JP2015094624A - 放射線検出システム、データ処理装置、放射線検出方法および波高値分布データ処理プログラム - Google Patents

放射線検出システム、データ処理装置、放射線検出方法および波高値分布データ処理プログラム Download PDF

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炳俊 全
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Abstract

【課題】被検査対象の核種の特定精度の向上を図ることができる放射線検出システムを提供する。【解決手段】 放射線検出システムは、複数の放射線検出器(放射線検出部)11と、DSP(波高値分布算出部)23と、演算処理部(データ処理部)31と、を備える。DSP23は、放射線検出器11毎に、放射線検出器11から出力される電圧信号の波高値を測定し、測定された当該波高値の頻度分布を示す波高値分布データを、放射線検出器11毎に算出する。演算処理部31は、複数の放射線検出器11それぞれに対応する波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す波高値−エネルギ値変換テーブル(相関テーブル)を保有する。そして、演算処理部31は、保有する波高値−エネルギ値変換テーブルを用いて、複数の放射線検出器11それぞれに対応する波高値分布データからエネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成し、当該エネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線検出システム、データ処理装置、放射線検出方法および波高値分布データ処理プログラムに関し、特に、複数の放射線検出器から取得した信号を処理する技術に関する。
従来、放射性物質を検出する放射線検出装置として、複数の放射線検出器を備えるものが提案されている(特許文献1参照)。
この放射線検出装置では、複数の放射線検出器に一定のエネルギの放射線を照射したときに、複数の放射線検出器それぞれにおいて得られる波高値分布データの平均値を算出する。そして、算出した平均値が複数の放射線検出器について同一の値となるように、各放射検出器から得られたデータの補正を行う。
特許第4670704号明細書
しかしながら、放射線検出器は、放射線に対する波高値とエネルギ値との相関関係に個体差が存在する場合がある。例えば、波高値の平均値が同一であっても、波高値とエネルギ値との相関関係が大きく異なることがある。この場合、特許文献1に記載されているように、複数の放射線検出器について、所定のエネルギ値の放射線を照射したときに得られる波高値の平均値が一致するようにデータ補正を行ったとしても、当該所定のエネルギ値以外の他のエネルギ値の放射線を照射した場合、複数の放射線検出器で得られる波高値分布データ間でずれが生じてしまう虞がある。そうすると、複数の放射線検出器で波高値分布データの最頻値のばらつきが大きくなり、核種を正確に特定できない虞がある。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、被検査対象物に含まれる放射性物質の核種の特定精度を向上させることができる放射線検出システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の放射線検出システムは、複数の放射線検出部と、波高値分布算出部と、データ処理部と、を備える。放射線検出部は、被検査対象物から放射される放射線を検出する。波高値分布算出部は、放射線検出部毎に、放射線検出部から出力される電圧信号の波高値を測定し、測定された当該波高値の頻度分布を示す波高値分布データを、放射線検出部毎に算出する。データ処理部は、複数の放射線検出部それぞれに対応する波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す相関テーブルおよび関係式の少なくとも一方を保有し、保有する相関テーブルおよび関係式の少なくとも一方を用いて、複数の放射線検出部それぞれに対応する波高値分布データに基づいて、エネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成し、複数の放射線検出部それぞれに対応するエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成する。
本構成によれば、データ処理部が、複数の放射線検出部それぞれに対応する波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す相関テーブルおよび関係式の少なくとも一方を用いて、複数の放射線検出部それぞれに対応する波高値分布データに基づいて、エネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成する。これにより、複数の放射線検出部について得られるエネルギ値分布データは、放射線検出部相互間の波高値とエネルギ値との相関関係の違いに起因した誤差が緩和されたものとなる。また、データ処理部は、生成したエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成する。これにより、エネルギ値分布積算データは、1つの放射線検出部により得られたエネルギ値分布データに比べて、母数が大きく、且つ、被検査対象物から放射される放射線をより大きな立体角で収集した結果を反映したものとなる。
以上のように、本構成により得られるエネルギ値分布積算データは、誤差が少なく、1つの放射線検出部を用いた構成に比べて、データの母数が大きく且つ被検査対象物から放射される放射線をより大きな立体角で収集した結果を反映したものとなる。従って、1つの放射線検出部を用いた構成に比べて、S/N比の高い、エネルギ値の頻度分布を示すデータを取得することができるので、被検査対象物に含まれる放射性物質の核種の特定精度を向上させることができる。
(2)また、上記(1)の放射線検出システムにおいては、前記波高値分布算出部は、第1期間中に測定された波高値の頻度分布を示す前記波高値分布データを記憶するデータ記憶部を有し、上記データ処理部は、第1期間よりも短い第2期間毎に、データ記憶部から上記波高値分布データを読み出し、第1波高値分布データと、当該第1波高値分布データを読み出した時刻よりも前記第2期間だけ前に読み出した第2波高値分布データとの差分データから、エネルギ値分布データを生成するものであってもよい。
本構成によれば、波高値分布算出部において、第1期間中、記憶部をリフレッシュする必要がないので、第2期間に測定された波高値分布データを生成する毎に記憶部をリフレッシュする構成に比べて、記憶部のリフレッシュ頻度を低減することができる。従って、波高値分布算出部における処理負荷を軽減させることができる。
(3)また、上記(1)の放射線検出システムにおいて、上記エネルギ値分布積算データの母数が、計測を開始してから計測が終了するまでの時間間隔に比例して増加するものであり、上記データ処理部が、上記エネルギ値分布積算データの母数に対する母数閾値を保持し、母数が母数閾値以上であるか否かを判定し、母数が前記母数閾値未満であると判定されると、引き続き計測を継続するものであってもよい。
本構成によれば、エネルギ値分布積算データの母数が母数閾値以上となるまで計測を継続する。これにより、被検査対象物に含まれる放射性核種の量や被検査対象核種の半減期の違いに関わらず、比較的明瞭な頻度ピークを有する波高値分布データを取得することができるので、上記放射性物質の核種に関わらず核種特定の精度を向上させることができる。
(4)また、上記(1)〜(3)の放射線検出システムにおいて、上記データ処理部が、参照放射線源から放射される複数種類の放射線に対応するエネルギ値を示すエネルギ値リストを保持し、放射線検出部に複数種類の放射線を入射したときに得られる当該複数種類の放射線に対応する波高値分布データの頻度ピークに対応するピーク波高値を取得し、エネルギ値リストと、ピーク波高値とを対応づけた後、回帰分析により求められたエネルギ値とピーク波高値との関係に基づいて、保有する上記相関テーブルおよび上記関係式のいずれか一方を補正するものであってもよい。
本構成によれば、相関テーブルや関係式に、放射線検出部により検出された複数種類の放射線に対応するピーク波高値が反映されるので、相関テーブル或いは関係式の正確性を向上させることができる。
(5)また、上記(1)〜(4)の放射線検出システムにおいて、上記データ処理部が、参照放射線源から放射される放射線に対応する波高値分布データおよびエネルギ値分布データのいずれか一方のピーク強度およびピーク半値幅に基づいて、前記放射線検出器が故障したか否かを判定し、前記放射線検出器が故障した旨の故障判定がなされると、当該故障判定がなされた時刻に対応する差分データを廃棄するものであってもよい。
本構成によれば、放射線検出部が故障した旨の故障判定がなされると、当該故障判定がなされた時刻に対応する差分データを廃棄する。これにより、放射線検出部が故障した状態で取得した差分データからエネルギ値分布データやエネルギ値分布積算データを生成することが回避されるので、被検査対象物に含まれる放射性物質の核種の特定精度を向上させることができる。
(6)また、上記(5)の放射線検出システムにおいて、上記データ処理部が、複数の放射線検出器のうちの少なくとも1つについて前記故障判定がなされた場合、前記故障判定がなされた放射線検出器を除く他の放射線検出器に対応する波高値分布データを用いて、エネルギ値分布積算データを生成するものであってもよい。
本構成によれば、データ処理部が故障した放射線検出部から取得した差分データを用いてエネルギ値分布データやエネルギ値分布積算データを生成してしまうことを回避できるので、被検査対象物に含まれる放射性物質の核種の特定精度を向上させることができる。
(7)また、上記(1)〜(6)の放射線検出システムにおいて、上記波高値分布算出部が、上記放射線検出部の出力信号を反映した電圧信号から当該電圧信号の積分波形を反映した信号パルスを生成する信号パルス生成部と、電圧信号の立ち上がり部分を示すタイミングパルスを生成するタイミングパルス生成部と、を有し、上記データ処理部が、信号パルス生成部で生成された信号パルスのパルス幅と、タイミングパルス生成部で生成されるタイミングパルスの時間間隔と、の比較結果に基づいて、信号パルス生成部に対して信号パルスのパルス幅を指示するものであってもよい。
本構成によれば、信号パルス生成部における信号パルスのパルス幅を適切な時間で維持することができるので、比較的明瞭な最頻ピークを有する波高値分布データを取得することができる。
(8)また、上記(1)〜(7)の放射線検出システムにおいて、上記放射線検出部の出力信号を、当該出力信号を反映したパルス状の上記電圧信号に変換する信号変換部を更に備え、上記データ処理部が、電圧信号の減衰時定数と、上記タイミングパルス生成部で生成されるタイミングパルスの時間間隔と、の比較結果に基づいて、信号変換部における電圧信号の減衰時定数を決めるパラメータを設定するものであってもよい。
本構成によれば、信号変換部から出力されるパルス状の電圧信号同士が干渉しないように、信号変換部における電圧信号の時定数を決めるパラメータを設定するので、電圧信号のパイルアップの発生を抑制することができる。
(9)また、上記(1)〜(8)の放射線検出システムにおいて、上記複数の放射線検出部それぞれの配置を変更し得る状態で当該複数の放射線検出部を支持する支持部材を備えるものであってもよい。
本構成によれば、被検査対象物から放射される放射線の強度に放射角度依存性がある場合、複数の放射線検出部の配置を、当該放射角度依存性に適した配置に変更することができるので、放射線の検出効率向上を図ることができる。
(10)他の観点からみた本発明に係るデータ処理装置は、被検査対象物から放射される放射線を検出した複数の放射線検出部それぞれから出力される電圧信号の波高値を測定し、測定された当該波高値の頻度分布を示す波高値分布データを処理するデータ処理装置であって、複数の放射線検出部それぞれに対応する波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を保有し、保有する前記相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を用いて、複数の放射線検出部それぞれに対応する波高値分布データに基づいて、エネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成し、複数の放射線検出部それぞれに対応するエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成する。
(11)更に、他の観点からみた本発明に係る放射線検出方法は、被検査対象物から放射される放射線を複数の放射線検出部により検出するステップと、放射線検出部毎に、放射線検出部から出力される電圧信号の波高値を測定し、測定された当該波高値の頻度分布を示す波高値分布データを、放射線検出部毎に算出するステップと、複数の放射線検出部それぞれに対応する波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を用いて、複数の放射線検出部それぞれに対応する波高値分布データに基づいて、エネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成するステップと、複数の放射線検出部それぞれに対応するエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成するステップと、を含む。
(12)更に、他の観点からみた本発明に係る波高値分布データ処理プログラムは、被検査対象物から放射される放射線を検出した複数の放射線検出部それぞれから出力される電圧信号の波高値の頻度分布を示す波高値分布データを処理する波高値分布データ処理をコンピュータにより実現させる波高値分布データ処理プログラムであって、波高値分布データ処理は、複数の放射線検出部それぞれに対応する前記波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を用いて、複数の放射線検出部それぞれに対応する波高値分布データに基づいて、エネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成するステップと、複数の放射線検出部それぞれに対応するエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成するステップと、を含む。
本発明によれば、被検査対象の核種の特定精度を向上させることができる。
実施形態に係る放射線検出システムの概略外観図である。 実施形態に係る放射線検出システムの概略構成図である。 実施形態におけるDSPの概略構成図である。 実施形態におけるDSPの概略構成図である。 実施形態における信号パルスと、タイミングパルスとの関係を示す図である。 実施形態における演算処理部の動作を示すフローチャートである。 実施形態における波高値分布データと差分データとの関係を示す模式図である。 実施形態におけるデータ変換処理の内容を示す概念図である。 実施形態における波高値−エネルギ値変換テーブルの一例を示す概念図である。 実施形態における演算処理部の校正処理における動作のフローチャートである。 (a)は、実施形態における放射線検出器の模式図であり、(b)は、実施形態における参照放射線源から放射される放射線に対応するピークの位置と、被検査対象物から放射される放射線に対応するピークの位置との関係を示す図である。 (a)は、実施形態における複数の放射線検出器それぞれについて得られる波高値分布データから得られる分解能のエネルギ値依存性を示し、(b)は、エネルギ値分布積算データから得られる分解能のエネルギ値依存性を示している。 変形例に係る演算処理部の動作を示すフローチャートである。 変形例に係る演算処理部の故障判定処理における動作を示すフローチャートである。 変形例に係る演算処理部の動作の一部を示すフローチャートである。 変形例に係る演算処理部のスループット時間調整動作を示すフローチャートである。 変形例に係るデジタル信号処理部におけるスループット時間ΔTtの調整の様子を示す模式図である。 変形例に係る放射線検出システムの一部を示す概略構成図である。 変形例に係る演算処理部の動作を示すフローチャートである。 変形例に係る検出器ユニットの概略外観図である。
<実施形態>
<1>構成
図1は、本発明の実施形態に係る放射線検出システムの概略外観図であり、図2は、本実施形態に係る放射線検出システムの概略構成図である。
放射線検出システムは、検出器ユニット1と、検出信号処理装置2と、解析装置3と、高電圧源4と、を備える。
検出器ユニット1は、複数(図1では8つ)の放射線検出器(放射線検出部)11と、この放射線検出器11を所定の配置で支持する支持ユニット13と、を備える。
放射線検出器11は、略円柱状の形状を有する。放射線検出器11は、シンチレータ11aと、光電子増倍管11bと、これらを収納する略中空円柱状のハウジング11cとを含んで構成されている。また、ハウジング11cの内部には、後述する校正用の参照放射線源が配置されている。シンチレータ11aは、光電子増倍管11bの窓部に対向して配置されている。そして、シンチレータ11aと光電子増倍管11bとの間には、シンチレータ11aから放出される光の損失を低減するためのカップリング材が介在している。
シンチレータ11aは、例えばLaBr3(Ce)結晶から構成されている。なお、シンチレータ11aを構成する材料としては、他に、タリウム活性化ヨウ化ナトリウム(NaI(Tl)),ゲルマニウム酸ビスマス(BGO),タリウム活性化ヨウ化セシウム(CsI(Tl)),フッ化バリウム(BaF2),セリウム添加ケイ酸ガドリニウム(GSO:Ce),セリウム添加ルテチウムシリコンオキサイド(LSO:Ce)、タングステン酸鉛(PWO),セリウム添加イットリウムアルミネート(YAP:Ce)、アントラセン有機結晶等の結晶材料を採用してもよい。或いは、シンチレータ11aとして、プラスチックシンチレータや液体シンチレータを採用してもよい。
また、シンチレータ11aにおける光電子増倍管11bに対向する部位以外の部位は、例えば金属製の反射膜で覆われている。これにより、シンチレータ11a内部で発生したシンチレーション光が、光電子増倍管11bの窓部へ効率良く導かれる。
参照放射線源としては、例えばコバルト56(56Co)やコバルト60(60Co)を採用することができる。
光電子増倍管11bは、光電面、陽極およびダイノードを含んで構成されており、高電圧源4により、光電面と、陽極およびダイノードとの間に高電圧が印加される。
ハウジング11cは、その中心軸方向における一端側にシンチレータ11aを収納している。また、ハウジング11cにおける上記一端には、被検査対象物から放射される放射線を内部に導入するための窓部が設けられている。この窓部は、放射線に対して透明な材質から形成されている。そして、ハウジング11cの窓部以外の部位は、放射線を遮蔽する材質から形成されている。このような材質としては、例えば、Fe等が挙げられる。また、ハウジング11cにおける他端側からは、高電圧電源から光電子増倍管11bへ電圧を供給するための電源線L0と、光電子増倍管11bで取得される信号を外部へ出力するための信号線L1とが引き出されている。
支持ユニット13は、基台131と、支持部材132と、複数(図1では8つ)の固定部材133と、を有する。
基台131は、例えば矩形板状に形成されている。支持部材132は、円環状の第1部材132aと、基台131の厚さ方向における一面側に設けられ、第1部材132aの中心軸が基台131の上記一面に略平行となるように第1部材132aを支持する第2部材132bと、から構成される。
固定部材133は、第1部材132aに取り付けられており、第1部材132aの周方向において略等間隔に並んでいる。固定部材133それぞれは、放射線検出器11それぞれの中心軸が第1部材132aの中心軸上の略一点で交差するように、放射線検出器11を挟持固定している。そして、放射線検出器11は、その中心軸と第1部材132aの中心軸との交点近傍に配置された被検査対象物Sから放射される放射線を検出する。
検出信号処理装置2は、複数の前置増幅器22と、デジタル信号処理装置(Digital Signal Processor:以下、「DSP」と称する。)(波高値分布算出部)23と、を備える。
前置増幅器22は、放射線検出器11毎に設けられており、放射線検出器11の出力信号を反映した電圧信号を出力する。この前置増幅器22は、例えば電荷積分型回路から構成される。具体的には、放射線検出器11に接続された入力端と接地線との間に接続された、コンデンサおよび抵抗の並列回路を有し、当該並列回路の両端間に生じる電圧を増幅して出力する。ここにおいて、放射線検出器11の出力信号が入力されると、上記並列回路の両端間の電圧は、当該電圧信号の電圧と同じ大きさまで立ち上がり、その後、並列回路の両端間の電圧が、コンデンサの静電容量と抵抗の抵抗値で定まる減衰時定数で減衰していく。
また、前置増幅器22は、放射線検出器11の数と同じ数だけ存在し、各前置増幅器22が、対応する放射線検出器11の出力信号を変換して出力する。
DSP23は、前置増幅器22それぞれから出力される電圧信号に対応する波高値の頻度分布を示す波高値分布データを取得し、取得した波高値分布データを、対応する放射線検出器11毎に保持する。
図3および図4は、本実施形態におけるDSP23の概略構成図である。
DSP23は、複数のアナログ信号処理部231と、複数のアナログデジタル変換器(以下、「ADC」と称する。)232と、複数のデジタル信号処理部233と、複数のCPU234と、複数のヒストグラムメモリ235と、LANインターフェース236と、を備える。また、DSP23には、複数の前置増幅器22それぞれに対応した入力端子teが設けられている。ここで、入力端子te、アナログ信号処理部231、ADC232、デジタル信号処理部233、CPU234およびヒストグラムメモリ235の数は、放射線検出器11の数と同じである。また、各デジタル信号処理部233は、解析装置3に接続されており、解析装置3から入力される調整信号に基づいて信号処理条件を変更することができる。更に、各CPU234も、解析装置3に接続されており、解析装置3から入力される制御信号に基づいて信号処理条件を変更することができる。
図4に示すように、アナログ信号処理部231は、ポールゼロキャンセル回路2311と、利得調整回路2312と、を備える。
ポールゼロキャンセル回路2311は、前置増幅器22から入力される電圧信号の減衰時定数を調整する回路である。
利得調整回路2312は、ポールゼロキャンセル回路2311から入力される電圧信号の振幅を調整する回路である。
ADC232は、利得調整回路2312から入力されるアナログの電圧信号をデジタル信号に変換する。ADC232としては、例えばサンプリングレートが100MHzの高速アナログデジタル変換器を採用することができる。
デジタル信号処理部233は、パルス整形部2331と、タイミングパルス生成部2332と、FIFOメモリ2333と、を備える。
パルス整形部2331は、ADC232から入力されるデジタル信号の波形を、略台形状の波形に整形してなる信号パルスを生成する。ここで、パルス整形部2331は、デジタル信号に対して下記式(1)に示す関係式を用いて、信号パルスを生成する。

ここで、FIL(n)は、信号パルスを構成する要素、v(j)は、デジタル信号を構成する要素、CLKは、デジタル信号が立ち上がってから要素FIL(n)に対応する時刻に至るまでの経過時間、ΔTRは、後述のライズタイム、ΔTFは、後述のフラットトップタイムを示す。
また、パルス整形部2331は、解析装置3からデジタル信号処理部233に入力される調整信号に基づいて、ライズタイムΔTRおよびフラットトップタイムΔTFを変更することができる。
タイミングパルス生成部2332は、ADC232から入力されるデジタル信号に基づいて、デジタル信号の立ち上がり部分を示すタイミングパルスを生成する。タイミングパルス生成部2332は、タイミングパルスのライズタイムを例えば0.1μs〜0.5μsに設定する。
FIFOメモリ2333は、パルス整形部2331から入力される信号パルスのデータと、タイミングパルス生成部2332から入力されるタイミングパルスのデータと、を一時的に蓄積しておくためのものである。FIFOメモリ2333は、信号パルスのデータと、タイミングパルスのデータと、をFIFO方式で順次出力する。
図5は、本実施形態に係る信号パルスと、タイミングパルスとの関係を示す図である。図5では、ADC232から入力されるデジタル信号を「PU1」、信号パルスを「PU2」、タイミングパルスを「PU3」で示している。
図5に示すように、タイミングパルスPU3が発生する時刻は、デジタル信号PU1が立ち上がりつつある時刻に相当する。
信号パルスPU2は、タイミングパルスPU3よりもスループット時間ΔTtが長く設定されている。この信号パルスPU2のスループット時間ΔTtは、ライズタイムΔTRと、フラットトップタイムΔTFとで規定される。ここで、ライズタイムの長さは、エネルギ分解能に影響し、短くなるほど分解能が低下するがその分スループットが高くなり、長くなるほどエネルギ分解能が向上するがその分スループットが低下する。このライズタイムは、概ねデジタル信号PU1の減衰時定数(上記電圧信号の減衰時定数)の2倍程度に設定するのが好ましいとされている。従って、例えば、デジタル信号PU1の減衰時定数が、6μsに設定されている場合、ライズタイムを12μs、フラットトップタイムを1μsに設定すればよい。
また、フラットトップタイムの長さは、デジタル信号の立ち上がりのばらつきに起因した波高値の誤差に影響し、短くなるほど誤差が大きくなる傾向にある。
図3および図4に戻って、CPU234は、デジタル信号処理部233のFIFOメモリ2333から信号パルスPU2のデータを読み込んで信号パルスPU2の波高値を算出する。そして、CPU234は、デジタル信号処理部233から所定の数(母数)の信号パルスPU2の波高値を算出したところで、波高値の頻度分布を示すヒストグラム(波高値分布データ)を生成する。CPU234は、生成した波高値分布データをヒストグラムメモリ235に記憶させる。
また、CPU234は、解析装置3からCPU234に入力される制御信号に基づいて、信号処理条件である波高値分布データの母数、即ち、1つの波高値分布データを生成するために用いる信号パルスPU2の波高値の数を変更することができる。
解析装置3は、例えばパーソナルコンピュータから構成され、DSP23の各ヒストグラムメモリ235に記憶されている波高値分布データを取得し、取得した波高値分布データから波高値分布積算データを生成する。そして、解析装置3は、生成した波高値分布積算データに基づいて、被検査対象物の核種を特定する。
解析装置3は、プロセッサ等から構成された演算処理部(データ処理部)31と、メモリ等から構成された記憶部32と、解析結果を表示する表示部33と、LANインターフェース(図示せず)と、を備える。また、解析装置3は、LANケーブルL2を介して検出信号処理装置2に接続されている。ここで、演算処理部31は、記憶部32に記憶された所定のコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、後述の各種処理を実現することができる。演算処理部31は、DSP23の各ヒストグラムメモリ235に記憶されている波高値分布データを、LANインターフェースを経由してDSP23から取得し、取得した波高値分布データを記憶部32に記憶する。そして、演算処理部31は、記憶部32に記憶された各波高値分布データを読み出して後述の各種処理を行い、波高値分布積算データから核種特定用積算データ(エネルギ値分布積算データ)および校正用積算データを生成する。その後、演算処理部31は、生成した核種特定用積算データに基づいて、被検査対象物の核種を特定し、結果を表示部33に表示する。また、演算処理部31は、校正用積算データに基づいて、各放射線検出器11について後述の校正処理を行う。なお、校正用積算データは、複数の放射線検出器11それぞれに対して1つずつ与えられている。また、核種特定用積算データおよび校正用積算データは、それぞれ記憶部32における専用の記憶領域に記憶されている。
<2>動作
次に、本実施形態に係る解析装置3の演算処理部31の動作について説明する。
<2−1>全体動作
図6は、本実施形態における演算処理部31の動作を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、演算処理部31は、核種特定用積算データの初期化を行う(ステップS1)。ここでは、演算処理部31は、前回の測定により得られた核種特定用積算データを消去する処理を行う。この核種特定用積算データは、複数の放射線検出器11により得られたエネルギ値分布データの総和に相当する。
次に、演算処理部31は、データを取得するタイミングやデータ校正を行うタイミングの特定するために計時を開始する(ステップS2)。ここでは、演算処理部31が、例えば内蔵のタイマを動作させることにより、カウントを開始する。
続いて、演算処理部31は、待機状態を維持する(ステップS3)。
その後、演算処理部31は、データ取得時刻であるか否かを判定する(ステップS4)。このデータ取得時刻は、DSP23に入力される電圧信号の数が、CPU234により波高値分布データを生成するのに必要な数に到達するまでの時間により決定される。このデータ取得時刻の時間間隔は、例えば10secに設定される。
ステップS4において、データ取得時刻ではないと判定されると(ステップS4:No)、演算処理部31は、待機状態を継続する(ステップS3)。一方、ステップS3において、データ取得時刻であると判定されると(ステップS4:Yes)、演算処理部31は、各ヒストグラムメモリ235から波高値分布データを取得する(ステップS5)。ここで、演算処理部31は、取得した波高値分布データを記憶部32に記憶させる。
その後、演算処理部31は、最新の波高値分布データから、以前に取得した波高値分布データを差し引いて得られる差分データを生成する。ここで、以前に取得した波高値分布データとは、最新の波高値分布データよりも以前に取得した波高値分布データの中で直近のものである。また、以前に取得した波高値分布データが存在しない場合は、最新の波高値分布データからバックグラウンドデータ(全ての波高値の頻度がゼロのデータ)を差し引くことにより差分データを生成する。この場合、演算処理部31は、初期化信号フラグをデフォルト値に設定する。
図7は、本実施形態に係る波高値分布データと差分データとの関係を示す模式図である。図7では、時刻T(0)に初めてデータ取得を行い、その後、データ取得時刻T(1),T(2),・・・でデータ取得を行う場合を示している。また、図7の(a−1)〜(a−4)は、各時刻における波高値分布データを示し、図7の(b−1)〜(b−4)は、各時刻における差分データを示している。
時刻T(0)では、差分データと波高値分布データとが等しくなっている。
時刻T(1)では、差分データが、時刻T(1)に取得した波高値分布データから時刻T(0)に取得した波高値分布データを差し引いて得られるデータに等しくなっている。
そして、ヒストグラムメモリ235が初期化された後の時刻T(N)では、再び差分データと波高値分布データとが等しくなっている。
このように、DSP23のデジタル信号処理部233が、例えば期間(T(N)−T(0))(第1期間)中に測定された波高値の頻度分布を示す波高値分布データをFIFOメモリ(データ記憶部)2333に記憶させる。そして、演算処理部(データ処理部)31が、期間(T(N)−T(0))よりも短い所定の期間(第2期間)毎に、FIFOメモリ2333から波高値分布データを読み出す。そして、演算処理部31は、ある時刻(例えば時刻T(2))に読み出した波高値分布データ(第1波高値分布データ)と、時刻T(2)よりも上記所定の期間だけ以前に読み出した波高値分布データ(第2波高値分布データ)との差分データを生成する。そして、演算処理部31は、生成した差分データからエネルギ値分布データを生成する。
これにより、デジタル信号処理部233において、期間(T(N)−T(0))中、FIFOメモリ2333をリフレッシュする必要がない。その結果、上記所定の期間に測定された波高値分布データを生成する毎にFIFOメモリ2333をリフレッシュする構成に比べて、FIFOメモリ2333のリフレッシュ頻度を低減することができる。従って、デジタル信号処理部233における処理負荷を軽減することができる。
図6に戻って、差分データを生成した後(ステップS6の後)、演算処理部31は、各放射線検出器11の校正用積算データへの加算処理を行う(ステップS7)。ここでは、演算処理部31が、放射線検出器11毎に保持する校正用積算データへ差分データを加算する処理を行う。つまり、演算処理部11は、放射線検出器11毎に、校正用積算データへの差分データの加算を個別に行う。
次に、演算処理部31は、放射線検出器11毎に、得られた差分データについて、波高値をエネルギ値に変換することによりエネルギ値分布データを生成するデータ変換処理を行う(ステップS8)。
図8は、本実施形態におけるデータ変換処理の内容を示す概念図である。
図8に示すように、演算処理部31は、複数の放射線検出器11それぞれに対応する波高値−エネルギ値変換テーブルを保持している(テーブル1〜8)。この波高値−エネルギ値変換テーブルそれぞれは、対応する放射線検出器11に固有の波高値とエネルギ値との相関関係を示したものとなっている。そして、演算処理部31は、複数の放射線検出器11それぞれについて得られた差分データ(Det1〜Det8)について、対応する波高値−エネルギ値変換テーブルを用いて、エネルギ値分布データ(Det21〜Det28)を生成する。
図9は、本実施形態における波高値−エネルギ値変換テーブルの一例を示す概念図である。ここでは、コバルト56(Co56)から放射される放射線を用いて生成した波高値−エネルギ値変換テーブルの例を示している。図9中のドットは、コバルト56(Co56)から放射される放射線に対応する波高値の測定データを示している。図9に示すように、8つの放射線検出器11それぞれの性能の違いを反映して、8つの放射線検出器11それぞれに対応する波高値−エネルギ値変換テーブルの内容が異なっている。
以上のように、演算処理部31が、複数の放射線検出器11それぞれに対応した波高値−エネルギ値変換テーブルを用いて、波高値分布データをエネルギ値分布データに変化する。これにより、複数の放射線検出器11相互間における、同一エネルギ値の放射線に対する波高値のばらつきに起因した誤差の発生を解消することができる。
図6に戻って、データ変換処理の後(ステップS8の後)、演算処理部31は、エネルギ値分布データを積算する処理(既に得られている核種特定用積算データにエネルギ値分布データを加算する処理)を行う(ステップS9)。これにより、演算処理部31は、複数の放射線検出器11により得られたエネルギ値分布データの総和に相当する核種特定用積算データ(エネルギ値分布積算データ)を得ることができる。
続いて、演算処理部31は、波高値−エネルギ値変換テーブルの校正を試みる校正時刻になったか否かを判定する(ステップS10)。
ステップS10において、校正時刻でないと判定されると(ステップS10:No)、演算処理部31は、そのままステップS12の処理を行う。一方、ステップS10において、校正時刻になったと判定されると(ステップS10:Yes)、演算処理部31は、波高値−エネルギ値変換テーブルの校正を試みる校正処理を行う(ステップS11)。
次に、演算処理部31は、校正用積算データを初期化する処理を行い(ステップS12)、その後、ステップS13の処理を行う。なお、校正処理の詳細は、後述する。
ステップS13では、演算処理部31が、ユーザが設定した計測終了時刻になったか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、演算処理部31は、ユーザが設定した計測終了時刻になると、デフォルト値が変更される終了フラグを保持しており、終了フラグの内容がデフォルト値ではない場合、計測終了と判定する。なお、この計測終了時刻は、例えばユーザが経験的に知っている核種特定用積算データを取得するのに要する時間に基づいて定めることができる。
ステップS13において、計測終了時刻と判定されなかった場合(ステップS13:No)、演算処理部31は、再び待機状態となる(ステップS2)。一方、ステップS13において、計測終了時刻と判定された場合(ステップS13:Yes)、演算処理部31は、計測を終了する。
最後に、演算処理部31は、被検査対象物に含まれる放射性物質の核種を特定する最終核種特定処理を行う(ステップS14)。ここでは、演算処理部31は、核種特定用積算データ(エネルギ値分布積算データ)のピーク部分を探索する処理を行い、ピークが検出されると、検出したピークを被検査対象物から放射される放射線に対応するピークとして特定する。また、演算処理部31は、エネルギ値と核種との対応関係を示す核種リストを保持しており、当該核種リストを参照して、被検査対象物から放射される放射線のエネルギ値に基づいて、被検査対象物に含まれる放射性物質の核種を特定する。その後、演算処理部31は、特定した核種を示す識別情報(例えば、各種の名称や核種の識別番号等)を表示部33に表示する。
<2−2>校正処理
次に、本実施形態における演算処理部31の校正処理における動作の詳細について説明する。
図10は、本実施形態における演算処理部31の校正処理における動作のフローチャートである。
まず、演算処理部31は、参照放射線源から放射される放射線に対応する波高値(ピーク波高値)Vpを算出する(ステップS21)。
図11(a)は、本実施形態における放射線検出器11の模式図である。また、図11(b)は、本実施形態における参照放射線源Reから放射される放射線に対応するピークの位置と、被検査対象物から放射される放射線に対応するピークの位置との関係を示す図である。
図11(a)に示すように、参照放射線源Reは、例えばハウジング11cの内部に配置されている。ここで、参照放射線源Reとしては、例えばコバルト56(Co56)のような、少なくとも2種類のエネルギの放射線を放射するものを採用する。もしくは、異なるエネルギの放射線を放射する複数個の参照放射線源を用いてもよい。
そして、参照放射線源Reから放射された放射線Ra1が、シンチレータ11aに入射する。また、図11(b)に示すように、被検査対象物Sから放射される放射線のエネルギ値Ep(s)(対応する波高値Vp(s))は、所定のエネルギ値範囲ΔEp(s)(対応する波高値範囲ΔVp(s))に含まれる。このエネルギ値範囲ΔEs(波高値範囲ΔVp(s))は、検出しようとする放射性物質から放射される放射線のエネルギ値を全て含むように設定される。そして、参照放射線源Reは、その放射する放射線Ra1のエネルギ値Ep(ref1),Ep(ref2)(対応する波高値Vp(ref1),Vp(ref2))がエネルギ値範囲ΔEs(波高値範囲ΔVs)外となるように選択される。これにより、被検査対象物Sから放射される放射線に対応するピークと、参照放射線源Reから放射される放射線に対応するピークとが干渉するのを防止できる。
ここにおいて、演算処理部31は、例えば参照放射線源Reから放射される放射線に対応する2つのピークの位置(ピーク波高値)Vp(ref1),Vp(ref2)を算出する。
次に、演算処理部31は、過去に取得したピーク波高値Vpが存在するか否かを判定する(ステップS22)。
ステップS22において、過去に取得したピーク波高値Vpが存在しないと判定されると(ステップS22:No)、演算処理部31は、算出したピーク波高値Vpを記憶部32の所定の記憶領域に登録して(ステップS26)、処理を終了する。
一方、ステップS22において、過去に取得したピーク波高値Vpが存在すると判定されると(ステップS22:Yes)、演算処理部31は、最新のピーク波高値Vpと過去に取得したピーク波高値Vpとの間隔ΔVpを算出する(ステップS23)。ここにおいて、複数のピーク波高値(例えば2つのピーク波高値:Vp(ref1),Vp(ref2))それぞれについて間隔ΔVpを算出する。
続いて、演算処理部31は、算出した複数の間隔ΔVpのうちのいずれかが間隔閾値ΔVth以上となっているか否かを判定する(ステップS24)。この間隔閾値ΔVthは、放射線検出器11のエネルギ値分解能(波高値分解能)に基づいて設定される。
ステップS24において、間隔ΔVpが間隔閾値ΔVth未満であると判定されると(ステップS24:No)、演算処理部31は、算出したピーク波高値Vpを上記所定の記憶領域に登録する(ステップS26)。
一方、ステップS24において、間隔ΔVpが間隔閾値ΔVth以上であると判定されると(ステップS24:Yes)、演算処理部31は、複数の最新のピーク波高値に基づいて、波高値−エネルギ値変換テーブルを補正する(ステップS25)。ここにおいて、演算処理部31は、参照放射線源Reから放射される放射線に対応する複数のピークそれぞれのエネルギ値が登録されたエネルギ値リストを保持している。そして、演算処理部31は、放射線検出器11から得られる複数種類の放射線に対応する波高値分布データの頻度ピークに対応するピーク波高値を取得する。ここで、演算処理部31は、エネルギ値リストに登録されたエネルギ値それぞれと、複数の最新のピーク波高値とを対応づける。
その後、演算処理部31は、回帰分析により求められたエネルギ値とピーク波高値との関係に基づいて、保有する波高値−エネルギ値変換テーブルを補正する。ここで「回帰分析」とは、例えば最小二乗法を用いた直線近似を利用した分析等が挙げられる。この場合、演算処理部31は、上記ピーク波高値に対応する複数の点がプロットされた波高値とエネルギ値との相関図において、最小二乗法により上記複数の点それぞれの近傍を通る近似直線を求める処理を行う。そして、演算処理部31は、求めた近似直線上に存在する点に対応するデータから波高値−エネルギ値変換テーブルを生成する。
ここで、演算処理部31は、複数の放射線検出器11それぞれに対応する波高値−エネルギ値変換テーブルの全ての補正を行ってもよい。或いは、演算処理部31は、間隔ΔVpが間隔閾値ΔVth以上となった放射線検出器11に対応する波高値−エネルギ値変換テーブルのみを補正してもよい。
その後、演算処理部31は、算出したピーク波高値Vpを上記所定の記憶領域に登録する(ステップS26)。
以上のように、演算処理部(データ処理部)31は、参照放射線源Reから放射される複数種類の放射線に対応するエネルギ値を示すエネルギ値リストを保持している。そして、演算処理部31は、放射線検出器11に複数種類の放射線を入射したときに得られる当該複数種類の放射線に対応する波高値分布データの頻度ピークに対応するピーク波高値を取得する。その後、演算処理部31は、エネルギ値リストと、ピーク波高値とを対応づけた後、回帰分析により求められたエネルギ値とピーク波高値との関係に基づいて、保有する波高値−エネルギ値変換テーブル(相関テーブル)を補正する。
これにより、波高値−エネルギ値変換テーブルに、放射線検出器11により検出された複数種類の放射線に対応するピーク波高値が反映されるので、波高値−エネルギ値変換テーブルの正確性を向上させることができる。
<3>放射線検出システムの分解能評価の結果について
次に、本実施形態に係る放射線検出システムの分解能評価を行った結果について説明する。
図12(a)は、本実施形態における複数の放射線検出器11それぞれについて得られる波高値分布データから得られる分解能のエネルギ値依存性を示し、図12(b)は、エネルギ値分布積算データから得られる分解能のエネルギ値依存性を示している。
図12(a)および(b)を比較すると、エネルギ値分布積算データから得られる分解能のばらつきは、波高値分布データから得られるそれに比べて低減されている。また、放射線検出器11個々の波高値分布データから得られる分解能の平均値が75.6(eV)1/2であるのに対し、エネルギ値分布積算データから得られる分解能が77.0(eV)1/2であり、分解能の大きな劣化は認められなかった。
<4>まとめ
以上説明したように、本実施形態に係る放射線検出システムによれば、演算処理部(データ処理部)31が、複数(図1では8つ)の放射線検出器(放射線検出部)11それぞれに対応する波高値−エネルギ値変換テーブル(相関テーブル)を用いる。そして、演算処理部31は、複数の放射線検出器11それぞれに対応する波高値分布データに基づいて、エネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成する。ここで、波高値−エネルギ値変換テーブルは、波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示している。これにより、複数の放射線検出器11について得られるエネルギ値分布データは、複数の放射線検出器11相互間の波高値とエネルギ値との相関関係の違いに起因した誤差が緩和されたものとなる。また、演算処理部31は、生成したエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成する。これにより、エネルギ値分布積算データは、1つの放射線検出部11により得られたエネルギ値分布データに比べて、母数が大きく、且つ、被検査対象物Sから放射される放射線をより大きな立体角で収集した結果を反映したものとなる。
以上のように、本実施形態に係る放射線検出システムにより得られるエネルギ値分布積算データは、誤差が少ない。また、エネルギ値分布積算データは、1つの放射線検出器11を用いた構成に比べて、データの母数が大きく且つ被検査対象物Sから放射される放射線をより大きな立体角で収集した結果を反映したものとなる。従って、1つの放射線検出器11を用いた構成に比べて、S/N比の高い、エネルギ値の頻度分布を示すデータ(エネルギ値分布積算データ)を取得することができるので、被検査対象物Sに含まれる放射性物質の核種の特定精度の向上を図ることができる。
ところで、従来の放射線検出システムでは、長時間に亘って計測を行う場合、温度変化等に起因して増幅率が変動する可能性が有る。そこで、従来は、データを収集する際、例えば1時間毎に計測データを保存していき、保存した計測データに対してユーザがオフラインで補正や積算処理等の作業を行うことにより核種判定等を行うのが一般的である。
ところが、この従来の計測方法では、複数の放射線検出器11を備える放射線検出システムにおいて計測データの補正や積算を行うのに時間がかかる虞がある。
これに対して、本実施形態に係る放射線検出システムでは、複数の放射線検出器11に対する計測データの補正や積算処理等を自動的に行うので、計測データの補正や積算処理等に要する時間の短縮を図ることができ、ある程度リアルタイムに核種判定等を行うことが可能となる。
<変形例>
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内の全ての態様を含む。例えば、以下に示す変形例を含む。
(1)実施形態に係る放射線検出システムにおいて、演算処理部31が、放射線検出器11において故障が発生したか否かを判定する故障判定処理を行う構成であってもよい。
図13は、本変形例に係る演算処理部31の動作を示すフローチャートである。なお、実施形態において、図6および図10を用いて説明した処理と同様の処理については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
データ積算処理の後(ステップS6の後)、演算処理部31は、放射線検出器11において故障が発生したか否かを判定する故障判定処理を行う(ステップS201)。この故障判定処理の内容については、後述する。
次に、演算処理部31は、故障判定処理の結果がNGであるか否か、即ち、放射線検出器11において故障が発生したか否かを判定する(ステップS202)。
ステップS202において、故障判定がNGではないと判定されると、即ち、放射線検出器11において故障が発生していないと判定されると(ステップS202:No)、演算処理部31は、ステップS7以降の処理を行う。
一方、ステップS202において、故障判定がNGであると判定されると(ステップS202:Yes)、演算処理部31は、差分データを廃棄し(ステップS203)、データ取得元の設定を変更する(ステップS204)。
ここにおいて、例えば、演算処理部31が、当初、波高値分布データの取得元(データ取得元)を、DSP23の8つの放射線検出器11それぞれに対応するヒストグラムメモリ235に設定していたとする。そして、演算処理部31が、8つの放射線検出器11のうちの1つが故障したと判定したとする。この場合、演算処理部31は、データ取得元を、故障した放射線検出器11を除く7つの放射線検出器11それぞれに対応するヒストグラムメモリ235に設定する。
その後、演算処理部31は、再びステップS3以降の処理を行う。
次に、演算処理部31の故障判定処理(ステップS201)における動作について説明する。
図14は、本変形例に係る演算処理部31の故障判定処理における動作を示すフローチャートである。
まず、演算処理部31は、参照放射線源Reから放射される放射線の差分データについて、ピーク強度(カウント数)Ipとピーク半値幅Wとを算出する(ステップS221)。ここにおいて、放射線検出器11の光電子増倍管11bにおいて故障が発生している場合、ピーク強度Ipが減少する。また、放射線検出器11のシンチレータ11aが故障している場合、ピーク半値幅Wが増加する。
次に、演算処理部31は、過去に算出した差分データのピーク強度Ipとピーク半値幅Wとが存在するか否かを判定する(ステップS222)。
ステップS22において、過去に算出した差分データのピーク強度Ipとピーク半値幅Wとが存在しないと判定されると(ステップS222:No)、演算処理部31は、算出したピーク強度Ipとピーク半値幅Wとを記憶部32の所定の記憶領域に登録して(ステップS226)、処理を終了する。
一方、ステップS222において、過去に算出したピーク強度Ipとピーク半値幅Wとが存在すると判定されると(ステップS222:Yes)、演算処理部31は、最新のピーク強度Ip(ピーク半値幅W)と過去に取得したピーク強度Ip(ピーク半値幅W)との差分(ピーク強度差)ΔIp,(ピーク半値幅差)ΔWを算出する(ステップS223)。
続いて、演算処理部31は、算出した複数のピーク半値幅差ΔWのうちのいずれかがピーク半値幅差閾値ΔWth以上となっているか否かを判定する(ステップS224)。このピーク半値幅差閾値ΔWthは、放射線検出器11が正常な場合におけるエネルギ値の分解能(或いは波高値の分解能)の揺らぎに基づいて設定される。
ステップS224において、ピーク半値幅差ΔWがピーク半値幅差閾値ΔWth以上であると判定されると(ステップS224:Yes)、演算処理部31は、シンチレータ11aが故障したと判定し、NG判定(故障判定)を行う(ステップS225)。演算処理部31は、最新のピーク強度Ipとピーク半値幅Wとを、記憶部32における所定の記憶領域に登録する(ステップS227)。
一方、ステップS224において、ピーク半値幅差ΔWがピーク半値幅差閾値ΔWth未満であると判定されると(ステップS224:No)、演算処理部31は、ピーク強度差ΔIpがピーク強度差閾値ΔIpth以下であるか否かを判定する(ステップS226)。このピーク強度差閾値ΔIpthは、放射線検出器11が正常な場合におけるピーク強度の揺らぎや光電子増倍管11bの性能に基づいて設定される。
ステップS226において、ピーク強度差ΔIpがピーク強度差閾値ΔIpth以下であると判定されると(ステップS226:Yes)、演算処理部31は、シンチレータ11aが故障したと判定し、NG判定(故障判定)を行う(ステップS225)。そして、演算処理部31は、最新のピーク強度Ipとピーク半値幅Wとを、上記所定の記憶領域に登録する(ステップS227)。
一方、ステップS226において、ピーク強度差ΔIpがピーク強度差閾値ΔIpthを超えると判定されると(ステップS226:No)、演算処理部31は、放射線検出器11全てが正常であると判定する。そして、演算処理部31は、最新のピーク強度Ipとピーク半値幅Wとを、上記所定の記憶領域に登録する(ステップS227)。
以上のように、本変形例に係る放射線検出システムでは、放射線検出器(放射線検出部)11が故障した旨の故障判定がなされると、当該故障判定がなされた時刻に対応する差分データを廃棄する。これにより、放射線検出器11が故障した状態で取得した差分データからエネルギ値分布データやエネルギ値分布積算データを生成することが回避されるので、被検査対象物Sに含まれる放射性物質の核種の特定精度を向上させることができる。
また、演算処理部(データ処理部)31は、故障判定がなされた放射線検出器11を除く他の放射線検出器11に対応する波高値分布データを用いて、エネルギ値分布積算データを生成する。これにより、演算処理部31が故障した放射線検出部から取得した差分データからエネルギ値分布データやエネルギ値分布積算データを生成してしまうことを回避できる。この点においても被検査対象物Sに含まれる放射性物質の核種の特定精度を向上させることができる。
(2)実施形態に係る放射線検出システムにおいて、演算処理部31が、データ取得時刻が核種を特定するのに用いるエネルギ値分布積算データを生成する上で適切であるか否かを判定する構成であってもよい。
例えば、被検査対象物に含まれる放射性核種の量が少なくなるほど、或いは、被検査対象核種の半減期が長くなるほど、放射線検出器11から検出信号処理装置2へ入力される電圧信号の数が減少する。そして、電圧信号の数が減少すると、明瞭なピークを有する波高値分布データを得ることができず、核種を正確に特定するのが難しくなる虞がある。
また、エネルギ値分布積算データの母数は、計測を開始してから計測が終了するまでの時間間隔に比例して増加する。これは、計測を開始してから計測が終了するまでの時間間隔が長くなると、その分、放射線検出器11に飛来(入射)する放射線の数が増加するからである。
そこで、本変形例では、演算処理部31が、明瞭なピークを有する波高値分布データが得られるように、放射線検出器11から検出信号処理装置2へ入力される電圧信号の数の調整を行う。
図15は、本変形例に係る演算処理部31の動作の一部を示すフローチャートである。なお、図6と同様の処理については同一の符号を付して適宜説明を省略する。
演算処理部31が、校正時刻ではないと判定した(ステップS10:No)、或いは、校正用積算データを初期化する処理を行った(ステップS12)とする。これらの後、演算処理部31は、核種特定用積算データ(エネルギ値分布積算データ)を構成するデータの母数Cが母数閾値Cthより大きいか否かを判定する(ステップS401)。ここで、演算処理部31は、取得した核種特定用積算データの母数Cが母数閾値Cthより大きいか否かを判定する。また、母数閾値Cthは、ユーザが過去における明瞭なピークを有する波高値分布データの母数を参考にして適宜設定すればよい。
ステップS401において、母数Cが母数閾値Cth以下であると判定されると(ステップS401:No)、演算処理部31は、核種特定用積算データの母数を変更する処理を行う(ステップS402)。具体的には、演算処理部31が、計測を開始してから当該計測が終了するまでの時間間隔が長くなるように計測終了時刻の設定を変更する。このようにして、演算処理部31は、核種特定用積算データの基となるエネルギ値分布データの取得回数を増加させることにより、母数を変更する処理を行う。
その後、再び、ステップS3以降の処理を行う。
本構成によれば、核種特定用積算データ(エネルギ値分布積算データ)の母数Cが母数閾値Cth以上となるように、計測を開始してから当該計測が終了するまでの時間間隔を増加させる。これにより、被検査対象物Sに含まれる放射性核種の量や被検査対象核種の半減期の違いに関わらず、比較的明瞭な頻度ピークを有する波高値分布データを取得することができるので、放射性物質の核種に関わらず核種特定の精度向上を図ることができる。
(3)実施形態に係る放射線検出システムにおいて、演算処理部31が、DSP23のデジタル信号処理部233におけるスループット時間を調整する構成であってもよい。
例えば、デジタル信号処理部233におけるスループット時間が短すぎると、それに伴い信号パルスのフラットトップタイムが短くなり、波高値のばらつきが大きくなり、明瞭な最頻ピークを有する波高値分布データが得られない虞がある。
一方、スループット時間がADC232から入力されるデジタル信号のデッドタイムよりも長くなると、信号パルス同士の干渉が生じる。この場合、波高値分布データにおけるノイズ成分が大きくなり、明瞭な最頻ピークを有する波高値分布データを得ることができず、核種を正確に特定するのが難しくなる虞がある。
そこで、本変形例では、演算処理部31が、明瞭な最頻ピークを有する波高値分布データが得られるように、タイミングパルスの間隔に基づいて、スループット時間を適当な時間に調整する処理を行う。
図16は、本変形例に係る演算処理部31のスループット時間調整動作を示すフローチャートである。ここにおいて、演算処理部31は、複数の放射線検出器11それぞれに対応するデジタル信号処理部233(パルス整形部2331)について個別に以下の動作を行う。
まず、演算処理部31は、DSP23のデジタル信号処理部233におけるスループット時間ΔTtを初期値に設定する(ステップS301)。具体的には、演算処理部31は、デジタル信号処理部233における、ライジングタイムTRとフラットトップタイムTFとを設定する。
次に、演算処理部31は、タイミングパルス間隔ΔTtiを取得する(ステップS302)。具体的には、演算処理部31が、デジタル信号処理部233のFIFOメモリ2333に蓄積されているタイミングパルスデータを、LAN236を経由して取得する。
続いて、演算処理部31は、タイミングパルス間隔ΔTtiと、スループット時間ΔTtとの差分時間が所定の差分時間閾値εよりも大きいか否かを判定する(ステップS303)。ここにおいて、演算処理部31は、複数の放射線検出器11それぞれについて判定を行う。
ステップS303において、上記差分時間が所定の差分時間閾値ε以下と判定されると(ステップS303:No)、演算処理部31は、ステップS308の処理を行う。
一方、ステップS303において、上記差分時間が所定の差分時間閾値εよりも大きいと判定されると(ステップS303:Yes)、演算処理部31は、タイミングパルス間隔ΔTtiがスループット時間ΔTtよりも小さいか否かを判定する(ステップS304)。
ステップS304において、タイミングパルス間隔ΔTtiがスループット時間ΔTtよりも小さいと判定されたとする(ステップS304:Yes)。この場合、演算処理部31は、現状のスループット時間ΔTtから所定の時間S(ΔTt)だけ差し引いて得られる時間を新たなスループット時間ΔTtに設定する(ステップS305)。ここにおいて、演算処理部31は、新たなスループット時間ΔTtを、DSP23のデジタル信号処理部233(パルス整形部2331)に入力する。
一方、ステップS304において、タイミングパルス間隔ΔTtiがスループット時間ΔTt以上であると判定されたとする(ステップS304:No)。この場合、演算処理部31は、現状のスループット時間ΔTtから所定の時間S(ΔTt)だけ加えて得られる時間を新たなスループット時間ΔTtに設定する(ステップS306)。ここにおいても、演算処理部31は、新たなスループット時間ΔTtを、DSP23のデジタル信号処理部233(パルス整形部2331)に入力する。
その後、演算処理部31は、設定した新たなスループット時間ΔTtを記憶部32における所定の記憶領域に登録する(ステップS307)。
次に、演算処理部31は、ユーザにより計測終了のための操作がなされたか否かを判定する(ステップS308)。ここにおける演算処理部31の処理内容は、図6のステップ12と同様である。
図17は、変形例に係るデジタル信号処理部233におけるスループット時間ΔTtの調整の様子を示す模式図である。
例えば、j番目の電圧信号PU1(j)に対するタイミングパルスPU3(j)と、j+1番目の電圧信号PU1(j+1)に対するタイミングパルスPU3(j+1)との時間間隔をΔTti(j)とする。そして、スループット時間ΔTt(j)が、時間間隔ΔTti(j)よりも小さい値に設定されていたとする。この場合、演算処理部31は、スループット時間ΔTt(j+1)を、スループット時間ΔTt(j)よりも時間S(ΔTt)だけ長い時間に設定する。このとき、演算処理部31は、ライズタイムを長くすることによりスループット時間を長くする。
本構成によれば、DSP23のデジタル信号処理部233におけるスループット時間(信号パルスのパルス幅)ΔTtを適切な時間で維持することができるので、比較的明瞭な最頻ピークを有する波高値分布データを取得することができる。
(4)実施形態で説明した前置増幅器22において、例えば、コンデンサの静電容量と抵抗の抵抗値とを可変として電圧信号の減衰時定数を変化させることができるようにしてもよい。
図18は、本変形例に係る放射線検出システムの一部を示す概略構成図である。
この放射線検出システムは、前置増幅器(信号変換部)522と、ドライバ55とを含んで構成されている。
前置増幅器522は、増幅器AMPと、増幅器AMPに直列に接続された抵抗R1と、増幅器AMPと抵抗R1との間と接地線との間に接続された並列回路と、を有する。ここで、並列回路は、可変容量コンデンサCと、可変抵抗RTとを並列に接続したものである。
ドライバ55は、解析装置3から入力される制御信号に基づいて、可変容量コンデンサCの静電容量または可変抵抗RTの抵抗値を変化させる。また、ドライバ55は、可変容量コンデンサCの静電容量および可変抵抗RTの抵抗値(電圧信号の時定数を決めるパラメータ)を保持しており、これらの値を逐次解析装置3へ送信している。
図19は、本変形例に係る演算処理部31の動作を示すフローチャートである。
まず、演算処理部31は、ドライバ55から受信した可変容量コンデンサCの静電容量および可変抵抗RTの抵抗値に基づいて前置増幅器522の時定数τを算出する(ステップS501)。
次に、演算処理部31は、タイミングパルス間隔ΔTtiの平均値ΔTtiaveを取得する(ステップS502)。ここでは、演算処理部31が、例えばタイミングパルスを100パルス取得した時点で、各タイミングパルス間隔ΔTtiの平均値ΔTtiaveを算出する。
続いて、演算処理部31は、前置増幅器522の時定数τが平均値ΔTtiaveよりも大きいか否かを判定する(ステップS503)。
ステップS503において、前置増幅器522の時定数τが平均値ΔTtiaveよりも大きいと判定されると(ステップS503:Yes)、演算処理部31は、そのままステップS505の処理を行う。
一方、ステップS503において、前置増幅器522の時定数τが平均値ΔTtiave以下と判定されると(ステップS503:Yes)、演算処理部31は、前置増幅器522の時定数τを調整する(ステップS504)。具体的には、演算処理部31は、前置増幅器522の時定数τが、平均値ΔTtaveよりも所定の時間だけ長くなるように、可変容量コンデンサCの静電容量および可変抵抗RTの抵抗値を設定する。ここで、所定の時間は、例えば、タイミングパルス間隔ΔTiの分散に基づいて決定すればよい。
本構成によれば、前置増幅器522から出力されるパルス状の電圧信号同士が干渉しないように、前置増幅器522における可変容量コンデンサCの静電容量および可変抵抗RTの抵抗値(電圧信号の時定数を決めるパラメータ)を設定する。これにより、電圧信号のパイルアップの発生を抑制することができる。
(5)実施形態で説明した検出器ユニット1は、複数の放射線検出器11の位置が一定である例について説明した。具体的には、複数の放射線検出器11の中心軸と、支持部材132を構成する第1部材132aの中心軸とのなす角度が固定されており、被検査対象物から複数の放射線検出器11が配置された領域を臨む立体角が一定である。但し、複数の放射線検出器11の位置は、一定であるものに限定されない。例えば、複数の放射線検出器11それぞれについて位置および姿勢を変更することが可能であり、被検査対象物から複数の放射線検出器11が配置された領域を臨む立体角を変更することができるものであってもよい。
図20は、本変形例に係る検出器ユニット201の概略外観図である。
検出器ユニット201は、基台2131と、2つの支持部材2134と、2つのレール2132とから構成される支持ユニット213を備える。
2つの支持部材2134は、板状の基台2131の厚さ方向における一面側に立設されており、2つのレール2132を回動自在に軸支している。
2つのレール2132それぞれは、略円環状に形成されている。そして、2つのレール2132それぞれには、4つの放射線検出器11が移動自在に取り付けられている(図18の矢印参照)。そして、被検査対象物Sが、各レール2132の回動軸上における2つの支持部材2134の略中央部に配置される。
この検出器ユニット201は、各レール2132の中心軸の傾きと、各レール2132における放射線検出器11の位置とを変更することにより、被検査対象物Sから複数の放射線検出器11が配置された領域を臨む立体角を変更することができる。
本構成によれば、被検査対象物Sから放射される放射線の強度に放射角度依存性がある場合、複数の放射線検出器11の配置を、当該放射角度依存性に適した配置に変更することができるので、放射線の検出効率向上を図ることができる。
(6)実施形態に係る放射線検出システムでは、解析装置3が、複数の放射線検出器11それぞれに対応する波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す波高値−エネルギ値変換テーブル(相関テーブル)を保有する例について説明した。但し、解析装置3は、波高値−エネルギ値変換テーブルを保有する構成に限定されるものではなく、波高値−エネルギ値変換テーブルの代わりに、波高値とエネルギ値との関係を示す関係式を保有するものであってもよい。この場合、解析装置3は、複数の放射線検出器11それぞれに対応する関係式を保有するようにすればよい。
(7)実施形態では、シンチレータ11aと、光電子増倍管11bと、を有する放射線検出器11を備える例について説明したが、放射線検出器11の種類はこれに限定されるものではない。例えば、シリコン等の半導体材料から形成された放射線検出素子を含んで構成されるものであってもよい。
(8)また、例えば、放射線検出器11の増幅率の変動が大きい場合や、計測を行う時間が長期間におよび場合において、実時刻に基づいて適宜エネルギ校正を行うようにしてもよい。そして、その必要に応じた増幅器の増幅率の調整を、放射線検出器11毎に行う事も含まれる。
本発明は、一般的な放射性物質の計測・探知に好適である。また、瓦礫やスクラップ処理品の搬出入時における放射線量の測定にも好適である。更に、放射性廃棄物の処理時や保管時の放射線量検査や、税関等における輸入貨物の検査に用いられる探査装置等にも好適である。その他、被検査対象物から放射される放射線のエネルギスペクトルを計測することにより、被検査対象物に含まれる放射性物質の核種の特定に幅広く適用可能である。
1,201:検出器ユニット、2:検出信号処理装置、3:解析装置、4:高電圧源、11:放射線検出器(放射線検出部)、11a:シンチレータ、11b:光電子増倍管、11c:ハウジング、13:支持ユニット、22:前置増幅器、23:DSP(波高値分布算出部)、31:演算処理部(データ処理部)、32:記憶部、33:表示部、131,2131:基台、132,2134:支持部材、132a:第1部材、132b:第2部材、133:固定部材、231:アナログ信号処理部、233:デジタル信号処理部、234:CPU、235:ヒストグラムメモリ、236:LANインターフェース、2132:レール、2311:ポールゼロキャンセル回路、2312:利得調整回路、2331:パルス整形部、2332:タイミングパルス生成部、2333:FIFOメモリ(データ記憶部)、L1:信号線、L2:LANケーブル

Claims (12)

  1. 被検査対象物から放射される放射線を検出する複数の放射線検出部と、
    前記放射線検出部毎に、前記放射線検出部から出力される電圧信号の波高値を測定し、測定された当該波高値の頻度分布を示す波高値分布データを、前記放射線検出部毎に算出する波高値分布算出部と、
    前記複数の放射線検出部それぞれに対応する前記波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を保有し、保有する前記相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を用いて、前記複数の放射線検出部それぞれに対応する前記波高値分布データからエネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成し、前記複数の放射線検出部それぞれに対応するエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成するデータ処理部とを備える放射線検出システム。
  2. 前記波高値分布算出部は、第1期間中に測定された波高値の頻度分布を示す前記波高値分布データを記憶するデータ記憶部を有し、
    前記データ処理部は、前記第1期間よりも短い第2期間毎に、前記データ記憶部から前記波高値分布データを読み出し、第1波高値分布データと、当該第1波高値分布データを読み出した時刻よりも前記第2期間だけ前に読み出した第2波高値分布データとの差分データから、エネルギ値分布データを生成する請求項1記載の放射線検出システム。
  3. 前記エネルギ値分布積算データの母数は、計測を開始してから計測が終了するまでの時間間隔に比例して増加するものであり、
    前記データ処理部は、
    前記エネルギ値分布積算データの母数に対する母数閾値を保持し、前記母数が前記母数閾値以上であるか否かを判定し、前記母数が前記母数閾値未満であると判定されると、前記時間間隔を増加させることにより、前記母数を変更する処理を行う請求項1記載の放射線検出システム。
  4. 前記データ処理部は、
    参照放射線源から放射される複数種類の放射線に対応するエネルギ値を示すエネルギ値リストを保持し、
    前記放射線検出部に複数種類の放射線を入射したときに得られる当該複数種類の放射線に対応する前記波高値分布データの頻度ピークに対応するピーク波高値を取得し、
    エネルギ値リストと、ピーク波高値とを対応づけた後、回帰分析により求められたエネルギ値とピーク波高値との関係に基づいて、保有する前記相関テーブルおよび前記関係式のいずれか一方を補正する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の放射線検出システム。
  5. 前記データ処理部は、
    参照放射線源から放射される放射線に対応する波高値分布データおよびエネルギ値分布データのいずれか一方のピーク強度およびピーク半値幅に基づいて、前記放射線検出器が故障したか否かを判定し、前記放射線検出器が故障した旨の故障判定がなされると、当該故障判定がなされた時刻に対応する差分データを廃棄する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の放射線検出システム。
  6. 前記データ処理部は、
    複数の放射線検出器のうちの少なくとも1つが故障したと判定した場合、故障したと判定した放射線検出器を除く放射線検出器に対応する波高値分布データを用いて、エネルギ値分布積算データを生成する請求項5記載の放射線検出システム。
  7. 前記波高値分布算出部は、
    前記放射線検出部の出力信号を反映した電圧信号から当該電圧信号の積分波形を反映した信号パルスを生成する信号パルス生成部と、前記電圧信号の立ち上がり部分を示すタイミングパルスを生成するタイミングパルス生成部とを有し、
    前記データ処理部は、
    前記信号パルス生成部で生成された信号パルスのパルス幅と、前記タイミングパルス生成部で生成されるタイミングパルスの時間間隔と、の比較結果に基づいて、前記信号パルス生成部における前記信号パルスのスループット時間を設定する請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の放射線検出システム。
  8. 前記放射線検出部の出力信号を、当該出力信号を反映したパルス状の電圧信号に変換する信号変換部を更に備え、
    前記データ処理部は、
    前記電圧信号の減衰時定数と、前記タイミングパルス生成部で生成されるタイミングパルスの時間間隔と、の比較結果に基づいて、前記信号変換部における前記電圧信号の減衰時定数を決めるパラメータを設定する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の放射線検出システム。
  9. 前記複数の放射線検出部それぞれの配置を変更し得る状態で当該複数の放射線検出部を支持する支持部材を備える請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の放射線検出システム。
  10. 被検査対象物から放射される放射線を検出した複数の放射線検出部それぞれから出力される電圧信号の波高値の頻度分布を示す波高値分布データを処理するデータ処理装置であって、
    前記複数の放射線検出部それぞれに対応する前記波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を保有し、保有する前記相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を用いて、前記複数の放射線検出部それぞれに対応する前記波高値分布データからエネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成し、前記複数の放射線検出部それぞれに対応するエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成するデータ処理装置。
  11. 被検査対象物から放射される放射線を複数の放射線検出部により検出するステップと、
    前記放射線検出部毎に、前記放射線検出部から出力される電圧信号の波高値を測定し、測定された当該波高値の頻度分布を示す波高値分布データを、前記放射線検出部毎に算出するステップと、
    前記複数の放射線検出部それぞれに対応する前記波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を用いて、前記複数の放射線検出部それぞれに対応する前記波高値分布データからエネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成するステップと、
    前記複数の放射線検出部それぞれに対応するエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成するステップとを含む放射線検出方法。
  12. 被検査対象物から放射される放射線を検出した複数の放射線検出部それぞれから出力される電圧信号の波高値の頻度分布を示す波高値分布データを処理する波高値分布データ処理をコンピュータにより実現させる波高値分布データ処理プログラムであって、
    前記波高値分布データ処理は、
    前記複数の放射線検出部それぞれに対応する前記波高値と放射線のエネルギ値との相関関係を示す相関テーブルおよび関係式のいずれか一方を用いて、前記複数の放射線検出部それぞれに対応する前記波高値分布データからエネルギ値の頻度分布を示すエネルギ値分布データを生成するステップと、
    前記複数の放射線検出部それぞれに対応するエネルギ値分布データを足し合せることによりエネルギ値分布積算データを生成するステップとを含む波高値分布データ処理プログラム。
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