以下に図面を参照して、本発明にかかる測定装置、情報処理装置、測定プログラム、情報処理プログラム、測定方法および情報処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
(測定方法の一実施例)
図1は、実施の形態1にかかる測定方法の一実施例を示す説明図である。図1において、測定装置100は、加速度センサを備え、測定開始指示に応じて、移動体110に搭載された状態での加速度センサによる加速度の測定が可能なコンピュータである。また、加速度センサは振動センサなど揺れを検知する他の同様なセンサでもかまわない。
ここで、移動体110とは、内燃機関、人力等の動力により道路上を移動することが可能なものである。具体的には、例えば、移動体110は、車輪を使用して道路上を移動する自動車、自動二輪、自転車等の車両や、そりを使用して雪面上を移動するスノーモービル等である。また、路面とは、道路の表面である。路面には、雪面、氷面を含む。
以下の説明では、移動体110の一例として、自動車、自動二輪、自転車等の車両を例に挙げて説明する。また、移動体110を「車両110」と表記する。
加速度センサとは、加速度を測定するセンサである。加速度センサを車両110に搭載することにより、車両110の加速度を測定することができる。車両110の加速度には、例えば、車両110の前後方向の加速度、車両110の左右方向の加速度および車両110の上下方向の加速度がある。
各方向の加速度は、例えば、各方向の加速度を測定するセンサによって測定する。また、例えば、測定装置100が、車両110の斜め方向の加速度を測定するセンサの測定値をベクトル分解することにより、車両110の前後方向の加速度、車両110の左右方向の加速度、車両110の上下方向の加速度を測定することにしてもよい。
また、測定装置100は、静止画や動画を撮影する機能を有する。例えば、測定装置100は、画像、音声をデジタルデータとして記憶装置に記録する。また、測定装置100は、データの入力を行う機能を有する。例えば、測定装置100は、文字、数字、各種指示等の入力のためのキーを備えたキーボードを有していてもよく、また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどを有していてもよい。
具体的には、例えば、測定装置100は、道路の点検、パトロール等を行う作業員が使用するスマートフォン、携帯電話機、タブレット型PC(Personal Computer)、PHS(Personal Handy−phone System)等の可搬型の情報処理端末である。
作業員は、測定装置100を車両110に搭載して、道路を巡回走行し、路面の劣化分析に用いる加速度情報を収集する。この際、測定装置100は、車両110内に設置されたホルダー120に脱着可能に装着される。ホルダー120は、例えば、車両110のダッシュボード、ドリンクホルダー部分等に設置される。測定装置100は、ホルダー120に装着することにより固定される。
巡回走行とは、道路の問題を検出するため、各地の道路を順次走行することである。また、作業員は、巡回走行中に何らかの問題が生じている場所に到着すると、現場の状況の確認を行う。この際、作業員は、測定装置100をホルダー120から外して、測定装置100を持って降車し、測定装置100の撮影機能を利用して、現場の撮影やコメント入力等の作業を行う。
ここで、路面の劣化分析とは、走行中の車両110の振動を加速度として測定し、測定した加速度と閾値とを比較して路面の凹凸検出を行うことにより、路面の劣化を分析する手法である。このため、路面の劣化分析は、車両110に搭載された状態で測定された測定値を用いて行われることが望ましく、作業員が降車して、現場の状況を確認中に測定される測定値は、路面の劣化分析の分析対象から除外することが望まれる。
そこで、実施の形態1では、現場の状況確認のために測定装置100がホルダー120から外される際に瞬間的に大きな加速度の動きが生じることを利用して、車両110に搭載された状態で測定された加速度センサの測定値を識別可能にする測定方法について説明する。以下、測定装置100の測定方法の一実施例について説明する。
(1)測定装置100は、測定開始指示に応じて、加速度センサによる加速度の測定を行う。測定装置100は、測定した測定値を記憶部に記録する。ここで、記憶部は、メモリ、磁気ディスク、光ディスク等の記憶装置である。
具体的には、例えば、まず、パトロールの開始点において、作業員は、測定装置100をホルダー120に装着し、測定装置100に対する測定開始指示を行って、道路の巡回走行を開始する。ここで、パトロールとは、道路の巡回走行を行うとともに、何らかの問題が生じている場所で現場の状況確認を行う作業である。
また、測定開始指示とは、測定装置100に加速度センサによる加速度の測定を開始させる指示である。作業員は、例えば、測定装置100の測定開始ボタンを押下することにより、測定装置100に対する測定開始指示を行う。測定開始ボタンは、例えば、測定装置100に設けられる物理的なボタンであってもよく、また、測定装置100の表示画面上に表示されるボタンであってもよい。
測定装置100は、測定開始指示に応じて測定モードに遷移し、加速度センサによる加速度の測定を開始する。測定モードは、測定装置100の状態の1つであり、加速度を測定して、測定した加速度を記憶部に記録するモードである。加速度センサによる加速度の測定は、例えば、一定時間または一定距離ごとに行われる。
図1の例では、地点Aにおいて、作業員により測定装置100に対する測定開始指示が行われ、測定装置100により加速度センサによる加速度の測定が開始される。
(2)測定装置100は、測定開始指示に応じて遷移する測定モードにおいて、加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行う。ここで、所定の基準とは、ホルダー120に装着された測定装置100が、作業員によりホルダー120から外されたことを検出するための基準である。
例えば、所定の基準が小さすぎると、車両110が道路を走行中に、測定装置100がホルダー120から外されたと誤検知されるため、所定の基準は、車両110が道路を走行中に測定される測定値の上限値として想定される値よりも大きい値である。また、例えば、所定の基準が大きすぎると、測定装置100がホルダー120から外されたことを検出できなくなるため、所定の基準は、測定装置100をホルダー120から外す際に測定される加速度の絶対値よりも小さい値である。従って、所定の基準は、車両110が道路を走行中に測定される測定値の上限値として想定される値と、測定装置100をホルダー120から外す際に測定される加速度の絶対値とに基づいて決定することができる。
所定の基準と比較する加速度センサの測定値は、例えば、車両110の前後方向、左右方向および上下方向のいずれの方向の加速度の測定値であってもよい。また、所定の基準は、車両110の前後方向、左右方向および上下方向ごとに設定されることにしてもよい。
具体的には、例えば、測定装置100は、車両110の前後方向、左右方向および上下方向のいずれかの方向の加速度の測定値が、所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うことにしてもよい。また、測定装置100は、車両110の前後方向、左右方向および上下方向のすべての方向の加速度の測定値が、所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うことにしてもよい。
さらに、測定装置100は、車両110の前後方向、左右方向および上下方向のすべての方向の加速度の測定値の合計値が、所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うことにしてもよい。ただし、この場合の所定の基準は、例えば、各方向についての所定の基準の値を足し合わせた値となる。
図1の例では、地点Bにおいて、作業員が道路上で何らかの問題(例えば、ガードレールの損傷等)が生じていることを発見した場合を想定する。この場合、作業員は、現場の状況を確認するため、ホルダー120に装着された測定装置100をホルダー120から外して降車する。
測定装置100をホルダー120から外す際には、測定装置100に対して瞬間的に大きな力が加わって移動するため、車両110の走行中に測定される加速度よりも大きな加速度が測定される。この結果、測定装置100は、加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行う。
(3)測定装置100は、加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、加速度センサによる測定を停止するか、または、検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶部に記録する。
具体的には、例えば、測定装置100は、加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出に応じて、測定モードから作業実施モードに遷移する。作業実施モードは、測定装置100の状態の1つであり、加速度センサによる測定を停止する、または、加速度を測定して、測定した加速度を特定可能に記憶部に記録するモードである。
すなわち、測定装置100がホルダー120から外されると、作業員は、道路の巡回走行から現場の状況を確認する作業に移る。このため、測定装置100は、測定モードから作業実施モードに遷移して、加速度センサによる測定を停止するか、または、測定した加速度を特定可能に記憶部に記録する。
ここで、加速度センサによる測定を停止するとは、加速度センサによる加速度の測定値の記憶部への記録を停止することである。
また、加速度センサによる測定値を特定可能に記憶部に記録するとは、加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出の後に測定された測定値を特定可能にすることである。例えば、測定装置100は、該検出の後に測定された測定値に対して、作業実施モードのときに測定された測定値であることを示す情報(例えば、フラグ情報)を付与して記憶部に記録することにしてもよい。
図1の例では、地点Bにおいて、測定装置100がホルダー120から外されて、作業員が現場の状況を確認する作業に移ったため、それ以降、例えば、加速度センサによる測定が停止されることになる。
以上説明したように、実施の形態1にかかる測定装置100によれば、加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、該加速度センサによる測定を停止するか、または、検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶部に記録することができる。
これにより、車両110に測定装置100が搭載された状態で測定された加速度センサの測定値が識別可能になる。この結果、例えば、路面の劣化分析において、車両110に搭載された状態で測定された加速度センサの測定値を識別できるようになり、分析精度の向上を図ることができる。
また、作業員が現場の状況を確認する際に、測定装置100のモードを測定モードから作業実施モードに切り替える操作が不要となり、作業員の負荷を軽減させることができる。さらに、作業員がモードを切り替える操作を忘れて、道路を巡回走行中に測定された加速度センサの測定値と、現場の状況確認中に測定された加速度センサの測定値とを区別できなくなることを回避することができる。
(実施の形態2)
(システム200のシステム構成例)
次に、実施の形態2にかかるシステム200のシステム構成例について説明する。なお、実施の形態1で説明した箇所と同一箇所については、説明を省略する。
図2は、システム200のシステム構成例を示す説明図である。図2において、システム200は、測定装置201(図2の例では、2台)と、分析装置202と、車両203(図2の例では、2台)と、を含む。システム200において、測定装置201と、分析装置202は、有線または無線のネットワーク220を介して接続される。ネットワーク220は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。
測定装置201は、車両203の走行データを測定するコンピュータである。車両203の走行データについては、図5で詳細を説明する。具体的には、例えば、測定装置201は、スマートフォン、携帯電話機、タブレットPCなどの可搬型の情報処理端末であってもよい。
分析装置202は、測定装置201が測定した走行データの分析を行う情報処理装置(コンピュータ)である。具体的には、例えば、分析装置202は、サーバ、PCなどである。また、分析装置202は、測定装置201が測定した加速度に基づいて、車両203が走行した路面の凹凸の分析を行うコンピュータである。
車両203は、自動車、自動二輪、自転車等である。測定装置201は、図1に示した測定装置100に対応し、車両203は、図1に示した移動体110(車両110)に対応する。
(測定装置201のハードウェア構成例)
図3は、測定装置201のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、測定装置201は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ディスクドライブ303と、ディスク304と、ディスプレイ305と、入力デバイス306と、I/F(Interface)307と、タイマ308と、GPS(Global Positioning System)ユニット309と、加速度センサ310と、カメラユニット311と、を有する。また、各構成部はバス300によってそれぞれ接続されている。
ここで、CPU301は、測定装置201の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることで、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
ディスクドライブ303は、CPU301の制御に従ってディスク304に対するデータのリードおよびライトを制御する制御装置である。ディスクドライブ303には、例えば、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブなどを採用することができる。ディスク304は、ディスクドライブ303の制御で書き込まれたデータを記憶する媒体である。例えばディスクドライブ303が磁気ディスクドライブである場合、ディスク304には、磁気ディスクを採用することができる。また、ディスクドライブ303の代わりにSSD(Solid State Drive)などを有することもできる。ディスクドライブ303がSSDである場合、ディスク304の代わりに、半導体メモリを採用することができる。また、ディスクドライブ303に加えて、さらにSSDなどを有することもできる。
ディスプレイ305は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ305としては、例えば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等を採用することができる。入力デバイス306は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを備え、データの入力を行う。また、入力デバイス306は、タッチパネル式の入力パッドやテンキー等であってもよい。
I/F307は、通信回線を通じてネットワーク220に接続され、ネットワーク220を介して他の装置(例えば、図2に示した分析装置202)に接続される。そして、I/F307は、ネットワーク220と内部のインターフェースを司り、外部装置からのデータの入出力を制御する。
GPSユニット309は、GPS衛星からの電波(GPS信号)を受信し、測定装置201(車両203)の位置を示す位置情報を出力する位置センサである。測定装置201(車両203)の位置情報は、例えば、緯度・経度、高度等の地球上の1点を特定する情報である。
加速度センサ310は、測定装置201の前後方向、左右方向および上下方向の3軸方向の加速度を検出する。カメラユニット311は、写真を撮影する。カメラユニット311は、巡回走行中に問題が生じている場所を発見した場合に、現場の状況を撮影するために使用される。カメラユニット311は、例えば、画像をデジタルデータとして記録するデジタルカメラである。
(分析装置202のハードウェア構成例)
図4は、分析装置202のハードウェア構成例を示すブロック図である。図4において、分析装置202は、CPU401と、メモリ402と、I/F403と、ディスクドライブ404と、ディスク405と、を有する。また、各構成部は、バス400によってそれぞれ接続される。
ここで、CPU401は、分析装置202の全体の制御を司る。メモリ402は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU401のワークエリアとして使用される。メモリ402に記憶されるプログラムは、CPU401にロードされることで、コーディングされている処理をCPU401に実行させる。
I/F403は、通信回線を通じてネットワーク220に接続され、ネットワーク220を介して他のコンピュータ(例えば、図2に示した測定装置201)に接続される。そして、I/F403は、ネットワーク220と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。I/F403には、例えば、モデムやLANアダプタなどを採用することができる。
ディスクドライブ404は、CPU401の制御に従ってディスク405に対するデータのリードおよびライトを制御する制御装置である。ディスクドライブ404には、例えば、磁気ディスクドライブ、光ディスクドライブなどを採用することができる。ディスク405は、ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記憶する媒体である。例えばディスクドライブ404が磁気ディスクドライブである場合、ディスク405には、磁気ディスクを採用することができる。また、ディスクドライブ404の代わりにSSDなどを有することもできる。ディスクドライブ404がSSDである場合、ディスク405の代わりに、半導体メモリを採用することができる。また、ディスクドライブ404に加えて、さらにSSDなどを有することもできる。なお、分析装置202は、上述した構成部のほか、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイなどを有することにしてもよい。
(走行データ500の記憶内容)
図5は、走行データ500の一例を示す説明図である。走行データ500は、測定装置201のタイマ308と、GPSユニット309と、加速度センサ310とが測定する測定値、および測定値から算出される値である。図5において、走行データ500は、日付、時刻、緯度、経度、速度、GPS誤差、前後加速度、左右加速度および上下加速度のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することにより、走行データ情報(例えば、走行データ情報500−1〜500−7)をレコードとして記録する。図5の例では、走行データ情報は0.5秒間隔で測定されるが、走行データ情報を一定の距離間隔で測定することもできる。
ここで、日付と時刻は、当該走行データ情報を取得した日付と時刻を示す情報である。日付と時刻は、測定装置201のタイマ308によって測定される。緯度と経度は、車両203の位置を示す情報であり、測定装置201のGPSユニット309が受信したGPS電波から測定される。GPSユニット309がGPS電波より測定する緯度と経度には、誤差が含まれる。このため、測定装置201は、例えば、DGPS(Differential GPS)技術を使用して、誤差を修正することができる。
速度は、当該レコードの時刻における車両203の速度を示す情報であり、単位はkm/hである。なお、測定装置201は、直接速度を測定しなくてもよい。例えば、測定装置201は、速度を時刻、経度および緯度から算出することができる。測定装置201は、走行データ情報500−1の経度、緯度と走行データ情報500−2の経度、緯度から、車両203が走行した距離を算出する。測定装置201は、算出した距離を走行データ情報500−2の時刻と走行データ情報500−1の時刻との差で割ることにより、速度を算出することができる。
GPS誤差は、GPS信号による緯度と経度の位置情報がどれだけずれているかを示す誤差である。前後加速度は、当該レコードの時刻における車両203の前後方向の加速度を示す情報である。左右加速度は、当該レコードの時刻における車両203の左右方向の加速度を示す情報である。上下加速度は、当該レコードの時刻における車両203の上下方向の加速度を示す情報である。なお、例えば、前後加速度、左右加速度および上下加速度の単位は、m/s2である。
なお、前後加速度は、移動体が加速した場合、加速度センサ310に後ろ向きの力がかかるため、負の値を取り、移動体が減速した場合、正の値を取る。また、上下加速度は、移動体が上方向に移動した場合、正の値を取り、下方向に移動した場合、負の値を取る。また、左右加速度は、移動体が右方向に移動した場合、正の値を取り、左方向に移動した場合、負の値を取る。これらの加速度の正負については、測定装置201の設置方向によって逆になる場合もある。図5に示す走行データ500は、例えば、図3に示したディスク304に記憶される。
(分析パラメータ600の記憶内容)
図6は、分析パラメータ600の一例を示す説明図である。分析パラメータ600は、測定装置201が、測定モードから作業実施モードへの遷移、および作業実施モードから測定モードへの遷移の検出に使用するパラメータである。分析パラメータ600は、パトロール停止条件上下加速度P−1と、パトロール再開条件上下加速度P−2と、パトロール再開条件時間P−3との値を有する。分析パラメータ600は、例えば、図3に示したメモリ302またはディスク304に記憶される。
ここで、パトロール停止条件上下加速度P−1は、測定装置201が測定モードから作業実施モードに遷移することを判定するために使用される基準である。当該基準は、測定装置201がホルダー120から外されたことを検出するための閾値である。例えば、所定の基準が小さすぎると、車両110が道路を走行中に、測定装置100がホルダー120から外されたと誤検知されるため、所定の基準は、車両110が道路を走行中に測定される測定値の上限値として想定される値よりも大きい値である。また、例えば、所定の基準が大きすぎると、測定装置100がホルダー120から外されたことを検出できなくなるため、所定の基準は、測定装置100をホルダー120から外す際に測定される加速度の絶対値よりも小さい値である。従って、所定の基準は、車両110が道路を走行中に測定される測定値の上限値として想定される値と、測定装置100をホルダー120から外す際に測定される加速度の絶対値とに基づいて決定することができる。
また、測定モードとは、測定装置201の状態の1つであり、加速度を測定して、測定した加速度を記憶部に記録するモードである。作業実施モードとは、測定装置201の状態の1つであり、加速度センサによる測定を停止する、または、加速度を測定して、測定した加速度を特定可能に記憶部に記録するモードであり、写真を撮るなどの作業を行うモードである。
パトロール再開条件上下加速度P−2は、測定装置201が作業実施モードから測定モードに遷移することを判定するために使用される基準である。当該基準は、測定装置201が車両203のホルダー120に搭載されたことを検出する基準である。例えば、作業員が測定装置201を持っている状態で、加速度センサ310によって測定される測定値の下限値として想定される値よりも小さい値に設定される。
パトロール再開条件時間P−3は、測定装置201が作業実施モードから測定モードに遷移することを判定するために使用される時間である。当該時間は、測定装置201が車両203のホルダー120に搭載されたことを検出する基準である。例えば、作業員が測定装置201を持っている状態で、GPSユニット309が測定した緯度と経度が、同じ緯度と経度を示す時間の上限値として想定される値よりも大きい値に設定される。
パトロール停止条件上下加速度P−1とパトロール再開条件上下加速度P−2の単位は、m/s2で、パトロール再開条件時間P−3の単位は秒である。パトロール停止条件上下加速度P−1は、実施の形態1の所定の基準に対応する。
(測定装置201の機能的構成例)
図7は、測定装置201の機能的構成例を示すブロック図である。図7において、測定装置201は、測定部701と、検出部702と、制御部703とを含む構成である。各機能部は、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、I/F307により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図3に示したメモリ302、ディスク304などの記憶装置に記憶される。
測定部701は、走行データ500を作成する機能を有する。測定部701は、一定時間ごとに、走行データ500の走行データ情報を作成する。測定部701は、タイマ308により、日付と時刻を測定し、GPSユニット309が受信したGPS電波から、経度、緯度、GPS誤差を測定し、加速度センサ310により前後加速度、上下加速度、左右加速度を測定する。また、測定部701は、速度を時刻、経度および緯度から算出する。
検出部702は、測定モードから作業実施モードへの遷移、および作業実施モードから測定モードへの遷移を検出する機能を有する。検出部702は、測定モードにおいて、走行データ500の上下加速度がパトロール停止条件上下加速度P−1を超えることの検出を行うと、作業実施モードへの遷移を検出する。検出部702は、作業実施モードにおいて、走行データ500の上下加速度がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回ることの検出を行うと測定モードへの遷移を検出する。
また、検出部702は、以下のように作業実施モードから測定モードへの遷移を検出することもできる。検出部702は、測定モードにおいて、走行データ500の上下加速度がパトロール停止条件上下加速度P−1を超えることの検出を行うと、当該検出を行った走行データ500の緯度と経度をメモリ302、ディスク304などの記憶装置に記録する。
検出部702は、作業実施モードにおいて、走行データ500の緯度と経度が記憶装置に記録した緯度と経度と一致し、かつ、走行データ500の上下加速度がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回ることの検出を行う。この後、検出部702は、当該検出後の走行データ500の緯度と経度が、パトロール再開条件時間P−3を超えて、記録した緯度と経度と一致することの検出を行うと測定モードへの遷移を検出する。
ここで、緯度と経度の一致とは、正確な一致だけでなく、誤差を含んでもよい。例えば、走行データ500の緯度と経度が、記録した緯度と経度と小数点数桁まで一致する時、一致すると判断してもよい。
また、検出部702は、以下のように作業実施モードから測定モードへの遷移を検出することもできる。検出部702は、作業実施モードにおいて、走行データ500の上下加速度が所定の閾値を超えることの検出を行う。検出部702は、検出の後の走行データ500の上下加速度がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回ることの検出を行うと測定モードへの遷移を検出する。作業員が測定装置201を車両203のホルダー120に設置するときに発生する、所定の閾値を超える加速度を利用して、作業実施モードから測定モードへの遷移を検出する。
なお、図1に示したような形状のホルダー120の場合、作業員は、測定装置201をホルダー120に上から差し込んで、測定装置201をホルダー120に装着する。また、作業員は、ホルダー120から測定装置201を上に引き抜いて、測定装置100をホルダー120から外す。したがって、作業員がホルダー120から測定装置201を外す際には、上下方向の加速度が他の方向の加速度に比べて大きくなる傾向にある。このため、検出部702は、走行データ500の上下加速度を用いて、作業実施モードと測定モード間の遷移を検出する。
また、ホルダー120の形状によっては、作業員がホルダー120から測定装置201を外す際に、左右方向の加速度が他の方向の加速度に比べて大きくなる場合がある。この場合、検出部702は、走行データ500の左右加速度を用いて、作業実施モードと測定モード間の遷移を検出することにしてもよい。
さらに、ホルダー120の形状によっては、作業員がホルダー120から測定装置201を外す際に、前後方向の加速度が他の方向の加速度に比べて大きくなる場合がある。この場合、検出部702は、走行データ500の前後加速度を用いて、作業実施モードと測定モード間の遷移を検出することにしてもよい。
制御部703は、測定モード、作業実施モードに対応して走行データ500を記録する機能を有する。制御部703は、測定装置201が測定モードであるとき、走行データ500をメモリ302、ディスク304などの記憶装置に記録する。また、制御部703は、測定装置201が作業実施モードであるとき、走行データ500の測定を停止するか、または、走行データ500を特定可能に記憶装置に記録する。
ここで、走行データ500の測定を停止とは、測定を行うが、タイマ308とGPSユニット309と加速度センサ310の測定値を記憶装置に記録しないことである。また、特定可能に記憶装置に記録するとは、タイマ308と、GPSユニット309と、加速度センサ310による測定値を特定できるように記憶装置に記録することである。例えば、制御部703は、測定モードの走行データ500を識別できるように記録する。
図8は、測定装置201の測定処理手順の一例を示すフローチャートである。図8のフローチャートにおいて、まず、測定装置201は車両203のホルダー120に搭載され、作業員がパトロールを開始する(ステップS801)。測定装置201を搭載した車両203が、パトロール開始点に到達すると、作業員は測定装置100の電源をオンにして、作業員が測定開始ボタンを押下することにより、測定装置201は走行データ500の測定をする。走行データ500の測定とは、タイマ308とGPSユニット309と加速度センサ310が、日付、時刻、緯度、経度、GPS誤差、前後加速度、左右加速度および上下加速度の測定し、速度を時刻、緯度および経度から算出することである。
測定装置201は、走行データ500の測定を自動的に停止再開する(ステップS802)。測定装置201は、走行データ500の測定中に、測定モードから作業実施モードへの遷移に従い、走行データ500の測定を自動的に停止する。測定装置201は、作業実施モードから測定モードへの遷移に従い、走行データ500の測定を自動的に再開する。これらの停止再開処理は、図9にて詳細に説明される。
測定装置201は、パトロールを終了する(ステップS803)。測定装置201を搭載した車両203が、パトロール終了点に到達すると、作業員が測定終了ボタンを押下することにより、測定装置201は走行データ500の測定を終了する。測定終了ボタンとは、作業員が測定装置100に測定の終了を指示するためのボタンである。
最後に、測定装置201は、走行データ500を分析装置202に送信する(ステップS804)。例えば、測定装置201は、ネットワーク220を介して、走行データ500を分析装置202に送信する。これにより、本フローチャートによる一連の処理は終了する。本フローチャートを実行することにより、測定装置201によって、走行データ500が測定され、分析装置202に送信される。
図9は、測定装置201の走行データ500測定自動停止再開処理手順の一例を示すフローチャートである。図9のフローチャートにおいて、まず、測定部701は、走行データ500を測定する(ステップS901)。検出部702は、加速度センサ310が測定した上下加速度の絶対値がパトロール停止条件上下加速度P−1より大きいか否か確認する(ステップS902)。上下加速度の絶対値がパトロール停止条件上下加速度P−1より大きくない場合(ステップS902:No)、測定装置201が車両203のホルダー120に搭載された状態であるため、制御部703は測定した走行データ500を記憶装置に記録する(ステップS911)。
上下加速度の絶対値がパトロール停止条件上下加速度P−1より大きい場合(ステップS902:Yes)、測定装置201が車両203のホルダー120から外された状態であるため、検出部702は測定装置201を作業実施モードに遷移させる(ステップS903)。例えば、作業員は、問題が生じている場所に移動し、現場の状況を確認して、カメラユニット311を使用して、現場の撮影等の作業を行う。検出部702は、走行データ500の緯度と経度を記憶装置に記録する(ステップS904)。測定部701は、一定時間経過後、次の走行データ500を測定する(ステップS905)。
検出部702は、ステップS905で測定した走行データ500の緯度と経度が記憶装置に記録した緯度と経度と一致するか否かを確認する(ステップS906)。一致しない場合(ステップS906:No)、作業員が車両203に戻って来ていない状態のため、ステップS905に戻る。
一致する場合(ステップS906:Yes)、作業員が車両203に戻って来た状態のため、検出部702は、ステップS905で測定した走行データ500の上下加速度の絶対値がパトロール再開条件上下加速度P−2より小さいか否かを確認する(ステップS907)。上下加速度の絶対値がパトロール再開条件上下加速度P−2より小さくない場合(ステップS907:No)、測定装置201が車両203のホルダー120に搭載された状態でないため、ステップS905に戻る。
上下加速度の絶対値がパトロール再開条件上下加速度P−2より小さい場合(ステップS907:Yes)、測定部701は走行データ500を測定し、検出部702は、測定した走行データ500の緯度と経度が変わらない時間を測定する(ステップS908)。検出部702は、測定した緯度と経度が変わらない時間がパトロール再開条件時間P−3を超えるか否か確認する(ステップS909)。超えない場合(ステップS909:No)、測定装置201が車両203のホルダー120に搭載された状態でないため、ステップS905に戻る。
超える場合(ステップS909:Yes)、測定装置201が車両203のホルダー120に搭載された状態であるため、検出部702は、測定装置201を測定モードに遷移させる(ステップS910)。制御部703は、走行データ500を記憶装置に記録する(ステップS911)。測定装置201は、パトロールが終了したか否かを確認する(ステップS912)。例えば、測定装置201は、作業員が測定終了ボタンを押下したか否かでパトロールが終了したか否かを確認する。
パトロールが終了しない場合(ステップS912:No)、ステップS901に戻り、測定部701が走行データ500を測定する。パトロールが終了した場合(ステップS912:Yes)、測定装置201は、走行データ500の測定を終了する。これにより、本フローチャートによる一連の処理は終了する。本フローチャートを実行することにより、測定装置201が測定モードの時の走行データ500が記憶装置に記録される。
(分析装置202の機能的構成例)
図10は、分析装置202の機能的構成例を示すブロック図である。図10において、分析装置202は、取得部1001と、検出部1002と、制御部1003とを含む構成である。各機能部は、具体的には、例えば、図4に示したメモリ402、ディスク405などの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU401に実行させることにより、または、I/F403により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図4に示したメモリ402、ディスク405などの記憶装置に記憶される。
取得部1001は、測定装置201から走行データ500を取得する機能を有する。取得部1001は、測定装置201が走行データ500の測定を終了した後、走行データ500を取得する。また、分析装置202と測定装置201を無線のネットワーク220を介して接続し、分析装置202が、リアルタイムに走行データ500を測定装置201から取得することもできる。
検出部1002は、測定装置201の測定モードから作業実施モードへの遷移、および測定装置201の作業実施モードから測定モードへの遷移を検出する機能を有する。検出部1002は、走行データ500の上下加速度がパトロール停止条件上下加速度P−1を超えることの検出を行うと、測定装置201の作業実施モードへの遷移を検出する。検出部1002は、走行データ500の上下加速度がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回ることの検出を行うと、測定装置201の測定モードへの遷移を検出する。
また、検出部1002は、以下のように測定装置201の作業実施モードから測定モードへの遷移を検出することもできる。検出部1002は、走行データ500の上下加速度がパトロール停止条件上下加速度P−1を超えることの検出を行うと、当該検出を行った走行データ500の緯度と経度をメモリ402、ディスク405などの記憶装置に記録する。
検出部1002は、上下加速度がパトロール停止条件上下加速度P−1を超えること以降に測定された走行データ500の緯度と経度が記憶装置に記録した緯度と経度と一致し、かつ、上下加速度がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回ることの検出を行う。検出部1002は、記録した緯度と経度と一致した測定値以降に測定された走行データ500の緯度と経度が、パトロール再開条件時間P−3を超えて、記録した緯度と経度と一致することの検出を行うと測定装置201の測定モードへの遷移を検出する。
ここで、緯度と経度と一致とは、正確な一致だけでなく、誤差を含んでもよい。例えば、走行データ500の緯度と経度が、小数点数桁まで一致する時、一致すると判断してもよい。
また、検出部1002は、以下のように測定装置201の作業実施モードから測定モードへの遷移を検出することもできる。検出部1002は、走行データ500の上下加速度が所定の閾値を超えることの検出を行う。検出部1002は、検出の後の走行データ500の上下加速度がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回ることの検出を行うと測定装置201の測定モードへの遷移を検出する。作業員が測定装置201を車両203のホルダー120に設置するときに発生する、所定の閾値を超える加速度を利用して、作業実施モードから測定モードへの遷移を検出する。
制御部1003は、測定装置201の測定モード、作業実施モードに対応して走行データ500を記録する機能を有する。制御部1003は、測定装置201が測定モードであるとき、走行データ500をメモリ402、ディスク405などの記憶装置に記録する。また、制御部1003は、測定装置201が作業実施モードであるとき、走行データ500を削除するか、または、走行データ500を特定可能に記憶装置に記録する。
ここで、走行データ500を削除とは、取得部1001が取得した走行データ500を記憶装置に記録しないことである。また、特定可能に記憶装置に記録するとは、タイマ308と、GPSユニット309と、加速度センサ310による測定値を特定できるように記憶装置に記録することである。例えば、制御部1003は、測定装置201の作業実施モードの走行データ500を識別できるように記録する。
図11は、分析装置202の走行データ500特定処理手順の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートにおいて、まず、取得部1001は、走行データ500を取得する(ステップS1101)。検出部1002は、取得した走行データ500の上下加速度の絶対値がパトロール停止条件上下加速度P−1より大きいか否か確認する(ステップS1102)。上下加速度の絶対値がパトロール停止条件上下加速度P−1より大きくない場合(ステップS1102:No)、測定装置201が測定モードであるため、制御部1003は取得した走行データ500を記憶装置に記録する(ステップS1109)。
上下加速度の絶対値がパトロール停止条件上下加速度P−1より大きい場合(ステップS1102:Yes)、検出部1002は、測定装置201の作業実施モードへの遷移を検出し、走行データ500の緯度と経度を記憶装置に記録する(ステップS1103)。取得部1001は、次の走行データ500を取得する(ステップS1104)。
検出部1002は、ステップS1104で取得した走行データ500の緯度と経度が記憶装置に記録した緯度と経度と一致するか否かを確認する(ステップS1105)。一致しない場合(ステップS1105:No)、作業員が車両203に戻って来ていない状態のため、ステップS1104に戻る。
一致する場合(ステップS1105:Yes)、作業員が車両203に戻って来た状態のため、検出部1002は、ステップS1104で取得した走行データ500の上下加速度の絶対値がパトロール再開条件上下加速度P−2より小さいか否かを確認する(ステップS1106)。上下加速度の絶対値がパトロール再開条件上下加速度P−2より小さくない場合(ステップS1106:No)、測定装置201が車両203に搭載された状態でないため、ステップS1104に戻る。
上下加速度の絶対値がパトロール再開条件上下加速度P−2より小さい場合(ステップS1106:Yes)、取得部1001は走行データ500を取得し、検出部1002は、取得した走行データ500の緯度と経度が変わらない時間を測定する(ステップS1107)。検出部1002は、測定した緯度と経度が変わらない時間がパトロール再開条件時間P−3を超えるか否か確認する(ステップS1108)。超えない場合(ステップS1108:No)、測定装置201が車両203に搭載された状態でないため、ステップS1104に戻る。
超える場合(ステップS1108:Yes)、測定装置201が車両203に搭載された状態であるため、検出部1002は、測定装置201の測定モードへの遷移を検出し、走行データ500を記憶装置に記録する(ステップS1109)。分析装置202は、走行データ500が終了したか否かを確認する(ステップS1110)。
走行データ500が終了しない場合(ステップS1110:No)、ステップS1101に戻り、取得部1001が走行データ500を取得する。走行データ500が終了した場合(ステップS1110:Yes)、分析装置202は、走行データ500の特定処理を終了する。これにより、本フローチャートによる一連の処理は終了する。本フローチャートを実行することにより、測定装置201が測定モードの時の走行データ500が記憶装置に記録される。
以上説明したように、実施の形態2にかかる測定装置201によれば、測定装置201は、加速度センサ310の測定値がパトロール停止条件上下加速度P−1を超える測定値を示すことの検出を行う。この後、測定装置201は、加速度センサ310による測定を停止するか、または、検出の後の加速度センサ310による測定値を特定可能に記憶部に記録する。
これにより、車両203に搭載された状態で測定された加速度センサ310の測定値が識別可能になる。また、作業員がモード切替操作を忘れて、道路を巡回走行中に測定された加速度センサの測定値と、現場の状況確認中に測定された加速度センサの測定値を区別できないことがなくなる。また、作業員は、測定モードと作業実施モードとの切替操作を行わなくてもよく、作業員の負荷が低減される。
また、測定装置201は、上記検出の後の加速度センサ310の測定値がパトロール停止条件上下加速度P−1より低いパトロール再開条件上下加速度P−2を下回る測定値を示すことの検出を行う。この後、測定装置201は、加速度センサ310による測定を再開するか、または、該検出の後の加速度センサ310による測定値を特定可能に記憶部に記録する。これにより、測定装置201は、測定モードへの遷移を検出でき、車両203に搭載された状態で測定された加速度センサ310の測定値を記録することができる。また、作業員が、作業実施モードから測定モードへの切替操作を忘れて、測定モードでの加速度センサの測定値が記録されないことを防止できる。
また、測定装置201は、加速度センサ310の測定値がパトロール停止条件上下加速度P−1を超える測定値を示すことの検出を行うと、測定した緯度と経度を記憶部に記録する。測定装置201は、上記検出の後に測定した緯度と経度が、記録した緯度と経度と一致し、かつ上記検出の後の加速度センサ310による測定値がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回る測定値を示すことを検出する。この後、測定装置201は、検出の後に測定した緯度と経度がパトロール再開条件時間P−3を超えて一致することの検出を行うと、加速度センサ310による測定を再開するか、または、検出の後の加速度センサ310による測定値を特定可能に記憶部に記録する。これにより、測定装置201は、作業員が車両203に戻って来たことを確認して測定モードへの遷移を検出でき、車両203に搭載された状態で測定された加速度センサ310の測定値を記録することができる。
また、測定装置201は、走行データ500の上下加速度が所定の閾値を超えることの検出を行う。この後、測定装置201は、検出の後の走行データ500の上下加速度がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回ることの検出を行うと測定モードへの遷移を検出する。この後、測定装置201は、加速度センサ310による測定を再開するか、または、該検出の後の加速度センサ310による測定値を特定可能に記憶部に記録する。これにより、測定装置201は、作業員が測定装置201を車両203に設置したことを確認して測定モードへの遷移を検出でき、車両203に搭載された状態で測定された加速度センサ310の測定値を記録することができる。
また、分析装置202は、測定装置201が測定した加速度センサ310の測定値を取得し、取得した加速度センサ310の測定値がパトロール停止条件上下加速度P−1を超える測定値を示すことの検出を行う。この後、分析装置202は、パトロール停止条件上下加速度P−1を超える測定値以降に測定された加速度センサ310の測定値を、削除するか、または、特定可能に記憶部に記録する。これにより、分析装置202は、車両203に搭載された状態で測定された加速度センサ310の測定値を識別可能になる。
また、分析装置202は、上記検出の後の加速度センサ310の測定値がパトロール停止条件上下加速度P−1より低いパトロール再開条件上下加速度P−2を下回る測定値を示すことの検出を行う。パトロール再開条件上下加速度P−2を下回る測定値以降に測定された加速度センサ310の測定値を、特定可能に記憶部に記録する。これにより、分析装置202は、測定装置201の測定モードへの遷移を検出でき、車両203に搭載された状態で測定された加速度センサ310の測定値を記録することができる。
また、分析装置202は、取得した加速度センサ310の測定値がパトロール停止条件上下加速度P−1を超える測定値を示すことの検出を行うと、取得した緯度と経度を記憶部に記録する。分析装置202は、上記検出の後に測定した緯度と経度が、記録した緯度と経度と一致し、かつ上記検出の後の加速度センサ310による測定値がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回る測定値を示すことを検出する。この後、分析装置202は、検出の後に測定した緯度と経度がパトロール再開条件時間P−3を超えて一致することの検出を行うと、検出の後の加速度センサ310による測定値を特定可能に記憶部に記録する。これにより、分析装置202は、作業員が車両203に戻って来たことを確認して測定装置201の測定モードへの遷移を検出でき、車両203に搭載された状態で測定された加速度センサ310の測定値を記録することができる。
また、分析装置202は、走行データ500の上下加速度が所定の閾値を超えることの検出を行う。この後、分析装置202は、検出の後の走行データ500の上下加速度がパトロール再開条件上下加速度P−2を下回ることの検出を行うと測定モードへの遷移を検出する。この後、分析装置202は、該検出の後の加速度センサ310による測定値を特定可能に記憶部に記録する。これにより、分析装置202は、作業員が測定装置201を車両203に設置したことを確認して測定装置201の測定モードへの遷移を検出でき、車両203に搭載された状態で測定された加速度センサ310の測定値を記録することができる。
なお、本実施の形態で説明した測定プログラムおよび情報処理プログラムは、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。本測定プログラムおよび情報処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、本測定プログラムおよび情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)加速度センサを備え、測定開始指示に応じて、移動体に搭載された状態での前記加速度センサによる加速度の測定が可能な測定装置において、
前記測定開始指示に応じて遷移する測定モードにおいて、前記加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、該加速度センサによる測定を停止するか、または、前記検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶部に記録する制御部、
を備えたことを特徴とする測定装置。
(付記2)前記制御部は、前記検出の後の加速度センサの測定値が前記所定の基準より低い別の基準を下回る測定値を示すことの検出を行うと、該加速度センサによる測定を再開するか、または、該検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶部に記録することを特徴とする付記1に記載の測定装置。
(付記3)前記測定装置は、位置センサを備え、前記移動体に搭載された状態での前記位置センサによる位置の測定が可能であり、
前記制御部は、前記加速度センサの測定値が前記所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、前記位置センサによる測定値を記憶部に記録し、
前記検出の後の位置センサによる測定値が、記録した前記位置センサの測定値と一致し、かつ、前記検出の後の加速度センサによる測定値が前記別の基準を下回る測定値を示すことの検出を行い、
該検出の後の位置センサによる測定値が一定時間を超えて一致することの検出を行うと、前記加速度センサによる測定を再開するか、または、該検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶部に記録することを特徴とする付記2に記載の測定装置。
(付記4)前記制御部は、前記検出の後の加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行い、該検出の後の加速度センサの測定値が前記所定の基準より低い別の基準を下回る測定値を示すことの検出を行うと、該加速度センサによる測定を再開するか、または、該検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶部に記録することを特徴とする付記2に記載の測定装置。
(付記5)加速度センサを備え、測定開始指示に応じて、移動体に搭載された状態での前記加速度センサによる加速度の測定が可能な測定装置が測定した前記加速度センサの測定値を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、前記所定の基準を超える測定値以降に測定された加速度センサの測定値を、削除するか、または、特定可能に記憶部に記録する制御部と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
(付記6)前記制御部は、前記所定の基準を超える測定値以降に測定された加速度センサの測定値が前記所定の基準より低い別の基準を下回る測定値を示すことの検出を行うと、前記別の基準を下回る測定値以降に測定された加速度センサの測定値を、特定可能に記憶部に記録することを特徴とする付記5に記載の情報処理装置。
(付記7)前記取得部は、位置センサを備え、前記移動体に搭載された状態での前記位置センサによる位置を前記加速度センサの測定に対応して測定が可能な前記測定装置が測定した前記位置センサの測定値を取得し、
前記制御部は、前記加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、前記所定の基準を超える測定値に対応する位置センサの測定値を記憶部に記録し、
前記位置センサの測定値以降に測定された位置センサによる測定値が、記録した前記位置センサの測定値と一致し、かつ、前記所定の基準を超える測定値以降に測定された加速度センサによる測定値が前記所定の基準より低い別の基準を下回る測定値を示すことの検出を行い、
前記位置センサの測定値と一致した測定値以降に測定された位置センサによる測定値が一定時間を超えて一致することの検出を行うと、前記一定時間を超えて一致する位置センサによる測定値に対応する加速度センサの測定値以降に測定された測定値を特定可能に記憶部に記録することを特徴とする付記6に記載の情報処理装置。
(付記8)前記制御部は、前記所定の基準を超える測定値以降に測定された加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行い、該所定の基準を超える測定値以降に測定された加速度センサの測定値が前記所定の基準より低い別の基準を下回る測定値を示すことの検出を行うと、該検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶部に記録することを特徴とする付記5に記載の情報処理装置。
(付記9)加速度センサを備え、測定開始指示に応じて、移動体に搭載された状態での前記加速度センサによる加速度の測定が可能なコンピュータに、
前記測定開始指示に応じて遷移する測定モードにおいて、前記加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、該加速度センサによる測定を停止するか、または、前記検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶装置に記録する、
処理を実行させることを特徴とする測定プログラム。
(付記10)コンピュータに、
加速度センサを備え、測定開始指示に応じて、移動体に搭載された状態での前記加速度センサによる加速度の測定が可能な測定装置が測定した前記加速度センサの測定値を取得し、
取得した前記加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、前記所定の基準を超える測定値以降に測定された加速度センサの測定値を、削除するか、または、特定可能に記憶装置に記録する、
処理を実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
(付記11)加速度センサを備え、測定開始指示に応じて、移動体に搭載された状態での前記加速度センサによる加速度の測定が可能なコンピュータが、
前記測定開始指示に応じて遷移する測定モードにおいて、前記加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、該加速度センサによる測定を停止するか、または、前記検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶装置に記録する、
処理を実行することを特徴とする測定方法。
(付記12)コンピュータが、
加速度センサを備え、測定開始指示に応じて、移動体に搭載された状態での前記加速度センサによる加速度の測定が可能な測定装置が測定した前記加速度センサの測定値を取得し、
取得した前記加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、前記所定の基準を超える測定値以降に測定された加速度センサの測定値を、削除するか、または、特定可能に記憶装置に記録する、
処理を実行することを特徴とする情報処理方法。
(付記13)加速度センサを備え、測定開始指示に応じて、移動体に搭載された状態での前記加速度センサによる加速度の測定が可能な測定プログラムを記録したコンピュータに、
前記測定開始指示に応じて遷移する測定モードにおいて、前記加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、該加速度センサによる測定を停止するか、または、前記検出の後の加速度センサによる測定値を特定可能に記憶装置に記録する、
処理を実行させる測定プログラムを記録したことを特徴とする前記コンピュータに読み取り可能な記録媒体。
(付記14)コンピュータに、
加速度センサを備え、測定開始指示に応じて、移動体に搭載された状態での前記加速度センサによる加速度の測定が可能な測定装置が測定した前記加速度センサの測定値を取得し、
取得した前記加速度センサの測定値が所定の基準を超える測定値を示すことの検出を行うと、前記所定の基準を超える測定値以降に測定された加速度センサの測定値を、削除するか、または、特定可能に記憶装置に記録する、
処理を実行させる情報処理プログラムを記録したことを特徴とする前記コンピュータに読み取り可能な記録媒体。