JP2015092233A - 感放射線性樹脂組成物、表示素子用層間絶縁膜、その形成方法及び表示素子 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、表示素子用層間絶縁膜、その形成方法及び表示素子 Download PDF

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拓也 中西
Takuya Nakanishi
拓也 中西
誠 志水
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誠 志水
信司 松村
Shinji Matsumura
信司 松村
聡 丹下
Satoshi Tange
聡 丹下
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Abstract

【課題】放射線感度、解像性及び現像密着性に優れる感放射線性樹脂組成物、並びに薬品耐性に優れる層間絶縁膜を提供する。【解決手段】本発明は、共重合体、感放射線性化合物及び有機溶媒を含有し、上記共重合体が、(メタ)アクリル酸又は不飽和カルボン酸無水物に由来する第1構造単位と、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル又は3−(メタ)アクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタンに由来する第2構造単位と、スチレン、α—メチルスチレン、4—メチルスチレン又は4−ヒドロキシスチレンに由来する第3構造単位とを含み、かつ上記共重合体の全構造単位における第3構造単位の含有割合が25モル%以上80モル%以下の感放射線性樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、表示素子用層間絶縁膜、その形成方法及び表示素子に関する。
薄膜トランジスタ(TFT)型液晶表示素子等の電子部品は、一般に層状に配置される配線間を絶縁するために層間絶縁膜が設けられている。かかる層間絶縁膜を有するTFT型液晶表示素子の製造方法は、層間絶縁膜上に透明電極パターンを形成する工程、及びこの透明電極膜上に液晶配向膜を形成する工程を含む。このような製造方法では、透明電極パターンの形成工程でのレジスト剥離液や高温に層間絶縁膜が曝されるため、層間絶縁膜はこれらに対する十分な耐性が必要となる。
従来、層間絶縁膜の形成材料としては、パターンニング性能の観点から感放射線性酸発生剤を用いたポジティブ型感放射線性樹脂組成物が用いられている(特開2001−354822号公報参照)。近年、高感度、層間絶縁膜の高透明性等の観点からネガティブ型感放射線性樹脂組成物の適用が進んでいる(特開2000−162769号公報参照)。
一方、液晶表示素子の普及に伴うコスト削減及び工程時間短縮等の観点から、フォトリソグラフィー工程における放射線照射時間の短縮化(高感度化)、高解像度化等が望まれている。しかし、層間絶縁膜は、その形成材料の高感度化、高解像度化等を追及した場合、基板との密着性、薬品耐性等の低下を引き起こす不都合がある。
このような状況から、放射線感度及び解像性に優れる感放射線性樹脂組成物、並びに現像密着性、薬品耐性等に優れる層間絶縁膜の開発が望まれている。
特開2001−354822号公報 特開2000−162769号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は放射線感度、解像性及び現像密着性に優れる感放射線性樹脂組成物、並びに薬品耐性に優れる層間絶縁膜を提供することである。
上記課題を解決するためになされた発明は、共重合体(以下、「[A]共重合体」ともいう)、感放射線性化合物(以下、「[B]感放射線性化合物」ともいう)及び有機溶媒(以下、「[C]有機溶媒」ともいう)を含有し、上記共重合体が、(メタ)アクリル酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種の第1化合物に由来する第1構造単位(以下、「(A1)構造単位」ともいう)と、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル及び3−(メタ)アクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタンからなる群より選択される少なくとも1種の第2化合物に由来する第2構造単位(以下、「(A2)構造単位」ともいう)と、スチレン、α―メチルスチレン、4―メチルスチレン及び4−ヒドロキシスチレンからなる群より選択される少なくとも1種の第3化合物に由来する第3構造単位(以下、「(A3)構造単位」ともいう)とを含み、上記共重合体の全構造単位における上記第3構造単位の含有割合が25モル%以上80モル%以下の感放射線性樹脂組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、基板上に塗膜を形成する工程、上記塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び現像された焼成を加熱する工程を備え、上記塗膜を当該感放射線性樹脂組成物を用いて形成する表示素子用層間絶縁膜の形成方法である。
本発明は、当該感放射線性樹脂組成物から形成される表示素子用層間絶縁膜、及び当該表示素子用層間絶縁膜を備える表示素子を含む。
本発明は、放射線感度、解像性及び現像密着性に優れる感放射線性樹脂組成物、並びに薬品耐性に優れる層間絶縁膜を提供できる。従って、かかる層間絶縁膜は表示素子に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]共重合体、[B]感放射線性化合物及び[C]有機溶媒を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として重合性不飽和化合物(以下、「[D]重合性不飽和化合物」ともいう)を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分を詳述する。なお、「感放射線性樹脂組成物」、「[B]感放射線性化合物」の「放射線」とは、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等を含む概念であり、これら以外について「放射線」という場合も同様である。
<[A]共重合体>
[A]共重合体は、(A1)構造単位、(A2)構造単位、及び(A3)構造単位を含む。この[A]共重合体は、(A4)構造単位をさらに含むことが好ましく、本発明の効果を損なわない範囲で、(A5)その他の構造単位を含んでいてもよい。なお、[A]共重合体は、各構造単位を2種以上有していてもよい。
[(A1)構造単位]
(A1)構造単位は、(メタ)アクリル酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「(A1)化合物」ともいう)に由来する。この(A1)化合物は、カルボキシル基又は酸無水物基を有する。
不飽和カルボン酸無水物としては、代表的には不飽和ジカルボン酸無水物が挙げられる。不飽和ジカルボン酸無水物としては、例えば無水マレイン酸、無水フマル酸、無水シトラコン酸、無水メサコン酸、無水イタコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3−ブテン−1,2−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
(A1)化合物としては、共重合反応性、[A]共重合体のアルカリ水溶液に対する溶解性及び入手の容易性の観点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。上記(A1)化合物は、単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
[A]共重合体の全構造単位における(A1)構造単位の含有割合の下限としては、例えば1モル%であり、15モル%が好ましい。一方、上記含有割合の上限としては、例えば50モル%であり、30モル%が好ましい。(A1)構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、[A]共重合体のアルカリ水溶液に対する溶解性を最適化でき、結果として解像性を向上することができる。
[(A2)構造単位]
(A2)構造単位は、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル及び3−(メタ)アクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「(A2)化合物」ともいう)に由来する。これらの(A2)化合物は、単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。
この(A2)化合物は、エポキシ基を有する。そのため、(A2)化合物に由来するエポキシ基と(A1)化合物に由来するカルボキシル基又は酸無水物基とが架橋反応するため、(A2)構造単位が(A1)構造単位と架橋される。これにより、当該感放射線性樹脂組成物の硬化性を向上できる。
(A2)構造単位としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチルに由来する構造単位が好ましい。
[A]共重合体の全構造単位における(A2)構造単位の含有割合の下限としては、例えば1モル%であり、3モル%が好ましい。一方、上記含有割合の上限としては、例えば15モル%であり、10モル%が好ましい。(A2)構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は、現像性や解像度と、熱や剥離溶液に対する耐性とを高いレベルでバランスできる層間絶縁膜を形成可能となる。
[(A3)構造単位]
(A3)構造単位は、スチレン、α―メチルスチレン、4―メチルスチレン及び4−ヒドロキシスチレンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「(A3)化合物」ともいう)に由来する。この(A3)構造単位としては、スチレンに由来する構造単位が好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物における(A3)化合物の含有量、すなわち例えば未反応で残存する(A3)化合物の含有量としては1.5質量%以下が好ましい。スチレン等の(A3)化合物は、当該感放射線性樹脂組成物の感放射線性を低下させるおそれがある。そのため、(A3)化合物の含有量が上記範囲であることで、感放射線性の低下を抑制することができる。
[A]共重合体の全構造単位における(A3)構造単位の含有割合の下限としては、25モル%であり、30モル%が好ましい。一方、上記含有割合の上限としては、80モル%であり、65モル%が好ましい。(A3)構造単位の含有割合を上記範囲とすることによって、当該感放射線性樹脂組成物から形成される層間絶縁膜は、現像密着性及び熱や剥離溶液に対する耐性に優れる。
[(A4)構造単位]
(A4)構造単位は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル及び(メタ)アクリル酸tert−ブチルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物(以下、「(A4)化合物」ともいう)である。当該感放射線性樹脂組成物は、(A4)構造単位を含む[A]共重合体を含有することで、層間絶縁膜形成時の現像密着性に優れる。
[A]共重合体の全構造単位における(A4)構造単位の含有割合の下限としては、例えば1モル%であり、3モル%が好ましい。一方、上記含有割合の上限としては、例えば30モル%以下であり、25モル%が好ましい。(A4)構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物から形成される層間絶縁膜の現像密着性、熱や剥離溶液に対する耐性がより向上する。
[(A5)その他の構造単位]
(A5)その他の構造単位は、例えばN−ビニルピロリドン、マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドに由来する。
[A]共重合体の全構造単位における(A5)その他の構造単位の含有割合の下限としては、1モル%が好ましい。一方、上記含有割合の上限としては、40モル%が好ましく、25モル%がより好ましい。(A5)構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物から形成される層間絶縁膜の耐熱透明性をより向上させることができる。
<[A]共重合体の合成方法>
[A]共重合体は、(A1)〜(A3)構造単位等を与える(A1)〜(A3)化合物等を用い、ラジカル重合等の常法に従って合成できる。合成方法としては、例えば
(A1)〜(A3)化合物等及びラジカル重合開始剤を含有する溶液を、反応溶媒又は(A1)〜(A3)化合物等を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;
(A1)〜(A3)化合物等を含有する溶液と、ラジカル重合開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は(A1)〜(A3)化合物等を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法;
(A1)〜(A3)化合物等を含有する複数種の溶液と、ラジカル重合開始剤を含有する溶液とを各別に、反応溶媒又は(A1)〜(A3)化合物等を含有する溶液に滴下して重合反応させる方法等が挙げられる。
上記重合反応における反応温度としては、ラジカル重合開始剤の種類等によって適宜決定されるが、上記反応温度の下限としては、通常30℃であり、40℃が好ましく、50℃がより好ましい。一方、上記反応温度の上限としては、通常180℃であり、160℃が好ましく、140℃がより好ましい。滴下時間は、反応温度、ラジカル重合開始剤の種類、反応させる単量体等によって異なるが、滴下時間の下限としては、通常30分であり、45分が好ましく、1時間がより好ましい。一方、滴下時間の上限としては、通常8時間であり、6時間が好ましく、5時間がより好ましい。また、滴下時間を含む全反応時間の下限としては、通常30分であり、45分が好ましく、1時間がより好ましい。一方、全反応時間の上限としては、通常8時間であり、7時間が好ましく、6時間がより好ましい。
(反応溶媒)
反応溶媒としては、後に[C]有機溶媒として例示するものと同様なものが挙げられる。中でも、反応溶媒としては、3−メトキシプロピオン酸アルキル、アルキル−3−アルコキシプロピネート、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが好ましく、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、メチル−3−メトキシプロピオネート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものを使用できる。ラジカル重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウリロイルパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジサクシニック酸パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)、ジベンゾイルパーオキサイド、1−1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1−1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物及び過酸化水素などが挙げられる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤と共に用いてレドックス型開始剤としてもよい。特に有機過酸化物を用いた場合、得られる重合体の分散度を低くすることが可能であり、感放射線成樹脂組成物の放射線感度及び現像性を高めることができる。
(分子量調整剤)
[A]共重合体を製造するための重合反応においては、[A]共重合体の分子量を調整するために、分子量調整剤を使用できる。分子量調整剤としては、例えばクロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
(重量平均分子量(Mw))
[A]共重合体の以下の条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、2×10が好ましく、5×10がより好ましい。一方、[A]重合体のMwの上限としては、1×10が好ましく、5×10がより好ましい。[A]共重合体のMwを上記範囲とすることによって、当該感放射線成樹脂組成物の放射線感度及び現像性を高めることができる。
(分散度(Mw/Mn))
[A]共重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比である分散度(Mw/Mn)の下限としては、通常1であり、1.5が好ましい。一方、Mw/Mnの上限としては、通常5であり、3が好ましく、2.5がより好ましい。Mw/Mnを上記範囲とすることで、当該感放射線成樹脂組成物は、放射線感度及び剥離液耐性に優れたものとなる。
装置:GPCカラム(東ソー社)
カラム:G2000HXL(2本)、G3000HXL(1本)及びG4000HXL(1本)を結合
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[B]感放射線性化合物>
[B]感放射線性化合物は、当該感放射線性樹脂組成物に感放射線特性を付与するものである。この[B]感放射線性化合物としては、酸発生体(以下「[B1]酸発生体」ともいう)、重合開始剤(以下「[B2]重合開始剤」ともいう)が好ましい。
[[B1]酸発生体]
[B1]酸発生体は、当該感放射線性樹脂組成物にポジ型の感放射線特性を付与するものである。この[B1]酸発生体は、放射線の照射によって酸を発生する。
[B1]酸発生体は、放射線の照射によって酸(例えばカルボン酸、スルホン酸等)を発生させる化合物である限り、特に限定されない。当該感放射線性樹脂組成物における[B1]酸発生体の含有形態としては、化合物である酸発生剤の形態でも、[A]共重合体又は他の重合体の一部として組み込まれた放射線酸発生基の形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B1]酸発生体としては、例えばオキシムスルホネート化合物、オニウム塩、N−スルホニルオキシイミド化合物、キノンジアジド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物等が挙げられる。中でも、オキシムスルホネート化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、キノンジアジド化合物が好ましい。
(オキシムスルホネート化合物)
オキシムスルホネート化合物は、オキシムスルホネート基を含む化合物である。このオキシムスルホネート化合物としては、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015092233
上記式(2)中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよい。
上記式(2)において、Rのアルキル基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。Rのアルキル基は、炭素数1〜10のアルコキシ基又は脂環式基で置換されていてもよい。脂環式基としては、例えば7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基等の有橋式脂環式基が挙げられ、ビシクロアルキル基が好ましい。
上記Rで表されるアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基がさらに好ましい。このRで表されるアリール基は、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されてもよい。
上記式(2)で表されるオキシムスルホネート化合物としては、下記式(3)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2015092233
上記式(3)中、Rは、上記式(2)におけるRと同義である。Xは、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子である。mは、0〜3の整数である。mが2又は3であるとき、複数のXは、同一であっても異なっていてもよい。
Xで表されるアルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。上記Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子が好ましい。mは、0又は1が好ましい。
特に、上記式(3)で表される化合物としては、mが1、Xがメチル基であり、Xの結合位置がオルト位である化合物が好ましい。
上記式(3)で表されるオキシムスルホネート化合物としては、例えば下記式(3−i)〜(3−v)で表される化合物(以下、それぞれ「化合物(3−i)〜(3−v)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015092233
これらの化合物は、単独で使用しても2種以上を併用してもよく、他の[B1]酸発生体と組み合わせて使用してもよい。上記化合物(3−i)〜(3−v)は、それぞれ(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5H−オクチルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル及び2−(オクチルスルホニルオキシイミノ)−2−(4−メトキシフェニル)アセトニトリルであり、市販品として入手出来る。
(N−スルホニルオキシイミド化合物)
N−スルホニルオキシイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(フェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ペンタフルオロエチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ヘプタフルオロプロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(エチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(プロピルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ブチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ペンチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ヘキシルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ヘプチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(オクチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド、N−(ノニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシイミド等が挙げられる。
[B1]酸発生剤としてオキシムスルホネート化合物及びN−スルホニルオキシイミド化合物のうちのいずれかが使用される場合、先に例示した化合物を単独で使用してもよいし2種以上を併用してもよい。これらの化合物が[B1]酸発生剤として使用される場合、当該感放射線性樹脂組成物における[B1]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]共重合体100質量部に対して、5質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、50質量部が好ましく、30質量部がより好ましい。[B1]酸発生剤の含有量が上記範囲にあることで、当該感放射線性樹脂組成物の放射線感度を最適化することができるため良好なパターニング性を示し、当該感放射線性樹脂組成物は表示素子用層間絶縁膜の形成に好適なものとなる。
(キノンジアジド化合物)
キノンジアジド化合物は、放射線の照射によってカルボン酸を発生するキノンジアジド化合物である。キノンジアジド化合物としては、フェノール性化合物又はアルコール性化合物(以下、「母核」と称する。)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物を用いることができる。
母核としては、例えばトリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカン、その他の母核等が挙げられる。
トリヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
テトラヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ペンタヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ヘキサヒドロキシベンゾフェノンとしては、例えば2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
(ポリヒドロキシフェニル)アルカンとしては、例えばビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン等が挙げられる。
その他の母核としては、例えば2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、1−[1−{3−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)−4,6−ジヒドロキシフェニル}−1−メチルエチル]−3−〔1−{3−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)−4,6−ジヒドロキシフェニル}−1−メチルエチル〕ベンゼン、4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
これらの母核のうち、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−〔1−{4−(1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル)フェニル}エチリデン〕ビスフェノールが好ましい。
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとしては、例えば1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド等が挙げられる。これらのうち、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがより好ましい。
フェノール性化合物又はアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物又はアルコール性化合物中のOH基数に対して、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドの使用量の下限としては、30モル%が好ましく、50モル%がより好ましい。一方、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドの使用量の上限としては、85モル%が好ましく、70モル%がより好ましい。縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
また、キノンジアジド化合物としては、先に例示した母核のエステル結合をアミド結合に変更した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類、例えば2,3,4−トリアミノベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等も好適に使用される。
これらのキノンジアジド化合物は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。また、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物等と共に使用することもできる。
[B1]酸発生体としてキノンジアジド化合物が使用される場合、当該感放射線性樹脂組成物における[B1]酸発生体の含有量の下限としては、[A]共重合体100質量部に対して、5質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、100質量部が好ましく、50質量部がより好ましい。キノンジアジド化合物の含有量を上記範囲とすることで、放射線の照射部分と未照射部分とで現像液となるアルカリ水溶液に対する溶解度の差を大きくして、パターニング性能を向上させることができる。また、当該感放射性樹脂組成物から得られる層間絶縁膜の耐溶媒性を良好なものとすることもできる。
<[B2]重合開始剤>
[B2]重合開始剤は、放射線に感応して後述の[D]重合性不飽和化合物の重合を開始しうる活性種を生じる成分である。この[B2]重合開始剤としては、例えばO−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。
(O−アシルオキシム化合物)
O−アシルオキシム化合物としては、例えばエタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9H−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。これらのうち、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)又はエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。これらO−アシルオキシム化合物は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
(アセトフェノン化合物)
アセトフェノン化合物としては、例えばα−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物等が挙げられる。
α−アミノケトン化合物としては、例えば2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、例えば1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが挙げられる。
これらのアセトフェノン化合物のうち、α−アミノケトン化合物が好ましく、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン又は2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オンがより好ましい。
(ビイミダゾール化合物)
ビイミダゾール化合物としては、例えば2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられる。これらのうち、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール又は2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールがより好ましい。
[B2]重合開始剤としては、市販品を使用してもよく、例えば2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(「イルガキュア907」)、2−(4−メチルベンジル)−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(「イルガキュア379」)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(「イルガキュアOXE02」)、1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕(「イルガキュアOXE01」)、ビス(2,4,6トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「イルガキュア819」)(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)等が挙げられる。
[B2]重合開始剤は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。当該感放射線性樹脂組成物における[B2]重合開始剤の含有量の下限としては、後述の[D]重合性不飽和化合物100質量部に対して、5質量部が好ましく、7質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、40質量部が好ましく、20質量部がより好ましい。[B2]重合開始剤の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は低露光量の場合でも高い密着性を有する層間絶縁膜を形成できる。
<[C]有機溶媒>
[C]有機溶媒としては、[A]共重合体、[B]感放射線性化合物及び任意成分を均一に溶解又は分散し、各成分と反応しないものが用いられる。このような溶媒としては、例えばアルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、ケトン、エステル等が挙げられる。
アルコールとしては、例えばベンジルアルコール等が挙げられる。
グリコールエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとしては、例えばエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
ジエチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
ジエチレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等が挙げられる。
ジプロピレングリコールジアルキルエーテルとしては、例えばジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル等が挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えばプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル等が挙げられる。
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートとしては、例えばプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等が挙げられる。
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネートとしては、例えばプロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート等が挙げられる。
ケトンとしては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルイソアミルケトン等が挙げられる。
エステルとしては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル等が挙げられる。
エステルとしては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2015092233
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基である。nは、1〜6の整数である。
上記式(1)で表される化合物は、他の成分との溶解性に優れ、当該感放射線性樹脂組成物による塗膜形成を容易とすることができるため、当該感放射線性樹脂組成物から形成される層間絶縁膜の厚みの均一化を図ることが可能となる。
上記R及びRにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等が挙げられる。
これらの溶媒のうち、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが好ましく、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物における[C]有機溶媒の含有量の下限としては、[A]共重合体100質量部に対して、通常200質量部であり、400質量部が好ましい。一方、上記含有量の上限としては、通常800質量部であり、700質量部が好ましい。[C]有機溶媒の含有量が上記範囲であることで、当該感放射線性樹脂組成物の粘度を適切化し、当該感放射線性樹脂組成物の塗工性を好適なものとすることができる。
<[D]重合性不飽和化合物>
[D]重合性不飽和化合物としては、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の他、直鎖アルキレン基及び脂環式構造を有し、かつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基を有し、かつ3個以上5個以下の(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
[D]重合性不飽和化合物の市販品としては、例えば
「アロニックスM−400」、「アロニックスM−402」、「アロニックスM−405」、「アロニックスM−450」、「アロニックスM−1310」、「アロニックスM−1600」、「アロニックスM−1960」、「アロニックスM−7100」、「アロニックスM−8030」、「アロニックスM−8060」、「アロニックスM−8100」、「アロニックスM−8530」、「アロニックスM−8560」、「アロニックスM−9050」、「アロニックスTO−1450」、「アロニックスTO−1382」(以上、東亞合成社);
「KAYARAD DPHA」、「KAYARAD DPCA−20」、「KAYARAD DPCA−30」、「KAYARAD DPCA−60」、「KAYARAD DPCA−120」、「KAYARAD MAX−3510」(以上、日本化薬社);
「ビスコート295」、「ビスコート300」、「ビスコート360」、「ビスコートGPT」、「ビスコート3PA」、「ビスコート400」(以上、大阪有機化学工業社);
ウレタンアクリレート化合物として、「ニューフロンティア R−1150」(第一工業製薬社);
「KAYARAD DPHA−40H」、「KAYARAD UX−5000」(以上、日本化薬社);
「UN−9000H」(根上工業社);
「アロニックスM−5300」、「アロニックスM−5600」、「アロニックスM−5700」、「アロニックス−210」、「アロニックスM−220」、「アロニックスM−240」、「アロニックスM−270」、「アロニックスM−6200」、「アロニックスM−305」、「アロニックスM−309」、「アロニックスM−310」、「アロニックスM−315」(以上、東亞合成社);
「KAYARAD HDDA」、「KAYARAD HX−220」、「KAYARAD HX−620」、「KAYARAD R−526」、「KAYARAD R−167」、「KAYARAD R−604」、「KAYARAD R−684」、「KAYARAD R−551」、「KAYARAD R−712」、「UX−2201」、「UX−2301」、「UX−3204」、「UX−3301」、「UX−4101」、「UX−6101」、「UX−7101」、「UX−8101」、「UX−0937」、「MU−2100」、「MU−4001」(以上、日本化薬社);
「アートレジンUN−9000PEP」、「アートレジンUN−9200A」、「アートレジンUN−7600」、「アートレジンUN−333」、「アートレジンUN−1003」、「アートレジンUN−1255」、「アートレジンUN−6060PTM」、「アートレジンUN−6060P」(以上、根上工業社);
「SH−500Bビスコート260」、「SH−500Bビスコート312」、「SH−500Bビスコート335HP」(以上、大阪有機化学工業社)等が挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
[D]重合性不飽和化合物としては、一分子中に4つの(メタ)アクリロイル基を有する重合性不飽和化合物及び一分子中に5つの(メタ)アクリロイル基を有する重合性不飽和化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含むものが好ましい。[D]重合性不飽和化合物が一分子中に4つ又は5つの(メタ)アクリロイル基を有することで、[A]共重合体の(A2)化合物に由来するエポキシ基との硬化反応により、より耐性が高い層間絶縁膜が得られる。
当該感放射線性樹脂組成物における[D]重合性不飽和化合物の含有量の下限としては、[A]共重合体100質量部に対して、10質量部が好ましく、40質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、150質量部が好ましく、90質量部がより好ましい。[D]重合性不飽和化合物の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は現像密着性に優れ、低露光量においても十分な硬度を有した層間絶縁膜が得られる。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]共重合体、[B]感放射線性化合物、[C]有機溶媒及び[D]重合性不飽和化合物に加え、本発明の効果を損なわない範囲で[E]密着助剤、[F]界面活性剤、[G]重合禁止剤等の任意成分を含有していてもよい。これらの各任意成分は、単独で使用しても2種以上を併用してもよい。以下、任意成分について詳述する。
[[E]密着助剤]
[E]密着助剤は、当該感放射線性樹脂組成物から得られる層間絶縁膜と基板との接着性を向上させるものである。このような[E]密着助剤としては、カルボキシル基、メタアクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましい。官能性シランカップリング剤としては、例えばトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物における[E]密着助剤の含有量の上限としては、[A]共重合体100質量部に対して、15質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。上記含有量が上記上限を超えると、現像残りを生じやすくなる傾向がある。
[[G]界面活性剤]
[G]界面活性剤は、当該感放射線性樹脂組成物の塗膜形成性をより向上させるためのものである。[G]界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びその他の界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖及び側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキル基及び/又はフルオロアルキレン基を有する化合物が好ましく、例えば1,1,2,2−テトラフロロ−n−オクチル(1,1,2,2−テトラフロロ−n−プロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロ−n−オクチル(n−ヘキシル)エーテル、ヘキサエチレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−ペンチル)エーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロ−n−ブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−ペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロ−n−ブチル)エーテル、パーフロロ−n−ドデカンスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロ−n−デカン、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロ−n−ドデカンや、フロロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フロロアルキルリン酸ナトリウム、フロロアルキルカルボン酸ナトリウム、ジグリセリンテトラキス(フロロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フロロアルキルアンモニウムヨージド、フロロアルキルベタイン、他のフロロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフロロアルキルポリオキシエタノール、パーフロロアルキルアルコキシレート、カルボン酸フロロアルキルエステル等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えば「BM−1000」、「BM−1100」(以上、BM CHEMIE社)、「メガファックF142D」、「メガファックF172」、「メガファックF173」、「メガファックF183」、「メガファックF178」、「メガファックF191」、「メガファックF471」、「メガファックF476」(以上、大日本インキ化学工業社)、「フロラードFC−170C」、「フロラードFC−171」、「フロラードFC−430」、「フロラードFC−431」(以上、住友スリーエム社)、「サーフロンS−112」、「サーフロンS−113「サーフロンS−131「サーフロンS−141「サーフロンS−145「サーフロンS−382」、「サーフロンSC−101」、「サーフロンSC−102」、「サーフロンSC−103」、「サーフロンSC−104」、「サーフロンSC−105」、「サーフロンSC−106」(以上、旭硝子社)、「エフトップEF301」、「エフトップEF303」、「エフトップEF352」(以上、新秋田化成社)、「フタージェントFT−100」、「フタージェントFT−110」、「フタージェントFT−140A」、「フタージェントFT−150」、「フタージェントFT−250」、「フタージェントFT−251」、「フタージェントFT−300」、「フタージェントFT−31」、「フタージェントFT−400S」、「フタージェントFTX−218」、「フタージェントFTX−251」、「フタージェント710F」(以上、ネオス社)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、例えば「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンDC7PA」、「トーレシリコーンSH11PA」、「トーレシリコーンSH21PA」、「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH−190」、「トーレシリコーンSH−193」、「トーレシリコーンSZ−6032」、「トーレシリコーンSF−8428」、「トーレシリコーンDC−57」、「トーレシリコーンDC−190」(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4446」、「TSF−4460」、「TSF−4452」(以上、GE東芝シリコーン社)、「オルガノシロキサンポリマーKP341」(信越化学工業社)等が挙げられる。
その他の界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン−n−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−n−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤、「(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57」、「(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.95」(以上、共栄社化学社)等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物における[F]界面活性剤の含有量の上限としては、[A]共重合体100質量部に対して、1.0質量部が好ましく、0.8質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましい。[F]界面活性剤の含有量が上記上限を超えると、膜ムラを生じやすくなる。
[[G]重合禁止剤]
[G]重合禁止剤としては、例えば硫黄、キノン類、ヒドロキノン類、ポリオキシ化合物、アミン、ニトロニトロソ化合物等が挙げられ、より具体的には、p−メトキシフェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物における[G]重合禁止剤の含有量の上限としては、[A]共重合体100質量部に対して、0.5質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましく、0.1質量部がさらに好ましい。[G]重合禁止剤の含有量が上記上限を超えると当該感放射線性樹脂組成物の感度が低下してパターン形状が劣化する場合がある。
<当該感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]共重合体、[B]感放射線性化合物及び[C]有機溶媒に加え、必要に応じて、[D]重合性不飽和化合物、その他の任意成分を所定の割合で混合することにより調製される。この感放射線性樹脂組成物は、溶液状態で用いられる。
当該感放射線性樹脂組成物を溶液状態として調製する場合、固形分濃度(組成物溶液中に占める溶媒以外の成分)は、使用目的や所望の膜厚の値等に応じて任意の濃度(例えば5質量%以上50質量%以下)に設定できる。より好ましい固形分濃度としては、基板上への塗膜の形成方法により異なるが、これについては後述する。このようにして調製された組成物溶液については、孔径0.5μm程度のミリポアフィルタ等を用いて濾過した後、使用に供することができる。
<表示素子用層間絶縁膜>
本発明の表示素子用層間絶縁膜は、当該感放射線性樹脂組成物から形成される。当該層間絶縁膜は、当該感放射線性樹脂組成物から形成されているため基板等との密着性に優れる。なお、当該層間絶縁膜の形成方法としては特に限定されないが、次に説明する層間絶縁膜の形成方法を適用することが好ましい。
<層間絶縁膜の形成方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、表示素子用の層間絶縁膜を形成するのに好適である。この層間絶縁膜の形成方法は、基板上に塗膜を形成する工程(以下、「工程(1)」ともいう)、塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程(以下、「工程(2)」ともいう)、放射線が照射された塗膜を現像する工程(以下、「工程(3)」ともいう)、及び現像された塗膜を焼成する工程(以下、「工程(4)」ともいう)を備える方法により形成することができる。ここで、「焼成」とは、層間絶縁膜に要求される表面硬度が得られるまで加熱することを意味する。
本発明の形成方法によると、膜ムラ及び残渣が少なく、透明性、比誘電率に優れる層間絶縁膜を形成できる。以下、各工程を詳述する。
[工程(1)]
本工程(1)では、当該感放射線性樹脂組成物を用いて、例えば透明基板の片面に透明導電膜を形成し、この透明導電膜の上に当該感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する。透明基板としては、例えばソーダライムガラス、無アルカリガラス等のガラス基板、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックからなる樹脂基板等が挙げられる。
透明基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社の登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In−SnO)からなるITO膜等が挙げられる。
塗布法により塗膜を形成する場合、上記透明導電膜の上に当該感放射線性樹脂組成物の溶液を塗布した後、好ましくは塗布面を加熱(プレベーク)することにより、塗膜を形成することができる。塗布法に用いる組成物溶液の固形分濃度の下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、15質量%が特に好ましい。一方、固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、35質量%が特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリット塗布法(スリットダイ塗布法)、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法が採用できる。これらのうち、スピンコート法又はスリット塗布法が好ましい。
上記プレベークの条件としては、各成分の種類、配合割合等によって異なるが、70℃以上120℃以下が好ましく、1分以上15分間以下程度である。塗膜のプレベーク後の膜厚の下限としては、0.5μmが好ましく、1.0μmがより好ましい。一方、上記膜厚の上限としては、10μmが好ましく、7.0μmがより好ましい。
[工程(2)]
本工程(2)では、形成された塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する。このとき、塗膜の一部にのみ照射する際には、例えば所定のパターンを有するフォトマスクを介して照射する方法によることができる。
照射に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線等が挙げられる。このうち波長が250nm以上550nm以下の範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。
放射線照射量(露光量)の下限としては、100J/mが好ましく、200J/mがより好ましい。一方、上記露光量の上限としては、5,000J/mが好ましく、3,000J/mがより好ましい。なお、放射線照射量(露光量)は、放射線の波長が365nmにおける強度を照度計(Optical Associates Inc.社の「OAI model 356」)により測定した値である。
当該感放射線性樹脂組成物は、従来知られている組成物と比較して放射線感度が高く、上記放射線照射量が850J/m以下であっても所望の膜厚、良好な形状、優れた密着性及び高い硬度の層間絶縁膜を得ることができる。
[工程(3)]
本工程(3)では、放射線照射後の塗膜を現像することにより、不要な部分を除去して、所定のパターンを形成する。現像に使用される現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩のアルカリ性化合物などの水溶液が挙げられる。上記アルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒及び/又は界面活性剤を適当量添加してもよい。
現像方法としては、例えば液盛り法、ディッピング法、シャワー法等が挙げられ、現像時間は、常温で10秒以上180秒以下程度が好ましい。現像処理に続いて、例えば流水洗浄を30秒以上90秒以下行った後、圧縮空気や圧縮窒素で風乾することによって所望のパターンが得られる。
[工程(4)]
本工程(4)では、得られたパターン状塗膜をホットプレート、オーブン等の適当な加熱装置により焼成(ポストベーク)することにより層間絶縁膜を得る。焼成温度の下限としては、100℃が好ましく、150℃がより好ましい。一方、上記焼成温度の上限としては、250℃が好ましく、230℃がより好ましい。焼成時間としては、例えばホットプレート上では5分以上30分間以下、オーブンでは30分以上180分間以下が好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、上述のように[C]有機溶媒を含有するため、かかる低い低温焼成を実現でき低温焼成が望まれるフレキシブルディスプレイ等の表示素子の層間絶縁膜の形成材料として好適である。
<表示素子及びその製造方法>
本発明の表示素子は、当該層間絶縁膜を備える。当該表示素子は、例えば、液晶表示素子、有機EL表示素子等である。当該表示素子は、当該絶縁膜を備えているため、例えば耐光性、基板等への絶縁膜の密着性等の信頼性に優れる。
上記液晶表示素子は、次に説明する方法により製造することができる。まず、片面に透明導電膜(電極)を有する透明基板を一対(2枚)準備し、そのうちの一枚の基板の透明導電膜上に、当該感放射線性樹脂組成物を用いて上述の方法に従って層間絶縁膜を形成し、また必要に応じてスペーサー、保護膜等を形成する。続いて、液晶配向能を有する配向膜を形成し重畳する。これら基板を、その配向膜が形成された側の面を内側にして、それぞれの配向膜の液晶配向方向が直交又は逆平行となるように一定の間隙(セルギャップ)を介して対向配置し、基板の表面(配向膜)及びスペーサーにより区画されたセルギャップ内に液晶を充填し、充填孔を封止して液晶セルを構成する。そして、液晶セルの両外表面に、偏光板を、その偏光方向が当該基板の一面に形成された配向膜の液晶配向方向と一致又は直交するように貼り合わせることにより、当該表示素子が得られる。
液晶表示素子を製造する他の方法としては、先に説明した製造方法と同様にして透明導電膜と、層間絶縁膜等と配向膜とを形成した一対の透明基板を準備する。その後、一方の基板の端部に沿って、ディスペンサーを用いて紫外線硬化型シール剤を塗布し、次いで液晶ディスペンサーを用いて微小液滴状に液晶を滴下し、真空下で両基板の貼り合わせを行う。そして、上記のシール剤部に、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射して両基板を封止する。最後に、液晶セルの両外表面に偏光板を貼り合わせることにより、当該表示素子が得られる。
これらの製造方法において使用される液晶としては、例えばネマティック型液晶、スメクティック型液晶等が挙げられる。また、液晶セルの外側に使用される偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながら、ヨウ素を吸収させた「H膜」と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、又はH膜そのものからなる偏光板等が挙げられる。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例に本発明が限定的に解釈されるものではない。なお、合成例により得られる共重合体の特性は、下記の方法により測定した。
[重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分散度(Mw/Mn)]
重合体のMw及びMnは、東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、下記分析条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果から算出した。
(分析条件)
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
13C−NMR分析]
13C−NMR分析は、測定溶媒を重クロロホルムとし、JNM−EX400(日本電子社)を用いて行った。共重合体における各構造単位の含有割合は、13C−NMRで得られたスペクトルにおける各構造単位に対応するピークの面積比から、モル%として算出した。
<[A]共重合体の合成>
[合成例1](共重合体(A−1)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン40.0質量部、及び(A4)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート30質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=29.1質量%、Mw=6,800、Mw/Mn=1.8)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ24.1モル%、7.2モル%、38.6モル%、13.7モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、それぞれ4.1モル%、1.3モル%、8.1モル%及び2.9モル%であった。
[合成例2](共重合体(A−2)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン50.0質量部、及び(A4)メタクリル酸メチル20質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−2)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.0質量%、Mw=7,000、Mw/Mn=1.9)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ22.8モル%、6.8モル%、45.5モル%及び19.6モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ0.9モル%、0.3モル%、3.4モル%及び0.8モル%であった。
[合成例3](共重合体(A−3)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート10質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン60.0質量部、及び(A4)メタクリル酸エチル10質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を65℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−3)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=32.3質量%、Mw=6,700、Mw/Mn=1.9)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ22.7モル%、6.8モル%、54.5モル%及び8.6モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ1.3モル%、0.5モル%、5.2モル%及び0.5モル%であった。
[合成例4](共重合体(A−4)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン50.0質量部、及び(A4)メタクリル酸エチル20質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−4)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.3質量%、Mw=6,900、Mw/Mn=1.9)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ23.6モル%、7.1モル%、47.1モル%及び17.8モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ0.7モル%、0.3モル%、3.0モル%及び0.5モル%であった。
[合成例5](共重合体(A−5)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート10質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン60.0質量部、及び(A5)N−ビニルピロリドン10質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−5)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=32.9質量%、Mw=7,000、Mw/Mn=1.7)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A5)構造単位の含有量は、それぞれ23.1モル%、6.9モル%、55.4モル%及び8.9モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A5)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ0.9モル%、0.3モル%、4.1モル%及び0.3モル%であった。
[合成例6](共重合体(A−6)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン50.0質量部、及び(A5)N−ビニルピロリドン20質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−6)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.6質量%、Mw=7,100、Mw/Mn=1.8)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A5)構造単位の含有量は、それぞれ23.7モル%、7.1モル%、47.3モル%及び18.3モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A5)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ0.5モル%、0.2モル%、2.6モル%及び0.4モル%であった。
[合成例7](共重合体(A−7)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン60.0質量部、及び(A4)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート10質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を10時間保持することによって共重合体(A−7)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=31.6質量%、Mw=7,000、Mw/Mn=1.9)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ23.3モル%、7.0モル%、55.9モル%、4.4モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ1.8モル%、0.6モル%、6.5モル%及び0.5モル%であった。
[合成例8](共重合体(A−8)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル100質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン60.0質量部、及び(A4)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート10質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−8)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=49.5質量%、Mw=67,00、Mw/Mn=1.8)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ24.7モル%、7.4モル%、59.1モル%及び4.7モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ0.5モル%、0.2モル%、3.2モル%及び0.3モル%であった。
[合成例9](共重合体(A−9)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン60.0質量部、及び(A4)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート10質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−9)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=24.8質量%、Mw=69,00、Mw/Mn=1.8)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ19.2モル%、5.8モル%、42.4モル%及び3.8モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ5.9モル%、1.8モル%、19.9モル%及び1.2モル%であった。
[合成例10](共重合体(A−10)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン50.0質量部及び(A4)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート20質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−10)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=26.5質量%、Mw=68,00、Mw/Mn=1.9)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ21.5モル%、6.5モル%、39.6モル%及び8.4モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ5.1モル%、1.5モル%、15.4モル%及び2.0モル%であった。
[合成例11](共重合体(A−11)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン60.0質量部及び(A4)メタクリル酸メチル10質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−11)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=31.0質量%、Mw=7,000、Mw/Mn=2.0)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ21.6モル%、6.5モル%、51.7モル%及び9.3モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ2.2モル%、0.7モル%、7.1モル%及び0.9モル%であった。
[合成例12](共重合体(A−12)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン60.0質量部、及び(A4)エチルメタクリレート10質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を3時間保持することによって共重合体(A−12)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=24.6質量%、Mw=6,900、Mw/Mn=2.0)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ18.2モル%、5.5モル%、40.1モル%及び6.9モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ5.9モル%、1.8モル%、19.6モル%及び2.2モル%であった。
[比較合成例1](共重合体(CA−1)の合成)
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)メタクリル酸20.0質量部、(A2)メタクリル酸グリシジル10質量部、(A3)スチレン20.0質量部、及び(A4)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート30質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を3時間保持することによって共重合体(CA−1)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=24.5質量%、Mw=6,500、Mw/Mn=1.8)。13C−NMR分析の結果、(A1)構造単位、(A2)構造単位、(A3)構造単位及び(A4)構造単位の含有量は、それぞれ23.5モル%、7.0モル%、17.2モル%及び22.7モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)の含有量は、合成例1と同様の手法より求めた結果、それぞれ8.7モル%、2.7モル%、9.4モル%及び8.8モル%であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[A]共重合体、[a]比較共重合体、[B]感放射線性化合物、[C]有機溶媒、[D]重合性不飽和化合物、[E]密着助剤、[F]界面活性剤及び[G]重合禁止剤を以下に示す。
<[A]共重合体>
A−1〜A〜12:合成例1〜12でそれぞれ合成した共重合体
<[a]比較共重合体>
CA−1:比較合成例1で合成した共重合体
<[B]感放射線化合物>
B−1:エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社の「イルガキュアOXE02」)
B−2:1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社の「イルガキュアOXE01」)
<[C]有機溶媒>
C−1:3−メトキシプロピオン酸メチル
C−2:プロピレングリコールモノメチルアセテート
<[D]重合性不飽和化合物>
D−1:コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成社の「アロニックスTO−756」)
D−2:ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(ペンタエリスリトールトリアクリレート含有量約60%)(新中村化学工業社の「NKエステル A−TMM−3LM−N」)
D−3:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタアリスリトールヘキサアクリレートとの混合物(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート含有量50%)(新中村化学工業社の「NKエステル A−9550」)
<[E]密着助剤>
E−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッソ社の「S−510」)
E−2:アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社の「VEEA」)
<[F]界面活性剤>
F−1:シリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社の「SH28PA」)
<[G]重合禁止剤>
G−1:p−メトキシフェノール(和光純薬工業社の「p−メトキシフェノール」)
<実施例1>
共重合体(A−1)を含有する溶液に、共重合体(A−1)100質量部(固形分)に相当する量に対して、感放射線化合物(B−1)5質量部、重合性不飽和化合物(D−1)20質量部、重合性不飽和化合物(D−2)25質量部、重合性不飽和化合物(D−3)5質量部、その他の任意成分としての密着助剤(E−1)1質量部、界面活性剤(F−1)0.10質量部並びに重合禁止剤(G−1)0.1質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように有機溶媒(C−1)と有機溶媒(C−2)との混合溶媒に溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成物(S−1)を調製した。
<実施例2〜12及び比較例1>
下記表1に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(S−2)〜(S−12)及び(CS−1)を調製した。なお、表1において、「−」は該当する成分を配合しなかったことを示す。
[スチレン含有割合の測定]
上記合成例で得られた共重合体溶液について、固形分として1.0μgになるような共重合体溶液を用いて、共重合体溶液中に含まれるスチレン含有割合をヘッドスペースガスクロマトグラフィー/質量分析(ヘッドスペースサンプラ:日本分析工業(株)社 JHS−100A、ガスクロマトグラフィー/質量分析装置;JEOL JMS−AX505W型質量分析計)を用いて算出した。固形分1.0μgの全ピーク面積中におけるスチレンに由来するピーク面積を求め、スチレン含有割合(質量%)を求めた。
Figure 2015092233
<評価>
実施例1〜12及び比較例1の感放射線性樹脂組成物から層間絶縁膜を形成し、以下に説明する手法に従って放射線感度、解像性、残渣、現像密着性、及び化学薬品耐性を評価した。評価結果を表1に示す。
[放射線感度]
シリコン基板上にスピンナーを用いて感放射線性樹脂組成物を塗布した後、100℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚4.0μmの塗膜を形成した。次いで、露光機(キヤノン社の「PLA−501F」:超高圧水銀ランプを使用)を用い、露光量を変化させて複数の矩形貫通孔(10μm×10μm)を有するパターンマスクを介して
10秒間塗膜の露光を行った次いで、2.38質量%の濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(現像液)を用い、液盛り法によって25℃で現像処理を行った。現像処理の時間は100秒であった。現像処理後、超純水で1分間、塗膜の流水洗浄を行い、乾燥させてウエハー上にパターンを形成した。このシリコン基板をクリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱して層間絶縁膜を得た。この層間絶縁膜の膜厚について、下記式で表される残膜率(パターン状薄膜が適正に残存する比率)が85%以上になる露光量を感度として求め、以下の基準に従って感度を評価した。
残膜率(%)=(現像後高さ/現像前高さ)×100
(評価基準)
A:200J/m未満
B:200J/m以上400J/m未満
C:400J/m以上800J/m未満
D:800J/m以上
[解像性]
露光量を200J/mとした以外は放射線感度の評価と同様にして貫通孔を有する層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜の貫通孔の最小径を光学顕微鏡にて観察した。解像性は、以下の基準に従って評価した。
(評価基準)
A:貫通孔の最小径が5μm以上10μm未満
B:貫通孔の最小径が10μm以上20μm未満
C:貫通孔の最小径が20μm以上
D:貫通孔が形成されない
[残渣]
露光量を200J/mとした以外は放射線感度の評価と同様にして貫通孔を有する層間絶縁膜を形成し、この層間絶縁膜の貫通孔を光学顕微鏡にて観察した。残渣は、以下の基準に従って評価した。
(評価基準)
A:残渣が確認できない
B:わずかに残渣が確認できる
C:残渣をはっきりと確認できる
D:残渣が大量に確認できる
[現像密着性]
ライン・アンド・スペース比(L/S)が1:1(ライン幅及びスペース幅が20−5μm)のマスクを用い、露光量を200J/mとした以外は残渣の評価と同様に層間絶縁膜を形成した。この層間絶縁膜について、現像後に剥離せずに残るラインの最小幅を光学顕微鏡にて観察し、以下の基準に従って現像密着性を評価した。
(評価基準)
A:最小幅が10μm未満
B:最小幅が10μm以上30μm未満
C:最小幅が30μm以上
D:すべて剥離
[化学薬品耐性]
上記放射線感度の評価で作成した層間絶縁膜を65℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドンに6分間浸漬し、浸漬の後超純水で5秒間、塗膜の流水洗浄を行い、乾燥させた。処理後の絶縁膜の膜厚を触針式膜厚計を用いて測定した。下記式に従ってN−メチル−2−ピロリドン膨潤率(%)を算出し、下記基準に従って化学薬品耐性を評価した。
N−メチル−2−ピロリドン膨潤率(%)
=100×(浸漬後の残膜(μm)/浸漬前の残膜(μm)率(%)−1)
(評価基準)
A:3%未満
B:3%以上5%未満
C:5%以上7%未満
D:7%以上
表1の結果から明らかなように、実施例1〜12の感放射線性樹脂組成物及び層間絶縁膜は、放射線感度、解像性、残渣、現像密着性及び化学薬品耐性に優れるものであった。
これに対し、比較例1の感放射線性樹脂組成物及び層間絶縁膜は、放射線感度、解像性、残渣、現像密着性及び化学薬品耐性のいずれかが劣っていた。
本発明は、放射線感度及び解像性に優れる感放射線性樹脂組成物、並びに現像密着性、薬品耐性等に優れる層間絶縁膜を提供できる。従って、かかる層間絶縁膜は表示素子に好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 共重合体、感放射線性化合物及び有機溶媒を含有し、
    上記共重合体が、
    (メタ)アクリル酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種の第1化合物に由来する第1構造単位と、
    (メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル及び3−(メタ)アクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタンからなる群より選択される少なくとも1種の第2化合物に由来する第2構造単位と、
    スチレン、α―メチルスチレン、4―メチルスチレン及び4−ヒドロキシスチレンからなる群より選択される少なくとも1種の第3化合物に由来する第3構造単位とを含み、
    上記共重合体の全構造単位における上記第3構造単位の含有割合が25モル%以上80モル%以下である感放射線性樹脂組成物。
  2. 上記共重合体の全構造単位における上記第3構造単位の含有割合が30モル%以上65モル%以下である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. スチレン、α―メチルスチレン、4―メチルスチレン及び4−ヒドロキシスチレンからなる群より選択される少なくとも1種の第3化合物の含有量が1.5質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 上記第2構造単位が(メタ)アクリル酸グリシジルに由来する構造単位、又は(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチルに由来する構造単位である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. 上記共重合体が、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル及び(メタ)アクリル酸tert−ブチルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物に由来する構造単位をさらに含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. 上記有機溶媒が下記式(1)で表される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2015092233
    (式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基である。nは、1〜6の整数である。)
  7. 上記感放射線性化合物が酸発生体及び重合開始剤からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  8. 一分子中に4つの(メタ)アクリロイル基を有する重合性不飽和化合物及び一分子中に5つの(メタ)アクリロイル基 を有する重合性不飽和化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む重合性不飽和化合物をさらに含有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物から形成される表示素子用層間絶縁膜。
  10. 基板上に塗膜を形成する工程、この塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び現像された塗膜を焼成する工程を備え、
    上記塗膜を請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を用いて形成する表示素子用層間絶縁膜の形成方法。
  11. 請求項9に記載の表示素子用層間絶縁膜を備える表示素子。
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CN110286561A (zh) * 2018-03-19 2019-09-27 Jsr株式会社 感放射线性组合物、硬化膜及显示元件

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