あるいは、右側逸脱可能フラグがOFFであると判定した場合(ステップST401:No)、左側逸脱可能フラグがONであるか否かを判定する(ステップST405)。DSSECU5は、左側逸脱可能フラグがONであると判定した場合(ステップST405:Yes)、ステップST403の処理に移行する。
DSSECU5は、ステップST405にて左側逸脱可能フラグがOFFであると判定した場合(ステップST405:No)、右側逸脱可能フラグがONであるか否かを判定する(ステップST406)。DSSECU5は、右側逸脱可能フラグがONであると判定した場合(ステップST406:Yes)、ステップST404の処理に移行する。
DSSECU5は、ステップST406にて右側逸脱可能フラグがOFFであると判定した場合(ステップST406:No)、逸脱禁止フラグをONとし(ステップST407)、本処理フローを終了する。これにより、EPSECU7は、路外逸脱制御の実行を禁止する。
上記のように構成される車両用システム1は、車両2の衝突後にブレーキにより今後の衝突を回避できないと判定された場合に、車両2の側方物体として、車両2の進行すべき方向に沿い、かつ、平坦な摩擦可能側壁が存在しているときには、当該車両2の側面を当該摩擦可能側壁に接触させる路外逸脱制御を実行する。これにより、車両用システム1は、当該車両2と当該摩擦可能側壁との間に発生する摩擦力により当該車両2の進行方向に対する減速度を発生させることで、衝突後に確実に車両2を安全な速度まで減速させることができる。すなわち、車両用システム1は、例えば、1次衝突後にブレーキ制御を実行しても当該ブレーキ制御では2次衝突を回避できないと予測できるような場合に、当該ブレーキ制御に加えて路外逸脱制御を実行する。この結果、車両用システム1は、当該車両2おいて1次衝突が起こった際に当該1次衝突後の2次衝突にそなえて車両2の運動エネルギーを低減し乗員を安全に導くことができる。
一方、本実施形態の車両用システム1は、車両2の衝突後にブレーキにより今後の衝突を回避できないと判定された場合であっても、車両2の側方物体として、車両2の進行すべき方向に沿い、かつ、平坦な摩擦可能側壁が存在していない場合や摩擦可能側壁が存在していたとしても、車両2と摩擦可能側壁との間に当該摩擦可能側壁以外の物体、すなわち、障害物が存在している場合には路外逸脱制御を実行しない。この結果、車両用システム1は、路外逸脱制御をし難いような状況下で無理に路外逸脱制御をしないようにすることができる。すなわち、車両用システム1は、車両2の状況に応じて適正に路外逸脱制御を実行することができる。
なお、上述した本発明の実施形態に係る車両用システムは、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
以上の説明では、回避判定手段、側壁判定手段は、DSSECU5によって兼用されるものとして説明したが、それぞれ別個に構成されてもよい。また、例えば、回避判定手段、側壁判定手段、制動力発生手段、及び、側方移動手段は、1つのECUによって一体で構成されてもよい。
1 車両用システム
2 車両
3 対象物検知センサ
4 衝突センサ(衝突検出手段)
5 DSSECU(回避判定手段、側壁判定手段)
6 ECBECU(制動力発生手段)
7 EPSECU(側方移動手段)
2 車両
3 対象物検知センサ
4 衝突センサ(衝突検出手段)
5 DSSECU(回避判定手段、側壁判定手段)
6 ECBECU(制動力発生手段)
7 EPSECU(側方移動手段)
Claims (1)
- 車両が当該車両の外部の物体に衝突したことを検出する衝突検出手段と、
前記衝突検出手段によって前記車両の衝突が検出された場合に前記車両に搭載されるブレーキを制御し当該ブレーキによる制動力を発生させる制動力発生手段と、
前記衝突検出手段によって前記車両の衝突が検出された場合に前記ブレーキにより今後の衝突を回避できるか否かを判定する回避判定手段と、
前記車両の側方に存在する側方物体が、前記車両の進行すべき方向に沿い、かつ、平坦な摩擦可能側壁であるか否かを判定する側壁判定手段と、
前記回避判定手段によって前記ブレーキにより今後の衝突を回避できないと判定された場合、前記側壁判定手段によって前記側方物体が前記摩擦可能側壁であると判定されたときには、前記車両を制御して側方に移動させ、当該車両の側面を前記摩擦可能側壁に接触させて、当該車両と当該摩擦可能側壁との間に当該車両の進行方向と逆側に作用する摩擦力により当該車両の進行方向に対する減速度を発生させる一方、前記側壁判定手段によって前記側方物体として、前記摩擦可能側壁以外の物体が存在すると判定されたときには、前記車両を側方に移動させる制御を禁止する側方移動手段とを備えることを特徴とする、
車両用システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013238307A JP2015098232A (ja) | 2013-11-18 | 2013-11-18 | 車両用システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2013238307A JP2015098232A (ja) | 2013-11-18 | 2013-11-18 | 車両用システム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015098232A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018039443A (ja) * | 2016-09-09 | 2018-03-15 | 株式会社デンソー | 車両用危険回避装置 |
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2013
- 2013-11-18 JP JP2013238307A patent/JP2015098232A/ja active Pending
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JP2018039443A (ja) * | 2016-09-09 | 2018-03-15 | 株式会社デンソー | 車両用危険回避装置 |
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