JP2015091787A - 防腐剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルを必須成分とし、真菌類、特にカビに対して優れた防腐力を有する防腐剤組成物を提供すること。【解決手段】下記式(1):(式中、R1は、炭素数7〜9の分岐または非分岐の、飽和または不飽和アルキル基を示す。)で表される1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルと、芳香族アルコールとを含有する防腐剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は防腐剤組成物に関し、特に1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルと芳香族アルコールとを含有し、特にカビなどの真菌類に対して強い防腐力を有する防腐剤組成物に関する。
近年、消費者の安全性志向の向上により、皮膚への低刺激性、低アレルギー性などを追求した化粧品や医薬部外品が望まれていることから、化粧品メーカーでは、防腐剤として現在もっとも多用されているパラベンの配合をできるかぎり減らした処方設計が求められている。
化粧品の防腐殺菌剤として用いられるパラベンの配合を低減または排除する技術として、1,2−アルカンジオールからなる防腐殺菌剤などが開示されている(特許文献1参照)。しかし、1,2−オクタンジオールなどの1,2−アルカンジオールを単独で防腐殺菌剤として用いた場合、充分な効果を得るためには高配合量を必要とする場合がある。このため、単独で用いた場合でも、少ない配合量で充分な防腐殺菌効果を発揮できる防腐殺菌剤の開発が望まれている。
本発明者は、上記の問題を解決するため、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルがカビ、酵母などの真菌類に対して優れた防腐力を有することを報告し(特許文献2)、その後も引き続き、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルのさらに有効な利用方法や防腐力を向上させる方法を検討した。
特開平11−322591号公報 特開2012−56893号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルを必須成分とし、真菌類、特にカビに対して優れた防腐力を有する防腐剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルと芳香族アルコールとを併用した防腐剤組成物が真菌類、特にカビに対して優れた防腐力を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕 下記式(1):
Figure 2015091787
(式中、Rは、炭素数7〜9の分岐または非分岐の、飽和または不飽和アルキル基を示す。)で表される1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルと、芳香族アルコールとを含有する防腐剤組成物。
〔2〕 前記〔1〕に記載の芳香族アルコールが芳香族の第一級アルコールであること
を特徴とする防腐組成物。
〔3〕 前記芳香族の一級アルコールが、フェノキシエタノール及びフェネチルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする前記〔2〕に記載の防腐組成物。
〔4〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の防腐剤組成物を含有する化粧品。
〔5〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の防腐剤組成物を食品、食器類、香粧品、化粧品、皮膚外用剤、口腔衛生製品、医薬部外品、生活衛生用品、衣類、塗料およびペット衛生用品から選ばれる防腐対象物に配合して、該防腐対象物の真菌類に対する防腐力を高める方法。
本発明に係る防腐剤組成物は、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルと芳香族アルコールとを含有するので、カビ、酵母などの真菌類に対して優れた防腐力を有する。このため、該防腐剤組成物を例えば、食品、食器類、香粧品、化粧品、皮膚外用剤、口腔衛生製品、医薬部外品、生活衛生用品、衣類、塗料およびペット衛生用品から選ばれる防腐対象物に配合することで、該防腐対象物の真菌類に対する防腐力を高めることができ、結果として使用者の菌感染や食中毒など効果的に予防することができる。
本発明によれば、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルと共に防腐剤組成物に含まれる化合物が、芳香族の第一級アルコールであるフェノキシエタノール、若しくはフェネチルアルコールのいずれの場合であっても、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルの真菌類に対する防腐力を増強させる効果が得られた。
本発明の防腐剤組成物は上述したとおり、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルと芳香族アルコールとを含有する点に特徴を有する。
1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステル(以下、(a)成分ともいう)としては、下記式(1):
Figure 2015091787
(式中、Rは炭素数7〜9の分岐または非分岐の、飽和または不飽和アルキル基を示す。)で表される化合物が挙げられる。
上記(a)成分のうち、真菌類に対する防腐力に特に優れる点で、Rとしては炭素数が7〜9の非分岐の、飽和または不飽和アルキル基がより好ましい。具体的には、Rの炭素数が7である下記式(2)で表される1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル(後述する実施例における(a−1)成分)、Rの炭素数が8である下記式(3)で表される1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシウンデカン酸エステル、Rの炭素数が9である下記式(4)で表される1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシドデカン酸エステルが挙げられる。
Figure 2015091787
(a)成分の構成成分であるβ−ヒドロキシカルボン酸について、Rの炭素数が7〜9の非分岐の飽和アルキル基を有するものとしては、例えば、β−ヒドロキシデカン酸、β−ヒドロキシウンデカン酸、β−ヒドロキシドデカン酸が挙げられる。また、Rの炭素数が7〜9の非分岐の不飽和アルキル基を有するものとしては、例えば、β−ヒドロキシ−5−デセン酸、β−ヒドロキシ−5−ウンデセン酸、β−ヒドロキシ−5−ドデセン酸等が挙げられる。
(a)成分は、1,3−プロパンジオールと上述した特定のβ−ヒドロキシカルボン酸またはその誘導体とを酵素反応(酵素としては、例えば、リパーゼを使用)または化学的合成法によりエステル化またはエステル交換(以下、まとめて「エステル化」という)を行うことにより製造される。このエステル化に用いられるβ−ヒドロキシカルボン酸またはその誘導体は、例えば、クネベナーゲル縮合(Knoevenagel condensation)、ダルツェンス縮合(Darzens condensation)、レフォルマトスキー反応(Reformatsky reaction)等により製造することができる。上記のうちでは、収率や副産物の点でレフォルマトスキー反応が通常用いられる。
以下では、(a)成分の製造方法の一例として、レフォルマトスキー反応を用いてβ−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造し、次いで該エステルと1,3−プロパンジオールとを、リパーゼを用いるエステル交換を経て1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルを製造する方法について具体的に説明する。
レフォルマトスキー反応では、炭素数7〜9の分岐または非分岐の、飽和または不飽和アルキル基を有するアルデヒドとブロモ酢酸エステルとの縮合反応によりβ−ヒドロキシカルボン酸エステルが製造される。具体的には、炭素数が7〜9の非分岐の飽和アルキル基を有するアルデヒドとしては、例えば、ヘプタナール、オクタナール、ノナナールが用いられる。ブロモ酢酸エステルとしては、例えば、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸プロピル、ブロモ酢酸ブチル等が用いられる。レフォルマトスキー反応に使用される触媒としては、例えば、亜鉛、マグネシウム、鉄等が挙げられる。
次に、リパーゼを用いたエステル交換について説明する。エステル交換に用いられるリパーゼは、グリセリド類を基質として認識するものであれば特に限定されない。例えば、モノグリセリドリパーゼ、クチナーゼ、エステラーゼ等が挙げられる。これらの中でもリパーゼが好ましく、このようなリパーゼとして、例えば、モノグリセリドリパーゼ、モノおよびジグリセリドリパーゼ等が挙げられる。
リパーゼは精製(粗精製および部分精製を含む)されたものを用いてもよい。さらに、遊離型のまま使用してもよく、あるいはイオン交換樹脂、多孔性樹脂、セラミックス、炭酸カルシウムなどの担体に固定化して使用してもよい。
反応混合液から、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルを単離・精製する方法としては、例えば、脱酸、水洗、蒸留、溶媒抽出、イオン交換クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、膜分離等が挙げられ、これらは単独でまたは複数組み合わせて使用される。
上述した(a)成分の製造方法について、オクタナールとブロモ酢酸メチルを出発原料として、レフォルマトスキー反応によりβ−ヒドロキシデカン酸メチルエステルを製造し、次いで該エステルと1,3−プロパンジオールとをリパーゼの存在下で反応させ、エステル交換により1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステルを製造する方法を化学式で示すと下記式(5)のとおりである。
Figure 2015091787
下記式(6)で表されるフェノキシエタノール(以下、(b)成分ともいう)は、それ単独では真菌類に対して防腐力を示さないが、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステル((a)成分)と併用した場合に、真菌類に対する(a)成分の防腐力を顕著に増強させる効果を発揮する。
Figure 2015091787
(a)成分と(b)成分の配合割合(a:b)は、重量比で好ましくは80:20〜20:80、より好ましくは70:30〜30:70、更に好ましくは60:40〜40:60である。
下記式(7)で表されるフェネチルアルコール(以下、(c)成分ともいう)は、それ単独では真菌類に対して防腐力を示さないが、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステル((a)成分)と併用した場合に、真菌類に対する(a)成分の防腐力を顕著に増強させる効果を発揮する。
Figure 2015091787
(a)成分と(c)成分の配合割合(a:c)は、重量比で好ましくは80:20〜20:80、より好ましくは70:30〜30:70、更に好ましくは60:40〜40:60である。
このように、前記(a)成分と共に防腐剤組成物に含有させた場合に、真菌類に対する(a)成分の防腐力を顕著に増強させる効果を有する好ましい化合物は、フェノキシエタノール、またはフェネチルアルコールであり、また、ベンジルアルコールであっても好ましい。また、前記防腐剤組成物には、フェノキシエタノール、フェネチルアルコール、及びベンジルアルコールからなる群より選ばれた2種以上の化合物の混合物が含まれることとしても好ましい。ベンゼン環及びヒドロキシル基を備えることを特徴とするこれらの化合物が、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルの真菌類に対する防腐機能を活性化させると考えられるからである。
そのため、本発明に係る防腐剤組成物は、前記(a)成分と芳香族アルコールとを含有するものであることが好ましい。さらに好ましくは、前記芳香族アルコールが、フェノキシエタノール、フェネチルアルコール、及びベンジルアルコールが属する芳香族の第一級アルコールであることにより、真菌類に対する前記(a)成分の防腐力を顕著に増強させる効果を発揮することができる。
本発明の防腐剤組成物は、酵母、黒カビ等の真菌類に対して優れた防腐力を示す。このため、例えば、食品、食器類、香粧品、化粧品、皮膚外用剤、口腔衛生製品、医薬部外品、生活衛生用品、衣類、塗料およびペット衛生用品から選ばれる防腐対象物に本発明の防腐剤組成物を配合すれば、該防腐対象物の真菌類に対する防腐力を高めることができ、結果として使用者の菌感染や食中毒などを効果的に予防することができる。防腐対象物中の防腐剤組成物の含量は、通常0.01〜50重量%であり、好ましくは0.1〜10重量%である。
上記の防腐対象物中に本発明の防腐剤組成物を配合する場合、本発明の目的を損なわない範囲で、該防腐対象物中に、従来から知られている防腐剤の1種または2種以上を配合することも可能である。併用できる他の防腐剤としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンザルコニウム、クロロヘキシジン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール、オフロキサシン、ヨウ素、フッ化ナトリウム、安息香酸系、ソルビン酸系、有機ハロゲン系、ベンズイミダゾール系の殺菌剤、銀、銅などの金属イオン、レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、エタノール、プロピレングリコール、1,2−アルカンジオール、ポリリジン、リゾチーム、キトサン、チモール、オイゲノール、油性甘草エキス、桑白皮エキス、アシタバ抽出エキス、香辛料抽出物、ポリフェノールなどの植物抽出物エキス等が挙げられる。上記従来の防腐剤は、本発明の防腐剤組成物の含有成分として防腐対象物に配合してもよく、または本発明の防腐剤組成物とは別に防腐対象物に配合してもよい。
さらに、本発明の防腐剤組成物は皮膚外用剤の一般成分と混合して使用に供することもできる。
本発明の防腐剤組成物の形態は、上述した防腐対象物に応じて適宜変更可能であり、例えば、粒状、ペースト状、固形状、液体状などが採用できる。
上述した防腐対象物に本発明の防腐剤組成物を配合する際は、上述した形態を製造し得る公知の装置(パドルミキサー、ホモミキサー、ホモジナイザーなど)が好適に使用できる。本発明の防腐剤組成物は配合特性に優れるので、製造された種々の防腐対象物から該防腐剤組成物が結晶として析出することはない。
以下、試験例などにより本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。また、特に断らない限り「%」は重量%を意味する。
<1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルの合成例>
(1)1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル((a−1)成分)の合成例
(1−1)レフォルマトスキー反応によるβ−ヒドロキシデカン酸メチルエステルの合成例
300mlの四口丸底フラスコに亜鉛6.5g、オクタナール15.5g、トリメトキシボラン25mlおよび乾燥THF25mlを入れ、20℃、窒素気流下で2時間かけてブロモ酢酸メチル17.5gを滴下した。滴下後、20℃で1時間撹拌したのち、飽和アンモニア水溶液25mlとグリセリン25mlを加えて10分撹拌した。有機層を分離し、水溶液層をジエチルエーテルで2回抽出した。その後、有機溶液を集めて脱溶媒を行い、残分を蒸留で精製してβ−ヒドロキシデカン酸メチルエステルを得た。
(1−2)1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステルの合成例
50ml耐圧バイアル瓶に上記で得られたβ−ヒドロキシデカン酸メチルエステル5g、1,3−プロパンジオール5g、固定化リパーゼ(製品名 Novozyme435:ノボザイムズジャパン株式会社)を0.05g添加し、50℃、10mmHgの減圧下で24時間撹拌を行った。反応後、得られた反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行った結果、純度99%の1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステルを得た。
<乳液中での防腐力評価試験>
表1に示す処方で、POE(20)ステアレート、テトラオレイン酸POE(40)ソルビット、モノステアリン酸グリセリン、スクワラン、グリセリントリオクタノエート、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、キサンタンガムおよび精製水を含有する化粧品成分に対して、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル((a−1)成分)とフェノキシエタノール((b)成分)を配合した乳液(実施例1)、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル((a−1)成分)とフェネチルアルコール((c)成分)を配合した乳液(実施例2)、(a−1)成分を配合した乳液(比較例1)、(b)成分を配合した乳液(比較例2)、(c)成分を配合した乳液(比較例3)、1,2−ペンタンジオールを配合した乳液(比較例5)、(b)成分と1,2−ペンタンジオールを配合した乳液(比較例6)を作製し、後述するチャレンジテストにより防腐力を評価した。なお、対照として上記いずれの防腐剤成分も配合しない乳液(比較例4)を用いた。
Figure 2015091787
供試菌には、黒カビ(A.niger、JCM10254)を用いた。この菌を予め前培養した培養液を、約10〜10cfu/mlに調製し、菌濁液とした。なお、菌数はコロニーカウント法により確認した。次いで、オートクレーブにより滅菌した50mlバイアル瓶に実施例1、及び比較例1〜5の乳液を20g入れ、上記菌濁液を100μl接種して、25℃で培養を行った。試料中の残存菌数については接種後1時間後、1日後、7日後、14日後に各試料を0.5gずつ抜き取り、生理食塩水で希釈したものを寒天培地に塗布して24時間培養し、試料中の菌数を算出した。結果を表2に示す。表2は、試料中の残存菌数の経日変化を示す表である。
Figure 2015091787
表2の結果より、防腐剤成分として1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル((a−1)成分)のみを0.5%含有した比較例1は、生菌数を10cfu/ml以下にするのに、14日間かかった。防腐剤成分としてフェノキシエタノール((b)成分)のみを0.5%含有した比較例2は、14日間の間で生菌数が減少することは無かった。これに対し、比較例1の半量の(a−1)成分0.25%と比較例2の半量の(b)成分0.25%とを併用した実施例1は、7日間で生菌数が10cfu/ml以下になった。本結果より、フェノキシエタノールは単独ではカビに対する防腐力を示さないこと、および1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステルとフェノキシタノールを組み合わせて処方することで、それぞれ単独で使用した場合よりも防腐力が格段に向上することが確認された。また、フェネチルアルコール((c)成分)のみを0.5%含有した比較例3は、14日間の間で生菌数が減少することは無かった。これに対し、比較例1の半量の(a−1)成分0.25%と比較例3の半量の(c)成分0.25%とを併用した実施例1は、実施例1と同様に7日間で生菌数が10cfu/ml以下になった。本結果より、フェネチルアルコールは単独ではカビに対する防腐力を示さないこと、および1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステルとフェノキシタノールを組み合わせて処方することで、それぞれ単独で使用した場合よりも防腐力が格段に向上することが確認された。
<本発明に係る防腐剤組成物を配合した化粧料組成物の配合特性>
(化粧水の配合処方)
グリセリン 5.00重量%
ジプロピレングリコール(DPG) 3.00
POE(60)硬化ヒマシ油 0.60
クエン酸Na 0.15
クエン酸 0.01
グリシン 0.20
アラニン 0.10
ヒアルロン酸Na 0.01
1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル
0.25
フェノキシエタノール 0.25
精製水 残部
(製法)
グリセリン、DPG、POE(60)硬化ヒマシ油、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル、フェノキシエタノールを混合し、70℃に加熱溶解した(これを混合物Aとする)。一方、クエン酸Na、クエン酸、グリシン、アラニン、ヒアルロン酸Na、水をそれぞれ室温で混合した(これを混合物Bとする)。続いて、混合物Aと混合物Bを合わせて50℃で混合し、化粧水を得た。
(配合特性)
1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル、フェノキシエタノールは他の成分と容易に混和した。得られた化粧水には濁りや析出は見られなかった。
また、前記化粧水におけるフェノキシエタノールに代えて同量のフェネチルアルコールを配合した化粧水を、前記と同様の製法で作製したところ、化粧水を得ることができた。その配合特性として、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル、フェネチルアルコールは他の成分と容易に混和した。得られた化粧水には濁りや析出は見られなかった。
(乳液の配合処方)
セタノール 1.00重量%
スクワラン 4.00
ステアリン酸 1.00
モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25EO) 3.20
グリセリンステアリン酸モノエステル 1.00
1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル 0.25
フェノキシエタノール 0.25
γ−トコフェロール 0.05
BHT(酸化防止剤) 0.01
1,3−ブタンジオール 3.00
カルボキシビニルポリマー 0.20
水酸化カリウム 0.20
精製水 残部
(製法)
セタノール、スクワラン、ステアリン酸、γ−トコフェロール、BHT、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25EO)、グリセリンステアリン酸モノエステル、1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシデカン酸エステル、フェノキシエタノールをそれぞれ混合し70℃に加温溶解した(これを混合物Aとする)。一方、1,3−ブタンジオール、カルボキシビニルポリマー、水酸化カリウムをそれぞれ室温下で混合した(これを混合物Bとする)。続いて、混合物Aと混合物Bを合わせて60℃に加温し精製水中に少量ずつ添加しながら激しく攪拌し乳化して乳液を得た。
(配合特性)
本発明品は他の成分と直ちに混和した。得られた乳液には分離や析出は見られなかった。
また、前記乳液におけるフェノキシエタノールに代えて同量のフェネチルアルコールを配合した乳液を、前記と同様の製法で作製したところ、乳液を得ることができた。得られた本発明に係る乳液は他の成分と直ちに混和した。得られた乳液には分離や析出は見られなかった。
本発明に係る防腐剤組成物は幅広い菌(特に、真菌類)に対し優れた防腐力を有し、かつ配合特性にも優れるので、食品、食器類、香粧品、化粧品、皮膚外用剤、口腔衛生製品、医薬部外品、生活衛生用品、衣類、塗料およびペット衛生用品から選ばれる防腐対象物の配合成分として好適である。

Claims (5)

  1. 下記式(1):
    Figure 2015091787
    (式中、Rは、炭素数7〜9の分岐または非分岐の、飽和または不飽和アルキル基を示す。)で表される1,3−プロパンジオールモノβ−ヒドロキシカルボン酸エステルと、芳香族アルコールとを含有する防腐剤組成物。
  2. 前記芳香族アルコールが芳香族の第一級アルコールであること
    を特徴とする請求項1記載の防腐組成物。
  3. 前記芳香族の一級アルコールが、フェノキシエタノール及びフェネチルアルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物であること
    を特徴とする請求項2に記載の防腐組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の防腐剤組成物を含有する化粧品。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の防腐剤組成物を食品、食器類、香粧品、化粧品、皮膚外用剤、口腔衛生製品、医薬部外品、生活衛生用品、衣類、塗料およびペット衛生用品から選ばれる防腐対象物に配合して、該防腐対象物の真菌類に対する防腐力を高める方法。
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