JP2015095427A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウム析出耐性に優れるリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン二次電池は、正極と負極とを備え、該正極は正極活物質層を有し、該負極は第1の負極活物質を含む負極活物質層を有し、該負極活物質層と該正極活物質層とは互いに対向配置され、該負極活物質層は該正極活物質層と対向しない非対向部位を有し、該非対向部位において、該負極は該負極活物質層上に被覆層を有し、該被覆層は、単位質量あたりの理論容量が該第1の負極活物質よりも大きい第2の負極活物質を含む。
【選択図】図2

Description

本発明はリチウムイオン二次電池に関する。
正極にリチウム含有酸化物材料と負極に炭素材料とを有するリチウムイオン二次電池が知られている。この構成において金属リチウムを生じずに安定した充放電を行なうためには、正極と対峙する負極が正極よりも容量および面積において大きい必要がある。たとえば特開2008−66020号公報(特許文献1)には、正極活物質層の最端部位置が負極活物質層の最端部位置よりも内側に配置された非水電解質二次電池が開示されている。
特開2008−66020号公報
特許文献1のように、正極活物質層の端部が負極活物質層の端部より内側となるように配置されることにより、負極活物質層は正極活物質層と対向する部位(以下「対向部位」と記す)と正極活物質層と対向しない部位(以下「非対向部位」と記す)とを有することとなる。
負極活物質層の非対向部位には対峙する正極活物質層が存在しないため、当該部位は充電時に直接充電されることはない。しかし充電後の負極において、非対向部位は対向部位に比べて充電量(以下「SOC:State Of Charge」と記す)が低いため、SOCの差に従って対向部位から非対向部位へとリチウムイオン(Li+)が拡散する場合がある。一方、非対向部位へ拡散したLi+は、対峙する正極活物質層が存在しないため放電時に直接放電されない。したがって充放電を繰り返すと負極活物質層の非対向部位にLi+が徐々に蓄積され、非対向部位のSOCが対向部位のSOCよりも高くなる場合があり得る。この場合、次のような不都合が想定される。
図3および図5(A)〜図5(C)を参照して、その内容を説明する。図3は参考例としての電極体200における正極21と負極22との対向位置関係を示す模式的な断面図である。図3に示すように、電極体200は、正極21と負極22とを備えている。そして負極活物質層22aと正極活物質層21aとはセパレータ23を挟んで互いに対向配置されており、負極活物質層22aは正極活物質層21aとの対向部位Fと、その両端に非対向部位NFとを有している。
図5(A)〜図5(C)は、図3に示す負極22の断面と負極22内でのSOCの分布を模式的に示す図である。図5(A)〜図5(C)の縦方向(各図中の矢印の方向)は、各図の下部に図示されている負極活物質層22aに対応する位置でのSOCの高さを示している。通常、リチウムイオン二次電池では、満充電状態において負極のSOCがLi析出の閾値TLを超えないように、所定のマージンをもって正極容量および負極容量が設定されている。
図5(A)は前述のように充放電が繰り返され、非対向部位NFのSOCが対向部位FのSOCよりも高くなった状態を示している。
図5(A)の状態で電池が放置されると、負極22のSOCの分布は図5(B)の状態に遷移する。すなわち非対向部位NFと対向部位Fとの間に生じたSOCの差に従って、非対向部位NFから対向部位FへとLi+が拡散していく。このようなLi+の自然拡散は緩慢であるため、対向部位Fの全域に亘ってSOCが均一になるまでには時間を要する。そのため対向部位F内でのSOCの分布は、対向部位Fの両端において最も高いSOCを有する分布となる。
そして図5(B)の状態において電池の充電が行なわれると図5(C)に示す状態に遷移する。すなわち充電によって対向部位FのSOCが全体的に上昇する。しかし対向部位Fの端部はLi+の拡散によって容量マージンが失われており、この部分でSOCがLi析出の閾値TLを超えてしまう。
したがって、上記のような参考例の電池を、たとえば車載用の電源のように頻繁に入力(回生ブレーキによる充電)が行なわれる用途に使用する場合は、負極のSOCが閾値TLを超えないように入力を制限する必要がある。そのため電力の回収量が少なくなり十分な燃費を示すことができない。
このような不具合に対応するため、たとえば負極活物質層の非対向部位の面積や塗工量を増やすことが考えられる。しかしながらこの方法では、電池内において充放電に関与しない無駄な部分の比率が増大することになるため、エネルギー密度の観点および経済性の観点から好ましくない。また負極活物質層の非対向部位を無くすことも考えられるが、その場合は、正極および負極の対向位置関係の管理が容易ではなく生産性の低下を招来する。
本発明は上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはLi析出耐性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と負極とを備え、該正極は正極活物質層を有し、該負極は第1の負極活物質を含む負極活物質層を有し、該負極活物質層と該正極活物質層とは互いに対向配置され、該負極活物質層は該正極活物質層と対向しない非対向部位を有し、該非対向部位において、該負極は該負極活物質層上に被覆層を有し、該被覆層は、単位質量あたりの理論容量が該第1の負極活物質よりも大きい第2の負極活物質を含む。
上記の構成を有する本発明のリチウムイオン二次電池はLi析出耐性に優れる。その理由を図2および図4(A)〜図4(C)を参照して説明する。
図2に示すように本発明のリチウムイオン二次電池における電極体100は、正極11と負極12とを備えている。そして、正極11と負極12とはセパレータ13を挟んで互いに対向配置されており、負極活物質層12aは正極活物質層11aとの対向部位Fと、その両端に非対向部位NFとを有している。ここで負極活物質層12aは第1の負極活物質から構成される。
さらに負極活物質層12aは非対向部位NFに被覆層12cを有している。被覆層12cは単位質量あたりの理論容量が第1の負極活物質よりも大きい第2の負極活物質から構成されている。
図4(A)〜図4(C)は負極12の断面と負極12内でのSOCの分布を模式的に示す図である。図4(A)は、図5(A)と同様に充放電が繰り返された後の負極12のSOCの分布を示している。図4(A)に示すように、負極12は非対向部位NFに容量の大きい第2の負極活物質を含む被覆層12cを有するため、対向部位Fから非対向部位NFへとLi+の拡散が発生しても非対向部位NFのSOCは容易に上昇することがない。このため充放電を繰り返した後においても、非対向部位NFのSOCは対向部位FのSOCよりも低いまま維持されている。
したがって図4(A)の状態で電池を放置しても、図4(B)に示すように非対向部位NFから対向部位Fへと向かう方向にはLi+の拡散が容易に起こらない。そのため対向部位F内におけるSOCの分布は、ほぼ平坦(均一)なまま維持される。
そして図4(B)の状態から電池の充電を行なうと、対向部位FのSOCは全体的に上昇する。このとき充電前のSOCがほぼ平坦であるため、局所的にLi析出の閾値TLを超える部分が生じることがない。
以上のように本発明のリチウムイオン二次電池は前述の参考例に比してLi析出耐性に優れるものである。したがって本発明のリチウムイオン二次電池を車載用電源に用いた場合、入力制限を緩和することができる。これにより車両本体の燃費向上に資することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池はLi析出耐性に優れる。
本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池における電極体構成の一例を示す模式図である。 図1のI−I線に沿う断面における正極と負極との対向位置関係の一例を示す模式図である。 参考例に係るリチウムイオン二次電池における正極と負極との対向位置関係の一例を示す模式図である。 図4(A)は本発明の実施形態に係るリチウムイオン二次電池における負極の第1の充電状態を示す模式図であり、図4(B)は該負極の第2の充電状態を示す模式図であり、図4(C)は該負極の第3の充電状態を示す模式図である。 図5(A)は参考例に係るリチウムイオン二次電池における負極の第1の充電状態を示す模式図であり、図5(B)は該負極の第2の充電状態を示す模式図であり、図5(C)は該負極の第3の充電状態を示す模式図である。 本発明の実施例に係わるリチウムイオン二次電池の充放電サイクル数と容量維持率との関係の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態(以下「本実施形態」と記す)について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<リチウムイオン二次電池>
図1は本実施形態のリチウムイオン二次電池の電極体構成の一例を示す模式図である。本実施形態のリチウムイオン二次電池は、このような電極体を非水電解質とともに電池外装体に封入することにより製造される。
図1に示す電極体100は巻回式の電極体であり、正極11と負極12とを備え、正極11と負極12とがセパレータ13を挟んで対向するように巻回されることにより構成されている。
図2は図1のI−I線に沿う断面における正極11と負極12との位置関係の一例を示している。正極11は正極集電体11b上(表裏両面)に正極活物質層11aを有している。また負極12は負極集電体12b上(表裏両面)に負極活物質層12aを有している。ここで負極活物質層12aは第1の負極活物質から構成される。第1の負極活物質は、典型的には黒鉛等の炭素材料である。
図1および図2に示すように、負極活物質層12aは正極活物質層11aとの対向部位Fと、その両端に非対向部位NFとを有する。そして非対向部位NFには第1の負極活物質よりも単位質量あたりの理論容量が大きい第2の負極活物質から構成される被覆層12cが形成されている。ここで第2の負極活物質は、たとえば珪素(Si)、錫(Sn)等のLiと合金化し得る高容量材料を用いることができる。
このように本実施形態では、負極活物質層12aの非対向部位NFにおける負極容量が大きいため、対向部位Fと非対向部位NFとの境界近傍でのLi析出を抑制することができる。
以下、本実施形態のリチウムイオン二次電池を構成する各部について説明する。
<負極>
負極12は帯状のシート部材であり、負極集電体12b上に第1の負極活物質を含む負極活物質層12aを有している。負極活物質層12aは第1の負極活物質と結着材とを含む第1の負極合材スラリーを負極集電体12b上に塗工して乾燥することにより形成される。さらに負極12は第2の負極活物質を含む被覆層12cを有する。被覆層12cは負極活物質層12aが形成された後、負極活物質層12aの幅方向の端部(すなわち非対向部位NFとなるべき部分)に、第2の負極活物質と結着材とを含む第2の負極合材スラリーを塗工して乾燥することにより形成される。負極活物質層12aの塗工量は、たとえば15〜30mg/cm2程度とすることができる。このとき被覆層12cの塗工量は、たとえば1〜15mg/cm2程度とすることが好ましい。
負極活物質層12aおよび被覆層12cは、その脱落を防止するため所定の厚さに圧縮してもよい。たとえば負極活物質層12aの密度(負極活物質層の質量÷負極活物質層の体積)が0.5〜2.5g/cm3程度となるように圧縮することができる。
なお負極活物質層12aおよび被覆層12cの厚さは特に制限されないが、負極活物質層12aの厚さと被覆層12cの厚さの合計が、正極活物質層11aの厚さを超えないことが好ましい。電極体100において非対向部位NFの体積が増大することを防止するためである。
(負極活物質層)
負極活物質層12aに含まれる第1の負極活物質は、Li+を挿入・脱離できる材料であり、たとえば黒鉛やコークス等の炭素材料とすることができる。これらの材料の単位質量あたりの理論容量は約372mAh/gである。負極活物質層12aにおける第1の負極活物質の含有率は、たとえば90〜99質量%程度であり、電池のエネルギー密度の観点から好ましくは95〜99質量%程度である。
ここで「単位質量あたりの理論容量」とは、負極活物質のLi飽和状態(満充電状態)における化学組成式に基づき、1gの負極活物質をLi飽和状態とするために必要な電気量を示す。
たとえば黒鉛(C:原子量12)のLi飽和状態での化学組成式は「LiC6」であるので、1gの「C」から「LiC6」を生成するために必要な電気量すなわち単位質量あたりの理論容量は、96500[クーロン]÷6÷12[g]=1340[クーロン/g]=372[mAh/g]となる。
また満充電状態の化学組成式が既知でない負極活物質については、Li金属を対電極および参照電極とした三極式セルにおいて、負極活物質を含む作用電極を0.01V(vs.Li/Li+)まで充電した後、1.5V(vs.Li/Li+)まで放電した際に得られる初回の放電容量を、作用電極に含まれる負極活物質の質量で除した値を単位質量あたりの理論容量とすることができる。なお容量測定時の電流値はできるだけ小さい値とすることが好ましい。
(被覆層)
被覆層12cは負極活物質層12aの非対向部位NFに形成されている。被覆層12cは非対向部位NFの少なくとも一部に形成されていればよく、非対向部位NFの全てを覆っている必要はない。被覆層12cが非対向部位NFの少なくとも一部に形成されている限り本発明の効果は示されるからである。
被覆層12cは第2の負極活物質を含む。第2の負極活物質は、第1の負極活物質よりも単位質量あたりの理論容量が大きい負極活物質である。前述のように第1の負極活物質として理論容量が372mAh/g程度である炭素材料を用いる場合、第2の負極活物質としてはLiと合金化し得る高容量負極活物質が好適である。
このような負極活物質としては、たとえばSi、Snならびにこれらの元素と、アルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、周期表の第13族元素、第14族元素、第15族元素、第16族元素、遷移金属元素および希土類元素からなる群より選ばれる1種以上の元素とから構成される合金(金属間化合物、固溶体および共晶等を含む)を挙げることができる。より具体的には、Si、Sn、SiO2、SnO2、SiN、SnN、SiC、SnC、Si−Mg合金、Si−Ca合金、Si−Al合金、Si−Sn合金、Si−Sn−Ni合金、Sn−Cu合金、Sn−Ni合金、Sn−Cu−Ni合金、Sn−Fe合金、Sn−Co合金、Sn−Mn合金等を挙げることができる。
通常、このような合金系材料はサイクル耐久性が悪く、主たる負極活物質としての使用は困難である。その理由は、Liとの合金化・脱合金化に伴う活物質粒子の膨張収縮量が非常に大きいため、充放電サイクルを繰り返すと活物質粒子の割れや微粉化を生じ、電極内での導電ネットワークが破壊されてしまうからである。
本実施形態では、第2の負極活物質を含む被覆層12cは非対向部位NFに形成されている。そのため第2の負極活物質におけるLi+の授受は、専ら負極12内部でのLi+の拡散によるものであり、第2の負極活物質は直接充放電に関与しない。したがって第2の負極活物質の膨張収縮がサイクル耐久性(容量維持率)に影響を及ぼすことはなく、サイクル耐久性を維持しつつLi析出耐性を向上させることができる。
なお第1の負極活物質の理論容量と第2の負極活物質の理論容量の差は、好ましくは100mAh/g以上であり、より好ましくは200mAh/g以上であり、さらに好ましくは250mAh/g以上である。理論容量の差がこのような範囲を占める場合に、より効率的に本発明の効果を得ることができる。
負極活物質層12aおよび被覆層12cに含まれる結着材は、負極活物質同士を固着するとともに、負極活物質と負極集電体12bとを固着するためのものであり、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC:Carboxymethylcellulose)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF:Polyvinylidene Fluoride)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE:Polytetrafluoroethylene)、スチレンブタジエンゴム(SBR:Styrene-Butadiene Rubber)等を用いることができる。これらのうち塗工性の観点から、CMCとSBRとを併用することが特に好ましい。負極活物質層12aにおける結着材の含有率は、たとえば1〜10質量%程度であり、電池のエネルギー密度の観点から好ましくは1〜5質量%程度である。
負極集電体12bとしては導電性が高く、化学的および電気化学的な安定性が高い金属箔を用いることができる。そのような金属箔としては、たとえば銅(Cu)箔や銅合金箔が好ましい。銅箔を用いる場合、強度と導電性の観点から、箔の厚さは5〜20μm程度であることが好ましい。
<正極>
正極11は帯状のシート部材であり、正極集電体11b上に正極活物質層11aを有している。正極活物質層11aは、たとえば、正極活物質と導電助材と結着材と有機溶媒(たとえばN−メチル−2−ピロリドン(NMP:N-methylpyrrolidone))とを混練することにより得た正極合材スラリーを、正極集電体11b上に塗工して乾燥することにより形成される。
正極活物質としては、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiNiaCob2(a+b=1、0<a<1、0<b<1)、LiMnO2、LiMn24、LiNiaCobMnc2(a+b+c=1、0<a<1、0<b<1、0<c<1)、LiFePO4等のリチウム含有遷移金属酸化物を用いることができる。正極活物質層11a中における正極活物質の含有率は、たとえば90〜99質量%程度である。
また、導電助材としては、たとえばアセチレンブラック(AB:Acetylene Black)等の炭素材料を用いることができ、結着材としては、たとえばPVdF等を用いることができる。正極集電体11bとしては、たとえばアルミニウム(Al)箔やアルミニウム合金箔を用いることができる。また正極活物質層11aは所定の厚さに圧縮してもよい。その場合、正極活物質層11aの密度(正極活物質層の質量÷正極合材層の体積)は、たとえば2.0〜4.0g/cm3程度である。
<セパレータ>
セパレータ13は、Li+を透過させるとともに、正極11と負極12との電気的な接触を防止するためものである。セパレータ13としては、機械的な強度と化学的な安定性の観点から、ポリオレフィン系材料からなる微多孔膜が好ましい。ここでポリオレフィン系材料としては、ポリエチレン(PE:Polyethylene)、ポリプロピレン(PP:Polypropylene)等を用いることができ、これらを組み合わせて用いることもできる。さらに複数の微多孔膜を積層して用いてもよい。セパレータ13の厚さは、たとえば5〜40μm程度とすることができる。セパレータ13の孔径および空孔率は、セパレータ13の透気度が所望の値となるように適宜調整すればよい。
<非水電解質>
本実施形態の非水電解質は、典型的には非プロトン性溶媒に溶質(リチウム塩)が溶解されてなる液体状の電解質(電解液)である。ここで非プロトン性溶媒としては、たとえばエチレンカーボネート(EC:Ethylene Carbonate)、プロピレンカーボネート(PC:Propylene Carbonate)、ブチレンカーボネート(BC:Buthylene Carbonate)、γ−ブチロラクトン(GBL:Gamma-Butyrolactone)およびビニレンカーボネート(VC:Vinylene Carbonate)等の環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート(DMC:Dimethyl Carbonate)、エチルメチルカーボネート(EMC:Ethyl Methyl Carbonate)およびジエチルカーボネート(DEC:Diethyl Carbonate)等の鎖状カーボネート類等を用いることができる。これらの非プロトン性溶媒は電気伝導率や電気化学的な安定性の観点から2種以上を適宜併用して用いることができる。特に環状カーボネートと鎖状カーボネートとを混合して用いることが好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの体積比は1:9〜5:5程度が好ましい。具体例を挙げれば、たとえばEC、EMCおよびDECの3種を混合して用いることができる。なお本実施形態の非水電解質はゲル状、固体状であってもよい。
また溶質であるリチウム塩としては、たとえばヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、ヘキサフロオロ砒酸リチウム(LiAsF6)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム(Li(CF3SO22N)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(Li(CF3SO3))等を用いることができる。またこれらの溶質についても2種以上を併用してもよい。電解液中における溶質の濃度は特に限定されないが、放電特性および保存特性の観点から0.5〜2.0mol/L程度であることが好ましい。
<電池外装体>
電極体100および非水電解質は電池外装体(図示せず)に封入される。電池外装体は、たとえば封口体(蓋)と有底角形の外装ケースとから構成することができる。電池外装体の材質は耐電圧や強度を考慮して各種金属または合金材料等から適宜選択すればよい。たとえばアルミニウム(Al)およびその合金、鉄(Fe)、ステンレス材等を用いることができる。
以上、角形電池を例示して本実施形態のリチウムイオン二次電池を説明したが、本実施形態のリチウムイオン二次電池は円筒形電池とすることもできる。また電極体は巻回式の電極体に限定されず、積層式の電極体とすることもできる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<リチウムイオン二次電池の作製>
以下のようにして実施例1〜実施例3および比較例に係るリチウムイオン二次電池をそれぞれ複数製造した。
<実施例1>
(負極の作製)
まず第1の負極活物質として天然黒鉛(単位質量あたりの理論容量372mAh/g)を準備した。第1の負極活物質とCMCとSBRとを、質量比で第1の負極活物質:CMC:SBR=98:1:1となるように混合し、さらに水中で混練することにより第1の負極合材スラリーを得た。
次いで負極集電体12bとして帯状のCu箔(厚さ10μm)を準備した。そして該Cu箔の幅方向の片側に第1の負極合材スラリーを両面塗工(塗工量20mg/cm2)し、乾燥して該Cu箔上に負極活物質層12a(幅100mm)を形成した。そしてロール圧延機を用いて負極活物質層12aを圧延した。
第2の負極活物質としてSn−Ni合金であるSn4Ni3粉末(単位質量あたりの理論容量568mAh/g)を準備した。第2の負極活物質とCMCとSBRとを、質量比で第2の負極活物質:CMC:SBR=98:1:1となるように混合し、さらに水中で混練することにより第2の負極合材スラリーを得た。
次いで負極活物質層12aの両端部(非対向部位NFとなるべき部分)に第2の負極合材スラリーをそれぞれ両面塗工(塗工量3mg/cm2)し、乾燥して被覆層12c(幅1.5mm)を形成した。これによりシート状の負極12を得た。なお負極活物質層12aの厚さは60μmであり、負極活物質層12aの厚さと被覆層12cの厚さの合計は65μmであった。また負極12は幅方向の片側に負極集電体12bが露出した未塗工部を有するものであった。
(正極の作製)
正極活物質としてコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、導電助材としてABと、NMPに結着材としてのPVdFを溶解させた溶液とを、質量比で正極活物質:AB:PVdF=90:4:6となるように混合し、混練することにより正極合材スラリーを得た。
次いで正極集電体11bとして帯状のAl箔(厚さ20μm)を準備した。そして該Al箔の幅方向の片側に正極合材スラリーを両面塗工(塗工量30mg/cm2)し、乾燥して該Al箔上に正極活物質層11a(幅97mm)を形成した。続いてロール圧延機を用いて正極活物質層11aおよびAl箔を圧延することによりシート状の正極11を得た。このとき正極活物質層11aの厚さは50μmであった。なお正極11は幅方向の片側に正極集電体11bが露出した未塗工部を有するものであった。
(電極体の作製)
PP/PE/PPの三層構造を有するセパレータ13を準備した。そして図1および図2を参照して、正極11と負極12とがセパレータ13を挟んで対向するように巻回することにより電極体100を得た。電極体100において負極活物質層12aは、図2に示すように、正極活物質層11aとの対向部位Fと非対向部位NFとを有していた。またこのとき、正極11の未塗工部と負極12の未塗工部とが巻回軸上において互いに異なる方向から取り出されるように電極体100を巻回した。
(非水電解質の調整)
ECとEMCとDECとを体積比でEC:EMC:DEC=3:5:2となるように混合して非プロトン性溶媒を得た。次いで該非プロトン性溶媒に、溶質としてLiPF6(1.0mol/L)を溶解させることにより非水電解質を調整した。
(組み立て)
電極体100において外部に露出した正極11の未塗工部および負極12の未塗工部を、集電リードを介して封口体に設けられた正極端子および負極端子にそれぞれ電気的に接続した。次いで電極体100を外装ケースに挿入して封口体と外装ケースとをレーザー溶接によって接合した。そして封口体に設けられた注液孔から非水電解質を注入し、その後、注液孔を封止栓によって封止した。以上のようにして実施例1に係るリチウムイオン二次電池を得た。
<実施例2および実施例3ならびに比較例>
表1に示すように被覆層12cの塗工量を変更することを除いては実施例1と同様にして、実施例2および実施例3に係るリチウムイオン二次電池を得た。また被覆層12cを形成しないことを除いては実施例1と同様にして比較例に係るリチウムイオン二次電池を得た。
Figure 2015095427
<評価>
各電池の充放電サイクル試験を行なってLi析出耐性を評価した。すなわち以下の条件の充電および放電を1サイクル(cyc)とする充放電サイクルを4000cyc実行し、1000cyc毎に電池を抜き取り、解体して負極活物質層12aの対向部位Fと非対向部位NFとの境界付近におけるLi析出の有無を確認した。結果を表1に示す。表1中「−」とはLi析出が確認されなかったことを示し、「+」とはLi析出が確認されたことを示している。
(充放電サイクル条件)
充電条件:CC充電(電流値2It)、カットオフ電圧:4.1V
放電条件:CC放電(電流値2It)、カットオフ電圧:3.0V
なお電流値の単位「It」は電池の定格容量を1時間で放電する電流値を示す。
(結果と考察)
表1に示すように、負極活物質層12aの非対向部位NFに被覆層12cを有していない比較例の電池では、2000cyc後にLi析出が確認された。これに対してSn−Ni合金粉末を含む被覆層12cを有する実施例1の電池では4000cycに至るまでLi析出は確認されなかった。さらに被覆層12cの塗工量を増加させた実施例2および実施例3の電池では4000cyc経過時においてもなお、Li析出は確認されなかった。このような結果が得られた理由は、実施例の電池では負極12が非対向部位NFに容量の大きい活物質を含む被覆層12cを有することにより、非対向部位NFにおけるSOCの上昇が抑制されたからであると考えられる。
また図6は、実施例1および比較例の電池の充放電サイクル試験における容量推移を示している。図6に示すように実施例1に係る電池は負極12にサイクル耐久性の悪いSn−Ni合金材料を有しているにも関わらず、比較例の電池と同等の容量推移を示した。この理由は、実施例1において第2の負極活物質であるSn−Ni合金材料は、直接充放電に関与していないからであると考えられる。
以上の結果から、正極と負極とを備え、該正極は正極活物質層を有し、該負極は第1の負極活物質を含む負極活物質層を有し、該負極活物質層と該正極活物質層とは互いに対向配置され、該負極活物質層は該正極活物質層と対向しない非対向部位を有し、該非対向部位において、該負極は該負極活物質層上に被覆層を有し、該被覆層は、単位質量あたりの理論容量が該第1の負極活物質よりも大きい第2の負極活物質を含む実施例のリチウムイオン二次電池は、かかる条件を満たさない比較例のリチウムイオン二次電池に比しLi析出耐性に優れることが確認できた。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
11,21 正極、11a,21a 正極活物質層、11b,21b 正極集電体、12,22 負極、12a,22a 負極活物質層、12b,22b 負極集電体、12c 被覆層、13,23 セパレータ、F 対向部位、NF 非対向部位、TL 閾値。

Claims (1)

  1. 正極と負極とを備え、
    前記正極は正極活物質層を有し、
    前記負極は第1の負極活物質を含む負極活物質層を有し、
    前記負極活物質層と前記正極活物質層とは互いに対向配置され、
    前記負極活物質層は前記正極活物質層と対向しない非対向部位を有し、
    前記非対向部位において、前記負極は前記負極活物質層上に被覆層を有し、
    前記被覆層は、単位質量あたりの理論容量が前記第1の負極活物質よりも大きい第2の負極活物質を含む、リチウムイオン二次電池。
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