JP2015095659A - ギャップ充填方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体デバイスの製造において、高アスペクト比を有するギャップの充填方法を提供する。
【解決手段】充填されるべき複数のギャップ6を含むレリーフ像4を基体の表面上に有する半導体基体2を提供する工程、レリーフ像上にギャップ充填組成物を適用する工程であって、ギャップ充填組成物が自己架橋性ポリマー及び溶剤を含み、自己架橋性ポリマーが第1の単位を含み、第1の単位が、重合骨格及び前記骨格にペンダントの架橋性基を含んでいる工程並びにポリマーが自己架橋する温度にギャップ充填組成物を加熱する工程、を含む。
【選択図】図1A

Description

本発明は概して、電子デバイスの製造に関する。より具体的には、本発明は半導体デバイス製造への適用可能性を有するギャップ充填方法に関する。本方法はデバイス分離のためのトレンチのような高アスペクト比のギャップの充填における特有の用途を見いだす。
半導体製造産業においては、多数の電子デバイスが半導体基体上に製造される。それぞれ新たなデザインノードを伴って、より高い集積密度になると、複数のデバイスはそれらの間の間隔をますます小さくして一緒に包装されることとなる。このことは結果的に、隣り合うトランジスタ間での電流漏洩の増大を生じさせる場合があり、デバイス操作に悪影響を及ぼしうる。隣り合うトランジスタの分離のための既知の技術は、例えば、米国特許第5,854,112号に記載されるシャロウトレンチ分離(shallow trench isolation:STI)である。このようなプロセスの1つにおいては、トレンチ構造はフォトレジスト層における第1の像形成トレンチパターンによって形成される。次いで、このフォトレジストパターンは、典型的には、異方性ドライエッチングによって、下にある基体、例えば、基体シリコンまたは基体上の他の層(1つもしくは複数)に移される。次いで、このトレンチは、例えば、化学蒸着(CVD)またはスピンオングラス(SOG)プロセスを用いて、酸化ケイ素のような誘電体材料で充填される。過剰な誘電体材料は典型的には、化学機械平坦化(CMP)を用いて除去される。
デバイスがサブ20ナノメートル形状に近づくにつれて、デバイス分離のためのトレンチのようなフィーチャは典型的には高アスペクト比を有する。このような高アスペクト比のフィーチャは、有意な量の空隙を生じさせることもなしに従来のSTIアプローチを用いて充填するのは困難である場合がある。この空隙の存在は劣った電気的分離をもたらす場合があり、結果的に隣り合うデバイス間での電流漏洩を生じさせる場合がある。
米国特許第5,854,112号明細書
高アスペクト比を有するものをはじめとするギャップの充填に有用な改良された方法についての、半導体製造産業における継続した必要性が存在している。
本発明の第1の態様に従って、ギャップ充填方法が提供される。この方法は、(a)充填されるべき複数のギャップを含むレリーフ像を基体の表面上に有する半導体基体を提供する工程、(b)前記レリーフ像上にギャップ充填組成物を適用する工程であって、前記ギャップ充填組成物が自己架橋性ポリマーおよび溶剤を含み、前記自己架橋性ポリマーが第1の単位を含み、前記第1の単位が、重合骨格および前記骨格にペンダントの架橋性基を含んでいる工程、並びに(c)前記ポリマーが自己架橋する温度に、前記ギャップ充填組成物を加熱する工程を含む。この方法は、高アスペクト比ギャップの充填のための半導体デバイスの製造における特別な適用性を見いだす。
本明細書において使用される用語は具体的な実施形態を説明することのみを目的としており、本発明の限定を意図していない。本明細書において使用される場合、文脈が他のことを明確に示さない限りは、単数形態「a」、「an」および「the」は複数形態も含むことを意図している。
本発明は、以下の図面を参照して説明されるであろう。図面においては同様の参照番号は同様の特徴を表し、各図面の説明は以下の通りである。
図1A〜Dは、本発明に従った第1のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図1A〜Dは、本発明に従った第1のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図1A〜Dは、本発明に従った第1のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図1A〜Dは、本発明に従った第1のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図2A〜Fは、本発明に従った第2のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図2A〜Fは、本発明に従った第2のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図2A〜Fは、本発明に従った第2のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図2A〜Fは、本発明に従った第2のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図2A〜Fは、本発明に従った第2のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図2A〜Fは、本発明に従った第2のギャップ充填プロセスフローを図示する。 図3Aは、充填前のトレンチパターンを示すSEM顕微鏡写真である。 図3Bは、充填後のトレンチパターンを示すSEM顕微鏡写真である。 図4Aは、充填前のコンタクトホールパターンを示すSEM顕微鏡写真である。 図4Bは、充填後のコンタクトホールパターンを示すSEM顕微鏡写真である。 図5Aは、充填前のトレンチパターンを示すSEM顕微鏡写真である。 図5Bは、充填後のトレンチパターンを示すSEM顕微鏡写真である。
本発明のギャップ充填方法は基体の表面上のレリーフ像上へのギャップ充填組成物の適用を伴う。ギャップ充填組成物は自己架橋性ポリマーおよび溶剤を含み、かつ1種以上の追加の任意成分を含みうる。自己架橋性ポリマーは第1の単位を含み、この第1の単位は重合骨格およびこの骨格にペンダントの架橋性基を含む。本明細書において使用される場合、用語「自己架橋性」とは、追加の触媒または架橋剤の助けなしに、同じポリマーの単位間で架橋反応が起こりうることを意味する。この架橋反応は、同じ種類か異なる種類かにかかわらず、複数ポリマーの単位間で追加的に起こりうる。この自己架橋反応は典型的には自己架橋性ポリマーの温度を上昇させることによりもたらされる。本発明のある形態に従って、自己架橋反応は副生成物なしに起こりうる。このような架橋反応は、空隙形成および/または欠陥の発生の観点で有害であり得るガス放出の発生を最小限にするかまたは妨げる観点から有利であり得る。
第1の形態においては、自己架橋性ポリマーは第1の単位を含み、この第1の単位はシクロブテン環に縮合した芳香族基(以降「アリールシクロブテン」)を含む。この芳香族基は単一のもしくは複数の芳香環、例えば、1つ、2つ、3つ、4つもしくはそれより多い芳香環を含むことができる。この単位中に複数の芳香環が存在する場合には、これら複数の芳香環はそれら自体が縮合(例えば、ナフチル、アントラセニル、ピレニル)および/またはテザー(tethered)(例えば、ビフェニル)構造を形成していて良い。芳香族基は場合によっては、例えば、アルキル、シクロアルキルもしくはハロの1以上で置換されている。シクロブテン基は、場合によっては、例えば、ヒドロキシ、アルコキシ、アミンもしくはアミドの1以上で置換されている。
自己架橋性ポリマーを製造するのに有用なアリールシクロブテン基含有モノマーには、これに限定されないが、以下のような一般式(I−A)または(I−B)のものが挙げられる:
Figure 2015095659
Figure 2015095659
式中、Pは重合性官能基、例えば、ビニル、(アルキル)アクリラート、もしくは環式オレフィンであり、Lは単結合であるか、または場合によって置換された線状もしくは分岐の脂肪族および芳香族炭化水素、並びにその組み合わせから選択されるm+1価の連結基であって、場合によっては、例えば、−O−、−S−、−COO−、−CONR−および−OCONH−から選択される1以上の連結部分を有しており、式中Rは水素、並びに置換および非置換C〜C10線状、分岐および環式炭化水素、好ましくはアルキルから選択され、ArおよびArは、それぞれ、三価および二価のアリール基であり、シクロブテン環の炭素原子はArもしくはArの同じ芳香環上の隣り合う炭素原子に結合されており、mおよびnはそれぞれ1以上の整数であり、各Rは独立して一価の基であり、並びにRは単結合もしくは二価の基である。好ましくは、ArおよびArは、1、2もしくは3つの芳香族炭素環またはヘテロ芳香環を含む。このアリール基は単独の芳香環を含むのが好ましく、より好ましくはフェニル環を含む。このアリール基は、場合によっては、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、およびハロから選択される1〜3つの基で置換されており、好ましくは(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、およびクロロの1以上で置換されており、並びにより好ましくは(C−C)アルキル、および(C−C)アルコキシの1以上で置換されている。このアリール基が置換されていないのが好ましい。m=1または2であるのが好ましく、より好ましくはm=1である。n=1〜4であるのが好ましく、より好ましくはn=1または2であり、並びにさらにより好ましくはn=1である。好ましくは、RはHおよび(C−C)アルキルから選択され、並びにより好ましくはHおよび(C−C)アルキルから選択される。好ましくは、Rは単結合、(C−C)アルキレンから選択され、並びにより好ましくは単結合および(C−C)アルキレンから選択される。
重合性官能基Pは、例えば、以下の一般式(II−A)および(II−B)から選択されうる:
Figure 2015095659
式中、Rは水素、フッ素、C−Cアルキル、およびC−Cフルオロアルキルから選択され、並びにXは酸素であるか、または式NRで表され、式中Rは水素、並びに置換および非置換C〜C10線状、分岐および環式炭化水素、好ましくはアルキルから選択される;並びに
Figure 2015095659
式中、Rは水素、フッ素、C−Cアルキル、およびC−Cフルオロアルキルから選択される。追加の適する重合性官能基には、例えば、ノルボルネン、環式シロキサン、環式エーテル、アルコキシシラン、ノボラック、官能基、例えば、フェノールおよび/またはアルデヒド、カルボン酸、アルコールおよびアミンが挙げられる。
本発明において有用なアリールシクロブテンモノマーは任意の適する方法、例えば、M.Azadi−Ardakaniら、3,6−ジメトキシベンゾシクロブテノン:キノン合成のための試薬(A Reagent for Quinone Synthesis)、Tetrahedron、第44巻、No.18、5939〜5952ページ、1988年;J.Dobishら、Polym.Chem.、2012、3、857〜860(2012);米国特許第4,540,763号、第4,812,588号、第5,136,069号、第5,138,081号、並びに国際公開第WO94/25903号に記載される方法によって製造されうる。これらモノマーの製造に有用なアリールシクロブテンはザダウケミカルカンパニーから入手可能であるCyclotene(商標)ブランドで市販されている。
適するアリールシクロブテンモノマーには、例えば、以下の重合単位を形成するものが挙げられる:
Figure 2015095659
Figure 2015095659
Figure 2015095659
Figure 2015095659
Figure 2015095659
これらの中で、4−ビニルベンゾシクロブテンモノマーおよびベンゾシクロブテン部分を含むモノマーが典型的である。第1の単位は典型的には、自己架橋性ポリマー中に、ポリマーを基準にして1〜100モル%、例えば、1〜50モル%、1〜20モル%、または1〜10モル%の量で存在する。
ポリマーに自己架橋性をもたらす他の適する化学的性質が使用されてもよい。例えば、さらなる態様においては、自己架橋性ポリマーはアジド−アルキンカップリング反応から形成された単位を含むことができる(例えば、Spruellら、J.Am.Chem.Soc.、2011、133、16698−16706、およびMansfieldら、Polym.Chem.、2010、1、1560−1598を参照)。この方法に従って、ポリマーは、アジドを含む単位およびアルキンを含む単位を含む。アジドおよびアルキンは同じ単位に存在していてもよく、または異なる単位に存在していてもよい。典型的には、アジドおよびアルキンは異なる単位に存在している。本発明において有用な適するアジド−アルキン架橋性ポリマーは以下に一般式(III)で記載される:
Figure 2015095659
式中、P およびP はそれぞれ重合された官能基、例えば、重合されたビニル、(アルキル)アクリラートまたは環式オレフィン基から選択され、並びにLおよびLはそれぞれ、単結合、または場合によって置換された線状もしくは分岐脂肪族および芳香族炭化水素、並びにそれらの組み合わせから選択される二価の連結基から選択され、場合によっては、例えば、−O−、−S−、−COO−、−CONR−および−OCONH−(式中、Rは水素、並びに置換および非置換C〜C10線状、分岐および環式炭化水素、好ましくはアルキルから選択される)から選択される1以上の連結部分を伴う。重合された官能基P およびP は、例えば、上述の一般式(II−A)および(II−B)の重合性基から形成されるものから選択されうる。一般式(III)のポリマーを使用する本発明のこの形態に従う自己架橋反応は以下に示される:
Figure 2015095659
アジド−アルキン自己架橋性ポリマーを製造するのに使用するのに適するアジドモノマーには、例えば、以下の1種以上が挙げられる:
Figure 2015095659
Figure 2015095659
式中、nは0〜5の整数である。アジド−アルキン自己架橋性ポリマーを製造するのに使用するのに適するアルキンモノマーには、例えば、以下の1種以上が挙げられる:
Figure 2015095659
Figure 2015095659
アジド−アルキン化学に基づく自己架橋性ポリマーについては、アジド基含有単位およびアルキン基含有単位はそれぞれ、典型的に、自己架橋性ポリマー中に、ポリマーに基づいて、1〜50モル%、例えば、1〜25モル%、1〜10モル%、または1〜5モル%の量で存在する。アジド含有単位およびアルキン含有単位は典型的にはポリマー中に同じ量で、または実質的に同じ量で存在する。
自己架橋性をポリマーに付与するためのさらに適する化学は、その場での(in−situ)メルドラムの(Meldrum’s)酸誘導体からのケトン形成であり、例えば、Leibfarthら、Nature Chemistry、2010、2、207−212、およびLeibfarthら、Chem.Sci.、2012、3、766に記載されている。この反応の一般的なメカニズムは以下に説明される:
Figure 2015095659
この化学に基づく適する自己連結性ポリマーには、例えば、以下のような一般式(IV)のケトン基含有単位が挙げられる:
Figure 2015095659
式中、P は重合された官能基、例えば、重合されたビニル、(アルキル)アクリラートまたは環式オレフィン基から選択され、Lは単結合、または場合によって置換された線状もしくは分岐の脂肪族および芳香族炭化水素、並びにこれらの組み合わせから選択される二価の連結基から選択され、場合によっては、例えば、−O−、−S−、−COO−、−CONR10−および−OCONH−(式中、R10は水素、並びに置換および非置換C〜C10線状、分岐および環式炭化水素、好ましくはアルキルから選択される)から選択される1以上の連結部分を伴い、Rは水素原子、またはC〜C10有機基、例えば、置換もしくは非置換のC〜C10、もしくはC〜Cアルキルアルキル、またはC〜C10、もしくはC〜Cアルケニル基を表し、並びにRは独立して置換もしくは非置換のC〜C有機基、例えば、C〜Cアルキルもしくはアセチルオキシ基であり、これは場合によっては一緒になって、環、例えば、C〜CもしくはC〜Cシクロアルキル環を形成している。重合された官能基P は、例えば、上述の一般式(II−A)および(II−B)の重合性基から形成されるものから選択されうる。望まれる場合には、R基は、架橋の際のその開裂が、ガス放出に対するその影響を最小限にするように選択されうる。
一般式(IV)のポリマーを使用する本発明のこの態様に従う自己架橋性反応が以下に示される:
Figure 2015095659
一般式(IV)の重合単位についての典型的なモノマーには以下のものが挙げられる:
Figure 2015095659
Figure 2015095659
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自己架橋性ポリマーは1種以上の追加の単位を含んでいても良い。このポリマーは、例えば、表面エネルギー、光学特性(例えば、nおよびk値)および/または自己架橋性ポリマーのガラス転移温度を調節する目的のために、1種以上の追加の単位を含んでいても良い。好適な単位には、例えば、以下の一般式(IV)および(V)から選択される1種以上の単位が挙げられる:
Figure 2015095659
式中、R11は独立して水素、フッ素、C−CアルキルおよびC−Cフルオロアルキルから選択され、R12は場合によって置換されたC〜C10アルキルから選択され、並びにArはアリール基である。好ましくは、Arは1、2もしくは3つの芳香族炭素環式環および/またはヘテロ芳香環を含む。アリール基が単一の芳香環を含むことが好ましく、より好ましくはフェニル環を含む。アリール基は、場合によっては、例えば、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシもしくはハロで置換されている。アリール基が置換されていないのが好ましい。
追加の単位のための典型的な適する構造には以下のものが挙げられる:
Figure 2015095659
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1種以上の追加の単位は、自己架橋性ポリマー中に存在する場合には、ポリマーを基準にして99モル%まで、好ましくは80〜98モル%の量で使用されうる。
自己架橋性ポリマーは好ましくは50,000未満の重量平均分子量Mw、好ましくは5000〜30,000のMwを有する。より小さい分子量のポリマーは、より大きな分子量のポリマーと比べてより小さな、その嵩高さの性質の結果として、狭いギャップをより容易に充填するのを可能にすると考えられる。
自己架橋性ポリマーは、好ましくは、1.5未満、より好ましくは1.3未満の多分散指数(PDI)を有する。自己架橋性ポリマーのより小さなPDIは、分子量について上述したのと同じ理由でギャップを充填する能力を向上させると考えられる。
自己架橋性ポリマーの分子量および多分散指数の制御は狭くおよび/または高いアスペクト比のギャップ、例えば、トレンチ、コンタクトホールおよび孔の充填を可能にすると考えられる。この制御は、例えば、イオン性(アニオン性もしくはカチオン性)重合、または制御されたラジカル重合、例えば、ニトロキシド媒介重合(NMP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、または原子移動ラジカル重合(ATRP)を行うことにより達成されうる。
好ましくは、ポリマーのガラス転移温度(T)は、このポリマーの架橋の開始温度(T)より10℃以上低く、好ましくはこのポリマーの架橋の開始温度より20℃以上、もしくは30℃以上低い。本明細書において言及される場合、ガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC、20℃/分の増加速度)によって測定して決定されるものである。開始温度とガラス転移温度との間のこの温度差は以下の式によって定義される:
Figure 2015095659
充分に高いΔTo−gを有する自己架橋性ポリマーの選択によって、この組成物が加熱された場合の、例えば、後述のソフトベーク中でのおよび任意のギャップ充填ベークプロセス中での、ポリマーの時期尚早な架橋が回避されることができる。さらに、充分に高いΔTo−gを有する自己架橋性ポリマーを含む本発明に従ったギャップ充填組成物は、典型的には、非常に良好な平坦化を有する。自己架橋性ポリマーは典型的には、ギャップ充填組成物中に、この組成物の全固形分を基準にして、80〜100重量%、例えば、90〜100重量%、または95〜100重量%の量で存在する。
適する自己架橋性ポリマーには、例えば、以下のものが挙げられる:
Figure 2015095659
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Figure 2015095659
ギャップ充填組成物は、単一の溶剤または溶剤混合物を含むことができる溶剤をさらに含む。ギャップ充填組成物を配合しかつキャストするのに適した溶剤材料は、ギャップ充填組成物の非溶剤成分についての非常に良好な溶解性を示すが、ギャップ充填組成物と接触している下にあるレリーフ像または基体表面の他の材料を認めうるほどには溶解しない。溶剤は典型的には水、水性溶剤、有機溶剤およびこれらの混合物から選択される。ギャップ充填組成物に適する有機溶剤には、例えば、アルコール、例えば、直鎖、分岐もしくは環式C−C一価アルコール、例えば、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノールおよび4−オクタノール;2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、および2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−ヘキサノール、およびC−Cフッ素化ジオール、例えば、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロ−1,5−ペンタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、および2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール;アルキルエステル、例えば、アルキルアセタート、例えば、n−ブチルアセタート、プロピオナート、例えば、n−ブチルプロピオナート、n−ペンチルプロピオナート、n−ヘキシルプロピオナート、およびn−ヘプチルプロピオナート、およびアルキルブチラート、例えば、n−ブチルブチラート、イソブチルブチラート、およびイソブチルイソブチラート;ケトン、例えば、2,5−ジメチル−4−ヘキサノン、および2,6−ジメチル−4−ヘプタノン;脂肪族炭化水素、例えば、n−ヘプタン、n−ノナン、n−オクタン、n−デカン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、3,3−ジメチルヘキサン、および2,3,4−トリメチルペンタン、およびフッ素化脂肪族炭化水素、例えば、ペルフルオロヘプタン;エーテル、例えば、イソペンチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテル;および、これら溶剤の1種以上を含む混合物が挙げられる。これら有機溶剤の中で、アルコール、脂肪族炭化水素、およびエーテルが好ましい。ギャップ充填組成物の溶剤成分は、典型的には、ギャップ充填組成物の全重量を基準にして、80〜99重量%、より典型的には90〜99重量%、または95〜99重量%の量で存在する。
ギャップ充填組成物は1種以上の任意の添加剤、例えば、界面活性剤および酸化防止剤を含むことができる。典型的な界面活性剤には、両親媒性を示すものが挙げられ、この両親媒性とはそれが同時に親水性および疎水性の両方であり得ることを意味する。両親媒性界面活性剤は、水への強い親和性を有する親水性ヘッド基(単一もしくは複数)と、水をはじきかつ有機物質親和性である長い疎水性テイルとを有する。適する界面活性剤はイオン性(すなわち、アニオン性、カチオン性)または非イオン性であり得る。界面活性剤のさらなる例には、シリコーン界面活性剤、ポリ(アルキレンオキシド)界面活性剤、およびフルオロケミカル界面活性剤が挙げられる。適する非イオン性界面活性剤には、これに限定されないが、オクチルおよびノニルフェノールエトキシラート、例えば、TRITON(登録商標)X−114、X−100、X−45、X−15、並びに分岐第二級アルコールエトキシラート、例えば、TERGITOL(商標)TMN−6(米国、ミシガン州、ミッドランドのザダウケミカルカンパニー)が挙げられる。またさらなる典型的な界面活性剤には、アルコール(第一級および第二級)エトキシラート、アミンエトキシラート、グルコシド、グルカミン、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、またはニュージャージー州、グレンロックのManufacturers Confectioners Publishing Co.により出版されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents、North American Edition for the Year 2000に開示される他の界面活性剤が挙げられる。アセチレン系ジオール誘導体である非イオン性界面活性剤も好適であり得る。このような界面活性剤はペンシルベニア州、アレンタウンのAir Products and Chemicals,Inc.から市販されており、SURFYNOL(登録商標)およびDYNOL(登録商標)の商品名で販売されている。追加の適する界面活性剤には、他のポリマー系化合物、例えば、トリブロックEO−PO−EOコポリマーである、PLURONIC(登録商標)25R2、L121、L123、L31、L81、L101およびP123(BASF,Inc.)が挙げられる。このような界面活性剤および他の任意の添加剤は、使用される場合には、典型的には、組成物中に少量で、例えば、ギャップ充填組成物の全固形分を基準にして、0.01〜10重量%で存在する。
酸化防止剤はギャップ充填組成物における有機材料の酸化を妨げまたは最小限にするために添加されうる。適する酸化防止剤には、例えば、フェノール系酸化防止剤、有機酸誘導体からなる酸化防止剤、硫黄含有酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、アミン−アルデヒド縮合物からなる酸化防止剤、およびアミン−ケトン縮合物からなる酸化防止剤が挙げられる。フェノール系酸化防止剤の例には、置換フェノール、例えば、1−オキシ−3−メチル−4−イソプロピルベンゼン、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシメチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、ブチル・ヒドロキシアニソール、2−(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2−メチル−4,6−ジノニルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチル・アニリノ)2,4−ビス・オクチル−チオ−1,3,5−トリアジン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル・フェニル)プロピオナート、オクチル化フェノール、アラルキル−置換フェノール、アルキル化p−クレゾールおよびヒンダードフェノール;ビス−、トリス−およびポリ−フェノール、例えば、4,4’−ジヒドロキシ・ジフェニル、メチレン・ビス(ジメチル−4,6−フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−シクロヘキシル・フェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、メチレン−架橋多価アルキルフェノール、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチル・ジフェニルメタン、アルキル化ビスフェノール、ヒンダードビスフェノール、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、およびテトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]メタンが挙げられる。適する酸化防止剤は商業的に入手可能であり、例えば、Irganox(商標)(Ciba Specialty Chemicals Corp.)酸化防止剤である。酸化防止剤は、使用される場合には、典型的には、ギャップ充填組成物中に、ギャップ充填組成物の全固形分を基準にして0.01〜10重量%の量で存在する。
このポリマーは自己架橋性なので、ギャップ充填組成物はこのポリマーの架橋をもたらすのに、追加の架橋剤を必要としない。2つの別個の架橋反応、すなわち、(i)自己架橋および(ii)ポリマーと架橋剤との反応による架橋が処理中に起こるであろうから、好ましくは、ギャップ充填組成物はこのような追加の架橋剤を含まない。これら2つのメカニズムが起こる温度を適合させるのは困難であろうから、これら架橋反応の制御は困難な場合がある。さらに、架橋剤は熱的に不安定である場合があり、このことは結果的にその後の処理中での蒸発および空隙形成を生じさせる場合がある。さらに、自己架橋性ポリマーと追加の架橋剤との間の相分離が起こる場合があり、結果的に不均一な架橋をもたらす場合がある。
ギャップ充填組成物は既知の手順に従って製造されうる。例えば、この組成物はこの組成物の固体成分を溶剤成分中に溶解することにより製造されうる。組成物の所望の全固形分量は望まれる最終層厚さなどの要因に応じて決まるであろう。典型的には、ギャップ充填組成物の固形分量は、この組成物の全重量を基準にして1〜10重量%、より典型的には1〜5重量%である。
第1の態様に従う本発明の方法がここで、図1A〜Dを参照して説明される。図1Aは半導体基体2の断面を描く。この基体はケイ素のような半導体、または化合物半導体(例えば、III−VまたはII−VI)、ガラス、石英、セラミック、銅などの材料のものであり得る。典型的には、基体は半導体ウェハ、例えば、単結晶シリコンであり、かつその表面上に形成された1以上の層およびパターン形成されたフィーチャを有することができる。基体の部分を形成する層には、例えば、1以上の導電性層、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、これら金属の合金、窒化物もしくはケイ化物、ドープされた非晶質シリコンもしくはドープされたポリシリコンの層、1以上の誘電体層、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、もしくは金属酸化物の層、半導体層、例えば、単結晶シリコン、炭素層、並びにこれらの組み合わせが挙げられうる。これら層は、様々な技術、例えば、化学蒸着(CVD)、例えば、プラズマ強化(plasma−enhanced)CVD、低圧CVD、もしくはエピタキシャル成長、物理蒸着(PVD)、例えば、スパッタリングもしくは蒸発、電気めっき、または液体コーティング技術、例えば、スピンコーティングによって形成されうる。
基体の最上層は、充填されるべきギャップ6を画定するレリーフ像4を含む。この充填されるべきギャップはベース基体材料自体に、またはベース基体材料上に形成された層に存在することができ、かつ様々な形態を採ることができる。このギャップは、例えば、トレンチ、ホールまたは孔の形態を採ることができ、並びに有利には、幅が極端に狭くかつ高いアスペクト比を有していてもよい。
レリーフ像は典型的には、リソグラフィックプロセス、例えば、フォトリソグラフィックまたは自己組織化プロセス、例えば、誘導自己組織化(directed self−assenbly:DSA)によって形成される。レリーフ像およびギャップが形成されている層から、下にある層へのパターン転写のために、エッチングプロセス、例えば、異方性ドライエッチングが典型的に使用される。図示された実施形態においては、レリーフ層が形成されている材料層をギャップが貫通して伸びており、下にある基体を露出させている。ギャップが材料層を部分的にだけ通って伸びているのが望ましい場合がある。フォトリソグラフィプロセスの場合には、200nm未満、例えば、193nmの波長の、またはEUV波長(例えば、13.4nm)の露光放射線または電子ビーム露光を使用するのが好ましい。ギャップは、例えば、高さhおよび幅wを有するトレンチもしくはホールの形態を採ることが可能であり、かつ比較的狭い幅および深い高さのものであり得る。本発明に従うプロセスおよび組成物は比較的大きなアスペクト比を有するギャップを充填するのに使用するのに適する。本明細書において使用される場合、アスペクト比(AR)はAR=h/w(式中、hはギャップの高さでありかつwはギャップの幅である)として定義される。典型的には、ギャップ幅は1nm〜200nm、例えば、1nm〜100nm、1nm〜50nm、または1nm〜25nmであり、好ましくは50nm未満、例えば、20nm未満、15nm未満、10nm未満、または5nm未満である。アスペクト比は、典型的には、1〜10,例えば、1〜5、または2以上、例えば、2〜4、またはそれより大である。
図1Bに示されるように、本明細書において記載される様なギャップ充填組成物8はウェハ表面にレリーフ像4上に適用される。ギャップ充填組成物はスピンコーティング、ディッピング、ローラーコーティングまたは他の従来のコーティング技術によって、基体に適用されうる。これらの中で、スピンコーティングが典型的であり好ましい。スピンコーティングのためには、使用される具体的なコーティング装置、溶液の粘度、コーティングツールの速度、およびスピニングに許容される時間量に基づいて、望まれる膜厚さを提供する様にギャップ充填組成物の固形分量が調節されうる。ギャップ充填組成物の望まれるコート厚さは、例えば、充填されるべきギャップの形状に応じて変化するであろう。ギャップ充填組成物8のための典型的な厚さは約200〜3000Åである。
ギャップ充填組成物は典型的には、次いで、残留溶剤を層から蒸発させる時間および温度でソフトベークされる。このソフトベーク温度は、ポリマーの時期尚早な架橋を避けるために、開始温度より低い。ソフトベークはホットプレートもしくはオーブンを用いて行われることができ、ホットプレートが典型的である。ソフトベークは、例えば、ギャップ充填組成物のコーティングのためにも使用されるウェハトラックのホットプレート上で行われうる。ソフトベーク温度および時間は、例えば、ギャップ充填組成物の具体的な組成および厚さに応じて決まるであろう。ソフトベークは典型的には約90〜150℃の温度で、および約30〜90秒の時間で行われる。
図1Cを参照すると、組成物は次いで、自己架橋性ポリマーが自己架橋を起こす温度および時間で加熱されて、それにより架橋したポリマー8’を形成する。架橋ベークはホットプレート上でまたはオーブン14内で行われることができ、ホットプレートが典型的である。架橋ベークは、例えば、ギャップ充填組成物のコーティングのためにも使用されるウェハトラックのホットプレート上で行われてもよい。架橋ベーク温度および時間は、例えば、ソフトベークされたギャップ充填組成物の具体的な組成および厚さに応じて決まるであろう。架橋ベークは典型的には、約200〜300℃の温度および約30秒〜30分の時間で行われる。架橋ベークは、例えば、ギャップ充填組成物を単一の温度で加熱することによって、またはこの温度に勾配を付けることによって行われうる。ソフトベークおよび架橋ベークは単一のプロセスで同じヒーターを用いて、例えば、ソフトベークから架橋温度まで温度に勾配を付けることによって行われうる。
ギャップ充填組成物の架橋の後で、基体のさらなる処理が行われて、最終デバイスを形成し、これはメモリ(DRAM)もしくは論理デバイスを含んでいてもよい。さらなる処理には、例えば、図1Dに示されるような基体上での層16の形成、ポリッシング、化学機械平坦化(CMP)、イオン注入、アニーリング、CVD、PVD、エピタキシャル成長、電気めっきおよびリソグラフィ技術、例えば、DSAおよびフォトリソグラフィの1以上が挙げられうる。有利には、例えば、スピンコーティングによる、架橋したギャップ充填組成物の直接上への、溶剤を含む液体層のコーティングが、下にある架橋した材料との相互混合なしに行われうる。
図2A〜Fは本発明のさらなる態様に従った方法を図示し、そこでは、図2Aおよび2Bに示されるように、ギャップ充填組成物8のウェハ2への適用はギャップを完全に充填しない。これは、例えば、非常に微細なギャップ、高粘度のギャップ充填組成物および/またはより高い分子量の自己架橋性ポリマーの場合に起こりうる。ソフトベーク温度、ギャップ充填組成物、並びにギャップ寸法および形状に応じて、ポリマー粘度が充分に低減されるならば、ソフトベーク中に部分的または完全なギャップ充填が起こりうる。他に示される場合を除いて、図1に示されるプロセスに関する上記記載は図2を参照して説明されるプロセスにも当てはまる。
コーティングおよびソフトベークの後でギャップ充填が不完全である場合には、ソフトベークされたギャップ充填組成物が、ソフトベーク温度より高い温度で、ギャップ充填組成物がこの複数のギャップを充填するのに有効な時間にわたってギャップ充填ベークで加熱されることができる。図2Cに示されるように、ギャップ充填ベークは、ホットプレートもしくはオーブン12を用いて行われることができ、ホットプレートが典型的である。ギャップ充填ベークは、例えば、ギャップ充填組成物のコーティングおよびソフトベークにも使用されたウェハトラックのホットプレート上で行われうる。ギャップ充填ベーク温度および時間は、例えば、ソフトベークされたギャップ充填組成物の具体的な組成および厚さに応じて決まるであろう。ギャップ充填ベークは、典型的には、約150〜200℃の温度で、および約30秒〜10分の時間で行われる。好ましくは、ギャップ充填ベーク温度は組成物の開始温度よりも10℃以上低く、好ましくは組成物の開始温度よりも20℃以上、または30℃以上低い。好ましくは、ギャップ充填ベーク温度は架橋ベーク温度よりも15℃以上低く、好ましくは架橋ベーク温度よりも25℃以上、または35℃以上低い。ギャップ充填ベークプロセス中に、ソフトベークされたギャップ充填組成物8の粘度はより低くなり、図2Cおよび2Dに示されるように、この材料がギャップ6を充填するのを可能にする。
図2Eを参照して、組成物は次いで、ギャップ充填ベークの温度より高い温度に加熱されて、自己架橋性ポリマーに自己架橋を起こさせる。この架橋ベークはホットプレート上で、またはオーブン14内で行われることができ、ホットプレートが典型的である。架橋ベークは、例えば、ギャップ充填組成物のコーティングにも使用されるウェハトラックのホットプレート上で行われうる。架橋ベーク温度および時間は、例えば、ソフトベークされたギャップ充填組成物の具体的な組成および厚さに応じて決まるであろう。架橋ベークは典型的には、200〜300℃の温度で、かつ約30秒〜30分の時間で行われる。場合によっては、ギャップ充填ベークおよび架橋ベークは単一のプロセスで行われうる。ギャップ充填ベークおよび架橋ベークは、例えば、同じ加熱ツールを用いて逐次的に行われうる。この加熱は、例えば、ギャップ充填機能および架橋ベーク機能の両方を行うために、連続的に温度を勾配させ、または段階的な温度プロファイルを用いることによって行われうる。
以下の非限定的な実施例は本発明の例示である。
4−ビニルベンゾシクロブテンの合成
Figure 2015095659
4−カルボキシアルデヒドベンゾシクロブテン(1.2):
500mLのフラスコに、50mLの無水テトラヒドロフラン(THF)、Mg切削物(2.88g、120mmol)および1,2−ジブロモエタン(4滴)が入れられた。この反応混合物が、次いで、15分間にわたって還流下で加熱された。25mLの無水THF中の4−ブロモベンゾシクロブテン(1.1、20g、109mmol)が滴下添加され、グリニャール試薬を形成した。添加および滴下漏斗を25mLの無水THFですすいだ後で、この反応混合物が還流下でさらに45分間にわたって加熱されて、緑褐色の溶液を得た。この反応混合物は、次いで、0℃に冷却された。ジメチルホルムアミド(DMF)(15mL、210mmol)がこの溶液に滴下添加され、そしてこの反応混合物が還流下で15分間にわたって加熱された。この反応混合物は150gの氷の上に注がれ、酸性化され、そして飽和NaHCO溶液で中和された。この粗生成物は酢酸エチルで抽出され、有機相がセライト上で濾別され、そして溶剤を蒸発させて粗生成物を得た。この生成物は10%ジエチルエーテル/ヘキサンを溶離溶剤として使用したカラムクロマトグラフィで精製されて、対応するアルデヒド(1.2、12g、82%)を無色液体として得た。H NMR(300MHz、CDCl):d9.9(s,1H)、7.65(dd,1H)、7.50(s,1H)、7.14(dd,1H)、3.15(s,4H)。
4−ビニルベンゾシクロブテン(1.3):
500mLの丸底ネックフラスコに、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(1.1)(48.6g、136.2mmol)、220mLの無水THFを添加し、そしてこの溶液が−78℃に冷却された。n−BuLi(ヘキサン中2.5M、52.8mL、132mmol)が滴下添加され、そしてこの反応混合物が室温まで暖められた。この黄橙色溶液が−78℃まで冷却され、そして無水THF(70mL)に希釈されたアルデヒド(1.2)(14.32g、108.4mmol)をゆっくりと添加した。この混合物が室温に暖められ、そして2時間にわたって攪拌を続けた。この反応は、飽和NHClおよび飽和NaHCO溶液で逐次的に処理され、そして粗生成物がセライト上で濾別され、ジエチルエーテル/ヘキサン(1:1)で洗浄され、そして乾燥するまで(加熱なしで)蒸発させて、粗生成物を得た。ジエチルエーテル/ヘキサンを溶離溶剤として使用したカラムクロマトグラフィによるさらなる精製、その後の真空蒸留(75℃、1.0mm)によって、無色液体として純粋な4−ビニルベンゾシクロブテン(1.3)(11g、78%)を得た。H NMR(300MHz、CDCl):δ7.26(d,1H)、7.20(s,1H)、7.04(d,1H)、6.74(dd,1H)、5.70(d,1H)、5.20(d,1H)、3.19(s,4H)。
自己架橋性ポリマー製造
ポリマーP25:P(S−r−VBCB)(90/10)
禁止剤を除去するために、スチレンおよび4−ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)(1.3)モノマーがアルミナカラムを通された。26.341gのスチレン、3.659gのVBCB、0.2286gのN−tert−ブチル−N−(2−メチル−1−フェニルプロピル)−O−(1−フェニルエチル)ヒドロキシルアミン、および0.0114gの2,2,5−トリメチル−4−フェニル−3−アザヘキサン−3−ニトロキシドが100mLのシュレンクフラスコに入れられた。この反応混合物は、3回の凍結−ポンプ吸引−融解サイクルで脱ガスされて、次いで、このフラスコに窒素が充填され密閉された。この反応フラスコは、次いで、120℃で24時間にわたって加熱された。この重合混合物が室温まで冷却され、そしてテトラヒドロフラン(THF)で希釈された。メタノール中でポリマー沈殿が行われた。沈殿したポリマーは濾過によって集められ、一晩空気乾燥させられ、THFに再溶解され、そしてメタノール中で再沈殿させられた。最終ポリマーが濾過され、一晩空気乾燥させられ、真空下25℃で48時間にわたってさらに乾燥させられて、ポリスチレン−コ−ポリ(4−ビニルベンゾシクロブテン)[P(S−r−VBCB)](90/10)[Mn:22.2k、PDI:1.25、Td(分解温度):384.70℃、Tg(ガラス転移温度:102.05℃)]を得た。
Figure 2015095659
ポリマーP26:P(S−r−VBCB)(97/03)
禁止剤を除去するために、スチレンおよび4−ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)モノマーがアルミナカラムを通された。28.883gのスチレン、1.117gのVBCB、0.2257gのN−tert−ブチル−N−(2−メチル−1−フェニルプロピル)−O−(1−フェニルエチル)ヒドロキシルアミン、および0.0112gの2,2,5−トリメチル−4−フェニル−3−アザヘキサン−3−ニトロキシドが100mLのシュレンクフラスコに入れられた。この反応混合物は、3回の凍結−ポンプ吸引−融解サイクルで脱ガスされて、次いで、このフラスコに窒素が充填され密閉された。この反応フラスコは、次いで、120℃で24時間にわたって加熱された。この重合混合物が室温まで冷却され、そしてTHFで希釈された。メタノール中でポリマー沈殿が行われた。沈殿したポリマーは濾過によって集められ、一晩空気乾燥させられ、THFに再溶解され、そしてメタノール中で再沈殿させられた。最終ポリマーが濾過され、一晩空気乾燥させられ、真空下25℃で48時間にわたってさらに乾燥させられて、[P(S−r−VBCB)](97/3)[Mn:23.0k、PDI:1.30]を得た。
Figure 2015095659
ギャップ充填組成物および溶剤剥離試験
溶剤剥離試験を行うことによって、これら自己架橋性ポリマーの熱架橋反応が間接的に検査された。ポリマーP25およびP26のそれぞれがプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)に溶解させられ(1.5重量%)、そしてこの溶液が、0.2ミクロンの孔サイズを有するテフロン(登録商標)フィルタを通して濾過されて、それぞれギャップ充填組成物1および2を得た。これら組成物のそれぞれは、1500rpmでそれぞれのベアSiウェハ上にスピンコートされた。ポリマーの熱架橋挙動を調べるために、このコートされたウェハは、様々な温度および時間で、窒素環境(100ppm未満のOレベル)下でベークされた。その後、未架橋の材料を除去するために、これら膜がPGMEAで充分にすすがれた。基体上に残る不溶性の架橋したランダムコポリマーの厚さが測定された。この結果が表1に示される。
Figure 2015095659
これら結果に基づいて、自己架橋性ポリマーP25およびP26の有効な架橋が、P25については250℃の高いアニーリング温度で5分間で、P26については250℃で30分間で達成された。これら材料のガラス転移温度は約100℃であるので、有意な架橋反応を伴うことなく、好ましくは約100℃〜225℃のギャップ充填ベークが使用されうることが予想される。
ギャップ充填組成物
これらポリマーを表2に示されるような量の溶剤に溶解させることにより、ギャップ充填組成物が製造される。これら溶液は0.2ミクロンの孔サイズを有するテフロン(登録商標)フィルタを通して濾過されて、ギャップ充填組成物を提供する。
Figure 2015095659
ギャップ充填実施例1
シリコンウェハセグメント上のパターン形成された酸化ケイ素が提供された。このパターンは、図3AのSEM顕微鏡写真に示されるように、トレンチの底および頂部でそれぞれ260nmおよび345nmの幅、並びに576nmの高さを有するトレンチを含んでいた。このパターンは、図4AのSEM顕微鏡写真に示されるように、底および頂部でそれぞれ118nmおよび150nmの直径、並びに545nmの深さを有するコンタクトホールも含んでいた。このウェハセグメントのパターン形成された表面上に、2000rpmでギャップ充填組成物1がスピンコートされて、約144nmの膜厚さを生じさせた。このコートされたギャップ充填組成物は、次いでホットプレート上で150℃で120秒間にわたってソフトベークされて、この組成物から溶剤を除いた。次いで、この組成物は250℃で120秒間にわたって加熱されて、このポリマーを自己架橋させた。架橋後のこのトレンチおよびコンタクトホールパターンは、それぞれ、図3Bおよび4BのSEM顕微鏡写真に示される。
ギャップ充填実施例2
ポリマーP25をPGMEAに溶解させる(2.0重量%)ことによりギャップ充填組成物が製造され、この溶液が、0.2ミクロンの孔サイズを有するテフロン(登録商標)フィルタを通して濾過されて、ギャップ充填組成物27を提供した。シリコンウェハセグメント上のパターン形成された窒化ケイ素が提供された。このパターンは、図5AのSEM顕微鏡写真に示されるように、15nmの幅、並びに77nmの高さを有するトレンチを含んでいた。このウェハセグメントのパターン形成された表面上に、1500rpmでギャップ充填組成物27がスピンコートされて、このパターンをオーバーコートした。このコートされたギャップ充填組成物は、次いでホットプレート上で180℃で60秒間にわたってソフトベークされて、この組成物から溶剤を除いた。この充填されたトレンチパターンは図5BのSEM顕微鏡写真に示される。
ギャップ充填実施例3〜28
パターン形成されたLPCVD二酸化ケイ素コートされたシリコンウェハが提供された。パターンは15nmの幅および75nmの高さを有するトレンチ、並びに20nmの直径および100nmの深さを有するコンタクトホールを含んでいる。ギャップ充填組成物1〜26は、このパターン形成されたウェハ上にスピンコートされ、表3に記載された条件でソフトベークされ、ギャップ充填ベークされそして架橋ベークされる。これらベークはホットプレート上で行われる。ギャップ充填および架橋ベークの後で、架橋された組成物でトレンチおよびコンタクトホールが完全に充填されることが予想される。
Figure 2015095659
2 半導体基体
4 レリーフ像
6 ギャップ
8 ギャップ充填組成物
8’ 架橋したポリマー
14 オーブン
16 層

Claims (10)

  1. (a)充填されるべき複数のギャップを含むレリーフ像を基体の表面上に有する半導体基体を提供する工程、
    (b)前記レリーフ像上にギャップ充填組成物を適用する工程であって、前記ギャップ充填組成物が自己架橋性ポリマーおよび溶剤を含み、前記自己架橋性ポリマーが第1の単位を含み、前記第1の単位が、重合骨格および前記骨格にペンダントの架橋性基を含んでいる工程、並びに
    (c)前記ポリマーが自己架橋する温度に、前記ギャップ充填組成物を加熱する工程、
    を含むギャップ充填方法。
  2. 前記架橋性基がアリールシクロブテンである請求項1の方法。
  3. 前記ポリマーが、一般式(IV)および(V)
    Figure 2015095659
    Figure 2015095659
    (式中、R11は独立して水素、フッ素、C−CアルキルおよびC−Cフルオロアルキルから選択され、R12は場合によって置換されたC〜C10アルキルから選択され、並びにArはアリール基である)
    から選択される第2の単位をさらに含む、請求項1または2の方法。
  4. 前記第1の単位および前記第2の単位がそれぞれ、
    Figure 2015095659
    および
    Figure 2015095659
    である、請求項1〜3のいずれかの方法。
  5. 前記自己架橋性ポリマーが50,000未満の重量平均分子量および1.5未満の多分散指数を有する請求項1〜4のいずれかの方法。
  6. 前記ギャップ充填組成物が追加の架橋剤を含まない請求項1〜5のいずれかの方法。
  7. 前記ギャップが50nm未満の幅および2以上のアスペクト比を有する請求項1〜6のいずれかの方法。
  8. 前記ギャップ充填組成物が自己架橋する前に、前記ギャップ充填組成物が前記複数のギャップを充填する温度に前記ギャップ充填組成物を加熱することをさらに含む、請求項1〜7のいずれかの方法。
  9. 前記ギャップ充填組成物が前記複数のギャップを充填する温度が、前記ポリマーが自己架橋する温度よりも少なくとも15℃低い、請求項8の方法。
  10. 前記複数のギャップを充填するための加熱および前記自己架橋するための加熱が単一のプロセスで行われる、請求項8または9の方法。
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