JP2015094028A - 極低窒素鋼の製造方法および製造装置 - Google Patents

極低窒素鋼の製造方法および製造装置 Download PDF

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【課題】浸漬管が劣化したり、長時間処理を行われる場合にも、RH真空脱ガス処理における、浸漬管からの大気侵入を抑制し、極低窒素鋼を安定的に製造する。【解決手段】真空槽2の下部に設置された上昇側の浸漬管3−1および下降側の浸漬管3−2を取鍋4内の溶鋼5中に浸漬し、上昇側の浸漬管3−1からガスを吹き込むことで、真空槽2と取鍋4との間で溶鋼5を循環させるとともに、下降側の浸漬管3−2の露出部3−2aの全周に、不活性ガスを吹き付けることにより、例えばN含有量が15ppm以下の極低窒素鋼を安定して製造する。【選択図】図2

Description

本発明は、極低窒素鋼の製造方法および製造装置に関する。
鋼の精錬方法には、真空槽の下部に設置された耐火物からなる2本の浸漬管を取鍋内に浸漬して脱ガス、場合によってはさらに脱炭,昇熱等を行うことにより、極低窒素鋼を製造するRH真空処理法がある。この方法においてRH真空処理中に鋼中窒素濃度が上昇することが問題となっている。
このRH真空処理中の鋼中窒素濃度の上昇、すなわち吸窒は、主に、RH真空処理装置の浸漬管等から装置内部に大気(空気)が侵入することによって発生する。この問題を解決するために、RH真空処理装置における吸窒を防止して極低窒素鋼を製造する技術が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、RH真空処理装置の浸漬管の耐火物中に空気リーク防止用鉄板(芯金)を埋設し、さらにその外側かつ溶鋼湯面下方の位置の耐火物中にポーラス煉瓦を埋め込み、ここからArガスを大気圧以上で浸漬管の内部に吹き込むことにより浸漬管からの空気の侵入を抑制する方法が開示されている。
しかし、特許文献1により開示された方法では、処理回数の増加に伴い、浸漬管に埋設した芯金の変形や芯金の周囲の耐火物に亀裂が発生し、芯金や耐火物の劣化により空気の侵入量が増大する。さらに、浸漬管の劣化状況によっては芯金やポーラス煉瓦を埋め込んだ部分が損傷するため、この方法では安定かつ大量に極低窒素鋼を製造することが困難である。
特許文献2には、RH真空処理槽と取鍋とを連結して密閉した後に、RH真空処理槽および取鍋の周囲の空間をArガスで加圧しながら、RH真空処理槽内でArガスを吹き付けるか、あるいは炭素源を吹き付けることにより、極低窒素鋼を製造する方法が開示されている。
RH真空処理中には、浸漬管の浸漬深さ,湯面状態,スラグ状態を常時監視する必要があり、さらに、操業中には溶鋼温度の測定や溶鋼組成の分析のための溶鋼サンプルを採取する必要もある。しかし、特許文献2により開示された方法は、RH真空処理槽と取鍋とを連結して密閉するため、これらの作業を行うことができなくなってしまう。
特許文献3には、RH真空処理装置の下降側の浸漬管の周囲に音速以上の速度でガスを噴射することにより、極低窒素鋼を製造する方法が開示されている。
特許文献3により開示された方法では、噴射するガス流のすぐ外側が大気であるため、ガスを高速で噴射すると大気の巻き込みが不可避的に発生し、浸漬管から侵入するガスは少量の窒素を含む。したがって、短時間処理では見かけ上吸窒は発生しないものの、長処理時間を行うと鋼中窒素濃度が上昇してしまう。また、常時高速でガスを噴射するために大量のガスが必要となり、処理コストが嵩む。
さらに、特許文献4には、浸漬管と取鍋との間の露出部をガスシール板で覆って空間部を形成し、この空間部に不活性ガスを供給する方法が開示されている。
しかし、特許文献4により開示された方法においても、ガスシール板と取鍋との間の開口部から大気が侵入することがある。
特開平6−2026号公報 特開平6−145769号公報 特開平3−61310号公報 特開平10−140228号公報
RH真空処理における吸窒反応は、主に、浸漬管から侵入した空気が浸漬管内あるいは真空槽内で溶鋼と接触することによって、発生する。したがって、浸漬管へ侵入する気体が窒素ではない気体、例えば不活性ガスであれば吸窒を防止できる。ただし、その改善を図るにあたっては、以下の条件を満足する必要がある。
まず、浸漬管の耐火物は、使用回数の増加に伴って不可避的に亀裂を生じたり、芯金が変形または損傷していくことから、使用に伴って浸漬管が劣化しても吸窒を発生しないことが必要である。
次に、RH真空処理では、脱窒処理以外にも、脱炭処理、昇熱処理等も行っており、複数の処理が同時に行われる場合には長時間処理となる。したがって、長時間処理を行われる場合であっても、安定的に吸窒を防止できる必要がある。
本発明の目的は、浸漬管が劣化した場合や長時間処理を行われる場合であっても、RH真空処理における浸漬管からの大気の侵入を抑制し、安定的に極低窒素鋼を製造する方法および装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、吸窒の発生箇所である下降側の浸漬管の露出部に例えば不活性ガスを積極的に吹き付けることにより、使用に伴って浸漬管が劣化した場合や長時間処理を行われる場合であっても、吸窒を確実に防止できることを知見し、本発明を完成した。
本発明は、真空槽の下部に設置された上昇側の浸漬管および下降側の浸漬管を取鍋内の溶鋼中に浸漬し、上昇側の浸漬管からガスを吹き込むことで、真空槽と取鍋との間で溶鋼を循環させてRH真空処理を行うことにより極低窒素鋼を製造する方法において、RH真空処理は、下降側の浸漬管の露出部の略全周に、不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素を吹き付けながら、行われることを特徴とする極低窒素鋼の製造方法である。
別の観点からは、本発明は、取鍋の上方に配置される真空槽と、真空槽の下部に設置されて取鍋内の溶鋼中に浸漬される上昇側の浸漬管および下降側の浸漬管とを備え、上昇側の浸漬管からガスを吹き込むことにより真空槽と取鍋との間で溶鋼を循環させてRH真空処理を行う極低窒素鋼の製造装置において、RH真空処理時に、下降側の浸漬管の露出部の略全周に、不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素を吹き付ける吹き付け機構を備えることを特徴とする極低窒素鋼の製造装置である。
これらの本発明によれば、浸漬管の露出部の略全周に不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素を吹き付けることにより、浸漬管の内部に直接不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素を空気に優先させて侵入させて溶鋼への吸窒を防止するため、RH真空処理回数が増加しても、例えばN含有量が15ppm以下の極低窒素鋼を安定して製造できる。
本発明では、不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素は、下降側の浸漬管のフランジ部の円周方向へ設けられた複数の噴出孔から吹き付けられることが例示される。この場合に、複数の噴出孔それぞれから噴出される不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素の噴射角は20〜50度であるとともに噴出圧は4〜5kgf/cmであることが好ましい。
本発明によれば、浸漬管が劣化したり、長時間処理を行われる場合であっても、RH真空処理における、浸漬管からの大気侵入を抑制し、安定的にN含有量が15ppm以下の極低窒素鋼を製造することができるようになる。
図1は、本発明に係る製造装置の全体を示す縦断面図である。 図2は、本発明に係る製造装置を適用したRH真空処理装置における下降側の浸漬管のフランジ部付近を拡大して示す縦断面図である。 図3は、本発明に係る製造装置を適用したRH真空処理装置における下降側の浸漬管のフランジ部に設けたガス噴出孔の配置を、下方から見た状態を示す説明図である。
本発明を、添付図面を参照しながら、説明する。
1.製造装置1
図1は、本発明に係る製造装置1の全体を示す縦断面図である。図1に示すように、製造装置1は、真空槽2と、浸漬管3−1,3−2とを備える。
真空槽2は、取鍋4の上方の所定の位置に配置される。取鍋4は、図示しない鍋昇降台に搭載され、昇降自在に配置される。
上昇側の浸漬管3−1,下降側の浸漬管3−2は、それぞれ、真空槽2の下部の真空槽フランジ2a,2bに、フランジ部3−1a,3−2bを介して取り付けられて設置されており、いずれも、取鍋4内の溶鋼5中に浸漬される。
上昇側の浸漬管3−1の内部に配置されたガス吹き込み装置(図示しない)からガスを吹き込むことにより、上昇側の浸漬管3−1、真空槽2、下降側の浸漬管3−2、取鍋4、上昇側の浸漬管3−1の順に溶鋼5を循環させることにより、RH真空処理が行われる。RH真空処理により、脱ガス,脱炭,昇熱等が適宜行われる。このRH真空処理により極低窒素鋼が製造される。
製造装置1は、さらに、吹き付け機構6を備える。吹き付け機構6は、RH真空処理時に、下降側の浸漬管3−2の露出部、すなわち浸漬管3−2の外周面のうちで溶鋼5の湯面から露出する部分3−2aの略全周に、Ar等の不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素(以下、「不活性ガス等」と総称する)を吹き付けることができる機構である。以下、吹き付け機構6を説明する。
RH真空処理中における装置内部への大気の侵入は、主として、下降側の浸漬管3−2において生じる。本発明者は、浸漬管3−2における大気の侵入について詳細に調査した。
まず、浸漬管3−2の周辺の雰囲気を窒素以外の不活性ガス等により置換しても少なからず大気の侵入が発生してしまう。そこで、本発明者らは、RH真空処理の際に、下降側の浸漬管3−2における溶鋼5の湯面からの露出部3−2aに、不活性ガス等を直接吹き付け、不活性ガス等を大気に優先させて下降側の浸漬管3−2の耐火物に存在している亀裂や空孔に侵入させたところ、吸窒を効率よく抑制できることを知見した。
本発明は、この知見に基づいており、下降側の浸漬管3−2の露出部3−2aの略全周に、不活性ガス等を吹き付けながら、RH真空処理を行うことによって、溶鋼5への吸窒を防止する。
図2は、本発明に係る製造装置1を適用したRH真空処理装置における下降側の浸漬管3−2のフランジ部3−2b付近を拡大して示す縦断面図であり、図1中の破線で示すA部の拡大図である。図3は、フランジ部3−2bに設けたガス噴出孔7の配置を、下方から見た状態を示す説明図である。
図2,3に示すように、吹き付け機構6として、例えば、下降側の浸漬管3−2のフランジ部3−2bに設けられた不活性ガス等の噴出孔7を用いることができる。
噴出孔7は、例えば、図2に例示するように、下降側の浸漬管3−2のフランジ部3−2bの溶鋼5に面する側に環状のフランジ部3−2bの中心角で等間隔となる位置(中心角:45度)に8個配置された、直径10mmの噴出孔である。
噴出孔7は、環状のフランジ部3−2bの下(取鍋内の溶鋼側)に、例えば、浸漬管3−2の中心軸に対して互いに30〜60°の角度で6〜12個配置されていることが好ましい。この孔数が6個未満では浸漬管3−2の耐火物の外周を不活性ガス等で十分に覆うことができない。また、この孔数が12個を超えて多いと不活性ガス等の供給配管の強度が、RH処理中の高温条件に耐えられなくなる。
また、ガス噴出孔7の噴射角(図2に示す角度θであって、噴射される不活性ガス等の広がり角を意味する)は、なるべく大きい方が好ましく、具体的には20°〜50°であって、各噴出孔7から噴出するガス流の中心軸がその中心軸を含む断面において水平面となす角度が40〜60°であることが好ましい。噴射角が20°を下回るようでは、浸漬管3−2の露出部の広い範囲を不活性ガス等で覆うことが難しい。噴出孔7の形状を工夫することによって噴射角θを大きくすることができるが、その角度を50°を超えて大きくすると、噴出孔7の形状の経時変化の抑制に留意を要するようになる。
フランジ部3−2bの内部には、ガス供給用配管8が埋設されているとともに、ガス供給用配管8は、フランジ部3−2bの外周部分で不活性ガス等配管9に接続されている。ガス供給用配管8は、溶鋼5からの熱による損傷を防ぐために、フランジ部3−2bの内部に埋設されることが望ましい。
これにより、RH真空処理時に、不活性ガス等配管9から供給される不活性ガス等が、ガス供給用配管8を介して8個の噴出孔7から、下降側の浸漬管3−2の露出部、すなわち浸漬管3−2の外周面のうちで溶鋼5の湯面から露出する部分3−2aの略全周に向けて、噴出可能な構造となっている。
ガス噴出孔7は,図2に例示するように、下降側の浸漬管3−2の露出部、すなわち浸漬管3−2の外周面のうちで溶鋼5の湯面から露出する部分3−2aの略全周に、不活性ガス等が直接噴射されない箇所が生じないように、配置することが望ましい。
すなわち、ガス噴出孔7の設置数や、噴出される不活性ガス等の噴射圧、噴射角は、ガス噴出孔7から噴射される不活性ガス等が直接に露出する部分3−2aの略全周に当たるように、適宜設定すればよい。噴射圧:4〜5kgf/cm、噴射角:20〜50度であることが例示される。
噴射する不活性ガス等には、Ar等の不活性ガスを用いることが成分調整の観点から最も望ましいが、水蒸気や二酸化炭素を用いても十分に吸窒抑制を図ることができる。
2.製造方法
本発明に係る製造装置1は以上のように構成される。次に、この製造装置1を用いて極低窒素鋼を製造する方法を説明する。
図1に示すように、本発明に係る製造方法では、基本的に、真空槽2の下部に設置された上昇側の浸漬管3−1および下降側の浸漬管3−2を、図示しない鍋昇降台に搭載された取鍋4内の溶鋼5中に浸漬し、上昇側の浸漬管3−1からガスを吹き込むことにより、上昇側の浸漬管3−1、真空槽2、下降側の浸漬管3−2、取鍋4、上昇側の浸漬管3−1の順に溶鋼5を循環させることにより、RH真空処理を行うことにより極低窒素鋼を製造する。
この際、本発明では、図2,3に示すように、RH真空処理を、下降側の浸漬管3−2の露出部3−2aの略全周に、不活性ガス等配管9から供給される不活性ガス等を、ガス供給用配管8を介して6〜12個の噴出孔7から吹き付けながら、行う。
本発明によれば、下降側の浸漬管3−2の露出部3−2aの略全面に不活性ガス等を吹き付けているために、その不活性ガス等が当たっている範囲からは常に不活性ガスが装置内部へ優先して侵入する状態となっている。そのために下降側の浸漬管3−2の露出部3−2aからは大気は装置内部へ侵入し難くなり、吸窒を効率よく防止できる。
なお、本発明におけるRH真空処理の条件は、上記のように大気の侵入を防止すること以外は特別な事項はなく、通常のRH真空処理条件と同じである。したがって、このRH真空処理としては、脱ガス,脱炭,昇熱の一種または二種以上の処理であることが例示され、これら全ての処理における吸窒を防止して、例えばN含有量が15ppm以下の極低窒素鋼を製造することができる。
また、本発明は、特許文献2により開示された発明のようにRH真空処理槽2と取鍋4とを連結して密閉する密閉部材を配置する必要がないため、RH真空処理中に、浸漬管3−1,3−2の浸漬深さ,湯面状態,スラグ状態を問題なく常時監視することができるとともに、操業中に溶鋼5の温度測定や溶鋼5の組成分析のための溶鋼サンプルの採取も支障なく実施することができる。
本発明を、実施例を参照しながら、具体的に説明する。
転炉から350トンの溶鋼を取鍋内に出鋼した。本発明に係る極低窒素鋼の製造方法により、図1〜3に示すようにしてRH真空脱ガス処理を実施した。RH真空脱ガス処理時間は、処理前の溶鋼5の炭素濃度や温度の違い、あるいは昇熱処理を実施する場合があったため、20〜30分間の間で変化させた。
図2,3に示すように、ガス噴出孔7は、下降側の浸漬管3−2のフランジ部3−2bの溶鋼5に面する側にフランジ部3−2bの中心角で等間隔となる位置(中心角:45度)に8個配置し、その直径は10mmとした。
不活性ガス等としてArガスを使用し、噴射ガス流量4.0Nm/minで下降側の浸漬管3−2の露出部3−2aへ向けてガス噴出孔7から噴射した。このときの噴出孔7には噴射角θが40°のものを用い、露出外周面の80%以上に噴出ガスが当たっていることを、動圧計で確かめた。
なお、脱ガスは、真空度0.9〜1.3torr、15分間の条件で実施した。表1に本発明例および比較例の操業時の結果をまとめて示す。
表1における比較例1は特許文献4により開示された方法、すなわち浸漬管3−1,3−2と取鍋4との間の露出部をガスシール板により覆って空間部を形成し、この空間部に不活性ガスを供給する方法によって処理した結果である。また、比較例2は全く吸窒防止策を施していない通常のRH真空脱ガス処理装置による処理の結果である。
Figure 2015094028
表1に示すように、本発明例(実施No.1〜5)によれば、RH処理回数が10回、86回、126回、156回、189回と増加しても吸窒が発生していないことが明らかである。すなわち、本発明によれば、使用に伴って浸漬管3−1,3−2が劣化しても、RH真空処理における、下降側の浸漬管3−2からの大気侵入を抑制し、N含有量が例えば15ppm以下の極低窒素鋼を安定的に製造できる。
これに対し、比較例1では、概ね吸窒が発生していないものの(実施No.6〜9)、吸窒が発生している場合もあり(実施No.10)、必ずしも安定して吸窒を防止できていない。
さらに、比較例2(実施No.11〜15)では、RH処理回数(浸漬管使用回数)が13回、97回、129回、146回、183回と増加することに伴って、吸窒が進行した。
以上の結果から、本発明により、下降側の浸漬管3−2における溶鋼5の湯面からの露出部3−2aに、不活性ガス等を直接吹き付けながらRH真空処理を行うことにより、安定的に極低窒素鋼を製造できることが分かる。
1 製造装置
2 真空槽
2a,2b 真空槽フランジ
3−1 上昇側の浸漬管
3−1a フランジ
3−2 下降側の浸漬管
3−2b フランジ
3−2a 露出する部分
4 取鍋
5 溶鋼
6 吹き付け機構
7 ガス噴出孔
8 ガス供給用配管
9 不活性ガス等配管

Claims (4)

  1. 真空槽の下部に設置された上昇側の浸漬管および下降側の浸漬管を取鍋内の溶鋼中に浸漬し、前記上昇側の浸漬管からガスを吹き込むことで、前記真空槽と前記取鍋との間で前記溶鋼を循環させてRH真空処理を行うことにより極低窒素鋼を製造する方法において、
    前記RH真空処理は、前記下降側の浸漬管の露出部の略全周に、不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素を吹き付けながら、行われること
    を特徴とする極低窒素鋼の製造方法。
  2. 前記不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素は、前記下降側の浸漬管のフランジ部の円周方向へ設けられた複数の噴出孔から吹き付けられる請求項1に記載された極低窒素鋼の製造方法。
  3. 前記複数の噴出孔それぞれから噴出される前記不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素の噴射角は20〜50度であるとともに噴出圧は4〜5kgf/cmである請求項2に記載された極低窒素鋼の製造方法。
  4. 取鍋の上方に配置される真空槽と、該真空槽の下部に設置されて前記取鍋内の溶鋼中に浸漬される上昇側の浸漬管および下降側の浸漬管とを備え、前記上昇側の浸漬管からガスを吹き込むことにより前記真空槽と前記取鍋との間で前記溶鋼を循環させてRH真空処理を行う極低窒素鋼を製造装置において、
    前記RH真空処理時に、前記下降側の浸漬管の露出部の略全周に、不活性ガス、水蒸気または二酸化炭素を吹き付ける吹き付け機構を備えること
    を特徴とする極低窒素鋼の製造装置。
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