JP2015094112A - 木材の接合金具及び木材の接合構造 - Google Patents

木材の接合金具及び木材の接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】接合された横架材が、高い機械的強度を有する木材の接合金具を提供する。【解決手段】接合金具1を、平板状の側面部10、及び、側面部の下端辺19から直角に延出した平板状の底面部20を備えて、断面L字形に形成されており、底面部は、側面部との境界線である下端辺19と平行な先端辺21に沿って、先端辺に直角に一定幅切り欠かれた凹部26を、切り欠かれた幅の長さと同一の間隔で複数備えることにより、突出長さが凹部の深さと等しく先端辺の長さが凹部の奥辺29の長さと等しい凸片25が、凹部と交互に同じ数だけ形成されており、側面部と底面部には、複数の小孔部30が貫通して穿設されている構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、横架材同士を接合する木材の接合金具、及び、該接合金具を使用した木材の接合構造に関するものである。
木材と木材を接合する場合、従来、図9(a)に示すように、双方の木材101の端面に、厚さ方向の中央において貫通するスリット102を設け、このスリット102に接合用の板材111を嵌め込み、木材101及び板材111を貫通する孔部105に挿通したボルトをナットで留め付けている。或いは、図9(b)に示すように、木材101と木材101を突き合わせた部分で両側面に板材112を当て、木材101及び板材112を貫通する孔部105に挿通したボルトをナットで留め付けている。しかしながら、これらのような接合では、接合された木材の強度が、接合されていない一本の木材に比べて、強度が低いという問題があった。特に、梁や桁などの横架材を図9(a),(b)のように接合すると、下方に撓んだ際に底面側に作用する引張り応力に弱いという問題があった。
一方、本発明者は、図8に示すように、横架材61の二本が直交して接合されており、横架材61に直交する柱材62の四本が横架材61の直交部分を取り囲んでいる構造の木造構造体60を提案している(特許文献1参照)。
このような構成の木造構造体60では、それぞれ柱材62によって両側から挟み込まれた状態で二本の横架材61が接合されているため、横架材61同士の接合部及び柱材62と横架材61との接合部における剛性が高い。そのため、鉄骨構造(S造)や鉄筋コンクリート構造(RC造)で採用されているラーメン構造に近い靭性を有し、外力により変形しても損壊しにくい高強度の建築物を構築することができる。また、強固に接合された四本の柱材62により形成されている柱材の集合体が全体として荷重を受けるため、耐荷重性が高い。
このように、高い強度や高い耐荷重性を有するため、この木造構造体60を用いることにより、大型の木造建築物を構築することが可能であり、木造建築物に大きな開口部を設けることが可能である。しかしながら、そのためには横架材として長い木材が必要となるため、横架材同士を高強度に接合できる技術が要請されていた。
特開2010−159591号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、接合された横架材が高い機械的強度を有する木材の接合金具、及び、該接合金具を使用した木材の接合構造の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる木材の接合金具(以下、単に「接合金具」と称することがある)は、「平板状の側面部、及び、該側面部の下端辺から直角に延出した平板状の底面部を備えて、断面L字形に形成されており、前記底面部は、前記側面部との境界線と平行な先端辺に沿って、該先端辺に直角に一定幅切り欠かれた凹部を、切り欠かれた幅の長さと同一の間隔で複数備えることにより、突出長さが該凹部の深さと等しく先端辺の長さが前記凹部の奥辺の長さと等しい凸片が、前記凹部と交互に同じ数だけ形成されているものであり、前記側面部と前記底面部には、複数の小孔部が貫通して穿設されている」ものである。
本構成の接合金具は、底面部の先端辺に沿って、凸片と凹部を交互に同じ数だけ備えている。凸片は凹部が先端辺に直角に一定幅切り欠かれたことにより形成されたものであるため、凸片は底面部の先端辺を自身の先端辺として、凹部の奥辺に対して直角に一定幅突出しているものであり、凸片の突出長さは凹部の深さと等しい。また、複数の凹部は、切り欠かれた幅の長さと同一の間隔で形成されているため、凸片における先端辺の長さは凹部の奥辺の長さと等しい。
このような構成であるため、同一の接合金具を二つ使用し、それぞれの底面部を突き合わせれば、一方の接合金具の凸片を他方の接合金具の凹部に嵌合させることができる。すなわち、一方の接合金具の底面部の先端辺に沿って交互に形成されている凸片及び凹部が、他方の接合金具の底面部の先端辺に沿って交互に形成されている凹部及び凸片と噛み合う。
それぞれが断面L字形である二つの接合金具を、上記のようにそれぞれの底面部の先端辺で嵌合させると、二つの接合金具の側面部は平行となり、コ字形を呈する二つの接合金具の間に空間が形成される。そのため、この空間に、接合対象の二本の横架材を、それぞれの端面同士を突き合わせた状態で相対的に挿入すると、二本の横架材の接合部の底面及び両側面が、それぞれ接合金具の底面部及び側面部で被覆される。そして、接合金具の底面部及び側面部に貫通して穿設された小孔部にビスや釘を挿通し横架材に留め付ければ、二つの接合金具を介して、二本の横架材を接合することができる。
そして、凹部と凸片とが噛み合っていることにより、接合金具同士のずれや滑りが防止されるため、横架材を接合する作業がし易い。
このように、本発明の接合金具により接合された横架材は、凸片と凹部がっちりと噛み合った二枚の接合金具の底面部で被覆されており、この底面部はビス等で横架材に留め付けられていると共に、同じくビス等で横架材に留め付けられた側面部によって支持されている。これにより、横架材が撓むように上方から下方に向けて荷重が加わった際に、横架材の底面に作用する引張り応力に対する耐性が高く、全体として強度が高い。そして、一般的には、接合された木材は、接合されていない一本の木材の20%〜30%の強度しか有さないとされているところ、詳細は後述するように、本発明の接合金具により接合された横架材は、同一サイズの接合されていない一本の木材以上の強度を有している。
また、本発明の接合金具は、全く同じ構成のものを二つ用いて横架材同士を接合することができる。すなわち、左右対称の構成のものを二種類用意するなど、左側用と右側用として別の種類のものを必要とすることがなく、一種類の接合金具で足りる。そのため、接合金具の製造や管理が容易である。
次に、本発明にかかる木材の接合構造(以下、単に「接合構造」と称することがある)は、「上記に記載の接合金具の二つが、それぞれの前記底面部を突き合わせ、一方の前記接合金具の前記凸片を他方の前記接合金具の前記凹部に嵌合させている接合金具対を備え、木製角柱状の横架材の二本が、それぞれの端面を突き合わせ、該端面が前記接合金具対の間に位置する状態で、前記横架材の底面及び側面をそれぞれ前記接合金具の前記底面部及び前記側面部に当接させており、複数の前記小孔部を挿通したビスが、前記横架材の前記底面及び前記側面にねじ込まれている」ものである。
「横架材」とは、柱に架け渡される梁または桁を指している。また、横架材は「木製角柱状」であるが、長軸方向に直交する断面の形状は正方形であっても長方形であっても良い。
本構成の接合構造は、上記構成の接合金具の二枚で構成された接合金具対により二本の横架材が接合され、横架材の接合部の底面及び両側面が、それぞれ接合金具の底面部及び側面部で被覆されて形成されている接合構造である。このような接合構造では、横架材の底面が接合金具の底面部に支持されており、この底面部と一体の側面部が横架材の側面に留め付けられているため、横架材が撓むように上方から下方に向けて荷重が加わった際に、横架材の底面に作用する引張り応力に対する耐性が高く、全体として強度が高い。
また、図9(a),(b)を用いて上述した従来の接合構造と同様に、接合金具に形成された小孔部に位置を合わせて横架材に貫通孔を穿設し、ここにボルトを通してナットで留め付けることも想到し得る。しかしながら、本発明者の検討の結果、ボルトとナットで留め付けるより、ビスで留め付けた方が、横架材に対する接合金具の密着度が高く、高強度の接合構造となるという知見が得られた。また、孔に通すボルトとは異なり、ビスは木材の木目の間にめり込むように木材に嵌入するため、接合金具を横架材にしっかりと留め付けることができる。
加えて、従来では、ボルトを通す孔を穿設する際に木材に亀裂が生じることがあったところ、本構成の接合構造では横架材に孔を穿つ必要がないため、かかる亀裂が発生するおそれがない。また、予め横架材に孔を穿設する必要がないため、手間、時間、コストを低減して接合構造を構築することができる。
本発明にかかる接合構造は、上記構成に加え、「前記接合金具対を更に一つ備え、前記端面が、二対目の前記接合金具対の間にも位置する状態で、前記横架材の上面及び側面をそれぞれ二対目の前記接合金具対を構成する前記接合金具の前記底面部及び前記側面部に当接させており、二対目の前記接合金具対を構成する前記接合金具における複数の前記小孔部を挿通したビスが、前記横架材の前記上面及び前記側面にねじ込まれている」ものとすることができる。
本構成の接合構造では、二対の接合金具対によって二本の横架材が接合されている。具体的には、横架材の接合部の底面及び両側面が、それぞれ一対目の接合金具対を構成する接合金具の底面部及び側面部で被覆されていると共に、横架材の接合部の上面及び両側面が、それぞれ二対目の接合金具対を構成する接合金具の底面部及び側面部で被覆されている接合構造である。このような接合構造では、横架材の底面に加えて、横架材の上面も接合金具の底面部で支持されており、この底面部と一体の側面部が横架材の側面に留め付けられているため、横架材に作用する曲げ応力に対する耐性がより高く、全体としての強度がより高い。
本発明にかかる木材の接合構造は、「木製角柱状の横架材の二本が直交して接合されており、それぞれ前記横架材に直交する木製角柱状の柱材の四本が、それぞれの隣接する二側面を前記横架材の側面に当接させた状態で、二本の前記横架材の直交部分を取り囲んで木造構造体を形成しており、該木造構造体の前記横架材の少なくとも一本が、上記に記載の木材の接合構造によって、前記横架材が属する前記木造構造体に属さない他の横架材と接合されている」ものとすることができる。
柱材は「木製角柱状」であるが、長軸方向に直交する断面の形状は正方形であっても長方形であっても良い。
直交する二本の横架材、及び横架材の直交部分を取り囲む四本の柱材を備える木造構造体は、高い強度や高い耐荷重性を有するため、この木造構造体を用いることにより、大型の木造建築物を構築することが可能であり、木造建築物に大きな開口部を設けることが可能である。そして、そのためには横架材として長い木材が必要であったところ、上記の接合構造で横架材が接合された、長く強度が高い横架材で、木造構造体同士を連結することができる。
また、接合された横架材を使用することにより、木造構造体としては横架材の長さが短く設定された“腕出し”タイプとし、これを予め工場で製造しておき、現場で横架材を接合することによって複数の木造構造体を連結することができる。これにより、長い横架材を直交させて組み付け、周囲に柱材を配して木造構造体を構築するという、作業の全てを現場で行う場合に比べ、極めて作業が容易であり、木造構造体を使用した大型の木造建築物を、高い効率で構築することができる。
以上のように、本発明の効果として、接合された横架材が高い機械的強度を有する木材の接合金具、及び、該接合金具を使用した木材の接合構造を、提供することができる。
本発明の第一実施形態である接合金具の斜視図である。 図1の接合金具の一対を使用して二本の横架材を接合した接合構造を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態である接合金具の斜視図である。 図3の接合金具の二対を使用して二本の横架材を接合した接合構造を示す斜視図である。 木造構造体の平面図である。 木造構造体の横架材を他の横架材と接合した接合構造の(a)平面図、及び、(b)側面図である。 建築物における木造構造体の配置を説明する図である。 本発明者の提案による特許文献1の木造構造体の概略平面図である。 (a),(b)ともに従来の木材の接合方法の説明図である。
以下、本発明の第一実施形態の接合金具1、第二実施形態の接合金具2、及び、接合金具1または接合金具2を使用した接合構造について、説明する。
第一実施形態の接合金具1は、図1に示すように、平板状の側面部10、及び、側面部10の下端辺19から直角に延出した平板状の底面部20を備えて、断面L字形に形成されており、底面部20は、側面部10との境界線である下端辺19と平行な先端辺21に沿って、先端辺21に直角に一定幅切り欠かれた凹部26を、切り欠かれた幅の長さと同一の間隔で複数備えることにより、突出長さが凹部26の深さと等しく先端辺の長さが凹部26の奥辺29の長さと等しい凸片25が、凹部26と交互に同じ数だけ形成されているものであり、側面部10と底面部20には、複数の小孔部30が貫通して穿設されている。
より詳細に説明すると、側面部10は長方形であり、その高さは、接合対象の横架材40の幅(横架した状態での高さ方向の幅)と略等しく設定されている。底面部20は、側面部10の下端辺19から直角にある長さだけ延出した長方形の部分に、先端辺21に沿って凸片25と凹部26が交互に複数並んでいる部分が、連設された形状である。本実施形態の接合金具1は、凸片25及び凹部26をそれぞれ4つ備えているが、両者の数が同数であれば、その数は4つに限定されない。凹部26は底面部20の先端辺21に直角に一定幅切り欠かれたものであるため、切り欠きの残部としての凸片25は、凹部26の奥辺29を延長した仮想線に対して四角形(矩形)に突出しており、その突出長さは凹部26の深さと等しい。また、凹部26は、切り欠かれた幅の長さと同一の間隔で複数が設けられているため、切り欠きの残部としての凸片25における先端辺21の長さは、凹部26の奥辺29の長さ(切り欠かれた幅の長さ)と同一である。すなわち、凸片25の外周形は、凹部26の内周形を反転させたものと形状及び大きさが同一である。なお、凸片25と凹部26は同数であるため、底面部20において側面部10との境界線(側面部10の下端辺19)に直交する一対の側辺のうち、一方の側辺側には凸片25が、他方の側辺側には凹部26が形成されている。
上記構成の接合金具1で二本の横架材40を接合するには、図2に示すように、同一構成の接合金具1を二つ使用し、それぞれの底面部20を突き合わせる。これにより、一方の接合金具1の凸片25を、他方の接合金具1の凹部26に嵌合させた接合金具対1pが形成される。この状態で、二つの接合金具1の側面部10は平行であり、二つの接合金具1の間には上方に開口したコ字形の空間が形成される。そのため、この空間に、接合対象の二本の横架材40が、それぞれの端面同士を突き合わせた状態で位置するように、接合金具1の底面部20及び側面部10で、二本の横架材40の接合部の底面42及び両側面41をそれぞれ被覆する。そして、接合金具1の底面部20及び側面部10に貫通して穿設された小孔部30にビス(図示を省略)を挿通し、横架材40にねじ込んで留め付ければ、二つの接合金具1を介して、二本の横架材40が接合される。
これにより、次の構成の接合構造が構築される。すなわち、接合金具1の二つが、それぞれの底面部20を突き合わせ、一方の接合金具1の凸片25を他方の接合金具1の凹部26に嵌合させている接合金具対1pを備え、木製角柱状の横架材40の二本が、それぞれの端面を突き合わせ、その端面が二枚の接合金具1の間に位置する状態で、横架材40の底面42及び側面41をそれぞれ接合金具1の底面部20及び側面部10に当接させており、複数の小孔部30を挿通したビスが、横架材40の底面42及び側面41にねじ込まれている構成の接合構造である。
なお、接合される横架材40の側面41及び底面42の表面を、接合金具1の形状及び大きさに合わせて、接合金具1の厚さ分だけ切削しておくことが望ましい。これにより、接合金具1で横架材40を接合した後、接合金具1の表面と横架材40の表面とが同一面となり外観が良いと共に、横架材40に対する接合金具1のずれが防止される。また、接合される横架材40の一方の端面にほぞを形成し、このほぞと嵌合する溝を他方の横架材40の端面に形成して、横架材40同士を蟻継ぎしても良い。
上記のように、本実施形態の接合金具1により接合された横架材40は、凸片25と凹部26とが、がっちりと噛み合った二枚の接合金具1の底面部20で被覆されており、この底面部20はビスで横架材40に留め付けられていると共に、同じくビスで横架材40に留め付けられた側面部10によって支持されている。これにより、横架材40が撓むように上方から下方に向けて荷重が加わった際に、その荷重に接合金具1の底面部20が対抗するため、横架材40の底面42に作用する引張り応力に対する耐性が高く、全体として強度が高い。
実際に、本実施形態の接合金具1により接合された横架材40について、JIS Z2101に則り、曲げ強度を測定した結果を表1に示す。表1では、同一サイズの非接合の一本木材について同一条件で測定した最大荷重に対する、接合された横架材の最大荷重の割合(%)を示している。また、曲げ強度の測定は、接合金具の側面部及び底面部の幅(W)、接合金具の厚さ(t)、及び、ビスの配置を異ならせて行った。
Figure 2015094112
一般的には、接合された木材は、接合されていない一本木材の20%〜30%の強度しか有さないとされているところ、表1に示すように、本実施形態の接合金具1により接合された横架材40は、同一サイズの接合されていない一本木材と同程度から120%以上の高い強度を有している。
次に、第二実施形態の接合金具2について、図3を用いて説明する。第二実施形態の接合金具2が第一実施形態の接合金具1と相違する点は、側面部10bの高さが、接合対象の横架材の幅(横架した状態での高さ方向の幅)の1/2より短い点である。その他の構成については、接合金具1と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
このような構成の接合金具2で二本の横架材40を接合するには、図4に示すように、同一構成の接合金具2を四つ使用し、二つずつ、それぞれの底面部20を突き合わせる。これにより、一方の接合金具2の凸片25を、他方の接合金具3の凹部26に嵌合させた二対の接合金具対2a,2bが形成される。そして、接合対象の二本の横架材40において、それぞれの端面同士を突き合わせた接合部の底面42及び下方側の両側面41を、一対目の接合金具対2aを構成する接合金具2の底面部20及び側面部10でそれぞれ被覆する。更に、横架材40の接合部の上面43及び上方側の両側面41を、二対目の接合金具対2bを構成する接合金具2の底面部20及び側面部10でそれぞれ被覆する。その後、接合金具2それぞれの底面部20及び側面部10に貫通して穿設された小孔部30にビス(図示を省略)を挿通し、横架材40にねじ込んで留め付ければ、四つの接合金具2(二対の接合金具対2a,2b)を介して、二本の横架材40が接合される。
これにより、次の構成の接合構造が構築される。すなわち、接合金具2の四つが、二つずつ、それぞれの底面部20を突き合わせ、一方の接合金具2の凸片25を他方の接合金具2の凹部26に嵌合させて二対の接合金具対2a,2bを形成しており、一方の接合金具対2aが上方に開口したコ字形を呈し、他方の接合金具対2bが下方に開口したコ字形を呈する状態で対向しており、木製角柱状の横架材40の二本が、それぞれの端面を突き合わせた状態で、その端面が二対の接合金具対2a,2bの間に位置しており、接合金具対2aを構成する接合金具2の底面部20及び側面部10が横架材40の底面42及び下方側の両側面41にそれぞれ当接していると共に、接合金具対2bを構成する接合金具2の底面部20及び側面部10が横架材40の上面43及び上方側の両側面41にそれぞれ当接しており、四つの接合金具2それぞれに複数設けられた小孔部30を挿通したビスが、横架材40の底面42、両側面41、及び上面43にねじ込まれている構成の接合構造である。
このような接合構造では、横架材40の底面42に加えて、横架材40の上面43も接合金2の底面部20で支持されており、この底面部20と一体の側面部10bが横架材40の側面41に留め付けられているため、横架材40に作用する曲げ応力に対する耐性がより高く、全体としての強度がより高い。例えば、地震などの際には、横架材40に対して上方から作用する曲げ応力に加えて、下方から突き上げるように曲げ応力が作用することがある。その場合には、横架材40の上面43側で引張り応力が作用するが、横架材40を上面43側から被覆する接合金具対2bが、この引張り応力に対抗する。また、地震の横揺れに際しては、鉛直な柱材に対して横向きの力が作用し、これに伴って、鉛直な柱材間に横架された横架材40においては、一端では底面42側で引張り応力が作用し、他端では上面43側で引張り応力が作用する。その場合、横架材40を底面42側から被覆する接合金具対2aと、横架材40を上面43側から被覆する接合金具対2bが、それぞれ横架材40の底面42側及び上面43側で作用する引張り応力に、それぞれ対抗する。
次に、木造構造体50の横架材51を、本実施形態の接合金具1または接合金具2で他の横架材40と接合した本実施形態の接合構造について、図5及び図6を用いて説明する。ここで、木造構造体50は、図5に示すように、木製角柱状の横架材51の二本が直交して接合されており、それぞれ横架材51に直交する木製角柱状の柱材52の四本が、それぞれの隣接する二側面を横架材51の側面に当接させた状態で、二本の横架材51の直交部分を取り囲んでいるものである。横架材51と柱材52とは、一対の柱材52で横架材51を挟み込んだ状態で、図示しないサヤを介して、長いボルト55とナット56によって締結されている。
なお、図5では、四本の柱材52の外側周面を木製平板状の板体53が被覆している場合を例示している。木造構造体50にとって、このような板体53は必須ではないが、面的な構成である板体53を付加することにより、木造構造体50にかかる荷重を面で受ける作用が加わり、耐荷重性がより高められる。更に、面的な構成である板体53によって、木造構造体50を構成する個々の柱材52のねじれ、曲がりや座屈、横架材51に対する回転が有効に防止される。
また、二本の横架材51は、それぞれ接合部を“相欠き”とすることにより、一方の切り欠きの内表面を他方の横架材51の側面に当接させて、組み付けることができる。そして、本実施形態の木造構造体50では、横架材51の長さを短く設定した“腕出し”状態としている。
木造構造体50同士を連結する場合は、図6に示すように、木造構造体50の構成である短い横架材51の端部を、他の横架材40の一端と接合金具1または接合金具2によって上記のように接合し、横架材40の他端を、別の木造構造体50の横架材51と接合する。なお、図6では、横架材51と横架材40との接合部1箇所について、接合金具2を四つ(二対の接合金具対2a,2b)使用した場合を例示している。
このように、高強度で高い耐荷重性を有する木造構造体50同士に、接合金具1,2によって接合された高強度の横架材40を架け渡すことにより、大きな開口部を有しながら強度の高い大型の木造建築物を構築することができる。
また、“腕出し”タイプの木造構造体50を予め工場で製造しておき、接合金具1,2を使用して、木造構造体50の横架材51と他の横架材40を現場で接合することにより、容易な作業で効率よく大型の木造建築物を構築することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、図5及び図6では、木造構造体50において横架材51が十文字に延びている形態を例示した。これは、図7に示すように、建築物の平面空間の内部に位置する木造構造体50cの場合である。平面空間の角部に位置する木造構造体50aではL字形をなすように、平面空間の角部を除く外周部に位置する木造構造体50bではT字形をなすように、二本の横架材51を接合することができる。なお、図7において、破線で囲んだ部分は、木造構造体の横架材と他の横架材とが接合金具1,2によって接合される部分を示している。
また、上記では、木造構造体50の横架材51と他の横架材40(木造構造体50の構成要素ではない横架材)とを、接合金具1,2で接合する場合を例示したが、それぞれ別の木造構造体50に属する横架材51同士を、接合金具1,2で接合することもできる。
1 接合金具(木材の接合金具)
1p 接合金具対(接合金具1による接合金具対)
2 接合金具(木材の接合金具)
2a,2b 接合金具対(接合金具2による接合金具対)
10,10b 側面部
19 下端辺
20 底面部
21 先端辺
25 凸片
26 凹部
29 奥辺
30 小孔部
40 横架材(他の横架材)
41 側面(横架材の側面)
42 底面(横架材の底面)
43 上面(横架材の上面)
50 木造構造体
51 横架材(木造構造体の横架材)
52 柱材
53 板体

Claims (4)

  1. 平板状の側面部、及び、該側面部の下端辺から直角に延出した平板状の底面部を備えて、断面L字形に形成されており、
    前記底面部は、前記側面部との境界線と平行な先端辺に沿って、該先端辺に直角に一定幅切り欠かれた凹部を、切り欠かれた幅の長さと同一の間隔で複数備えることにより、突出長さが該凹部の深さと等しく先端辺の長さが前記凹部の奥辺の長さと等しい凸片が、前記凹部と交互に同じ数だけ形成されているものであり、
    前記側面部と前記底面部には、複数の小孔部が貫通して穿設されている
    ことを特徴とする木材の接合金具。
  2. 請求項1に記載の木材の接合金具の二つが、それぞれの前記底面部を突き合わせ、一方の前記接合金具の前記凸片を他方の前記接合金具の前記凹部に嵌合させている接合金具対を備え、
    木製角柱状の横架材の二本が、それぞれの端面を突き合わせ、該端面が前記接合金具対の間に位置する状態で、前記横架材の底面及び側面をそれぞれ前記接合金具の前記底面部及び前記側面部に当接させており、
    複数の前記小孔部を挿通したビスが、前記横架材の前記底面及び前記側面にねじ込まれている
    ことを特徴とする木材の接合構造。
  3. 前記接合金具対を更に一つ備え、
    前記端面が、二対目の前記接合金具対の間にも位置する状態で、前記横架材の上面及び側面をそれぞれ二対目の前記接合金具対を構成する前記接合金具の前記底面部及び前記側面部に当接させており、
    二対目の前記接合金具対を構成する前記接合金具における複数の前記小孔部を挿通したビスが、前記横架材の前記上面及び前記側面にねじ込まれている
    ことを特徴とする請求項2に記載の木材の接合構造。
  4. 木製角柱状の横架材の二本が直交して接合されており、それぞれ前記横架材に直交する木製角柱状の柱材の四本が、それぞれの隣接する二側面を前記横架材の側面に当接させた状態で、二本の前記横架材の直交部分を取り囲んで木造構造体を形成しており、
    該木造構造体の前記横架材の少なくとも一本が、請求項2または請求項3に記載の木材の接合構造によって、前記横架材が属する前記木造構造体に属さない他の横架材と接合されている
    ことを特徴とする木材の接合構造。
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