JP2015093937A - 金属錯体、色素増感型太陽電池、色素増感型太陽電池モジュール、金属錯体の製造方法及び配位子 - Google Patents

金属錯体、色素増感型太陽電池、色素増感型太陽電池モジュール、金属錯体の製造方法及び配位子 Download PDF

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Abstract

【課題】吸収波長帯域を大きく変えることなく吸光係数を増大させる。
【解決手段】色素増感型太陽電池モジュール10は、色素増感型太陽電池40を複数備えている。この色素増感型太陽電池40は、金属錯体を含む多孔質半導体層24を透明導電性基板14上に備えた光電極20と、光電極20に向かい合うように配置された対極30と、光電極20と対極30との間に介在する電解液を含む電解質層26と、を備えている。金属錯体は、遷移金属イオンと、この遷移金属イオンに配位する3つのピリジン構造を有し、ピリジン構造のうちの少なくとも1つにはアリール基を介して電子吸引基が結合し残りのピリジン構造にはカルボキシ基が結合している3座ターピリジン配位子と、を有するアニオン性錯体と、アニオン性錯体に付属する対カチオンと、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属錯体、色素増感型太陽電池、色素増感型太陽電池モジュール、金属錯体の製造方法及び配位子に関する。
近年、色素増感型太陽電池に用いられる増感色素として、様々な金属錯体が検討されている。例えば、増感色素である金属錯体としては、ルテニウムにビピリジン系置換配位子を2つ配位させたビピリジン系ルテニウム錯体などが提案されている(特許文献1〜3参照)。このような金属錯体は、色素増感型太陽電池の色素として用いることができ、近年盛んに研究がなされている。また、光増感剤としてピリジン構造を3つ有する3座ターピリジン配位子を遷移金属に配位させた金属錯体色素が提案されている(特許文献3,4参照)。例えば、3座配位子であるトリカルボン酸ターピリジン化合物(ブラックダイとも称する)は、変換効率が比較的高く、その改良について様々な研究がなされている(非特許文献1〜3参照)。また例えば、非特許文献2,3では、電子供与性官能基を導入し、太陽電池を性能向上させることが提案されている。
特表平5−508420号公報 特表平7−500630号公報 特表平10−504521号公報 特表2002−512729号公報
Journal of the American Chemical Society 2001, 123, 1613-1624 Adv. Funct. Mater. 2012, DOI: 10.1002/adfm.201202504 Phys. Chem. Chem. Phys., 2012, 14, 14190-14195
しかしながら、上述した既存のブラックダイ(N749色素)では、例えば波長400nm付近での吸光係数が低く、この部分の吸光係数を増大させることが望まれていた。また、電子供与性官能基を導入した場合、吸収波長帯域(吸収端)が変化してしまうことがあった。なお、非特許文献3によれば、電子吸引基であるCF3を導入したところ、太陽電池として機能しないことが示されており、これまで、アリール基を介して電子吸引基を導入するというアプローチはなされていなかった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、吸収波長帯域を大きく変えることなく吸光係数をより増大できる錯体色素を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、カルボン酸が各々のピリジン構造に結合した3座ターピリジン配位子を有するN749色素のピリジン環に結合したカルボキシ基のうちの一つを、アリール基を介して電子吸引基が結合した構造のものに代えたところ、N749色素に比して吸収波長帯域を大きく変えることなく波長400nm付近での吸光係数を増大させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の金属錯体は、
遷移金属イオンと、該遷移金属イオンに配位する3つのピリジン構造を有し、該ピリジン構造のうちの少なくとも1つにはアリール基を介して電子吸引基が結合し残りのピリジン構造にはカルボキシ基が結合している3座ターピリジン配位子と、を有するアニオン性錯体と、
前記アニオン性錯体に付属する対カチオンと、
を有するものである。
本発明の色素増感型太陽電池は、上述した金属錯体を色素として用いたものである。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールは、
上述した色素増感型太陽電池を複数備えたものである。
本発明の金属錯体の製造方法は、
3座ターピリジン配位子を有する金属錯体の製造方法であって、アリール基を介して電子吸引基が結合したピリジン構造の2位又は6位に−X(Xはハロゲン基)が結合した電子吸引基結合ハロゲン化物と、2,2’−ビピリジン構造の6位又は6’位に−SnR3(Rはアルキル基)が結合した有機スズ化合物とをクロスカップリングさせるか、アリール基を介して電子吸引基が結合したピリジン構造の2位又は6位に−SnR3(Rはアルキル基)が結合した電子吸引基結合有機スズ化合物と、2,2’−ビピリジン構造の6位又は6’位に−X(Xはハロゲン基)が結合したハロゲン化物とをクロスカップリングさせて、前記3座ターピリジン配位子を合成する配位子合成工程を含むものである。
本発明の配位子は、
3つのピリジン構造を有する3座ターピリジン配位子であって、
該ピリジン構造のうちの少なくとも1つにはアリール基を介して電子吸引基が結合し残りのピリジン構造にはカルボキシ基が結合しているものである。
本発明では、吸収波長帯域(吸収端)を大きく変えることなく吸光係数を増大させることができる。こうした効果が得られる理由は、以下のように推察される。すなわち、本発明では、ルテニウムなどの金属の配位子場に直接寄与しているターピリジンにアリール基を介して電子吸引基を導入する。これにより、3座ターピリジン配位子を有する金属錯体の電子密度のバランスを保ちつつ電子吸引基による吸収波長帯域を保ち、吸光係数を増大させる効果が得られるためと推察される。
色素増感型太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図。 色素増感型太陽電池40の構成の概略の一例を示す断面図。 配位子の合成経路を示す説明図。 配位子の合成経路を示す説明図。 配位子の合成経路を示す説明図。 配位子の1H−NMR結果。 配位子のMALDI−MS質量分析結果。 錯体色素の合成経路を示す説明図。 錯体色素の精製手順を示す説明図。 錯体色素の1H−NMR結果。 錯体色素のMALDI−MS質量分析結果。 実施例1及び比較例1の金属錯体の吸収スペクトル。 分子軌道計算による錯体色素の最高被占軌道(HOMO)−最低空軌道(LUMO)エネルギーギャップの計算結果。 実施例1及び比較例1の色素増感型太陽電池の外部量子効率(IPCE)スペクトル。 実施例1及び比較例1の色素増感型太陽電池の太陽電池特性の測定結果。
本発明の色素増感型太陽電池モジュールの一実施形態を図面を用いて説明する。図1は、色素増感型太陽電池モジュール10の構成の概略の一例を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る色素増感型太陽電池モジュール10は、透明導電性基板14上に複数の色素増感型太陽電池40(以下セルとも称する)が順次配列した構成となっている。これらのセルは直列に接続されている。この色素増感型太陽電池モジュール10では、各セルの間を埋めるように、シール材32が形成されており、透明導電性基板14とは反対側のシール材32の面に平板状の保護部材34が形成されている。本実施形態に係る色素増感型太陽電池40は、光が透過する透明基板11の表面に透明導電膜12が形成されている透明導電性基板14と、透明導電膜12に形成され色素を含む多孔質半導体層24と、多孔質半導体層24に対して電解質層26を介して設けられた対極30と、を備えている。光電極20は、透明導電性基板14と、透明基板11の受光面13の反対側の面に分離形成された透明導電膜12に配設され受光に伴い電子を放出する多孔質半導体層24とを備えている。この色素増感型太陽電池40は、多孔質体に電解液を含んで形成された電解質層26を備えており、電解液を介して発電可能な構成となっている。
透明導電性基板14は、透明基板11と透明導電膜12とにより構成され、光透過性及び導電性を有するものである。具体的には、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス、アンチモンドープ酸化スズ(SnO2−Sb)コートガラス等が挙げられる。また、酸化スズや酸化インジウムに原子価の異なる陽イオン若しくは陰イオンをドープした透明電極、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板上に設けたものも使用できる。この透明導電性基板14の透明導電膜12側の両端には、集電電極16,17が設けられており、この集電電極16,17を介して色素増感型太陽電池40で発電した電力を利用することができる。
透明基板11としては、例えば、透明ガラス、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などが挙げられ、このうち、透明ガラスが好ましい。この透明基板11は、透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当に荒らすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものなどとしてもよい。透明導電膜12は、例えば、透明基板11上に酸化スズを付着させることにより形成することができる。特に、フッ素をドープした酸化スズ(FTO)等の金属酸化物を用いれば、好適な透明導電膜12を形成することができる。透明導電膜12は、所定の間隔に溝18が形成されており、この溝18の幅に相当する間隔を隔てて複数の透明導電膜12の領域が分離形成されている。
多孔質半導体層24は、光増感剤である金属錯体と、金属錯体を含む多孔質のn型半導体層とにより形成されている。n型半導体としては、金属酸化物半導体や金属硫化物半導体などが適しており、例えば、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)のうち少なくとも1以上であることが好ましく、このうち多孔質の酸化チタンがより好ましい。これらの半導体材料を微結晶又は多結晶状態にして薄膜化することにより、良好な多孔質のn型半導体層を形成することができる。特に、多孔質の酸化チタン層は、光電極20が有するn型半導体層として好適である。また、酸化チタンとしては、伝導帯の下端のエネルギー準位がより高く、開放端電圧がより高いことから、ルチル型TiO2よりもアナターゼ型TiO2が好ましい。
金属錯体は、アニオン性錯体と、アニオン性錯体に付属する対カチオンと、を有している。このアニオン性錯体は、遷移金属イオンと、該金属イオンに配位する3つのピリジン構造を有し、該ピリジン構造のうちの少なくとも1つにはアリール基を介して電子吸引基が結合し残りのピリジン構造にはカルボキシ基が結合している3座ターピリジン配位子と、を有している。カルボキシ基は、プロトンが電離していてもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などが挙げられる。電子吸引基としては、例えば、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基(CF3など)、シアノ基、ニトロ基、アルデヒド基、カルボキシ基、トシル基、メシル基、アシル基などが挙げられる。このうち、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、シアノ基などが好ましい。電子吸引性が特に高いからである。
この金属錯体は、例えば、基本式(1)で表されるものとしてもよい。基本式(1)に示すように、アニオン性錯体は、3座ターピリジン配位子と、更に、1価のアニオン配位子を3つ(式(1)中のL1、L2及びL3)、遷移金属Mに配位したものとしてもよい。
基本式(1)において、R1〜R3は、少なくとも1つがアリール基を介して電子吸引基が結合した構造であり残りがカルボキシ基である。R1〜R3のうちの複数がアリール基を介して電子吸引基が結合した構造である場合、それらは同種であってもよいし異種であってもよい。R1〜R3は、例えば、式(2)〜(5)に示す官能基のうちのいずれかであるものとしてもよい。式(3)において、R4〜R8は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよく、電子吸引基又は水素である。式(4)において、R9〜R15は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよく、電子吸引基又は水素である。式(5)において、R16〜R24は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよく、電子吸引基又は水素である。基本式(1)において、R1〜R3は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよい。なお、式(1)において、−及び+の符号は、アニオンであるかカチオンであるかを示すものであり、具体的な価数を示すものではない。このため、アニオン性錯体は一価のアニオンでなくてもよいし、対カチオンは一価のカチオンでなくてもよい。
基本式(1)において、aは1以上4以下の整数であり、aは1であることが好ましい。また、aが1であるときには、R1は、ピリジン構造のNに対向する位置に結合していることが好ましい。また、aが2以上である場合、R1は、それぞれが同じ官能基であってもよいし、異なる官能基であってもよい。bは1以上3以下の整数であり、bは1であることが好ましい。また、bが1であるときには、R2は、ピリジン構造のNに対向する位置に結合していることが好ましい。また、bが2以上である場合、R2は、それぞれが同じ官能基であってもよいし、異なる官能基であってもよい。cは1以上4以下の整数であり、cは1であることが好ましい。また、cが1であるときには、R3は、ピリジン構造のNに対向する位置に結合していることが好ましい。また、cが2以上である場合、R3は、それぞれが同じ官能基であってもよいし、異なる官能基であってもよい。
基本式(1)において、Mは、遷移金属である。この遷移金属は、Fe,Ru,Os,Pt,Ir,Re,Rh及びPdから選択される1以上であるものとしてもよい。このうち、Ru,Osが好ましく、Ruがより好ましい。この遷移金属は、例えば、2価の八面体構造を有する遷移金属イオンであることが好ましい。
基本式(1)において、L1,L2,L3は、1座配位子(1価のアニオン配位子)であるものとしてもよい。これらの配位子L1,L2,L3は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよい。このうち、これらの配位子は全て同じであることがより好ましい。これらの配位子L1,L2,L3は、例えば、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−CN、−SCN、−NCSから選択される1以上であるものとしてもよい。このうち、−SCN及び−NCSが好ましく、−NCS(イソチオシアネート基)がより好ましい。
基本式(1)において、Z+は対カチオンであり、nは1以上2以下である。こうしたものでは、ピリジン構造に結合したカルボキシ基として、プロトンが電離していないものが1つ以上存在する。カチオンとしては、例えば、H+、K+、Na+、Cs+などのアルカリ金属のカチオンとしてもよいし、アンモニウムカチオンや、テトラn−ブチルアンモニウム(TBA)などの第4級アンモニウムカチオンとしてもよい。第4級アンモニウムカチオンとしては、例えば、炭素数1〜8のアルキル直鎖を有するもの(側鎖を有していてもよい)などが好ましく、TBAがより好ましい。
この金属錯体では、上述した3つのピリジン構造のうち、2つには直接カルボキシ基が結合し、残りの1つにはアリール基を介して電子吸引基が結合していることが好ましい。例えば、上述した式(1)においては、R1〜R3のうちの2つがカルボキシ基(式(2))で、残りの1つがアリール基を介して電子吸引基が結合した構造(例えば式(3)〜(5))であることが好ましい。なかでも、R1及びR2がカルボキシ基(式(2))で、R3がアリール基を介して電子吸引基が結合した構造(例えば式(3)〜(5))であるか、R2及びR3がカルボキシ基(式(2))でR1がアリール基を介して電子吸引基が結合した構造(例えば式(3)〜(5))であることがより好ましい。
この金属錯体では、上述したピリジン構造の少なくとも1つには、式(6)〜(9)から選択される1以上が電子吸引基が結合したアリール基として結合していることが好ましい。例えば、上述した式(1)においては、アリール基を介して電子吸引基が結合した構造は、式(6)〜(9)から選択されるものであることが好ましい。こうしたものでは、吸光係数をより増大できると考えられるからである。
この金属錯体では、上述した遷移金属イオンには、3座ターピリジン配位子の他に、3つのイソチオシアネート基が配位子として配位していることが好ましい。また、この金属錯体では、対カチオンは、テトラブチルアンモニウムカチオン(TBA)であることが好ましい。
こうした金属錯体としては、より具体的には、基本式(10)で表されるものであることが好ましい。基本式(10)において、R4〜R8は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよく、電子吸引基又は水素である。Z+は対カチオンであり、nは1以上2以下である。
この金属錯体は、以下に示す製造方法によって得られたものとしてもよい。以下では、本発明の金属錯体の製造方法について説明する。この製造方法は、例えば、(1)3座ターピリジン配位子を合成する配位子合成工程と、(2)配位子を遷移金属イオンに配位させ金属錯体を合成する金属錯体合成工程と、を含むものとしてもよい。
(1)配位子合成工程
この工程では、アリール基を介して電子吸引基が結合したピリジン構造の2位又は6位に−X(Xはハロゲン基)が結合した電子吸引基結合ハロゲン化物と、2,2’−ビピリジン構造の6位又は6’位に−SnR3(Rはアルキル基)が結合した有機スズ化合物とを用いて、クロスカップリングさせることにより、3座ターピリジン配位子を合成してもよい。また、アリール基を介して電子吸引基が結合したピリジン構造の2位又は6位に−SnR3(Rはアルキル基)が結合した電子吸引基結合有機スズ化合物と、2,2’−ビピリジン構造の6位又は6’位に−X(Xはハロゲン基)が結合したハロゲン化物とを用いて、クロスカップリングさせることにより、3座ターピリジン配位子を合成してもよい。前者で用いる電子吸引基結合ハロゲン化物は、後者で用いる電子吸引基結合有機スズ化合物よりも単離が容易であり、好ましい。一方、後者では、前者に比して高い収率で3座ターピリジン配位子が得られるため、好ましい。電子吸引基結合ハロゲン化物及びハロゲン化物において、Xはハロゲン基であればよいが、Br基であることがより好ましい。また、有機スズ化合物及び電子吸引基結合有機スズ化合物において、Rはアルキル基であればよいが、メチル基であることがより好ましい。また、ハロゲン化物及び有機スズ化合物において、ビピリジン構造を構成する各ピリジンには、カルボキシ基又はアルコキシカルボニル基が結合していることが好ましく、各ピリジンのNに対向する位置にカルボキシ基又はアルコキシカルボニル基が結合していることがより好ましい。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基が好ましい。電子吸引基結合ハロゲン化物や有機スズ化合物、電子吸引基結合有機スズ化合物、ハロゲン化物において、アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などが挙げられる。このうち、フェニル基が好ましい。また、電子吸引基としては、例えば、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基(CF3など)、シアノ基、ニトロ基、アルデヒド基、カルボキシ基、トシル基、メシル基、フェニル基、アシル基などが挙げられる。このうち、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、シアノ基などが好ましい。クロスカップリングの方法は特に限定されないが、例えばパラジウム触媒の作用によりクロスカップリングさせるものとしてもよい。
この工程では、式(11)で表される電子吸引基結合ハロゲン化物と式(12)で表される有機スズ化合物とをクロスカップリングさせるか、式(13)で表される電子吸引基結合スズ化合物と式(14)で表されるハロゲン化物とをクロスカップリングさせて、3座ターピリジン配位子を合成することが好ましい。式(11)〜(14)において、Xはハロゲン基であればよいがBr基であることが好ましい。Rはアルキル基であればよいがメチル基であることが好ましい。R101及びR102はアリール基を介して電子吸引基が結合した構造又はアルコキシカルボニル基であればよいが、両方がアルコキシカルボニル基であることが好ましく、メトキシカルボニル基であることがより好ましい。R103はアリール基を介して電子吸引基が結合した構造であればよいが、例えば、上述した式(3)〜(5)で示されるものであることが好ましく、上述した式(6)〜(9)で示されるものであることがより好ましい。aは1以上4以下の整数であり、bは1以上3以下の整数であり、cは1以上4以下の整数であればよいが、全て1であることがより好ましい。
この工程では、式(15)で表される電子吸引基結合ハロゲン化物と式(16)で表される有機スズ化合物とをクロスカップリングさせるか、式(17)で表される電子吸引基結合スズ化合物と式(18)で表されるハロゲン化物とをクロスカップリングさせて、3座ターピリジン配位子を合成することがより好ましい。式(15)〜(18)において、Xはハロゲン基であればよいがBr基であることが好ましい。Rはアルキル基であればよいがメチル基であることが好ましい。R104〜R108は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよく、電子吸引基又は水素である。R109及びR110は、同種でも異種でもよく、水素又はアルキル基であり、いずれもメチル基であることが好ましい。
この工程において、電子吸引基結合ハロゲン化物と、有機スズ化合物とをクロスカップリングさせる場合、例えば、以下に示す電子吸引基結合ハロゲン化物合成工程や、有機スズ化合物合成工程を含むものとしてもよい。電子吸引基結合ハロゲン化物合成工程では、ピリジン構造の2位又は6位に−X(Xはハロゲン基)が結合した構造を有するピリジン化合物と、ベンゼン環に電子吸引基が結合した構造を有するベンゼン化合物とを、例えばパラジウム触媒などの触媒を作用させてクロスカップリングさせる処理を行う。このとき、ピリジン化合物はボロニル基などを有し、ベンゼン化合物はBr基などのハロゲン基を有するものとすれば、カップリングが進行しやすい。得られた化合物は、そのまま電子吸引基結合ハロゲン化物として用いてもよいし、−Xを後の有機スズ化合物とのクロスカップリングに適したものに置換する処理を行い、それを電子吸引基結合ハロゲン化物としてもよい。有機スズ化合物合成工程では、まず、ピリジン構造の2位又は6位に−X(Xはハロゲン基)が結合した構造を有するピリジン化合物の−Xを、パラジウム触媒などの触媒存在下でスズ化させて(−SnR3(Rはアルキル基)として)、スズ化ピリジン化合物を得る処理を行う。続いて、得られたスズ化ピリジン化合物と、ピリジン構造の2位及び6位に−X(Xはハロゲン基)が結合した化合物とを、パラジウム触媒などの触媒を作用させてクロスカップリングさせ、−X(Xはハロゲン基)を有するビピリジン化合物を得る処理を行う。最後に、得られたビピリジン化合物の−Xを、パラジウム触媒などの触媒存在下でスズ化させて(−SnR3(Rはアルキル基)として)、有機スズ化合物を得る処理を行う。
また、この工程において、電子吸引基結合有機スズ化合物と、ハロゲン化物とをクロスカップリングさせる場合、例えば、以下に示す電子吸引基結合有機スズ化合物合成工程や、ハロゲン化物合成工程を含むものとしてもよい。電子吸引基結合有機スズ化合物合成工程では、上述した電子吸引基結合ハロゲン化物合成工程で得られた電子吸引基結合ハロゲン化物の−X(Xはハロゲン基)を、パラジウム触媒などの触媒存在下でスズ化させて(−SnR3(Rはアルキル基)として)もよい。ハロゲン化物合成工程では、上述した有機スズ化合物合成工程において、最後に行うビピリジン化合物の−Xのスズ化を省略し、−Xを有するビピリジン化合物をハロゲン化物として得るものとしてもよい。
こうして得られた配位子は、3つのピリジン構造を有する3座ターピリジン配位子であって、ピリジン構造のうちの少なくとも1つにはアリール基を介して電子吸引基が結合し残りのピリジン構造にはカルボキシ基が結合している。
(2)金属錯体合成工程
この工程では、合成した3座ターピリジン配位子を遷移金属に配位させたアニオン性錯体と、アニオン性錯体に付属する対カチオンとを含む金属錯体を形成させる処理を行う。この工程では、遷移金属に3座ターピリジン配位子を配位させ、更に1種以上の1座配位子を遷移金属に配位させる処理を行うものとしてもよい。遷移金属としては、Fe,Ru,Os,Pt,Ir,Re,Rh及びPdから選択される1以上が挙げられ、このうちRu,Osなどが好ましい。この遷移金属は、例えば、2価及び3価をとることが可能で、且つ2価イオンでは、八面体構造を有する遷移金属イオンであることが好ましい。また、この工程では、遷移金属塩を用いるが、塩化物を用いることが反応制御の面で、好ましい。この工程では、遷移金属に3座ターピリジン配位子を配位させたのち、遷移金属を還元し、1座配位子を配位させ、対カチオンの置換を行うものとしてもよい。1座配位子(1価のアニオン配位子)としては、例えば、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、−CN、−SCN、−NCSから選択される1以上であるものとしてもよい。このうち、−SCN及び−NCSが好ましく、−NCSがより好ましい。また、導入する対カチオンとしては、H+、K+、Na+、Cs+などのアルカリ金属のカチオンとしてもよいし、第4級アンモニウムカチオンとしてもよい。このうち、第4級アンモニウムカチオンが好ましい。
この金属錯体は、多孔質のn型半導体の表面に吸着させるものとしてもよい。この吸着は、化学吸着や物理吸着等によって行うことができる。具体的には、多孔質のn型半導体層を透明導電性基板14上に形成したのち、このn型半導体層へ金属錯体を含む溶液を滴下して乾燥する方法や、n型半導体層を形成させた透明導電性基板14を金属錯体を含む溶液に浸漬させたのち乾燥する方法などにより作製することができる。
電解質層26は、対極30と光電極20との間の電子の受け渡しを媒介する層であり、例えば、液状またはゲル状の電解質を含むものとしてもよい。この電解質層26は、例えば、多孔質体に電解液を含む層とすることが好ましい。この多孔質体は、電解液を保持可能であり、電子伝導性を有さない多孔体であれば特に限定されず、例えば、多孔質体として、ルチル型の酸化チタン粒子により形成した多孔体を使用してもよい。この多孔質体は、セパレータの機能を有している。多孔質体は、多孔質半導体層24の裏面25を覆う部分と、多孔質半導体層24のうち裏面25に隣接する側面に密着する顎状の縁部分とを有している。この鍔状の縁部分は、透明基板11に直接、接触している。透明導電性基板14と電解質層26の多孔質体との接続部において、透明導電膜12の一部は、例えばレーザスクライブ等の技術により完全に削りとられ、透明基板11の表面が露出される深さの溝18が形成されている。そして、この溝18に電解質層26の多孔質体の鍔状に形成された縁部分が挿入されている。
電解質層26に含まれる電解液は、イオン性液体を含んでいてもよい。イオン性液体としては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(EMI−TFSI)、1−アリル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(AMII−TFSI)、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラシアノボレート(EMI−TCB)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(BMI−BF4)などのイミダゾリウム塩が挙げられる。また、電解液は、イオン性液体に代えて又は加えて有機溶媒を含んでいてもよい。有機溶媒としては、例えば、メトキシプロプオニトリル、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、γ−ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系溶媒、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などのうち1以上などが挙げられる。なお、電解液は、イオン性液体を含むことが好ましい。蒸気圧が低く揮発性の少ない、粘性の高いイオン性液体を電解液の溶媒として用いることにより、金属錯体の溶解性が有機溶媒に対して低く、金属錯体の脱離をより抑制できると考えられるからである。
電解質層26に含まれる電解液は、酸化還元対を含むものとしてもよい。この酸化還元対によって、光電極20と、対極30との間の電子の受け渡しが媒介される。なお、この電解液の一部は、通常、多孔質体である光電極20に含浸している。酸化還元対としては、I3 -/I-、Br3 -/Br-、ハイドロキノン/キノン、コバルトイオン、鉄イオン等が挙げられ、これらの中でも、特にI3 -/I-を好適に用いることができる。また、電解液には、酸化還元対としてヨウ素を含むイオン性液体(ヨウ素系イオン性液体)を含むことが好ましい。このヨウ素系イオン性液体としては、例えば、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(以下、PMIIと略記する)や、1,2ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド(DMPII)、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムヨージド、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド、1,2ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージドなどが挙げられる。
電解質層26に含まれる電解液は、添加剤を含むものとしてもよい。添加剤としては、例えば、グアニジンチオシアネート(GuSCN)や、4−tert−ブチルピリジン(4TBP)、N−メチル−ベンゾイミダゾール等をそれぞれ適宜加えてもよい。電解液中の添加剤の濃度は0.001mol/L以上1.0mol/L以下の範囲であることが好ましい。
対極30は、電解質層26の裏面27及び鍔状の縁部分とに接触するよう、鍔状の縁部分を有する断面L字状に形成されている。この対極30は、電解質層26の裏面に接続されていると共に、鍔状の縁部分が接続部21を介して隣側の透明導電膜12に接続されている。電解質層26の裏面27と接触するこの対極30の面は、光電極20に対して所定の間隔を隔てて対向している。対極30としては、導電性及び電解質層26との接合性を有するものであれば特に限定されず、例えば、Pt,Au,カーボンなどが挙げられ、このうちカーボンが好ましい。この対極30は、例えば、カーボンブラック粒子と、グラファイト粒子と、アナターゼ型の酸化チタン粒子等の導電性酸化物粒子とを構成材料として形成された多孔質の炭素電極としてもよい。なお、この対極30には、例えば、電極反応の速度をより速やかに進行させる観点から、Pt微粒子などの触媒微粒子が分散担持されていてもよい。
シール材32は、各色素増感型太陽電池40の外周側を覆うように形成されており、電解質層26中に充填されている電解質が外部へ漏れ出すことを防止することを主な目的として設けられている。シール材32としては、例えば、絶縁性の部材であれば特に限定されずに用いることができ、ポリエチレン、アイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂フィルム、エポキシ系接着剤等を使用することができる。
保護部材34は、色素増感型太陽電池40の保護を図る部材であり、例えば、防湿フィルムや保護ガラスなどとすることができる。
この色素増感型太陽電池40に対して、透明基板11の受光面13側から光を照射すると、透明導電膜12の受光面15及び受光面23を介して光が多孔質半導体層24へ到達し、色素が光を吸収して電子が発生する。電子は光電極20から透明導電膜12、接続部21を経由して隣の対極30へ移動する。色素増感型太陽電池40では、この電子の移動により起電力が発生し、電池の発電作用が得られる。
この色素増感型太陽電池モジュール10では、多孔質半導体層24に増感色素として上述した金属錯体を用いているため、吸収波長帯域(吸収端)を大きく変えることなく吸光係数を増大させることができる。こうした効果が得られる理由は、以下のように推察される。すなわち、八面体構造を有するルテニウムなどの金属の配位子場に直接寄与しているターピリジンにアリール基を介して電子吸引基を導入することによって、3座ターピリジン配位子を有する金属錯体の電子密度のバランスを保ちつつ電子吸引基による吸収波長帯域を保ち、吸光係数を増大させる効果が得られるためと推察される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば上述した実施形態では、色素増感型太陽電池モジュール10としたが、特にこれに限定されず、色素増感型太陽電池40としてもよい。図2は、色素増感型太陽電池40の構成の概略の一例を示す断面図である。図2では、図1で説明した構成と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。図2に示すように、色素増感型太陽電池40の単体では、電解質層26や対極30を断面をL字状ではなく、鍔状の縁部分を省略して平板状に形成するものとしてもよい。また、対極30は、例えば透明導電性基板14と同じ構成を有するものを用いるものとしてもよいし、透明導電膜12に白金を付着させたものや、白金などの金属薄膜などとしてもよい。更に、電解質層26は、多孔質体を省略し、光電極20と対極30との空間に電解液を収容したものとしてもよい。
以下には、色素増感型太陽電池40を具体的に作製した例を実施例として説明する。
[金属錯体の合成]
(実施例1)
実施例1では、金属錯体として、diCF1+nTBA(式(19)参照)を用いた。以下では、diCF1の合成方法について説明する。この方法では、まず、配位子を合成し、この配位子を用いて錯体色素diCF1+nTBAを合成した。
(1)配位子の合成
(1−1)配位子の合成経路
図3〜5は、錯体色素の合成経路を示す説明図である。この合成経路では、図3の工程(a)〜(b)によって合成した化合物2と、図4の工程(c)〜(e)によって合成した化合物5とを用いて、配位子を合成する(図5の工程(f))。以下では、工程(a)〜(f)について説明する。なお、図中、Meはメチル基を示す。
工程(a)では、まず、フラスコ内に1−ブロモ3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン(化合物a、1.10mL、6.35mmol)とテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.187mg、0.162mmol)を窒素雰囲気下で1,2−ジメトキシエタンに溶かし、室温で1時間撹拌し、これを溶液Aとした。その後、別のフラスコ中で、(2−クロロ−4−ピリジル)ボロン酸(化合物b、1.0g、6.35mmol)と炭酸ナトリウム(1.21g、10.7mmol)を10mLのイオン交換水中で撹拌しながら、約1時間程度、窒素フローを行いイオン交換水中の酸素と置換し、これを溶液Bとした。そして、溶液Aの入ったフラスコへ、溶液Bをピペットで滴下して混合し、窒素下で約100℃で10時間加熱した。室温まで冷却後、有機層を減圧濃縮し、ろ過して、白色の固体を得た。この固体を乾燥させ、クロロホルムを展開溶媒として、シリカカラムで精製し、約860mgの白い固体を得た。これを化合物1とした。
工程(b)では、フラスコ内に化合物1(300mg、0.92mmol)、酢酸(10mL)、臭化水素(8mL)を、窒素雰囲気下で撹拌しながら約24時間加熱還流した。その後、減圧濃縮し、水を約100倍等量入れて、目的物を得た。これを化合物2とした。
工程(c)では、2−ブロモ−4−ピリジンカルボン酸メチル(化合物c、8.5g、39.53mmol)、ヘキサメチル二スズ(9.0mL、43.48mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.28g、1.98mol)を窒素雰囲気下でトルエンに溶かした。その後、110℃で3時間加熱した。室温まで冷却後、減圧濃縮し、トルエンを展開溶媒として、アルミナカラムを行い、黄色オイルを得た。これを化合物3とした。
工程(d)では、化合物3(2.0g、6.668mmol)、2,6−ジブロモピリジン−4−カルボン酸メチル(化合物d、2.0g、6.781mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.01mol等量)を窒素雰囲気下でトルエンに溶かした。その後、110℃で10時間加熱した。室温まで冷却後、減圧濃縮し、ジクロロメタンを展開溶媒として、シリカカラムを行い、白色固体を得た。これを化合物4とした。
工程(e)では、化合物4(351mg、1.0mmol)、ヘキサメチル二スズ(0.25mL、1.2mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(70mg、5.0mol%)を窒素雰囲気下でトルエンに溶かした。その後、110℃で6時間加熱した。室温まで冷却後、減圧濃縮し、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒を展開溶媒として、アルミナカラムを行い、白色固体を得た。これを化合物5とした。
工程(f)では、化合物5(150mg、0.345mmol)、化合物2(185mg、0.5mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.001mol等量)を窒素雰囲気下でトルエンに溶かした。その後、110℃で18時間加熱した。室温まで冷却後、減圧濃縮し、クロロホルムを展開溶媒として、分子ふるいクロマトグラフィーを行い、白色固体を得た(22mg、0.0392mmol、収率11%)。これをターピリジンL(配位子)とした。
(1−2)配位子の構造確認
工程(f)で得られた配位子(ターピリジンL)について、1H−NMR装置(溶媒は重クロロホルム)とMALDI−MS質量分析装置とにより構造解析を行った。図6に配位子の1H−NMR結果を示す。図6では、芳香族領域におけるプロトンが11個確認された。図7に配位子のMALDI−MS質量分析結果を示す。図7より、配位子は図5のターピリジンLの質量の理論値と概ね一致した。以上より、配位子は、図5のターピリジンLの構造を有していることが確認された。
(2)錯体色素の合成
(2−1)錯体色素の合成経路
図8は、錯体色素の合成経路を示す説明図である。以下では、図8における工程(g)〜(h)について説明する。
工程(g)では、まず、フラスコ内にターピリジンL(22mg、0.0392mmol)をジクロロメタンに溶解し、エタノールで溶解した塩化ルテニウム・水和物(15.0mg、0.0577mmol)をフラスコ内に入れ、窒素雰囲気下55℃で6時間加熱した。室温まで冷却後、減圧濃縮し、少量のエタノールで洗浄ろ過し、31mgの茶色固体を得た。これを化合物6とした。
工程(h)では、化合物6(31mg)、チオシアン酸アンモニウム(200mg)を窒素雰囲気下でN,N−ジメチルホルムアミドに溶かし、加熱環流した。その後、室温まで冷却後、トリエチルアミン2.5mLと水1.0mLを加え、110℃で24時間加熱した。室温まで冷却後、減圧濃縮をし、100mLの水を加え、濃緑色の沈殿物をろ過し、水で洗浄し、粗精製物である錯体色素diCF1+nTEAHカチオン(TEAH:トリエチルアミン)を得た。
(2−2)錯体色素の精製
図9は、錯体色素の精製手順を示す説明図である。錯体色素の精製では、まず、粗精製のdiCF1を混合有機溶媒(クロロホルムとメタノール)に溶解し、シリカカラム精製し、さらにセファデックス(セファデックスは登録商標)を用いメタノールを展開溶媒としてカラム精製をし、目的物であるdiCF1を得た。最後に、少量の水とテトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液で溶解したdiCF1を硝酸で滴定し、最終目的物であるdiCF1+nTBAカチオン(高純度錯体色素)を得た。
(2−3)錯体色素の構造確認
精製した錯体色素(diCF1+nTBAカチオン)について、1H−NMR装置(溶媒は重メタノール)とMALDI−MS質量分析装置とにより構造解析を行った。図10に錯体色素の1H−NMR結果を示す。図10では、芳香族領域におけるプロトンが11個確認された。また、TBA+のdiCF1に対するモル比は2.0であることが確認された。図11に錯体色素のMALDI−MS質量分析結果を示す。図11より、diCF1の存在が確認された。以上より、錯体色素は、図9のdiCF1+nTBA(n=2.0)カチオンの構造を有していることが確認された。
(比較例1)
比較例1では、金属錯体として、市販のN749(式(20)参照(n=2.9))を用いた。
[金属錯体の吸収スペクトルの測定]
実施例1及び比較例1の金属錯体について、吸収スペクトルの測定を行った。具体的には、各金属錯体を、0.03mMの濃度となるようにメタノールに溶解し、得られた溶液について、吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルは、分光光度計(日立製作所社製U−3400)により、300nm〜900nmの波長領域で測定した。図12に実施例1及び比較例1の金属錯体の吸収スペクトルを示す。実施例1の金属錯体(diCF1−nTBAカチオン)では、比較例1の金属錯体(N749)よりも、波長400nm付近の吸光係数が約9%向上した。
さらにアリール基上の電子吸引性を強くすることにより600nm付近の吸収波長帯域をN749と同等にすることで長波長域(600nm−900nm)における吸収を減らすことなく太陽電池性能を向上させることができると推察された。図13に、分子軌道計算による錯体色素の最高被占軌道(HOMO)−最低空軌道(LUMO)エネルギーギャップの計算結果をN749を1.00とした相対値で示す。実施例1のもの(図中A1)では、HOMO−LUMOエネルギーギャップが比較例1のもの(N749)と比較して大きかったため、実施例1におけるA1を、A2,A4,A5などHOMO−LUMOエネルギーギャップの狭いもの、中でもA4のようにHOMO−LUMOエネルギーギャップのより狭いものとすることで、長波長域の吸収の減少をより抑制できると推察された。なお、電子吸引基としては、FやCF3の他、CN(シアノ基)などを導入しても同様の効果が得られると推察された。また、アリール基としては、フェニル基の他に、ナフチル基、アントリル基などでも同様の効果が得られると推察された。
[色素増感型太陽電池の作製]
実施例1及び比較例1の金属錯体をそれぞれ用いて、実施例1及び比較例1の色素増感型太陽電池を作製した。まず、透明導電膜(TCO)付ガラス基板に、n型半導体であるチタニア(TiO2)を含有するチタニアペーストをスクリーン印刷法で塗工した。このチタニア電極を金属錯体溶液に浸漬し、色素吸着チタニア電極を作製した。この電極のチタニア側と、Ptを担持したTCO基板のPt側を張り合わせ、その間に電解液を封入してシール、色素増感型太陽電池を作製した。
電解液は、ヨウ素系化合物として、I2を0.2mol/L、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド(PMII)を65体積%、溶媒として、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン(EMI)とビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(TFSI)からなるイオン液体を35体積%、電荷を有する添加剤として、グアニジンチオシアネート(GuSCN)を0.5mol/L、4−tert−ブチルピリジン(4TBP)を混合した液体を用いた。
[外部量子効率の測定]
外部量子効率は、分光感度測定装置(分光計器製CEP−2000)を用いて測定した。具体的には、モノクロメーターを用いて単色化した光を、実施例1及び比較例1の色素増感型太陽電池の光電極に照射し、入射光子数に対して得られた電子数を測定することにより、外部量子効率(Incident Photon to Current Conversion Efficiency(IPCE))を求めた。
図14に実施例1及び比較例1の1sun60℃作動耐久試験14日後のセルの外部量子効率(IPCE)の測定結果を示す。図14より、実施例1では、波長400〜600nm付近での量子効率を高めることができることがわかった。
[太陽電池特性の測定]
1kWのキセノンランプと400Wのハロゲンランプを搭載したAM1.5Gソーラシミュレータ(WXS−155S−L2、ワコム電創社製)とIVテスター(IV−9701、ワコム電創社製)を使い、実施例1及び比較例1の色素増感型太陽電池の電流(I)−電圧(V)特性(IV特性)を計測した。なお、測定には、実施例1及び比較例1の色素増感型太陽電池に、1sun(=1000W/m2)の60℃光を336時間連続照射したものを用いた。
図15に実施例1及び比較例1の太陽電池特性の測定結果を示す。具体的には、短絡電流密度(Jsc)、開放端電圧(Voc)、形状因子(F.F)、変換効率(Eff)などを示す。これらは、いずれも、比較例1を1.000としたときの相対値で表した。図15に示すように、実施例1では、比較例1と同等以上の性能を示した。
[結果と考察]
以上より、実施例1のものでは、N749(比較例1)に電子吸引基を導入したものであるが、アリール基を介して電子吸引基を導入したことにより、N749と同等以上の性能を有し、太陽電池として作動することがわかった。また、実施例1では、吸収波長帯域を大きく変えることなく、特に波長400nm付近での吸光係数を増大させることができることがわかった。
本発明は、太陽電池の技術分野に利用可能である。
10 色素増感型太陽電池モジュール、11 透明基板、12 透明導電膜、13 受光面、14 透明導電性基板、15 受光面、16,17 集電電極、18 溝、20 光電極、21 接続部、23 受光面、24 多孔質半導体層、25 裏面、26 電解質層、27 裏面、30 対極、32 シール材、34 保護部材、40 色素増感型太陽電池。

Claims (17)

  1. 遷移金属イオンと、該遷移金属イオンに配位する3つのピリジン構造を有し、該ピリジン構造のうちの少なくとも1つにはアリール基を介して電子吸引基が結合し残りのピリジン構造にはカルボキシ基が結合している3座ターピリジン配位子と、を有するアニオン性錯体と、
    前記アニオン性錯体に付属する対カチオンと、
    を有する金属錯体。
  2. 基本式(1)で表される、請求項1に記載の金属錯体。
    (式中、R1〜R3は、少なくとも1つがアリール基を介して電子吸引基が結合した構造であり残りがカルボキシ基である。aは1以上4以下の整数であり、bは1以上3以下の整数であり、cは1以上4以下の整数である。Mは、遷移金属である。L1,L2,L3は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよい配位子である。Z+は対カチオンであり、nは1以上2以下である。)
  3. 前記R1〜R3は、それぞれ、式(2)〜(5)に示す官能基のうちのいずれかであり、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよい、請求項2に記載の金属錯体。
    (式中、R4〜R24は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよく、電子吸引基又は水素である。)
  4. 前記3つのピリジン構造のうち、2つには直接カルボキシ基が結合し、残りの1つにはアリール基を介して電子吸引基が結合している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属錯体。
  5. 前記電子吸引基は、ハロゲン基、ハロゲン化アルキル基、シアノ基のうちのいずれか1以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属錯体。
  6. 前記ピリジン構造の少なくとも1つには、式(6)〜(9)から選択される1以上が前記電子吸引基が結合したアリール基として結合している、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属錯体。
  7. 前記遷移金属は、Fe,Ru,Os,Pt,Ir,Re,Rh及びPdから選択される1以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属錯体。
  8. 前記遷移金属イオンには、前記3座ターピリジン配位子の他に、3つのイソチオシアネート基が配位子として配位している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の金属錯体。
  9. 前記対カチオンは、テトラブチルアンモニウムカチオンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属錯体。
  10. 基本式(10)で表される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の金属錯体。
    (式中、R4〜R8は、全てが同じでも全てが異なっても一部が同じで一部が異なってもよく、電子吸引基又は水素である。Z+は対カチオンであり、nは1以上2以下である。)
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属錯体を色素として用いた、色素増感型太陽電池。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の金属錯体を色素として含む半導体層を透明導電性基板上に備えた光電極と、
    前記光電極に向かい合うように配置された対極と、
    前記光電極と前記対極との間に介在する電解質層と、
    を備えた色素増感型太陽電池。
  13. 請求項11又は12に記載の色素増感型太陽電池を複数備えている、色素増感型太陽電池モジュール。
  14. 3座ターピリジン配位子を有する金属錯体の製造方法であって、アリール基を介して電子吸引基が結合したピリジン構造の2位又は6位に−X(Xはハロゲン基)が結合した電子吸引基結合ハロゲン化物と、2,2’−ビピリジン構造の6位又は6’位に−SnR3(Rはアルキル基)が結合した有機スズ化合物とをクロスカップリングさせるか、アリール基を介して電子吸引基が結合したピリジン構造の2位又は6位に−SnR3(Rはアルキル基)が結合した電子吸引基結合有機スズ化合物と、2,2’−ビピリジン構造の6位又は6’位に−X(Xはハロゲン基)が結合したハロゲン化物とをクロスカップリングさせて、前記3座ターピリジン配位子を合成する配位子合成工程を含む、金属錯体の製造方法。
  15. 前記配位子合成工程では、式(11)で表される前記電子吸引基結合ハロゲン化物と式(12)で表される前記有機スズ化合物とをクロスカップリングさせるか、式(13)で表される前記電子吸引基結合スズ化合物と式(14)で表される前記ハロゲン化物とをクロスカップリングさせて、前記3座ターピリジン配位子を合成する、請求項14に記載の金属錯体の製造方法。
    (式中、Xはハロゲン基であり、Rはアルキル基である。R101及びR102はアリール基を介して電子吸引基が結合した構造又はアルコキシカルボニル基であり、R103はアリール基を介して電子吸引基が結合した構造である。aは1以上4以下の整数であり、bは1以上3以下の整数であり、cは1以上4以下の整数である。)
  16. 前記配位子合成工程では、2,2’−ビピリジン構造の6位又は6’位に結合した−X(Xはハロゲン基)をスズ化する処理により前記有機スズ化合物を合成し、該有機スズ化合物と前記電子吸引基結合ハロゲン化物とをカップリングさせて、前記3座ターピリジン配位子を合成する、請求項14又は15に記載の金属錯体の製造方法。
  17. 3つのピリジン構造を有する3座ターピリジン配位子であって、
    該ピリジン構造のうちの少なくとも1つにはアリール基を介して電子吸引基が結合し残りのピリジン構造にはカルボキシ基が結合している、配位子。
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