JP2014104856A - 車両用速度制御装置および車両用速度制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自車両車速が予め設定した値未満であるときには、3G加速度センサ7の検出信号と、自車両車速とをもとに、走行路の道路勾配を演算する。坂を下っていない状態であれば、基準値D0を距離しきい値Dthとして設定し、坂を下っている状態であれば、道路勾配に応じた基準値D0よりも小さいDnを距離しきい値Dthとして設定する。下り坂を走行しているときには、平坦路などを走行している場合よりも、自車両から対象物までの距離Dが距離しきい値Dthを下回りにくくすることで、下り坂の終端近傍の平坦路部分に存在する排水溝Mを障害物として誤検出した場合に、減速制御が行われることを抑制することができる。
【選択図】 図3
Description
このような排水溝が、例えば、下り坂から平坦路に移行する道路の、下り坂の終端との境界近傍の平坦路部分に設けられている箇所を通過する場合、超音波ソナーを用いた障害物検出では、排水溝を、障害物として誤検出しやすい。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、対象物からの反射波を利用した障害物検出により、障害物として誤検出が行われた場合であっても適切に減速制御を行うことの可能な車両用速度制御装置および車両用速度制御方法を提供することを目的とする。
そのため、下り坂終端近傍の平坦路部分に排水溝が存在する場合であっても、この排水溝が、障害物として誤検出されることにより自車両が減速されたとしても、乗員に与える違和感を抑制することができる。
(構成)
図1は、本実施形態を適用した車両の構成を示す概念図の一例である。図2は、本実施形態の車両用速度制御装置の概略構成の一例を示すブロック図である。以下、図1および図2を用いて説明する。
車両は、制動力を発生する制動装置、及び駆動力を発生する駆動装置を備える。
制動装置は、図1に示すように、車輪11に設けられるブレーキ装置12と、その各ブレーキ装置12に接続する配管を含む流体圧回路13と、ブレーキコントローラ14とを備える。ブレーキコントローラ14は、上記流体圧回路13を介して各ブレーキ装置12で発生する制動力を、制動力指令値に応じた値に制御する。ブレーキ装置12は、流体圧で制動力を付与する装置に限定されず、電動ブレーキ装置等であっても良い。
上記ブレーキコントローラ14およびエンジンコントローラ16は、それぞれ上位コントローラである走行制御コントローラ10からの制動指令、駆動指令(加速指令値)の各指令値を受け付ける構成とする。
周囲環境認識センサ1は、自車両の周囲(少なくとも進行方向前方)の障害物を認識し、認識した周囲の状態を走行制御コントローラ10に出力する。
車両の前部には、例えば4台のソナーが設けられている。これらソナーは、例えば、車両前部両端近傍および、両端近傍に設けられた2つのソナー間に略均等に2つ配置され、自車両前方の領域およびその側方の領域にわたって、障害物を検出する。
操舵角センサ3は、ステアリングホイール20の操舵角を検出し、検出した操舵角情報を走行制御コントローラ10に出力する。操舵角センサ3は、ステアリング軸などに設けられる。操向輪の転舵角を操舵角情報として検出しても良い。
ブレーキ操作検出センサ5は、ブレーキペダル18の操作の有無や操作量を検出する。検出されたブレーキペダル操作量は走行制御コントローラ10に出力される。ブレーキペダル18は、運転者が操作する減速指示用の操作子である。
3G加速度センサ7は、自車両の、直交する3方向の加速度(3G加速度)を検出する。検出された3G加速度は走行制御コントローラ10に出力される。
情報呈示装置(図示せず)は、走行制御コントローラ10からの制御信号に応じて警報その他の呈示を音声や画像によって出力する。情報呈示装置は、例えば、ブザー音や音声により運転者への情報提供を行うスピーカと、画像やテキストの表示により情報提供を行う表示ユニットとを備える。
自車両車速演算部10Bは、車輪速センサ2からの信号に基づき車速を演算する。
操舵角演算部10Cは、操舵角センサ3からの信号に基づき操舵角を演算する。
シフトポジション演算部10Dは、シフトポジションセンサ4からの信号に基づき、シフト位置を判定する。
ブレーキペダル操作情報演算部10Eは、ブレーキ操作検出センサ5からの信号に基づきブレーキ操作量を判定する。
アクセル操作量演算部10Fは、アクセル操作検出センサ6からの信号に基づきアクセルペダル19の操作量を演算する。
減速抑制作動条件判断部10Hは、各種信号に基づき、障害物検出に伴い自車両を減速させるか否かの判断を行う。
車速抑制量演算部10Iは、減速抑制作動条件判断部10Hで、減速抑制作動条件を満足することが通知されたとき、自車両を減速させるための、ブレーキコントローラ14あるいはエンジンコントローラ16または、これら両コントローラへの減速制御信号を生成する。
ブレーキコントローラ14およびエンジンコントローラ16は、車速抑制量演算部10Iからの減速制御信号に基づき駆動力あるいは制動力を抑制し、自車両の減速を図る。
減速抑制作動条件判断部10Hは、図3に示す処理を予め設定したサンプリング時間毎に行う。
ステップS110では、上記自車両車速演算部10Bより自車両の車速を取得する。
次にステップS120では、上記ステップS110で取得した自車両車速に基づいて、自車両車速条件判断を行う。例えば自車両車速が予め設定した値未満の場合にはステップS130に移行し、自車両車速が上記予め設定した値以上の場合には、減速抑制作動条件不成立と判断してステップS190に移行する。ステップS190にて減速抑制作動条件判断結果(=減速抑制作動条件不成立)を車速抑制量演算部10Iに出力する。上記予め設定した値は、比較的低速の値、例えば15[km/h]とする。
次にステップS140では、上記ステップS130で取得した3G加速度情報と、ステップS110で取得した自車両車速と、をもとに、自車両が走行中の路面の路面勾配を演算する。
次にステップS150では、自車両が坂を下っている状態であるかを判断する。すなわちシフトポジション演算部10Dで演算したシフト位置と、140での勾配演算結果とに基づき、自車両が前進している場合には、坂を下って前進している状態であるかを判断する。また、自車両が後退している場合には、後ろ向きに坂を下っている状態であるかを判断する。
ステップS160では、距離しきい値Dthとして、基準値D0を設定する。
ステップS170では、ステップS140で演算した道路勾配情報に基づき、下り勾配に対応した距離しきい値Dthを設定する。具体的には、予め記憶されている下り勾配と距離しきい値との対応情報から、走行路の道路勾配に対応した距離しきい値を取得し、これを距離しきい値Dthとして設定する。
次にステップS190では、上記ステップS180で取得した距離情報に基づき自車周囲の障害物までの距離Dが、ステップS160またはステップS170で設定した距離しきい値Dth以下であるかを判断する。D≦Dthを満足するときには、減速抑制作動条件成立と判断する。一方、障害物との距離Dがしきい値Dthよりも大きいとき、すなわち、運転者が回避動作を行うのに十分な場合には、減速抑制作動条件不成立と判断する。
次にステップS200では、減速抑制作動条件判断結果を車速抑制量演算部10Iに出力する。
次に、本実施形態の動作を説明する。
減速抑制作動条件判断部10Hでは、図3に示す処理を所定周期で実行する。自車速が予め設定した値以上の場合、つまり比較的低速で走行していない場合には、減速抑制作動条件不成立と判定する。そして、ステップS110、S120を経てステップS200に移行し、減速抑制作動条件不成立である旨を、車速抑制量演算部10Iに出力する。
車速抑制量演算部10Iは減速抑制作動条件不成立であることから、ブレーキコントローラ14あるいはエンジンコントローラ16に対して減速を指示する減速制御信号を出力しない。
そのため、自車両は、運転者の運転操作に応じた走行動作をする。
このとき、自車両が平坦路を走行中である場合には、ステップS110からS120を経てステップS130に移行し、ステップS140で道路勾配演算を行う。この場合、平坦路を走行しているため、ステップS150からステップS160に移行し、距離しきい値Dthとして基準値D0が設定される。そのため、距離しきい値Dth(=D0)と、ソナーにより検出された自車両から障害物までの距離Dとが比較される(ステップS180、S190)。
そして、自車両から障害物までの距離Dが距離しきい値Dthよりも小さいとき、すなわち、障害物を運転者の運転操作により回避することができないと予測されるときには、減速抑制作動条件成立と判定しこれを車速抑制量演算部10Iに出力する。
つまり、下り坂から平坦路に移行する場合、車両が下り坂に存在する時点では、超音波ソナーは平坦路に対して下り坂の角度相当の角度をもって超音波を送信する。前述のように排水溝の金属蓋は例えば格子状に穴が空いている。そのため、超音波ソナーが送信した超音波が金属蓋の穴の側面部分や、排水溝の溝の側面部分で反射し、これを反射波として超音波ソナーが受信する可能性がある。その結果、排水溝や金属蓋による反射波を含む反射波に対して障害物判定を行うことになり、排水溝や金属蓋部分を障害物として誤検出する可能性がある。
特に、坂を下っているときには、運転者は低速走行を心掛け、ブレーキペダルをいつでも踏めるよう準備をしており、また運転者を除く乗員も、いつブレーキペダルが操作されたとしてもおかしくはない、と認識してはいる。それでも、実際には障害物が存在しないにも関わらず減速が行われると、違和感を覚えることになる。また、坂を下っている状態で急に減速されると、乗員の予想以上に前のめりなったりする可能性がある。
したがって、排水溝Mを障害物として誤検出することにより、下り坂の終端で急に減速されることを抑制することができ、すなわち、乗員に違和感を与えることを抑制することができる。
つまり、距離しきい値Dthを基準値D0よりも小さい値に設定し、減速制御が開始されるタイミングを遅らせることにより、障害物として検出された排水溝Mにより減速制御が行われることが抑制され、その後は、自車両が平坦路を進むことにより、排水溝Mはソナーの検出範囲からはずれる。その結果、排水溝Mが障害物として誤検出されることに伴い減速制御が行われることが抑制される。
ここで、距離しきい値Dthを、道路勾配に応じて設定している。この道路勾配に応じて設定される距離しきい値は基準値D0よりも小さく、障害物と自車両との間の距離Dは距離しきい値Dth(=Dn)を下回りにくい。すなわち減速抑制作動条件を満足しにくくしているため、減速制御が開始されるタイミングが平坦路を走行している場合よりも遅れることになる。
したがって、真の障害物が検出されこれに伴い減速が行われ、その際、多少大きく減速が行われたとしても、実際に障害物が存在し、また自車両が減速することをある程度認識しているため、運転者および乗員はそれほど違和感を覚えることはない。
(1)本実施形態では、自車両が坂を下っている下り坂走行中は、平坦路などの非下り坂走行中に比較して、距離しきい値Dthを小さくするようにした。そのため、下り坂の終端近傍の平坦路部分に存在する排水溝Mを、障害物として誤検出することによって、減速制御が行われることを抑制することができる。その結果、下り坂の終端近傍で、排水溝Mなどを障害物として誤検出することに伴う減速により乗員に違和感を与えることを抑制することができる。
そのため、下り坂の道路勾配が大きいときほど距離しきい値Dthを小さくすることによって、誤検出されやすいときほど減速抑制作動条件を満足しにくくすることができる。その結果、道路勾配に応じて的確に減速制御を抑制することができる。その結果、下り坂の終端近傍で、排水溝Mなどを障害物として誤検出することに伴う減速により乗員に違和感を与えることを、道路勾配の大きさに関係なく的確に抑制することができる。
(1)上記実施形態では、距離しきい値Dthを道路勾配に応じて変更し、減速抑制作動条件を満足しにくくすることで、自車両の減速を抑制する場合について説明したが、これに限るものではない。
例えば、距離しきい値Dthはそのままで、減速制御における制御量を、道路勾配に応じて変化させるようにしてもよい。つまり道路勾配が大きいときほど、下り坂の途中で減速されたときに乗員に与える影響は大きい。したがって、道路勾配が大きいときほど、減速制御における減速量を抑制し、乗員が前のめりになりにくくするようにしてもよい。
例えば、ナビゲーション装置を設け、ナビゲーション装置から道路勾配情報を取得するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、距離しきい値Dthを道路勾配に応じて段階的に変化させる場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、道路勾配に応じて距離しきい値Dthを連続的に変更するようにしてもよい。
7 3G加速度センサ
10 走行制御コントローラ
10H 減速抑制作動条件判断部
10I 車速抑制量演算部
14 ブレーキコントローラ
16 エンジンコントローラ
Claims (6)
- 自車両の車速を検出する車速検出部と、
送信波を発信し、対象物に反射して戻ってくる反射波を利用して自車両と前記対象物との相対距離を検出する対象物相対距離検出部と、
前記車速検出部で検出される車速が予め設定された車速しきい値より小さくかつ、前記対象物相対距離検出部が検出した前記相対距離が、距離しきい値以下のとき自車両を減速させる減速制御部と、を備えた車両用速度制御装置であって、
自車両の走行路の道路勾配を検出する道路勾配検出部と、
当該道路勾配検出部で検出した道路勾配に基づき、自車両が下り坂を走行中であることを検出する下り坂走行検出部と、を備え、
前記下り坂走行検出部での検出結果に基づき自車両が下り坂を走行中であるときには、前記減速制御部による減速を抑制することを特徴とする車両用速度制御装置。 - 前記道路勾配検出部で検出した道路勾配の大きさに基づき、前記減速制御部による減速を抑制することを特徴とする請求項1記載の車両用速度制御装置。
- 前記道路勾配検出部で検出した道路勾配に基づき前記距離しきい値を設定する距離しきい値設定部と、を備え、
前記距離しきい値設定部は、前記下り坂走行検出部での検出結果に基づき自車両が下り坂走行中であるときには、非下り坂走行中であるときよりも、より小さな値に前記距離しきい値を設定することを特徴とする請求項1記載の車両用速度制御装置。 - 前記距離しきい値設定部は、前記道路勾配検出部で検出した道路勾配が大きいときほど、前記距離しきい値がより小さな値になるように、前記距離しきい値を設定することを特徴とする請求項3記載の車両用速度制御装置。
- 前記距離しきい値設定部は、予め設定された、前記道路勾配と当該道路勾配と対応付けられた距離しきい値候補との対応情報を有し、
当該対応情報から、前記道路勾配検出部で検出された道路勾配に対応する距離しきい値候補を選択し、当該距離しきい値候補を、前記距離しきい値として設定することを特徴とする請求項4記載の車両用速度制御装置。 - 自車両の車速が予め設定された車速しきい値よりも小さくかつ、発信した送信波が、障害物に反射して戻ってくる反射波を利用して検出した自車両と前記障害物との相対距離が距離しきい値以下のとき自車両を減速させるようにした車両用速度制御方法であって、
前記距離しきい値は、自車両が下り坂走行中であるときの方が、非下り坂走行中であるときよりも、より小さな値となるように設定されることを特徴とする車両用速度制御方法。
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