JP6060647B2 - 車両用速度制御装置および車両用速度制御方法 - Google Patents

車両用速度制御装置および車両用速度制御方法 Download PDF

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本発明は、他車両等の障害物と自車両との接触を抑制する車両用速度制御装置および車両用速度制御方法に関する。
障害物を検出して障害物に衝突する恐れがある場合には制動制御を行う技術として、例えば特許文献1に記載されている技術がある。
特開2006−123711号公報
ところで、道路には、雨水等が道路に溢れないようにするために、排水溝が設けられている。この排水溝には、排水溝へ雨水等を流しつつ、通行人や車両などが落ち込まないようにするために例えば格子状に穴の開いた金属の蓋(以下、金属蓋という)がかぶせてある。この排水溝は、道路の両脇に道路に沿って設けられたり、下り道路の谷部分など、雨水などが溜まり易い箇所に道路を横切る方向に設けられたりしている。
このような排水溝が、例えば、下り坂から平坦路に移行する道路の、下り坂の終端との境界近傍の平坦路部分に設けられている箇所を通過する場合、超音波ソナーを用いた障害物検出では、排水溝を、障害物として誤検出しやすい。
特許文献1の車両用速度制御装置において、下り坂の終端近傍に設けられた排水溝や金属蓋を障害物として誤検出した場合、実際には障害物が存在しないにも関わらず、減速制御が行われる。つまり、下り坂の終端近傍で、意図せず減速が行われることになり、乗員に違和感を与えることになる。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、対象物からの反射波を利用した障害物検出により、障害物として誤検出が行われた場合であっても適切に減速制御を行うことの可能な車両用速度制御装置および車両用速度制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、発信した送信波が、対象物に反射して戻ってくる反射波を利用して自車両と前記対象物との相対距離を検出し、この相対距離が距離しきい値以下のときに自車両を減速させる。このとき、走行中の道路の道路勾配を検出し、自車両が坂を下っている下り坂走行中は前記自車両に対する減速を抑制する。
本発明によれば、自車両が坂を下っている下り坂走行中は、自車両に対する減速を抑制する。つまり、自車両が下り坂から平坦路に移行する際の、下り坂終端近傍の平坦路部分に存在する排水溝などが障害物として誤検出される可能性のある間は、自車両に対する減速が抑制される。
そのため、下り坂終端近傍の平坦路部分に排水溝が存在する場合であっても、この排水溝が、障害物として誤検出されることにより自車両が減速されたとしても、乗員に与える違和感を抑制することができる。
本発明に基づく実施形態に係る車両の構成を示す概念図である。 本発明に基づく実施形態の車両用速度制御装置の概略構成を示すブロック図の一例である。 減速抑制作動条件判断部の処理の一例を示すフローチャートである。 道路勾配と距離しきい値との対応を示す特性図の一例である。 本発明の動作説明に供する説明図である。 本発明の動作説明に供する説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
(構成)
図1は、本実施形態を適用した車両の構成を示す概念図の一例である。図2は、本実施形態の車両用速度制御装置の概略構成の一例を示すブロック図である。以下、図1および図2を用いて説明する。
車両は、制動力を発生する制動装置、及び駆動力を発生する駆動装置を備える。
制動装置は、図1に示すように、車輪11に設けられるブレーキ装置12と、その各ブレーキ装置12に接続する配管を含む流体圧回路13と、ブレーキコントローラ14とを備える。ブレーキコントローラ14は、上記流体圧回路13を介して各ブレーキ装置12で発生する制動力を、制動力指令値に応じた値に制御する。ブレーキ装置12は、流体圧で制動力を付与する装置に限定されず、電動ブレーキ装置等であっても良い。
駆動装置は、図1に示すように、駆動源としてのエンジン15と、エンジン15で発生するトルク(駆動力)を制御するエンジンコントローラ16と、を備える。駆動装置の駆動源は、エンジン15に限定されず、電動モータであっても良いし、エンジン15とモータを組み合わせたハイブリッド構成であっても良い。
上記ブレーキコントローラ14およびエンジンコントローラ16は、それぞれ上位コントローラである走行制御コントローラ10からの制動指令、駆動指令(加速指令値)の各指令値を受け付ける構成とする。
また車両は、図1及び図2に示すように、周囲環境認識センサ1と、車輪速センサ2と、操舵角センサ3と、シフトポジションセンサ4と、ブレーキ操作検出センサ5と、アクセル操作検出センサ6と、3G加速度センサ7と、を備える。また、車両は、走行制御コントローラ10を備える。
周囲環境認識センサ1は、自車両の周囲(少なくとも進行方向前方)の障害物を認識し、認識した周囲の状態を走行制御コントローラ10に出力する。
この周囲環境認識センサ1は、車両周囲に存在する他車両その他の障害物を検出可能な1又は2台以上のソナー(超音波探査装置)から構成される。周囲環境認識センサ1は、例えば車両の前部及び後部に設けられ、自車両の前方及び後方に存在する障害物を検出することで当該障害物を認識する。
車両の前部には、例えば4台のソナーが設けられている。これらソナーは、例えば、車両前部両端近傍および、両端近傍に設けられた2つのソナー間に略均等に2つ配置され、自車両前方の領域およびその側方の領域にわたって、障害物を検出する。
周囲環境認識センサ1は、ソナーの他、赤外線レーダ、電波式レーダや、車両周囲を撮像可能なカメラをさらに備えていてもよく、ソナーと、これら種類の異なる複数のセンサとによって周囲環境認識センサ1を構成しても良い。さらに、周囲環境認識センサ1の設置位置も、車両の前部、及び後部の他、車体屋根部やサイドミラー位置などであっても良い。
車輪速センサ2は、車輪速を検出し、検出した車輪速情報を走行制御コントローラ10に出力する。車輪速センサ2は、例えば車輪速パルスを計測するロータリエンコーダなどのパルス発生器で構成する。
操舵角センサ3は、ステアリングホイール20の操舵角を検出し、検出した操舵角情報を走行制御コントローラ10に出力する。操舵角センサ3は、ステアリング軸などに設けられる。操向輪の転舵角を操舵角情報として検出しても良い。
シフトポジションセンサ4は、シフト位置(駆動指示位置、駐車指示位置、ニュートラル位置、後退位置、など)のシフト情報を検出し、検出信号を走行制御コントローラ10に出力する。
ブレーキ操作検出センサ5は、ブレーキペダル18の操作の有無や操作量を検出する。検出されたブレーキペダル操作量は走行制御コントローラ10に出力される。ブレーキペダル18は、運転者が操作する減速指示用の操作子である。
アクセル操作検出センサ6は、アクセルペダル19の操作量を検出する。検出されたアクセルペダル操作量は走行制御コントローラ10に出力される。アクセルペダル19は運転者が操作する加速指示用の操作子である
3G加速度センサ7は、自車両の、直交する3方向の加速度(3G加速度)を検出する。検出された3G加速度は走行制御コントローラ10に出力される。
情報呈示装置(図示せず)は、走行制御コントローラ10からの制御信号に応じて警報その他の呈示を音声や画像によって出力する。情報呈示装置は、例えば、ブザー音や音声により運転者への情報提供を行うスピーカと、画像やテキストの表示により情報提供を行う表示ユニットとを備える。
走行制御コントローラ10は、CPUと、ROMおよびRAM等のCPU周辺部品とから構成される電子制御ユニットである。走行制御コントローラ10は、障害物との衝突抑制のための運転支援処理を行う運転支援部を備える。走行制御コントローラ10の処理のうち運転支援部は、機能的には、図2に示すように、周囲環境認識情報演算部10A、自車両車速演算部10B、操舵角演算部10C、シフトポジション演算部10D、ブレーキペダル操作情報演算部10E、アクセル操作量演算部10Fを備える。さらに、3G加速度演算部10G、減速抑制作動条件判断部10H、車速抑制量演算部10Iを備える。これらの機能は、1又は2以上のプログラムで構成される。
周囲環境認識情報演算部10Aは、周囲環境認識センサ1からの信号、すなわちソナーの検出信号に基づき車両周囲の環境を認識する。すなわち、自車両の周囲に障害物が存在するとき、当該障害物までの距離演算を行う。
自車両車速演算部10Bは、車輪速センサ2からの信号に基づき車速を演算する。
操舵角演算部10Cは、操舵角センサ3からの信号に基づき操舵角を演算する。
シフトポジション演算部10Dは、シフトポジションセンサ4からの信号に基づき、シフト位置を判定する。
ブレーキペダル操作情報演算部10Eは、ブレーキ操作検出センサ5からの信号に基づきブレーキ操作量を判定する。
アクセル操作量演算部10Fは、アクセル操作検出センサ6からの信号に基づきアクセルペダル19の操作量を演算する。
3G加速度演算部10Gは、3G加速度センサ7からの信号に基づき3G加速度、すなわち自車両の直交する3方向の加速度を演算する。
減速抑制作動条件判断部10Hは、各種信号に基づき、障害物検出に伴い自車両を減速させるか否かの判断を行う。
車速抑制量演算部10Iは、減速抑制作動条件判断部10Hで、減速抑制作動条件を満足することが通知されたとき、自車両を減速させるための、ブレーキコントローラ14あるいはエンジンコントローラ16または、これら両コントローラへの減速制御信号を生成する。
ブレーキコントローラ14およびエンジンコントローラ16は、車速抑制量演算部10Iからの減速制御信号に基づき駆動力あるいは制動力を抑制し、自車両の減速を図る。
次に、減速抑制作動条件判断部10Hの処理について、図面を参照しながら説明する。
減速抑制作動条件判断部10Hは、図3に示す処理を予め設定したサンプリング時間毎に行う。
ステップS110では、上記自車両車速演算部10Bより自車両の車速を取得する。
次にステップS120では、上記ステップS110で取得した自車両車速に基づいて、自車両車速条件判断を行う。例えば自車両車速が予め設定した値未満の場合にはステップS130に移行し、自車両車速が上記予め設定した値以上の場合には、減速抑制作動条件不成立と判断してステップS190に移行する。ステップS190にて減速抑制作動条件判断結果(=減速抑制作動条件不成立)を車速抑制量演算部10Iに出力する。上記予め設定した値は、比較的低速の値、例えば15[km/h]とする。
次にステップS130では、上記3G加速度センサ7から3G加速度情報を取得する。
次にステップS140では、上記ステップS130で取得した3G加速度情報と、ステップS110で取得した自車両車速と、をもとに、自車両が走行中の路面の路面勾配を演算する。
次にステップS150では、自車両が坂を下っている状態であるかを判断する。すなわちシフトポジション演算部10Dで演算したシフト位置と、140での勾配演算結果とに基づき、自車両が前進している場合には、坂を下って前進している状態であるかを判断する。また、自車両が後退している場合には、後ろ向きに坂を下っている状態であるかを判断する。
前進または後退により坂を下っている状態ではないとき、すなわち平坦路や坂を登っている場合にはステップS160に移行し、そうではないときにはステップS170に移行する。
ステップS160では、距離しきい値Dthとして、基準値D0を設定する。
ステップS170では、ステップS140で演算した道路勾配情報に基づき、下り勾配に対応した距離しきい値Dthを設定する。具体的には、予め記憶されている下り勾配と距離しきい値との対応情報から、走行路の道路勾配に対応した距離しきい値を取得し、これを距離しきい値Dthとして設定する。
道路勾配と距離しきい値との対応情報は、予め設定され、距離しきい値記憶部10Haに格納されている。道路勾配と距離しきい値との対応情報は、例えば図4に示すように設定される。図4において、横軸は道路勾配、縦軸は距離しきい値である。例えば、道路勾配がx1%未満であるときには距離しきい値は基準値D0に設定される。また、道路勾配がx1%以上x2%未満であるときには距離しきい値はD1、x2%以上x3%未満であるときにはD2に設定される。さらに、道路勾配がx3%以上x4%未満であるときにはD3、x4%以上x5%未満であるときにはD4、x5%以上であるときにはD5に設定される。なお、x1<x2<x3<x4<x5である。また、D0>D1>D2>D3>D4>D5である。距離しきい値の基準値D0は、運転者がブレーキ操作あるいは操舵操作等の運転操作を行うことにより障害物を回避可能な距離であって、例えば3.5m程度に設定される。自車両から障害物までの距離が、この基準値D0よりも短いときには運転者の運転操作によって障害物を回避することはできないと判定する。
次にステップS180では、上記周囲環境認識情報演算部10Aから、自車両周囲に存在する障害物までの距離情報を障害物情報として取得する。
次にステップS190では、上記ステップS180で取得した距離情報に基づき自車周囲の障害物までの距離Dが、ステップS160またはステップS170で設定した距離しきい値Dth以下であるかを判断する。D≦Dthを満足するときには、減速抑制作動条件成立と判断する。一方、障害物との距離Dがしきい値Dthよりも大きいとき、すなわち、運転者が回避動作を行うのに十分な場合には、減速抑制作動条件不成立と判断する。
次にステップS200では、減速抑制作動条件判断結果を車速抑制量演算部10Iに出力する。
(動作)
次に、本実施形態の動作を説明する。
減速抑制作動条件判断部10Hでは、図3に示す処理を所定周期で実行する。自車速が予め設定した値以上の場合、つまり比較的低速で走行していない場合には、減速抑制作動条件不成立と判定する。そして、ステップS110、S120を経てステップS200に移行し、減速抑制作動条件不成立である旨を、車速抑制量演算部10Iに出力する。
車速抑制量演算部10Iは減速抑制作動条件不成立であることから、ブレーキコントローラ14あるいはエンジンコントローラ16に対して減速を指示する減速制御信号を出力しない。
そのため、自車両は、運転者の運転操作に応じた走行動作をする。
一方、自車両が比較的低速で走行しており、自車速が予め設定したしきい値を下回るときには、減速抑制作動条件判断部10Hでは、ステップS110からステップS120を経てステップS130に移行し、3G加速度センサ7の検出信号に基づき道路勾配を演算する。
このとき、自車両が平坦路を走行中である場合には、ステップS110からS120を経てステップS130に移行し、ステップS140で道路勾配演算を行う。この場合、平坦路を走行しているため、ステップS150からステップS160に移行し、距離しきい値Dthとして基準値D0が設定される。そのため、距離しきい値Dth(=D0)と、ソナーにより検出された自車両から障害物までの距離Dとが比較される(ステップS180、S190)。
自車両から障害物までの距離Dが距離しきい値Dth(=D0)よりも短く、障害物を、運転者の運転操作により回避することができないと予測されるときには、減速抑制作動条件成立と判定される。車速抑制量演算部10Iは減速抑制作動条件が成立すると、自車両を減速させるためのブレーキコントローラ14およびエンジンコントローラ16への減速制御信号を生成し出力する。その結果、ブレーキコントローラ14あるいはエンジンコントローラ16は、車速抑制量演算部10Iからの減速制御信号に基づいて、駆動力または制動力を制御する。その結果、自車両は減速される。
一方、自車両が坂を下っている状態である場合には、ステップS150からステップS170に移行し、下り勾配に応じたしきい値が距離しきい値Dth(=Dn)として設定される。すなわち道路勾配が大きいときほど距離しきい値Dth(=Dn)は基準値D0よりも、より小さい値に設定される。
そして、自車両から障害物までの距離Dが距離しきい値Dthよりも小さいとき、すなわち、障害物を運転者の運転操作により回避することができないと予測されるときには、減速抑制作動条件成立と判定しこれを車速抑制量演算部10Iに出力する。
車速抑制量演算部10Iは、減速抑制作動条件成立が通知されたことから、ブレーキコントローラ14およびエンジンコントローラ16への減速制御信号を生成し出力する。ブレーキコントローラ14およびエンジンコントローラ16は、車速抑制量演算部10Iからの減速制御信号に応じて駆動力または制動力を制御する。その結果、自車両は減速される。
ここで、図5に示すように、自車両進行方向前方に排水溝Mが、走行路を横切って配置されている場合、自車両が平坦路を走行している場合には、周囲環境認識センサ1としてのソナーにより、排水溝Mが障害物として誤検出されることはない。なぜならば、一般に、路面上におちている空き缶などを障害物として誤検出しないように、ソナーは路面よりもある程度高い範囲を、検出対象としているからである。そのため、ソナーから送信波を発信したとしても、ソナーの検出範囲は地面よりも高いため、排水溝Mが障害物として誤検出されることはない。
これに対し、図6に示すように、下っている坂の終端部近傍の平坦路部分に、走行路を横切って排水溝Mが存在する場合、自車両が下り坂から平坦路に移動するまでの間は、ソナーの発信方向は坂道に平行な方向である。また、平坦路部分に排水溝Mが存在するため、自車両が坂を下っている状況では、平坦路部分に対してソナーは斜め方向に送信波を発信するため、平坦路部分の路面もソナーの検出範囲に含まれることになる。すなわち、排水溝Mがソナーの検出範囲に含まれることになり、ソナーにより障害物として検出されてしまう可能性がある。
なお、排水溝が下り坂の終端近傍に設けられた箇所を通過する場合とは、例えば、排水溝が設けられた谷底を通過する場合、あるいは、立体駐車場から坂を下った後、道路脇に配置された排水溝を横切って走行路に進入する場合などである。
つまり、下り坂から平坦路に移行する場合、車両が下り坂に存在する時点では、超音波ソナーは平坦路に対して下り坂の角度相当の角度をもって超音波を送信する。前述のように排水溝の金属蓋は例えば格子状に穴が空いている。そのため、超音波ソナーが送信した超音波が金属蓋の穴の側面部分や、排水溝の溝の側面部分で反射し、これを反射波として超音波ソナーが受信する可能性がある。その結果、排水溝や金属蓋による反射波を含む反射波に対して障害物判定を行うことになり、排水溝や金属蓋部分を障害物として誤検出する可能性がある。
そのため、例えば、平坦路を走行している場合と、坂を下る場合とについて、仮に同じ距離しきい値Dth(=D0)を用いて減速抑制作動条件を判断した場合、排水溝Mやこの排水溝Mにかぶせられている金属蓋が障害物として誤検出される可能性がある。つまり、排水溝Mの溝内部の側面や、排水溝Mにかぶされている例えば格子状の金属蓋の穴の側面部分などにより、ソナーからの送信波が反射され、その結果、障害物として誤検出される可能性がある。
そして、自車両から誤検出された障害物(排水溝M)までの距離Dが距離しきい値Dth(=D0)を下回ると、減速抑制作動条件成立と判断され、自車両の減速が行われることになる。つまり、坂を下っている状態で、坂の終端に近づきソナーにより排水溝Mが検出された時点で、急に減速が行われることになり、乗員に違和感を与える可能性がある。
特に、坂を下っているときには、運転者は低速走行を心掛け、ブレーキペダルをいつでも踏めるよう準備をしており、また運転者を除く乗員も、いつブレーキペダルが操作されたとしてもおかしくはない、と認識してはいる。それでも、実際には障害物が存在しないにも関わらず減速が行われると、違和感を覚えることになる。また、坂を下っている状態で急に減速されると、乗員の予想以上に前のめりなったりする可能性がある。
これに対し、本実施形態では坂を下っている状態では、下り勾配に応じた平坦路よりも短い距離しきい値Dnを用いて減速抑制作動条件を判断している。したがって、障害物として検出された排水溝Mまでの距離Dは、距離しきい値Dth(=Dn)を下回りにくく、減速抑制作動条件不成立と判定されやすくなる。つまり、自車両の減速が抑制される。
したがって、排水溝Mを障害物として誤検出することにより、下り坂の終端で急に減速されることを抑制することができ、すなわち、乗員に違和感を与えることを抑制することができる。
そして、自車両が下り坂から平坦路にさらに進入すると、自車両の傾斜が緩やかになり、その結果、ソナーの送信波の発信方向が平坦路に平行となる方向に徐々に変化する。これに伴いソナーの検出範囲として含まれる路面の領域が自車両近傍から自車両前方に移動し、自車両が完全に平坦路を走行する状態となると、ソナーの検出範囲に路面は含まれなくなる。
また、自車両が下り坂から平坦路に進入し、自車両の傾斜が緩やかになるに伴い、排水溝Mに照射される送信波の角度が水平に近づくことから、排水溝Mが障害物として検出されにくくなり、やがて、排水溝Mはソナーの検出範囲からはずれることになる。
つまり、距離しきい値Dthを基準値D0よりも小さい値に設定し、減速制御が開始されるタイミングを遅らせることにより、障害物として検出された排水溝Mにより減速制御が行われることが抑制され、その後は、自車両が平坦路を進むことにより、排水溝Mはソナーの検出範囲からはずれる。その結果、排水溝Mが障害物として誤検出されることに伴い減速制御が行われることが抑制される。
一方、下り坂終端近傍の平坦路部分に、真の障害物が存在する場合には、坂を下っている途中の自車両は、障害物がソナーの検出範囲に含まれる状態となった時点で、この障害物を検出する。そして、障害物と自車両との間の距離Dが距離しきい値Dth(=Dn)を下回った時点で、減速抑制作動条件を満足することから自車両の減速制御を行う。
ここで、距離しきい値Dthを、道路勾配に応じて設定している。この道路勾配に応じて設定される距離しきい値は基準値D0よりも小さく、障害物と自車両との間の距離Dは距離しきい値Dth(=Dn)を下回りにくい。すなわち減速抑制作動条件を満足しにくくしているため、減速制御が開始されるタイミングが平坦路を走行している場合よりも遅れることになる。
しかしながら、本実施形態の車両用速度制御装置は、自車両が、15[km/h]未満の低速で走行している場合を制御対象としている。また、そもそも下り坂では通常、運転者はブレーキペダルをいつでも踏み込むことができるように準備をしており、運転者を除く乗員もいつブレーキペダルが踏み込まれてもおかしくはないと認識している。
したがって、真の障害物が検出されこれに伴い減速が行われ、その際、多少大きく減速が行われたとしても、実際に障害物が存在し、また自車両が減速することをある程度認識しているため、運転者および乗員はそれほど違和感を覚えることはない。
また、このとき、下り坂の道路勾配が大きいときほど、ソナーから発信された送信波は、排水溝Mや金属蓋の格子の側面に当たり易くなり、その結果、障害物として検出されやすくなる。そのため、道路勾配が大きいときほど距離しきい値Dthを小さくし、障害物としての排水溝Mと自車両との間の距離Dが距離しきい値Dthを下回りにくくすることで、排水溝Mが障害物として誤検出されやすいときほど、減速抑制作動条件を満足しにくくすることができる。その結果、的確に減速制御を行うことができる。
以上は、車両が前進している場合について説明したが、車両が後退する場合も同様である。つまり、車両が低速で後退しながら坂を下っているときには、シフトポジションの位置と走行路の道路勾配情報とから、自車両が後退しながら坂を下っていることが検出される。そのため、この場合もステップS110から、ステップS120、ステップS130、S140を経てステップS150に移行し、坂を下っていることからステップS170に移行し、道路勾配に応じた距離しきい値Dth(=Dn)が設定される。つまり道路勾配が大きいときほど距離しきい値Dthはより小さな値Dnに設定される。
そして、車両後部に設けられた周囲環境認識センサ1としてのソナーによる障害物の検出情報と、道路勾配に応じて設定された距離しきい値Dth(=Dn)とに基づき減速抑制作動条件を満足するかが判定され、その結果に応じて自車両が減速される。したがって、この場合も、排水溝Mを障害物として誤検出することにより、下り坂の終端近傍で減速されることを回避することができる。
上記実施形態において、図2の車輪速センサ2および自車両車速演算部10Bが車速検出部に対応し、周囲環境認識センサ1および周囲環境認識情報演算部10Aが対象物相対距離検出部に対応している。また、減速抑制作動条件判断部10Hおよび車速抑制量演算部10Iが減速制御部に対応している。図3のステップS130およびS140の処理が道路勾配検出部に対応し、ステップS150の処理が下り坂走行検出部に対応し、ステップS160およびステップS170の処理が距離しきい値設定部に対応している。
なお、上述したように、本実施形態の車両用速度制御装置の動作で実施する車両用速度制御方法は、発信した送信波が、障害物に反射して戻ってくる反射波を利用して検出して自車両と前記障害物との相対距離を検出し、これを用いて速度制御を行う方法である。すなわち、自車両の車速が予め設定された車速しきい値よりも小さくかつ検出した前記相対距離が距離しきい値以下のとき自車両を減速させる。その際に、前記距離しきい値は、自車両が下り坂走行中であるときの方が、非下り坂走行中であるときよりも、より小さな値となるように設定するものである。
(効果)
(1)本実施形態では、自車両が坂を下っている下り坂走行中は、平坦路などの非下り坂走行中に比較して、距離しきい値Dthを小さくするようにした。そのため、下り坂の終端近傍の平坦路部分に存在する排水溝Mを、障害物として誤検出することによって、減速制御が行われることを抑制することができる。その結果、下り坂の終端近傍で、排水溝Mなどを障害物として誤検出することに伴う減速により乗員に違和感を与えることを抑制することができる。
(2)また、このとき、下り坂の道路勾配が大きいときほど、排水溝Mの溝内部の側面や排水溝Mにかぶせた金属蓋の格子状の穴の側面に、ソナーの送信波が当たりやすくなる。つまり、排水溝Mが障害物として誤検出されやすくなる。
そのため、下り坂の道路勾配が大きいときほど距離しきい値Dthを小さくすることによって、誤検出されやすいときほど減速抑制作動条件を満足しにくくすることができる。その結果、道路勾配に応じて的確に減速制御を抑制することができる。その結果、下り坂の終端近傍で、排水溝Mなどを障害物として誤検出することに伴う減速により乗員に違和感を与えることを、道路勾配の大きさに関係なく的確に抑制することができる。
(3)また、下り坂の道路勾配と距離しきい値Dthとを予め対応付けて、距離しきい値記憶部10Haに格納しておき、この距離しきい値記憶部10Haに記憶した道路勾配と距離しきい値との対応情報から、道路勾配に応じた距離しきい値を特定し、これを距離しきい値Dthとして設定するようにしたため、道路勾配に応じた距離しきい値を速やかに特定することができる。
(変形例)
(1)上記実施形態では、距離しきい値Dthを道路勾配に応じて変更し、減速抑制作動条件を満足しにくくすることで、自車両の減速を抑制する場合について説明したが、これに限るものではない。
例えば、距離しきい値Dthはそのままで、減速制御における制御量を、道路勾配に応じて変化させるようにしてもよい。つまり道路勾配が大きいときほど、下り坂の途中で減速されたときに乗員に与える影響は大きい。したがって、道路勾配が大きいときほど、減速制御における減速量を抑制し、乗員が前のめりになりにくくするようにしてもよい。
(2)上記実施形態では、3G加速度センサ7と車速とを用いて、道路勾配を演算する場合について説明したが、これに限るものではなく、道路勾配を検出することができればどのような方法であってもよい。
例えば、ナビゲーション装置を設け、ナビゲーション装置から道路勾配情報を取得するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、距離しきい値Dthを道路勾配に応じて段階的に変化させる場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、道路勾配に応じて距離しきい値Dthを連続的に変更するようにしてもよい。
1 周囲環境認識センサ
7 3G加速度センサ
10 走行制御コントローラ
10H 減速抑制作動条件判断部
10I 車速抑制量演算部
14 ブレーキコントローラ
16 エンジンコントローラ

Claims (6)

  1. 送信波を発信し、対象物に反射して戻ってくる反射波を利用して自車両と前記対象物との相対距離を検出する対象物相対距離検出部と、
    前記対象物相対距離検出部が検出した前記相対距離が、距離しきい値以下のとき自車両を減速させる減速制御部と、を備えた車両用速度制御装置であって、
    自車両の走行路の道路勾配を検出する道路勾配検出部と、
    前記道路勾配検出部で検出した道路勾配に基づき、自車両が下り坂を走行中であることを検出する下り坂走行検出部と、を備え、
    前記下り坂走行検出部検出した結果に基づき自車両が下り坂を走行中であるときには、平坦路又は登り坂を走行中であるときに比べて、前記減速制御部による減速を抑制することを特徴とする車両用速度制御装置。
  2. 前記道路勾配検出部で検出した道路勾配が小さいほど、前記減速制御部による減速を行う条件を緩和することを特徴とする請求項1記載の車両用速度制御装置。
  3. 前記道路勾配検出部で検出した道路勾配に基づき前記距離しきい値を設定する距離しきい値設定部と、を備え、
    前記距離しきい値設定部は、前記下り坂走行検出部での検出結果に基づき自車両が下り坂走行中であるときには、平坦路又は登り坂を走行中であるときよりも、より小さな値に前記距離しきい値を設定することを特徴とする請求項1記載の車両用速度制御装置。
  4. 前記距離しきい値設定部は、前記道路勾配検出部で検出した道路勾配が大きいときほど、前記距離しきい値がより小さな値になるように、前記距離しきい値を設定することを特徴とする請求項3記載の車両用速度制御装置。
  5. 前記距離しきい値設定部は、予め設定された、前記道路勾配と当該道路勾配と対応付けられた距離しきい値候補との対応情報を有し、
    当該対応情報から、前記道路勾配検出部で検出された道路勾配に対応する距離しきい値候補を選択し、当該距離しきい値候補を、前記距離しきい値として設定することを特徴とする請求項4記載の車両用速度制御装置。
  6. 発信した送信波が、障害物に反射して戻ってくる反射波を利用して検出した自車両と前記障害物との相対距離が距離しきい値以下のとき自車両を減速させるようにした車両用速度制御方法であって、
    前記距離しきい値は、自車両が下り坂走行中であるときの方が、平坦路又は登り坂を走行中であるときよりも、より小さな値となるように設定されることを特徴とする車両用速度制御方法。
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